JP3074940B2 - 波長可変光フィルタ - Google Patents

波長可変光フィルタ

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JP3074940B2
JP3074940B2 JP04154929A JP15492992A JP3074940B2 JP 3074940 B2 JP3074940 B2 JP 3074940B2 JP 04154929 A JP04154929 A JP 04154929A JP 15492992 A JP15492992 A JP 15492992A JP 3074940 B2 JP3074940 B2 JP 3074940B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、波長多重した光通信回
線の分波器や光信号処理装置に用いる波長可変光フィル
タに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、液晶をファブリペローエタロ
ン中に封入し、該液晶への印加電圧を変えることにより
エタロン内の液晶の屈折率を変化させ、これを利用して
波長選択性をもたせるようになした波長可変光フィルタ
が知られている(例えば、 Katsuhiko Hirabayashi, Yo
shitaka Ohiso, and Takashi Kurokawa,“Polarization
-Independent Tunable Wavelength-Selective Filter U
sing a Liquid Cystal”IEEE Trans. Photonics Techno
logy Letters, vol.3, No.12, pp.1091-1093 (1991) 参
照)。
【0003】図2は前記文献に記載された波長可変光フ
ィルタを示すものである。前記装置において、光ファイ
バからの入射光1は偏光ビームスプリッタ2により偏光
方向が直交する2つの直線偏光3a,3bに分離され、
一方の直線偏光3bはミラー4及び1/2波長板5によ
りその偏光方向が90度回転され、他方の直線偏光3a
と同じ偏光方向の偏光に揃えられ、液晶エタロン6に入
射する。前記2つの直線偏光3a,3bのビーム間隔は
5mm程度であり、液晶エタロン6内では空間的に分離さ
れた別々の光路を透過する。液晶エタロン6を透過した
2つの光ビーム3a,3bは偏光ビームスプリッタ7、
ミラー8及び1/2波長板9により入射側と逆の作用を
受けて1つの光ビームに合成され、出射光10となる。
これにより、偏波無依存の波長可変光フィルタとして機
能する。
【0004】前記光フィルタの波長可変動作を行う液晶
エタロン6は、誘電体ミラー11、透明電極12及び配
向膜13を設けたガラス基板14と、誘電体ミラー1
5、透明電極16,17及び配向膜18を設けたガラス
基板19との間に液晶20を封入して構成される。この
液晶エタロン6の透過波長はエタロン内の媒質の屈折率
と、ミラー11,15間のギャップとの積(ここでは光
路長と呼ぶ。)で決まる。この光路長は液晶20に電界
を印加するとその分子配向が変化し、屈折率が変化する
現象を利用して変化させる。即ち、液晶20への印加電
圧を制御することにより、波長可変光フィルタとして機
能させることができる。
【0005】しかしながら、前記エタロンのギャップ
(2枚のガラス基板14,19間のギャップ)はガラス
基板の反りや変形等により空間的にばらついており、一
定ではない。また、液晶の屈折率を決定する液晶分子配
向状態も配向膜の状態等により空間的にばらついてお
り、一定ではない。従って、前記装置のように2つの直
線偏光ビームの間隔が5mm程度と僅かな場合であって
も、その光路長は互いに異なり、その透過波長も異なっ
てくる。前記光フィルタではその出射側で2つの直線偏
波を一つの光ビームに合成するわけであるが、それぞれ
の透過帯が僅かに異なるため、2つの光ビームの合成後
のスペクトルが2つに分離し、光フィルタ全体の透過帯
の半値幅が小さくできないという問題があった。
【0006】この問題を改善するため、図2の装置では
2つの異なる光路に対して2つの独立の電極16,17
を設けるとともに、該電極16,17に交流電圧源21
及び可変抵抗22から異なる電圧をそれぞれ印加するこ
とにより、エタロン6内の液晶20の屈折率をそれぞれ
調整して両光路長を揃え、透過帯が2つのピークに分離
することを避けている。しかしながら、前述した文献に
は本光フィルタについての具体的な制御回路やその制御
方法についての記載がない。また、液晶は液体と結晶と
の中間的な相状態にあり、その光学的特性は本質的に大
きな温度依存性があるため、本光フィルタを安定に動作
させるには温度制御が必要であるが、前述した文献には
温度制御に関する記載もない。
【0007】前記波長可変光フィルタに類似するフィル
タとして、ファイバファブリペロー(FFP)波長可変
フィルタとその制御方法が知られている。このFFP波
長可変フィルタは、PZTで構成した圧電効果アクチュ
エータを用いて光路長を変えることにより透過波長を変
化させるフィルタである。このFFP波長可変フィルタ
の透過波長を一定に制御する方法については、例えば
I.P.Kaminow, P.P.Iannone, J.Stone and L.W.Stulz,
“FDMA-FSK Star Network with a Tunable Optical Fil
ter Demultiplexr”IEEE Journal of lightwave techno
logy, vol.6, No.9, pp.1406-1414 (1988)に一部記載さ
れている。
【0008】図3は前記文献に記載された制御回路を示
すものである。前記回路において、まず、スイッチSW
1,SW2を実線側に接続する。この時、ランプ波形発
生器23からランプ波がPZTドライバ24に印加さ
れ、FFP可変波長フィルタ25の光路長が一定の割合
で変化し、透過波長の掃引が行われる。この波長掃引に
より、FFP可変波長フィルタ25の透過波長が入射光
26の波長に一致した場合、光検出器27において透過
光28の信号が検出される。この信号をもとにスイッチ
SW1,SW2を破線側に接続し、閉ループ動作に移
る。
【0009】この閉ループ動作では、摂動信号発生器2
9から微小正弦波信号をPZT駆動電圧に重畳し、FF
P可変波長フィルタ25の透過波長を微小に変動させ
る。これにより、FFP可変波長フィルタ25の透過光
28の強度もPZTに印加した微小変動信号に同期して
変動する。従って、透過光28の変動成分を光検出器2
7で検出し、復調器30で同期検波することにより、P
ZTの駆動電圧に対する透過光量の微係数を求めること
ができる。この閉ループ回路において得られた前記微係
数の大きさ及び符号により、PZT駆動電圧をそれぞれ
制御することができ、その微係数が常に0になるように
制御することによって、FFP可変波長フィルタ25の
透過波長が入射光26の波長に常に一致するように制御
できる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前述したように従来の
波長可変光フィルタでは液晶の特性に本質的に大きな温
度依存性があるため、液晶フィルタ(エタロン)の駆動
電圧を一定に制御しただけではその選択波長は一定とな
らず、温度に依存して不安定に変動していた。また、偏
波依存性をなくすために入射光を直交する2つの直線偏
波に分離し、それぞれ別々の光路を透過させる偏波分離
方式を採用した場合では、液晶フィルタの厚みやミラー
の反射率の空間的なばらつきにより、分離した2つの偏
波で透過波長がそれぞれ異なり、該2つのビームを合成
した場合に透過帯が分離してしまってフィルタ全体の特
性として狭帯域の波長分離が困難であった。さらにま
た、液晶フィルタを空間的にアレイ化し、大容量化を図
ろうとする場合、個々の液晶フィルタの調整が困難とな
り、大規模なアレイ化が困難であった。
【0011】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
で、製造時のばらつきや温度変化による不安定要因を取
り除き、自動的に安定な波長選択動作を行うことのでき
る波長可変光フィルタを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明では前記目的を達
成するため、請求項1では、透明電極及びミラーを設け
た2枚の透明基板を互いに対向させてセルを構成し、該
セル中に液晶を封入し、該液晶への印加電圧を変化させ
ることにより透過波長を可変となした液晶フィルタであ
って、前記2枚の透明基板上の透明電極の少なくとも一
方は、入射光を直交する2つの偏光方向に分離し、その
うちの一方の偏光方向を90度回転させて同じ偏光方向
に揃えた2つの直線偏光が透過する空間的に分離された
別々の光路にそれぞれ対応する2つの透明電極である液
晶フィルタを備えた波長可変光フィルタにおいて、液晶
フィルタを透過した前記2つの直線偏光の光強度をそれ
ぞれ独立に検出する光検出手段と、光検出手段からの
記2つの直線偏光の光強度にそれぞれ対応した検出信号
を用いて、前記2つの直線偏光に対する液晶フィルタの
透過波長が常に選択したい光源の波長に一致するように
液晶フィルタの前記2つの透明電極への印加電圧を独立
制御する制御手段とを具備した波長可変光フィルタ、
また、請求項2では、液晶フィルタの周囲の温度を検出
する温度検出手段と、液晶フィルタの周囲の温度を制御
する温度制御手段とを具備した請求項1記載の波長可変
光フィルタ、また、請求項3では、液晶フィルタを2次
元アレイ状に並列配置した請求項1記載の波長可変光フ
ィルタを提案する。
【0013】
【作用】本発明の請求項1によれば、光検出手段によ
り、入射光を直交する2つの偏光方向に分離し、そのう
ちの一方の偏光方向を90度回転させて同じ偏光方向に
揃えた2つの直線偏光の光強度をそれぞれ独立に検出
し、この検出信号を用いて、制御手段により、2つの直
線偏光に対する液晶フィルタの透過波長が常に選択した
い光源の波長に一致するように液晶フィルタの2つの透
明電極への印加電圧を独立に制御することにより、液晶
フィルタの厚みやミラーの反射率の空間的なばらつきに
より、分離した2つの偏波で透過波長がそれぞれ異な
り、該2つのビームを合成した場合に透過帯が分離して
しまってフィルタ全体の特性として狭帯域の波長分離が
困難であったという従来の欠点を解決でき、また、温度
変化に起因する透過波長帯の変動低減でき、安定かつ
狭帯域の偏波無依存波長可変フィルタを実現できる。ま
た、請求項2によれば、温度検出手段と温度制御手段と
により使用環境の大幅な変動を伴う温度変化に対して一
定の温度環境を維持し、安定な波長選択動作を可能とす
る。また、請求項3によれば、個々の液晶フィルタに対
する調整が不要な大容量の波長可変光フィルタを実現で
きる。
【0014】
【実施例】図1は本発明の波長可変光フィルタの第1の
実施例を示すものである。入射側の光ファイバ31から
の波長λ1 〜λN (但し、Nは整数)の波長多重光はコ
リメータレンズ32により平行空間伝搬光33に変換さ
れ、偏光ビームスプリッタ34、ミラー35及び1/2
波長板36により偏光方向が揃った2つの直線偏光ビー
ムに分離される。この2つのビームは波長可変液晶フィ
ルタ37に入射され、該液晶フィルタ37で波長選択さ
れて目的とする波長λi (但し、i=1,2,3,……
N)が選択される。液晶フィルタ37を透過した2つの
透過光は偏光ビームスプリッタ38、ミラー39及び1
/2波長板40により入射側と逆の作用を受けて1つの
光ビーム41に合成され、さらに出射側のコリメータレ
ンズ42及び光ファイバ43を介して出射される。これ
により、偏波無依存の波長可変光フィルタとして機能す
る。
【0015】液晶フィルタ37を透過した2つの直線偏
光は、光検出器44,45でその強度が独立に検出され
る。この光検出器44,45に、例えば入射光の一部の
光を検出する透過形の光検出器を用いることにより、液
晶フィルタ37と一体化した小型のモジュールを構成す
ることができる。該光検出器44,45から得られた信
号はそれぞれ制御回路46に入力される。制御回路46
内には、液晶フィルタ37の透過波長を徐々に変化させ
る波長掃引回路と、液晶フィルタ37の透過波長を光源
の波長にロックする波長ロック回路とが存在し、選択し
たい光源の波長を波長掃引により探し当て、その波長に
液晶フィルタ37の透過波長をロックし、液晶フィルタ
37の透過波長を常に光源の波長に一致するようにし
た。波長ロック動作は光検出器44,45から得られた
信号を制御回路46で処理し、液晶フィルタ駆動回路4
7を介して液晶フィルタ37の透明電極48,49をそ
れぞれ独立に駆動することにより行った。なお、50は
液晶フィルタ37の対向透明電極である。
【0016】この液晶フィルタ37、光検出器44,4
5及び制御回路46で構成される閉ループ回路により、
液晶フィルタ37の空間的な特性のばらつきや温度変化
による透過特性の時間変動を自動的に吸収でき、偏波分
離による液晶フィルタ37の透過波長帯のばらつきを補
償することができた。また、制御回路46内には液晶フ
ィルタ37の透過波長設定のためのメモリ、温度設定の
ためのメモリ、ホストコントローラ51とのインタフェ
ース回路が存在し、透過波長や温度の設定が入出力バス
52を介してホストコントローラ51から設定可能であ
る。
【0017】液晶フィルタ37は、温度変化が数度未満
の環境下においては前記制御回路46により、温度制御
なしでも安定に動作することができるが、温度変化が大
きい環境下では温度制御が必要となる。液晶フィルタ3
7の温度制御は温度センサ53と、ヒータ及び冷却素子
(ペルチェ素子等)で構成される発熱/冷却素子54
と、温度制御回路55とで行った。即ち、温度センサ5
3で温度を検出し、温度制御回路55で発熱/冷却素子
54を制御することにより、液晶フィルタ37の温度を
一定に保つことができた。これにより、液晶フィルタ3
7の透過波長を安定化することができた。
【0018】図4は本波長可変光フィルタにおける透過
波長帯の変化のようすを示すもので、図4(a) はλ1
λ4 の4波を一定波長間隔で波長多重した入射光のスペ
クトルを示す。ここでの光源の波長はλ1 <λ2 <λ3
<λ4 の関係がある。液晶フィルタ37の印加電圧(透
明電極48又は49と透明電極50との間の電圧)を徐
々に増加すると、液晶分子がガラス基板に対して徐々に
立ち上がるため、液晶の屈折率が減少し、液晶フィルタ
37の透過帯が短波長側にシフトする。この操作によ
り、図4(b) に示す波長走査を実現できる。
【0019】図4(a) に示したようなスペクトルの光源
に対しては、液晶フィルタ37の印加電圧(実効値)に
対する光検出器出力(透過光量)は、図5に示すように
印加電圧が低い領域において印加電圧に対する透過光の
波長間隔が狭くなる。これは一般に、液晶の印加電圧が
液晶の閾値電圧Vth以下では液晶分子の配向状態が変ら
ず、その屈折率変化が微小なために液晶フィルタの透過
波長が変化せず、閾値電圧を越えた付近で液晶分子の配
向状態が急激に変化し、その屈折率も急激に変化するた
めである。
【0020】また、液晶への印加電圧が高くなるにつれ
て液晶分子の配向変化が緩やかになり、その屈折率変化
も飽和するので、液晶フィルタ37の透過波長シフトも
緩やかになる。即ち、液晶フィルタ37において一定の
速度で波長掃引を行うためには、液晶への印加電圧は図
6の曲線56に示すように、まず、液晶の閾値電圧Vth
まで直ちに増加させ、その後、徐々に増加させて最後に
急激に増加させる、液晶の屈折率変化と逆特性の電圧波
形が有効である。もちろん、電圧制御を容易にするた
め、破線57に示すように直線的に電圧を増加しても動
作上は問題とはならない。波長走査終了後、印加電圧は
0Vに戻すが、次の波長走査までには数ms〜数10m
sの時間が必要である。これは、液晶が電圧印加前の分
子配向状態に戻るまでに必要な時間である。
【0021】このように波長可変液晶フィルタ37に用
いる液晶の動作速度は、数ms〜数10msであるの
で、液晶の印加電圧変化(実効値変化)は液晶の動作速
度以下で行った。前記印加電圧値は液晶フィルタ37に
用いる液晶材料の粘度、誘電率異方性、セル間のギャッ
プ等により異なるが、ほぼ数V〜数10Vの範囲であ
る。この液晶印加電圧により、波長1.33μm帯あるいは
1.55μm帯において数nm〜数10nmの範囲の波長掃
引が実現できた。また、本実施例では、液晶印加電圧と
して数10Hz 〜数10kHz の交流電圧を用い、液晶
や配向膜の電気化学変化による寿命劣化を防いだ。
【0022】次に、本波長可変光フィルタにおける液晶
フィルタの波長ロック動作について図7に従って説明す
る。ここで想定しているのは図4(a) に示した4波の波
長多重例であり、特にλ3 に波長ロックする動作を説明
する。なお、λ3 以外の波長についても同様の動作で波
長ロック可能である。
【0023】まず、ホストコントローラ51から制御回
路46に選択波長データ(この場合はλ3 )及び波長ロ
ック動作開始命令が伝えられる。この命令を受け取った
制御回路46は液晶の印加電圧を図7に示すように増加
し、波長走査を開始する。すると、液晶フィルタ37の
透過波長帯は図4(b) に示したように短波長側にシフト
し、最初に光源の波長λ4 に一致する。この時、光検出
器44(又は45)は、図7のピーク「4」を出力す
る。この光検出器44(又は45)の出力が予め設定し
ておいた光源の有無を決定する閾値を越えた時点で、制
御回路46がそのピークをカウントし、記憶する。
【0024】この際、波長ロックを目的としている波長
はλ3 であるので、制御回路46は選択波長と異なって
いると判断し、そのまま波長掃引モードを継続し、液晶
の印加電圧をさらに増加する。すると、液晶フィルタ3
7の透過波長帯はさらに短波長側にシフトし、λ3 の波
長に近接する。この時、光検出器44(又は45)は図
7のピーク「3」を出力する。この出力が前記光源の有
無を決定する閾値を越えた時点で、制御回路46におい
て光源の波長がλ3 に一致したと判断し、その動作モー
ドを波長ロックモードに切り換える。
【0025】この波長ロックモードでは、制御回路46
は液晶の印加電圧の増加を止め、その時点での印加電圧
に図7又は図8に示す微小振幅の正弦波信号を重畳した
信号を加えて出力する。また、制御回路46では光検出
器44(又は45)からの信号を同期検波し、印加電圧
に対する光検出器の出力の微係数を検出する。制御回路
46ではこの微係数が常に0となるようにフィードバッ
ク制御することにより波長ロック動作を実現した。具体
的には、液晶の印加電圧VLCを以下の漸化式を用いて制
御することにより、波長ロック動作を実現した。 VLC (ν+1)=VLC (ν)+ΔVLC (ν) ΔVLC (ν)=η×(dVPD/dVLC(ν) 但し、νは繰り返し回数、dVPD/dVLCは光検出器出
力に対する液晶の印加電圧の微係数、ηは定数(ここで
は正の定数)である。
【0026】この波長ロック動作は、液晶フィルタ37
においては偏光方向が異なる成分が通過する光検出器4
4,45で独立かつ同時に行われるため、この両者の液
晶フィルタの透過波長は常に光源の波長λ3 に一致させ
ることができ、液晶フィルタ37の特性のばらつきや温
度変化による変動を補償でき、安定な波長選択動作を実
現できた。なお、これまでの説明では4波の波長多重の
例を示したが、N波(Nは整数)の波長多重についても
同様に実現できることはいうまでもない。
【0027】図9は本発明の波長可変光フィルタの第2
の実施例を示すもので、ここでは第1の実施例に示した
液晶フィルタを2×2の2次元アレイ化した例を示す。
【0028】液晶フィルタアレイ61は4個の偏波無依
存の液晶フィルタを単に並べたのではなく、1枚の液晶
フィルタ内の電極を8個にパターニングすることで構成
した。光検出器アレイ62は入射ビーム光の裾の一部の
光を検出する透過形の光検出器を用いた。これにより、
光フィルタ全体をインライン形に積層でき、小型に構成
できるとともに光ビームの広がりを抑制し、隣接チャネ
ル間のクロストークを低減できた。偏光分離素子は第1
の実施例では偏光ビームスプリッタとミラーを用いてい
たが、本実施例では方解石63,64を用いて構成し
た。方解石を用いても同様に偏波無依存の光フィルタを
構成することができる。光検出器アレイ62のそれぞれ
の光検出器(8個)から電極を取り出し、制御回路65
に入力した。また、制御回路65からの出力を駆動回路
66で増幅し、液晶フィルタアレイ61の8個の電極を
独立に制御した。制御回路65での制御法は第1の実施
例の場合と同じである。光ビームの入出力はコリメータ
レンズアレイ67,68を用いた。また、69,70は
多心光ファイバケーブル、71,72は光ファイバ、7
3はガラス、74は1/2波長板、75はホストコント
ローラ、76aは常光、76bは異常光である。
【0029】前記液晶フィルタの2次元アレイ化によ
り、大容量化が容易に実現できた。なお、本実施例では
2×2の2次元アレイについて示したが、一般に、M1
×M2(但し、M1 ,M2 は整数)の2次元アレイ化も
同様な構成で実現できることはいうまでもない。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、液
晶フィルタに光検出手段と波長走査手段と制御手段とを
設けることにより、液晶フィルタの透過波長を常に光源
の波長に一致させることができ、液晶フィルタの製造時
のばらつきや温度変化による透過波長の変化を吸収で
き、数度未満の温度変化について特別な温度制御なしに
その透過波長を安定化することができる。また、液晶フ
ィルタの透過帯の半値幅が1nm以下でも安定に動作す
るフィルタを実現できる。また、液晶フィルタの偏波無
依存化を図るために液晶フィルタの入射光を2つの直交
する偏光成分に分離した場合でも、その両者の透過波長
帯の波長差をほとんどなくすことができ、安定かつ狭帯
域の偏波無依存波長可変フィルタを実現できる。さらに
また、液晶フィルタの2次元アレイ化による多チャネル
化についても、個々の液晶フィルタの透過波長帯を自動
的に調整できるため、個別の複雑な調整が不要となり、
容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の波長可変光フィルタの第1の実施例を
示す構成図
【図2】従来の波長可変光フィルタの一例を示す構成図
【図3】従来のファイバファブリペロー波長可変フィル
タの制御回路を示す構成図
【図4】第1の実施例における透過波長帯の変化のよう
すを示す説明図
【図5】液晶フィルタ印加電圧に対する光検出器出力を
示す説明図
【図6】透過波長帯の走査のようすを示す説明図
【図7】透過波長帯の走査及び波長ロック動作のようす
を示す説明図
【図8】液晶フィルタ印加電圧の微小変化に対する光検
出器出力を示す説明図
【図9】本発明の波長可変光フィルタの第2の実施例を
示す構成図
【符号の説明】
31,43…光ファイバ、32,42…コリメータレン
ズ、33…入射光、34,38…偏光ビームスプリッ
タ、35,39…ミラー、36,40…1/2波長板、
37…波長可変液晶フィルタ、41…出射光、44,4
5…光検出器、46,65…制御回路、47,66…液
晶フィルタ駆動回路、48,49,50…透明電極、5
1,75…ホストコントローラ、52…入出力バス、5
3…温度センサ、54…発熱/冷却素子、55…温度制
御回路、61…液晶フィルタアレイ、62…光検出器ア
レイ、63,64…方解石、67,68…コリメータレ
ンズアレイ、69,70…多心光ファイバケーブル、7
1,72…光ファイバ、73…ガラス、74…1/2波
長板、76a…常光、76b…異常光。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−354224(JP,A) 特開 平3−246531(JP,A) 特開 平4−140714(JP,A) 特開 平3−273217(JP,A) 特開 平5−273509(JP,A) 特開 平5−19690(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/13 505

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明電極及びミラーを設けた2枚の透明
    基板を互いに対向させてセルを構成し、該セル中に液晶
    を封入し、該液晶への印加電圧を変化させることにより
    透過波長を可変となした液晶フィルタであって、前記2
    枚の透明基板上の透明電極の少なくとも一方は、入射光
    を直交する2つの偏光方向に分離し、そのうちの一方の
    偏光方向を90度回転させて同じ偏光方向に揃えた2つ
    の直線偏光が透過する空間的に分離された別々の光路に
    それぞれ対応する2つの透明電極である液晶フィルタ
    備えた波長可変光フィルタにおいて、 液晶フィルタを透過した前記2つの直線偏光の光強度を
    それぞれ独立に検出する光検出手段と 検出手段からの前記2つの直線偏光の光強度にそれぞ
    れ対応した検出信号を用いて、前記2つの直線偏光に対
    する液晶フィルタの透過波長が常に選択したい光源の波
    長に一致するように液晶フィルタの前記2つの透明電極
    への印加電圧を独立に制御する制御手段とを具備したこ
    とを特徴とする波長可変光フィルタ。
  2. 【請求項2】 液晶フィルタの周囲の温度を検出する温
    度検出手段と、液晶フィルタの周囲の温度を制御する温
    度制御手段とを具備したことを特徴とする請求項1記載
    の波長可変光フィルタ。
  3. 【請求項3】 液晶フィルタを2次元アレイ状に並列配
    置したことを特徴とする請求項1記載の波長可変光フィ
    ルタ。
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