JP3081218B2 - ポリオレフィン絶縁ケーブルの半導電層界面改良方法 - Google Patents
ポリオレフィン絶縁ケーブルの半導電層界面改良方法Info
- Publication number
- JP3081218B2 JP3081218B2 JP02165373A JP16537390A JP3081218B2 JP 3081218 B2 JP3081218 B2 JP 3081218B2 JP 02165373 A JP02165373 A JP 02165373A JP 16537390 A JP16537390 A JP 16537390A JP 3081218 B2 JP3081218 B2 JP 3081218B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- semiconductive layer
- interface
- cable
- insulated cable
- improving
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はポリオレフィン絶縁ケーブルの半導電層界面
の改良方法に関するものである。
の改良方法に関するものである。
(従来技術とその問題点) ポリオレフィンを絶縁に使用したした電力用プラスチ
ックケーブル例えばCVケーブルは、油含浸絶縁紙ケーブ
ル、いわゆるOFケーブルのように油を使用しないことか
ら付設工事や保守管理が容易であり、しかも送電損失も
小さい。従って従来の配電用のみではなく超高圧用とし
ても実用され始めている。
ックケーブル例えばCVケーブルは、油含浸絶縁紙ケーブ
ル、いわゆるOFケーブルのように油を使用しないことか
ら付設工事や保守管理が容易であり、しかも送電損失も
小さい。従って従来の配電用のみではなく超高圧用とし
ても実用され始めている。
しかしこのCVケーブルは経年的絶縁劣化が大きいた
め、絶縁体に対する設計電位傾度をOFケーブルのそれよ
り小さくせざるを得なくなり、それだけ絶縁層の厚みを
大にする必要がある。その結果OFケーブルに比べて送電
損失の増大を招くのは勿論であるが、それと同時に外径
が大きくなるのを免れ得ないため、輸送や布設工事に要
する費用も大となる。このためケーブル線路の建設コス
トの大幅な上昇を招くなどの問題がある。
め、絶縁体に対する設計電位傾度をOFケーブルのそれよ
り小さくせざるを得なくなり、それだけ絶縁層の厚みを
大にする必要がある。その結果OFケーブルに比べて送電
損失の増大を招くのは勿論であるが、それと同時に外径
が大きくなるのを免れ得ないため、輸送や布設工事に要
する費用も大となる。このためケーブル線路の建設コス
トの大幅な上昇を招くなどの問題がある。
そこでこの問題の解決について従来から研究がなさ
れ、前記のような経年的絶縁劣化即ちV−t特性の垂下
が、第1図に示す断面図のように製造時半導電層(1)
の面上に残る不整、例えば絶縁体層(2)中に突き出た
形の半導電性突起(3)における電界集中にもとづくも
のであることが明らかにされ(なお図中(4)は導
体)、その除去方法も提案されている。
れ、前記のような経年的絶縁劣化即ちV−t特性の垂下
が、第1図に示す断面図のように製造時半導電層(1)
の面上に残る不整、例えば絶縁体層(2)中に突き出た
形の半導電性突起(3)における電界集中にもとづくも
のであることが明らかにされ(なお図中(4)は導
体)、その除去方法も提案されている。
しかし従来の方法では、半導電層と絶縁体層の界面に
は、第2図のように1ミクロン前後の平均界面粗さ、即
ち絶縁破壊の起点となる電気的不整(5)が残ることが
明らかにされ、この電気的不整を除去または低減するこ
とによって、更なる絶縁破壊強度の向上を図りうること
が明らかにされた。
は、第2図のように1ミクロン前後の平均界面粗さ、即
ち絶縁破壊の起点となる電気的不整(5)が残ることが
明らかにされ、この電気的不整を除去または低減するこ
とによって、更なる絶縁破壊強度の向上を図りうること
が明らかにされた。
(発明の目的) 本発明は上記1ミクロン前後の半導電層界面の電気的
不整の低減に効果的な方法を提供し、より一層の絶縁破
壊強度の向上などを図りうるようにして、ポリオレフィ
ン絶縁ケーブルの一層の高性能化を実現しうるようにし
たものである。
不整の低減に効果的な方法を提供し、より一層の絶縁破
壊強度の向上などを図りうるようにして、ポリオレフィ
ン絶縁ケーブルの一層の高性能化を実現しうるようにし
たものである。
(問題点を解決するための本発明の手段) 本発明の特徴とするところは次の点にある。即ち半導
電層材中に、分子量が300〜20000の非イオン活性剤、例
えばソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エス
テル,デカグリン脂肪酸エステル,ポリグリセリン脂肪
酸エステル,ポリプロピレングリコール,ペンタエリス
トール脂肪酸エステルなどの非イオン活性剤を添加す
る。そしてこの添加剤をケーブル製造時における、高温
の熱架橋温度を利用して、第1図の絶縁体層(2)との
接触面、即ち半導電層(1)の界面に拡散移動させるこ
とを特徴とするものである。即ち加熱により、半導電層
(1)の界面近傍の半導電層中のカーボン粒子の分散性
が制御され、これにより半導電層界面近傍のポリオレフ
ィン絶縁体層(2)中の結晶構造が制御されて、半導電
層(1)の界面上の1ミクロン前後の電気的不整が低減
されるようにしたことを特徴とするものである。次に本
発明の実験例について説明する。
電層材中に、分子量が300〜20000の非イオン活性剤、例
えばソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エス
テル,デカグリン脂肪酸エステル,ポリグリセリン脂肪
酸エステル,ポリプロピレングリコール,ペンタエリス
トール脂肪酸エステルなどの非イオン活性剤を添加す
る。そしてこの添加剤をケーブル製造時における、高温
の熱架橋温度を利用して、第1図の絶縁体層(2)との
接触面、即ち半導電層(1)の界面に拡散移動させるこ
とを特徴とするものである。即ち加熱により、半導電層
(1)の界面近傍の半導電層中のカーボン粒子の分散性
が制御され、これにより半導電層界面近傍のポリオレフ
ィン絶縁体層(2)中の結晶構造が制御されて、半導電
層(1)の界面上の1ミクロン前後の電気的不整が低減
されるようにしたことを特徴とするものである。次に本
発明の実験例について説明する。
(実験例) 実験には三相同時押出し法により製造された絶縁体層
(2)の厚さが3.5mmのモデルケーブルを使用した。添
加剤の効果を見るため原材料と製造条件を全く同一と
し、一方は、半導電層材(エチレン酢酸ビニール共重合
体にカーボン粒子を添加したもの)に添加剤としてソル
ビタン脂肪酸エステルを2wt%添加し、他方は無添加と
してケーブルを製造したところ、第1表の結果を得た。
また第3図(A)(B)は第1表の結果を求めた添加時
と無添加時の電子顕微鏡写真、第4図(A)(B)およ
び第5図(A)(B)は、電子顕微鏡写真(5000倍)を
コンピュータ解析して求めた添加時と無添加時の界面粗
さ分布、および界面粗さの定量評価結果である。
(2)の厚さが3.5mmのモデルケーブルを使用した。添
加剤の効果を見るため原材料と製造条件を全く同一と
し、一方は、半導電層材(エチレン酢酸ビニール共重合
体にカーボン粒子を添加したもの)に添加剤としてソル
ビタン脂肪酸エステルを2wt%添加し、他方は無添加と
してケーブルを製造したところ、第1表の結果を得た。
また第3図(A)(B)は第1表の結果を求めた添加時
と無添加時の電子顕微鏡写真、第4図(A)(B)およ
び第5図(A)(B)は、電子顕微鏡写真(5000倍)を
コンピュータ解析して求めた添加時と無添加時の界面粗
さ分布、および界面粗さの定量評価結果である。
以上から明らかなように本発明によれば平面界面粗さ
を約1/2強に著しく低減することができ、これらによっ
て1%ワイブル絶縁破壊強度を約20%向上させうること
が判る。
を約1/2強に著しく低減することができ、これらによっ
て1%ワイブル絶縁破壊強度を約20%向上させうること
が判る。
(発明の効果) 以上のように本発明によれば、半導電層界面の電気的
不整の発生を著しく抑制することができるので、ポリオ
レフィン絶縁ケーブルの絶縁破壊強度を向上でき、ケー
ブルの絶縁圧さを決める設計電位の傾きを大きくして絶
縁膜を小さくでき、ケーブルの熱的機械的特性の向上を
図りうると同時に、同一の導体径でも多くの電力を輸送
できる。またケーブルの外径を小さくできるので、製造
に必要な原材料の低減を可能とするのみでなく、ケーブ
ルドラムで決定されているケーブルの単位長さを大きく
でき、結果として非常に高価なケーブルの接続工事量お
よびマンホール工事量が低減される。
不整の発生を著しく抑制することができるので、ポリオ
レフィン絶縁ケーブルの絶縁破壊強度を向上でき、ケー
ブルの絶縁圧さを決める設計電位の傾きを大きくして絶
縁膜を小さくでき、ケーブルの熱的機械的特性の向上を
図りうると同時に、同一の導体径でも多くの電力を輸送
できる。またケーブルの外径を小さくできるので、製造
に必要な原材料の低減を可能とするのみでなく、ケーブ
ルドラムで決定されているケーブルの単位長さを大きく
でき、結果として非常に高価なケーブルの接続工事量お
よびマンホール工事量が低減される。
第1図および第2図は従来のポリオレフィン絶縁ケーブ
ルの断面図、および部分断面図、第3図(A)(B)は
添加剤の添加時と無添加時におけるケーブル断面の粒子
構造を示す電子顕微鏡写真、第4図(A)(B)および
第5図(A)(B)は第3図の電子顕微鏡写真から求め
た添加剤添加時と無添加時における界面粗さ分布および
界面粗さの定量評価結果図である。 (1)……半導電層、(2)……絶縁体層、(3)……
半導電性突起、(4)……導体、(5)……半導電層界
面の1ミクロン程度以下の不整。
ルの断面図、および部分断面図、第3図(A)(B)は
添加剤の添加時と無添加時におけるケーブル断面の粒子
構造を示す電子顕微鏡写真、第4図(A)(B)および
第5図(A)(B)は第3図の電子顕微鏡写真から求め
た添加剤添加時と無添加時における界面粗さ分布および
界面粗さの定量評価結果図である。 (1)……半導電層、(2)……絶縁体層、(3)……
半導電性突起、(4)……導体、(5)……半導電層界
面の1ミクロン程度以下の不整。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 9/02
Claims (1)
- 【請求項1】絶縁体層としてポリオレフィンを用いた絶
縁ケーブルの半導電層材中に分子量300〜20000の非イオ
ン性界面活性剤を混入し、該非イオン性界面活性剤をケ
ーブル製造時生ずる高温の熱架橋温度を利用して前記絶
縁体層との接触面へ拡散移動させ、該半導電層の前記絶
縁体層との界面近傍のカーボン粒子の分散性を制御する
ことにより、前記絶縁体層の前記半導電層との界面の結
晶構造を制御して当該界面の粗さを低減し、電気的不整
を低減するようにしたポリオレフィン絶縁ケーブルの半
導電層界面改良方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02165373A JP3081218B2 (ja) | 1990-06-22 | 1990-06-22 | ポリオレフィン絶縁ケーブルの半導電層界面改良方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02165373A JP3081218B2 (ja) | 1990-06-22 | 1990-06-22 | ポリオレフィン絶縁ケーブルの半導電層界面改良方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0456009A JPH0456009A (ja) | 1992-02-24 |
JP3081218B2 true JP3081218B2 (ja) | 2000-08-28 |
Family
ID=15811145
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02165373A Expired - Fee Related JP3081218B2 (ja) | 1990-06-22 | 1990-06-22 | ポリオレフィン絶縁ケーブルの半導電層界面改良方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3081218B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2710447B1 (fr) * | 1993-09-21 | 1995-11-10 | Alcatel Cable | Structure d'isolement pour câble. |
-
1990
- 1990-06-22 JP JP02165373A patent/JP3081218B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0456009A (ja) | 1992-02-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR910009475B1 (ko) | 직류전력케이블 | |
JP3602297B2 (ja) | 直流電力ケーブル | |
JP3081218B2 (ja) | ポリオレフィン絶縁ケーブルの半導電層界面改良方法 | |
OuYang et al. | Investigation of electrical properties of ZnO@ Ag/EPDM composites | |
JP3779840B2 (ja) | 架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの接続部。 | |
JPS61253705A (ja) | 高圧直流送電用電力ケーブル | |
CN115627024B (zh) | 一种高温可剥离绝缘屏蔽材料、其制备方法及应用 | |
JP3901790B2 (ja) | 直流架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブル | |
JPH0680127B2 (ja) | 半導電性樹脂組成物 | |
JP3874862B2 (ja) | 直流架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブル | |
JPH063687B2 (ja) | 直流電力ケーブル | |
JPH10321043A (ja) | 直流用ケーブル | |
JPH0234734Y2 (ja) | ||
JPH01274307A (ja) | 電力ケーブル用導電性組成物 | |
JPH036605B2 (ja) | ||
JPH0260004A (ja) | ゴム・プラスチック絶縁電力ケーブル | |
JPS62177805A (ja) | 直流電力ケ−ブル | |
Gao et al. | Study on improving of interfacial microstructure and breakdown strength of polyethylene for power cables | |
JPH0249314A (ja) | 直流電力ケーブル | |
JPS5978408A (ja) | 半導電性組成物 | |
JPH0422010A (ja) | ゴム・プラスチック絶縁電力ケーブル | |
JPH02297807A (ja) | ブラスチック絶縁電力ケーブル | |
JPS5823682B2 (ja) | デンリヨクケ−ブル | |
JPH0221510A (ja) | 直流ケーブル | |
JPH01135837A (ja) | 導電性組成物の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |