JP3070441U - 自動ガス膨張式頭部用衝撃緩和装置。 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】二輪車等の搭乗者保護用具、高所作業者の落下
保護用具等として、頭部ならびに首部分を集中的に保護
する自動ガス膨張式頭部用衝撃緩和装置を提供する。 【解決手段】作動時には緩衝機構となるリング状の膨張
気室ケース内に折畳まれて収納される透明素材の二重構
造の膨張気室は、ガスの注入により膨張する外室ならび
に大気を吸入することから膨張する内室の二室と逆流防
止バルブにより、注入されるガス圧と大気圧の差から発
生する内室外室の内圧の差を使用した二段階緩衝装置と
なる構造を有する。また、膨張気室に膨張時のガス注入
装置として設けられるフレキシブルガスラインが、同時
に起動用鍵ならびに膨張気室膨張後の離脱機能を一体と
して構成されているため、単純ながら自動的かつ確実に
起動装置の起動、ガス注入、膨張室膨張、起動装置及び
ガスシリンダー部よりの離脱作動が順次働らく効果を有
する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、二輪車等の搭乗者保護用具、高所作業者の落下保護用具、運動用具 等として非作動時の使用者の自由度ならびに解放感に優れた自動ガス膨張式頭部 用衝撃緩和装置であり、作動時には緩衝機構となる透明素材の二重膨張気室を有 するリング状膨張気室ケースと、ケース内の膨張気室にガスを注入するフレキシ ブルガスラインが同時に有する起動用鍵としての機能と膨張後の離脱機能に関す るものであり、これに別体の起動装置およびガスシリンダー部を加える事により 自動ガス膨張式頭部用衝撃緩和装置として作動するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、二輪車等の搭乗者保護用具、高所作業者の落下保護用具、運動用具等と して知られるヘルメットは、搭乗者の頭部を保護する用具として有効な装備とし て存在したものであるが、本考案は実用新案登録第３０４８０９４号同様に緊急 時の物理的現象を起動要因として作動効果するものであり、頭部ならびに首部分 を集中的に保護する用具としては、本考案のような機能を有するものは存在して いない。又、本考案における起動装置ならびに起動用鍵に関しては実願平１１− ４８６４号を基本的に参照したものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

二輪車等の交通事故災害時、高所作業者の落下事故災害時、スポーツ中の激突 災害時における搭乗者、作業者、運動選手の頭部保護に対するヘルメットの有効 性は明らかな進歩であったが、一方において、その着用に際する自由度ならびに 解放感の喪失、視野の減少、着用の面倒感、暑気時の不快感、ひいては近年顕著 な傾向として見られる頭髪のヘルメット着用による乱れを嫌悪する風潮等により 、正規の効力あるヘルメットの正しい着用が行われない事実も存在するものであ る。本考案は、起動装置およびガスシリンダー部が別体として効力範囲内に固定 装着可能である条件下においては、非作動時に搭乗者が日常経常的に使用するに あたり、首にかけるだけという充分簡易な方法で衝撃緩和効果を有する装置を装 着するものであり、従来型ヘルメットとの同時使用も使用者の首部分への衝撃を 考慮すれば、より効果的なものである。

【０００４】 又、本考案の特徴的な形状については、二輪車等の搭乗者、高所作業者、運動 選手特有の運動性と自由度を確保するために非作動時はリング状膨張気室ケース がコンパクトな形状を持つものであると共に、起動装置およびガスシリンダー部 が別体として存在する事により軽量であり、使用者のバランス性の向上に貢献し ようとするものである。

【０００５】 作動に関しては、ガス注入用のフレキシブルガスラインが同時に有する起動用 鍵としての機能と膨張後の離脱機能が一体として構成されている事により、単純 ながら自動的でかつ確実に起動装置の起動、ガス注入、膨張室膨張、起動装置お よび二酸化炭素ガスシリンダー部よりの離脱作動が順次働くように考案されおり 、二輪車搭乗者、高所作業者、運動選手等の使用者の意志に反して起こり得る事 故災害に対し単純な物理的機構と作動が対応する事により作動不良の要因を排除 しようとするものである。

【０００６】 本考案のリング状の膨張気室ケース内に折り畳まれて収納される透明素材の二 重構造の膨張気室は、膨張時に頭部を必要以上に圧迫することなく衝撃に対応す る為に、内室が逆流防止バルブより大気圧を注入する事により膨張する構造を有 するものであり、同時に内室内壁を構成する蛇腹機構が膨張時の膨張室の膨張方 向の制御ならびに膨張形状の制御機能を果たす事により膨張室膨張時の効果的な 形状を既定しようとするものである。

【０００７】 本考案のリング状の膨張気室ケース内に折り畳まれて収納される透明素材の二 重構造の膨張気室は、ガスの注入により膨張する外室、ならびに大気を吸入する ことから膨張する内室、の二室と逆流防止バルブにより、注入されるガス圧と大 気圧の差から発生する内室外室の内圧の差を使用した二段階緩衝装置となる構造 を有する事により衝撃波長を打ち消しあう作用を発生し、有効な衝撃緩和能力を 得ようとするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案の自動ガス膨張式頭部用衝撃緩和装置における透明素材の二重構造の膨 張気室の膨張に際しては、フレキシブルガスラインと一体である起動用鍵の働き により起動装置が二酸化炭素ガスシリンダーの封印を破ることから、ガスがフレ キシブルガスラインを通過し、逆流防止バルブを経て膨張気室の外室に注入され る事により、リング状の膨張気室ケースのカバーが持ち上がり外室が膨張し、同 時に外室内壁と壁面を共有する内室が立ち上がる際に内室用逆流防止バルブから 大気を吸入し膨張する事で、内室外室において発生する内圧の差を使用した二段 階緩衝装置が有効な衝撃緩和能力を得るものである

【０００９】 前記の（０００８）に記するように内室は、内室内壁に設けられた蛇腹機構に より円周方向を規制されつつ上下方向に膨張し、ガス注入終了時においても、吸 入した大気圧の内圧により頭部を必要以上に圧迫することなく、衝撃に対応する 衝撃緩和能力を得るものである。

【００１０】 リング状の膨張気室ケースならびに膨張気室と一体であるフレキシブルガスラ インは、フレキシブルガスライン中を貫通するケーブルを有し、ケーブル末端に は起動用鍵を備えると共に、フレキシブルガスラインがケーブル末端の直前でケ ーブルと分岐し離脱装置を経て起動装置につながる事により、別体である起動装 置とは起動用鍵ならびに離脱装置の双方が別個に脱着可能な構造を有するもので ある。

【００１１】 前記の（００１０）に記したごとく構成されるフレキシブルガスラインに存在 する起動用鍵ならびに離脱装置は、二輪車等の交通事故災害時、高所作業者の落 下事故災害時、スポーツ中の激突災害時に車両、建築構造物、運動用具等に固定 される起動装置ならびにガスシリンダーより、本考案を装着した使用者が本人の 意志に反して引き離されるという物理的現象を起動要因として、フレキシブルガ スラインと一体であるケーブルの一端に存在する起動用鍵が起動装置から脱落す る事により起動を開始する役割と、膨張気室膨張後に離脱装置によりフレキシブ ルガスラインから起動装置を離脱する役割を果たすものであり、物理的なケーブ ルの長さとフレキシブルガスラインの最大長における全長の差が生み出す時間差 の中において、起動装置の起動、ガス注入、膨張室膨張、起動装置およびガスシ リンダー部よりの離脱作動が行われる構造を有するものである。

【００１２】

【考案の実施の形態】

本考案は、二輪車等の搭乗者保護用具、高所作業者の落下保護用具、運動保護 用具等として使用者の頭部および首部分に対する衝撃を緩和する自動ガス膨張式 頭部用衝撃緩和装置であり、作動時には緩衝機構となり、非作動時にはリング状 の膨張気室ケース内に折り畳まれて収納される透明素材の二重構造の膨張気室は 、ガスの注入により膨張する外室ならびに大気を吸入することから膨張する内室 の二室と逆流防止バルブにより、注入されるガス圧と大気圧の差から発生する内 室外室の内圧の差を使用した二段階緩衝装置となる構造を有するものである。

【００１３】 本考案は、前記の（００１２）に記する透明素材の二重構造の膨張気室の内室 内壁に蛇腹機構を有する事により、膨張室の膨張方向の制御機能ならびに膨張形 状の制御機能を有する事から、外室内室の膨張時における効果的な膨張形状を実 現するものである

【００１４】 本考案は、前記の（００１２）に記するリング状の膨張気室ケースならびに二 重構造の膨張気室と一体であるガス注入用フレキシブルガスラインを有するもの であり、フレキシブルガスラインは、そのフレキシブルガスライン中に起動用ケ ーブル、ケーブル末端に起動用鍵、フレキシブルガスライン末端に離脱装置を有 する事により、別体の起動装置ならびにガスシリンダーを含む全体で自動ガス膨 張式頭部用衝撃緩和装置となる構成を有するものである。

【００１５】

【実施例】

以下、添付図に従って実施例を説明する。 図１は、本考案の作動概念図であり、一例として自動ガス膨張式頭部用衝撃緩 和装置の装着時における二輪車搭乗者の使用例を示したものであり、図中の実線 部分は自動ガス膨張式頭部用衝撃緩和装置の非作動時を表した概念図であり、破 線部分は作動時における概念図である。図中における起動装置ならびにガスシリ ンダーの固定位置は搭乗者と車両を結ぶフレキシブルガスラインの効果的な位置 と距離関係により変更されるものである。

【００１６】 図２は、本考案の全体概念図であり、自動ガス膨張式頭部用衝撃緩和装置の全 構成装置を示したものである。図中の起動装置ならびにガスシリンダーは実願平 １１−４８６４号を基本的に参照したものである。

【００１７】 図３は、透明素材である二重構造の膨張気室の側面から見た断面概念図であり 、図面左方が前部、図面右方が後部となるものである。

【００１８】

【考案の効果】

本考案は、上述のとおり構成されているので、次に記載する効果を奏する。

【００１９】 請求項１の自動ガス膨張式頭部用衝撃緩和装置とは、リング状の膨張気室ケー ス内に折り畳まれて収納される透明素材の二重構造の膨張気室が、膨張時外室に 注入されるガス圧と内室に吸引される大気圧との内圧の差から発生する内室外室 の内圧の差を使用した二段階緩衝装置としての構造を有する事により、膨張室に 加えられた打撃による衝撃波長を打ち消しあう効果を奏するものである。

【００２０】 請求項２の自動ガス膨張式頭部用衝撃緩和装置とは、透明素材の二重構造の膨 張気室の内室に構成される内壁の蛇腹機構により、膨張時の膨張室の膨張方向の 制御機能ならびに膨張形状の制御機能を有する事から、膨張時における膨張室の 効果的な膨張形状を得るものである。

【００２１】 請求項３の自動ガス膨張式頭部用衝撃緩和装置とは、膨張気室に膨張時のガス 注入装置として必然的機構として設けられるフレキシブルガスラインが、同時に 起動用鍵ならびに膨張気室膨張後の離脱機能を一体として構成されている事によ り、単純ながら自動的でかつ確実に起動装置の起動、ガス注入、膨張室膨張、起 動装置およびガスシリンダー部よりの離脱作動が順次働く効果を得ているもので ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】作動概念図

【図２】自動ガス膨張式頭部用衝撃緩和装置全装置概念
図。

【図３】二重構造の膨張気室断面概念図。

【符号の説明】

１ リング状膨張気室ケース ２ 二重構造膨張気室 ３ フレキシブルガスライン ４ 起動装置 ５ ガスシリンダー ６ 離脱装置 ７ ケーブル ８ 起動用鍵 ９ 起動用鍵装着口 １０ 内室 １１ 外室 １２ 逆流防止バルブ １３ 内室内壁蛇腹機構

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 本考案の自動ガス膨張式頭部用衝撃緩和
   装置とは、リング状の膨張気室ケース内に折り畳まれて
   収納される透明素材の二重構造の膨張気室が、ガスの注
   入により膨張する外室と、大気を吸入して膨張する内室
   の二室を有し、それぞれの気室に備えられる逆流防止バ
   ルブにより、注入されるガス圧と大気圧の差から発生す
   る内室外室の内圧の差を使用した二段階緩衝装置となる
   構造を有する事を特徴とする自動ガス膨張式頭部用衝撃
   緩和装置。
2. 【請求項２】 請求項１に記する二重構造の膨張気室内
   室に構成される内壁の蛇腹機構により、膨張時における
   膨張室の膨張方向の制御機能ならびに膨張形状の制御機
   能を有する構造を特徴とした自動ガス膨張式頭部用衝撃
   緩和装置。
3. 【請求項３】 本考案の自動ガス膨張式頭部用衝撃緩和
   装置とは、請求項１に記載のリング状の膨張気室ケース
   ならびに外室と、起動装置およびガスシリンダー間に、
   ガス注入時の必然的機構として設けられるフレキシブル
   ガスラインが、起動装置を起動させる鍵としての機能を
   同時に有すると共に、膨張気室が膨張後に、膨張気室ケ
   ース、内室外室の膨張気室ならびにフレキシブルガスラ
   インが起動装置およびガスシリンダー部より離脱する離
   脱装置を有する構造を特徴とする自動ガス膨張式頭部用
   衝撃緩和装置。