JP3071534B2 - エマルジョン型樹脂防錆剤および防錆被覆組成物 - Google Patents

エマルジョン型樹脂防錆剤および防錆被覆組成物

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JP3071534B2 JP3355463A JP35546391A JP3071534B2 JP 3071534 B2 JP3071534 B2 JP 3071534B2 JP 3355463 A JP3355463 A JP 3355463A JP 35546391 A JP35546391 A JP 35546391A JP 3071534 B2 JP3071534 B2 JP 3071534B2
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深沢  裕二
延能 吉村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エマルジョン型樹脂防
錆剤および防錆被覆組成物に関し、更に詳しくは、金属
反応するアセトアセチル基を特定量含有するエマルジョ
ン型樹脂防錆剤および防錆被覆組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属表面の防錆については鉛丹、
クロム酸亜鉛、オリトリン酸塩などの防錆顔料を配合し
た防錆被覆組成物が使用されており、優れた防錆効果が
得られていた。しかし、最近においては、防錆顔料の毒
性が問題となり、毒性の少ない防錆顔料の研究や防錆顔
料を使用しない防錆剤の研究が行なわれている。防錆被
覆組成物の被膜形成剤においても、被膜形成剤自体が防
錆効果を有すれば、より効果的な防錆被覆組成物が得ら
れるものと考えられ、種々の研究がなされている。
【0003】例えば、カルボキシル基とグリシジル基を
有する樹脂を用いた特開平3−192166号「防錆性
水性分散性樹脂組成物」が提案されているが、その明細
書には「特定した共重合体中のカルボキシル基とグリシ
ジル基の含量がガラス転移温度および平均粒子径と関連
して防錆作用を発揮したものと推定される。」と説明さ
れているだけであって被膜の防錆作用については明らか
ではなく、また防錆効果も充分ではなかった。低分子化
合物に含まれるアセトアセチル基は、金属イオンとキレ
ート反応したり、アルデヒド、アミン、ヒドラジドなど
と室温で反応するなど極めて反応性に富むことが知られ
ている。そしてアセトアセチル基を含有する合成樹脂が
耐水性、耐アルカリ性、耐溶剤性に優れ、金属などに良
好な密着性を示すことも知られている。しかしながら高
分子化合物に含まれるアセトアセチル基の作用について
は充分に明らかにはされていない。
【0004】アセトアセチル基を含有する合成樹脂水性
分散液の製法については、特開昭52−22085号及
び特開昭52−22086号に開示されている。しかし
ながら、これらの公報に開示されている合成樹脂水性分
散物に含有されているアセトアセチル基の量は、アセト
アセチル基含有単量体の量で0.5〜10重量%であ
り、好ましくは1〜5重量%であって、10重量%を越
えるアセトアセチル基を含有する合成樹脂水性分散液に
ついては開示されていない。そしてアセトアセチル基の
作用については説明されていない。また、特開昭63−
22881号には、アセトアセチル基を含有する合成樹
脂水性分散液からなる感圧接着剤が開示されているが、
アセトアセチル基の効果としては、接着剤の凝集力を増
大せしめていることが明記されているのみである。
【0005】このように高分子化合物に含まれるアセト
アセチル基の作用については充分に明らかにはされてな
く、防錆作用については全く知られていないのが現状で
ある。ましてアセトアセチル基を有する合成樹脂の水性
分散液の防錆性能は未知の分野にあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】被膜形成剤自体に防錆
効果を付与し、組成物の全構成による防錆作用が奏さ
れ、しかも毒性等の危険を減少し使用し易くするため水
性エマルジョン型の防錆剤を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、低分子化
合物中のアセトアセチル基が金属と反応することに着目
し、被膜形成性重合体にアセトアセチル基を導入し、こ
のアセトアセチル基を金属と反応させることにより、被
膜と金属の密着性を改善し併せて反応による金属の不動
態化による防錆を検討した。合成樹脂中のアセトアセチ
ル基の効果を極めて高いものにする方法について種々の
研究を重ねた結果、アセトアセチル基含有アクリル酸エ
ステルおよび/またはアセトアセチル基含有メタクリル
酸エステルを10〜50重量%、好ましくは15〜35
重量%の範囲で含有し、しかも特定の単量体混合物とを
特定の重合触媒を用い水系で乳化共重合した合成樹脂水
性分散液がエマルジョン型樹脂防錆剤として有用である
ことを見出し、本発明を完成した。
【0008】本発明は、 「1. (a)アセトアセチル基含有アクリル酸エステ
ルおよび/またはアセトアセチル基含有メタクリル酸エ
ステル 10〜50重量% (b)上記(a)と共重合する単量体混合物で単量体混
合物100gへの水の溶解度が1g以下の疎水性単量体
混合物 90〜50重量% からなる単量体組成物を過酸化水素及び水溶性有機過酸
化物から選ばれた1種または2種以上の過酸化物を重合
触媒として乳化共重合し、pHを7以上とした垂下アセ
トアセチル基含有合成樹脂水性分散液を主剤としてなる
エマルジョン型樹脂防錆剤。 2. 乳化重合した合成樹脂のガラス転移点が0℃以上
である1項に記載されたエマルジョン型樹脂防錆剤。 3. (b)の単量体混合物中に10重量%以下の官能
基性単量体を含む1項または2に記載された垂下アセト
アセチル基含有合成樹脂水性分散液を主剤としてなるエ
マルジョン型防錆剤。 4. エマルジョンが重合触媒として過酸化物に還元剤
を併用して乳化重合した1項ないし3のいずれか1項に
記載された垂下アセトアセチル基含有合成樹脂水性分散
液を主剤としてなるエマルジョン型樹脂防錆剤。 5. エマルジョンが乳化剤として、共重合性のα、β
−エチレン性不飽和基を有する乳化剤を使用して乳化重
合した1項ないし5のいずれか1項に記載された垂下ア
セトアセチル基含有合成樹脂水性分散液を主剤としてな
るエマルジョン型樹脂防錆剤。 6. 無機防錆剤を配合した1項ないし5のいずれか1
項に記載されたエマルジョン型防錆剤。 7. 垂下アセトアセチル基含有合成樹脂の硬化剤を配
合した1項ないし6のいずれか1項に記載されたエマル
ジョン型防錆剤。 8. 垂下アセトアセチル基含有合成樹脂水性分散液と
該樹脂の硬化剤とを使用時に混合する二液型組成物とし
た1項ないし7のいずれか1項に記載されたエマルジョ
ン型防錆剤。 9. 1項ないし8のいずれか1項に記載されたエマル
ジョン型樹脂防錆剤を主剤とする防錆被覆組成物。 10. 1項ないし8のいずれか1項に記載されたエマ
ルジョン型樹脂防錆剤を、被膜形成材に添加したエマル
ジョン型防錆被覆組成物。 11. 無機防錆剤を配合した9項または10に記載さ
れたエマルジョン型防錆被覆組成物。 12. 垂下アセトアセチル基含有合成樹脂の硬化剤を
配合した9項ないし11のいずれか1項に記載されたエ
マルジョン型防錆被覆組成物。 13. 垂下アセトアセチル基含有合成樹脂水性分散液
と該樹脂の硬化剤とを使用時に混合する二液型組成物と
した9項ないし12のいずれか1項に記載されたエマル
ジョン型防錆被覆組成物。」に関する。
【0009】
【作用】アセトアセチル基は金属と反応し、この反応に
よって金属は安定化し不動態化されることにより錆の発
生及び進行が阻害されるので、防錆効果を奏すると本発
明者等は考えている。このように本発明の合成樹脂水性
分散液は合成樹脂そのものが防錆効果を有しているので
ある。しかしながらアセトアセチル基の含有量が多すぎ
ると逆に錆の発生がみられた。アセトアセチル基の含有
量には必要な範囲が存する。重合体に含まれるアセトア
セチル基は金属と反応することが必要である。
【0010】そのためには、アセトアセチル基が重合体
の主鎖中に存在するのでなく主鎖から分枝状に懸垂して
いる必要がある。しかしながら、被膜の密着効果から、
長い分枝で懸垂するよりも、基が直接懸垂することが好
ましい。このように主鎖から懸垂したアセトアセチル基
を本発明では垂下アセトアセチル基と言う。
【0011】したがって形成される被膜の表面に多くの
存在することが有効である。本発明者の研究によると溶
液重合で得た重合体は垂下アセトアセチル基が重合体に
均一に分布し、この溶液により被膜が形成されるのでア
セトアセチル基の多くが膜の中に含まれてしまい、表面
のアセトアセチル基の濃度が低くなり防錆効果が小さく
なる。ところが、乳化重合するとアセトアセチル基が極
性が強く親水性であるのでエマルジョン粒子の表面に集
って存在する。そして被膜はこのエマルジョン粒子が脱
水して形成されるので、被膜の表面のアセトアセチル基
濃度が高く、防錆効果が大きくなる。したがって、乳化
重合して得た本発明のエマルジョン型防錆剤は、他の被
膜形成材に配合してもエマルジョン粒子表面のアセトア
セチル基濃度が高いので良好な防錆効果を奏する。この
ように、本発明の防錆剤は乳化重合により形成したエマ
ルジョン型でなくてはならないのである。
【0012】また乳化重合して形成された重合体はガラ
ス転移点が0℃以上であると被膜性能が良好である。ま
た乳化重合して形成された重合体のガラス転移点が0℃
以下であると被膜性能が不良となる。なお被膜を形成し
ない配合用防錆剤として用いる場合はガラス転移点0℃
以下の重合体でも使用出来る。
【0013】(a)のアセトアセチル基含有単量体につ
いて説明する。防錆効果を得るには、アセトアセチル基
含有単量体の量は10重量%以上が必要であり、アセト
アセチル基含有単量体でもアセトアセチルアリルの如き
共重合性の悪い単量体は充分なアセトアセチル基を重合
体に導入出来ないので本発明に使用できない。アセトア
セチル基含単量体の中で本発明に使用できる単量体は、
アセトアセチル基含有アクリル酸エステルおよび/また
はアセトアセチル基含有メタクリル酸エステルである。
アセトアセチル基含有アクリル酸エステルおよび/また
はアセトアセチル基含有メタクリル酸エステルの使用量
は、10〜50重量%、好ましくは15〜35重量%で
ある。10重量%以下では、合成樹脂中のアセトアセチ
ル基が金属と錯体生成反応を行うのに充分ではないた
め、充分な防錆効果が得られない。また、50重量%以
上使用してもアセトアセチル基による防錆効果の向上が
認められないばかりでなく、合成樹脂の親水性が高くな
り防錆効果が著しく低下する。(a)のアセトアセチル
基を含有するアクリル酸エステルおよび/またはアセト
アセチル基を含有するメタアクリル酸エステルと共重合
する単量体混合物100gへの水の溶解度が1g以下の
疎水性単量体混合物について説明する。本発明の(b)
に使用される(a)と共重合する単量体混合物は単量体
混合物100gへの水の溶解度が1g以下の疎水性単量
体混合物である。単量体混合物への水の溶解度が1g/
100g以上となると合成樹脂の親水性が高まり吸水性
が大きくなるので水分による錆の発生及び進行が促進さ
れ、アセトアセチル基による防錆効果が低下するため本
発明には使用できない。
【0014】単量体混合物に使用される代表的な単量体
の100gへの水の溶解度を例示すると次の通りであ
る。 これらの単量体を組み合わせて使用される。
【0015】単量体の水の溶解度1g/100g以上の
ものも併用できるが、このような水の溶解度の高い単量
体は混合単量体への水の溶解度を1g/100g以上と
する量は使用できない。得られる合成樹脂の親水性を大
きくするからである。従って、吸水率の高い単量体ほど
併用出来る割合は小さくなる。
【0016】(b)の単量体混合物中に10重量%以下
の官能基含有単量体を配合することが出来る。官能基含
有単量体としてはシラン基を含有する単量体、グリシジ
ル基を含有する単量体や、α、β−エチレン性不飽和基
を2以上有する単量体が用いられる。特にジビニルベン
ゼン、ジアリルフタレート、テトラアリルオキシエタ
ン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレ
ートなどが好ましい。水の溶解度の高い、メチロール基
を含有する単量体などは少量であれば使用することがで
きる。アクリル酸やメタクリル酸などの不飽和酸や2−
ヒドロキシエチルアクリレートなどのごとき水を無限に
溶解する単量体は合成樹脂の親水性が高くなるため使用
することは出来ない。アセトアセチル基と反応性を有す
る官能基含有単量体の使用も避けることが好ましいが、
防錆性に悪影響を与えない程度の小量ならば併用するこ
とができる。しかし、10重量%以上もの多量を併用す
ることは、乳化重合の過程あるいはその後の保存中に水
性分散液がゲル化したり、アセトアセチル基と反応して
アセトアセチル基を著しく減少せしめ防錆効果が得られ
ないので、本発明に使用できない。
【0017】重合触媒の選択は非常に重要である。本発
明においては重合触媒として過酸化水素及び水溶性有機
過酸化物から選ばれた1種または2種以上の過酸化物が
使用される。乳化重合の重合触媒には、一般的に過硫酸
アンモニウムや過硫酸カリウム等が用いられるが、本発
明においてはこれ等の触媒を使用すると合成樹脂水性分
散液中に硫酸基が残存するため錆の発生が促進され、防
錆性を阻害するので使用出来ない。
【0018】乳化重合後の合成樹脂水性分散液のpHを
7以上にすることも重要であり、酸性域ではアセトアセ
チル基の防錆効果が発揮されない。
【0019】次に本発明のエマルジョン型樹脂防錆剤の
主剤となるアセトアセチル基含有合成樹脂水性分散液を
得るための重合方法について説明する。アセトアセチル
基含有アクリル酸エステルおよび/またはアセトアセチ
ル基含有メタクリル酸エステルを含有する前述の単量体
組成物を乳化重合することによりアセトアセチル基高含
有合成樹脂水性分散液を得ることができる。単量体組成
物の仕込み方法は回分方式でも、連続装入方式でも、ま
た一部を先に仕込んで重合し、さらに残部を連続的に装
入する方法でもよい。装入する単量体組成物はそのまま
でもよいが、水と乳化剤を用いて単量体組成物乳化液と
して装入してもよい。また使用する重合開始剤の種類に
よって、高温重合でもレドックス重合でもよいが、重合
温度の低いレドックス重合の方がアセトアセチル基の不
必要な反応を起こさない利点がある。乳化重合の反応性
を高めるためには窒素置換を行なうことが好ましい。乳
化重合の乳化剤としては従来より一般的に使用されてい
る乳化剤が使用される。乳化剤としては、特に、アクア
ロンHS−10,H−3330PL(第一工業製薬株式
会社製):ラテムールS−180,ラテムール180A
(花王株式会社製):アデカリアソープSE−10N
(旭電化工業株式会社製):エレミノールJS−2(三
洋化成工業株式会社製);ポリウエットSN−4(住友
ノーガタック株式会社製)などのα、β−エチレン性不
飽和基を有する反応性乳化剤やオリゴマー系の乳化剤が
形成される被膜の親水性を小さくすることができる。他
の界面活性剤と併用しても良い。
【0020】本発明のエマルジョン型樹脂防錆剤は前述
の方法により得られたアセトアセチル基合成樹脂水性分
散液を主剤とするものであるが、毒性の少ない無機防錆
剤を配合することも出来る。本発明に使用される無機防
錆剤としては毒性が少なく合成樹脂水性分散液と混和性
が良いものが好ましい。例えば、燐酸亜鉛、シリカ系防
錆顔料、メタホウ酸バリウム、燐酸カルシウム、酸化鉄
などである。
【0021】防錆被覆組成物として本発明のエマルジョ
ン型樹脂防錆剤をそのまま使用することができるが、被
膜形成材に本発明のエマルジョン型樹脂防錆剤を添加し
た防錆被覆組成物としても使用することが出来る。この
使用方法によると被膜形成材を適宜選ぶことが出来る利
点がある。
【0022】本発明のエマルジョン型防錆剤およびエマ
ルジョン型防錆被覆組成物は被膜性能を向上させるため
に硬化剤を配合することが出来る。硬化剤としてはエポ
キシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、グリシジル化合
物、イソシアネート化合物、アルデヒド化合物、アミノ
化合物等が用いられる。これらの硬化剤は本発明の防錆
剤と反応するので二液型組成物とするのが使用上有効で
ある。本発明のエマルジョン型樹脂防錆剤は、鉄板、ア
ルミ板、トタンなどに良く被着し、優れた密着性を示し
高い防錆性(耐SS適性)を示す。
【0023】
【実施例】次に、実施例をあげて本発明を具体的に説明
する。
【0024】実施例1 温度計、撹拌機、還流冷却機および滴下ロートを備えた
内容積500mlの四ツ口フラスコ中で次の組成の溶液
を調整し、窒素置換を約30分間行なった。 低重合度ポリカルボン酸系オリゴマータイプの乳化剤 1 重量部 5%モール塩(還元剤) 0.2重量部 エチレンジアミン4酢酸2Na塩 0.1重量部 脱イオン水 26.7重量部 別に容器に下記の組成を加え、撹拌混合し、さらに窒素
置換を約30分間行なって乳化単量体組成物を作成し
た。 メタクリル酸メチル 44重量% アクリル酸ブチル 41重量% メタクリル酸アセトアトキシエチル 15重量% からなる単量体組成物 40重量部 アリル基含有リン酸エステル系反応性乳化剤 5重量部 脱イオン水 15重量部 乳化単量体組成物の5重量%と濃度5%過酸化水素水1
2重量部のうちの約7重量%を前記反応容器に加え、撹
拌しながら70℃まで加熱し乳化重合を開始した。残り
の乳化単量体組成物の95重量%と過酸化水素水93重
量%を4時間にわたって滴下し、70℃で乳化重合を行
ない、重合終了後にアンモニア水でpHを8に調整しア
セトアセチル基含有合成樹脂水性エマルジョンからなる
防錆剤を得た。このエマルジョン型樹脂防錆剤は固形分
濃度は、45重量%、粘度130cPであった。実施例
1の単量体組成物のうち、メタクリル酸アセトアセトキ
シエチルを除いた(B)の単量体混合物(メタクリル酸
メチル、アクリル酸ブチル)100gへの水の溶解度は
20℃において0.84gであった。
【0025】実施例2 実施例1において単量体の組成を表1の組成に代え、ア
ンモニア水での中和をアミン水溶液でpHを9に調整し
た以外は実施例1と同様にして、アセトアセチル基含有
合成樹脂水性エマルジョンからなる防錆剤を得た。この
エマルジョン型樹脂防錆剤は固形分濃度は、45重量
%、粘度150cPであった。
【0026】実施例3 実施例1において単量体の組成を表1の組成に代え、重
合触媒と還元剤をジブチルパーオキサイドとアスコルビ
ン酸に代え、アンモニア水での中和をアミン水溶液でp
Hを8に調整した以外は実施例1と同様にして、アセト
アセチル基含有合成樹脂水性エマルジョンからなる防錆
剤を得た。このエマルジョン型樹脂防錆剤は固形分濃度
は、45重量%、粘度10,000cPであった。
【0027】実施例4 実施例1において単量体の組成を表1の組成に代え、ア
ンモニア水での中和をpHを9に調整した以外は実施例
1と同様にして、アセトアセチル基含有合成樹脂水性エ
マルジョンからなる防錆剤を得た。このエマルジョン型
樹脂防錆剤は固形分濃度は、45重量%、粘度180c
Pであった。
【0028】実施例5 実施例2において単量体の組成を表1の組成に代え、ア
ンモニア水での中和をアミン水溶液でpHを9に調整し
た以外は実施例2と同様にして、アセトアセチル基含有
合成樹脂水性エマルジョンからなる防錆剤を得た。この
エマルジョン型樹脂防錆剤は固形分濃度は、45重量
%、粘度200cPであった。
【0029】実施例6 実施例1において単量体の組成を表1の組成に代え、ア
ンモニア水での中和をpHを9に調整した以外は実施例
1と同様にして、アセトアセチル基含有合成樹脂水性エ
マルジョンからなる防錆剤を得た。このエマルジョン型
樹脂防錆剤は固形分濃度は、45重量%、粘度140c
Pであった。
【0030】実施例7 実施例2で得たアセトアセチル基含有合成樹脂水性エマ
ルジョンからなる防錆剤80重量部(固形分換算)に防
錆性シリカ20重量部を加え撹拌混合して防錆剤を得
た。
【0031】実施例8 実施例6で得たアセトアセチル基含有合成樹脂水性エマ
ルジョンからなる防錆剤100重量部に、防錆塗料用バ
インダーとして市販されているアクリル・スチレン系合
成樹脂水性エマルジョン100重量部を加え、撹拌混合
して、防錆被覆組成物を得た。
【0032】実施例9 実施例2で得たアセトアセチル基含有合成樹脂水性エマ
ルジョンからなる防錆剤100重量部と、ブロック化イ
ソシアネート3重量部とを2液タイプとし、使用直前に
混合して使用する防錆被覆組成物を得た。2液を使用直
前に均一に混合し、鉄板に塗装後、熱処理を行なうと、
より強靭な皮膜が得られた。
【0033】実施例10 実施例2で得たアセトアセチル基含有合成樹脂水性エマ
ルジョンからなる防錆剤100重量部と、メラミン樹脂
5重量部とを2液タイプとし、使用直前に混合して使用
する防錆被覆組成物を得た。2液を、使用直前に均一に
混合し、鉄板に塗装後、熱処理を行なうと、より強靭な
皮膜が得られた。
【0034】比較例1 実施例1においてアンモニア水での中和を行なわない以
外は実施例1と同様にして、アセトアセチル基含有合成
樹脂水性エマルジョンを得た。
【0035】比較例2 実施例2において重合触媒の過酸化水素の代わりに過硫
酸カリウムを使用した以外は実施例2と同様にして、ア
セトアセチル基含有合成樹脂水性エマルジョンを得た。
【0036】比較例3 実施例2において単量体の組成を表3の組成を表2の組
成に代え、アセトアセチル基の含有量を少なくした以外
は実施例2と同様にして、合成樹脂水性エマルジョンを
得た。
【0037】比較例4 実施例2において単量体の組成を表3の組成に代え、ア
セトアセチル基の含有量を過剰にした以外は実施例2と
同様にして、アセトアセチル基高含有合成樹脂水性エマ
ルジョンを得た。
【0038】比較例5 実施例1において単量体の組成を表3の組成に代え、単
量体100gへの水の溶解度が1以上のエチルアクリレ
ートを多量に用いた以外は実施例1と同様にして、アセ
トアセチル基含有合成樹脂水性エマルジョンを得た。
【0039】比較例6 実施例2において単量体の組成を表3の組成に代え、単
量体100gへの水の溶解度が無限であるメタクリル酸
を用いた以外は実施例1と同様にして、アセトアセチル
基含有合成樹脂水性エマルジョンを得た。試験 結果は
表1〜表3に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】試験1(フラッシュラスト) 実施例1〜7で得たエマルジョン型樹脂防錆剤、実施例
8〜10で得た防錆被覆組成物及び比較例1〜6で得た
合成樹脂水性分散液をサンプルとして、トルエンにて脱
脂洗浄したSPCC−SD鋼板(JIS.G.314
1)にバーコーター(#30)に2回塗布し、70℃お
よび室温(25℃)において乾燥し、フラッシュラスト
の発生の有無を調べた。 ○ …… フラッシュラストの発生まったくなし。 △ …… 塗膜全体の1〜50%にフラッシュラストの
発生が認められた。 × …… 塗膜全体の51〜100%にフラッシュラス
トの発生が認められた。
【0044】試験2(ソルトスプレーテスト) フラッシュラスト発生試験において作成した合成樹脂水
性分散液が塗布されている鋼板を試料として、JIS.
5400.9.1の耐塩水噴霧性試験に準じて行なっ
た。評価については、200時間後の塗膜上の錆、及び
塗膜の膨れなどの程度を判定した。 ○ …… クロスカット部の錆が3mm以下 △ …… クロスカット部の錆が4〜10mm × …… クロスカット部の錆が10mm以上
【0045】試験3(密着性テスト) 実施例1〜7で得たエマルジョン型樹脂防錆剤、実施例
8〜10出得た防錆被覆組成物及び比較例1〜6で得た
合成樹脂水性分散液をサンプルとして、トルエンにて脱
脂洗浄したSPCC−SD鋼板(JIS.G.314
1)にバーコーター(#30)に1回塗布し、70℃に
おいて乾燥後、1mm×1mmのクロスカットを用いJ
IS.5400.8の5の2に準じて行なった。
【発明の効果】本発明の防錆剤は樹脂自体が防錆性を有
するので、組成物の全構成による防錆作用が奏される。
しかも被膜形成性を有するので、直接密着した防錆膜を
金属表面に形成することが出来る。毒性もなく、水星エ
マルジョンであるので使用し易い、利点を有する。
フロントページの続き (72)発明者 吉村 延能 静岡県小笠郡大東町千浜3330番地 ヘキ スト合成株式会社 静岡研究所内 (56)参考文献 特開 平2−47171(JP,A) 特開 昭63−89576(JP,A) 特開 平3−190974(JP,A) 特開 平2−242866(JP,A) 特開 昭52−22086(JP,A) 特開 昭52−22085(JP,A) 特開 昭63−22881(JP,A) 特開 平4−333695(JP,A) 特開 平3−12468(JP,A) 特開 平2−36226(JP,A) 特開 昭56−93769(JP,A) 米国特許5013364(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 133/14 C09D 5/02 C09D 5/08 C23F 11/00 CAPLUS(STN)

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)アセトアセチル基含有アクリル酸
    エステルおよび/またはアセトアセチル基含有メタクリ
    ル酸エステル 10〜50重量% (b)上記(a)と共重合する単量体混合物で単量体混
    合物100gへの水の溶解度が1g以下の疎水性単量体
    混合物 90〜50重量% からなる単量体組成物を過酸化水素及び水溶性有機過酸
    化物から選ばれた1種または2種以上の過酸化物を重合
    触媒として乳化共重合し、pHを7以上とした垂下アセ
    トアセチル基含有合成樹脂水性分散液を主剤としてなる
    エマルジョン型樹脂防錆剤。
  2. 【請求項2】 乳化重合した合成樹脂のガラス転移点が
    0℃以上である請求項1に記載されたエマルジョン型樹
    脂防錆剤。
  3. 【請求項3】 (b)の単量体混合物中に10重量%以
    下の官能基性単量体を含む請求項1または2に記載され
    た垂下アセトアセチル基含有合成樹脂水性分散液を主剤
    としてなるエマルジョン型防錆剤。
  4. 【請求項4】 エマルジョンが重合触媒として過酸化物
    に還元剤を併用して乳化重合した請求項1ないし3のい
    ずれか1項に記載された垂下アセトアセチル基含有合成
    樹脂水性分散液を主剤としてなるエマルジョン型樹脂防
    錆剤。
  5. 【請求項5】 エマルジョンが乳化剤として、共重合性
    のα、β−エチレン性不飽和基を有する乳化剤を使用し
    て乳化重合した請求項1ないし5のいずれか1項に記載
    された垂下アセトアセチル基含有合成樹脂水性分散液を
    主剤としてなるエマルジョン型樹脂防錆剤。
  6. 【請求項6】 無機防錆剤を配合した請求項1ないし5
    のいずれか1項に記載されたエマルジョン型防錆剤。
  7. 【請求項7】 垂下アセトアセチル基含有合成樹脂の硬
    化剤を配合した請求項1ないし6のいずれか1項に記載
    されたエマルジョン型防錆剤。
  8. 【請求項8】 垂下アセトアセチル基含有合成樹脂水性
    分散液と該樹脂の硬化剤とを使用時に混合する二液型組
    成物とした請求項1ないし7のいずれか1項に記載され
    たエマルジョン型防錆剤。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれか1項に記載
    されたエマルジョン型樹脂防錆剤を主剤とする防錆被覆
    組成物。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし8のいずれか1項に記
    載されたエマルジョン型樹脂防錆剤を、被膜形成材に添
    加したエマルジョン型防錆被覆組成物。
  11. 【請求項11】 無機防錆剤を配合した請求項9または
    10に記載されたエマルジョン型防錆被覆組成物。
  12. 【請求項12】 垂下アセトアセチル基含有合成樹脂の
    硬化剤を配合した請求項9ないし11のいずれか1項に
    記載されたエマルジョン型防錆被覆組成物。
  13. 【請求項13】 垂下アセトアセチル基含有合成樹脂水
    性分散液と該樹脂の硬化剤とを使用時に混合する二液型
    組成物とした請求項9ないし12のいずれか1項に記載
    されたエマルジョン型防錆被覆組成物。
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