JP3073258B2 - 多孔無機質膜、並びにその製造方法 - Google Patents

多孔無機質膜、並びにその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、数nmの超微細孔を有
していて空隙率が50%を越える多孔無機質膜並びにそ
の製造方法に関し、特には、液体あるいはガス中からダ
ストあるいはバクテリアなどの超微粒子を分離・除去す
ることができる多孔無機質分離膜の製造に代表的に用い
られる方法、及びこの方法によって製造された多孔無機
質膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近時において、限外濾過膜や逆浸透膜等
を用いて行なわれる膜分離操作は、化学工業において重
要な地位を占めつつあり、例えば、海水の淡水化システ
ムやバイオリアクターなどにおいて、プラントレベルの
実装置も既に数多く稼働している。
【0003】このような用途用の分離膜として例えばセ
ルロースなどの有機高分子膜が従来から用いられている
が、応用分野が広がるにつれて、より厳しい条件下での
適用も求められるようになってきている。例えば、食品
工業やバイオテクノロジーの分野では、薬液洗浄や蒸気
殺菌に耐えうるという材質面からの高い耐性をもった分
離膜が必要とされているが、現在までに実用化されてい
る従来の有機高分子膜では、これらの要求を十分に満た
すことができないという問題があった。
【0004】他方、上記のような有機高分子膜とは別
に、いわゆるセラミックフィルタと称される分離膜も従
来から知られており、この分離膜は耐薬品性や高温洗浄
等の厳しい使用条件が求められる場合でも十分使用でき
る高い耐性をもつものとして期待されており、このよう
なセラミックフィルタとして従来から知られているもの
には、例えばセラミックス原料粉体とカーボンなどの可
燃性物質を混合して成形・焼結したものや、成形時の空
隙を残したまま焼結したような多孔質材料をフィルタメ
ディアとして用いるといったものが知られている。
【0005】しかしながら、従来のセラミックフィルタ
は、上述したような耐薬品性や高温耐性等の材質面での
要求を満足できるものの、細孔径が数μm以上と大きい
ものしかできないという難点があり、総合的には、上述
した有機高分子膜の限外濾過膜や逆浸透膜高分子膜にと
って代われるほどのものがないというのが従来の一般的
現状である。
【0006】また、未だ工業的に実用化されてはいない
が、最近、金属アルコキシドの加水分解などで得られる
ゾルに細孔径10μm程度の多孔体を浸漬して多孔体の
表面にゾルの皮膜を形成し、これを焼結して金属酸化膜
とし、微細な孔径をもつフィルタを得る、という試みが
なされている。例えば、ベーマイトゾルからアルミナ膜
を得るA.J.Burggraaf氏らの方法(A.
J.Burggraafet.al.,Twente大
学,オランダ,1984)、アルミニウムイソプロポキ
シドと珪酸ナトリウムからシリカ−アルミナ複合膜を得
る浅枝氏らの方法(浅枝氏他,広島大学,1985)、
チタニウムイソプロポキシドからチタニア膜を得るM.
Anderson氏の方法(ウイスコンシン大学,米
国,1985)などが報告されている。ゾルゲル法によ
って得られる粒子は0.1μm程度と小さいため、焼結
条件を最適化すれば相当に微細な孔径の膜も作り得る。
例えば浅枝氏らは、水−アルコール系の分離において分
離係数が5以上を示すフィルタを得ている。
【0007】しかし、ゾルゲル法によって得られる膜は
焼結にともなって収縮し、表面にひび割れが生ずるとい
う致命的な問題があり、実験室で用いるような小さな面
積のフィルタは製造可能としても、工業的規模で用いる
ような大き面積のフィルターを作製することは難しいと
いう欠点があるため、その解決が大きな問題となってい
る。
【0008】また最近、熱CVDで合成した窒化珪素の
超微粒子をアルミナ多孔管上に静電沈着させ、40nm
程度の孔径をもった無機膜を作製する製膜方法が増田氏
らによって提案(特開平1−254212号公報)され
ている。この方法によれば、熱CVDで生成する粒子が
数10nm程度と極微粒であり、しかも作成膜が、静電
沈着特有の三次元的なパールチェーン状の構造をもって
いるため、焼結に伴ったひび割れは生じにくいと考えら
れるため、上記したゾルゲル法による製膜法に比べて優
位性のあることが期待されている。
【0009】しかし、この製膜法については、熱CVD
で発生させた超微粒子を帯電させるための高周波交流電
流や、特殊な形状の電極を必要とするという難点がある
他、この超微粒子を沈着させるための多孔管自体を電極
としなければならないため、製造装置や作製された膜の
コストが、ゾルゲル法に比べて高くなってしまうという
難点が指摘される。また静電吸着によるこの方法では、
これを分離膜として使用した場合の流体透過を膜全体で
均質に得るための工夫が必要であり、このために同公報
では、上記超微粒子を静電沈着させる円筒状の多孔質焼
結体を周方向に回転させながら同時に軸方向にも移動さ
せるという方法を採用しているが、膜厚の制御、微細孔
の径の制御が、CVD生成微粒子の大きさや上記多孔質
焼結体の移動速度等に影響されるため、工業的規模で用
いられる大きな面積のフィルタを作製することがかなら
ずしも容易でないという難点がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来技術
の現状に鑑みて、本発明者は、特に、優れた耐性を有す
る素材であるセラミック系の分離膜を、工業的規模で使
用できる優れた機能を備えていて、しかも製造設備の負
担を軽減し、作製された膜のコストも安価とできる方法
を鋭意検討した。
【0011】その結果、上記のCVD生成微粒子を用い
て、従来法とは全く異なる製膜法で膜化することによっ
て、従来の課題とされていた種々の問題を解決できるこ
とを見出し、かかる知見に基づいて本発明を完成するに
至ったものである。
【0012】すなわち、本発明が目的とする最も基本的
な課題の一つは、従来の有機高分子膜に比べて高温,高
圧条件での使用に耐え、また耐酸性,耐塩基性,耐薬品
性を備えていて、例えば石油工業,医薬品工業,食品工
業等々の種々の分野での工業的な規模での膜分離処理に
供し得る優れた高機能性の分離膜を提供することにあ
る。
【0013】また本発明の別の目的は、数nmという緻
密な超微細孔を有していて、しかも空隙率が大きく圧損
が低く、製膜工程における焼結処理によってもひび割れ
を生ずることがなく、膜の製造を安定して効率よく行な
うことを可能として多孔無機質膜を安価に提供できる方
法を提案することにある。
【0014】また本発明が特に強調すべき別の目的は、
製造法自体が本質的に製膜過程で膜を均質化する作用を
もつために、工業的な規模で使用される面積の大きな膜
であっても膜全体が透過抵抗において均質である膜を容
易に作製できるという優れた特徴を備えた製造方法を提
案することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段及び作用】上記の種々の課
題を解決するために、本発明者は、CVD反応で生成さ
れた数10nmの粒径のセラミック超微粒子を含む気体
を、反応ガスと共にN2 ガス等のシースガスにより
流搬送させると共に、孔径0.5μm以上の例えばセラ
ミック製多孔管を通しエンドフロー方式で吸引濾過する
ことで、該セラミック製多孔管表面に上記セラミック超
微粒子として堆積させ、これを焼成するという本発
明の多孔無機質膜製造方法を完成した。
【0016】また本発明は、孔径0.5μm以上のセラ
ミック製多孔部材の基板層と、CVD反応で生成された
数10nmの粒径のセラミック超微粒子が気流搬送され
上記基板層を濾過部材としてエンドフロー方式で濾過
堆積した後焼結された焼結体層とからなる多孔無機質膜
を提供するものである。
【0017】本発明の方法は、熱CVDにより生成した
超微粒子を、濾過集塵の原理で、その基材となる多孔管
等の表面に濾過捕集して緻密な堆積層を形成させ、これ
を過熱焼成することによって、多孔管等の表面に超微細
孔を有する焼結膜を形成させたものであり、本法の濾過
集塵による超微粒子の堆積層は、粒子相互間作用が静電
気よりもはるかに弱い Van der Waals力が支配的である
ため、従来提案の静電沈着方式に比べれば、緻密な膜構
造となりながら基本的には三次元的なネットワーク構造
であるため、従来のソルゲル法による場合の焼結時の収
縮やひび割れという問題がない。
【0018】このような膜構造の特徴から、空隙率が5
0%以上の大きなものを作ることができ、圧損が低く濾
過に伴う目詰りが起こりにくい。堆積層が濾過集塵の原
理に基づいて形成できるため、製造装置が簡単で、製造
コストが安価とできるだけでなく、圧損の低い部分に超
微粒子が選択的に堆積することになって、全体として均
一な透過抵抗をもつ膜が出来上がる。
【0019】本発明においてCVD反応管により生成さ
れるセラミック超微粒子は、特に制限されるものではな
く、塩化物の酸化、金属アルコキシドの熱分解等の一般
的な方法により生成される微粒子を全て用いることがで
き、代表的にはアルミナ,ジルコニア,チタニア,窒化
ケイ素等々を例示することができる。
【0020】このようなセラミック超微粒子を堆積させ
るセラミック焼結管等からなる基板は、堆積層の焼結処
理に耐えるものであれば特に制限されずに例えば従来既
知のセラミック多孔焼結体からなる管等の種々のものを
選択的に使用でき、素材的には、アルミナ,ムライト,
ジルコニア,チタニア,炭化ケイ素,窒化ケイ素等々の
セラミックからなり、孔径が一般的には0.5μm以
上、好ましくは1〜10μmで、厚みが1〜10mm程
度のものが好適に採用される。
【0021】上記のような基板を濾過部材として使用し
てその表面にセラミック超微粒子の堆積を行なわせる
と、基板の孔径よりも相当に小さい該超微粒子は、その
自重が小さいために慣性力が微小であること、及び自重
に比べて粒子間の付着力がかなり大きいことのために、
基板の細孔内部に入り込まず、基板表面に捕集されるこ
とになる。したがって堆積層形成途中でシースガスの透
過圧力損失はそれほど上昇せずに堆積を継続できる。ま
たこのことによって、作製された膜の濾過抵抗が従来法
によって作られた膜に比べて格段に小さいものとなる。
【0022】以上のような本発明により製造された多孔
無機質膜は、例えば石油工業,医薬品工業,食品工業等
々の種々の分野での工業的な規模での膜分離処理に好適
に使用することができ、高温,高圧条件での使用や耐酸
性,耐塩基性,耐薬品性に優れている。また膜の濾過抵
抗や細孔の分布が全体に均一であることから、膜面での
分離、例えば媒体中から超微粒子を分離するためのフィ
ルタとして使用した場合に、目詰まりが起こりにくく、
また逆洗によって容易に透過率を回復できるという優れ
た分離膜としての機能を発揮できる。
【0023】
【実施例】以下本発明を図面に基づいて更に詳細に説明
する。
【0024】図面第1図は、チタニア膜を製造するため
に構成された本発明方法の実施装置を示したものであ
り、その全体は次のように構成されている。
【0025】すなわち装置の全体は、円筒形の石英ガラ
ス製のCVD反応管5を有していて、その内部の軸方向
一端側(ガスの流通からみれば上流側になる図の左側)
には二重管構造の反応ガス供給管4が配置されている。
この反応ガス供給管4の二重管は、夫々の上流が反応ガ
ス供給管1,2に接続されていて、本例では内管に接続
された反応ガス供給管1から反応ガスAとして(TiCl4
+N2)が供給され、外管に接続された反応ガス供給管2
からは反応ガスBとして(O2)が供給されるようになっ
ている。更に、反応ガス供給管4から出た反応生成され
た超微粒子TiO2を気流搬送するために、CVD反応管5
の上記一端側にシースガス供給管3が接続され、本例で
はシースガス(N2)が微粒子の搬送気流としてCVD反
応管5に導入されるようになっている。なお6は水冷ジ
ャケット、7はCVD反応管5内で上記反応ガスA,B
を反応させたるために加熱する電気炉7であり、これら
によって数10nmの径のそろった超微粒子を生成させ
る超微粒子製造装置が構成される。なお上記反応ガスA
(TiCl4 +N2)は、例えば窒素ガスを四塩化チタン液体
中をくぐらせることで得ることができる。
【0026】9は、CVD反応管5内において上記反応
ガス供給管4と対向するように配置された一端閉塞で他
端開放型の中空円筒状のセラミック製多孔管であり、そ
の他端(図の右側端)開放端に接続された吸引管13
は、途中、廃ガス処理装置10を介して吸引ポンプ11
に接続されていて、これによって該セラミック製多孔管
9を濾過部材としたエンドフロー方式の吸引濾過が行な
われるようになっており、これらにより製膜装置が構成
される。
【0027】8は、上記製膜装置によって表面に超微粒
子が堆積されたセラミック製多孔管9を、製膜後にその
まま焼結するための焼成用電気炉である。
【0028】実施例1 第1図の装置を使用して、以下の条件でチタニア膜を製
造した。
【0029】すなわち、反応ガスAとして、毎分0.5
リットル(室温)の窒素ガスを30℃に保温された四塩
化チタン液体中にくぐらせて、800℃に設定された反
応ガス供給管4(内管先端直径8mm)の内管から吹き
出しさせ、同時に反応ガスBとして酸素ガスを0.05
リットル/毎分の割合で反応ガス供給管4(外管直径1
2mmで先細り形状)の外管と内管の間から吹き出しさ
せて50nm以下のチタニア超微粒子を生成させた。ま
たシースガス供給管3から窒素ガスを1リットル/毎分
の割合で供給した。
【0030】一方、反応管5の他端側にセラミック製多
孔管9として、外径10mm,長さ100mm、厚み
1.5mm、平均孔径10μmのアルミナ管を設置し、
吸引ポンプ11によって約2リットル/毎分以上で吸引
して、該アルミナ製多孔管9表面にチタニア超微粒子の
堆積層を形成させた。
【0031】この操作を20分間継続した後、ガスの供
給、吸引を停止し、焼結用電気炉8によって該アルミナ
製多孔管9を1200℃で2時間焼成した。
【0032】以上によって、アルミナ製多孔管9の表面
に超微粒子チタニアの焼結層(層厚約70μm)をもつ
多孔無機質膜が得られた。
【0033】得られたチタニア膜は、高温相のルチル型
でその断面を第2図により電子顕微鏡写真で示した。こ
の電子顕微鏡写真中の左側の比較的大きな粒子の層は上
記のアルミナ製多孔管であり、右側の緻密な層がチタニ
ア膜である。なお第3図はチタニア膜の表面電子顕微鏡
写真を示している。これらの写真により、チタニア膜が
焼結して三次元的なネットワーク構造になっている様子
が分かる。
【0034】空隙率の測定 以上によって製造された多孔無機質膜の空隙率εm を,
下記のKozeny−Carmanの式より求めた。な
お、圧力損失△Pは、当該膜にガスを流した時の差圧を
差圧計で、またガス流量Qは流量計で測定し、ガスの粘
性係数μは物性定数表から求め、濾過面積は実測した。
また材料の真密度ρb ,ρm はピクノメータで、比表面
積Sb ,Sm はBET法で測定し、εb は基板の重量及
びサイズから求めた。
【0035】
【数1】
【0036】その結果、上記実施例のチタニア膜の空隙
率は84%であった。
【0037】実施例2,3 反応ガスAを得るための窒素ガスの流量、シースガス供
給管3からの窒素ガスの流量、焼結温度を下記第1表に
示したように変えた以外は実施例1と同様にして多孔無
機質膜を得た。
【0038】
【表1】
【0039】微粒子懸濁液の分離透 過試験 上記のようにして得た多孔無機質膜であるチタニア膜の
分離性能を確認するために、ポリエチレンラテックスの
懸濁液を濾過した時の分離効率を以下のようにして調べ
た。
【0040】すなわち、下記第2表に示す0.05〜1
μmまでの5種のポリエチレンラテックスの懸濁液(約
400ppm)を準備し、これを0.2μmのフィルタ
ーを通した蒸留水で各懸濁液を0.02重量%に調整し
た。このようにして作製した懸濁液約50ccを分取
し、これを各々第4図の試験装置の懸濁液槽20に入れ
てマイクロチューブポンプ21で吸い上げ、上述の多孔
無機質膜を組み込んだ濾過モジュール22に供給して濾
過させ、濾過液を回収槽23に回収した。
【0041】
【表2】
【0042】また以上の操作とは別に、懸濁液槽20及
び回収槽23から夫々ピペットで正確に20cc取って
秤量ビンに入れ、乾燥器(105℃)で1昼夜乾燥さ
せ、絶乾状態で秤量して供給液の濃度Ciと透過液の濃
度Coを夫々求めた。
【0043】以上の結果から下記式により分離効率ηを
求めた。
【0044】
【数2】
【0045】以上により求めた実施例1〜3についての
上記5種の懸濁液の分離効率を、横軸を粒子径、縦軸を
粒子の阻止効率とした第5図に示した。なお図中bは実
施例1、cは実施例2、dは実施例3を示している。
【0046】なお、比較例として、超微粒子の堆積焼成
を行なわないアルミナ製多孔管9のみで同様の分離効率
試験を行ない、その結果を第5図に符号aの線で合わせ
て示した。
【0047】第4図の結果から分かるように、アルミナ
製多孔管9をそのまま用いた場合に比べて、各実施例は
優れた分離効率を示しており、特に実施例3では0.1
μmまで100%阻止でき、数十nmでもなお70%以
上の阻止率を示すことが分かる。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、従来の有機高分子膜に
比べて高温,高圧条件での使用に耐え、また耐酸性,耐
塩基性,耐薬品性を備えていて、例えば石油工業,医薬
品工業,食品工業等々の種々の分野での工業的な規模で
の膜分離処理に供し得る優れた高機能性の多孔無機質分
離膜を提供できるという効果がある。
【0049】また数nmという緻密な超微細孔を有し、
しかも空隙率が大きく圧損が低く、製膜工程における焼
結処理によってもひび割れを生ずることがなく、膜の製
造を安定して効率よく行なうことができるため、上記多
孔無機質膜を安価に提供できる。
【0050】更に又、本発明の製造法は本質的に製膜過
程で膜を均質化する作用をもち、かつ最終的な用途であ
る濾過と同じ原理で製膜するため、工業的な規模で使用
される面積の大きな膜であっても膜全体が透過抵抗にお
いて均質である膜を容易に作製できるという優れた効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は、本発明の方法を実施するための装置
の構成概要一例を示した図である。
【図2】第2図は、粒子構造を示す写真であって、実施
例1によって製造したチタニア膜を有する多孔無機質膜
の断面を示した電子顕微鏡写真である。
【図3】第3図は、粒子構造を示す写真であって、同チ
タニア膜の表面電子顕微鏡写真である。
【図4】第4図は、微粒子懸濁液の分離透過試験装置を
示す。
【図5】第5図は、実施例1〜3のチタニア膜を有する
多孔無機質膜を用いてポリエチレンラテックス懸濁液の
分離を行なった結果、及び比較例の結果を示した図であ
る。
【符号の説明】
1,2:反応ガス供給管、3:シースガス供給管、4:
反応ガス供給管、 5:石英ガラス製のCVD反応管、6:水冷ジャケッ
ト、7:電気炉、 8:焼成用電気炉、9:セラミック製多孔管、10:廃
ガス処理装置、 11:吸引ポンプ、13:吸引管、20:懸濁液槽、 21:マイクロチューブポンプ、22:濾過モジュー
ル、23:回収槽。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 38/00 304 B01D 67/00 B01D 71/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CVD反応で生成された数10nmの粒
    径のセラミック超微粒子を含む気体を、反応ガスと共に
    シースガスにより気流搬送させると共に、孔径1〜10
    μmのセラミック製多孔部材を通しエンドフロー方式で
    吸引濾過することで該セラミック製多孔部材表面に上記
    セラミック超微粒子として堆積させ、これを焼成す
    ることを特徴とする多孔無機質膜製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、セラミック製多孔部
    材が管であることを特徴とする多孔無機質膜製造方法。
  3. 【請求項3】 孔径0.5μm以上のセラミック製多孔
    部材の基板層と、CVD反応で生成された数10nmの
    粒径のセラミック超微粒子が気流搬送されて上記基板層
    を濾過部材としてエンドフロー方式で濾過堆積した後焼
    結された焼結体層と、からなることを特徴とする多孔無
    機質膜。
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