JP3078925U - 溶媒に固体を溶解する溶解装置のノズル装置 - Google Patents

溶媒に固体を溶解する溶解装置のノズル装置

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Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 混合タンク内の溶解時間を短縮し、簡単化し
た溶解装置を提供すること。 【解決手段】 溶媒と固体の懸濁液が混合タンクの底部
分から取り出され、続いて懸濁液が混合タンクの外側で
循環管路を経て循環させられて再び混合タンクに供給さ
れる、固体を溶媒に溶解する溶解装置のノズル装置にお
いて、混合タンク１への懸濁液の供給が、混合タンクの
底部分１ａ内に配置されたノズル装置３を経て行われ、
このノズル装置が、供給管３ａから流れ方向に見て、環
状隙間ノズル３ｃと管ノズル３ｄに分岐し、環状隙間ノ
ズル３ｃが混合タンク１の縦軸線に対して横方向に向い
た環状隙間流れＲを発生し、管ノズル３ｄが推進流Ｔを
発生し、この推進流が、混合タンク１の縦軸線に関し
て、混合タンクの頭部分１ｃの方に向いた軸方向の方向
成分と接線方向の方向成分を有するようにしたノズルを
備えた溶解装置。

Description

【考案の詳細な説明】
【０００１】
【考案の属する技術分野】
本考案は、溶媒と固体の懸濁液が混合タンクの底部分から取り出され、続いて 懸濁液が混合タンクの外側で循環管路を経て循環させられて再び混合タンクに供 給される、固体を溶媒に溶解する溶解装置のノズル装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
飲料工業ではしばしば、例えばクエン酸または人工甘味料のような、個体粉末 としての所定の添加物を、水溶液にするという課題がある。添加物をこの水溶液 の状態にすることにより、それぞれの飲物の製造プロセスの範囲内で後続処理す ることができる。それぞれの固体を溶かすために先ず最初に、固体を溶媒、例え ば水内で懸濁させる必要がある。必要な量の水を含む混合タンクに、溶解すべき 量の固体を入れ、続いて攪拌装置を用いて懸濁することが知られている。この攪 拌装置は例えばモータ駆動の攪拌部材からなっている。更に、溶媒と固体の懸濁 液を混合タンクの外側で循環管路を経て循環させ、混合タンクに再び供給するこ とにより、攪拌作用と懸濁作用が改善される。その際通常は、懸濁液が混合タン クの底部分から取り出され、円筒状の外周壁部分の範囲に再び供給される。クエ ン酸または人工甘味料を水に溶解する際、このような溶解装置の場合には、例え ば１５〜２０分の溶解時間がかかる。
【０００３】 溶解時間をできるだけ短縮するという基本的な要求のほかに、特に公知の溶解 装置のモータ駆動の攪拌装置は有利ではない。なぜなら、攪拌装置のコストが高 くつき、攪拌装置が洗浄困難な組み込み機器であるからである。この組み込み機 器は、いわゆる自動貫流洗浄（ＣＩＰ（Cleaning in place）洗浄；現場での洗 浄）方法ではしばしば洗浄が困難であるかまたは不充分である。
【０００４】
【考案が解決しようとする課題】
本考案の課題は、冒頭に述べた種類の公知の溶解装置と比べて混合タンク内の 溶解時間を短縮し、装置自体を簡単化することである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
この課題は、溶媒と固体の懸濁液が混合タンクの底部分から取り出され、続い て懸濁液が混合タンクの外側で循環管路を経て循環させられて再び混合タンクに 供給される、固体を溶媒に、特に粉末状固体を水に溶解する溶解装置のノズル装 置において、 混合タンク（１）への懸濁液の供給が、混合タンクの底部分（１ａ）内に配置 されたノズル装置（３）を経て行われ、 このノズル装置が、供給管（３ａ）から流れ方向に見て、環状隙間ノズル（３ ｃ）と管ノズル（３ｄ）に分岐し、 環状隙間ノズル（３ｃ）が環状隙間流れ（Ｒ）を発生させ、 この環状隙間流れが混合タンク（１）の縦軸線に対して横方向向きであり、 管ノズル（３ｄ）が推進流（Ｔ）を発生させ、 この推進流が、混合タンク（１）の縦軸線に関して、混合タンクの頭部分（１ ｃ）の方に向いた軸方向の成分と接線方向の成分を有することを特徴とするノズ ル装置によって解決された。提案したノズル装置の有利な実施形態は他の請求項 に記載されている。
【０００６】 公知の溶解装置と異なり、懸濁液は混合タンクの外周壁部分からではなく底部 分から混合タンクに供給される。そのために、供給管から流れ方向に見て、環状 隙間ノズルと管ノズルに分岐しているノズル装置が設けられている。その際、環 状隙間ノズルは環状隙間流れを発生させ、この環状隙間流れは混合タンクの縦軸 線に対して横方向に向いている。供給される懸濁液の残りの部分流は管ノズルを 経て排出され、この管ノズルは混合タンク内に推進流を発生させ、この推進流は 、混合タンクの縦軸線に関して、混合タンクの頭部分の方に向いた軸方向及び接 線方向の両方向成分を有する。
【０００７】 上記の特徴により、管ノズルによって対流が混合タンク内に発生する。この対 流はタンク内容物全体を捕らえ、このタンク内容物を垂直方向と接線方向に循環 させる。環状隙間ノズルから出る他の懸濁液部分流は、特に下方に向いた対流と 交叉し、一方では懸濁液の強力な混合を生じ、他方では非常にエネルギーに富ん だ横流によって懸濁化条件が良化する。懸濁液の取り出しとその供給が、混合タ ンクの底部分を経て行われるので、対流と環状隙間流れが必然的に交叉する。従 って、対流によって、タンク内容物全部が混合プロセスと溶解プロセスに計画的 に取り込まれる。それによって、物質交換条件が望ましくないタンク内の停滞領 域が確実に回避される。
【０００８】 環状隙間ノズルがほぼ３６０°の噴射角度にわたって延びるように形成されて いると有利であることが判った。この手段により、環状隙間流れは混合タンクの 横断面範囲にわたって排出され、それによって混合タンクの円筒状外周壁の全周 にわたって下向きに流れる対流と交叉する。
【０００９】 提案したノズル装置は、供給管が底部分からの懸濁液の取り出しのために役立 つ排出ハウジングを通って案内されていると簡単化されるので有利である。この 場合、混合タンクの底部分に開口を１つ設けるだけでよい。
【００１０】 供給管が底部分に同軸に配置されていると、装置が一層簡単化され、かつ混合 タンク内での流れが充分に軸方向対称に形成されることにより、きわめて有効な 溶解条件および懸濁化条件が生じる。
【００１１】 溶解条件と懸濁化条件は更に、懸濁化および溶解すべき固体が混合タンクに直 接供給されないで、混合タンクの外側で循環される懸濁液に供給されることによ って大幅に改善される。そのために、固体のための供給装置が、排出ハウジング と循環ポンプの間に設けられた吸込み管路に開口していることが提案される。
【００１２】 供給管路内の平均流速がｖ＝２．５〜３ｍ／ｓであり、環状隙間ノズル内の平 均流速がｖ１ ＝１０〜１５ｍ／ｓ、特に１３．５〜１４．４ｍ／ｓであり、そ して管ノズル内の平均流速がｖ２ ＝４〜６ｍ／ｓ、特に４．５〜５．４ｍ／ｓ であるように、ノスル装置の横断面が採寸されていると、懸濁化および溶解の際 の最適な条件が生じる。
【００１３】
【考案の実施の形態】
本考案によって提案したノズル装置の実施の形態が図に示してある。次に、こ の実施の形態について説明する。 溶解装置（図１）は実質的に混合タンク１とハウジング２と循環管路６とから なっている。この混合タンクは底部分１ａ、円筒状外周壁部分１ｂおよび頭部分 １ｃを備えている。ハウジングは底部分１ａにフランジ止めされ、排出ハウジン グ２ｂとその下に配置された流入ハウジング２ａとからなっている。循環管路６ は排出ハウジング２ｂから出て流入ハウジング２ａに開口している。この循環管 路６は排出ハウジング２ｂと循環ポンプ５を接続する吸込み管路６ａと、循環ポ ンプ５から流入ハウジング２ａまで案内された圧力管路６ｂからなっている。固 体Ｆのための供給装置４が吸込み管路６ａに開口している。
【００１４】 ノズル装置３が流入ハウジング２ａから排出ハウジング２ｂを貫通し、底部分 １ａの底開口１ｄを通って混合タンク１の底範囲内に達している。ノズル装置３ は供給管３ａ（図２）を備えている。この供給管３ａは流入ハウジング２ａと排 出ハウジング２ｂの間に配置された詳しく図示していない隔壁から出発し、他端 が蓋３ｂによって画成され、供給管３ａの端部と蓋３ｂの間に環状隙間ノズル３ ｃが形成されている。その際、蓋３ｂは少なくとも１個の連結ウェブ３ｅを介し て供給管３ａに連結されている。蓋３ｂは更に、特に中央に配置された開口を備 え、この開口に管ノズル３ｄが接続されている。管ノズル３ｄは、蓋３ｂと反対 側の流出口が次のような方向に向くように形成されている。すなわち、混合タン ク１の頭部分１ｃの方に向いた軸方向の成分と、接線方向の成分を有するように 形成されている。管ノズル３ｄの垂直方向の迎え角は図２においてαで示してあ り、接線方向の成分は図３においてβで示した接線方向の迎え角から生じる。
【００１５】 溶媒内での固体Ｆの懸濁および溶解は次のように行われる。先ず最初に、溶解 すべき固体Ｆの量のために必要な量の溶媒、一般的には水が混合タンク１に入れ られる。そして、水が循環ポンプ５によって混合タンク１の底範囲とそれに接続 する排出ハウジング２ｂから循環管路６を経て吸い出され、続いて流入ハウジン グ２ａとそれに接続する供給管３ａを経て、途中で環状隙間ノズル３ｃ及び管ノ ズル３ｄから混合タンク３ｄに再び供給される。
【００１６】 固体Ｆは供給装置４から吸込み管路６ａに連続的に供給される。固体Ｆと溶媒 からなるこの懸濁液は、循環ポンプ５と圧力管路６ｂを経て流入ハウジング２ａ に達し、そこから供給管３ａを経て途中で環状隙間ノズル３ｃに、そして管ノズ ル３ｄに達する。その際、供給管３ａ内の供給横断面積Ａは特に、供給管３ａ内 に形成される循環流れＳの平均供給速度が約ｖ＝２．５ 〜３ｍ／ｓになるよう に採寸されていることが好ましい。管ノズル３ｄから推進流Ｔが流出する。この 推進流Ｔは管横断面積Ａ２ に基づいて、管速度ｖ２ ＝４〜６ｍ／ｓ、特に４． ５〜５．４ｍ／ｓを有することが好ましい。推進流Ｔは混合タンク内に対流Ｋを 発生する。この対流は一方では上方に、他方では接線方向に向き、円筒状外周壁 部分１ｂの範囲内でほぼ下向きの流れとなる。この下向きの流れは混合タンク１ の底範囲内で、環状隙間ノズル３ｃから発生する環状隙間流れＲと交叉する。こ の交叉する流れに基づいて、強い懸濁作用および混合運動が生じる。循環流れＳ に対応する吸引流れＳ＊ は底開口１ｄを経て混合タンク１から出る。環状隙間 ノズル３ｃの環状隙間横断面積Ａ１ は、環状隙間流れＲが平均環状隙間速度ｖ １ ＝１０〜１５ｍ／ｓ、特に１３．５〜１４．４ｍ／ｓとなるように採寸する ことが好ましい。
【００１７】 提案されたノズル装置によって、例えば５分以下の溶解時間が達成されること が判った。一方、類似の公知の溶解装置は同じ量の固体Ｆのために、１５〜２０ 分の溶解時間を必要とする。
【図面の簡単な説明】
【図１】概略的に示した溶解装置の他の部分と共に、混
合タンクとその中に配置されたノズル装置の一実施態様
を概略的に示す縦断面図である。
【図２】図１において“Ｘ”で示したノズル装置の部分
の一実施態様を概略的に示す拡大縦断面図である。
【図３】図２のノズル装置の一実施態様を概略的に示す
平面図である。
【符号の説明】
１ 混合タンク １ａ 底部分 １ｂ 円筒状外周壁部分 １ｃ 頭部分 １ｄ 底開口 ２ ハウジング ２ａ 流入ハウジング ２ｂ 排出ハウジング ３ ノズル装置 ３ａ 供給管 ３ｂ 蓋 ３ｃ 環状隙間ノズル ３ｄ 管ノズル ３ｅ 連結ウェブ ４ 供給装置 ５ 循環ポンプ ６ 循環管路 ６ａ 吸込み管路 ６ｂ 圧力管路 Ｆ 固体 Ｒ 環状隙間流れ Ｔ 推進流 Ｓ 循環流れ Ｓ＊ 吸引流れ Ａ 供給横断面積 Ａ１ 環状隙間横断面積 Ａ２ 管横断面積 Ｘ ノズル装置 α 垂直方向の迎え角 β 接線方向の迎え角 ｖ 供給管路内の平均流速 ｖ１ 環状隙間ノズル内の平均流速 ｖ２ 管ノズル内の平均流速

Claims (7)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項１】 溶媒と固体の懸濁液が混合タンクの底部
    分から取り出され、続いて懸濁液が混合タンクの外側で
    循環管路を経て循環させられて再び混合タンクに供給さ
    れる、固体を溶媒に溶解する溶解装置のノズル装置にお
    いて、 混合タンク（１）への懸濁液の供給が、混合タンクの底
    部分（１ａ）内に配置されたノズル装置（３）を経て行
    われ、 このノズル装置が、供給管（３ａ）から流れ方向に見
    て、環状隙間ノズル（３ｃ）と管ノズル（３ｄ）に分岐
    し、 環状隙間ノズル（３ｃ）が環状隙間流れ（Ｒ）を発生さ
    せ、 この環状隙間流れが混合タンク（１）の縦軸線に対して
    横方向向きであり、 管ノズル（３ｄ）が推進流（Ｔ）を発生させ、 この推進流が、混合タンク（１）の縦軸線に関して、混
    合タンクの頭部分（１ｃ）の方に向いた軸方向の成分と
    接線方向の成分を有することを特徴とするノズル装置。
  2. 【請求項２】 固体を溶媒に溶解する溶解装置が、粉末
    固体を水に溶解する溶解装置である請求項１記載のノズ
    ル装置。
  3. 【請求項３】 環状隙間ノズル（３ｃ）がほぼ３６０°
    の噴射角度にわたって延びている請求項１記載のノズル
    装置。
  4. 【請求項４】 ノズル装置の供給管（３ａ）が底部分
    （１ａ）からの懸濁液の取り出しのために役立つ排出ハ
    ウジング（２ｂ）を通って案内されている請求項１また
    は２記載のノズル装置。
  5. 【請求項５】 供給管（３ａ）が底部分（１ａ）に同軸
    に配置されている請求項１〜３のいずれか一つに記載の
    ノズル装置。
  6. 【請求項６】 固体の供給装置（４）が、排出ハウジン
    グ（２ｂ）と循環ポンプ（５）の間に設けられた吸込み
    管路（６ａ）に開口している請求項１〜４のいずれか一
    つに記載のノズル装置。
  7. 【請求項７】 供給管路（３ａ）内の平均流速（ｖ）が
    ｖ＝２．５ 〜３ｍ／ｓであり、 環状隙間ノズル（３ｃ）内の平均流速（ｖ１ ）がｖ１
    ＝１０〜１５ｍ／ｓであり、そして管ノズル（３ｄ）内
    の平均流速（ｖ２ ）がｖ２ ＝４〜６ｍ／ｓである請求
    項１〜５のいずれか一つに記載のノズル装置。
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