JP3082247U - 真空式骨壺 - Google Patents

真空式骨壺

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Abstract

(57)【要約】 【課題】手動や電動による操作方式で骨壺内を真空状態
に保持し、内部に安置された骨片や骨灰の変質を防止
し、長期間の保存に耐え得る真空式骨壺を提供する。 【解決手段】本考案の真空式骨壺は、一つの壺体(1
0)内に骨片や骨灰を安置し、その頂上の開口(11)
の蓋(12)を結合器具(14)で壺体と気密に結合
し、真空ポンプ(20)のベース(25)とピストン
(24)には夫々第一と第二のチェック・バルブ(2
6、29)があり、操作ロッド(23)でピストンを往
復させ、両バルブを交互に開放させて、骨壺内の空気を
外部に放出して内部を一定の真空度に保持する。また、
音響装置(50)を付加して、読経の音声や音楽を放送
することもできるようにした。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は一つの人間、或いはペットの遺骸、またはその焼化された骨灰を保存 する容器に係り、特に手動、または電動操作により、容器の内部を真空状態にす ることにより、その内容物の長久保存を図れる真空式骨壺に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び本考案が解決しようとする課題】
過去、故人の遺体の処理は土葬が一般であった。近年来土地の利用が飽和状態 になり、また環境保護と衛生上の見地から、漸次、火葬が土葬に代わるようにな ってきた。土葬の改葬の際に、遺体や火葬後の骨灰は、普通陶器の容器、即ち骨 壺に安置されるのが現状である。
【0003】 内部の骨片や骨灰が長年の湿気で変質するのを防ぐため、一般に骨壺内には木 炭等の吸湿物質を加入し、壺内の湿気を吸収させて遺骸の乾燥を期するとはいえ 、いくら上質の吸湿物質でも、或る期間が過ぎればその吸湿性は飽和状態となり 、内容物の変質は免れ得ない。
【0004】 また従来の骨壺の構造では、その内部の遺骸が外部の空気と完全に隔離するこ とは不可能で、各種細菌や微生物の侵入を受け、その化学作用の結果、遺骸の変 質は一層加速する。
【0005】 なお、このような従来の骨壺に付随する欠点に鑑み、これを改善するために、 本考案者は日夜苦心研鑚の結果、遂に本考案による真空式骨壺の開発の成功に至 った。
【0006】
【考案の目的】
したがって、本考案は、手動、或いは電動方式で骨壺内を真空状態にし、内部 の骨片や骨灰を外界の空気や湿気と隔離して変質を防止し、長期保存ができるよ うにする、真空式骨壺を提供することを目的とする。 また、本考案は、骨壺内を真空状態にするための操作が簡単で、しかも無限次 に反復操作し得る真空式骨壺を提供することを目的とする。 また、本考案は、外界よりの熱の伝導や侵入を阻止し、内部の骨片や骨灰の変 質を防止する真空式骨壺を提供することを目的とする。 さらに、本考案は、一つの音響装置を骨壺に付加し、読経や音楽等を選択して 発声させることのできる真空式骨壺を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
課題を解決するための手段として、本考案に係る真空式骨壺は、その頂上に唯 一の開口を有する一つのの中空の壺体と、開口を閉合する一つの壺蓋と、壺体と 蓋を気密に緊束する一つの結合器具と、骨壺内の空気を抽出ための一つの真空ポ ンプとを備えている。 ここで、真空ポンプは骨壺の壺体に固設されると共に、操作用ロッドでポンプ のピストンを往復させ、ピストン・チエンバーの容積を変更し、ポンプ底部とピ ストンにそれぞれ取り付けた第一と第二チェック・バルブを交互に作用させるこ とで、骨壺内部の空気が一方的に外部に排出されることが特徴である。 また、壺体と蓋の気密性の密封は結合器具として、C形の断面の輪具で壺体の フランジと蓋のフランジを緊密に締めつけることが特徴である。 また、骨壺の頂部には、真空ゲージを備えると共に、内部の真空状態を監測す ることが特徴である。 また、真空ポンプの底部には、フィルターを取り付け、内部の微塵状物質が抽 出される空気と一緒に逸出するのを防止することが特徴である。 また、骨壺内部の底面には、数基の短柱を形成して、骨壺の内箱を支持し、外 部の熱源から阻隔させることが特徴である。 更に音響装置の設置により、骨壺からの読経の音声や音楽も聴取できるように することが特徴である。
【0008】
【考案の実施の形態】 本考案の目的、技術内容及び効果をより深く理解するため、好適な実施形態を 挙げ、図示を参考にして以下に詳述する。
【0009】 図1と図2を同時に参照されたい。本考案に係る真空式骨壺の壺体10は、金 属か、或いはその他の適宜な材料で製作され、その内部には、中空で頂上に唯一 の開口11があり、中空の内部に故人、又はペットの遺骸や骨灰が安置される。
【0010】 壺体10の開口11の周辺には、外に向かって突出した環状フランジ13が形 成されると共に、開口の蓋12の周辺にも、壺体10の環状フランジ13と密着 する別の環状フランジ15が形成されている。 この環状フランジ15には、その下の環状フランジ13との境界には、例えば 、Oリングのような気密性のガスケット16が具備されている。前記フランジ1 3とフランジ15とを畳合させた後、両者の結合器具14として、C形の断面の 輪具で両者を全面に、又は部分的に包装すると共に、更に輪具14の両接合部1 8、19の止金を蝶螺17で締めつけ、前記フランジ13とフランジ15を緊縛 することで、壺体10と蓋12とは気密状態に密着する。
【0011】 必要に応じて、蓋12を開きやすくするため、結合輪具14の接合部18、1 9の対向位置に蝶番42のような枢接用ヒンジが取り付けるのがより一層好都合 である。 なお、結合器具14としては、前記のC形輪具に限らず、ねじのようなその他 の壺体10と蓋12を密着させ得る効能を有するものであれば良い。
【0012】 図2と更に図3、図4を併せて参照されたい。真空ポンプ20の本体21は、 骨壺の壺体10上に固定されると共に、一つのベース25と一本のピストン24 で一つのチェンバー22が内部に形成され、一本の操作用ロッド23によって、 手動、又は電動で外部からピストン24を往復操作して、チェンバー22内の容 積を変更する。 ベース25とピストン24とには、それぞれ、コイル・バネで支持されたスチ ール・ボール27、またはスチール・ボール30にある第1チェック・バルブ2 6、または、第2チェック・バルブ29が取り付けられており、前者と後者はそ れぞれ、その下の給気孔28と、排気孔31の開閉を制御する。
【0013】 図3に示すように、操作ロッド23を上方に引けば、ピストン24も上方に移 動し、チェンバー22の容積は拡大して、壺体10内に対して負圧となり、その 圧力差で第一チェック・バルブ26のスチール・ボール27は押され、コイル・ スプリング37の弾力によって給気孔28は開放され、壺体10内の空気は、第 一チェック・バルブ26からチェンバー22内に流入する。 一方、第二チェック・バルブ29は、外部の気圧がチェンバー22の内圧より 大きくなるため、その排気孔31は、依然としてスチール・ボール30に封止さ れて、閉合状態が保持される。
【0014】 図4に示すように、操作ロッド23を下方に押せば、ピストン24も下方に移 動し、チェンバー22は圧縮されて、その内圧は外界の気圧より大きくなり、そ の圧力差で第二チェック・バルブ29のスチール・ボール30は押されて、上方 に移動し、コイル・スプリング38の弾力によって、排気孔31は開放され、チ ェンバー22内の空気は、第二チェック・バルブ29から外界へ放出される。 この際、第一チェック・バルブ26は、チェンバー22の内圧が壺体10内の 気圧より大きくなるため、スチール・ボール27は給気孔28を封止した状態を 保持する。 このように、ピストン24の上下往復作動によって、チェンバー22内部に蓄 積された空気は、漸次外界へ抽出されて希薄となり、遂に壺体10内部は真空状 態となり、その中に保存される骨片や骨灰は、湿気や微生物の侵害から解放され 、長期間に亘って、変質する恐れがない。
【0015】 また、壺体10、或いは蓋12の上には、真空ゲージ33を取り付けて、壺体 10内の真空度を測定し、真空ポンプ20の操作が要否を判断することができる 。 真空ゲージ33は、通気孔34で壺体10の内部と連通して、その真空度を測 定するものであり、通気孔34は、平時一本のピン・バルブ35で封止され外界 との空気の交流を断絶している。 但し、壺内の真空度を知る必要がある場合だけでは、ピン・バルブ35を開放 して真空ゲージ33を使用すればよい。
【0016】 真空ポンプ20の底部には更に、例えば、スポンジのような材料で製作した濾 過素子39を取り付け、真空ポンプ20の動作中、内部の微塵状骨灰が空気と共 に外部に排出されるのを防止する。
【0017】 また、図2に示すように、壺体内部の底部には更に、一つの内箱40を支持す るための数基の短柱36が形成されており、内箱40にも一つの蓋41を設け、 その内に骨片や骨灰を安置する。 このようにすれば、外界の熱が壺体10や空気の伝導により、骨片や骨灰を犯 して、その変質を加速するようなことが発生しない。また、内箱40の蓋41は 、真空ポンプ20の動作中、内箱40内の微塵状の骨灰が流出する空気と共に、 逸出するのを防止する効能も発揮する。
【0018】 図5に示すように、本考案に係る真空式骨壺には、更に一つの音響装置50が 付加されると共に、乾電池の電源電圧(V)が提供され、電源に接続されたスイ ッチS1がONの時、電流は、抵抗Rで流れ、LEDを点灯して放送状態が表 示される。 電流は更に、音声が焼付けてある一つの集積回路(IC)に至る。一つの抵抗 RはICの両ピン間に接続され音階調整器として作用する。更に、R、C 及びトランジスターQで構成された増幅器により、前記ICに焼付けられた読 経や音楽などが、音階調整や増幅を経由した後、スピーカーで放送される。
【0019】
【考案の効果】
本考案に係る真空式骨壺は、従来の骨壺と比べて、下記のような顕著な効果を 得ることが出来る。 <イ>手動や電動で骨壺内を真空状態に保持できるため、内部の骨片や骨灰が空 気中の湿気による変質を防止することができる。 <ロ>内部の骨片や骨灰を外界の熱源から遮断して、更にその変質を防止ること ができる。 <ハ>空気抽出の操作は、極めて簡単で、限りなく反復操作することができるこ とから、壺内は常時一定の真空度を保持することができる。 <ニ>音響装置を付加しているため、読経や音楽が遺族友人にとって聴取できる と同時に、故人の追憶や尊敬の雰囲気を高めることができる。
【0020】 本考案の内容は上記の実施形態に限定されるものではなく、当業者なら、本考 案の明細書を詳読した後、その内容に若干の変更や修飾を加え得ることが可能で あるため、そのような変更や修飾が、本考案の実用新案登録請求の範囲に属する とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る真空式骨壺の立体全体図である。
【図2】本考案に係る真空式骨壺の縦断面図である。
【図3】図2の一部分の拡大図である。
【図4】ピストンがやや下方に移動した状態を示した図
2の一部分の拡大図である。
【図5】本考案に係る真空式骨壺に付加した音響装置の
電気回路図である。
【符号の説明】
10 壺体 11 頂
上の開口 12 骨壺の蓋 13 壺
体の環状フランジ 14 結合器具 15 蓋
の環状フランジ 16 ガスケット 17 蝶
螺 18、19 結合器具の接合部 20 真
空ポンプ 21 ポンプ本体 22 チ
ェンバー 23 操作ロッド 24 ピ
ストン 25 ベース 26 第
一チェック・バルブ 27、30 スチール・ボール 28 給
気孔 29 第二チェック・バルブ 31 排
気孔 32 蓋 33 真
空ゲージ 34 通気孔 35 ピ
ン・バルブ 36 短柱 37、38 コ
イルばね 39 フィルター素子 40 内
箱 41 内箱の蓋 42 蝶
番 50 音響装置

Claims (8)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】遺骨を保存する骨壺において、 その頂上に唯一の開口を有する一つの中空の壺体と、 前記開口を閉合する一つの壺蓋と、 前記壺体と前記壺蓋を気密に緊束する一つの結合器具
    と、 前記骨壺内の空気を抽出するために、前記壺体上に固設
    された一つの真空ポンプを備えることを特徴とする、 真空式骨壺。
  2. 【請求項2】前記真空ポンプの本体は、前記骨壺の壺体
    に固設されると共に、一つのベースと一本のピストンで
    一つのチエンバーが内部に形成され、一本の操作用ロッ
    ドで、外部から前記ピストンを前記ポンプ内で往復操作
    させて、前記チエンバーの容積を変更する一方、 前記ベースと前記ピストンには、それぞれ、コイル、ば
    ねで支持されたスチール・ボールのある第一チェック・
    バルブと第二チェック・バルブが取り付けられており、
    平時、第一チェック・バルブは、その下の給氣孔を閉止
    し、第二チェック・バルブは、その下の排気孔を閉止す
    ることを特徴とする、 請求項1に記載の真空式骨壺。
  3. 【請求項3】前記開口の周辺には、外に向かって突出し
    た一つの環状のフランジが形成され、前記骨壺の蓋にも
    前記開口の環状フランジと密着する環状フランジが形成
    されると共に、前記蓋のフランジには、気密性のガスケ
    ットが取り付けられていることを特徴とする、 請求項1に記載の真空式骨壺。
  4. 【請求項4】前記両フランジは、前記結合器具として一
    つのC形の断面の輪具で包装され、輪具の両接合部の止
    金を蝶螺で締めつけて、前記壺体と前記蓋を密着させる
    ことを特徴とする、 請求項3に記載の真空式骨壺。
  5. 【請求項5】前記骨壺の頂部には、更に一つの壺体内部
    の気圧を測定する真空ゲージが設置されると共に、その
    通気孔は、一つのピン・バルブで常時、封止されている
    ことを特徴とする、 請求項1に記載の真空式骨壺。
  6. 【請求項6】前記真空ポンプの底部には更に、前記壺体
    内部の微塵状物質が空気と共に外部に排出されるのを防
    止するための、フィルター素子を取り付けていることを
    特徴とする、 請求項1に記載の真空式骨壺。
  7. 【請求項7】前記骨壺壺体内部の底面には更に、一つの
    内箱を支持するための数基の短柱が形成されると共に、
    前記内箱には一つの蓋が設けられることを特徴とする、 請求項1に記載の真空式骨壺。
  8. 【請求項8】前記骨壺には更に、一つのスイッチと、一
    つの音声を焼きつけた集積回路と、一つの前記集積回路
    と接続された音階調整器と、一つの増幅器とからなる音
    響装置が設置されると共に、一つのスピーカーで発声さ
    せることを特徴とする、 請求項1に記載の真空式骨壺。
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