JP3071106U - 防食仕様の配電盤ボックス - Google Patents

防食仕様の配電盤ボックス

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JP3071106U JP2000002187U JP2000002187U JP3071106U JP 3071106 U JP3071106 U JP 3071106U JP 2000002187 U JP2000002187 U JP 2000002187U JP 2000002187 U JP2000002187 U JP 2000002187U JP 3071106 U JP3071106 U JP 3071106U
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衛 濱田
良一 畑山
譲 菅原
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中山技術コンサルタント株式会社
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】函体と防食処理素材との膨張係数の比率が大き
くコーティングが浮き上って剥げ易くなるなどの障害を
防いだ。防食性に優れた配電盤ボックスを提供する。 【解決手段】防食仕様配電盤ボックス本体Aは、コーテ
ィング材としてポリウレタン樹脂を用い、函体の素材表
面、並びに、配電盤ボックス扉A1と本体の接合部分、
扉や水切り溝、扉の折り込み部分や木口を包込むように
コーティング層を形成している。さらに、防食仕様配電
盤ボックス本体Aを設置する時のベースBと防食仕様配
電盤ボックス本体Aとの間を絶縁パッキング挿入代Hと
し、絶縁パッキングを装着、絶縁ボルトナットによって
接続し、絶縁コーキングを施して設置、外気や異種物と
遮断して純科学的腐食や電気化学的腐食より保護してい
る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、防食性に優れた受電盤や配電盤ボックス(以後、配電盤ボックスに 統一する)を、広く世の中に提供せんとするものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、人類が金属を発見してから金属腐食(以後、腐食または錆びと云う)は 、金属の寿命を著しく縮める厄介なものであり、そのための防食処理として、薬 品や塗料を塗布したり、被膜を形成して対応している。
【0003】 腐食は金属が外部からの科学的な作用によって消耗する事で、液相との接触に よって起こる腐食を湿食(水分が存在する場合に起こる腐食)と云い、常温で鉄 が錆びる事などを云う。
【0004】 また、気相との接触によって起こる腐食を乾食(比較的高い温度で起こる腐食 )と云い、高温で空気、ハロゲン、亜硫酸ガスなどに侵され、錆びる事などを云 う。
【0005】 腐食の形態を見ると、表面が一様に腐食されるもののほか、ステンレスなどの ように結晶粒の間に腐食が進んでいくもの(粒間腐食)、防食のための被膜が局 部的に剥げて腐食が表面に広がらず、金属内部に進んでいくもの(点食)などが ある。
【0006】 腐食を科学的に見ると、純科学的なものと電気化学的なものに分けられ、純科 学的なものは、金属と外部の物質に対し、直接または間接に化合するものであり 、電気化学的なものは、電気分解作用や電池作用などによる金属の変質である。
【0007】 錆の発生は酸化であり水と空気が関係している。さらに、土、塩酸、希硫酸、 科学物質、ガスによっても錆の進行は進み、この様な物質を電解質と云う。電解 質はイオンを含んでいて、イオンの動きによって直流電流を運ぶ事から、電流を 流す事が出来る性質を有するものであり、電解質は電気を通しやすい物質と云え る。
【0008】 これらの事から錆の発生理由は、水や空気、土、塩酸、希硫酸、科学物質、ガ スなどの電解質が電気化学的に金属と反応する事によって起る。
【0009】 錆が電気化学的に生じる事は原子と関係があり、原子はプラスの電気を持つ陽 子が入っている原子核と、マイナスの電気を持つ複数個の電子から出来ており、 原子核と電子はプラスとマイナスの数が等しく、互いに引き付けあってバランス を取り、安定した原子として存在する。
【0010】 しかし、原子核の外側を回っている電子は引き付け合う力が弱いので、何らか の刺激によって原子核から離れ、金属の中を自由に動き回ってしまう電子もあり 、此れを自由電子と云っている。
【0011】 自由電子は様々な働きをするが電流もその一つで、電子が移動すると電流が発 生し、水や空気、土、塩酸、希硫酸、科学物質、ガスなどの電解質が金属に触れ ると、自由電子はイオンを含む電解質の中に奪われてしまうと共に、他の電子も 刺激され激しい反応を起す。
【0012】 この反応が酸化であり、電解質の中に電子が奪われてしまう事により金属中の 電子が少なくなって、その金属は溶け、もろくなり性質を変えるのが錆の発生原 因である。
【0013】 錆の発生は、金属の電子が他の物質に移動する事によって起り、接触する物質 の性質によって進行の早さが変わるものであり、すなわち、電子が移動するのが 電流であるから、電流が多くなると錆の進行も早くなるものである。
【0014】 腐食は継続的に起こる性質があり、その防止方法として従来より、めっき、塗 装、表面酸化物被膜の形成(以後、FRPコーティングまたはポリウレタン樹脂 コーティングと云う)、電気防食などが用いられている。
【0015】 本考案は配電盤ボックスの腐食防止に関するものであり、屋外設置型の配電盤 ボックスや科学薬品またはそれらを扱う工場、湿気が多く結露を招く場所など、 腐食を起こしやすい環境に設置する配電盤ボックスを対象としている。
【0016】 特に、屋外設置型の配電盤ボックスは、厳しい気象条件のなかで屋外に設置さ れている事から、酸性雨や車両の排気ガスによる障害、海岸線沿いに設置すると 海風による塩害、さらに、都市部や道路脇に設置すると融雪剤による塩害を生じ 、また、走行車両の石や氷塊の跳ね上げ衝撃による破損など、様々な障害を受け る。
【0017】 上述した様な配電盤ボックスは、様々な外圧的障害や気候障害、薬品障害など 、有りとあらゆる障害を受けるため、設置場所に規制をもうける事となり、従っ て、設置場所ごとに仕様の変わる製品を作らざるを得ない事から、生産者はコス トダウンと製品性能の向上に苦慮している。
【0018】
【考案が解決しようとする課題】
従来、屋外や腐食を起こしやすい工場などに設置する配電盤ボックスには、防 食処理として、次ぎのような処理を施しているが、防食処理を行う上での条件も 加味しなければならない。
【0019】 防食処理を行う上での条件として次ぎの事が上げられる。1.耐候性(気候障 害、耐塩、耐薬品など)に優れている事。2.断熱性(耐熱及び耐寒、結露防止 など)に優れている事。3.衝撃などの傷による錆びに対応出来る事。4.施工 性(如何なる形状や大きさにも対応出来る)に優れている事。
【0020】 5.絶縁性に優れている事。6.貼紙などに対応出来る素材か、処理を容易に 行う事が出来るものである事。7.価格が手頃である事などが上げられるので、 これらの事を念頭において防食対策の実例を上げ、適合、不適合を前記の番号を 示し、有効性を判別する。
【0021】 一般的処理方法として耐塩塗装処理があり、4.7.に有効性を示すポイント を付ける事が出来るが、他の項目に付いては不適合性を示す。
【0022】 溶融亜鉛めっき処理では1.3.に有効性を示すポイントを付ける事が出来る が、他の項目に付いては不適合性を示し、特に、4.の施工性ではめっき工程で ボックスに変形(撓みや歪み)を起こす事から、作業の煩雑さを生むと共に形状 や大きさにも制限が加えられる。
【0023】 近年、FRPコーティング処理が主に用いられており、1.〜7.迄の各項目 に有効性を示すポイントを付ける事が出来るが、4.の施工性、特に、大型のボ ックスの製作時に障害を示す事実が表れてきた。
【0024】 FRPコーティング処理は下地鋼材である函体にガラスシートを張付けて一層 とし、乾燥するとまた一層を張付け所定の厚みや強度を示すまで、複数層を重ね あわせ形成した後、オリビンサンド仕上を施し完成品としている。
【0025】 FRPコーティングは前述の如く成型している事から、下地鋼材と防食処理は 一体化し、防食の面から云うと優秀な効果を生みだしているが、配電盤ボックス などの函体は下地素材が鋼材である事から、日中と夜間、さらには季節の寒暖の 差によって伸縮を繰り返している。
【0026】 FRPコーティングは下地鋼材より膨張係数が少ないため、函体が大型に成れ ば成るほど膨張係数の比率が大きくなり、従って、コーティングが剥げやすくな るなどの障害を生じせしめるが、小型ボックスでは膨張係数の比率を問題視する にいたらず、それなりの効果を示している。
【0027】 また、発注者の要望により、配電盤ボックスなどの函体その物をステンレス鋼 材によって製作される事も行われているが、1.3.4.に有効性を示すポイン トを付ける事が出来るが、他の項目に付いては不適合性を示す。
【0028】
【課題を解決するための手段】
屋外設置型の配電盤ボックスや科学薬品工場、または、これらを扱う工場、湿 気が多く結露を招く場所など、腐食を起こしやすい場所に設置する配電盤ボック スには、腐食を起こしえる様々な条件が備わっている。
【0029】 そのため、配電盤ボックスの製造業者は、函体を成型する下地素材の鋼板を腐 食から守るために、様々な防食処理方法を考え施工してきたが、施工方法により 一長一短が有る事はやむを得ない事と考えている。
【0030】 考案が解決しようとする課題で述べている耐塩塗装処理は、塗料を、函体を成 型する下地素材の鋼板へ塗布する工法である。従って、如何なる形状や大きさに も対応出来る事から、施工性に優れている上価格が安価である。
【0031】 しかし、耐侯性を称す中で、耐塩対策としてはそこそこの効果を示すが、配電 盤ボックスは主に鋼板性の函体で成型され、塗料を塗布して完成品として設置し ている事から、酸性雨対策や走行車両が排出する排気ガス対策などの気象障害、 耐熱対策や結露防止などの断熱性や絶縁性については無防備状態である。
【0032】 また、絶縁性について無防備状態である事から、特に、屋外設置物件について の電気化学的な腐食は多く発生している。さらに、走行車両の石や氷塊の跳ね上 げ衝撃による破損などには、殆ど効果を示していない。
【0033】 近年、頻繁に起こっている都市形公害として、公的設置物に対する貼紙公害が 有り、張付けられたチラシやビラを剥ぎ取る際、塗布した塗料を削り落したり、 傷を付ける事から腐食の原因を発生せしめているが、これらの事には、まるで効 果を示していない。
【0034】 めっきを用いた防食処理は多種の工法が有る。めっきは耐食性、堅牢性をもた せる金属表面処理法の代表的なもので、鍍金とも云われている。
【0035】 近代のめっき方法として一般的なものには、「電気めっき」があり、これにつ いては、清浄化した金属材料を陰極として金属塩溶液のめっき槽に入れ、めっき する金属を陽極として直流電力を通すと陰極の材料表面に金属膜が形成される。
【0036】 「溶融めっき(どぶづけめっき)」については、めっきする金属の溶融槽に金 属材料をつけ込む事により、金属膜が形成される。「金属溶射法(メタリコン) 」については、溶融した金属を霧状にして金属材料に吹き付ける事により、金属 膜が形成される。
【0037】 「真空蒸着」については、真空中で金属を蒸発させて、金属材料の表面に固着 させる。「科学めっき」については、イオン化傾向の大きい金属(金・銀・銅な ど)の塩の溶液に金属材料をつけ込む事により、金属膜が形成される。
【0038】 この様に、様々なめっき工法があるが、本課題の対象としての防食処理として は、一般的に用いられている耐候性処理の内で、溶融めっき(どぶづけめっき) の主流を示す溶融亜鉛めっきと、FRPコーティングをその対象とする。
【0039】 溶融亜鉛めっき処理は、高温で溶解した亜鉛の溶融槽に鋼板にて成型した函体 をつけ込み、亜鉛膜を形成する工法であり、処理層の厚みもある事から優れた耐 侯性を示し、耐塩対策や酸性雨対策、走行車両が排出する排気ガス対策などの気 象障害、走行車両の石や氷塊の跳ね上げ衝撃による破損などには、ある程度の効 果を発揮する。
【0040】 しかし、配電盤ボックスの多くは鋼板性の函体で成型され、溶融亜鉛めっきを 施して完成品として設置している事から、耐熱対策や結露防止などの断熱性、さ らに、絶縁性については無防備状態であり、屋外設置物件についての電気化学的 な腐食が多く発生している。
【0041】 また、溶融亜鉛めっき処理は、高温で溶解した亜鉛の溶融槽に鋼板で成型した 函体をつけ込み、亜鉛膜を形成する工法である事から、めっき工程で函体に変形 (撓みや歪み)を起こし、作業の煩雑さを生むと共に、溶融槽の大きさや形状に よって、めっきを施す製品そのものに加工上の制限が加えられる。
【0042】 前述した貼紙公害に対しても、張付けられたチラシやビラを剥ぎ取る作業で、 めっきを施した亜鉛を削り落したり、傷を付ける事から腐食の原因を発生せしめ る事から、これらの事には効果を示さない。
【0043】 発注者の要望により、配電盤ボックスなどの函体その物をステンレス鋼材によ って製作されても、施工性には有効性を示す事は出来るが、他の事柄については 溶融亜鉛めっきを施したものと大差を感じさせないし、価格の面で不満が残るも のである。
【0044】 また、FRPコーティング処理は、下地鋼材である函体にガラスシートを張付 けて一層とし、乾燥するとまた一層を張付け所定の厚みや強度を示すまで、複数 層を重ねあわせ形成した後、オリビンサンド仕上を施し完成品としている。
【0045】 FRPコーティングは前述の如く成型している事から、下地鋼材と防食処理は 一体化し、防食の面から云うと各項目ごとに優秀な効果を生みだし、貼紙公害に 対しても、張付けられたチラシやビラを剥ぎ取り易くなり、傷を付ける事も無い 事から腐食の原因を発生せしめず、これらの事にも効果を示している。
【0046】 しかし、配電盤ボックスなどの函体は下地素材が主に鋼材である事から、日中 と夜間、さらには季節の寒暖の差によって伸縮を繰り返している。
【0047】 FRPコーティングは下地鋼材より膨張係数が少ないため、函体が大型に成れ ば成るほど膨張係数の比率が大きくなり、従って、撓みや歪みによってコーティ ングが浮き上って剥げやすくなるなどの障害を生じせしめるが、小型ボックスで は膨張係数の比率を問題視するにいたらず、それなりの効果を示している。
【0048】 本考案による防食仕様の配電盤ボックスには、コーティング材としてポリウレ タン樹脂を用いている。ポリウレタン樹脂は柔軟性と施工性に優れている事から 、ポリウレタン樹脂コーティング層を形成するにあたって、一定の厚みなどを形 成するには、理想的な素材と云える。
【0049】 ポリウレタン樹脂はゴムに匹敵するほどの柔軟性を有しているが、ゴムと異な り経年変化に優れていると共に、函体の素材表面にも馴染み易く、従って、函体 の素材が寒暖の差によって伸縮を繰り返しても、コーティング自体も同様に伸縮 を繰返す事から、コーティング層を下地素材と分離させる事を示さない。
【0050】 故に、コーティングに亀裂やひび割れなど、傷の発生を減少せしめるものにな ると共に、ポリウレタン樹脂の柔軟性は寒さにも強く、極端な硬化状態を示さな い事から、石や氷塊の跳ね上げなど、少々の衝撃ではコーティングに傷を発生さ せる事も少なくなり、外気や異種物と遮断して純科学的腐食より保護している。
【0051】 また、素材の柔軟性から、扉などの分割部以外はシームレス塗膜として施工が 可能である事から防食性を飛躍的に向上せしめると共に、コーティング表面のエ ンボス模様も容易に施す事が出来、張り紙などの除去処置が容易に行え、万が一 の交通事故の破損などに対しても現場における補修が可能である。
【0052】 配電盤ボックスを設置する時はベースを介して設置するが、配電盤ボックス本 体とベースの間に絶縁パッキングを装着、絶縁ボルトナットによって接続し、絶 縁コーキングを施して設置、電気化学的腐食より保護している。
【0053】
【実施例1】 本考案による防食仕様の配電盤ボックスの実施例を図面に基づき説明する。図 1は本考案である防食仕様の配電盤ボックス本体の正面図、図2は本考案である 防食仕様の配電盤ボックス本体の側面図、図3は図2のX部、拡大断面詳細図、 図4は、ポリウレタン樹脂コーティング層の詳細を表す一部断面図である。
【0054】 本考案による防食仕様の配電盤ボックス本体Aは、コーティング材としてポリ ウレタン樹脂を用いたものであり、所定の厚みをもつポリウレタン樹脂コーティ ング層Cは、鋼板C5に清掃の後下地処置を施して養生、プライマーC4を塗布 した後ウレタンを吹き付けてポリウレタンコーティングC3とし、トップコート C2を塗布して構成したものである。
【0055】 この、ポリウレタン樹脂コーティング層Cは、防食仕様の配電盤ボックス本体 Aの配電盤ボックス扉A1、配電盤ボックス屋根A2、配電盤ボックス側面A3 の両側面、配電盤ボックス背面A4の函体の素材表面に形成されている。
【0056】 配電盤ボックス扉A1と本体の接合部分は図3に示しているとおり、扉を受け 止める如く成型した水切り溝の表面、並びに、扉の折り込み部分の表面、また、 木口については、切り口を包込むように形成して外気や異種物と遮断し、純科学 的腐食より保護している。
【0057】 防食仕様の配電盤ボックス本体Aを設置する時は、ベースBを介して設置する が、防食仕様の配電盤ボックス本体AとベースBの間を絶縁パッキング挿入代H とし、絶縁パッキングを装着、絶縁ボルトナットによって接続し、絶縁コーキン グを施して設置、電気化学的腐食より保護している。
【0058】
【考案の効果】
従来より、配電盤ボックスなどの函体は下地素材が主に鋼材である事から、日 中と夜間、さらには季節の寒暖の差によって伸縮を繰り返し、この伸縮が下地素 材と異質な材料を用いる塗装やFRPコーティングなどのような被膜を形成する コーティング法には、撓みや歪みの原因となり、コーティング層を下地素材と分 離させて、剥げ易くするなどの障害を生じせしめる。
【0059】 本考案による防食仕様の配電盤ボックスには、コーティング材としてポリウレ タン樹脂を用いている。ポリウレタン樹脂は柔軟性と施工性に優れている事から 、ポリウレタン樹脂コーティング層を形成するにあたって、一定の厚みなどを形 成するには理想的な素材である。
【0060】 ポリウレタン樹脂はゴムに匹敵するほどの柔軟性を有しているが、ゴムと異な り経年変化に優れていると共に、函体の素材表面にも馴染みやすい。従って、F RPコーティングとは異なり、函体の素材が寒暖の差によって伸縮を繰り返して も、コーティング自体も同様に伸縮を繰返す事から、コーティング層を下地素材 と分離させる事を示さない。
【0061】 故に、コーティングに亀裂やひび割れなど、傷の発生を減少せしめるものにな ると共に、ポリウレタン樹脂の柔軟性は寒さにも強く、極端な硬化状態を示さな い事から、石や氷塊の跳ね上げなど、少々の衝撃ではコーティングに傷を発生さ せる事も少なくなり、外気や異種物と遮断して純科学的腐食より保護している。
【0062】 また、素材の柔軟性から、扉などの分割部以外はシームレス塗膜として施工が 可能である事から防食性を飛躍的に向上せしめると共に、コーティング表面のエ ンボス模様も容易に施す事が出来、張り紙などの除去処置が容易に行え、万が一 の交通事故の破損などに対しても現場における補修が可能である。
【0063】 配電盤ボックスを設置する時はベースを介して設置するが、配電盤ボックス本 体とベースの間に絶縁パッキングを装着、絶縁ボルトナットによって接続し、絶 縁コーキングを施して設置、電気化学的腐食より保護している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案である防食仕様の配電盤ボックス本体の
正面図。
【図2】本考案である防食仕様の配電盤ボックス本体の
側面図。
【図3】図2のX部、拡大断面詳細図。
【図4】ポリウレタン樹脂コーティング層の詳細を表す
一部断面図
【符号の説明】
A 防食仕様の配電盤ボックス本体 A1 配電盤ボックス扉 A2 配電盤ボックス屋根 A3 配電盤ボックス側面 A4 配電盤ボックス背面 B ベース C ポリウレタン樹脂コーティング層 C2 トップコート C3 ポリウレタンコーティング C4 プライマー C5 鋼板 D 吊り上げ金具 E 検視窓 F フイルター付通気孔 G ハンドル H 絶縁パッキング挿入代 I 銘板 X 詳細部符号

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本考案による防食仕様配電盤ボックス本
    体Aは、ポリウレタン樹脂を所定の厚みをもつポリウレ
    タン樹脂コーティング層Cとし、防食仕様配電盤ボック
    ス本体Aの配電盤ボックス扉A1、配電盤ボックス屋根
    A2、配電盤ボックス側面A3の両側面、配電盤ボック
    ス背面A4の函体の素材表面に形成したものであり、配
    電盤ボックス扉A1と本体の接合部分は、扉を受け止め
    る如く成型した水切り溝の表面、並びに、扉の折り込み
    部分の表面、また、木口については、切り口を包込むよ
    うに形成して外気や異種物を遮断し、純科学的腐食や電
    気化学的腐食より保護する事を特徴とする防食仕様の配
    電盤ボックス。
  2. 【請求項2】 防食仕様の配電盤ボックス本体Aを設置
    する時はベースBを介して設置するが、防食仕様の配電
    盤ボックス本体AとベースBの間を絶縁パッキング挿入
    代Hとし、絶縁パッキングを装着、絶縁ボルトナットに
    よって接続し、絶縁コーキングを施して設置、電気化学
    的腐食より保護する事を特徴とする防食仕様の配電盤ボ
    ックス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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