JP3073301U - 消臭抗菌材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】消臭効果を賦与するのみでなく、抗菌作用を付
加した消臭抗菌材の開発。 【構成】外袋４０と充填材２０が内蔵された内袋３０と
からなり、該外袋はその表面に機能性触媒を含む塗布物
が塗布されて塗布層４２を形成しており、該内袋に収納
された該充填材は炭化物２２及び／又はセラミックス２
４の単一物又は混合物からなり、該塗布層の抗菌作用と
該充填材の脱臭作用とを備えた複合材からなる消臭抗菌
材１０である。充填材をセラミック炭とすることにより
単一物で扱い易く、また、機能性触媒が殺菌作用を呈す
る金属又は金属有機無機化合物であるから効用が大き
い。両者の機能が相俟って相乗的な消臭抗菌作用があ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は複合材から構成される消臭抗菌材に係わり、更に詳しくは、一般家庭 において使用される家具調度品、衣類、帽子靴等の保管・保存のためや冷凍冷蔵 庫に供する野菜・肉・魚介類等食品のための鮮度維持、保存、消臭、脱水・乾燥 及び抗菌・殺菌等の作用を備えている消臭抗菌材に関する。

【０００２】

【従来技術とその問題点】

従来から冷凍冷蔵庫の消臭材として、椰子殻活性炭や備長炭が使用されてきて いる。これらの消臭材は、通気孔を備えたプラスチックケースや布袋に収納され 、殊に粒子の細かい椰子殻活性炭ではケースの孔から活性炭が脱落しないように 注意深く包装され、しかも通気性を損なわない工夫が凝らされている。

【０００３】 椰子殻活性炭や備長炭は単位重量当たりの吸着表面積が大きく、粒子が微細で あるほど優れた消臭効果を有することは経験的に知られているものの、このよう に微細な粒子はその取り扱いに煩わしさを伴う。 更に、消臭効果以外の機能、例えば抗菌作用や防黴作用のような効用を求めよ うとしても、既述した椰子殻活性炭や備長炭では機能的に不充分である。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

そこで、本考案では、取り扱いの簡便な消臭材・抗菌材を開発し、更に、活性 炭に較べて遜色のない消臭効果を賦与するのみでなく、脱水乾燥効果に加えて、 抗菌作用を付加した消臭抗菌材の実用化を考案の課題としたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上述の課題を解決するために、請求項１の考案では、外袋と充填材が内蔵され た内袋とからなる消臭・抗菌材であって、該外袋の表面に酸化チタンで代表され る抗菌性の金属又は金属化合物を含む塗布物が塗布されて塗布層を形成しており 、また該内袋には該充填材が充填されており、該充填材は炭化物及び／又はセラ ミックスの単一物又は混合物からなる特徴がある。

【０００６】 本考案の複数の機能（抗菌作用及び消臭機能）を備えた複合材（殺菌作用を有 する材料及び吸着材）からなる消臭・抗菌材は、例えば、その寸法を直径が４０ 〜５０ｍｍ、長さを１５０〜２００ｍｍ程度とするとき、靴の中に納めることが できることから、消臭、乾燥効果が高く実用価値が高い。勿論従来品のように冷 蔵庫の消臭材として広く利用できる。更に保管場所に応じて形状構造を適宜変更 して利便性を増すことが可能となる。

【０００７】 また、請求項２の考案は、内袋に詰める充填材としてセラミック炭を用いる点 に特徴を有する消臭（抗菌）材である。

【０００８】 ここで、「セラミック炭」とは、木質廃棄物であるチップ（鉋屑）の表面にセ ラミックをコーティングし、チップの表面を無酸素状態となし、７００℃程度に おいて加熱処理して炭化したものを言う。この「セラミック炭」の性質を、他の 類似材料である椰子殻炭と比較して表１に示す。

【０００９】

【表１】

【００１０】 表から判るように、セラミック炭は椰子殻炭に比べて、見掛けの密度が小さく 、強熱残分が極めて多い特徴がある。化学的吸着力は椰子殻炭に及ばないが、価 格は１／２０以下であり、簡便に、豊富に使うことができる利点がある。

【００１１】 特筆できる点は、セラミック炭を用いると、例えば木炭とセラミックスとを併 用したのと同等の作用効果が単一物で得られる。

【００１２】 更に、請求項３の考案は、塗布層を形成する塗布物に含まれる機能性触媒を特 定したものである。ここで言う「機能性触媒」とは、殺菌作用を呈する金属、金 属酸化物、金属塩化物及び／又は金属有機物（これらを包括して金属又は金属化 合物と言う）であり、酸化や還元作用により臭いの源を分解せしめて消臭効果を 示す他に、殺菌・抗菌作用により周囲の細菌の繁殖を抑止する効果を有する。機 能性触媒の一例として酸化チタンを挙げることができる。酸化チタンは抗菌作用 を呈する代表的金属酸化物であるが、例えば僅かな光が存在すると、光触媒とし て機能し、その酸化作用によって、細菌を死滅させる殺菌力を有つ。同様な抗菌 性物質として、亜鉛、銅、銀、ゲルマニウム、タングステン等の金属、金属化合 物を例示できる。

【００１３】 なお、請求項１乃至３の考案では 、例えば、閉じ紐によって外袋が閉じられ て、内袋に充填した充填材が外袋から脱落しないように保持されることが肝要で ある。そして、外袋の抗菌さようと内袋の吸着材としての機能が発現される。

【００１４】

【実施の態様】

本考案の一例を図面により説明する。

【００１５】 図１は、本考案の消臭抗菌材１０であり、外袋４０と充填材２０とが内蔵され た内袋３０とからなる。この場合に、外袋は例えば布帛製であって、外袋の表面 に酸化チタンを含むコーティング材が塗布されて塗布層４２を形成しており、内 袋は和紙、不織布等よりなり、充填材は炭化物２２及びセラミックス２４の混合 物である。そして、内袋３０は脱臭、乾燥効果を呈し、外袋４０は消毒・抗菌作 用及び臭い成分を分解して消臭効果を齎す構成である。

【００１６】 抗菌材料は、酸化触媒や還元触媒として対象物に作用して、脱臭・消臭効果、 雑菌に対する抗菌効果、生鮮食料品等に対する鮮度維持効果を呈する。

【００１７】

【実施例１】 外袋の直径を４５ｍｍ、長さを１９０ｍｍとし、その容積に見合う充填材とし て備長炭２０グラムを不織布に充填した。外袋には機能性触媒（脱臭材：珪酸ア ルミン酸マグネシウムを母材とし、これに亜鉛、銅、チタンゲルマニウム等１８ 種の稀元素からなる金属アルコキシドを担持したもの。商品名「触媒ＣＴ−８３ ５」）０．１グラムを市販の木工・布用ボンド６グラムに混ぜて塗布した。この 袋状消臭・抗菌材は皮靴（成人男子用）の中に容易に挿入できる形状である。本 実施例の消臭・抗菌材を使用したところ、１０時間にわたり靴を履いた後におけ る靴の臭いが約３時間で抜け、また充分に乾燥していたので、履き心地が極めて 優れていた。本考案の消臭・抗菌材は靴の中に納めることができ、消臭、乾燥効 果が高く、実用価値が高いことが判明した。

【００１８】

【実施例２】 実施例１において使用した消臭・抗菌材をそのまま、家庭用冷蔵庫に入れたと ころ、１５時間経過した後冷蔵庫の臭気がこの消臭・抗菌材にほぼ完全に移って いた。従って、この製品はそのままの形で従来品のように冷蔵庫の消臭材・乾燥 材として利用できることが判った。

【００１９】

【考案の効果】

請求項１の発明によると、内袋は脱臭、乾燥効果を有し、外袋は消毒・抗菌作 用を主として担うものである。

【００２０】 請求項２の発明は、充填材としてセラミック炭を用いているため、木炭や竹炭 とセラミックの両者の作用効果が唯１種の材料で満たされる実用上の利点がある 。

【００２１】 外袋に抗菌性の「機能性触媒」を配し、内袋に「セラミック炭」を充填すると 消臭・抗菌材として従来にない優れたものが得られる。この製品は極めて実用性 に富み、種々の用途に供し得るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す概略図である。

【図２】本考案の充填材を含む内袋の概略図である。

【符号の説明】

１０ 消臭・抗菌材 ２０ 充填材 ２２ 竹炭、木炭、その他の炭 ２４ 多孔性セラミックス、ゼオライト等 ３０ 内袋（不織布） ４０ 外袋（布帛） ４２ コーティング層（例、酸化チタン） ５０ 閉じ紐

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】外袋と充填材が内蔵された内袋とからな
   り、該外袋はその表面に機能性触媒を含む塗布物が塗布
   されて塗布層を形成しており、該内袋に収納された該充
   填材は炭化物及び／又はセラミックスの単一物又は混合
   物からなり、該塗布層の抗菌作用と該充填材の脱臭作用
   とを備えた複合材からなる消臭抗菌材。
2. 【請求項２】充填材がセラミック炭である請求項１に記
   載の消臭抗菌材。
3. 【請求項３】塗布層を形成する塗布物に含まれる機能性
   触媒が殺菌作用を呈する金属、金属酸化物、金属塩化物
   及び／又は金属有機物である請求項１に記載の消臭抗菌
   材。