JP3072088B1 - パルプモ―ルド成形品の製造方法 - Google Patents

パルプモ―ルド成形品の製造方法

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JP3072088B1
JP3072088B1 JP4356099A JP4356099A JP3072088B1 JP 3072088 B1 JP3072088 B1 JP 3072088B1 JP 4356099 A JP4356099 A JP 4356099A JP 4356099 A JP4356099 A JP 4356099A JP 3072088 B1 JP3072088 B1 JP 3072088B1
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Abstract

【要約】 【課題】 大型の設備を必要とせず、且つ型から容易に
成形品を取り出すことができ複雑な形状の成形品を均一
な肉厚で製造することのできるパルプモールド成形品の
製造方法を提供すること。 【解決手段】 外部より内部に連通する複数の連通孔が
形成された一組の抄紙用分割型2,3の各分割型表面2
a,3aにパルプ積層体7,8を形成させた後、分割型
2,3を突き合わせてパルプ積層体7,8を貼り合せ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば粉粒体や液
体等の如き収容物を収容するのに適したパルプモールド
成形品の製造方法及びパルプモールド中空容器に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】例え
ば、蓋を有する容器やボトル等の如き包装容器には、成
形性に優れると共に生産性の面でも有利なことから、一
般的にプラスチックが使用されている。しかし、プラス
チック容器は廃棄処理上種々の問題があることから、こ
れに代わるものとして、パルプモールド法により成形し
たパルプモールド容器が注目されつつある。パルプモー
ルド容器は、廃棄処理が容易であることに加え、再生紙
を使用して製造することが可能であることから、コスト
的にも優れている。
【0003】上記特性を有したパルプモールド容器を製
造するには、例えば特公昭51−34002号公報に開
示されるように、成形体の形状に応じて形成したすき網
をパルプスラリー中に浸漬し、該すき網を真空ポンプ等
によりバキュームして該網の表面にパルプ繊維を堆積さ
せた後、乾燥炉内に該すき網を搬送させパルプ繊維を乾
燥させることにより、パルプモールド容器を得る。
【0004】しかしながら、上記の方法では、すき網に
付着した抄造カス等の除去が困難であると共に、パルプ
繊維がすき網に抱着してしまい、抄造後及び乾燥後の離
型及び取出しが困難となり、製品デザイン上の制約を受
ける。
【0005】この他、特開昭55−71900号公報に
は、連続したフラットな多孔性織布を型の表面に接触介
在させて、該多孔性織布面に該型の表面形状に倣ったパ
ルプ繊維を堆積させた後、積層されたパルプ積層体を脱
水乾燥後に該型及び該多孔性織布より離脱させることに
より、パルプモールド成形品を製造する方法が開示され
ている。
【0006】しかし、上記の方法においては、多孔性織
布を型表面に単に接触させているために、製品の深さが
60mm以上のものや、突起物、段差等を有する複雑な
形状を持つ製品を製造するには、型の形状に沿って多孔
性織布を接触させることは困難である。また、かかる方
法では、型及び多孔性織布を搬送させる搬送機構が複雑
であると共に、設備が大きくなりコストがかかる。
【0007】従って、本発明の目的は、大型の設備を必
要とせず、且つ型から容易に成形品を取り出すことがで
き複雑な形状のパルプモールド成形品を均一な肉厚で製
造することのできるパルプモールド成形品の製造方法及
びパルプモールド中空容器を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
外部内部とを連通させる複数の連通孔が形成された一
組の抄紙用分割型の各分割型表面にパルプ積層体を形成
させた後、一組の該分割型を突き合わせて該パルプ積層
体を貼り合せることを特徴とするパルプモールド成形品
の製造方法を提供することにより、上記の目的を達成し
たものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した具体的な
第1の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明
する。図1は分割型をパルプスラリー中に浸漬させる状
態を示す断面図、図2は分割型によって抄紙する状態を
示す断面図、図3及び図4は一組の分割型を突き合わせ
る状態を示すものであり、図3(a)及び図4(a)は
それぞれ分割型を突き合わせる前の状態の横断面図、図
3(b)及び図4(b)はそれぞれ分割型を突き合わせ
た状態の横断面図、図5は中空容器中間体内に中空状の
弾性体を挿入し、該弾性体を膨らませて膨張した弾性体
により該中空容器中間体を加熱型内面に押圧して該中空
容器中間体を乾燥させてパルプモールド中空容器を製造
する工程を順次示す断面図である。
【0010】本実施形態のパルプモールド中空容器の製
造方法は、分割型の外側面よりキャビティに連通する複
数の連通孔を有する一組の分割型それぞれをパルプスラ
リー中に浸漬させ、該連通孔よりバキュームしてパルプ
繊維を該分割型内面に堆積させることによりパルプ積層
体を形成させた後、一組の該分割型を突き合わせてそれ
ぞれの該パルプ積層体同士を貼り合わせることを特徴と
するものである。
【0011】さらに、本実施形態のパルプモールド中空
容器の製造方法について、図面を参照しながら具体的に
説明する。先ず、図1に示すように、分割型の外側面よ
りキャビティに連通する複数の連通孔1を有する一組の
分割型2,3(図1では、一方の分割型3は図示を省略
する)を用意する。本実施形態では、容器の形状に応じ
たキャビティ形状をそれぞれの分割型2,3の分割型内
面2a,3aに付与してある。なお、図示は省略してあ
るが、各連通孔1はそれぞれ吸引管10に連通されてお
り、該吸引管10を通して真空ポンプ等によりバキュー
ム可能とされている。
【0012】次に、図2に示すように、一組の上記分割
型2,3それぞれを、容器5内に満たしたパルプスラリ
ー6中に浸漬させる。パルプスラリー6中に浸漬させる
に際しては、一組の分割型2,3を同時に浸漬させても
よく、または別々に浸漬させるようにしてもよい。パル
プスラリーは、パルプ繊維を水に分散させて形成したも
のである。これらパルプ繊維の濃度は、0wt%超6.
0wt%以下が好ましく、更に0.1〜3.0wt%と
するのがより好ましい。また、パルプ繊維は、針葉樹ま
たは広葉樹等の木材パルプや竹、わら等の非木材パルプ
であるのが好ましい。また、パルプ繊維の長さと太さ
は、それぞれ0.1〜10.0mm、0.01〜0.1
0mmであるのが好ましい。
【0013】そして、上記連通孔1よりバキュームして
パルプ繊維を、それぞれの分割型内面2a,3aに堆積
させる。その結果、図3(a)に示すように、それぞれ
の分割型内面には、パルプ積層体7,8が形成される。
ここでの抄紙時間は、2〜10秒が好ましい。また、バ
キュームする真空度は、成形品の表面性や、パルプ積層
体7,8の加工性の観点から、100〜600Torr
とするのが好ましい。また、パルプ積層体7,8の厚み
は、0.5〜10.0mmとするのが好ましい。
【0014】次に、図3(b)に示すように、パルプ積
層体7,8を形成した直後に、一組の上記分割型2,3
をパルプスラリー6中において突き合わせてそれぞれの
パルプ積層体7,8同士を貼り合わせる。この貼り合わ
せ方法によれば、得られる中空容器の内面における、貼
り合わせ部9に対応する部分に段差が生じず、肉厚が均
一となる。貼り合わせの際に、各分割型2,3をそれぞ
れバキュームすると、貼り合わせが一層良好に行われ、
一層均一な肉厚の中空容器が得られる。
【0015】上記分割型2,3の突き合わせには、次に
示す方法を用いることもできる。即ち、図4(a)に示
すように、各分割型2,3の内面2a,3aにパルプ積
層体7,8を形成した後、両分割型2,3をパルプスラ
リー6中から引き上げる。この場合、一方の分割型2に
は、図4(a)に示すように、他方の分割型3との突き
合わせ部分に取り外し自在とされた一対の補助型4,4
が設けられている。かかる補助型4,4は、後工程で形
成されたパルプ積層体同士を貼り合わせるに際しての貼
り合わせ部を形成する役目をするものであり、キャビテ
ィ形状が付与された分割型内面2aよりもその先端を若
干突出させている。従って、パルプ繊維は、補助型4,
4の上にも堆積するため、図4(a)に示すように、一
方のパルプ積層体7の突き合わせ側には、内側に突出し
た重ね合わせ部(貼り合わせ部)9が形成される。
【0016】上記分割型2,3を引き上げた状態下に、
図4(b)に示すように両分割型2,3を突き合わせて
それぞれのパルプ積層体7,8同士を貼り合わせる。分
割型2,3を突き合わせるに際しては、一方の分割型2
に設けられた補助型4,4を取り外しておく。これによ
り、パルプ積層体7,8の貼り合わせにおいては、一方
のパルプ積層体7の突き合わせ面に貼り合わせ部9が形
成されるため、他方のパルプ積層体8の突き合わせ面が
この貼り合わせ部9と重ね合わされる。パルプ積層体
7,8同士を貼り合わせるに際しては、貼り合わせ易さ
の点から貼り合わせ部分の含水率を40〜95wt%、
特に60〜90wt%とするのが好ましい。
【0017】パルプ積層体7,8同士を貼り合わせた
後、上記分割型2,3を開いて、湿潤した状態の中空容
器中間体を取り出す。取り出された中空容器中間体は次
に加熱・乾燥工程に付される。加熱・乾燥工程において
は、先ず、図5(a)に示すように、一組の加熱型2
2,23を突き合わせることにより、成形すべき中空容
器の外形に対応した形状のキャビティが形成される金型
内に湿潤した状態の上記中空容器中間体(以下、単に中
間体という)30を装填する。この加熱型22,23に
は、その外側面から上記キャビティに連通する複数の連
通孔21を有している。次いで、図5(a)に示すよう
に、加熱型22,23内を減圧すると同時に、弾性を有
し伸縮自在で且つ中空状をなす中子11を、上記中間体
30の内部に挿入させる。上記中子11は、引張強度、
反発弾性及び伸縮性に優れた天然ゴム、合成ゴム又は熱
可塑性エラストマー等により形成されるのが好ましく、
最も好ましくはウレタン、フッ素、シリコーン等により
形成する。
【0018】次に、図5(b)に示すように、上記中子
11内に加圧流体を供給して該中子11を膨らませ、膨
張した該中子11により上記中間体30を加熱型内面2
2a,23aに押圧させる。すると、上記中間体30
は、膨張した中子11によって加熱型内面22a,23
aに押し付けられ、該加熱型内面22a,23aの形状
が転写される。このために、該加熱型内面22a,23
aの形状が複雑な形状であっても、精度良く該加熱型内
面22a,23aの形状が該中間体30に転写されるこ
とになる。
【0019】上記流体には、例えば空気、窒素、アルゴ
ン等の気体や、シリコーン系油、炭化水素系油、パラフ
ィン等の液体、或いはガラスビーズ、アルミナビーズ、
砂等の固体が使用される。流体を中子11に供給するに
際しての圧力としては、0.01〜5MPa、特に0.
1〜3MPaが好ましい。0.01MPa未満では、該
流体により上記中間体30を加熱型内面22a、23a
に押圧できない場合があり、5MPa超では、該流体に
より該中間体30が押しつぶされる場合がある。
【0020】次に、上記中間体30を加圧・脱水・乾燥
させる。そして、図5(c)に示すように、上記中子1
1内の流体を抜く。弾性体で形成された中子11が弾性
力で縮んで元の大きさに戻る。次いで、図5(d)に示
すように、縮小した中子11を加熱型22,23より取
出し、該加熱型22,23を開いて一体化されたパルプ
モールド中空容器12を取り出す。かかるパルプモール
ド中空容器12は、図5(e)に示すように、貼り合わ
せ部9の厚みが厚く強度的にも強いものとなる。
【0021】上述の実施形態によれば、一組の分割型そ
れぞれによって抄紙した後、抄紙したパルプ積層体同士
を、パルプスラリー中で、又はパルプスラリーから引き
上げた後に少なくとも貼り合わせ部分の含水率を上記の
ように調整してウエットな状態で貼り合わせているの
で、該パルプ積層体同士の貼り合わせを容易に行うこと
ができる。また、型を分割しているため複雑なキャビテ
ィ形状を形成することができ、そのため、デザインに制
約を受けない種々の複雑な形状を有するパルプモールド
中空容器の製造ができる。また、従来技術のようなすき
網を必要としなくとも分割型から成形品を容易に取り出
すことができると共に、大型の設備も必要としない。
【0022】尚、パルプ積層体7,8同士の貼り合わせ
は、該パルプ積層体7,8を形成した直後に行ったが、
該パルプ積層体7,8を形成し乾燥した後に行うように
してもよい。その場合でも貼り合わせ部分の含水率は、
40〜95wt%とすることはもちろんのことである。
【0023】また、上述の実施形態では、弾性体の中子
11を使用したが、中子11として中空状の袋を使用し
てもよい。この場合、図5(c)に示すように、上記流
体を抜いた後、該袋内を減圧にすることで袋を萎めてか
ら加熱型より取り出す。又は該袋を取り出さずに上記中
間体30に内装してもよい。これにより防水性、防湿性
及びガスバリア性に優れたパルプモールド中空容器とす
ることができる。また、中子11を介さずに、直接上記
中間体30内に上記加圧流体を供給してもよい。
【0024】また、中子11として予め成形された熱可
塑性樹脂からなるコールドパリソン(いわゆるプリフォ
ームドパリソン)を使用してもよい。コールドパリソン
を用いた場合の製造例を以下に簡単に説明する。なお、
抄紙するまでの工程は、先の実施形態と同じであるた
め、ここではその説明は省略する。
【0025】図6(a)に示すように、ノズル部にネジ
部12を形成した中空状のコールドパリソンを中子11
として、上記加熱型22,23のキャビティ内に挿入す
る。その際、コールドパリソンを加熱流体の吹込みによ
り膨張し得るように加熱しておく。熱可塑性樹脂として
は、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(P
P)又はポリエチレンテレフタレート(PET)等が好
ましい。コールドパリソンの加熱温度は、PPを使用し
た場合には120〜140℃、PETを使用した場合に
は100〜130℃とするのが好ましい。
【0026】次に、図6(b)に示すように、上記中子
11内に加圧流体を供給して該中子11を膨らませ、膨
張した該中子11により上記中間体30を加熱型内面2
2a,23aに押圧させて、該中間体30を加圧・脱水
・乾燥させる。中子11内に吹き込む加圧気体として
は、上記した実施形態と同一のものが使用できる。
【0027】すると、図6(b)に示すように、上記中
間体30は、膨張した中子11によって加熱型内面22
a,23aに押し付けられて、該加熱型内面22a,2
3aのキャビティ形状が転写されると共に脱水及び乾燥
される。また、上記中間体30の内面には、膨張したコ
ールドパリソンからなる熱可塑性樹脂フィルム13が密
着形成される。かかる方法では、熱可塑性樹脂フィルム
13の内装化が上記中間体30の乾燥・脱水と同時にで
きるため、製造工程が簡略化でき生産性の向上が図れる
と共に低コスト化が図れる。
【0028】そして、図6(c)に示すように、上記中
子11内の加圧流体を抜いた後に、上記加熱型22,2
3を開いて上記中間体30の内面に熱可塑性樹脂フィル
ム13が形成されたパルプモールド中空容器14を取り
出す。このようにして製造されたパルプモールド中空容
器14は、ボトル内面に熱可塑性樹脂フィルム13が内
装されているため、防水性、防湿性及びガスバリアー性
に優れ、ボトル内に粉粒体や液体等も収容することがで
きる。
【0029】次に、第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態については、上述した第1の実施形態と
異なる点についてのみ説明し、同じ点については特に説
明しないが、第1の実施形態に関して詳述した説明が適
宜適用される。
【0030】本実施形態においては、抄紙用分割型2,
3の各分割型表面に粗と密のネット層を被せた後に、パ
ルプ繊維を該ネット層に堆積させる。詳細には、該ネッ
ト層として、第1ネット層と該第1ネット層より目の細
かい第2ネット層とにより構成されたネット層を用い、
第1ネット層を分割型2,3に密着させて被せると共
に、第2ネット層を第1ネット層の上に被せる。又は、
該ネット層として、第1ネット層と、該第1ネット層よ
り目の細かい第2ネット層とにより構成されたネット層
を用い、第1ネット層を分割型2,3に密着させて被せ
ると共に、第2ネット層を第1ネット層の上に形成させ
る。このように、目の粗い第1ネット層の上に目の細か
い第2ネット層を被せた構成、又は目の粗い第1ネット
層の上に目の細かい第2ネット層を形成した構成とする
ことで、分割型2,3に開ける連通孔1の数を減らせる
ことができ、且つパルプ積層体7,8を均一な厚みに抄
造することができる。また、該パルプ積層体の内壁及び
外壁を平滑な面にすることが可能となり、パルプ積層体
が分割型2,3より取出しやすくなる。
【0031】上記第1ネット層及び第2ネット層は、粗
と密のネット層とされており、上記分割型2,3に被せ
た際に、該分割型2,3の表面形状に沿って密着するよ
うになされている。例えば、第1ネット層及び第2ネッ
ト層には、天然素材、合成樹脂、又は金属からなる単数
又は複数が組合わせて用いられる。さらにネット層の滑
り性、耐熱性、耐久性をアップさせる表面改質コートを
行うことも可能である。天然素材としては、植物繊維、
動物繊維等があり、合成樹脂としては、熱可塑性樹脂、
熱硬化性樹脂、再生樹脂、半合成樹脂がある。
【0032】また、第1ネット層の平均最大開孔幅は1
〜50mm、特に5〜10mmが好ましい。開孔幅は、
第1ネット層の線間距離を指す。
【0033】また、上記第1ネット層の平均開孔面積率
は30〜95%、特に75〜90%が好ましい。
【0034】一方、第2ネット層の平均最大開孔幅は
0.05〜1.0mm、特に0.2〜0.5mmが好ま
しい。開孔幅は、第2のネット層の各線の内径寸法を指
す。
【0035】また、第2ネット層の平均開孔面積率は3
0〜90%、特に50〜80%が好ましい。
【0036】本実施形態では、第1ネット層には、上記
分割型2,3に装着した状態において、平均最大開孔幅
が3〜6mm、平均開孔面積率が80〜92%、線幅が
0.3mmであるネットを用いた。かかる第1ネット層
は、分割型2、3に装着する前の状態においては、それ
ぞれ平均最大開孔幅が0.08〜0.25mm、平均開
孔面積率が46%、線幅が0.12mmである。第2ネ
ット層には、上記分割型2,3に装着した状態におい
て、平均最大開孔幅が0.22〜0.35mm、平均開
孔面積率が58〜69%、線幅が0.06〜0.07m
mであるストッキングを用いた。かかる第2ネット層
は、分割型2、3に装着する前の状態においては、それ
ぞれ平均最大開孔幅が0.38〜0.42mm、平均開
孔面積率が75〜75%、線幅が0.05〜0.06m
mである。第2ネット層は、分割型内部をバキュームす
ることによって、第1ネット層開孔を通り、該分割型表
面に接触しない程度の剛性があればよい。
【0037】以上、本発明を適用した具体的な実施形態
について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制
限されることなく、例えば、図7(a)及び(b)に示
すように、各パルプ積層体7,8の突き合わせ部15,
16を、他の部分よりも肉厚となるようにしてもよい。
突き合わせ部15,16の肉厚を厚くするには、かかる
部分を他の部分に比べてより強くまたは長い時間バキュ
ームすればよい。また、図7(c)に示すように、パル
プ積層体7,8の突き合わせ面側15,16を外側に張
り出させてパルプ積層体7,8同士の突き合わせ面積を
増やすようにしてもよい。張り出した部分15,16の
厚みは、パルプ積層体7,8の厚みより薄くてもよい。
この場合には貼り合わせ後にトリミングを行う。これら
のようにすれば、各パルプ積層体7,8の貼り合わせが
容易に行え接合強度も増す。また、必要に応じて貼り合
わせ部分を所定の手段でトリミングして、得られる中空
容器の外観が一層良好になるようにしてもよい。
【0038】また、中空容器中間体30を、加熱型2
2,23によって加圧・脱水・乾燥することに代えて、
該中間体30を、所定形状のキャビティを有し且つ加熱
されていない金型の内面に押圧させて加圧脱水させた
後、該中間体30を別途加熱乾燥させてもよい。
【0039】また、それぞれの分割型2,3で抄紙した
後、これらの分割型2,3を突き合わせてそれぞれのパ
ルプ積層体7,8同士を貼り合わせるようにしたが、抄
紙して形成されたパルプ積層体7,8を分割型2,3よ
り取出し別の加熱加圧型に移した後に、これら加熱加圧
型同士を突き合わせてパルプ積層体7,8同士を貼り合
わせるようにしてもよい。
【0040】また、分割型2,3をそれぞれ一つのキャ
ビティが形成されたものとしたが、それぞれの分割型に
所定間隔を置いてパルプ積層体7,8を複数形成するた
めの型を用いて、複数のパルプ積層体を一つの型で抄紙
するようにしてもよい。
【0041】或いは、二つのキャビティの一部が連設す
るように一つの型に並べて形成し、連設された部分で型
を折り畳んでそれぞれのパルプ積層体を貼り合わせ可能
な型を用いて抄紙するようにしてもよい。この型を用い
れば、一側縁が連結された半割形状の一対のパルプ積層
体が得られる。
【0042】また、上述の一方の分割型2には、取り外
し自在とされた一対の補助型4,4が設けられている
が、分割型2,3の双方に取り外し自在とされた一対の
補助型4,4を設けてもよい。
【0043】また、上述した実施形態では、抄紙用分割
型を2つで一組として用いたが、成形すべき成形品の形
状に応じて3つ以上の抄紙用分割型を一組として用いて
もよい。図5及び図6に示す加熱型に関しても同様であ
る。
【0044】また、上述した実施形態は、ボトル状の中
空容器の製造に関してのものであるが、本発明の製造方
法は他の形状の容器、例えば箱形のカートン容器等の製
造にも適用できる。
【0045】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明によれば、大型の設備を必要とせず、且つ型から容易
に成形品を取り出すことができ複雑な形状のパルプモー
ルド中空容器を均一な肉厚で製造することのできるパル
プモールド中空容器の製造方法及びパルプモールド中空
容器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は分割型をパルプスラリー中に浸漬させる
状態を示す断面図である。
【図2】図2は分割型によって抄紙する状態を示す断面
図である。
【図3】図3は一組の分割型をパルプスラリー中で突き
合わせる状態を示すものであり、図3(a)は分割型を
突き合わせる前の状態を示す分割型の横断面図、図3
(b)は分割型を突き合わせた状態を示す分割型の横断
面図である。
【図4】図4は一組の分割型をパルプスラリーから引き
上げた後に突き合わせる状態を示すものであり、図4
(a)は分割型を突き合わせる前の状態を示す分割型の
横断面図、図4(b)は分割型を突き合わせた状態を示
す分割型の横断面図である。
【図5】図5(a)、図5(b)、図5(c)、図5
(d)及び図5(e)はそれぞれ、中空容器中間体内に
中空状の弾性体を挿入し、該弾性体を膨らませて膨張し
た弾性体により該中空容器中間体を加熱型内面に押圧し
て該中空容器中間体を乾燥させてパルプモールド中空容
器を製造する工程を順次示す断面図である。
【図6】図6(a)、図6(b)及び図6(c)はそれ
ぞれ、突き合わされた分割型内に中空状のコールドパリ
ソン(いわゆるプリフォームドパリソン)を挿入し、該
コールドパリソンを膨らませて膨張したコールドパリソ
ンによりパルプ積層体を型内面に押圧して該パルプ積層
体を乾燥させてパルプモールド中空容器を製造する工程
を順次示す断面図である。
【図7】図7(a)及び(b)はパルプ積層体の突き合
わせ部の肉厚を厚くして、該パルプ積層体同士を貼り合
わせる状態を示すものであり、図7(a)は分割型を突
き合わせる前の状態の横断面図、図7(b)は分割型を
突き合わせた状態の横断面図であり、図7(c)は、パ
ルプ積層体の突き合わせ面側を外側に張り出させてパル
プ積層体同士を貼り合わせる状態を示すものである。
【符号の説明】
1 連通孔 2,3 分割型 6 パルプスラリー 7,8 パルプ積層体 11 中子
フロントページの続き (72)発明者 小田嶋 信吾 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式 会社研究所内 (72)発明者 津浦 徳雄 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式 会社研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21J 1/00 - 7/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部内部とを連通させる複数の連通孔
    が形成された一組の抄紙用分割型の各分割型表面にパル
    プ積層体を形成させた後、一組の該分割型を突き合わせ
    て該パルプ積層体を貼り合せることを特徴とするパルプ
    モールド成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記分割型の一方の又は双方の少なくと
    も一部の突き合わせ部分に上記パルプ積層体同士の貼り
    合わせ部が形成されるようになされている請求項1記載
    のパルプモールド成形品の製造方法。
  3. 【請求項3】 一組の上記分割型を突き合わせて形成さ
    れた上記パルプ積層体同士の貼り合わせ体の内部に流体
    を供給して、該パルプ積層体を所定形状のキャビティを
    有する型内面に押圧させて脱水させる請求項1又は2記
    載のパルプモールド成形品の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記所定形状のキャビティを有する型が
    加熱型であり、上記パルプ積層体を該加熱型内面に押圧
    させて脱水・乾燥させる請求項3記載のパルプモールド
    成形品の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記流体での押圧による脱水を、中子を
    介して行う請求項3記載のパルプモールド成形品の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 上記分割型表面に、粗と密のネット層を
    被せた後、パルプ繊維を該ネット層に堆積させることに
    よりパルプ積層体を形成させる請求項1〜5の何れかに
    記載のパルプモールド成形品の製造方法。
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