JP3077672U - ボートダビットのクレードルヘッド構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】クレードルを巻きボートをクレードルに当接、
格納する際、クレードルヘッドの接触によってボートの
底部や船側が損傷されないようにする。 【解決手段】甲板上のボート支持用の一対の支柱と、ロ
ープ操作用ウインチから支柱先端の滑車を介して延びた
ロープ先端につながれ、支柱に沿って移動するクレード
ルとを備え、クレードルは一連のローラを備えた、ボー
トに当接する一対のクレードル本体と、クレードル本体
から上方に延びたアームとを備え、アーム上端にはクレ
ードルヘッド部を備える。ボートはその船首および船尾
近傍でランチングストロープによりクレードルヘッド部
に取り外し自在に、かつボートがクレードル本体に当接
するように取り付けられ、クレードルの移動とともに支
柱に沿って移動するボートダビットにおいて、クレード
ルヘッド部18に表面の滑りやすいゴム板防舷材23を張り
つけてヘッド部を防舷材で覆った。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は船舶の甲板上に設置された救命ボート等、各種ボートをその格納位 置から船外に降下するためのボートダビットのクレードルヘッド構造に係り、特 に、ボートの揚収時、クレードルを海面下に降ろした後、再びクレードルを巻き 上げながらボートをクレードルに当接し、格納する際、クレードルヘッドの接触 によってボートの底部や船側が損傷されないようにしたボートダビットのクレー ドルヘッド構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、船舶には、救命ボート、警備ボート、巡視ボート等、目的に応じた各 種ボートが甲板上に格納され、必要に応じてこれを甲板からボートダビットによ り船外の海面に繰り出し、目的とする用途に供されている。

【０００３】 この種のボートダビットは通常、図１に示されるように、船舶１の甲板２上に 固定して建立されたボート３を支持する一対の支柱４と、ロープ操作用ウインチ ６から支柱４頂部の滑車５を介してウインチ６によって繰り出しないしは巻き上 げ自在に延びたロープ７と、このロープ７の先端８につながれ、ロープ７の操作 によって一対の支柱４に沿って移動する、ボート３の船側９に当接するクレード ル10とを備えて構成される。

【０００４】 そして、クレードル10はローラ支持板15によって保持された一連のローラ11、 11・・・11を備えた一対のクレードル本体12と、これらクレードル本体12から上 方に延びた、補助ローラ14の備えられたアーム13とを有し、これらローラ11、11 ・・・11および補助ローラ14のころがりにより一対の支柱４に沿って、クレード ル本体12にボート３を当接して携えながら、甲板２から船外に、あるいは船外か ら甲板２上に移動する。

【０００５】 アーム13の上端にはロープ７の先端８につながれるクレードルヘッド部18を備 える。ボート３はその船首および船尾近傍（例えば、図１に示される取付具16） の二個所で、所定長さのランチングストロープ17を介してアーム13上端のクレー ドルヘッド部18に取り外し自在に、かつ船側９がクレードル本体12に当接するよ うに取付けられ、クレードル10の移動とともに、一対の支柱４に沿って甲板２か ら船外に、あるいは船外から甲板２上に移動する。

【０００６】 アーム上端のクレードルヘッド部18は従来、図５に示されるように、先端方向 にテーパー状に細まった細長いヘッド21を有し、この先端21ａの部分で、ロープ ７の先端８につながれ、下端21ｂの部分で、わん曲した連結部22を介してクレー ドルヘッド部18に連結される。

【０００７】 ランチングストロープ17の先端にはリング状の係止フック20を備え、この係止 フック20をヘッド21の下端21ｂのわん曲された連結部22に嵌め込むことにより、 ボート３はランチングストロープ17を介してアーム13上端のクレードルヘッド部 18に取りつけられる。

【０００８】 連結部22への係止フック20のはめ込みに際しては、図５に示されるように、係 止フック20をロープ７にはめ込むことにより行なう。これにより、ロープ７にお ける係止フック20はやがてヘッド21のテーパー状に細まった先端21ａからヘッド 21の下端21ｂを通って連結部22に落下して連結部22にはめ込まれる。

【０００９】 さらに、アーム13上端のクレードルヘッド部は従来、図示しないが、ほぼ円筒 状の短いヘッド（例えば、長さ約７０mm、直径３５〜４０mm程度の円筒状ヘッド ）を有し、この先端部分でロープ７の先端８につながれ、下端部分でわん曲され た連結部22を介してクレードルヘッド部18に連通される構造となっている。そし て、ランチングストロープ17の先端には、リング状の係止フック20を備え、この 係止フック20をロープ７にはめ込み、円筒状の短いヘッドを通して連結部22に落 下させて連結部22にはめ込む。

【００１０】

【考案が解決すべき課題】

一方、ボート３は例えば、図２に示されるように、ボート３の揚収時、まず、 クレードル10を海面Ｂ下に沈めて降ろす。次いで、再びクレードル10をロープ７ により巻き上げながらボート３をクレードル10の本体12に当接、格納する。この とき、ボート３はその底部９ａや船側９がクレードルヘッド部18と接触して損傷 されてしまう。

【００１１】 そこで、本考案の目的はボートの揚収時、クレードルを海面下を降ろした後、 再びクレードルを巻き上げながらボートをクレードル本体に当接、格納する際、 クレードルヘッドの接触によってボートの底部や船側が損傷されないようにし、 上述の公知技術に存する欠点を改良したボートダビットのクレードルヘッド構造 を提供することにある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】

上述の目的を達成するため、本考案によれば、船舶の甲板上に固定されたボー ト支持用の一対の支柱と、ロープ操作用ウインチから、該支柱先端の滑車を介し て延びたロープと、該ロープ先端につながれ、このロープの操作によって、一対 の支柱に沿って移動するクレードルとを備え、このクレードルは一連のローラを 備えた、ボートの船側に当接する一対のクレードル本体と、これらクレードル本 体から上方に延びたアームとを備え、該アーム上端には、前記ロープ先端につな がれるクレードルヘッド部を備えてなり、前記ボートはその船首および船尾近傍 の二個所で、所定長さのランチングストロープによりアーム上端のクレードルヘ ッド部に取り外し自在に、かつ、船側がクレードル本体に当接するように取り付 けられ、前記クレードルの移動とともに、一対の支柱に沿って、甲板から船外に 、あるいは船外から甲板上に移動するボートダビットにおいて、前記クレードル ヘッド部に、表面の滑りやすいゴム板防舷材を張り付けて該ヘッド部を防舷材で 覆ってなり、これにより、ボートの揚収時、ボートをクレードル本体に当接して 格納する際、クレードルヘッド部によるボートの底部や船側の損傷を防止するこ とを特徴とする。

【００１３】

【考案の実施の態様】

以下、本考案を添付図面を用いて詳述する。

【００１４】 図１に本考案にかかるボートダビットおよびその操作状態を表した側面図であ り、図２は本考案にかかるボートダビットを用いてクレードルにボートを当接、 、格納する際の操作状態を表した平面図であり、図３は本考案にかかるクレード ルヘッド部の一具体例の部分断面図であり、図４は本考案にかかる防舷材の一具 体例の平面図であり、図５は公知のクレードルヘッド部の平面図である。

【００１５】 図１において、本考案にかかるボートダビットＡは船舶１の甲板２上に垂直方 向に固定して建立された、略くの字形状の、ボート３を支持する一対の支柱４と 、ロープ操作用ウインチ６から支柱４頂部の滑車５を介して、ウインチ６の操作 によって繰り出しないしは巻き上げ自在に延び縮みするロープ７と、このロープ ７の先端８につながれ、ロープ７の操作によって一対の支柱４に沿って移動する 、ボート３の船側９に当接するクレードル10とを備えて構成される。

【００１６】 クレードル10はローラ支持板15によって保持された一連のローラ11、11・・・ 11を備えた一対のクレードル本体12と、これらクレードル本体12から上方に延び た、支柱４に対向する側の側壁に補助ローラ14の備えられたアーム13とを有し、 ローラ11、11・・・11および補助ローラ14のころがりにより一対の支柱４に沿っ て、クレードル本体12にボート３を当接して携えながら、甲板２から船外に、あ るいは船外から甲板２上に移動する。

【００１７】 アーム13の上端には、ロープ７の先端８につながれるクレードルヘッド部18を 備える。そして、ボート３はその船首および船尾近傍（例えば、図１に示される 取付具16）の二個所で、所定長さのランチングストロープ17を介してアーム13上 端のクレードルヘッド部18に取り外し自在に、かつ、ボート３の船側９がクレー ドル本体12に当接するように取り付けられ、クレードル10の移動とともに、一対 の支柱４に沿って甲板２から船外に、あるいは船外から甲板２上に移動する。

【００１８】 アーム13の上端のクレードルヘッド部18は一例を示せば、図５に示され、かつ 、上述したように、先端方向にテーパー状に細まった細長いヘッド21を有し、こ の先端21ａの部分で、ロープ７の先端８につながれ、下端21ｂの部分で、わん曲 した連結部22を介してクレードルヘッド部18に連結される。

【００１９】 ランチングストロープ17の先端にはリング状の係止フック20を備え、この係止 フック20をヘッド21の下端21ｂのわん曲された連結部22にはめ込むことにより、 ボート３はランチングストロープ17を介してアーム13上端のクレードルヘッド部 18に取りつけられる。

【００２０】 連結部22への係止フック20のはめ込みに際しては、図５に示されるように、係 止フック20をロープ７にはめ込むことにより行なう。これにより、ロープ７にお ける係止フック20はやがてヘッド21のテーパー状に細まった先端21ａからヘッド 21の下端21ｂを通って連結部22に落下して連結部22にはめ込まれる。

【００２１】 本考案の特徴は図３に示されるように、上述のクレードルヘッド部18にゴム板 状の防舷材23を張りつけてクレードルヘッド部18を防舷材23で覆うことに存する 。この防舷材23は図４に示されるように、ゴム板の表面24を例えばテフロン加工 を施して、滑らかに加工することが好ましい。

【００２２】

【考案の効果】

図２に示されるように、ボート３を海面Ｂから船舶１の甲板２上に揚収する際 、まず、本考案にかかるクレードル10を海面Ｂ下の水中に降下する。次いで、揚 収すべきボート３をクレードル10上の船舶１に近づけた後、ロープ７を巻き上げ てクレードル10をクレードル本体12がボート３の船側９に位置するまで引き上げ 、ボート３をクレードル本体12に当接、格納する。

【００２３】 このとき、クレードルヘッド部18はボート３の底部９ａあるいは船側９に激突 するが、クレードルヘッド部18はゴム板の防舷材23で覆われているので、防舷材 23を介して激突することになり、このため、底部９ａあるいは船側９はクレード ルヘッド部18によって損傷を受けることがない。なお、図２のａ部分は図３によ って明示される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかかるボートダビットおよびその操作
状態を表した側面図である。

【図２】本考案にかかるボートダビットを用いてクレー
ドルにボートを当接、格納する際の操作状態を表した平
面図である。

【図３】図２のａ部分の拡大図であって、本考案にかか
るクレードルヘッド部の一具体例の部分断面図である。

【図４】本考案にかかる防舷材の一具体例の平面図であ
る。

【図５】公知のクレードルヘッド部の平面図である。

【符号の説明】

Ａ ボートダビット Ｂ 海面 １ 船舶 ２ 甲板 ３ ボート ４ 支柱 ５ 滑車 ６ ウインチ ７ ロープ ８ 先端 ９ 船側 ９ａ 底部 10 クレードル 11 ローラ 12 クレードル本体 13 アーム 17 ランチングストロープ 18 クレードルヘッド部 23 防舷材 24 表面

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 船舶の甲板上に固定されたボート支持用
   の一対の支柱と、ロープ操作用ウインチから該支柱先端
   の滑車を介して延びたロープと、該ロープ先端につなが
   れ、このロープの操作によって一対の支柱に沿って移動
   するクレードルとを備え、このクレードルは一連のロー
   ラを備えた、ボートの船側に当接する一対のクレードル
   本体と、これらクレードル本体から上方に延びたアーム
   とを備え、該アーム上端には前記ロープ先端につながれ
   るクレードルヘッド部を備えてなり、前記ボートはその
   船首および船尾近傍の二箇所で所定長さのランチングス
   トロープによりアーム上端のクレードルヘッド部に取り
   外し自在に、かつ船側がクレードル本体に当接するよう
   に取り付けられ、前記クレードルの移動とともに、一対
   の支柱に沿って甲板から船外に、あるいは船外から甲板
   上に移動するボートダビットにおいて、前記クレードル
   ヘッド部に表面の滑りやすいゴム板防舷材を張り付けて
   該ヘッド部を防舷材で覆ってなり、これによりボートの
   揚収時、ボートをクレードル本体に当接して格納する
   際、クレードルヘッド部によるボートの底部や船側の損
   傷を防止することを特徴とするボートダビットのクレー
   ドルヘッド構造。