JP3075170B2 - 車輌のサスペンション制御方法 - Google Patents

車輌のサスペンション制御方法

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JP3075170B2 JP08050930A JP5093096A JP3075170B2 JP 3075170 B2 JP3075170 B2 JP 3075170B2 JP 08050930 A JP08050930 A JP 08050930A JP 5093096 A JP5093096 A JP 5093096A JP 3075170 B2 JP3075170 B2 JP 3075170B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の車輌の
サスペンション制御方法に係り、更に詳細には所定の制
御則に従ってサスペンションを制御する方法に係る。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車輌のサスペンション制御方
法の一つとして、例えば特開平5−294122号公報
に記載されている如く、スカイフック理論に基づきばね
上速度、ばね上及びばね下の相対速度、スカイフック減
衰係数よりショックアブソーバに要求される減衰係数を
求め、ショックアブソーバの制御段を要求される減衰係
数に基づいてアクチュエータにより制御するショックア
ブソーバの減衰力制御方法が従来より知られている。
【0003】かかるショックアブソーバの減衰力制御方
法によれば、ショックアブソーバの減衰係数がスカイフ
ック理論に基づき求められる所定の減衰係数に近い値に
なるようショックアブソーバの制御段が制御されるの
で、かかる制御が行われない場合に比してショックアブ
ソーバの減衰力を良好に制御し、これにより車体の振動
を最小限に抑えることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし従来のスカイフ
ック理論に基づくショックアブソーバの減衰力の制御に
於いては、ショックアブソーバの制御段はその減衰係数
が要求される減衰係数に近い目標制御段に制御されるよ
うになっており、スカイフック減衰係数が一定であると
共に要求される減衰係数に対応する目標制御段を求める
部分に設計者による近似が含まれているため、車輌のあ
らゆる走行状況に適合するようショックアブソーバの減
衰力を最適に制御することが困難である。
【0005】またショックアブソーバの減衰力を制御す
る場合に於ける上述の如き問題を解消すべく、車輌の種
々の走行状況にて応じた条件判定の方法や制御手段が考
案されているが、これらに於いては車輌が設計者が想定
していない路面や走行状況に遭遇する場合があること、
製造工程によるショックアブソーバ、アクチュエータ、
センサ等の性能のばらつき(個体差)があること、ショ
ックアブソーバ等の経時変化や車輌全体の経時変化があ
ること等に起因して必ずしも全ての走行条件下に於いて
最適にショックアブソーバの減衰力を制御することがで
きない。
【0006】上述の如き問題は、スカイフック理論に基
づくショックアブソーバの減衰力の制御に限らず、車輌
の状況に応じてショックアブソーバの目標制御段を求
め、制御装置によりショックアブソーバの制御段を目標
制御段に制御する場合や、所定の制御則に従って行われ
るアクティブサスペンションやアクティブスタビライザ
等の制御に於いても存在する。
【0007】本発明は、従来のサスペンション制御方法
に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものであり、
本発明の主要な課題は、所定の制御則に従って車輌のサ
スペンションを制御する方法に遺伝的アルゴリズム(以
下必要に応じて「GA」と略記する)を適用し、制御則
のパラメータを最適化することにより、車輌の走行状
況、ショックアブソーバ等の個体差や経時変化等に拘ら
ずサスペンションを常に最適に制御することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の如き主要な課題
は、本発明によれば、請求項1の構成、即ち所定の制御
則に従って車輌のサスペンションを制御する方法にし
て、前記制御則の制御パラメータを遺伝子とする個体を
交配させ、車輌の状態量に基づく評価関数により個体を
評価し、評価が最も低い個体を抹消させる遺伝的アルゴ
リズムにより前記制御則を最適化することを特徴とする
方法によって達成される。
【0009】請求項1の構成によれば、車輌のサスペン
ションを制御するための所定の制御則の制御パラメータ
を遺伝子とする個体が交配され、車輌の状態量に基づく
評価関数により個体が評価され、評価が最も低い個体が
抹消される遺伝的アルゴリズムにより制御パラメータが
最適化されることによって制御則が最適化されるので、
車輌の走行状況、サスペンションの個体差や経時変化等
に拘らずサスペンションが常に最適に制御される。
【0010】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、請求項1の構成に於いて、前記制
御則はスカイフック理論に基づき目標減衰係数を求め制
御系によりショックアブソーバの制御段を前記目標減衰
係数に対応する目標制御段に制御する制御則であり、前
記遺伝子は減衰係数を含み、前記評価は交配により誕生
した新しい個体を含む新世代の個体を試行することによ
り行われ、前記評価関数は車体の振動の減衰度合を示す
ものであり、前記制御パラメータを評価が最も高い個体
の遺伝子に設定することにより前記制御則を最適化する
よう構成される(請求項2の構成)。
【0011】請求項2の構成によれば、スカイフック理
論に基づき目標減衰係数が求められ、制御系によりショ
ックアブソーバの制御段が目標減衰係数に対応する目標
制御段に制御され、評価は交配により誕生した新しい個
体を含む新世代を試行することにより車体の振動減衰度
合について行われ、制御パラメータが評価の最も高い個
体の遺伝子に設定されることにより制御則が最適化され
るので、車体の振動が効果的に減衰されるよう減衰係数
が最適化され、これによりスカイフック理論の制御則が
車輌の走行状況等に応じて最適化される。
【0012】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、請求項2の構成に於いて、前記遺
伝子はスカイフック減衰係数及び前記目標制御段を求め
るための各制御段の減衰係数を含み、前記評価関数は少
なくとも車体の上下加速度の関数であるよう構成される
(請求項3の構成)。
【0013】請求項3の構成によれば、遺伝子はスカイ
フック減衰係数及び目標制御段を求めるための各制御段
の減衰係数を含み、各個体が少なくとも車体の上下加速
度の関数により評価されるので、スカイフック減衰係数
及び各制御段の減衰係数が少なくとも車体の上下振動が
効果的に減衰されるよう最適化されることによりスカイ
フック理論の制御則が最適化される。
【0014】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、請求項3の構成に於いて、前記交
配により誕生した新しい個体の各制御段の減衰係数が予
め設定された上限値より大きい場合及び予め設定された
下限値より小さい場合には、前記新しい個体の遺伝子の
値をそれぞれ前記上限値及び前記下限値に補正するよう
構成される(請求項4の構成)。
【0015】請求項4の構成によれば、交配により誕生
した新しい個体の各制御段の減衰係数が予め設定された
上限値より大きい場合及び予め設定された下限値より小
さい場合には、新しい個体の遺伝子の値がそれぞれ上限
値及び下限値に補正されるので、新しい個体の各制御段
の減衰係数が交配により発散して不適切な値に設定され
ることが確実に防止される。
【0016】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、請求項4の構成に於いて、前記補
正後の新しい個体の特定の制御段の減衰係数がその上限
値又は下限値である状況が所定の時間以上継続するとき
には前記制御系若しくは前記ショックアブソーバが異常
であると判定するよう構成される(請求項5の構成)。
【0017】請求項5の構成によれば、補正後の新しい
個体の特定の制御段の減衰係数がその上限値又は下限値
である状況が所定の時間以上継続するときには制御系若
しくはショックアブソーバが異常であると判定されるの
で、ショックアブソーバの経時変化や制御系の異常等に
起因して発生する減衰力が過剰になったり不十分になっ
たりする事態が生じても、そのことが確実に判定され
る。
【0018】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、請求項4の構成に於いて、前記補
正後の新しい個体の特定の制御段の減衰係数がその上限
値又は下限値である状況が所定の時間以上継続するとき
には、前記交配を中止すると共に前記特定の制御段の減
衰係数を前記上限値よりも大きい値又は前記下限値より
も小さい値に設定するよう構成される(請求項6の構
成)。
【0019】請求項6の構成によれば、補正後の新しい
個体の特定の制御段の減衰係数がその上限値又は下限値
である状況が所定の時間以上継続するときには、交配が
中止されると共に該特定の制御段の減衰係数が上限値よ
りも大きい値又は下限値よりも小さい値に設定されるの
で、ショックアブソーバの経時変化等により各制御段の
実際の減衰係数がそれらの初期値より大きく変化して
も、ショックアブソーバの減衰力が過剰になったり不足
したりすることが確実に防止される。
【0020】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、請求項1の構成に於いて、前記評
価関数は車輌の乗員により変更可能であるよう構成され
る(請求項7の構成)。
【0021】請求項7の構成によれば、評価関数は車輌
の乗員により変更可能であるので、車体の振動減衰に関
する乗員の好みに応じてスカイフック理論に基づくショ
ックアブソーバの減衰力制御の制御則が最適化される。
【0022】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、請求項2の構成に於いて、前記遺
伝子はスカイフック減衰係数及び前記ショックアブソー
バの各制御段についての前記ショックアブソーバのスト
ローク速度と減衰力との間の関係を含むよう構成される
(請求項8の構成)。
【0023】請求項8の構成によれば、遺伝子はスカイ
フック減衰係数及びショックアブソーバの各制御段につ
いてのショックアブソーバのストローク速度と減衰力と
の間の関係であるので、ショックアブソーバのストロー
ク速度に対しショックアブソーバの減衰力を所望のパタ
ーンにて制御することが可能になる。
【0024】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、請求項2の構成に於いて、前記個
体は複数の個体群に区分され、車体振動の周波数に応じ
て最適の個体群が選択され、前記遺伝的アルゴリズムは
選択された個体群に基づき前記制御則を最適化するよう
構成される(請求項9の構成)。
【0025】請求項9の構成によれば、車体振動の周波
数に応じて複数の個体群より最適の個体群が選択され、
選択された個体群に基づき遺伝的アルゴリズムにより制
御則が最適化されるので、一つの個体群のみしか使用さ
れない場合に比して、ショックアブソーバの減衰力が車
輌の走行状況に応じて更に一層適切に制御される。
【0026】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、請求項2の構成に於いて、前記制
御則は各輪のばね上速度を車体のヒーブモード及びピッ
チモード若しくはロールモードに分解し、各モードにつ
いて重み付けすることにより補正した後の各輪のばね上
速度を演算し、前記補正後のばね上速度を使用するスカ
イフック理論に基づき制御系によりショックアブソーバ
の減衰力を制御する制御則であり、前記遺伝子はスカイ
フック減衰係数及び各モードの重みを含むよう構成され
る(請求項10の構成)。
【0027】請求項10の構成によれば、各輪のばね上
速度を車体のヒーブモード及びピッチモード若しくはロ
ールモードに分解し、各モードについて重み付けするこ
とにより補正した後の各輪のばね上速度が演算し、補正
後のばね上速度を使用するスカイフック理論に基づき制
御系によりショックアブソーバの減衰力を制御する制御
則に於いて、そのスカイフック減衰係数及び各モードの
重みが遺伝的アルゴリズムによって最適化されることに
より制御則が最適化されるので、スカイフック減衰係数
及び各モードの重みが一定である場合に比して車体の各
モードの振動が適切に制御される。
【0028】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、請求項1の構成に於いて、前記制
御則は車輌の状態量に基づきショックアブソーバの目標
制御段を求め制御系により前記ショックアブソーバの制
御段を前記目標制御段に制御する制御則であり、前記遺
伝子は車輌の状態量に応じて前記目標制御段を求めるた
めのパラメータであり、前記制御則のパラメータは交配
により誕生した新しい個体のパラメータに設定されるよ
う構成される(請求項11の構成)。
【0029】請求項11の構成によれば、車輌の状態量
に基づきショックアブソーバの目標制御段を求め制御系
によりショックアブソーバの制御段を目標制御段に制御
する制御則、即ちアダプティブ制御の制御則に於いて、
車輌の状態量に応じて目標制御段を求めるためのパラメ
ータが遺伝的アルゴリズムによって漸次最適化されるこ
とにより制御則が最適化されるので、車輌の走行状況、
ショックアブソーバ等の個体差や経時変化等に拘らず、
ショックアブソーバの制御段が車輌の状態量に応じて常
に最適の制御段に制御される。
【0030】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、請求項11の構成に於いて、前記
交配により誕生した新しい個体のパラメータが予め設定
された上限値より大きい場合及び予め設定された下限値
より小さい場合には、前記新しい個体のパラメータをそ
れぞれ前記上限値及び前記下限値に補正するよう構成さ
れる(請求項12の構成)。
【0031】請求項12の構成によれば、交配により誕
生した新しい個体のパラメータが予め設定された上限値
より大きい場合及び予め設定された下限値より小さい場
合には、新しい個体のパラメータがそれぞれ上限値及び
下限値に補正されるので、新しい個体のパラメータが交
配により発散して不適切な値に設定されることが確実に
防止される。
【0032】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、請求項11の構成に於いて、前記
遺伝子は車体の上下加速度の大きさ応じて前記ショック
アブソーバの制御段を目標制御段に切り換えるための各
制御段毎のしきい値を含むよう構成される(請求項13
の構成)。
【0033】請求項13の構成によれば、車体の上下加
速度の大きさ応じてショックアブソーバの制御段を目標
制御段に切り換えるための各制御段毎のしきい値が遺伝
的アルゴリズムにより最適化されるので、車体の上下加
速度の大きさに応じてショックアブソーバの制御段が最
適の制御段に切り換えられ、これにより車体の上下振動
が最適に制御される。
【0034】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、請求項11の構成に於いて、前記
制御則は車体の前後加速度を予測する状態量に基づき前
記ショックアブソーバの制御段を目標制御段に切り換え
ることにより車体のスクォートを抑制する制御則であ
り、前記遺伝子は車体の前後加速度を予測する状態量と
前記目標制御段との間の関係を含み、前記評価関数は車
輌の加速時に於ける車体の上下加速度の低減度合を示す
ものであるよう構成される(請求項14の構成)。
【0035】請求項14の構成によれば、車体の前後加
速度を予測する状態量に基づきショックアブソーバの制
御段を目標制御段に切り換えることにより車体のスクォ
ートを抑制する制御則に於いて、車輌の加速時に於ける
車体の上下加速度の低減度合に基づき車体の前後加速度
を予測する状態量と目標制御段との間の関係が遺伝的ア
ルゴリズムによって最適化されることにより制御則が最
適化されるので、車輌の加速時にはショックアブソーバ
の制御段が車体の前後加速度を予測する状態量に応じて
最適の制御段に制御され、これにより車体のスクォート
が最適に抑制される。
【0036】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、請求項11の構成に於いて、前記
制御則は車体の前後加速度の変化を予測する状態量に基
づき前輪及び後輪の前記ショックアブソーバの制御段を
目標制御段に切り換えることにより車体のノーズダイブ
を抑制する制御則であり、前記遺伝子は車体の前後加速
度の変化を予測する状態量と前記目標制御段との間の関
係を含み、前記評価関数は車輌の減速時に於ける車体の
上下加速度の低減度合を示すものであるよう構成される
(請求項15の構成)。
【0037】請求項15の構成によれば、車体の前後加
速度の変化を予測する状態量に基づき前輪及び後輪の前
記ショックアブソーバの制御段を目標制御段に切り換え
ることにより車体のノーズダイブを抑制する制御則に於
いて、車輌の減速時に於ける車体の上下加速度の低減度
合に基づき車体の前後加速度の変化を予測する状態量と
目標制御段との間の関係が遺伝的アルゴリズムによって
最適化されることにより制御則が最適化されるので、車
輌の減速時にはショックアブソーバの制御段が車体の前
後加速度を予測する状態量に応じて最適の制御段に制御
され、これにより車体のノーズダイブが最適に抑制され
る。
【0038】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、請求項11の構成に於いて、前記
制御則は車体の横加加速度を予測し該横加加速度に応じ
て前記ショックアブソーバの制御段を目標制御段に切り
換えることにより車体のロールを抑制する制御則であ
り、前記遺伝子は車体の横加加速度に応じて前記ショッ
クアブソーバの制御段を目標制御段に切り換えるための
各制御段毎のしきい値を含み、前記評価関数は車速に基
づき設定される車体の目標ロールレートと車体の実際の
ロールレートとの偏差であるよう構成される(請求項1
6の構成)。
【0039】請求項16の構成によれば、車体の横加加
速度を予測し該横加加速度に応じてショックアブソーバ
の制御段を目標制御段に切り換えることにより車体のロ
ールを抑制する制御則に於いて、車速に基づき設定され
る車体の目標ロールレートと車体の実際のロールレート
との偏差に基づき各制御段毎のしきい値が遺伝的アルゴ
リズムによって最適化されることにより制御則が最適化
されるので、車輌の旋回時にはショックアブソーバの制
御段が車体の横加加速度に応じて最適の制御段に制御さ
れ、これにより車体のロールが最適に抑制される。
【0040】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、請求項16の構成に於いて、前記
交配により誕生した新しい個体の特定の制御段のしきい
値が予め設定された下限値より小さい場合には、前記新
しい個体の遺伝子の前記特定の制御段のしきい値を前記
下限値に補正し、補正後の新しい個体の特定の制御段の
しきい値が前記下限値である状況が所定の時間以上継続
するときには、前記特定の制御段のしきい値を一段上の
制御段のしきい値に設定するよう構成される(請求項1
7の構成)。
【0041】請求項17の構成によれば、交配により誕
生した新しい個体の特定の制御段のしきい値が予め設定
された下限値より小さい場合には、新しい個体の遺伝子
の前記特定の制御段のしきい値が下限値に補正され、補
正後の新しい個体の特定の制御段のしきい値が下限値で
ある状況が所定の時間以上継続するときには、該特定の
制御段のしきい値が一段上の制御段のしきい値に設定さ
れるので、ショックアブソーバの経時変化等に起因して
ショックアブソーバの減衰力がその初期値より小さくな
っても、ショックアブソーバの減衰力が不足することが
確実に防止される。
【0042】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、請求項17の構成に於いて、一段
上の制御段のしきい値に設定される特定の制御段の数が
所定値以上のときには、前記ショックアブソーバの減衰
力発生限界であると判定するよう構成される(請求項1
8の構成)。
【0043】請求項18の構成によれば、一段上の制御
段のしきい値に設定される特定の制御段の数が所定値以
上のときには、ショックアブソーバの減衰力発生限界で
あると判定されるので、ショックアブソーバの経時変化
等に起因してショックアブソーバが発生する減衰力がそ
の初期値より低下しても、そのことが確実に判定され
る。
【0044】更に本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、請求項11の構成に於いて、前記
制御則は車体と車輪との間に作用する力の変化率に基づ
き前記ショックアブソーバの制御段を目標制御段に切り
換えることにより車体へのショックを低減する制御則で
あり、前記遺伝子は前記ショックアブソーバの現在の制
御段と前記力の変化率と前記目標制御段との間の関係を
含むよう構成される(請求項19の構成)。
【0045】請求項19の構成によれば、車体と車輪と
の間に作用する力の変化率に基づきショックアブソーバ
の制御段を目標制御段に切り換えることにより車体への
ショックを低減する制御則に於いて、ショックアブソー
バの現在の制御段と前記力の変化率と目標制御段との間
の関係が遺伝的アルゴリズムによって最適化されること
により制御則が最適化されるので、ショックアブソーバ
の制御段が車体と車輪との間に作用する力の変化率に応
じて最適の制御段に切り換えられ、これにより車輪が路
面の突起等を乗り越す際に車体へ伝達されるショックが
最適に低減される。
【0046】
【課題解決手段の好ましい態様】本発明の一つの好まし
い態様によれば、請求項2の構成に於いて、評価関数は
車体の上下振動の減衰度合、車体のロール振動の減衰度
合、若しくは車体のピッチ振動の減衰度合であるよう構
成される。この好ましい態様によれば、評価関数の選択
に応じて車体の上下振動、ロール振動若しくはピッチ振
動が最適に抑制される。
【0047】また本発明の他の一つの好ましい態様によ
れば、請求項3又は8の構成に於いて、交配により誕生
した新しい個体のスカイフック減衰係数が予め設定され
た上限値より大きい場合及び予め設定された下限値より
小さい場合には、下限値以上で上限値以下の値になるよ
う新しい個体のスカイフック減衰係数を再度演算するよ
う構成される。
【0048】また本発明の他の一つの好ましい態様によ
れば、請求項7の構成に於いて、制御則はスカイフック
理論に基づき目標減衰係数を求め制御系によりショック
アブソーバの制御段を目標減衰係数に対応する目標制御
段に制御する制御則であり、評価関数はバンドパス処理
後の車体振動の減衰度合を示すものであり、バンドパス
周波数を変更することにより変更されるよう構成され
る。
【0049】また本発明の他の一つの好ましい態様によ
れば、請求項7の構成に於いて、制御則はスカイフック
理論に基づき目標減衰係数を求め制御系によりショック
アブソーバの制御段を目標減衰係数に対応する目標制御
段に制御する制御則であり、遺伝子はスカイフック減衰
係数及び目標制御段を求めるための各制御段の減衰係数
を含み、評価関数はバンドパス処理後の車体振動の減衰
度合を示すものであり、バンドパス周波数を変更するこ
とにより変更され、バンドパス周波数の変更に対応して
スカイフック減衰係数も変更されるよう構成される。
【0050】また本発明の他の一つの好ましい態様によ
れば、請求項8の構成に於いて、交配により誕生した新
しい個体の各制御段についてのショックアブソーバのス
トローク速度と減衰力との間の関係が予め設定された上
限値より大きい場合及び予め設定された下限値より小さ
い場合には、新しい個体の遺伝子の値をそれぞれ前記上
限値及び前記下限値に補正するよう構成される。
【0051】また本発明の他の一つの好ましい態様によ
れば、請求項9の構成に於いて、遺伝子はスカイフック
減衰係数及び目標制御段を求めるための各制御段の減衰
係数であるよう構成される。
【0052】また本発明の更に他の一つの好ましい態様
によれば、請求項9の構成に於いて、遺伝子はスカイフ
ック減衰係数及びショックアブソーバの各制御段につい
てのショックアブソーバのストローク速度と減衰力との
間の関係を含むよう構成される。
【0053】
【発明の実施の形態】以下に添付の図を参照しつつ、本
発明を幾つかの実施形態について詳細に説明する。
【0054】第一の実施形態 図1は本発明によるサスペンション制御方法の第一の実
施形態に従ってスカイフック理論に基づきショックアブ
ソーバの減衰力を制御する減衰力制御装置の概略構成図
である。
【0055】図1に於て、減衰力制御装置10はスカイ
フック制御ブロック12及びGA制御ブロック14を有
している。また図1に於て、16は1〜nの制御段を有
するそれ自身周知の減衰力可変式のショックアブソーバ
を示しており、ショックアブソーバ16は減衰力制御装
置10によりアクチュエータ18を介して制御段が制御
されることにより減衰力、厳密には減衰係数が制御され
るようになっている。尚減衰力制御装置10は実際には
マイクロコンピュータ及び駆動回路にて構成されていて
よい。
【0056】スカイフック制御ブロック12は後述の如
く例えば車高センサ20により検出され図には示されて
いないフィルタによりバンドパスフィルタ処理された車
高Hを微分することによりばね上とバネ下との間の相対
速度、即ちショックアブソーバのストローク速度Vp を
演算し、また例えば車輪に近接した位置にて車体に設け
られた上下加速度センサ22により検出され図には示さ
れていないフィルタによりバンドパスフィルタ処理され
た車体の上下加速度Gz を積分することによりばね上速
度Vz を演算する。
【0057】またスカイフック制御ブロック12は上述
の如く演算された速度Vp 、Vz 及びGA制御ブロック
14より入力されるスカイフック減衰係数Cs に基づき
下記の数1に従ってスカイフックの演算を行うことによ
り、ショックアブソーバ16に要求される減衰係数Cre
q を演算する。
【数1】Creq =Cs ×(Vz /Vp )
【0058】またスカイフック制御ブロック12は、後
述の如くGA制御ブロック14より入力されるn個の減
衰係数Ci (i=1〜n)のうち数1に従って演算され
た減衰係数Creq に最も近い減衰係数Ca を選定し、シ
ョックアブソーバ16の目標制御段Sa を選定された減
衰係数Ca に対応する制御段に設定し、ショックアブソ
ーバの制御段を目標制御段Sa に制御するための制御信
号をアクチュエータ18へ出力し、これによりショック
アブソーバの減衰力を制御する。更にスカイフック制御
ブロック12は、後述の如くGA制御ブロック14より
入力される新しい個体を含む新世代の各個体の遺伝子情
報に基づきスカイフック理論に従って各個体毎にショッ
クアブソーバの制御を所定時間試行する。
【0059】一方GA制御ブロック14は、図2(A)
に示されている如く、一つのスカイフック減衰係数Cs
(j)とn個の減衰係数C1(j)〜Cn(j)との組合せを遺伝
子とするm個の個体I(j) (j=1〜m)よりなる個体
群と、各個体に対応するm個の評価関数としての評価値
X(j) とを記憶手段に記憶している。各遺伝子情報は例
えば「0」と「1」とよりなる8桁の数として表現さ
れ、各遺伝子情報及び評価値の初期値は車輌の出荷時に
予め所定値に設定される。
【0060】また図2(B)に示されている如く、GA
制御ブロック14はこれらの個体をGAに則り交配させ
て一つの新しい個体I(m+1) を誕生させ、その新しい個
体を含む新世代の各個体の遺伝子情報に基づきスカイフ
ック制御ブロック12によりショックアブソーバの制御
が試行された際の車輌の状態量に基づき各個体の評価値
X(j) を演算する。
【0061】更に図2(C)に示されている如く、GA
制御ブロック14は新しい個体を含むm+1個の個体よ
り評価値X(j) が最も低い個体を抹消させると共に必要
に応じて各個体を順次繰り上げ、新しいm個の個体、即
ち新世代より評価値X(j) が最も高い個体を選択し、そ
の選択された個体の遺伝子情報、即ち一つのスカイフッ
ク減衰係数Cs(j)及びn個の減衰係数C1(j)〜Cn(j)の
組合せをスカイフック制御ブロック12へ出力する。
【0062】特に図示の実施形態に於いては、GA制御
ブロック14には運転席の近傍にて車体に設けられた上
下加速度センサ24により検出されバンドパスフィルタ
26によりバンドパスフィルタ処理された車体の上下加
速度Gzpを示す信号が入力され、評価値Xは車体の上下
加速度Gzpの大きさを所定の試行時間について積分し、
その積分値の逆数又はある正の定数をその積分値にて除
算した値として演算される。
【0063】またGAによる個体の交配は、個体間に於
いて遺伝子情報を組み替える方法の如き任意の操作によ
り行われてよいが、主として「遺伝子情報の交換による
交叉」、「一つの遺伝子情報内に於ける交叉」、「突然
変異」の三つの態様にて行われる。図3に示された情報
1a 〜na を遺伝子とする個体aと情報1b 〜nb を遺
伝子とする個体bとの間に於ける交配を例にとり、上記
三つの態様について説明する。
【0064】「遺伝子情報の交換による交叉」は、図3
(A)に示されている如く、一方の個体のn個の遺伝子
の一部が他方の個体の対応する遺伝子に入れ替えられる
ものであり、何れの遺伝子を入れ替えるか及び何れの個
体の組合せについて交叉が行われるかは予め設定された
確率により決定される。
【0065】「一つの遺伝子情報内に於ける交叉」は、
図3(B)に示されている如く、二つの個体の互いに対
応する遺伝子情報の一部が相互に入れ替えられるもので
あり、例えば遺伝子情報8桁の数であるとすると、新し
い個体の或る遺伝子情報の前半の4桁が個体aの数に設
定され後半の4桁が個体bの数に設定される。この場合
にも何れの遺伝子の何れの情報部分を入れ替えるか及び
何れの個体の組合せについて交叉が行われるかは予め設
定された確率により決定される。
【0066】「突然変異」は、図3(C)に示されてい
る如く、一方の個体のn個の遺伝子の一部が他方の個体
の対応する遺伝子情報と対立する情報の遺伝子に入れ替
えられるものであり、この場合にも何れの遺伝子を入れ
替えるか及び何れの個体の組合せについて交叉が行われ
るかは予め設定された確率により決定される。
【0067】次に図4のゼネラルフローチャートを参照
して第一の実施形態に於けるショックアブソーバの減衰
力制御のメインルーチンについて説明する。
【0068】まずステップ50に於いてはタイマのカウ
ント値Tが0にリセットされ、ステップ100に於いて
は図5に示されたルーチンに従ってスカイフック理論に
基づくショックアブソーバの減衰力の制御(通常の制
御)が行われ、ステップ150に於いてはタイマのカウ
ント値TがT1 (正の定数)インクリメントされる。
【0069】ステップ200に於いてはタイマのカウン
ト値Tが基準値Tc1(正の定数)を越えているか否かの
判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ1
00へ戻り、肯定判別が行われたときにはステップ25
0に於いて交配により新しい個体I(m+1) を誕生させる
演算が行われ、ステップ300に於いてタイマのカウン
ト値が0にリセットされると共にjが1にセットされ、
ステップ350に於いて減衰力を制御するための制御パ
ラメータ、即ちスカイフック減衰係数及びn個の減衰係
数が個体I(j) の値Cs(j)及びn個のC1(j)〜Cn(j)に
設定される。
【0070】ステップ400に於いては制御パラメータ
が個体I(j) の値に設定された状態で図5に示されたル
ーチンと同様のルーチンに従ってスカイフック理論に基
づくショックアブソーバの減衰力制御、即ち試行が行わ
れ、ステップ420に於いてはタイマのカウント値Tが
T2 (正の定数)インクリメントされる。
【0071】ステップ440に於いてはタイマのカウン
ト値Tが基準値Tc2(正の定数)を越えているか否かの
判別、即ち試行時間が経過したか否かの判別が行われ、
否定判別が行われたときにはステップ400へ戻り、肯
定判別が行われたときにはステップ460へ進む。ステ
ップ460に於いてはステップ300に於いてタイマの
カウント値が0にリセットされた時点以降に於ける車体
の上下加速度Gzpの絶対値が積分され、その積分値の逆
数又はある正の定数を積分値にて除算した値として評価
値X(j) が演算される。
【0072】ステップ480に於いてはjが1インクリ
メントされ、ステップ500に於いてはjがm+1を越
えているか否かの判別、即ち新しい個体を含む全ての個
体について試行が行われたか否かの判別が行われ、否定
判別が行われたときにはステップ350へ戻り、肯定判
別が行われたときにはステップ550へ進む。
【0073】ステップ550に於いては新しい個体を含
むm+1個の個体のうち評価値X(j) が最も高い個体が
選択され(jが決定され)、ステップ600に於いては
評価値が最も低い個体が抹消され、しかる後ステップ5
0へ戻る。
【0074】次に図5を参照して図4に示されたフロー
チャートのステップ100に於けるスカイフック理論に
基づくショックアブソーバの減衰力制御のルーチンにつ
いて説明する。尚ステップ400に於けるショックアブ
ソーバの減衰力の試行制御のルーチンは、ステップ10
2に対応するステップに於いて減衰力制御のパラメータ
がm+1個の各個体の遺伝子情報に順次設定される点を
除き図5のルーチンと同様である。
【0075】ステップ102に於いては減衰力制御のパ
ラメータがステップ550に於いて選択された個体の遺
伝子情報に設定され、ステップ104に於いては車高セ
ンサ20により検出されバンドパスフィルタ処理された
車高Hを示す信号及び上下加速度センサ22により検出
されバンドパスフィルタ処理された車体の上下加速度G
z を示す信号の読み込みが行われ、ステップ106に於
いては車高Hを微分することによりショックアブソーバ
のストローク速度Vp が演算され、ステップ108に於
いては車体の上下加速度Gz を積分することによりばね
上速度Vz が演算される。
【0076】ステップ110に於いてはステップ102
に於いて設定されたスカイフック減衰係数Cs(j)及び上
記ストローク速度Vp 及びばね上速度Vz に基づき前記
数1に対応する下記の数2に従ってスカイフックの演算
が行われることにより、ショックアブソーバ16に要求
される減衰係数Creq が演算される。ステップ112に
於いては減衰係数Creq が負であるか否かの判別が行わ
れ、否定判別が行われたときにはそのままステップ11
6へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ114
に於いて減衰係数Creq が0に設定される。
【数2】Creq =Cs(j)×(Vz /Vp )
【0077】ステップ116に於いては減衰係数Creq
に最も近い減衰係数Ca がステップ102に於いて設定
された各制御段の減衰係数C1(j)〜Cn(j)より選定さ
れ、図6(A)に示されている如くその選定された減衰
係数に対応するショックアブソーバの制御段が目標制御
段Sa として設定される。ステップ118に於いてはシ
ョックアブソーバの制御段を目標制御段Sa に設定する
ための制御信号がアクチュエータ18へ出力され、これ
によりショックアブソーバの制御段が目標制御段に制御
される。
【0078】かくして図示の第一の実施形態に於いて
は、ステップ100及び400によりスカイフック制御
ブロック12の制御が達成され、ステップ50、150
〜350、420〜600によりGA制御ブロック14
の制御が達成される。またスカイフック制御ブロック1
2及びGA制御ブロック14に於ける制御のタイムシー
ケンスは図7に示されている通りである。
【0079】即ちステージ1〜4の順に各制御が実行さ
れ、ステージ4が完了するとステージ1〜4が再度繰返
し実行される。尚ステージ1の時間は数時間乃至十数時
間程度に設定され、ステージ3は1時間程度に設定さ
れ、ステージ2及び4は実質的に瞬間的に行われる。ま
たステージ2はステージ1の過程に於いて実行されても
よい。
【0080】以上の説明より解る如く、図示の第一の実
施形態によれば、ステップ250に於いて個体の交配に
より新しい個体が誕生せしめられ、ステップ300〜5
00に於いて各個体が試行され、ステップ460に於い
て新世代の評価値X(m+1) が演算され、ステップ550
に於いて新しい個体を含むm+1個の個体より評価値が
最も高い個体が選択され、ステップ600に於いて評価
値が最も低い個体が抹消せしめられ、ステップ50〜2
00に於いて評価値が最も高い個体の遺伝子情報に基づ
いてスカイフック制御が実行される。
【0081】従って例えばサスペンションスプリング等
に経時変化が生じても、その経時変化に伴う好ましいス
カイフック減衰係数の変化に応じて数2のスカイフック
減衰係数Cs(j)を最適化することができ、またショック
アブソーバ等に経時変化が生じることにより、図6
(B)に於いて一点鎖線にて示されている如くショック
アブソーバの各制御段の実際の減衰係数が実線の位置よ
り変化しても、図6(B)に於いて破線にて示されてい
る如くその変化後の実際の減衰係数に一致するよう減衰
係数Ci(j)を変化させることができる。
【0082】また初期設定の誤差、ショックアブソーバ
等の個体差、車輌の走行条件が設計者が想定した走行条
件と大きく異なる等の理由により、スカイフック減衰係
数Cs(j)の初期設定値と好ましいスカイフック減衰係数
とが相違していたり、減衰係数Ci(j)の初期設定値と実
際の減衰係数とが相違していても、図6(C)に於いて
減衰係数について示されている如く、これらの相違を低
減又は排除することができる。
【0083】従ってこの実施形態によれば、車輌の走行
状況、ショックアブソーバ等の個体差や経時変化等に拘
らず、スカイフック減衰係数及びショックアブソーバの
目標制御段を求めるための各制御段の減衰係数を最適に
設定し、これによりスカイフック理論に基づくショック
アブソーバの制御を常に最適に実行して車体の振動を最
適に制御することができる。
【0084】第二の実施形態 この実施形態に於いては、遺伝子情報のスカイフック減
衰係数Cs(j)について上限値Csmax及び下限値Csminが
設定されており、ショックアブソーバの減衰係数C1(j)
〜Cn(j)について下記の表1に示されている如く上限値
及び下限値が設定されている。尚上限値Csmax及び下限
値Csminはスカイフック減衰係数Cs(j)を所定の範囲に
設定するための値であり、減衰係数C1(j)〜Cn(j)につ
いての上限値及び下限値はショックアブソーバに要求さ
れる減衰係数Creq がこれらの値の間の範囲をこえると
ショックアブソーバやアクチュエータ等に何らかの異常
が発生していると考えられる値に予め設定される。特に
上限値Cimaxはショックアブソーバのn段の減衰係数の
初期値よりも小さい値、例えばCn-2(1)と同一の値に設
定され、下限値Ciminはショックアブソーバの1段の減
衰係数の初期値よりも大きい値、例えばC3(1)と同一の
値に設定される。
【表1】減衰係数 上限値 下限値 C1(j) C1max C1min C2(j) C2max C2min ・ ・ ・ ・ ・ ・ Cn(j) Cnmax Cnmin
【0085】次に図8及び9のゼネラルフローチャート
を参照して第二の実施形態に於けるショックアブソーバ
の減衰力制御のメインルーチンについて説明する。尚図
8及び9に於いて、図4に示されたステップに対応する
ステップには図4に於いて付されたステップ番号と同一
のステップ番号が付されており、このことは後述の他の
実施形態についても同様である。
【0086】図示の如く、この実施形態に於いては、ス
テップ250が完了するとステップ252〜270が実
行され、これにより新しい個体のスカイフック減衰係数
Cs(j)が必ず所定の範囲内の値に設定され、また新しい
個体のショックアブソーバの減衰係数Ci(j)が下限値よ
り小さい場合には下限値に補正され、上限値より大きい
場合には上限値に補正される。
【0087】即ちステップ252に於いては新しい個体
のスカイフック減衰係数Cs(m+1)がその下限値Csmin未
満であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたと
きにはステップ254に於いて新しい個体のスカイフッ
ク減衰係数Cs(m+1)がその上限値Csmaxを越えているか
否かの判別が行われる。
【0088】ステップ252又は254に於いて肯定判
別が行われたときにはステップ256に於いて新しい個
体のスカイフック減衰係数Cs(m+1)が再度演算された後
ステップ252へ戻り、否定判別が行われたときにはス
テップ258に於いてiが1に設定される。
【0089】ステップ260に於いては新しい個体の減
衰係数Ci(m+1)が下限値Ciminより小さいか否かの判別
が行われ、否定判別が行われたときにはステップ262
へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ264に
於いて減衰係数Ci(m+1)が下限値Ciminに設定される。
【0090】ステップ262に於いては減衰係数Ci(m+
1)が上限値Cimaxより大きいか否かの判別が行われ、否
定判別が行われたときにはステップ268へ進み、肯定
判別が行われたときにはステップ266に於いて減衰係
数Ci(m+1)が上限値Cimaxに設定される。
【0091】ステップ268に於いてはiが1インクリ
メントされ、ステップ270に於いてはiがnを越えて
いるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときに
はステップ260へ戻り、肯定判別が行われたときには
ステップ300へ進む。
【0092】またこの実施形態に於いては、ステップ2
00が完了するとステップ202〜220が実行され、
これにより制御系の異常判定及び制御系が異常である場
合の処理が行われ、図1に於いて破線にて示されている
如く、GA制御ブロック14は必要に応じて警報装置2
8を作動させるようになっている。
【0093】即ちステップ202に於いてはjがステッ
プ116に於いて選定されたCa に対応する値aに設定
され、ステップ204に於いては減衰係数Ci(a)が下限
値Ciminであるか否かの判別が行われ、否定判別が行わ
れたときにはステップ206へ進み、肯定判別が行われ
たときにはステップ208に於いてカウンタのカウント
値Nmin が1カウントアップされる。
【0094】ステップ206に於いては減衰係数Ci(a)
が上限値Cimaxであるか否かの判別が行われ、否定判別
が行われたときにはステップ210に於いてカウント値
Nmin 及びNmax が0にリセットされ、肯定判別が行わ
れたときにはステップ212に於いてカウント値Nmax
が1カウントアップされる。
【0095】ステップ214に於いてはカウント値Nmi
n が基準値Ncmin(正の一定の整数)を越えているか否
かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステッ
プ216へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ
218に於いて警報装置28が作動されることにより運
転者にショックアブソーバ若しくはアクチュエータに異
常が生じている旨の警報が発せられると共に、Ci(a)が
1段下(ソフト側)の値Ci-1(a)にセットされ、しかる
後ステップ50へ戻る。
【0096】ステップ216に於いてはカウント値Nma
x が基準値Ncmax(正の定数)を越えているか否かの判
別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ25
0へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ220
に於いて警報装置28が作動されることにより運転者に
ショックアブソーバ若しくはアクチュエータに異常が生
じている旨の警報が発せられると共に、Ci(a)が1段上
(ハード側)の値Ci+1(a)にセットされ、しかる後ステ
ップ50へ戻る。
【0097】かくして図示の第二の実施形態によれば、
ステップ252〜256により、新しい個体のスカイフ
ック減衰係数Cs(m+1)は必ず下限値Csmin以上で上限値
Csmax以下の値に設定されるので、個体の交配によりス
カイフック減衰係数が発散して不適切な値に設定される
ことを確実に防止し、これにより上限値及び下限値が設
定されない場合に比して早くスカイフック減衰係数をそ
の最適値に到達させることができる。
【0098】またステップ258〜270により、新し
い個体の減衰係数Ci(m+1)が下限値Cimin未満のときに
は該下限値に設定され、上限値Cimaxを越えるときには
該上限値に設定されるので、個体の交配によりショック
アブソーバの各制御段の減衰係数Ci(j)が発散して不適
切な値に設定されることを確実に防止し、これにより上
限値及び下限値が設定されない場合に比して早く各制御
段の減衰係数をそれらの最適値に到達させることができ
る。
【0099】更にステップ202〜220により、選択
された個体の減衰係数Ci(j)がNcmin+1回連続して下
限値に設定されると、警報が発せられると共に減衰係数
Ci(a)が1段下の減衰係数に設定され、逆に選択された
個体の減衰係数Ci(a)がNcmax+1回連続して上限値に
設定されると、警報が発せられると共に減衰係数Ci(a)
が1段上の減衰係数に設定されるので、ショックアブソ
ーバ等の経時変化に起因してショックアブソーバの減衰
力が過剰又は不足する状況が生じていることを車輌の運
転者に確実に認識させることができる。
【0100】第三の実施形態 この実施形態に於いては、GA制御ブロック14は、図
10(A)に示されている如く、一つのスカイフック減
衰係数Cs(j)とn個の減衰力マップM1(j)〜Mn(j)との
組合せを遺伝子とするm個の個体I(j) (j=1〜m)
よりなる個体群と、各個体に対応するm個の評価値X
(j) とを記憶手段に記憶している。減衰力マップM1(j)
〜Mn(j)は、図10(B)に個体I(1) (j=1)につ
いて示されている如く、それぞれショックアブソーバの
1段〜n段に対応するショックアブソーバのストローク
速度Vp と減衰力Fとの間の関係である。
【0101】またスカイフック制御ブロック12は、第
一の実施形態の場合と同様前述の数1に従ってショック
アブソーバに要求される減衰係数Creq を演算し、下記
の数3に従ってショックアブソーバに要求される減衰力
Freq を演算する。またスカイフック制御ブロック12
は、GA制御ブロック14より入力される特定のjの減
衰力マップMi(j)(i=1〜n)のうち数3に従って演
算された目標減衰力Freq に最も近い減衰力に対応する
減衰力マップMa(j)を選定し、ショックアブソーバ16
の目標制御段Sa を選定された減衰力マップMa(j)に対
応する制御段に設定し、ショックアブソーバの制御段を
目標制御段Sa に制御するための制御信号をアクチュエ
ータ18へ出力する。
【数3】Freq =Creq ×Vp
【0102】次に図11及び12のゼネラルフローチャ
ートを参照して第三の実施形態に於けるショックアブソ
ーバの減衰力制御のメインルーチンについて説明する。
【0103】この実施形態のステップ260に於いては
新しい個体の減衰力マップMi(m+1)が下限値Miminより
小さいか否かの判別が行われ、否定判別が行われたとき
にはステップ262へ進み、肯定判別が行われたときに
はステップ264に於いて減衰力マップMi(m+1)が下限
値Miminに設定される。
【0104】ステップ262に於いては減衰力マップM
i(m+1)が上限値Mimaxより大きいか否かの判別が行わ
れ、否定判別が行われたときにはステップ268へ進
み、肯定判別が行われたときにはステップ266に於い
て減衰力マップMi(m+1)が上限値Mimaxに設定される。
【0105】ステップ268に於いてはiが1インクリ
メントされ、ステップ270に於いてはiがnを越えて
いるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときに
はステップ260へ戻り、肯定判別が行われたときには
ステップ300へ進む。
【0106】またステップ100に於けるスカイフック
制御は第一の実施形態に於けるスカイフック制御と同様
に行われるが、図13に示されている如く、ステップ1
16に先立ちステップ115に於いて前述の数3に従っ
て目標減衰力Freq が演算され、しかる後ステップ11
6に於いて目標減衰力Freq に最も近い減衰力に対応す
る減衰力マップMa(j)が選定されると共に、ショックア
ブソーバの目標制御段Sa が選定された減衰力マップM
a(j)に対応する制御段に設定される。
【0107】かくして図示の第三の実施形態によれば、
各個体はその遺伝子情報として減衰力マップを有し、こ
れによりショックアブソーバのストローク速度Vp に対
しショックアブソーバの減衰力Fを所望のパターンにて
制御することができるので、減衰力Fがストローク速度
Vp に対し線形関係に設定される第一及び第二の実施形
態の場合に比してショックアブソーバの減衰力を更に一
層最適に制御することができる。
【0108】また第二の実施形態の場合と同様、ステッ
プ252〜256により、新しい個体のスカイフック減
衰係数Cs(m+1)は必ず下限値Csmin以上で上限値Csmax
以下の値に設定されるので、個体の交配によりスカイフ
ック減衰係数が発散して不適切な値に設定されることを
確実に防止し、これにより上限値及び下限値が設定され
ない場合に比して早くスカイフック減衰係数をその最適
値に到達させることができる。
【0109】またステップ258〜270により、新し
い個体の減衰力マップMi(m+1)が下限値Mimin未満のと
きには該下限値に設定され、上限値Mimaxを越えるとき
には該上限値に設定されるので、個体の交配によりショ
ックアブソーバの各段の減衰力マップが発散して不適切
な値に設定されることを確実に防止し、これにより上限
値及び下限値が設定されない場合に比して早く減衰力マ
ップをその最適値に到達させることができる。
【0110】更にステップ125〜170により、ショ
ックアブソーバの試行制御毎にスカイフック減衰係数C
s(j)及び減衰力マップMi(j)が車輌やショックアブソー
バ等の現況に対し順次適合化されるので、従来は試行錯
誤によるチューニングにより長時間かけて行われていた
これらの初期値の設定を簡便に行うことができる。
【0111】第四の実施形態 この実施形態に於いては、図14(A)に示されている
如く、GA制御ブロック14は三つの個体群IA 、IB
、IC を記憶手段に記憶している。個体群IA、IB 、
IC は後述の如く車体の上下加速度の第一乃至第三の周
波数帯域に対応している。
【0112】また図14(B)に示されている如く、個
体群IA は一つのスカイフック減衰係数Cas(j) とn個
の減衰力マップMa1(j) 〜Man(j) との組合せを遺伝子
とするm個の個体Ia(j)(j=1〜m)よりなり、個体
群IB は一つのスカイフック減衰係数Cbs(j) とn個の
減衰力マップMb1(j) 〜Mbn(j) との組合せを遺伝子と
するm個の個体Ib(j)(j=1〜m)よりなり、個体群
IC は一つのスカイフック減衰係数Ccs(j) とn個の減
衰力マップMc1(j) 〜Mcn(j) との組合せを遺伝子とす
るm個の個体Ic(j)(j=1〜m)よりなっている。ま
た記憶手段は各個体Ia(j)、Ib(j)、Ic(j)にそれぞれ
対応するm個の評価値Xa(j)、Xb(j)、Xc(j)を記憶し
ている。
【0113】尚減衰力マップMa1(j) 〜Man(j) 、Mb1
(j) 〜Mbn(j) 、Mc1(j) 〜Mcn(j) は、前述の第三の
実施形態の場合と同様、ショックアブソーバの1段〜n
段に対応するショックアブソーバのストローク速度Vp
と減衰力Fとの間の関係である(図10(B)参照)。
【0114】またスカイフック制御ブロック12は、第
三の実施形態の場合と同様前述の数1に従ってショック
アブソーバに要求される減衰係数Creq を演算し、前述
の数3に従ってショックアブソーバに要求される減衰力
Freq を演算する。またスカイフック制御ブロック12
は、GA制御ブロック14より入力される特定の個体群
の特定のjの減衰力マップMai(j) 又はMbi(j) 又はM
ci(j) (i=1〜n)のうち数3に従って演算された目
標減衰力Freq に最も近い減衰力に対応する減衰力マッ
プMaa(j) 又はMba(j) 又はMca(j) を選定し、ショッ
クアブソーバ16の目標制御段Sa を選定された減衰力
マップに対応する制御段に設定し、ショックアブソーバ
の制御段を目標制御段Sa に制御するための制御信号を
アクチュエータ18へ出力する。
【0115】次に図15及び16のゼネラルフローチャ
ートを参照して第四の実施形態に於けるショックアブソ
ーバの減衰力制御のメインルーチンについて説明する。
【0116】図示の如く、この実施形態のステップ52
に於いては上下加速度センサ22により検出され図には
示されていないフィルタによりバンドパスフィルタ処理
された車体の上下加速度Gz を示す信号の読み込みが行
われ、ステップ54に於いては上下加速度Gz の所定時
間分の上下加速度Gz のデータについて周波数解析が行
われる。
【0117】ステップ56に於いてはf1 及びf2 を正
の定数(f1 <f2 )として、第一の周波数帯域0〜f
1 [Hz ]の周波数解析値について二乗平均平方根値G
rms1が演算され、第二の周波数帯域f1 〜f2 [Hz ]
の周波数解析値について二乗平均平方根値Grms2が演算
され、第三の周波数帯域f2 〜[Hz ]の周波数解析値
について二乗平均平方根値Grms3が演算される。
【0118】ステップ58に於いてはGrms1がGrms2以
上であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたと
きにはステップ62へ進み、肯定判別が行われたときに
はステップ60へ進む。ステップ60に於いてはGrms1
がGrms3以上であるか否かの判別が行われ、肯定判別が
行われたときにはステップ64へ進み、否定判別が行わ
れたときにはステップ66へ進む。ステップ62に於い
てはGrma2がGrms3以上であるか否かの判別が行われ、
否定判別が行われたときにはステップ66へ進み、肯定
判別が行われたときにはステップ68へ進む。
【0119】ステップ64に於いては個体群IA の個体
IA(j)により図13に示されたルーチンに従ってスカイ
フック制御が行われ、ステップ66に於いては個体群I
C の個体IC(j)により図13に示されたルーチンに従っ
てスカイフック制御が行われ、ステップ66に於いては
個体群IB の個体IB(j)により図13に示されたルーチ
ンに従ってスカイフック制御が行われる。
【0120】またステップ250〜650は、ステップ
64の完了後に実行される場合にはzがaに設定される
ことにより実行され、ステップ66の完了後に実行され
る場合にはzがcに設定されることにより実行され、ス
テップ68の完了後に実行される場合にはzがbに設定
されることにより実行される。
【0121】特にステップ252に於いては新しい個体
のスカイフック減衰係数Czs(m+1)がその下限値Czsmin
未満であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われ
たときにはステップ254に於いて新しい個体のスカイ
フック減衰係数Czs(m+1) がその上限値Czsmax を越え
ているか否かの判別が行われる。
【0122】ステップ252又は254に於いて肯定判
別が行われたときにはステップ256に於いて新しい個
体のスカイフック減衰係数Czs(m+1) が再度演算された
後ステップ252へ戻り、否定判別が行われたときには
ステップ258に於いてiが1に設定される。
【0123】ステップ260に於いては新しい個体の減
衰係数Mzi(m+1) が下限値Mziminより小さいか否かの
判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ2
62へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ26
4に於いて減衰係数Mzi(m+1) が下限値Mzimin に設定
される。
【0124】ステップ262に於いては減衰係数Mzi(m
+1) が上限値Mzimax より大きいか否かの判別が行わ
れ、否定判別が行われたときにはステップ268へ進
み、肯定判別が行われたときにはステップ266に於い
て減衰係数Mzi(m+1) が上限値Mzimax に設定される。
【0125】尚ステップ64〜68のスカイフック制御
に於ける図13のステップ116に於いては、ステップ
115に於いて演算された目標減衰力Freq に最も近い
減衰力に対応する減衰力マップMza(j) が選定される。
【0126】かくして図示の第四の実施形態によれば、
上述の第三の実施形態に於ける作用効果と同様の作用効
果を得ることができると共に、車体の上下加速度Gz の
周波数に応じて三つの個体群IA 、IB 、IC が使い分
けられるので、各個体群の個体の数を低減して試行時間
を低減し、これにより第三の実施形態の場合に比してシ
ョックアブソーバの減衰力を車輌の走行状況に応じて更
に一層最適に制御することができる。
【0127】尚図示の実施形態に於いては、各個体群の
各個体の遺伝子はスカイフック減衰係数及び減衰力マッ
プであるが、前述の第一及び第二の実施形態の場合と同
様、各個体の遺伝子はスカイフック減衰係数及び目標制
御段を求めるための各制御段の減衰係数であってもよ
い。
【0128】第五の実施形態 この実施形態に於いては、図1に於いて破線にて示され
ている如く、車輌の乗員により操作される乗り心地性選
択スイッチ30が設けられており、乗員が路面よりの入
力が車体に伝達され難いソフトな乗り心地性を希望して
いるか車体の振動減衰が効果的に行われるフラットな乗
り心地性を希望しているかを示す信号がスイッチ30よ
りGA制御ブロック14へ入力されるようになってい
る。
【0129】またこの実施形態に於けるGA制御ブロッ
ク14の記憶手段は図17〜図19に示されたグラフに
対応するマップを記憶しており、これらのマップはサス
ペンション制御装置の設計者により予め設定されてい
る。更に図には示されていないが、この実施形態に於け
るショックアブソーバの減衰力の制御自体は前述の第二
の実施形態に於ける減衰力の制御と同様であり、従って
この制御についての説明を省略する。
【0130】次に図20のフローチャートを参照して第
五の実施形態に於いて車輌の乗員により乗り心地性選択
スイッチ30が操作された場合の制御について説明す
る。尚図20のフローチャートによる制御は図8及び図
9に示されたフローチャートによる制御に対し所定の時
間ごとの割り込みにより実行される。
【0131】まずステップ610に於いてはスイッチ3
0の出力Rの読み込みが行われ、ステップ612に於い
てはスイッチ30が操作されたか否かの判別が行われ、
否定判別が行われたときにはステップ250へジャンプ
し、肯定判別が行われたときにはステップ614へ進
む。
【0132】ステップ614に於いてはスイッチ30の
出力Rに基づき図17に示されたグラフに対応するマッ
プよりスカイフック減衰係数の基準値Csoが演算され、
ステップ616に於いては出力Rに基づき図18に示さ
れたグラフに対応するマップよりバンドパス周波数の基
準値Fboが演算され、ステップ618に於いては各個体
(j=1〜m)について図19に示されたグラフに対応
するマップより各個体の分布係数P(j) が演算される。
【0133】ステップ620に於いては下記の数4に従
ってスカイフック減衰係数Cs(j)が演算され、ステップ
622に於いてはfo を正の定数としてバンドパスフィ
ルタ26のバンドパス周波数帯域がFbo−fo 〜Fbo+
fo に変更され、ステップ624に於いては図8及び図
9に示されたフローチャートによるメインルーチンの制
御が中止され、ステップ626に於いてはjが1にセッ
トされる。
【数4】Cs(j)=Cso×P(j)
【0134】ステップ628に於いては所定の試行時間
(タイマT2 の時間)に亘りショックアブソーバの試行
制御が行われ、ステップ630に於いてはステップ62
8に於いて試行された個体についての評価値X(j) が演
算され、ステップ632に於いてはjが1インクリメン
トされ、ステップ634に於いてはjがmを越えている
か否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはス
テップ628へ戻り、肯定判別が行われたときにはステ
ップ250へジャンプする。
【0135】かくして図示の第五の実施形態によれば、
車輌の乗員は乗り心地性選択スイッチ30を操作するこ
とによりスカイフック減衰係数Cs(j)及びバンドパス周
波数を変更することができるので、上述の第二の実施形
態に於ける作用効果と同様の作用効果を得ることができ
るだけでなく、乗員が路面よりの入力が車体に伝達され
難いソフトな乗り心地性を希望しているか車体の振動減
衰が効果的に行われるフラットな乗り心地性を希望して
いるかという乗員の好みに応じてショックアブソーバの
減衰力を更に一層最適に制御することができる。
【0136】特に図示の実施形態によれば、スイッチ3
0を操作することにより、評価値X(j) を演算するため
の車体の上下加速度に対するバンドパス処理のバンドパ
ス周波数を変更することができるだけでなく、これに対
応して各個体のスカイフック減衰係数をも変更すること
ができるので、バンドパス周波数のみが変更される場合
に比してショックアブソーバの減衰力を乗員の好みに応
じて一層適正に制御することができる。
【0137】第六の実施形態 以上に於いては所謂単輪モデルについて各実施形態を説
明したが、この実施形態は、各輪のばね上速度に基づき
ヒーブ、ピッチ、ロールの各モードの車体速度を演算
し、各モードの車体速度を重み付けし、重み付け後の各
モードの車体速度に基づき補正後の各輪のばね上速度を
演算し、補正後の各輪のばね上速度に基づきスカイフッ
クの演算を行うショックアブソーバの減衰力の制御に於
いて、後述の如くスカイフック減衰係数及び各モードの
重みをGAによって最適化することにより、車体のヒー
ブ振動、ピッチ振動、ロール振動を効果的に制御するも
のである。
【0138】この実施形態に於いては、図21に示され
ている如く、左前輪40fl、右前輪40fr、左後輪40
rl、右後輪40rrに対応してショックアブソーバ16f
l、16fr、16rl、16rrが設けられており、これら
のショックアブソーバの減衰力はそれぞれ対応するアク
チュエータ18fl、18fr、18rl、18rrを介して減
衰力制御装置10により制御される。
【0139】また左前輪40fl、右前輪40fr、左後輪
40rl、右後輪40rrに対応して車高センサ20fl、2
0fr、20rl、20rr及び上下加速度センサ22fl、2
2fr、22rl、22rrが設けられており、車高センサ2
0fl、20fr、20rl、20rrは各輪の車高Hfl、Hf
r、Hrl、Hrrを検出し、上下加速度センサ22fl、2
2fr、22rl、22rrは各輪のばね上加速度Gzfl 、G
zfr 、Gzrl 、Gzrr を検出する。
【0140】またこの実施形態に於いては、減衰力制御
装置10のGA制御ブロックは、図22に示されている
如く、一つのスカイフック減衰係数Cs(j)と各モードの
重み係数KP(j)、KR(j)、KH(j)との組合せを遺伝子と
するm個の個体I(j) (j=1〜m)よりなる個体群
と、各個体に対応するm個の評価値X(j) とを記憶手段
に記憶している。
【0141】次に図23及び24のゼネラルフローチャ
ートを参照して第六の実施形態に於けるショックアブソ
ーバの減衰力制御のメインルーチンについて説明する。
【0142】この実施形態のステップ252〜256は
第二の実施形態の場合と同様に行われ、ステップ258
に於いては新しい個体のヒーブモードの重みKH(m+1)が
下限値KHminより小さいか否かの判別が行われ、否定判
別が行われたときにはステップ260へ進み、肯定判別
が行われたときにはステップ262に於いて重みKH(m+
1)が下限値KHminに設定される。
【0143】ステップ260に於いては新しい個体のヒ
ーブモードの重みKH(m+1)が上限値KHmaxより大きいか
否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステ
ップ266へ進み、肯定判別が行われたときにはステッ
プ264に於いて重みKH(m+1)が上限値KHmaxに設定さ
れる。
【0144】ステップ266〜272に於いては新しい
個体のピッチモードの重みKP(m+1)についてステップ2
58〜264と同様の処理が行われ、ステップ274〜
280に於いては新しい個体のロールモードの重みKR
(m+1)についてステップ258〜264と同様の処理が
行われる。
【0145】またステップ100に於けるスカイフック
制御(通常制御)は図25に示されたフローチャートに
従って行われ、このルーチンのステップ105に於いて
は各輪の車高Hk (k=fl、fr、rl、rr)を微分するこ
とにより各ショックアブソーバのストローク速度Vpkが
演算され、ステップ106に於いては各輪の車体の上下
加速度Gzk(k=fl、fr、rl、rr)を積分することによ
りばね上速度Vzkが演算される。
【0146】ステップ107に於いては下記の数5に従
って車体速度のヒーブモード成分Gha、ピッチモード成
分Gpa、ロールモード成分Graが演算される。
【数5】Gh =(Vzfl +Vzrr )/2 Gp =(Vzfr −Vzrr )/2 Gr =(Vzfl −Vzfr )/2
【0147】ステップ108に於いては下記の数6に従
ってヒーブモード成分Gha、ピッチモード成分Gpa、ロ
ールモード成分Graに重みが乗算されることにより、重
み付け後の各モード成分Gha、Gpa、Graが演算され
る。
【数6】Gha=Kh ×Gh Gpa=Kp ×Gp Gra=Kr ×Gr
【0148】ステップ109に於いては下記の数7に従
って各輪の補正後のばね上速度Vzak (k=fl、fr、r
l、rr)が演算される。
【数7】Vzafl=(Gha+Gpa+Gra)×3/(Kh +
Kp +Kr ) Vzafr=(Gha+Gpa−Gra)×3/(Kh +Kp +K
r ) Vzarl=(Gha−Gpa+Gra)×3/(Kh +Kp +K
r ) Vzarr=Vzafr−Vzafl+Vzarl
【0149】ステップ110に於いてはステップ102
に於いて設定されたスカイフック減衰係数Cs(j)、ステ
ップ105に於いて演算されたストローク速度Vpk及び
上記ばね上速度Vzak に基づき下記の数8に従ってスカ
イフックの演算が行われることにより、各ショックアブ
ソーバ16に要求される減衰係数Creqk(k=fl、fr、
rl、rr)が演算される。
【数8】Creqk=Cs(j)×(Vzak /Vpk)
【0150】ステップ112及び114は左前輪(k=
fl)、右前輪(k=fr)、左後輪(k=rl)、右後輪
(k=rr)の順に各輪について行われ、特にステップ1
12に於いては減衰係数Creqkが負であるか否かの判別
が行われ、否定判別が行われたときにはそのままステッ
プ116へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ
114に於いて減衰係数Creqkが0に設定される。
【0151】ステップ116に於いては減衰係数Creqk
に最も近い減衰係数Cakがショックアブソーバの各制御
段に対応する減衰係数より選定され、その選定された減
衰係数に対応する各ショックアブソーバの制御段が目標
制御段Sakとして設定され、ステップ118に於いては
ショックアブソーバの制御段を目標制御段Sa に設定す
るための制御信号がアクチュエータ18へ出力され、こ
れにより各ショックアブソーバの制御段が目標制御段に
制御される。
【0152】かくして図示の第六の実施形態によれば、
ステップ106に於いて各輪のばね上加速度に基づきば
ね上速度Vzkが演算され、ステップ107に於いて各輪
のばね上速度に基づき車体速度の各モード成分Gh 、G
p 、Gr が演算され、ステップ108に於いて各モード
成分に重み付けが行われることにより補正後の各モード
成分Gha、Gpa、Graが演算され、ステップ109に於
いて補正後の各モード成分に基づき補正後の各輪のばね
上速度Vxak が演算され、ステップ110に於いて補正
後の各輪のばね上速度に基づきスカイックの演算が行わ
れることにより各輪のショックアブソーバに要求される
減衰係数Creqkが演算され、ステップ252〜600に
於いてスカイフック減衰係数及び各モード成分に対する
重みKh、Kp 、Kr がGAにより最適化される。
【0153】従って各モード成分の重みが一定の値に設
定される従来の場合に比してショックアブソーバの減衰
力を最適に制御し、これによりショックアブソーバ等に
経時変化が生じても車体のヒーブモード、ピッチモー
ド、ロールモードの振動を最適に制御することができ
る。
【0154】また図示の実施形態によれば、ステップ2
52〜256により、新しい個体のスカイフック減衰係
数Cs(m+1)が必ず下限値Csmin以上で上限値Csmax以下
の値に設定され、またステップ258〜280により新
しい個体の各モード成分の重みKH((m+1) 、KP(m+1)、
KR(m+1)がそれぞれ下限値以上で上限値以下の値に設定
されるので、個体の交配によりスカイフック減衰係数や
各モード成分の重みが発散して不適切な値に設定される
ことを確実に防止し、これにより上限値及び下限値が設
定されない場合に比して早くスカイフック減衰係数等を
それらの最適値に到達させることができる。
【0155】第一乃至第六の実施形態の修正例 第一乃至第六の実施形態に於ける評価値は車体の上下加
速度Gzpの絶対値の積分値に基づき演算されるようにな
っているが、車体のロールレートの絶対値の積分値又は
車体のピッチレートの絶対値の積分値に基づき演算され
てもよく、或いは車体の上下加速度の絶対値の積分値と
車体のロールレートの絶対値の積分値との線形和や、車
体の上下加速度の絶対値の積分値と車体のピッチレート
の絶対値の積分値との線形和に基づき演算されてもよ
く、更には三つの積分値の線形和に基づき演算されても
よい。
【0156】特に上述の第五の実施形態の如く、車輌の
乗員により操作される選択スイッチ30が設けられてい
る場合には、該スイッチにより評価値を演算するための
状態量を選択したり、積分値の線形和を演算する際の各
積分値に対する重み(係数)を調節し得るよう構成され
てもよい。
【0157】また第一乃至第六の実施形態に於いては、
評価値を求めるための上下加速度センサ24は運転席の
近傍にて車体に設けられているが、運転席近傍に於ける
車体の上下加速度は各輪に対応して設けられた上下加速
度センサ22の各検出値に基づき推定により求められて
もよい。
【0158】更に第一乃至第六の実施形態に於いては、
交配により誕生せしめられる新しい個体は一つである
が、複数の個体が誕生せしめられてもよく、また評価は
新しい個体を含むm+1個全ての新世代について行われ
るようになっているが、新しい個体と元の評価が高いX
個(X<m)の個体についてのみ評価が行われてもよ
い。
【0159】第七の実施形態 図26は本発明によるサスペンション制御方法の第七の
実施形態に従ってショックアブソーバの減衰力を制御す
る減衰力制御装置の概略構成図である。この実施形態に
於けるショックアブソーバの減衰力(減衰係数)の制御
則は、ばね上加速度Gz の大きさに応じてショックアブ
ソーバの制御段を切り換えるアダプティブ制御であり、
制御段の切り換えしきい値がGAにより最適化される。
【0160】図26に於て、減衰力制御装置50はアダ
プティブ制御ブロック52及びGA制御ブロック14を
有している。尚減衰力制御装置50も実際にはマイクロ
コンピュータ及び駆動回路にて構成されていてよい。
【0161】アダプティブ制御ブロック52には上下加
速度センサ22により検出され図には示されていないフ
ィルタによりバンドパスフィルタ処理された車体の上下
加速度Gz を示す信号が入力される。図27(A)に示
されている如く、アダプティブ制御ブロック12はGA
制御ブロック14より入力される切り換えしきい値A1
(j)〜An(j)に基づき上下加速度Gz の大きさに応じて
ショックアブソーバ16の目標制御段San(0段〜n
段)を決定し、ショックアブソーバの制御段Sn を目標
制御段Sanに制御するための制御信号をアクチュエータ
18へ出力する。
【0162】一方GA制御ブロック14には運転席の近
傍にて車体に設けられた上下加速度センサ24により検
出されバンドパスフィルタ26によりバンドパスフィル
タ処理された車体の上下加速度Gzpを示す信号が入力さ
れる。図27(B)に示されている如く、GA制御ブロ
ック14はn個の切り換えしきい値A1(j)〜An(j)を遺
伝子とするm個の個体I(j) (j=1〜m)よりなる個
体群と、各個体に対応するm個の評価値X(j) とを記憶
手段に記憶している。この実施形態に於いても評価値X
(j) は第一の実施形態と同様車体の上下加速度Gzpの大
きさの積分値に基づいて演算される。
【0163】次に図28のゼネラルフローチャートを参
照して第七の実施形態に於けるショックアブソーバの減
衰力制御のメインルーチンについて説明する。
【0164】まずステップ700に於いては図29に示
されたルーチンに従ってアダプティブ制御が行われ、ス
テップ750に於いてはステップ700に於ける制御に
よりショックアブソーバの制御段の切り換えが行われた
か否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはス
テップ700へ戻り、肯定判別が行われたときにはステ
ップ800に於いてステップ700のアダプティブ制御
に供された新しい個体の評価値X(j) が演算される。
【0165】ステップ850に於いてはm個の個体I
(j) のうち最も評価値の低い個体が抹消され、ステップ
900に於いては交配により新しい個体を誕生させる演
算が行われ、ステップ950に於いては制御パラメータ
である切り換えしきい値A1(j)〜An(j)が新しい個体の
遺伝子の値に設定され、しかる後ステップ700へ戻
る。
【0166】また図29に示されている如く、ステップ
700のアダプティブ制御ルーチンのステップ710に
於いては車体の上下加速度Gz を示す信号の読み込みが
行われ、ステップ720に於いては上下加速度Gz の絶
対値に基づき図27(A)に示された要領にてショック
アブソーバの目標制御段Sanが決定され、ステップ73
0に於いては目標制御段Sanに対応する制御信号がアク
チュエータ18へ出力される。
【0167】かくして図示の第七の実施形態によれば、
ショックアブソーバの制御段の切り換えが行われる度毎
にステップ800〜950が実行され、個体群より劣性
の個体が抹消され優性の個体が残されることにより、新
しい個体の遺伝子である切り換えしきい値A1(j)〜An
(j)が漸次最適化されるので、車体の上下加速度の大き
さに応じてショックアブソーバの制御段を最適の制御段
に切り換え、これにより車体の上下振動を最適に制御す
ることができる。
【0168】尚この実施形態に於いても、例えば後述の
第八の実施形態に於けるステップ902〜914と同様
の処理により、車体の上下加速度についての切り換えし
きい値A1(j)〜An(j)が必ず下限値以上で上限値以下の
値に設定されるよう構成されることが好ましい。
【0169】第八の実施形態 この実施形態に於けるショックアブソーバの減衰力(減
衰係数)の制御則は、車体の推定横加加速度Gydh の大
きさに応じてショックアブソーバの制御段を切り換える
アダプティブ制御であり、制御段の切り換えしきい値A
i(j)がGAにより最適化される。
【0170】この実施形態に於いては、図30に示され
ている如く、アダプティブ制御ブロック52には車速セ
ンサ54により検出され図には示されていないフィルタ
によりバンドパスフィルタ処理された車速Vを示す信号
が入力され、また操舵角センサ56により検出され図に
は示されていないフィルタによりバンドパスフィルタ処
理された操舵角θを示す信号が入力される。アダプティ
ブ制御ブロック52は車速V及び操舵角θに基づき車体
の推定横加加速度Gydh を演算し、GA制御ブロック1
4より入力される切り換えしきい値A1(j)〜An(j)に基
づき推定横加加速度Gydh の大きさに応じてショックア
ブソーバ16の目標制御段San(0段〜n段)を決定
し、ショックアブソーバ16の制御段Sn を目標制御段
Sanに制御するための制御信号をアクチュエータ18へ
出力する。
【0171】一方GA制御ブロック14には車速センサ
54により検出され図には示されていないフィルタによ
りバンドパスフィルタ処理された車速Vを示す信号が入
力され、また車体の重心近傍にて車体に設けられたロー
ルレートセンサ58により検出されバンドパスフィルタ
26によりバンドパスフィルタ処理された車体のロール
レートRr を示す信号が入力される。GA制御ブロック
14は車速Vに基づき目標ロールレートRraを演算し、
目標ロールレートRraと実ロールレートRr との偏差を
評価値X(j) として演算する。
【0172】更にこの実施形態に於いては、遺伝子情報
の切り換えしきい値A1(j)〜An(j)について下記の表2
に示されている如く上限値及び下限値が設定されてい
る。尚これらの上限値及び下限値は、切り換えしきい値
が交配により発散することを防止し、これによりしきい
値を上限値と下限値との間の好ましい値に収束させるべ
く制御装置の設計者より予め設定される。
【表2】しきい値 上限値 下限値 A1(j) A1max A1min A2(j) A2max A2min ・ ・ ・ ・ ・ ・ An(j) Anmax Anmin
【0173】次に図31のゼネラルフローチャートを参
照して第八の実施形態に於けるショックアブソーバの減
衰力制御のメインルーチンについて説明する。尚図31
に於いて、図28に示されたステップに対応するステッ
プには図28に於いて付されたステップ番号と同一のス
テップ番号が付されており、このことは後述の他の実施
形態についても同様である。
【0174】まずステップ700に於いては図32に示
されたルーチンに従ってアダプティブ制御が行われ、ス
テップ800に於いては図33に示されたルーチンに従
って新しい個体の評価値X(j) が演算される。
【0175】またステップ900の次に実行されるステ
ップ902に於いてはiが1に設定され、ステップ90
4に於いては新しい個体のしきい値Ai(m+1)が下限値A
iminより小さいか否かの判別が行われ、否定判別が行わ
れたときにはステップ906へ進み、肯定判別が行われ
たときにはステップ908に於いてしきい値Ai(m+1)が
下限値Aiminに設定される。
【0176】ステップ906に於いてはしきい値Ai(m+
1)が上限値Aimaxより大きいか否かの判別が行われ、否
定判別が行われたときにはそのままステップ912へ進
み、肯定判別が行われたときにはステップ910に於い
てしきい値Ai(m+1)が上限値Aimaxに設定された後ステ
ップ912へ進む。
【0177】ステップ912に於いてはiが1インクリ
メントされ、ステップ914に於いてはiがnを越えて
いるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときに
はステップ904へ戻り、肯定判別が行われたときには
ステップ950へ進む。
【0178】またこの実施形態のアダプティブ制御(ス
テップ700)のルーチンに於いては、まずステップ7
10に於いて車速V及び操舵角θを示す信号の読み込み
が行われ、ステップ712に於いては操舵角θを微分す
ることにより操舵角速度θdが演算される。
【0179】ステップ714に於いては車速V及び操舵
角速度θd の絶対値に基づき図34に示されたグラフに
対応するマップより車体の推定横加加速度Gydh が演算
され、ステップ720に於いては推定横加加速度Gydh
に基づき第七の実施形態に於ける図27(A)の場合と
同様の要領にてショックアブソーバの目標制御段Sanが
決定され、ステップ730に於いては目標制御段Sanに
対応する制御信号がアクチュエータ18へ出力される。
【0180】またステップ800に於ける評価値X(j)
の演算ルーチンに於いては、まずステップ810に於い
て車速V及び実ロールレートRr を示す信号の読み込み
が行われ、ステップ820に於いては車速Vに基づき図
35に示されたグラフに対応するマップより車体の目標
ロールレートRraが演算され、ステップ830に於いて
は下記の数9に従って新しい個体の評価値X(j) が演算
される。
【数9】X(j) =Rra−|Rr |
【0181】かくして図示の第八の実施形態によれば、
ステップ710〜714に於いて車体の推定横加加速度
Gydh が演算され、ステップ720に於いて推定横加加
速度の大きさに応じてショックアブソーバの目標制御段
Sanが決定され、ステップ750〜950に於いて車体
の推定横加加速度についての切り換えしきい値Ai(j)が
GAにより最適化されるので、切り換えしきい値が一定
の値である場合に比してショックアブソーバの減衰力を
最適に制御し、これにより車体のロールを最適に制御す
ることができる。
【0182】また図示の実施形態によれば、ステップ9
04〜914により、新しい個体の切り換えしきい値A
i(m+1)が必ず下限値以上で上限値以下の値に設定される
ので、個体の交配により切り換えしきい値が発散して不
適切な値に設定され、これによりショックアブソーバの
減衰力が不適切な値に制御されることを確実に防止する
ことができる。
【0183】第九の実施形態 この実施形態に於けるショックアブソーバの減衰力の制
御則も、第八の実施形態の場合と同様車体の推定横加加
速度Gydh の大きさに応じてショックアブソーバの制御
段を切り換えるアダプティブ制御であり、制御段の切り
換えしきい値Ai(j)がGAにより最適化される。
【0184】またこの実施形態に於ける基本的な制御ル
ーチンは、図36に示されている如く、第八の実施形態
のステップ902〜914が行われず、ステップ900
の次にステップ952〜978が実行される点を除き、
第八の実施形態の場合と同様であり、これら同様の点に
ついては説明を省略する。
【0185】ステップ952に於いては新しい個体を除
くm−1個の個体のうち最も評価値の高い個体が選択さ
れ(jが決定され)、ステップ954に於いてはiが1
にセットされる。ステップ956に於いてはしきい値A
i(j)が最小値Aimin未満であるか否かの判別が行われ、
否定判別が行われたときにはステップ958に於いてカ
ウンタのカウント値Niminが0にリセットされ、肯定判
別が行われたときにはステップ960に於いてしきい値
Ai(j)が下限値Aiminに設定され、ステップ962に於
いてカウント値Niminが1カウントアップされる。
【0186】ステップ964に於いてはカウント値Nim
inが基準値Nc (正の一定の整数)を越えているか否か
の判別が行われ、否定判別が行われたときにはそのまま
ステップ968へ進み、肯定判別が行われたときにはス
テップ966に於いてしきい値Ai(j)が一段上のしきい
値Ai+1(j)に設定される。ステップ968に於いてはi
が1インクリメントされ、ステップ970に於いてはi
がnを越えているか否かの判別が行われ、否定判別が行
われたときにはステップ956へ戻り、肯定判別が行わ
れたときにはステップ972へ進む。
【0187】ステップ972に於いては例えばi=n/
2〜nのしきい値Ai(j)が最大値An(j)であるか否かの
判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ7
00へ戻り、肯定判別が行われたときにはステップ97
4へ進む。ステップ974に於いては車速Vが基準値V
e (例えば20km/h )以下であるか否かの判別が行わ
れ、否定判別が行われたときにはステップ976に於い
て警報装置28を作動させる制御信号が出力され、これ
により車輌の乗員にショックアブソーバ16等に何らか
の異常が生じている旨の警報が発せられ、肯定判別が行
われたときにはステップ978に於いて全ての個体の全
ての遺伝子情報、即ちしきい値Ai(j)(i=1〜n、j
=1〜m)がそれぞれ対応する初期値にリセットされ
る。
【0188】かくして図示の第九の実施形態によれば、
ショックアブソーバのシールのへたりの如き経時変化が
生じ、ショックアブソーバが十分な減衰力を発生するこ
とができなくなると、ステップ960に於いてしきい値
Ai(j)が下限値に設定され、その回数がNc を越えると
ステップ966に於いてしきい値Ai(j)が一段上のしき
い値Ai+(j) に設定されるので、同一の推定横加加速度
に対し必要に応じて制御段を高めに制御して減衰力不足
を防止することができ、これによりショックアブソーバ
の経時変化に拘らず旋回時の車体のロールを効果的に防
止することができる。
【0189】また図示の実施形態によれば、ショックア
ブソーバの経時変化が過度に進行し、i=n/2以上の
各制御段に対応するしきい値が最上段のしきい値An(j)
と同一になると、ステップ976に於いて警報が発せら
れるので、車輌の乗員はショックアブソーバの経時変化
が過度に進行し旋回時の車体のロールを効果的に防止す
ることが困難になっていることを確実に知ることができ
る。
【0190】尚図示の実施形態のステップ972に於い
てはi=n/2〜nのしきい値が最大値であるか否かの
判別が行われるようになっているが、しきい値が最大値
であるか否かの判別を行う制御段の数は任意の数であっ
てよい。
【0191】第十の実施形態 図37は本発明によるサスペンション制御方法の第十の
実施形態に従ってショックアブソーバの減衰力を制御す
る減衰力制御装置の概略構成図である。この実施形態に
於けるショックアブソーバの減衰力の制御則は、車速
V、エンジン回転数Ne 、エンジン回転数の微分値Ned
をパラメータとするマップよりショックアブソーバの目
標制御段を求め、ショックアブソーバの制御段を目標制
御段に制御することにより車体のスクォートを低減する
アダプティブ制御であり、マップがGAにより最適化さ
れる。
【0192】図37に於て、アダプティブ制御ブロック
52には車速センサ54により検出され図には示されて
いないフィルタによりバンドパスフィルタ処理された車
速Vを示す信号が入力され、またエンジン回転数センサ
58により検出されたエンジン回転数Ne を示す信号が
入力される。アダプティブ制御ブロック52はエンジン
回転数の微分値Nedを演算し、車速V、エンジン回転数
Ne 及びエンジン回転数の微分値Nedをパラメータとし
GA制御ブロック14より入力される目標制御段判定マ
ップMz(j)に基づきショックアブソーバ16の目標制御
段San(0段〜n段)を決定し、ショックアブソーバ1
6の制御段Sn を目標制御段Sanに制御するための制御
信号をアクチュエータ18へ出力する。
【0193】一方GA制御ブロック14には後輪又は運
転席の近傍にて車体に設けられた上下加速度センサ24
により検出されバンドパスフィルタ26によりバンドパ
スフィルタ処理された車体の上下加速度Gzpを示す信号
が入力される。また図38(A)に示されている如く、
GA制御ブロック14は車速Vの低速域、中速域、高速
域にそれぞれ対応する三つの目標制御段判定マップMa
(j)〜Mc(j)を遺伝子とするm個の個体I(j) (j=1
〜m)と各個体に対応するm個の評価値X(j)とを記憶
手段に記憶している。
【0194】図38(B)に示されている如く、各目標
制御段判定マップMz(j)(z=a〜c)はエンジン回転
数Ne 及びその微分値Nedとショックアブソーバの目標
制御段Sanとの間の関係である。またこの実施形態に於
いては新しい個体の評価値X(j) はアダプティブ制御
(アンチスクォート制御)中に於ける車体の上下加速度
Gzpのピーク値として演算される。
【0195】次に図39のゼネラルフローチャートを参
照して第十の実施形態に於けるショックアブソーバの減
衰力制御のメインルーチンについて説明する。
【0196】この実施形態のステップ700に於いては
図40に示されたルーチンに従ってアダプティブ制御が
行われ、ステップ850の次に実行されるステップ86
0に於いては車速Vが低速域、中速域、高速域の何れで
あるかの判定、即ちzの決定が行われ、ステップ900
に於いては少なくとも判定された車速域を含む目標制御
段判定マップMz(j)の情報が交配によって更新されるこ
とにより新しい個体が誕生せしめられる。
【0197】またステップ900の次に実行されるステ
ップ904に於いては新しい個体の目標制御段判定マッ
プMz(j)が下限値Mzminより小さいか否かの判別が行わ
れ、否定判別が行われたときにはそのままステップ90
6へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ908
に於いてマップMz(j)が下限値Mzminに設定された後ス
テップ950へ進む。
【0198】ステップ906に於いては目標制御段判定
マップMz(j)が上限値Mzmaxより大きいか否かの判別が
行われ、否定判別が行われたときにはそのままステップ
950へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ9
10に於いてマップMz(j)が上限値Mzmaxに設定された
後ステップ950へ進む。尚ステップ904〜910は
z=a、b、cの全てについて実行される。
【0199】またこの実施形態のアダプティブ制御(ス
テップ700)のルーチンに於いては、図40に示され
ている如く、まずステップ710に於いて車速V及びエ
ンジン回転数Ne を示す信号の読み込みが行われ、ステ
ップ712に於いてはエンジン回転数Ne を微分するこ
とによりエンジン回転数の微分値Nedが演算され、ステ
ップ714に於いては車速Vに基づき車速域が判定され
ることにより目標制御段判定マップMz(j)が選定され
る。
【0200】ステップ716に於いてはエンジン回転数
Ne 及びその微分値Nedに基づきステップ714に於い
て選定されたマップMz(j)よりショックアブソーバの目
標制御段Sanが決定され、ステップ730に於いては目
標制御段Sanに対応する制御信号がアクチュエータ18
へ出力される。
【0201】かくして図示の第十の実施形態によれば、
ステップ714に於いて車速Vに応じて目標制御段判定
マップMz(j)が選定され、ステップ720に於いてエン
ジン回転数Ne 及びその微分値Nedに基づき選定された
マップよりショックアブソーバの目標制御段Sanが決定
され、目標制御段判定マップMz(j)がステップ750〜
950により最適化されるで、ショックアブソーバの経
時変化等に拘らず車輌の加速時に於けるショックアブソ
ーバの減衰力を最適に制御して車体のスクォートを最適
に制御することができる。
【0202】またこの実施形態に於いても、ステップ9
04〜910により、目標制御段判定マップMz(j)は必
ず下限値以上で上限値以下の値に設定されるので、個体
の交配により目標制御段判定マップが発散して不適切な
値に設定され、これによりショックアブソーバの減衰力
が不適切な値に制御されることを確実に防止することが
できる。
【0203】第十一の実施形態 図41は本発明によるサスペンション制御方法の第十一
の実施形態に従ってショックアブソーバの減衰力を制御
する減衰力制御装置の概略構成図である。この実施形態
に於けるショックアブソーバの減衰力の制御則は、車輌
の運転者により制動操作が行われた場合に車速Vに基づ
き前輪及び後輪のショックアブソーバの目標制御段Sfa
n 及びSran を求め、ショックアブソーバの制御段を目
標制御段に制御することにより車体のノーズダイブを低
減するアダプティブ制御であり、目標制御段Sfan 及び
Sran がGAにより最適化される。
【0204】図41に示されている如く、この実施形態
に於いては、減衰力制御装置50には前輪又は運転席の
近傍にて車体に設けられた上下加速度センサ24により
検出された車体の上下加速度Gzpを示す信号が入力さ
れ、またブレーキスイッチ(SW)60より図には示さ
れていないブレーキペダルが踏み込まれたか否かを示す
オン−オフ信号が入力される。
【0205】またこの実施形態に於いては、減衰力制御
装置50のGA制御ブロックは、図42に示されている
如く、前輪のショックアブソーバについて車速Vの低速
域、中速域、高速域にそれぞれ対応する三つの目標制御
段Sfanz(j) (z=a、b、c)と前後輪のショックア
ブソーバの目標制御段の目標段差Ds(j)とを遺伝子とす
るm個の個体I(j) (j=1〜m)を記憶手段に記憶し
ており、また各個体に対応するm個の評価値X(j) を記
憶している。この実施形態に於いても新しい個体の評価
値X(j) はアダプティブ制御(アンチダイブ制御)中に
於ける車体の上下加速度Gzpのピーク値として演算され
る。
【0206】次に図43のゼネラルフローチャートを参
照して第十一の実施形態に於けるショックアブソーバの
減衰力制御のメインルーチンについて説明する。
【0207】この実施形態のステップ700に於いては
図44に示されたルーチンに従ってアダプティブ制御が
行われ、ステップ850の次に実行されるステップ86
0に於いては車速Vが低速域、中速域、高速域の何れで
あるかの判定、即ちzの決定が行われ、ステップ900
に於いては少なくとも判定された車速域を含む目標制御
段Sfanz(j) の情報が交配によって更新されることによ
り新しい個体が誕生せしめられる。
【0208】またステップ900の次に実行されるステ
ップ904に於いては新しい個体の目標制御段Sfanz
(j) が下限値Sanmin より小さいか否かの判別が行わ
れ、否定判別が行われたときにはそのままステップ90
6へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ908
に於いて目標制御段Sfanz(j) が下限値Sanmin に設定
された後ステップ912へ進む。
【0209】ステップ906に於いては目標制御段Sfa
nz(j) が上限値Sanmax より大きいか否かの判別が行わ
れ、否定判別が行われたときにはそのままステップ91
2へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ910
に於いて目標制御段Sfanz(j) が上限値Sanmax に設定
された後ステップ912へ進む。尚この実施形態に於い
てもステップ904〜910はz=a、b、cの全てに
ついて実行される。
【0210】ステップ912に於いては新しい個体の目
標段差Ds(j)が下限値Dsminより小さいか否かの判別が
行われ、否定判別が行われたときにはそのままステップ
914へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ9
16に於いて目標段差Ds(j)が下限値Dsminに設定され
た後ステップ950へ進む。
【0211】ステップ914に於いては目標段差Ds(j)
が上限値Dsmaxより大きいか否かの判別が行われ、否定
判別が行われたときにはそのままステップ950へ進
み、肯定判別が行われたときにはステップ918に於い
て目標段差Ds(j)が上限値Dsmaxに設定された後ステッ
プ950へ進む。
【0212】またこの実施形態のアダプティブ制御(ス
テップ700)のルーチンに於いては、まずステップ7
10に於いて車速Vを示す信号及びブレーキスイッチ6
0よりのオン−オフ信号の読み込みが行われ、ステップ
712に於いてはブレーキスイッチ60がオンであるか
否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステ
ップ724へ進み、肯定判別が行われたときにはステッ
プ720へ進む。
【0213】ステップ720に於いては車速Vに基づき
車速域が判定されることによりステップ950に於いて
設定された新しい個体の遺伝子情報より前輪のショック
アブソーバの目標制御段Sfan が決定され、ステップ7
220に於いてはSfan +Ds(j)として後輪のショック
アブソーバの目標制御段Sran が決定される。ステップ
730に於いては目標制御段Sfan 及びSran に対応す
る制御信号がそれぞれ前輪のアクチュエータ18fl、1
8fr及び後輪のアクチュエータ18rl、18rrに出力さ
れる。
【0214】かくして図示の第十一の実施形態によれ
ば、運転者により制動操作が行われると、ステップ71
2に於いて肯定判別が行われ、ステップ720に於いて
車速Vに応じて前輪の目標制御段Sfan が決定され、ス
テップ722に於いて前輪の目標制御段及び目標段差D
s(j)の和として後輪の目標制御段Sran が決定され、前
輪の目標制御段及び目標段差がステップ750〜950
により最適化されるので、ショックアブソーバの経時変
化等に拘らず車輌の制動時に於ける前輪及び後輪のショ
ックアブソーバの減衰力を最適に制御して車体のノーズ
ダイブを最適に制御することができる。
【0215】またこの実施形態に於いても、ステップ9
04〜910により、前輪の目標制御段Sfan が必ず上
限値以上で下限値以下の値に設定され、またステップ9
12〜918により、目標段差Ds(j)が必ず下限値以上
で上限値以下の値に設定されるので、個体の交配により
前輪の目標制御段及び目標段差が発散して不適切な値に
設定され、これによりショックアブソーバの減衰力が不
適切な値に制御されることを確実に防止することができ
る。
【0216】尚図示の実施形態に於いては、各個体の遺
伝子は各車速域の前輪の目標制御段Sfanz(j) 及び目標
段差Ds(j)であるが、前述の第十の実施形態の場合と同
様の各車速域の前輪の目標制御段判定マップと目標段差
との組み合わせであってもよく、その場合前輪の目標制
御段判定マップは図38(B)の横軸が制動度合を示す
マスタシリンダ油圧に置き換えられ、エンジン回転数の
微分値Nedがマスタシリンダ油圧の変化率に置き換えら
れてよい。
【0217】第十二の実施形態 図45は本発明によるサスペンション制御方法の第十二
の実施形態に従ってショックアブソーバの減衰力を制御
する減衰力制御装置の概略構成図である。この実施形態
に於けるショックアブソーバの減衰力の制御則は、ショ
ックアブソーバの軸力(長手方向の荷重)の変化率がし
きい値を越えると、ショックアブソーバの制御段を所定
の段数低下し、これにより路面の突起乗り越し時等に於
けるショックを低減するアダプティブ制御であり、しき
い値及び低下段数がGAにより最適化される。
【0218】図45に於て、ショックアブソーバ16の
内部又はそれと車体との連結部にはその軸力Fa を検出
する例えばピエゾ式の軸力センサ62が組み込まれてお
り、アダプティブ制御ブロック52には軸力センサ62
により検出され図には示されていないフィルタによりバ
ンドパスフィルタ処理された軸力Fa を示す信号が入力
される。
【0219】アダプティブ制御ブロック52は軸力Fa
の変化率としてその微分値Fadを演算し、GA制御ブロ
ック14より入力されるしきい値決定マップMs(j)に基
づきしきい値Fas(i) を決定し、軸力の微分値Fadの大
きさがしきい値を越えているか否かを判定し、軸力の微
分値の大きさがしきい値を越えているときにはGA制御
ブロック14より入力される低下段数決定マップMr(j)
に基づき低下段数Sr(j)を決定し、これによりショック
アブソーバ16の目標制御段San(0段〜n段)を決定
し、ショックアブソーバ16の制御段Sn を目標制御段
Sanに制御するための制御信号をアクチュエータ18へ
出力する。
【0220】一方GA制御ブロック14には運転席の近
傍にて車体に設けられた上下加速度センサ24により検
出されバンドパスフィルタ26によりバンドパスフィル
タ処理された車体の上下加速度Gzpを示す信号が入力さ
れる。また図46(A)に示されている如く、GA制御
ブロック14はしきい値決定マップMs(j)及び低下段数
決定マップMr(j)を遺伝子とするm個の個体I(j) (j
=1〜m)と各個体に対応するm個の評価値X(j) とを
記憶手段に記憶している。
【0221】図46(B)に示されている如く、しきい
値決定マップMs(j)はショックアブソーバの制御段Sn
の現在値iとしきい値Fas(i) との間の関係であり、ま
た図46(C)に示されている如く、低下段数決定マッ
プMr(j)は制御段Sn の現在値iと低下段数Sr(i)との
間の関係である。
【0222】次に図47のゼネラルフローチャートを参
照して第十二の実施形態に於けるショックアブソーバの
減衰力制御のメインルーチンについて説明する。
【0223】この実施形態のステップ700に於いては
図48に示されたルーチンに従ってアダプティブ制御が
行われ、ステップ904に於いては新しい個体のしきい
値決定マップMs(j)が下限値Msminより小さいか否かの
判別が行われ、否定判別が行われたときにはそのままス
テップ906へ進み、肯定判別が行われたときにはステ
ップ908に於いてしきい値決定マップMs(j)が下限値
Msminに設定された後ステップ912へ進む。
【0224】ステップ906に於いてはしきい値決定マ
ップMs(j)が上限値Msmaxより大きいか否かの判別が行
われ、否定判別が行われたときにはそのままステップ9
12へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ91
0に於いてしきい値決定マップMs(j)が上限値Msmaxに
設定された後ステップ912へ進む。
【0225】ステップ912に於いては新しい個体の低
下段数決定マップMr(j)が下限値Mrminより小さいか否
かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはそのま
まステップ914へ進み、肯定判別が行われたときには
ステップ916に於いて低下段数決定マップMr(j)が下
限値Mrminに設定された後ステップ950へ進む。
【0226】ステップ914に於いては低下段数決定マ
ップMr(j)が上限値Mrmaxより大きいか否かの判別が行
われ、否定判別が行われたときにはそのままステップ9
50へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ91
8に於いて低下段数決定マップMr(j)が上限値Mrmaxに
設定された後ステップ950へ進む。
【0227】またこの実施形態のアダプティブ制御(ス
テップ700)のルーチンに於いては、図48に示され
ている如く、まずステップ710に於いて上下加速度G
ztを示す信号及び軸力Fa を示す信号の読み込みが行わ
れ、ステップ712に於いて軸力Fa の変化率としてそ
の微分値Fadが演算される。
【0228】ステップ714に於いてはショックアブソ
ーバの制御段Sn の現在値iが判定されると共に、現在
値iに基づき図46(B)に示されたグラフに対応する
しきい値決定マップMs(j)よりしきい値Fas(i) が決定
され、ステップ716に於いては軸力の微分値Fadの絶
対値がしきい値Fas(i) を越えているか否かの判別が行
われ、否定判別が行われたときにはそのままステップ7
50へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ71
8へ進む。
【0229】ステップ718に於いては制御段の現在値
iに基づき図46(C)に示されたグラフに対応する低
下段数決定マップMr(j)より低下段数Sr(i)が決定さ
れ、ステップ720に於いては目標制御段Sanが下記の
数10に従って決定され、ステップ730に於いては目
標制御段Sanに対応する制御信号がアクチュエータ18
へ出力される。
【数10】San=Sn −Sr(i)
【0230】かくして図示の第十二の実施形態によれ
ば、ステップ714に於いてショックアブソーバの現在
の制御段iに基づきしきい値Fas(i) が決定され、ステ
ップ716に於いてショックアブソーバの軸力の変化率
の大きさFadがしきい値Fas(i) を越えているか否かの
判別が行われ、軸力の変化率の大きさが大きいときには
ステップ718に於いて低下段数Sr(i)が決定され、ス
テップ720に於いてショックアブソーバの目標制御段
Sanが現在の制御段より低下段数Sr(i)低下された段数
に決定され、しきい値決定マップMs(j)及び低下段数決
定マップMr(j)がステップ750〜950により最適化
されるので、ショックアブソーバの経時変化等に拘らず
車輪が路面の突起等を乗り越す際に於けるショックアブ
ソーバの減衰力を最適に制御し、これにより車体へのシ
ョックを効果的に低減して車輌の乗り心地性を最適に制
御することができる。
【0231】またこの実施形態に於いても、ステップ9
04〜910により、しきい値決定マップMs(j)が必ず
下限値以上で上限値以下の値に設定され、またステップ
912〜918により、低下段数決定マップMr(j)が必
ず下限値以上で上限値以下の値に設定されるので、個体
の交配によりこれらのマップが発散して不適切な値に設
定され、これによりショックアブソーバの減衰力が不適
切な値に制御されることを確実に防止することができ
る。
【0232】尚図示の実施形態に於いては、ショックア
ブソーバの現在の制御段iに基づきしきい値決定マップ
Mr(j)よりしきい値Fas(i) が決定され、ショックアブ
ソーバの軸力の変化率の大きさFadがしきい値を越えて
いるときには低下段数決定マップMr(j)より低下段数S
r(i)が決定され、これによりショックアブソーバの目標
制御段Sanが決定されるようになっているが、例えば各
個体の遺伝子情報が図49に示されている如くショック
アブソーバの制御段の現在値iと軸力の微分値Fadの絶
対値とショックアブソーバの目標制御段Sanとの間の関
係のマップに設定され、このマップより目標制御段が求
められてもよい。
【0233】第七乃至第十二の実施形態の修正例 第七乃至第十二の実施形態に於いては、ショックアブソ
ーバの制御段の現在値及び車輌の状態量に基づきショッ
クアブソーバの目標制御段が求められるようになってい
るが、特にショックアブソーバの制御段の数が少ない場
合には、ショックアブソーバの目標制御段が一定の制御
段に設定され、各個体の遺伝子情報が車輌の状態量につ
いての各制御段(上記一定の制御段を除く)毎のしきい
値に設定され、車輌の状態量が現在の制御段のしきい値
を越えると、ショックアブソーバの制御段が一定の目標
制御段に切り換えられるよう構成されてもよい。
【0234】例えば上述の第十二の実施形態に於いて、
目標制御段が0段(n=0)に設定され、ショックアブ
ソーバの軸力の変化率の大きさについての1段〜n段の
しきい値がA1(j)〜An(j)に設定され、現在の制御段が
bであるとすると、軸力の変化率Fadの絶対値がしきい
値Ab(j)を越えると、ショックアブソーバの制御段が0
段に切り換えられてもよい。
【0235】以上に於ては本発明を特定の実施形態につ
いて詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実
施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろ
う。
【0236】例えば上述の各実施形態に於いては、制御
則はショックアブソーバの減衰力(制御段)の制御則で
あるが、本発明の方法に於ける制御則はサスペンション
に関する任意の制御則であってよく、例えばアクティブ
サスペンションやアクティブスタビライザの制御則であ
ってもよい。
【0237】特に車体と車輪との間に油圧に応じて支持
力を発生する油圧シリンダが設けられ、油圧シリンダの
油圧がロールモード、ピッチモード、ヒーブモードにつ
いて車高フィードバックによるPID制御が行われ、ま
た車体の横加速度及び前後加速度についてフィードフォ
ワードによるPD制御が行われるアクティブサスペンシ
ョンの場合には、個体の遺伝子は各フィードバックゲイ
ン及び各フィードフォワードゲインの組合せに設定され
てよい。
【0238】またアクチュエータへの制御信号によりス
タビライザの反力を増減可能なアクティブスタビライザ
が車輌の横加速度又はその推定値に基づくフィードフォ
ワードによりPD制御される場合には、個体の遺伝子は
それらのフィードフォワードゲインの組合せに設定され
てよい。
【0239】
【発明の効果】以上の説明より明らかである如く、本発
明の請求項1の構成によれば、車輌のサスペンションを
制御するための所定の制御則の制御パラメータを遺伝的
アルゴリズムによって最適化することにより制御則を適
化することができるので、車輌の走行状況、サスペンシ
ョンの個体差や経時変化等に拘らずサスペンションを常
に最適に制御することができる。
【0240】また請求項2の構成によれば、減衰係数を
最適化することによりスカイフック理論の制御則を車輌
の走行状況等に応じて最適化することができるので、ス
カイフック理論に基づいてショックアブソーバの減衰力
を最適に制御し、これにより車輌の走行状況、サスペン
ションの個体差や経時変化等に拘らず車体の振動を常に
効果的に制御することができる。
【0241】また請求項3の構成によれば、少なくとも
車体の上下振動が効果的に減衰されるようスカイフック
減衰係数及び目標制御段を求めるための各制御段の減衰
係数を最適化することによってスカイフック理論の制御
則を最適化することができるので、スカイフック理論に
基づいてショックアブソーバの減衰力を最適に制御し、
これにより車輌の走行状況、サスペンションの個体差や
経時変化等に拘らず車体の上下振動を常に効果的に制御
することができる。
【0242】また請求項4の構成によれば、新しい個体
の各制御段の減衰係数が交配により発散して不適切な値
に設定されその状態にてショックアブソーバの減衰力制
御が行われることを確実に防止することができ、また上
限値及び下限値による補正が行われない場合に比して早
く各制御段の減衰係数を適正な値に到達させることがで
きる。
【0243】また請求項5の構成によれば、ショックア
ブソーバの経時変化や制御系の異常等に起因して発生す
る減衰力が過剰になったり不十分になったりする事態が
生じても、そのことを確実に判定することができる。
【0244】また請求項6の構成によれば、ショックア
ブソーバの経時変化等により各制御段の実際の減衰係数
がそれらの初期値より大きく変化しても、ショックアブ
ソーバの減衰力が過剰になったり不足したりすることを
確実に防止し、これにより車体の振動を確実に減衰させ
ることができる。
【0245】また請求項7の構成によれば、車体の振動
減衰に関する乗員の好みに応じてスカイフック理論に基
づくショックアブソーバの減衰力の制御則を最適化する
ことができ、これにより乗員の好みに応じてショックア
ブソーバの減衰力を制御することができる。
【0246】また請求項8の構成によれば、ショックア
ブソーバのストローク速度に対しショックアブソーバの
減衰力を所望のパターンにて制御することができるの
で、減衰力がストローク速度に対し線形関係に設定され
る例えば請求項3等の構成の場合に比して、ショックア
ブソーバの減衰力を更に一層最適に制御することができ
る。
【0247】また請求項9の構成によれば、一つの個体
群のみしか使用されない場合に比して、各個体群の個体
の数を低減して試行時間を低減することができ、これに
より他の請求項の構成の場合に比してショックアブソー
バの減衰力を車輌の走行状況に応じて更に一層適切に制
御することができる。
【0248】また請求項10の構成によれば、スカイフ
ック減衰係数及び各モードの重みが遺伝的アルゴリズム
によって最適化されることにより制御則が最適化される
ので、スカイフック減衰係数及び各モードの重みが一定
である場合に比して、車体の各モードの振動を適切に制
御することができる。
【0249】また請求項11の構成によれば、アダプテ
ィブ制御の制御則に於いて車輌の状態量に応じて目標制
御段を求めるためのパラメータが遺伝的アルゴリズムに
よって漸次最適化されることにより制御則が最適化され
るので、車輌の走行状況、ショックアブソーバ等の個体
差や経時変化等に拘らず、ショックアブソーバの制御段
を車輌の状態量に応じて最適の制御段に制御することが
でき、またパラメータの初期値は厳密に適正値に設定さ
れる必要がないので、パラメータの初期値を設定するた
めのチューニングを簡便に行うことができる。
【0250】また請求項12の構成によれば、新しい個
体のパラメータが交配により発散して不適切な値に設定
されることを確実に防止し、これにより新しい個体のパ
ラメータを適正な値に設定することができ、また上限値
及び下限値による補正が行われない場合に比して早くパ
ラメータを適正な値に到達させることができる。
【0251】また請求項13の構成によれば、車輌の走
行状況、ショックアブソーバ等の個体差や経時変化等に
拘らず、車体の上下加速度の大きさに応じてショックア
ブソーバの制御段を常に最適の制御段に切り換えること
ができ、これにより車体の上下振動を常に最適に制御す
ることができる。
【0252】また請求項14の構成によれば、車輌の走
行状況、ショックアブソーバ等の個体差や経時変化等に
拘らず、車輌の加速時にはショックアブソーバの制御段
を車体の前後加速度を予測する状態量に応じて常に最適
の制御段に制御することができ、これにより車体のスク
ォートを常に最適に抑制することができる。
【0253】また請求項15の構成によれば、車輌の走
行状況、ショックアブソーバ等の個体差や経時変化等に
拘らず、車輌の減速時にはショックアブソーバの制御段
を車体の前後加速度を予測する状態量に応じて常に最適
の制御段に制御することができ、これにより車体のノー
ズダイブを常に最適に抑制することができる。
【0254】また請求項16の構成によれば、車輌の走
行状況、ショックアブソーバ等の個体差や経時変化等に
拘らず、車輌の旋回時にはショックアブソーバの制御段
をロールレートの偏差に応じて常に最適の制御段に制御
することができ、これにより車体のロールを常に最適に
抑制することができる。
【0255】また請求項17の構成によれば、ショック
アブソーバの経時変化等に起因してショックアブソーバ
の各制御段の実際の減衰係数がそれらの初期値より小さ
くなっても、ショックアブソーバの減衰力が不足して車
体の振動を効果的に減衰させることができなくなること
を確実に防止することができる。
【0256】また請求項18の構成によれば、ショック
アブソーバの経時変化等に起因してショックアブソーバ
の各制御段の実際の減衰係数がそれらの初期値より大き
く低下し、ショックアブソーバの減衰力が不足する事態
が生じても、そのことを確実に判定することができる。
【0257】また請求項19の構成によれば、車輌の走
行状況、ショックアブソーバ等の個体差や経時変化等に
拘らず、ショックアブソーバの制御段を車体と車輪との
間に作用する力の変化率に応じて常に最適の制御段に切
り換え、これにより車輌の操縦安定性を悪化することな
く車輪が路面の突起等を乗り越す際の車体へのショック
を常に最適に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態に従ってスカイフック
理論に基づき各輪のショックアブソーバの減衰力を制御
する減衰力制御装置の概略構成図である。
【図2】第一の実施形態に於ける個体群を示す説明図で
ある。
【図3】個体の交配の三つの態様を示す説明図である。
【図4】第一の実施形態に於ける減衰力制御のメインル
ーチンを示すゼネラルフローチャートである。
【図5】図4のステップ100に於けるスカイフック理
論に基づく減衰力制御のサブルーチンを示すフローチャ
ートである。
【図6】(A)は減衰係数Ca に基づき目標制御段Sa
を求める要領を示す説明図、(B)はショックアブソー
バの実際の減衰係数の変化に対応して各制御段の減衰係
数が変更されることを示す説明図、(C)はショックア
ブソーバの実際の減衰係数と各制御段の減衰係数の初期
設定値との相違が是正されることを示す説明図である。
【図7】スカイフック制御ブロック12及びGA制御ブ
ロック14に於ける制御を示すタイムチャートである。
【図8】第二の実施形態に於ける減衰力制御のメインル
ーチンの前半を示すフローチャートである。
【図9】第二の実施形態に於ける減衰力制御のメインル
ーチンの後半を示すフローチャートである。
【図10】第三の実施形態に於ける個体群を示す説明図
(A)及び個体I(1) の減衰力マップを示すグラフ
(B)である。
【図11】第三の実施形態に於ける減衰力制御のメイン
ルーチンの前半を示すフローチャートである。
【図12】第三の実施形態に於ける減衰力制御のメイン
ルーチンの後半を示すフローチャートである。
【図13】図11のステップ100に於けるスカイフッ
ク理論に基づく減衰力制御のサブルーチンを示すフロー
チャートである。
【図14】第四の実施形態に於ける複数の個体群を示す
説明図(A)及び各個体群の個体を示す説明図(B)で
ある。
【図15】第四の実施形態に於ける減衰力制御のメイン
ルーチンの前半を示すフローチャートである。
【図16】第四の実施形態に於ける減衰力制御のメイン
ルーチンの後半を示すフローチャートである。
【図17】選択スイッチの出力Rとスカイフック減衰係
数の基準値Csoとの間の関係を示すグラフである。
【図18】選択スイッチの出力Rとバンドパス周波数の
基準値Fboの間の関係を示すグラフである。
【図19】個体の番号jと個体の分布係数P(j) との間
の関係を示すグラフである。
【図20】第五の実施形態に於いて車輌の乗員により選
択スイッチが操作された場合の制御ルーチンを示すフロ
ーチャートである。
【図21】本発明の第六の実施形態に従ってスカイフッ
ク理論に基づき四輪のショックアブソーバの減衰力を制
御する減衰力制御装置の概略構成図である。
【図22】第六の実施形態に於ける個体群を示す説明図
である。
【図23】第六の実施形態に於ける減衰力制御のメイン
ルーチンの前半を示すフローチャートである。
【図24】第六の実施形態に於ける減衰力制御のメイン
ルーチンの後半を示すフローチャートである。
【図25】図23のステップ100に於けるスカイフッ
ク理論に基づく減衰力制御のサブルーチンを示すフロー
チャートである。
【図26】本発明の第七の実施形態に従ってアダプティ
ブ制御則により各輪のショックアブソーバの減衰力を制
御する減衰力制御装置の概略構成図である。
【図27】第七の実施形態に於ける目標制御段の決定要
領を示す説明図(A)及び各個体群の個体を示す説明図
(B)である。
【図28】第七の実施形態に於ける減衰力制御のメイン
ルーチンを示すフローチャートである。
【図29】図28のステップ700に於けるアダプティ
ブ制御則による減衰力制御のサブルーチンを示すフロー
チャートである。
【図30】本発明の第八の実施形態に従ってアダプティ
ブ制御則により各輪のショックアブソーバの減衰力を制
御する減衰力制御装置の概略構成図である。
【図31】第八の実施形態に於ける減衰力制御のメイン
ルーチンを示すフローチャートである。
【図32】図31のステップ700に於けるアダプティ
ブ制御則による減衰力制御のサブルーチンを示すフロー
チャートである。
【図33】図31のステップ800に於ける評価値演算
のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図34】操舵角速度θs と推定横加加速度Gydh との
間の関係を示すグラフである。
【図35】車速Vと目標ロールレートRraとの間の関係
を示すグラフである。
【図36】第九の実施形態に於ける減衰力制御のメイン
ルーチンを示すフローチャートである。
【図37】本発明の第十の実施形態に従ってアダプティ
ブ制御則により各輪のショックアブソーバの減衰力を制
御する減衰力制御装置の概略構成図である。
【図38】第十の実施形態に於ける個体群を示す説明図
(A)及びエンジン回転数Ne 及びその微分値Nedと目
標制御段Sanとの間の関係を示すグラフ(B)である。
【図39】第十の実施形態に於ける減衰力制御のメイン
ルーチンを示すフローチャートである。
【図40】図39のステップ700に於けるアダプティ
ブ制御則による減衰力制御のサブルーチンを示すフロー
チャートである。
【図41】本発明の第十一の実施形態に従ってアダプテ
ィブ制御則により各輪のショックアブソーバの減衰力を
制御する減衰力制御装置の概略構成図である。
【図42】第十一の実施形態に於ける個体群を示す説明
図である。
【図43】第十一の実施形態に於ける減衰力制御のメイ
ンルーチンを示すフローチャートである。
【図44】図43のステップ700に於けるアダプティ
ブ制御則による減衰力制御のサブルーチンを示すフロー
チャートである。
【図45】本発明の第十二の実施形態に従ってアダプテ
ィブ制御則により各輪のショックアブソーバの減衰力を
制御する減衰力制御装置の概略構成図である。
【図46】第十二の実施形態に於ける個体群を示す説明
図(A)、しきい値決定マップMs(j)を示すグラフ
(B)及び低下段数決定マップMr(j)を示すグラフ
(C)である。
【図47】第十二の実施形態に於ける減衰力制御のメイ
ンルーチンを示すフローチャートである。
【図48】図47のステップ700に於けるアダプティ
ブ制御則による減衰力制御のサブルーチンを示すフロー
チャートである。
【図49】ショックアブソーバの制御段の現在値iと軸
力の変化率Fadの絶対値と目標制御段Sanとの間の関係
を示すグラフである。
【符号の説明】
10…減衰力制御装置 12…スカイフック制御ブロック 14…GA制御ブロック 16…ショックアブソーバ 18…アクチュエータ 20…車高センサ 22、24…横加速度センサ 50…減衰力制御装置 52…アダプティブ制御ブロック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三塩 靖彦 愛知県豊田市トヨタ町1番地トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 森田 光彦 愛知県豊田市トヨタ町1番地トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 田代 友子 愛知県豊田市トヨタ町1番地トヨタ自動 車株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−16634(JP,A) 特開 平7−101271(JP,A) 特開 平5−294122(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60G 17/015

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の制御則に従って車輌のサスペンショ
    ンを制御する方法にして、前記制御則の制御パラメータ
    を遺伝子とする個体を交配させ、車輌の状態量に基づく
    評価関数により個体を評価し、評価が最も低い個体を抹
    消させる遺伝的アルゴリズムにより前記制御則を最適化
    することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】請求項1の方法に於いて、前記制御則はス
    カイフック理論に基づき目標減衰係数を求め制御系によ
    りショックアブソーバの制御段を前記目標減衰係数に対
    応する目標制御段に制御する制御則であり、前記遺伝子
    は減衰係数を含み、前記評価は交配により誕生した新し
    い個体を含む新世代の個体を試行することにより行わ
    れ、前記評価関数は車体の振動減衰度合を示すものであ
    り、前記制御パラメータを評価が最も高い個体の遺伝子
    に設定することにより前記制御則を最適化することを特
    徴とする方法。
  3. 【請求項3】請求項2の方法に於いて、前記遺伝子はス
    カイフック減衰係数及び前記目標制御段を求めるための
    各制御段の減衰係数を含み、前記評価関数は少なくとも
    車体の上下加速度の関数であることを特徴とする方法。
  4. 【請求項4】請求項3の方法に於いて、前記交配により
    誕生した新しい個体の各制御段の減衰係数が予め設定さ
    れた上限値より大きい場合及び予め設定された下限値よ
    り小さい場合には、前記新しい個体の遺伝子の値をそれ
    ぞれ前記上限値及び前記下限値に補正することを特徴と
    する方法。
  5. 【請求項5】請求項4の方法に於いて、前記補正後の新
    しい個体の特定の制御段の減衰係数がその上限値又は下
    限値である状況が所定の時間以上継続するときには前記
    制御系若しくは前記ショックアブソーバが異常であると
    判定することを特徴とする方法。
  6. 【請求項6】請求項4の方法に於いて、前記補正後の新
    しい個体の特定の制御段の減衰係数がその上限値又は下
    限値である状況が所定の時間以上継続するときには、前
    記交配を中止すると共に前記特定の制御段の減衰係数を
    前記上限値よりも大きい値又は前記下限値よりも小さい
    値に設定することを特徴とする方法。
  7. 【請求項7】請求項1の方法に於いて、前記評価関数は
    車輌の乗員により変更可能であることを特徴とする方
    法。
  8. 【請求項8】請求項2の方法に於いて、前記遺伝子はス
    カイフック減衰係数及び前記ショックアブソーバの各制
    御段についての前記ショックアブソーバのストローク速
    度と減衰力との間の関係を含んでいることを特徴とする
    方法。
  9. 【請求項9】請求項2の方法に於いて、前記個体は複数
    の個体群に区分され、車体振動の周波数に応じて最適の
    個体群が選択され、前記遺伝的アルゴリズムは選択され
    た個体群に基づき前記制御則を最適化することを特徴と
    する方法。
  10. 【請求項10】請求項2の方法に於いて、前記制御則は
    各輪のばね上速度を車体のヒーブモード及びピッチモー
    ド若しくはロールモードに分解し、各モードについて重
    み付けすることにより補正した後の各輪のばね上速度を
    演算し、前記補正後のばね上速度を使用するスカイフッ
    ク理論に基づき制御系によりショックアブソーバの減衰
    力を制御する制御則であり、前記遺伝子はスカイフック
    減衰係数及び各モードの重みを含んでいることを特徴と
    する方法。
  11. 【請求項11】請求項1の方法に於いて、前記制御則は
    車輌の状態量に基づきショックアブソーバの目標制御段
    を求め制御系により前記ショックアブソーバの制御段を
    前記目標制御段に制御する制御則であり、前記遺伝子は
    車輌の状態量に応じて前記目標制御段を求めるためのパ
    ラメータであり、前記制御則のパラメータは交配により
    誕生した新しい個体のパラメータに設定されることを特
    徴とする方法。
  12. 【請求項12】請求項11の方法に於いて、前記交配に
    より誕生した新しい個体のパラメータが予め設定された
    上限値より大きい場合及び予め設定された下限値より小
    さい場合には、前記新しい個体のパラメータをそれぞれ
    前記上限値及び前記下限値に補正することを特徴とする
    方法。
  13. 【請求項13】請求項11の方法に於いて、前記遺伝子
    は車体の上下加速度の大きさ応じて前記ショックアブソ
    ーバの制御段を目標制御段に切り換えるための各制御段
    毎のしきい値を含んでいることを特徴とする方法。
  14. 【請求項14】請求項11の方法に於いて、前記制御則
    は車体の前後加速度を予測する状態量に基づき前記ショ
    ックアブソーバの制御段を目標制御段に切り換えること
    により車体のスクォートを抑制する制御則であり、前記
    遺伝子は車体の前後加速度を予測する状態量と前記目標
    制御段との間の関係を含み、前記評価関数は車輌の加速
    時に於ける車体の上下加速度の低減度合を示すものであ
    ることを特徴とする方法。
  15. 【請求項15】請求項11の方法に於いて、前記制御則
    は車体の前後加速度の変化を予測する状態量に基づき前
    輪及び後輪の前記ショックアブソーバの制御段を目標制
    御段に切り換えることにより車体のノーズダイブを抑制
    する制御則であり、前記遺伝子は車体の前後加速度の変
    化を予測する状態量と前記目標制御段との間の関係を含
    み、前記評価関数は車輌の減速時に於ける車体の上下加
    速度の低減度合を示すものであることを特徴とする方
    法。
  16. 【請求項16】請求項11の方法に於いて、前記制御則
    は車体の横加加速度を予測し該横加加速度に応じて前記
    ショックアブソーバの制御段を目標制御段に切り換える
    ことにより車体のロールを抑制する制御則であり、前記
    遺伝子は車体の横加加速度に応じて前記ショックアブソ
    ーバの制御段を目標制御段に切り換えるための各制御段
    毎のしきい値を含み、前記評価関数は車速に基づき設定
    される車体の目標ロールレートと車体の実際のロールレ
    ートとの偏差であることを特徴とする方法。
  17. 【請求項17】請求項16の方法に於いて、前記交配に
    より誕生した新しい個体の特定の制御段のしきい値が予
    め設定された下限値より小さい場合には、前記新しい個
    体の遺伝子の前記特定の制御段のしきい値を前記下限値
    に補正し、補正後の新しい個体の特定の制御段のしきい
    値が前記下限値である状況が所定の時間以上継続すると
    きには、前記特定の制御段のしきい値を一段上の制御段
    のしきい値に設定することを特徴とする方法。
  18. 【請求項18】請求項17の方法に於いて、一段上の制
    御段のしきい値に設定される特定の制御段の数が所定値
    以上のときには、前記ショックアブソーバの減衰力発生
    限界であると判定することを特徴とする方法。
  19. 【請求項19】請求項11の方法に於いて、前記制御則
    は車体と車輪との間に作用する力の変化率に基づき前記
    ショックアブソーバの制御段を目標制御段に切り換える
    ことにより車体へのショックを低減する制御則であり、
    前記遺伝子は前記ショックアブソーバの現在の制御段と
    前記力の変化率と前記目標制御段との間の関係を含んで
    いることを特徴とする方法。
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