JP3077425B2 - 定圧型湯水混合装置 - Google Patents

定圧型湯水混合装置

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JP3077425B2
JP3077425B2 JP04328448A JP32844892A JP3077425B2 JP 3077425 B2 JP3077425 B2 JP 3077425B2 JP 04328448 A JP04328448 A JP 04328448A JP 32844892 A JP32844892 A JP 32844892A JP 3077425 B2 JP3077425 B2 JP 3077425B2
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安秀 木村
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東陶機器株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】
【産業上の利用分野】本発明は、自動温度調節機能を備
えた湯水混合装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的な自動温度調節式の湯水混合装置
は、熱膨脹性ワックスが封入された感温素子を備えたも
ので、使用者が温度設定ハンドルを回すことにより希望
給湯温度を設定すると、ワックス感温素子が湯水混合物
の温度に応答しながら混合弁体を位置決めして湯水混合
比を自動的に調節し、湯水混合物の温度を設定値に向っ
て機械的にフィードバック制御するようになっている。
水圧や給湯圧力や給湯機からの給湯温度や水道水温や流
量などの条件が過渡的に変動し、その結果、湯水混合物
の温度が変化すると、ワックス感温素子は温度変化に応
じて伸縮して、混合弁体を変位させて湯水の混合比を修
正し、オーバーシュートとアンダーシュートを繰り返し
ながら湯水混合物温度を次第にほぼ目標値に収斂させ
る。この種の自動温調混合装置は広く普及しているが、
ワックス感温素子の熱容量が大きいと共に熱伝導性が良
くないので、過渡的温度変化に対する応答が遅く、かな
りのオーバーシュートやアンダーシュートが生じるとい
う欠点がある。
【0003】ワックス感温素子の斯る欠点を改善するた
め、従来技術においては、形状記憶合金からなる感温素
子を使用した湯水混合栓が提案されている(実公昭61-4
4062号)。この湯水混合栓は筺体内で摺動する弁体を有
し、この弁体は形状記憶合金からなるコイルばねと通常
のばね材料からなるバイアスばねとの釣り合いにより位
置決めされている。湯水混合物の温度に応じて形状記憶
合金製のコイルばねが伸縮することにより湯全開位置と
水全開位置との間で弁体が変位し、湯水混合物の温度を
自動調節するようになっている。
【0004】この湯水混合栓では、感温素子としてのコ
イルばねは形状記憶合金で形成されており、斯る合金は
ワックス感温素子に比べて熱容量が小さいと共に熱伝導
性に優れているので、この湯水混合栓はワックス感温素
子を用いた湯水混合装置に比べて応答性に優れていると
いう利点がある。
【0005】しかしながら、弁体は筺体の円柱形ボアに
沿って摺動するようになっているので、弁体の外周とボ
アの内周との間の隙間を介して湯水が漏れるという難点
がある。即ち、同公報の第1図および第2図に図解され
た実施例においては弁体としてはスプール弁が使用して
あり、第3図および第4図の実施例ではリフト弁が使用
してある。いづれの弁形態においても、弁体が筺体内で
円滑に摺動するのを可能にするためには、弁体の外周と
筺体のボアの内周との間には十分な隙間を設けなければ
ならない。このような隙間があるので、弁体の上流側と
下流側との間に圧力差が生じると、湯又は水は前記隙間
を介して下流側へと漏れることになる。このような湯水
の漏れは、熱い湯を供給するべく弁体が湯全開位置(従
って、水全閉位置)にある時には、水で希釈されたぬる
ま湯が吐出され、反対に、冷水を供給するべく弁体が水
全開位置(従って、湯全閉位置)にある時には、湯で希
釈された暖かい水が吐出されるという結果を招く。従っ
て、温度制御機能が十分でない。また、冷水供給時に湯
の漏れにより給湯機が不必要に点火したりすることがあ
る。
【0006】また、リフト弁を使用した実施例(同公報
第3図および第4図)では、弁体は形状記憶合金からな
るコイルばねとバイアスばねとの釣り合いにより保持さ
れているので、水圧や給湯圧力が過渡的に変動すること
により湯水の差圧が過渡的に変動すると、弁体が不本意
に変位し、湯水混合物の温度が目標温度からずれる虞れ
がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、応答
性に優れ、しかも、温度制御機能に優れた湯水混合装置
を提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、湯および水の漏れを
防止し湯水の閉め切り性能に優れた湯水混合装置を提供
することにある。
【0009】本発明の他の目的は、湯水の圧力の過渡的
変動の影響を受けることのない湯水混合装置を提供する
ことにある。
【0010】
【発明の構成】
【課題を解決するための手段および作用】本発明は、従
来技術の湯水混合装置とは異なる新規な原理に基づいて
上記目的を達成するものである。即ち、一般に、管路を
流れる流体の流量は次式で表すことができる。
【0011】 Q = k・Cv・P1/2 ・・・・ (1) (式中、kは定数、Cvは管路の流量係数、Pは管路内
の流体の圧力) 湯水混合装置の場合には、湯水混合室より下流の管路の
条件は一定であり、流量係数Cvは固有の値を取ると考
えることができる。従って、湯水混合室内の湯水混合物
の圧力Pを一定に維持すれば、湯水混合装置から吐出さ
れる湯水混合物の流量Qを一定にすることができる。し
かるに、湯水混合物の流量Qは湯水混合室に流入する湯
の流量QHと水の流量QCとの和であるから(Q=QH
C)、このように混合物圧力Pを一定にすることによ
り混合物流量Qを一定にした場合には、湯の流量QH
増加すればそれに応じて水の流量QCが減少し、反対
に、湯の流量QHが減少すればそれだけ水の流量QCが増
加する関係にある。従って、湯水混合室に流入する湯水
のいづれか一方の流量(QH又はQC)のみを制御するこ
とにより、結果的に他方の流量(QC又はQH)をも制御
し、湯水の混合比を変えることができる。
【0012】斯る原理に基づき、本発明は、(1)圧力
制御手段により湯水混合室内の湯水混合物の圧力Pを一
定にすることにより湯水混合物の流量Qを一定にし、
(2)流量制御手段により湯水混合物温度に応じて湯水
のいづれか一方の流量(QH又はQC)を制御することに
より、湯水の混合比を制御しようというものである。
【0013】より詳しくは、本発明の湯水混合装置はハ
ウジングを備えてなり、このハウジングには湯水混合室
と、この湯水混合室に圧力下の湯を供給する湯流路と、
湯水混合室に圧力下の水を供給する水流路と、湯水混合
室から湯水混合物を吐出する湯水混合物出口とが形成さ
れている。湯水混合室内の湯水混合物の圧力は圧力制御
弁のような圧力制御手段により一定に制御される。従っ
て、湯水混合室から吐出される湯水混合物の流量Qは一
定となる。湯流路(又は水流路)を介して湯水混合室に
供給される湯(又は水)の流量QH(又はQC)は流量制
御弁により制御される。この流量制御弁は、温度応答性
のコイルばねを備え、この温度応答コイルばねは形状記
憶合金のような温度に応じてばね定数が変化する金属で
形成されており、湯水混合物の温度に応答するべく湯水
混合室内に配置されている。流量制御弁は好ましくはポ
ペット型の弁体を有し、このポペット弁体は温度応答コ
イルばねとバイアスばねとの釣り合いにより位置決めさ
れる。湯水混合物の目標温度は温度設定手段により設定
され、流量制御弁は湯水混合物の温度が目標温度になる
ように湯(又は水)の流量QH(又はQC)を制御する。
【0014】ポペット弁は、前述した従来技術の混合弁
のような弁体外周と弁ハウジングとの間の隙間を必要と
しないので、全閉位置では有効に流体の流れを閉め切
り、湯水の漏れを防止することができる。
【0015】好ましい実施態様においては、温度設定手
段はバイアスばねの予荷重を調節することにより目標温
度を設定する。バイアスばねの予荷重は手動ハンドルの
ような手動手段により調節することもできるし、制御回
路により制御される電動モータのような電気的手段によ
り調節することもできる。
【0016】本発明の上記特徴や効果、ならびに、他の
特徴や利点は、以下の実施例の記載に従い更に明らかと
なろう。
【0017】
【実施例】図1を参照するに、湯水混合装置10は圧力
制御弁12と流量制御弁14とを備えている。図示した
実施例では圧力制御弁12と流量制御弁14は共通のハ
ウジング16に組み込まれているが、それらは別々に分
離してもよい。ハウジング16には入口18および20
と湯水混合室22が形成してある。図示した実施例で
は、入口18は水入口として作用し、入口20は湯入口
として作用し、圧力制御弁12は水入口18から混合室
22に供給される水の圧力を一定にし、流量制御弁14
は湯入口20から混合室22に供給される湯の流量を制
御するようになっている。
【0018】圧力制御弁12は従来型のもので、一次圧
力室24と、二次圧力室26と、それらの間に配置され
た弁座28と、ポペット弁30と、ダイヤフラム32を
有する。閉め切り性能を良くするため、ポペット弁30
にはゴムパッキン34が装着してある。ダイヤフラム3
2はポペット弁30の有効受圧面積に等しい有効受圧面
積を有し、その外周はハウジング16に固定されたリテ
ーナ36によってハウジングに液密に締結してあり、そ
の内周はポペット弁に螺合したナット38によってポペ
ット弁のフランジ40に液密に締結してある。ナット3
8は、ポペット弁30のガイド部材として作用すると共
に、圧縮コイルばね42のばね受けとしても作用するも
ので、軸方向摺動自在にリテーナ36内に嵌合されてい
る。コイルばね42の上端はリテーナ36に螺合された
調節ねじ44に支承されており、調節ねじ44を回転さ
せることによりコイルばね42の予荷重を調節すること
ができる。ポペット弁30のストロークはストッパ46
により規制される。
【0019】ポペット弁30の有効受圧面積とダイヤフ
ラム32の有効受圧面積とは等しいので、一次圧力室2
4内の一次圧力によりポペット弁30に下向きに作用す
る力とダイヤフラム32に上向きに作用する力とは互い
に相殺される。従って、ポペット弁30は二次圧力室2
6内の背圧による上向きの力とコイルばね42による下
向きの力との釣り合いにより位置決めされ、圧力制御弁
12はコイルばね42の予荷重に対応する圧力値に二次
圧力を制御する。このように制御された二次圧力をもっ
た水が水入口18を介して湯水混合室22に印加され、
湯水混合室22内の湯水混合物は一定の圧力Pに維持さ
れるので、前記(1)式に従い、湯水混合装置10の混
合物出口48から吐出される湯水混合物の流量Q(湯の
流量QHと水の流量QCとの和。Q=QH+QC)は一定と
なる。後述するように、調節ねじ44を回してコイルば
ね42の予荷重を調節し、もって、圧力Pを変えること
により、この流量Qを可変調節することができる。
【0020】流量制御弁14には、圧力制御弁12との
部品の共通化を図るため、前述した圧力制御弁12の構
成要素と同一構造の構成要素が多く使用してあるが、夫
々の構成要素の機能は必ずしも同一ではない。即ち、流
量制御弁14は、ハウジング16に形成された弁座50
と、該弁座50と協動して湯入口20からの湯の流量を
制御するゴムパッキン52付きポペット弁54と、ポペ
ット弁54の有効受圧面積に等しい有効受圧面積を有す
るダイヤフラム56と、ポペット弁54を閉弁方向に付
勢する温度応答性の圧縮コイルばね58と、ポペット弁
54を開弁方向に付勢する圧縮バイアスばね60とを備
えている。圧力制御弁12の場合と同様に、ダイヤフラ
ム56の外周はリテーナ62によってハウジング16に
液密に締結してあり、その内周はポペット弁に螺合した
ナット64によってポペット弁54のフランジ66に液
密に締結してある。ナット64は、圧力制御弁12の場
合と同様に、ポペット弁54のガイド部材として作用す
ると共に、バイアスばね60のばね受けとしても作用す
るもので、このため、リテーナ62内に軸方向摺動自在
に嵌合してある。
【0021】温度応答性コイルばね58は、温度に応じ
てばね定数が変化する金属で形成されており、混合室2
2内の湯水混合物の温度に応じて異なるばね力を発生さ
せ、ポペット弁54に作用させるようになっている。こ
のように温度に応じてばね定数が変化する金属材料とし
ては、ニッケル・チタン合金などからなり形状記憶合金
の範疇に属する合金が知られている。この種の合金は温
度に応じて弾性係数が変化し、その結果、形状記憶合金
からなるコイルばね58のばね定数は温度に応じて変化
する。
【0022】他方、バイアスばね60は通常のばね材料
で形成されており、そのばね定数は温度に関し一定であ
る。従って、バイアスばね60が発生する付勢力は、そ
れに加えられた予荷重に比例する。バイアスばね60の
上端は、圧力制御弁12の場合と同様に、リテーナ62
に螺合された調節ねじ68に支承されており、調節ねじ
68を回転させることによりバイアスばね60の予荷重
を調節できるようになっている。
【0023】次に、図2および図3を併せ参照してこの
湯水混合装置10の使用例と流量制御弁14の動作を説
明するに、図2に示したように、湯水混合装置10の一
次圧力室24には水道管を接続し、湯入口20には水道
管に接続された瞬間湯沸器のような給湯機70から湯を
供給することができる。給湯機70の圧力損失により湯
入口20に印加される湯圧力は水道圧力より若干低くな
るであろう。しかし、圧力制御弁12での圧力制御は一
次圧力より低い値で二次圧力を一定にすることにより行
われ、水道圧力よりかなり低い二次圧力が混合室22に
出力されるので、流量制御弁14の湯入口20の圧力は
水入口18の圧力より高くなるであろう。従って、湯は
流量制御弁14の開度に応じて混合室22に流入し、圧
力制御弁12を介して流入する水と混合される。湯水混
合室22で形成された湯水混合物は止水栓72を介して
カラン74やシャワーに接続することができる。
【0024】止水栓72を開けると、湯と水は湯水混合
装置10で混合され、カラン74から供給される。その
際、圧力制御弁12は前述したように湯水混合室22内
の湯水混合物の圧力を一定の値Pに維持する。このよう
に圧力Pが一定であり、かつ、混合装置10の出口48
より下流の流路の流量係数Cvは一定であるので、前記
(1)式から分かるように、出口48から流出する湯水
混合物の流量Qは一定となる。
【0025】次に、流量制御弁14の動作を説明する
に、ポペット弁54の有効受圧面積とダイヤフラム56
の有効受圧面積とは等しいので、湯入口20に入来した
湯の圧力によりポペット弁54に下向きに作用する力と
湯の圧力によりダイヤフラム56に上向きに作用する力
とは互いに相殺される。つまり、ポペット弁54には、
湯入口20内の圧力に起因する力は作用しない。混合室
22内の圧力は、ポペット弁54を上方へ押し上げる力
Fとして作用する。他方、ポペット弁54には、温度応
答性コイルばね58による上向きの力FSと、バイアス
ばね60による下向きの力FBとが作用している。従っ
て、ポペット弁54は、それに作用する上向きの力(F
+FS)と下向きの力FBとが次式で示すように釣り合う
位置で安定する: FB = F + FS ・・・ (2) より詳しくは、形状記憶合金からなる温度応答性コイル
ばね58は混合室22内の湯水混合物の温度に感応し、
そのばね定数は混合物温度に応じて変化するので、コイ
ルばね58は図3に示したように混合物温度に応じたば
ね力を発生する。他方、バイアスばね60はその予荷重
に応じたばね力を発生し、該予荷重はポペット弁54の
位置に応じて変化するので、バイアスばね60はポペッ
ト弁54の湯全開位置と湯全閉位置との間で図3に示し
たようなばね力を発生する。ポペット弁54は、バイア
スばね60の発生ばね力FBが、混合室22内の圧力に
よる力Fと温度応答性コイルばね58の発生ばね力FS
との和に釣り合う位置に位置決めされる。この位置は図
3においてF+FSのカーブとバイアスばね60のばね
力FBのカーブとの交点に相当し、この位置では流量制
御弁14は温度T℃の湯水混合物が形成されるように湯
の流量QHを制御する。前述したように湯水混合物の流
量Qは一定であり、かつ、湯の流量QHと水の流量QC
の和であるから、流量制御弁14によって湯の流量QH
のみを制御することにより、水の流量QCが相補的に制
御される。
【0026】何等かの原因により、湯水混合物の温度が
過渡的に上がった場合には、温度応答性コイルばね58
の発生ばね力FSが上がり、ポペット弁54を上方へ変
位させる。これにより、湯の流量が減少し水の流量が増
加すると同時に、バイアスばね60は圧縮されそのばね
力FBが上がる。湯水混合物の温度により定まる温度応
答性コイルばね58の発生ばね力FSと、バイアスばね
60の新たなばね力FBとにより、(2)式が成立した
時点で、ポペット弁54は釣り合い位置に保持される。
反対に、湯水混合物温度が過渡的に下がった場合には、
上記とは逆に湯の流量が増加すると共に水の流量が減少
する。このようにして、混合物温度はT℃に維持され
る。
【0027】使用者が湯水混合物温度を変更したい場合
には、調節ねじ68を回すことによりバイアスばね60
の予荷重を増減すると、バイアスばね60の発生ばね力
Bは図3において上下に平行移動し、これに対応して
F+FSのカーブとFBのカーブとの交点は図3において
左右に移動するので、混合物温度が修正される。従っ
て、調節ねじ68は湯水混合物の目標温度を設定する手
段として作用する。
【0028】なお、第1実施例の変化形として、ポペッ
ト弁54の軸方向に小径の背圧導入孔を貫通させ、湯水
混合室22内の圧力を背圧としてダイヤフラム56に印
加することも可能であり、この場合には、混合室22内
の圧力によりポペット弁54を上方へ押し上げる力F
は、前記背圧によりダイヤフラム56を押し下げる力と
相殺されるので、前記(2)式はFB=FSと書き換えら
れる。しかし、この場合にも、図3において、温度応答
性コイルばね58の発生ばね力FSとバイアスばね60
のばね力FBとの交点として釣り合い荷重が定まり、混
合物温度が変更される。
【0029】次に、使用者が湯水混合物の流量を変更し
たい場合には、圧力制御弁12の調節ねじ44を回すこ
とによりコイルばね42の予荷重を増減すると、圧力制
御弁12の二次圧力Pが変わり、前記(1)式に従い湯
水混合物の流量Qが可変調節される。従って、調節ねじ
44は湯水混合装置10の流量Qを可変制御する手段と
して作用する。
【0030】以上に記載した実施例では、圧力制御弁1
2は水の圧力を制御し、流量制御弁14は湯の流量を制
御するように構成してある。本発明の第2の実施例にお
いては、図4に示したように、圧力制御弁12により湯
の圧力を制御し、流量制御弁14により水の流量を制御
するようにしてもよい。この場合には、図4に示したよ
うに、複数の湯水流通用開口76を備えた摺動スカート
78をポペット弁54に一体に設け、形状記憶合金から
なる温度応答性圧縮コイルばね58はポペット弁54を
開弁方向に付勢するべくこのスカート78に作用させる
と共に、バイアスばね60には引張りばねを用いる。或
いは、変化形として、バイアスばね60を圧縮ばねで構
成し、ポペット弁54を閉弁方向に付勢するべく混合室
22内に配置してもよい。図4の実施例においては、流
量制御弁14は湯水混合物の温度上昇に応じて水入口2
0からの水の流量を増加させ、混合物温度が低下すると
水の流量を減少させるように作動する。
【0031】以上に説明した実施例は、調節ねじ68を
用いてバイアスばね60の予荷重を手動で調節すること
により目標温度が設定され、湯水混合物の温度は温度応
答性コイルばね58によって機械的にフィードバック制
御されるというものであった。本発明の第3の実施例に
おいては、図5に示したように、湯水混合物の温度を電
子的にフィードバック制御することができる。即ち、図
5に示したように、リテーナ62には可動ばね受け80
が軸方向変位自在に、但し回転不能にスプライン嵌合し
てあり、バイアスばね60の上端はこの可動ばね受け8
0に支承されている。可動ばね受け80にはねじ穴が貫
通させてあり、モータ82の出力軸に形成したウォーム
84がこのねじ穴に噛み合っている。従って、モータ8
2をいづれかの方向に回転させることにより、可動ばね
受け80を変位させ、バイアスばね60の予荷重を調節
することができる。モータ82はマイクロコンピュータ
からなる制御回路86により制御されるもので、制御回
路86には、混合室22に臨んで設置されたサーミスタ
88のような温度検出器からの信号と、目標温度を入力
するためのスイッチ90からの信号が入力される。制御
回路86は、サーミスタ88によって検出された混合物
温度と、スイッチ90によって入力された目標温度とに
基づいて、混合物温度が目標温度になるようにモータ8
2をフィードバック制御する。
【0032】この第3実施例においては、過渡的条件変
動に基づく温度変動は形状記憶合金からなる温度応答性
ばね58の機械的フィードバック制御により敏速に対処
される。制御回路86によるフィードバック制御の主た
る役割は、形状記憶合金からなる温度応答性ばね58の
ヒステリシスを補正すること、温度応答性ばね58およ
びバイアスばね60のばね定数のバラツキに基づくオフ
セットを除去すること、構成要素の経時的劣化などに起
因する定常的オフセットを除去すること、その他のオフ
セットを除去すること、等である。
【0033】
【発明の効果】本発明の湯水混合装置は、湯および水の
いづれか一方のみの流量を制御することにより混合物の
温度を制御できるようになっているので、流量制御弁1
4は一方の流体の流量さえ制御できれば足り、従来技術
の混合弁のように湯を制御する弁部分と水を制御する弁
部分とを一体ユニットとして構成する必要がない。従っ
て、本発明の湯水混合装置には、その構造上、湯水間の
漏れが生じる箇所がない。従って、本発明の湯水混合装
置は、使用者の要求に応じて十分に熱い湯又は冷い水を
供給することができ、温度制御機能に優れている。
【0034】また、流量制御弁14としてポペット弁5
4を使用した場合には、一層優れた流体閉め切り性能を
確保することができる。
【0035】次に、本発明の湯水混合装置においては、
混合室22内の圧力は圧力制御弁12により一定に維持
されるので、流量制御弁14は湯水の圧力変動の影響を
受けることがない。従って、水圧や給湯圧力に過渡的変
動があっても、混合物温度を安定した値に制御すること
ができる。
【0036】更に、温度応答性ばね58は金属で形成さ
れており、従って、従来技術のワックス感温素子に比較
してその熱容量が著しく小さいと共に熱伝導性が良いの
で、混合物の温度変化に瞬間的に応答する。従って、本
発明の混合装置は、過渡的条件変動に対して高精度の温
度制御を行うことができる。
【0037】本発明の好ましい実施態様に従い、バイア
スばね60の予荷重調節手段を電気式にし、制御回路8
6によりフィードバック制御するようにした場合には、
温度応答性ばね58のヒステリシスによる影響や、製造
上の公差によるばね定数のバラツキに起因する定常的オ
フセットや、他の原因によるオフセットも補正すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の湯水混合装置の第1実施例の
模式的断面図である。
【図2】図2は、図1に示した混合装置の使用例を示す
模式図である。
【図3】図3は、図1に示した混合装置の温度応答性ば
ねとバイアスばねの発生荷重の温度変化を示すグラフで
ある。
【図4】図4は、本発明の湯水混合装置の第2実施例の
模式的断面図である。
【図5】図5は、本発明の湯水混合装置の第3実施例の
模式図であり、流量制御弁は切欠いて示してある。
【符号の説明】
10: 湯水混合装置 12: 圧力制御手段 14: 流量制御手段 16: 混合装置のハウジング 20: 湯又は水の流路 22: 湯水混合室 24: 水又は湯の流路 44: 流量可変調節手段 54: ポペット弁 58: 温度応答性コイルばね 60: バイアスばね 68: 温度設定手段 80/82: 電気式予荷重調節手段 86: 制御手段 88: 温度検出手段
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16K 11/00 - 11/24 F16K 31/64 - 31/70 F24D 17/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 湯水混合室と、前記湯水混合室に圧力下
    の湯を供給する湯流路と、前記湯水混合室に圧力下の水
    を供給する水流路と、前記湯水混合室から湯水混合物を
    吐出する湯水混合物出口、とを有するハウジングと、 前記湯水混合室内の湯水混合物の圧力を一定にする圧力
    制御手段と、 湯水混合室で形成される湯水混合物の目標温度を設定す
    る温度設定手段と、 前記流路を介して湯水混合室に供給される湯および水の
    いづれか一方の流体のみの流量を制御する流量制御弁で
    あって、温度に応じてばね定数が変化する金属からなり
    前記湯水混合室内に配置され温度に応答して荷重が変化
    するコイルばねを備え、湯水混合物の温度が前記目標温
    度になるように前記いづれか一方の流体の流量を制御す
    る温度応答性の流量制御弁、とを備えてなる湯水混合装
    置。
  2. 【請求項2】 前記流量制御弁は、湯水混合室に供給さ
    れる湯の流れを横切る弁座と、湯水混合室内の湯水混合
    物の圧力を受圧するべく配置され前記弁座と協動して湯
    の流れを制御するポペット型弁体と、前記弁体を閉弁方
    向に付勢する前記温度応答性コイルばねと、前記弁体を
    開弁方向に付勢する非温度応答性のバイアスばねとを備
    えてなり、前記温度設定手段は、前記バイアスばねの予
    荷重を調節することにより目標温度を設定することを特
    徴とする請求項1に基づく湯水混合装置。
  3. 【請求項3】 前記流量制御弁は、湯水混合室に供給さ
    れる水の流れを横切る弁座と、湯水混合室内の湯水混合
    物の圧力を受圧するべく配置され前記弁座と協動して水
    の流れを制御するポペット型弁体と、前記弁体を開弁方
    向に付勢する前記温度応答性コイルばねと、前記弁体を
    閉弁方向に付勢する非温度応答性のバイアスばねとを備
    えてなり、前記温度設定手段は、前記バイアスばねの予
    荷重を調節することにより目標温度を設定することを特
    徴とする請求項1に基づく湯水混合装置。
  4. 【請求項4】 前記温度設定手段は、前記バイアスばね
    の予荷重を調節する電気的手段と、湯水混合物の目標温
    度を入力する目標温度入力手段とを備え、湯水混合装置
    は、更に、湯水混合物の温度を検出する温度検出手段
    と、前記検出手段により検出された混合物温度と前記入
    力手段により入力された目標温度とに基づいて前記電気
    的手段を制御する制御手段とを備えてなる、請求項2又
    は3に基づく湯水混合装置。
  5. 【請求項5】 前記圧力制御手段は、更に、湯水混合室
    内の湯水混合物の圧力を可変調節する手段を備え、湯水
    混合物の圧力を可変調節することにより湯水混合物の流
    量が調節されることを特徴とする請求項1から4のいづ
    れかに基づく湯水混合装置。
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