JP3077727U - 玄関ユニット建具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】留守宅への宅配物の受け渡しを可能にする宅配
ボックスを備えた、統一感があり、美観的に優れる玄関
ユニット建具を提供する。 【解決手段】玄関出入口の内側傍に位置する宅配収納部
１０と、該宅配収納部１０と連接して配置される玄関収
納部１１とを一体化して玄関ユニット建具Ａを構成する
ようにした。これにより、従来のように宅配ボックスと
下足箱とが、一体化されず夫々単独で設置された構成に
比して、限られた玄関スペースを有効利用することが可
能になる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、宅配収納部と玄関収納部とを有する玄関ユニット建具に関するもの である。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、宅配業者と受取人とが直接対面せずに宅配物の受け渡しを可能にす る宅配ボックスは種々提供されている。かかる構成の宅配ボックスとしては、例 えば、特願平５―１６８６３１、または特願平１０―１７５０３９に開示されて いるものが提案されている。この宅配ボックスは、受取人があらかじめ施錠扉を 解錠しておき、受取人の不在時に、宅配業者が宅配ボックスの収納室に宅配物を 収納し、そして施錠扉を施錠しておくことにより、宅配物の受け取りを可能とし たものである。 一方、靴や傘などを収納可能にする下足箱は、玄関口の限られた空間の有効利 用を図るものとして、特に、集合住宅に用いられている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上述した従来の宅配ボックスと下足箱とを共に玄関に配設する場合に、夫々は 別個独立したものであるため、大きく空間を占有することとなり、かつ来客を迎 える場所としての玄関口が外観上の統一感を欠くこととなって、美観を欠く結果 となっていた。さらに、施工上、宅配ボックスと下足箱とを別々の業者あるいは 同業者であっても異なる工程で設置工事を行うこととなり、非常に能率が悪いと いう問題もあった。また、宅配ボックスの内部空間は、宅配ボックスとして使用 しない場合は収納庫として利用可能とはされているものの、実際には、宅配物の 出し入れが屋外側からのみに制限されるため、収納庫としての実用性に欠け、実 際には宅配物の受け取り以外に用いられることはなかった。

【０００４】 本考案は、かかる課題を解決し得る玄関ユニット建具を提供することを目的と するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、屋外から収納される宅配物を屋内側で保管可能にする収納室を、玄 関出入口の内側傍に配設し、宅配物の出し入れができるよう、該収納室の収納口 を玄関周囲の外壁に開口し、かつ屋内側に収納室の取出口を配設し、該収納口は 施錠外扉により開閉可能に遮閉され、また該取出口は施錠内扉により開閉可能に 遮閉される宅配収納部と、玄関内側傍に配設される玄関収納部とを、同一建具内 に一体的に構成したことを特徴とする玄関ユニット建具にかかるものである。

【０００６】 かかる構成にあって、該玄関ユニット建具は、所定のモチーフに従った統一感 のあるデザインとすることができると共に、その設計にあっても、用途に応じて 無駄なく収納空間を仕切ることができる。さらに、玄関ユニット建具を施工する 際、宅配ボックスと下足箱とを異なる工程で設置工事するのに比べ、施工能率が 格段に向上する。また、上述する従来の宅配ボックスが有する宅配物の受け渡し 機能にあって、本発明は、宅配物の受け取りを受取人が屋外に出ることなく屋内 側にて果たし得るものであるため、屋外側の開口部から宅配物の取り出しを行う 構成の宅配ボックスに比して、さらに宅配収納部の利用価値は高まることとなる 。さらに、かかる宅配収納部にあっては、屋外側から宅配物を収納するための収 納口の施錠外扉を施錠しておけば、屋内から出し入れ可能な、例えばゴルフバッ クなどの収納庫としても利用可能であり、それ自体が建具の収納空間としての機 能を、玄関収納部と一体的に果たすことができる。尚、ゴルフバックなどを収納 可能にする場合には、収納室が大型となるが、内扉にも施錠装置を設けたから、 該収納室を介して屋内に無用者が侵入するようなこともない。

【０００７】

【考案の実施の形態】

本考案の一実施例を添付図面に従って説明する。 図１は、本考案である玄関内に配設される玄関ユニット建具Ａの全体構成を示 している。この玄関ユニット建具Ａは、宅配ボックス機能を有する宅配収納部１ ０と、下足箱機能を有する玄関収納部１１とで構成され、玄関出入口２の内側傍 に配設される。

【０００８】 ここで本考案の実施例にあっては、宅配収納部１０と玄関収納部１１との側部 を連接する配置関係とした。その他、宅配収納部１０と玄関収納部１１とを上下 に配置するなど、宅配収納部１０と玄関収納部１１の形状や収納容積や配置関係 は、所望の用途や玄関のスペースに対応して決定され得る。

【０００９】 また、玄関スペースの有効利用を図るため、かかる玄関ユニット建具Ａの上方 には、玄関周り品を収納可能な多機能収納庫１２が設けられている。

【００１０】 次に、本考案の要部の一つである宅配収納部１０に関し詳細に説明する。 前記宅配収納部１０は、図３の玄関の横断面図で示されるように、屋外側から 収納される宅配物ｗを屋内側で保管可能にする収納室１ａが設けられる。該収納 室１ａは、玄関出入口２の内側傍に配設され、宅配物ｗの出し入れができるよう 、該収納室１ａの収納口３ａを玄関周囲の外壁４に開口し、かつ屋内側に収納室 １ａの取出口３ｂを配設している。前記収納口３ａは、外扉５ａにより開閉可能 に遮閉され、また取出口３ｂは内扉５ｂにより開閉可能に遮閉される。

【００１１】 また、図３，４で示される通り、前記外扉５ａは、該収納口３ａの側縁のいず れか１辺に設けた支軸により、外方へ回動可能に枢支されて、収納口３ａを開閉 する。また、該外扉５ａは、電子式の施錠装置６ａによって無用者による開放を 不能にする。さらにまた、屋内側の内扉５ｂも同様に上述の枢支手段で取出口３ ｂに配設され、電子式の施錠装置６ｂが備えられている。

【００１２】 ここで、ゴルフバックなどを収納可能にする場合には、収納室１ａが大型とな るが、内扉５ｂにも施錠装置６ｂを設けたから、該収納室１ａを介して屋内に無 用者が侵入するようなこともない。

【００１３】 ところで該宅配収納部１０の収納室１ａにあって、取出口３ｂは、収納口３ａ の面と隣り合う面に限らず、屋内側で宅配物ｗの取り出しが容易でかつ玄関空間 を有効利用できる任意の面に配設され得る。その場合、取出口３ｂの開口位置に 対応して宅配収納部１０と連接する玄関収納部１１との配置関係も変更される。

【００１４】 さらには、図２の玄関ユニット建具Ａの縦断面図で示されるように、収納室１ ａ内には宅配物ｗの有無を判断する宅配物検出装置７が配設される。本考案にあ っては、宅配物検出装置７として、公知技術である荷重感知センサを内蔵する感 圧マットが用いられ、収納室１ａの床面に敷設される。該感圧マットは、マット に内蔵されるセンサによりマット上に置かれた物体の荷重を感知するもので、収 納室１ａ内の物体の有無を判断できるものである。 尚、宅配物検出装置７には、光発振装置と受光装置とからなる光学的検出装置 など、公知である任意の検出技術を用いてもよい。

【００１５】 また、収納室１ａ内の宅配物ｗの存在を確認可能な宅配物確認窓９が、外扉５ ａ又は／及び内扉５ｂに設けられている。

【００１６】 この宅配物確認窓９に代えて、収納室１ａ内の宅配物ｗの有無を外部に報知す る宅配物報知装置を適用してもよい。この宅配物報知装置としては、例えば、宅 配物検出装置７と連動し、収納室１ａ内に宅配物ｗがある場合には前記外扉５ａ 又は／及び内扉５ｂに設けられるランプを赤色に発光させ、収納室１ａ内に宅配 物ｗがない場合は青色にランプが発光する構成が提案される。 尚、宅配物報知装置は、収納室１ａ内の状況を液晶パネルに文字や図で表示す る報知手段を用いてもよい。

【００１７】 上述の構成にあって、宅配業者は、宅配物ｗを受取人に受け渡しするために、 宅配収納部１０の外扉５ａを開放し、宅配物ｗを収納室１ａに収納する。そして 、収納された宅配物ｗの荷重を宅配物検出装置７が検出し、外扉５ａを遮閉する と自動的に施錠装置６ａが施錠位置となるので、受取人は不在時に訪れた宅配業 者の収納した収納室１ａ内の宅配物ｗを盗難によって紛失することなく確実に受 け取ることができる。また内扉５ｂには施錠装置６ｂが具備されているため、例 えば宅配物収納時に、屋外と連通する収納口３ａから収納室１ａを介して侵入す る犯罪を防止することができる。

【００１８】 さらに、外扉５ａには宅配の受領印が印字可能な受領印装置８を備えるように してもよい。この場合には、上述する一連の宅配物ｗの収納作業後、宅配業者が 該受領印装置８を操作することにより、受取人が不在な場合にあっても、宅配済 みの認証を受けることが可能となる。ここで、受領印装置８としては、特願平９ ―１３４６１で開示されているものなどが選択される。

【００１９】 次に、本考案の要部の他の一つである玄関収納部１１を説明する。 玄関収納部１１は宅配収納部１０と連接され、その内部の収納室１ｂに靴や玄 関周り品などを収納可能にしており、遮蔽扉２３によりその開口が開閉される。 ここで、玄関収納部１１と、宅配収納部１０とは、図１〜３で示すように、上部 の棚板２１、側板２２、上述の各扉５ｂ，２３などからなる外筐２０を共有して 一体化され、かつその内部で隔壁２４により宅配収納部１０と区画されている。 そしてこのように、玄関収納部１１を宅配収納部１０と一体的に設けることによ り、玄関口が単一のモチーフによりまとまりよく統一されると共に、種々の雑多 な玄関周り品を収納できて、玄関口の整理整頓が容易となる。

【００２０】 尚、宅配収納部１０は、宅配物ｗの受け取りのために用いない場合には、保管 用の収納部として用いることができ、この場合には、玄関収納部１１と同じ作用 を生ずることとなり、これにより、玄関ユニット建具Ａ全体が収納用建具として の機能を果たすこととなる。例えば、宅配収納部１０を上下に長く設計すること により、ゴルフバックの収納部として用いることができる。このように、宅配収 納部１０を保管用収納部として用いた場合にあっても、外扉５ａを施錠装置６ａ により施錠し維持しておくことにより、保守管理に支障はない。

【００２１】 ところで、近年はインターネットを利用した電子商取引が普及してきているた め、各戸には様々な商品が宅配されることとなる。そのため、宅配ボックスには 様々な宅配物を収納可能にすることが要求される。 ここで玄関ユニット建具Ａの寸法例を示す。玄関ユニット建具Ａの寸法は、１ ０１０×４８０×１２６０（ｍｍ）（幅×奥行き×高さ）である。また、宅配収 納部１０の寸法を、５５０×４８０×１２６０（ｍｍ）（幅×奥行き×高さ）と した。これは、ゴルフバックまたはスーツケースが一つ、あるいは、宅配用の中 型ダンボール箱二〜三個分が収納可能である容積である。さらに、玄関収納部１ １の寸法を、５５０×４８０×１２６０（ｍｍ）（幅×奥行き×高さ）とした。 また、多機能収納庫１２は、かかる玄関ユニット建具Ａの棚板２１面から４００ ｍｍ上方に位置させて、寸法を１０１０×４８０×５００（ｍｍ）（幅×奥行き ×高さ）としている。かかる構成にあって、宅配収納部１０及び玄関収納部１１ の特に奥行きと高さの寸法を同一としたため、全体として統一感のある建具を実 現している。また、上述のように宅配収納部１０と玄関収納部１１とを上下の位 置に連接した場合には、幅の寸法を同一の値とすることが好適である。

【００２２】 かかる構成にあって、宅配収納部１０の収納口３ａと取出口３ｂとの位置関係 や、宅配収納部１０と玄関収納部１１の連接関係は、上述したように玄関スペー スに対応し様々に変更され得ると共に、多機能収納庫１２と組合せさらに玄関の 内部空間を有効利用可能となる。

【００２３】

【考案の効果】

本考案は上述のように、玄関出入口の内側傍に位置する宅配収納部と、該宅配 収納部と連接して配置される玄関収納部とを一体化して玄関ユニット建具を構成 するようにしたから、従来のように宅配ボックスと下足箱とが、一体化されず夫 々単独で設置されるのに比べ、限られた玄関スペースを有効に利用することが可 能になる。また同時に、宅配収納部１０と玄関収納部１１とを同一建具内に配置 する前提で設計企画することができるため、統一感があり美的観点で優れた建具 となると共に、宅配ボックスと下足箱との設置工事を同時に行うことができるた め能率のよい施工が可能になる優れた効果を持つ。また、本発明にあっては、宅 配物の受け渡し機能を有する宅配収納部を、宅配物の取り出しを受取人が屋外に 出ることなく屋内側にて果たし得る構成としたから、さらに宅配収納部の利用価 値を高めることとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】玄関ユニット建具を配設した玄関の斜視図であ
る。

【図２】玄関ユニット建具の縦断面図である。

【図３】玄関ユニット建具を配設した玄関の横断面図で
ある。

【図４】玄関ユニット建具を配設した玄関の屋外正面図
である。

【符号の説明】

１ａ、１ｂ 収納室 ５ａ 外扉 ５ｂ 内扉 ６ａ，６ｂ 施錠装置 ７ 宅配物検出装置 １０ 宅配収納部 １１ 玄関収納部 １２ 多機能収納庫 ２３ 遮蔽扉

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】玄関出入口の内側傍に位置する宅配収納部
   と、該宅配収納部と連接して配置される玄関収納部とを
   一体的に備え、前記宅配収納部は、玄関周囲の外壁に開
   口する収納口と屋内側に開口する取出口とを具備する収
   納室と、前記収納口を開閉可能に遮閉する施錠外扉と、
   前記取出口を開閉可能に遮閉する施錠内扉とを備えてな
   ることを特徴とする玄関ユニット建具。