JP3080220U - 遮光装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】建築物の開口部において、夏季には太陽の直射
光を遮光する機能が発揮出来て、冬季には太陽光の受光
を阻害しない様にすることにより、省エネルギーに寄与
出来る遮光装置を提供する。 【解決手段】遮光装置１は、主要部が、略板状の平行す
る複数の水平部材２と、該水平部材を連結し形状を保持
するための平行する複数の垂直部材３からなるもの、ま
たは、各水平部材２の両端部に嵌合され付設される垂直
部材４を付加されたもので、各水平部材２の両端部、ま
たは、各水平部材２の両端部に嵌合され付設される垂直
部材４の側縁部を、建築物の開口部に付帯する網戸の縦
枠の内側に有する突起部の二つの突起部の間または一つ
の突起部と網部の間に嵌合させることにより着設固定さ
れ、太陽の直射光の遮光する機能を発揮することを特徴
として、夏季には着設して遮光を図り、冬季には脱着し
て太陽光の受光に影響を及ぼさない様にすることを図
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、建築物の夏季の省エネルギーに寄与することを目的として、建築物 の開口部に付帯する網戸に着設して太陽の直射光を遮光する機能を発揮する遮光 装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

近年、省エネルギーおよび居住の快適性の観点から、建築物の断熱および気密 については認識が深まって来ており、建築物の躯体部の断熱性能と気密性能は向 上されつつあるとともに、窓等の開口部においてもペアガラスを用いた断熱サッ シ等により断熱性能が改善して来ている。しかし、近年に新築される戸建住宅や 集合住宅においては、開口部の上部の庇の出が小さくなる傾向にあり省略される 場合も見受けられる。この様な場合には、開口部からの太陽の直射光の入射量が 増加して室内に蓄熱され、室内温度への影響が増大される。この室内温度への影 響は、冬季においては室内温度の上昇として省エネルギーに寄与するが、夏季に おいては逆に冷房負荷増大の要因となり省エネルギーの観点からは好ましくない という問題がある。このため、夏季においては、開口部からの太陽の直射光の入 射量を低減させる方策が望まれ、その方策としては、室内に蓄熱させない様に外 部で遮光出来るものが好ましい。

【０００３】 しかしながら、通常の開口部に併設される雨戸でぞれを代替しようとすると、完 全遮光となり室内は真っ暗になり、閉塞感も惹起し、外は明るいのに室内におい ては照明を点灯する必要性が生じるとともに、雨戸により密閉されるので雨戸の 受光熱が開口部を通して室内伝搬され蓄熱されるため常時冷房装置を可動させて いなくてはならず、解決策にはなり得ない。また、一部では外部に簾を簡易的に 取り付けている例も見られるが、この場合には強風時に該簾が飛散する恐れがあ り、物損および人身等の事故を惹起する恐れもある。この他にも、二重ガラスサ ッシでガラス間にブラインド機能のものを組み込んだサッシも出現しているが、 該サッシを用いようとする場合には、従来のシングルサッシまたは普及品となり つつあるペアガラスサッシとでは、周囲との取り合いと仕舞い仕上げ方法と異な る点が多いことと高価であるために現状では普及はしていない。この様なことか ら、従来の対応策としては、ブラインドもしくはカーテン等による室内側からの 遮光方法が一般的であり、これらの方法では開口部の室内側まで太陽の直射光は 入射するために、夏季の太陽光の受光熱の蓄積の課題は解決されない。前述の様 な対応策が一般的に用いられる一部の要因としては、外部に遮光設備または装置 を設置するには、強風時等に対する強度を確保する必要があり、現在普及してい る室内側に設置されるブラインド等を転用することは困難であるとともに、共同 住宅では躯体部を改造することは禁止されている場合が多く、外部への遮光設備 または装置の設置が困難である場合が多いことが挙げられる。また、前記の課題 を解決する遮光設備または装置が外部に設置可能になったとしても、冬季にも遮 光することになる固定の遮光設備または装置では好ましくない。この様なことか ら、夏季には太陽の直射光を遮光する機能が発揮出来て、冬季には太陽光の受光 を阻害しない様に出来ることにより、省エネルギーに寄与出来る簡便な装置また は方策の提案が望まれている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、前述の実状に鑑みてなされたもので、開口部の上部の庇の出が小さ いかまたは省略される場合の建築物において、夏季における開口部からの太陽光 の入射量増加による室内蓄熱の影響の課題の解決を図るべく、夏季には太陽の直 射光を遮光する機能が発揮出来て、冬季には太陽光の受光を阻害しない様にする ことにより、省エネルギーに寄与出来る簡便な遮光装置を提供することを目的と する。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

前記の目的を達成するため、本考案に係る遮光装置は、建築物の開口部に付帯 する網戸に着設して用いられる遮光装置であって、硬質プラスチックまたは金属 もしくはこれらの複合材等の硬質材料からなる部材で構成され、主要部が、略板 状の平行する複数の水平部材と、該水平部材を連結し形状を保持するための平行 する複数の垂直部材からなるもの、または、前記各水平部材の両端部に嵌合され 付設される垂直部材が付加されたもので、前記各水平部材の両端部、または、前 記各水平部材の両端部に嵌合され付設される垂直部材の側縁部を、網戸の縦枠の 内側に有する突起部の二つの突起部の間または一つの突起部と網部の間に嵌合さ せることにより着設固定されて太陽の直射光の遮光する機能を発揮することを特 徴とし、夏季には、着設して太陽の直射光の遮光機能が発揮し、冬季には、脱着 することにより太陽光の室内への受光を阻害しない様にすることを図る。

【０００６】

【考案の実施の形態】

以下、本考案に係る遮光装置の実施の形態について図面を参照して説明する。 図１は本考案の遮光装置の実施例１の正面図、図２はその縦断面図、図３は実施 例１の網戸に着設した状況を示す横断面図である。図４は本考案の遮光装置の実 施例２の正面図、図５は実施例２の網戸に着設した状況を示す横断面図である。 本考案の遮光装置１は、硬質プラスチックまたは金属もしくはこれらの複合材等 の硬質材料からなる部材で構成されており、図１に示す様に、主要部が、略板状 の平行する複数の水平部材２と、前記各水平部材２を連結し形状を保持するため の平行する複数の垂直部材３からなるもの、または、図４に示す様に、前記各水 平部材の両端部に嵌合され付設される垂直部材４が付加されたもので、図３およ び図５に示す様に、前記各水平部材の両端部、または、前記各水平部材２の両端 部に嵌合され付設される垂直部材４の側縁部を、網戸の縦枠５の内側に有する突 起部５ａの二つの突起部５ａ、５ａの間または一つの突起部５ａと網部６の間に 嵌合させることにより着設固定されることを特徴とし、夏季には、遮光装置１を 網戸に着設し太陽の直射光を遮光する機能を発揮して、冬季には、遮光装置１を 網戸から脱着することにより太陽光の室内への受光を阻害しない様にして、省エ ネルギーに寄与することを特徴とする。

【０００７】 遮光装置１は、プラスチックまたは金属もしくはこれらの複合材等で自己形状 保持強度の大きい硬質材料からなる部材で構成されている。プラスチック材料の 例としては、硬質なる、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカー ボネート等の材質が考えられ、金属材料の例としては、アルミニウム、鉄、また は、ステンレス等が考えられる。なお、材質については、本考案の目的を達成出 来る限りにおいて例示している材質に限定はされない。そして、材質は部位によ り異なる材質のものを用いることも出来る。以下、各部材について説明する。

【０００８】 水平部材２は平行して複数あり、各水平部材の長さは着設される網戸の縦枠間 に納まる寸法に設定され、幅は約１０〜１５ｍｍ程度に設定されるとともに、網 戸の縦枠の突出部に嵌合される両端部の幅は前記網戸の縦枠の内側に有する二つ の突起部の間または一つの突起部と網部の間の寸法に設定される。また、隣接す る部材間の平行間隔は１０〜１５ｍｍ程度の寸法に設定されるとともに、太陽光 の移動を勘案した遮光効果を確実にするために、幅方向の断面において２０〜６ ０度程度範囲の勾配が付けられて配設されている。そして、部材の厚みについて は、材質および、固定強度、耐風圧力、太陽光による部材の耐温度上昇、耐久性 等の要因を勘案して設定されるが、通常では、２ｍｍ程度の寸法に設定される。 また、該部材の表面には視覚的観点から図柄を貼付することも出来る。

【０００９】 垂直部材３は、平行して複数あり、各垂直部材の長さは着設される網戸の横枠 間に納まる寸法に設定され、幅は１０〜３０ｍｍ程度に、厚みは５〜１２ｍｍ程 度の寸法に設定される。そして、該垂直部材３の隣接する間隔寸法は２００〜４ ００ｍｍ程度に設定される。また、水平部材２との連結方法においては、水平部 材２との一体成形による方法または嵌合と接着による方法等が考えられるが、本 考案の遮光装置が目的を達成出来る限りにおいて、限定はされない。

【００１０】 水平部材２の両端部に嵌合され付設される垂直部材４は、長さは着設される網 戸の横枠間に納まる寸法に設定され、幅は１０〜３０ｍｍ程度、厚みは５〜１２ ｍｍ程度の寸法に設定される。そして、網戸の縦枠との嵌合部においては、網戸 の縦枠の内側に有する二つの突起部の間または一つの突起部と網部の間の寸法に 設定され、嵌合深さは基本的には前記突出部の突出寸法とするとともに、水平部 材２との嵌合形状については目的を達する限りにおいて限定はされない。また、 当該垂直部材４内に伸縮機構を組み込むことは本遮光装置１の網戸への着説を確 実にするためには効果的である。該伸縮機構については、バネまたは軟質なる伸 縮材料を組み入れることが考えられるが、本考案の遮光装置が目的を達成出来る 限りにおいて限定はされない。

【００１１】

【考案の効果】

本考案によれば、建築物の開口部において、遮光が必要とされる夏季には室内 に蓄熱させない様に開口部の外部にて遮光することが出来て、不要となる冬季に は脱着して太陽光の受光を阻害させなくすることが容易に出来るので、省エネル ギーを図ることに寄与出来る様になる。また、開口部に付帯する網戸を利用して 着設されるために、建築物の躯体の改造工事等を行う必要はなく、着設固定強度 も該網戸の枠材および網部の強度を利用して容易に確保することが出来る。そし て、当該装置の着設固定に万一不都合が生じた場合においても、外側に網部を有 するので強風時等においての飛散の恐れは低減される。しかも、本装置は前記網 戸の本来の機能である防虫機能および通気機能等の機能を阻害することはない。 この様に、国が強力に推進しつつある省エネルギーに寄与出来るとともに、新築 のみならず既存の建築物の躯体に手を加えることなく広範にしかも簡便に用いる ことが出来て、無駄な出費も抑えることが出来ので、経済的にも社会に貢献しう る遮光装置を提供することが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の遮光装置の実施例１の正面図

【図２】 本考案の遮光装置の実施例１の縦断面図

【図３】 本考案の遮光装置の実施例１を網戸に着設し
た状態の横断面図

【図４】 本考案の遮光装置の実施例２の正面図

【図５】 本考案の遮光装置の実施例２を網戸に着設し
た状態の横断面図

【符号の説明】

１ ；遮光装置 ２ ；水平部材 ３ ；垂直部材 ４ ；水平部材の両端部に嵌合され付設される垂直部材 ５ ；網戸の縦枠材 ５ａ；網戸の縦枠材の突出部位 ６ ；網戸の網部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 建築物の開口部に付帯する網戸に着設し
   て用いられる遮光装置であって、硬質プラスチックまた
   は金属もしくはこれらの複合材等の硬質材料からなる部
   材で構成され、主要部が、略板状の平行する複数の水平
   部材と、該水平部材を連結し形状を保持するための平行
   する複数の垂直部材からなるもの、または、前記各水平
   部材の両端部に嵌合され付設される垂直部材が付加され
   たもので、前記各水平部材の両端部、または、前記各水
   平部材の両端部に嵌合され付設される垂直部材の側縁部
   を、網戸の縦枠の内側に有する突起部の二つの突起部の
   間または一つの突起部と網部の間に嵌合させることによ
   り着設固定されて太陽の直射光を遮光する機能を発揮す
   ることを特徴とする遮光装置。