JP3067999B2 - 搬送ベルト及びその製造方法 - Google Patents

搬送ベルト及びその製造方法

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JP3067999B2
JP3067999B2 JP8080234A JP8023496A JP3067999B2 JP 3067999 B2 JP3067999 B2 JP 3067999B2 JP 8080234 A JP8080234 A JP 8080234A JP 8023496 A JP8023496 A JP 8023496A JP 3067999 B2 JP3067999 B2 JP 3067999B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、搬送管内におい
て断面略U字状に弾性変形した状態でエアにより浮上し
つつ走行して被搬送物を搬送する搬送ベルト及びその製
造方法に関し、特にベルト走行抵抗を低減する対策に関
する。
【0002】
【従来の技術】例えば、特開平4−317911号公報
に記載されているように、内外2重の円管と、その円管
の両開口端近傍位置に配置された1対のプーリと、これ
ら両プーリ間に巻き掛けられた状態で両スパンが上記各
々の円管内に配置された搬送ベルトとを備え、上記搬送
ベルトを各管の内部底面からのエアにより浮上させつつ
走行させることにより、上記搬送ベルト上に載置された
被搬送物を搬送するようにした搬送装置は知られてい
る。また、上記搬送ベルトとしては、一般に、帆布から
なる心体と、この心体の表裏両面にそれぞれ積層された
カバーゴムとで構成されている。
【0003】つまり、図12に模式的に示すように、各
円管aの底部中央には、その長さ方向に所定ピッチ間隔
をおいて多数の給気孔b,b…が設けられており、上記
搬送ベルトcは、円管aの内面形状に沿うように断面円
弧状に弾性変形した状態で、給気孔b,b…から吹き出
されたエアにより浮上し、このことで、搬送ベルトcの
走行抵抗を小さくできるようになされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の搬送ベルトcでは、図12に誇張して示すように、
円管aの内面に対するベルト両耳部d,dの各角部分の
接触圧が高いために、ベルト幅方向へのエアの抜けはよ
くなく、このことで走行抵抗が増大し易いという問題が
ある。
【0005】また、上記の接触により角部分のゴムが摩
耗し易く、その摩耗粉が被搬送物に混入するという問題
もある。
【0006】ここで、ゴム種の硬度(HS )及びDIN
摩耗(JIS K 6264の「加硫ゴムの摩耗試験方
法」参照)において互いに異なる3種類のゴム種を用い
てなる従来の搬送ベルトの約300hrsに亘る走行後
の摩耗状態について具体的に説明すると、図13(a)
〜(c)にそれぞれ拡大して示す(ベルト幅方向の中間
部は図示を省略している)ように、何れの場合も、ゴム
物性による摩耗形状や摩耗量の相異はあるものの、ベル
ト両耳部d、dの角部分の摩耗は起こっていることが判
る。尚、同図において、(a)は硬度がHS ≧60°で
かつDIN摩耗が90mm3 以下である超耐摩耗性ゴム
種の場合であり、(b)は硬度がHS =40°でかつD
IN摩耗が150mm3 以下である柔硬度耐摩耗性ゴム
種の場合であり、(c)は硬度が同じくHS =40°で
かつDIN摩耗が300mm3 以下である柔硬度の普通
ゴム種の場合である。そして、キャリア用円管内ではベ
ルト裏面(同図の下面)が、またリターン用円管内では
ベルト表面(同図の上面)がそれぞれ下面側となる。
【0007】この発明は斯かる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、搬送管内で断面略U字状に弾性変
形した状態でエアにより浮上しつつ走行するようにした
搬送ベルトにおいて、その両耳部の各角部分の断面形状
に改良を加えることで、管内面に対する角部分の接触圧
を下げることができるようにし、もって、エアの抜けを
向上させて走行抵抗の低減が図れるようにするととも
に、上記接触に起因する摩耗粉の発生量を抑えて被搬送
物に混入する摩耗粉の量を少なくできるようにすること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明では、ベルト両耳部の角部分を、該角部
分の管内面への接触が促進される断面形状に形成するこ
とで、その接触面を大きくして接触圧を下げるようにし
た。
【0009】具体的には、請求項1の発明では、断面略
矩形状に設けられ、断面略円形状をなす搬送管内に配置
されて断面略U字状に弾性変形した状態で該搬送管の底
部中央からのエアにより浮上しつつ走行して被搬送物を
搬送するようにされていて、上記搬送管内に載置された
ときにベルト幅方向の両耳部の各角部分が該搬送管の内
面とそれぞれ接触する搬送ベルトが前提である。そし
て、上記各耳部の両角部分のうち、上記搬送管の内面と
それぞれ接触する側の各角部分に、上記搬送管内に載置
されたときに該搬送管の内面との接触面を大きくする所
定断面形状の接触促進部がそれぞれ形成されているもの
とする。上記の構成において、搬送管内に搬送ベルトが
載置されると、その両耳部の各角部分は、所定断面形状
の接触促進部により大きな接触面で搬送管の内面に接触
する。これにより、その両耳部の角部分が直角をなして
いて上記接触面が小さくなっている従来の場合に比べ
て、搬送管の内面に対するベルト両耳部の各角部分の接
触圧は下がるようになる。よって、エアの抜けが向上し
て走行抵抗が低減されるとともに、搬送ベルトの走行に
伴う上記角部分の摩耗が回避され、その摩耗粉が被搬送
物に混入するという事態は未然に防止される。
【0010】請求項2の発明では、上記請求項1の発明
において、各接触促進部は、それぞれ断面円弧状をなす
ものとする。また、請求項3の発明では、同じく請求項
1の発明において、各接触促進部はそれぞれ断面傾斜状
をなすものとする。よって、これら何れの構成において
も、両耳部の各角部分は、その接触促進部により、搬送
管内に載置されたときに該搬送管の内面との接触面が効
率よく大きくなり、上記請求項1の発明での作用は具体
的にかつ適正に営まれることとなる。尚、これらの場合
に、ベルト耳部の両角部分同士の断面形状は必ずしも対
称である必要はなく、各角部分の摩耗状態等に応じて適
宜設定することができる。
【0011】請求項4の発明では、上下1対のプレス
と、該両プレス間のベルト幅方向の両側に配置された左
右1対の耳金との間でベルト中間体を成形して上記請求
項1の発明に係る搬送ベルトを製造する方法として、上
記ベルト中間体の両耳部の各角部分にそれぞれ接触促進
部が形成された状態に該耳部を成形する断面形状の耳金
を用いるようにする。この構成において、搬送ベルトの
両耳部は、その各角部分にそれぞれ接触促進部が形成さ
れた状態に各耳金により成形される。よって、上記請求
項1の発明に係る搬送ベルトが効率よく得られるととも
に、接触促進部の断面形状が均一化される。
【0012】請求項5の発明では、上記請求項1の発明
に係る搬送ベルトを製造する方法として、断面略矩形状
のベルト中間体を得た後、そのベルト中間体の両耳部を
バフ加工して、該両耳部の各角部分にそれぞれ接触促進
部を形成することとする。この構成において、搬送ベル
トの両耳部の各角部分には、バフ加工により各々の接触
促進部が形成されるので、上記請求項1の発明に係る搬
送ベルトは、従来の搬送ベルトを利用して簡便に得られ
ることとなる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を図面
に基づいて説明する。図2及び図3は、この発明の実施
形態に係る搬送ベルトが使用された搬送装置の全体構成
を示し、この搬送装置では、搬送路は同各図の右側から
左側に向かって延びるように設けられており、上記搬送
路に沿って配置された断面円形状をなす両端開口の搬送
管としての外管1と、この外管1内にその長さ方向に延
びるように配置されていて、上記外管1よりも小径の断
面円形状をなす搬送管としての両端開口の内管2と、上
記外管1の搬送方向後端側(同各図の左右方向右端側)
に配置されたテールプーリ3と、搬送方向前端側(同各
図の左端側)に配置されたヘッドプーリ4とを備えてい
る。
【0014】上記テールプーリ3及びヘッドプーリ4間
には、搬送ベルト5が巻き掛けられていて、図4に拡大
して示すように、その下側スパンは外管1の内部底面上
に、また上側スパンは内管2の内部底面上にそれぞれ配
置されている。上記搬送ベルト5は、外管1内のスパン
が搬送方向とは逆の方向に向かって走行する一方、内管
2内のスパンが搬送方向に向かって走行するようになさ
れている。つまり、内管2内のスパンによりキャリア側
スパンが、また外管1内のスパンによりリターン側スパ
ンがそれぞれ構成されている。そして、外管1内ではベ
ルト表面(ベルト外周面)が、また内管2内ではベルト
裏面(ベルト内周面)がそれぞれ下面側となる。
【0015】上記外管1の両側部には、図5に示すよう
に、複数の外管点検窓7,7,…が外管1の長さ方向に
並ぶように設けられている。各点検窓7は、外管1の側
部に側方に向かって突出するように設けられた断面矩形
状の角筒部からなっていて、蓋部材8により開閉され
る。一方、上記内管2の上部には、図5ないし図6に示
すように、複数の内管点検窓9,9,…が内管2の長さ
方向に並ぶように設けられている。各点検窓9は、内管
2の上部に外管1の上部を貫通し上方に向かって突出す
るように設けられた断面矩形状の角筒部からなってい
て、上記外管点検窓7,7,…の場合と同様に蓋部材1
0により開閉される。そして、各内管点検窓9の角筒部
が外管1を貫通している部分において、内管2は外管1
に支持固定されている。さらに、内管2のテールプーリ
3側の端部には、被搬送物を内管2内の搬送ベルト5上
に投入するための投入ダクト11が上方に向けて突設さ
れている。
【0016】上記外管1のテールプーリ3側の開口端に
は、テールプーリ3を覆った状態でそのプーリ3を回転
可能に支持するテールカバー12が接続されており、こ
のテールカバー12にも複数の内部点検用の点検窓(図
示は省略している)と、その点検窓を開閉する各蓋部材
13とが配設されている。また、外管1とテールプーリ
3との間には、外管1から導出されてテールプーリ3に
巻き付けられる搬送ベルト5の下面に転動可能に圧接す
る補助プーリ14が配設されている。
【0017】一方、上記外管1のヘッドプーリ4側の開
口端には、ヘッドプーリ4を覆った状態でそのプーリ4
を回転可能に支持するヘッドカバー15が接続されてお
り、このヘッドカバー15にも、複数の内部点検用の点
検窓(図示は省略している)と、その点検窓を開閉する
各蓋部材16とが配設されている。そして、ヘッドカバ
ー15の下端には被搬送物を排出するための排出口17
が開設されている。また、ヘッドプーリ4と外管1との
間には、ヘッドプーリ4から繰り出されて外管1内に導
入される搬送ベルト5の下面に転動可能に圧接する補助
プーリ18が配設されている。さらに、ヘッドカバー1
5の外部側面には、上記ヘッドプーリ4を図3の反時計
回り方向に回転駆動する電動モータ19が設置されてい
る。
【0018】上記搬送装置には、外管1及び内管2の各
内部にエアを供給するためのブロア20が配設されてい
る。このブロア20のエア吐出口には、1本の外管用給
気管21aと、2本の内管用給気管21b,21bとが
それぞれ接続されている。そして、上記外管用給気管2
1aの先端は、図6に示すように、外管1の外部底面に
外管1の長さ方向に延びるように設けられた外管用エア
ダクト22aに接続されており、そのエアダクト22a
の天板部、つまり外管1の底部に外管1の長さ方向に所
定ピッチ間隔をおいて設けられた複数の給気孔23a,
23a,…から外管1内にエアを吹き出すようになされ
ている。
【0019】一方、上記各内管用給気管21bの先端
は、同じく図6に示すように、内管2の下半部の外部周
面に周方向に延びるように設けられた円弧状の補助ダク
ト24の両端に外管1の側部を半径方向に貫通して接続
されている。そして、この補助ダクト24は、内管2の
外部底面に内管2の長さ方向に延びるように設けられた
内管用エアダクト22bに直交するように接続されてお
り、その内管用エアダクト22bの天板部である内管2
の底部に内管2の長さ方向に所定ピッチ間隔をおいて設
けられた複数の給気孔23b,23b,…から内管2内
にエアを吹き出すようになされている。また、ヘッドカ
バー15と、内管2の2のテールプーリ3側の端部近傍
位置とには、各々、外管1及び内管2の各内部に吹き出
されたエアを外部に排気するための排気ダクト25が設
けられている。
【0020】ここで、上記搬送装置の作動を説明する
と、電動モータ19によりヘッドプーリ4が回転駆動さ
れると、搬送ベルト5のキャリア側スパンは内管2の内
部底面上を搬送方向に向かって走行し、一方、リターン
側スパンは外管1の内部底面上を搬送方向と逆の方向に
向かって走行する。そして、投入ダクト11から内管2
内に被搬送物が投入されると、その被搬送物は搬送ベル
ト5の表面上に載置された状態で搬送される。次いで、
ヘッドカバー15内で搬送ベルト5がヘッドプーリ4に
巻き付いてその表裏両面の上下位置が反転するとき、上
記被搬送物は搬送ベルト5から滑落して排出口17から
外部に排出される。その後、搬送ベルト5は表面を下面
側とする状態で外管1内に導入され、外管1の内部底面
上を走行してテールプーリ3の側にリターンする。
【0021】一方、上記のようにして循環走行する搬送
ベルト5に対し、ブロア20から外管1及び内管2の各
内部にエアが供給される。このエアは各給気孔23a,
23bから搬送ベルト5の各スパンに向けて吹き出さ
れ、このことで、上記各スパンは外管1及び内管2の各
内部底面から浮上する。これにより、外管1及び内管2
の各内部底面と、その上を走行する搬送ベルト5との間
の摺動摩擦が減ぜられるので、搬送ベルト5の走行抵抗
は低く抑えられる。そして、外管1及び内管2の各内部
に吹き出されたエアは、排気ダクト25,25から外部
に排気される。
【0022】この実施形態では、上記搬送ベルト5は、
図7に模式的に示すように、少なくとも1プライ以上の
帆布31a,31a,…(この例では2プライの帆布3
1a,31a)からなる心体31と、この心体31の表
裏両面(同図の上下両面)にそれぞれ所定厚さ(例えば
共に3mmの厚さ)に設けられたカバーゴム32,32
とを有してなっている。
【0023】そして、上記搬送ベルト5の両耳部5a,
5aの表面側の各角部分(図7に一点鎖線で示す上下中
央位置から上側の各耳部5aの部分)には、図1に模式
的にかつ誇張して示すように、上記外管1内に載置され
たときに該外管1の内面との接触面を大きくする所定断
面形状の接触促進部33が各々の角部分のベルト厚さ方
向の全体に亘ってそれぞれ形成されている。また、裏面
側の各角部分(図7に一点鎖線で示す上下中央位置から
下側の各耳部5aの部分)には、上記内管2内に載置さ
れたときに該内管2の内面との接触面を大きくする所定
断面形状の接触促進部34が、上記の場合と同様に各々
の角部分のベルト厚さ方向の全体に亘ってそれぞれ形成
されている。
【0024】具体的には、上記各接触促進部33,34
は、共にベルト厚さTの1/2の寸法を曲率半径Rとす
る断面円弧状(R=T/2)をなしている。つまり、各
耳部5aの全体としては、図7に仮想線で示す従来の搬
送ベルトに対し、それぞれ半径RがR=T/2である断
面半円形状をなしていることになる。
【0025】次に、上記搬送ベルト5の製造方法につい
て説明する。図8は、搬送ベルト5の製造装置を概略的
に示しており、上下1対のプレス41,41と、該両プ
レス41,41間のベルト幅方向(同図の左右方向)の
両側に配置された左右1対の耳金42,42とを備えて
いて、それらプレス41,41及び耳金42,42間で
ベルト中間体を所定形状に成形することで、搬送ベルト
5が製造されるようになっている。
【0026】そして、上記耳金42は、図9に拡大して
示す(同図には図8の左側の耳金42のみ示している)
ように、ベルト耳部5aを成形するための成形面42a
が、ベルト厚さTの1/2の寸法を曲率半径Rとする断
面半円形の溝状に形成されている。これにより、搬送ベ
ルト5の各耳部5aの表裏両角部分に断面円弧状の接触
促進部33,34をそれぞれ効率よく形成することがで
きるとともに、その各接触促進部33,34の断面形状
をそれぞれ均一化して安定した品質が得られるようにな
っている。
【0027】したがって、この実施形態によれば、搬送
装置の外管1内及び内管2内に搬送ベルト5を載置した
ときに、その各耳部5aの表裏両角部分を各々の接触促
進部33,34により大きな接触面で外管1及び内管2
の各内面に接触させることができるので、ベルト両耳部
の角部分が直角をなしていて上記接触面が小さくなって
いる従来の搬送ベルトの場合に比べて、外管1及び内管
2の各内面に対するベルト両耳部5a,5aの各角部分
の接触圧を共に下げることができる。よって、エアの抜
けを向上させて走行抵抗を低減することができるととも
に、搬送ベルト5の走行に伴う上記角部分の摩耗を回避
でき、その摩耗粉が被搬送物に混入するという事態を未
然に防止することができる。
【0028】尚、上記実施形態では、搬送ベルト5の各
耳部5aの表裏両角部分に、互いに同じ断面形状の接触
促進部33,34を形成するようにしているが、外管1
及び内管2の各内径や走行条件等に応じて各断面形状を
互いに異ならせてもよく、例えば外管1の内径が十分に
大きい場合には、裏面側(下面側)の接触促進部34の
みとすることもできる。
【0029】また、上記実施形態のように表裏両角部分
に互いに同じ断面形状の接触促進部を形成する場合で
も、搬送ベルトの両耳部の断面形状は、上記実施形態の
半円形状の他に、一例として、図10(a)〜(d)に
それぞれ示す断面形状の各耳金42に倣った形状とする
こともできる。
【0030】つまり、図10(a)の場合では、耳金4
2の成形面42aは、上記実施形態の場合と同様に断面
円弧部分を有するが、その場合よりも小さい曲率半径
R′の断面円弧状をなしていてベルト耳部の表裏両角部
分の表裏面側のみに断面円弧状の各々の接触促進部を形
成する上下両端部分51,51と、上下方向に鉛直な上
下中間部分52とからなっている。
【0031】図10(b)に示す耳金42の成形面42
aは断面V字状をなしていて、ベルト耳部の表裏両角部
分にそのベルト厚さ方向の全体に亘って断面傾斜状の接
触促進部を形成する上半部分61及び下半部分61から
なっている。
【0032】図10(c)では、成形面42aは、搬送
ベルトに向かって上下間隔寸法が徐々に大きくなる断面
テーパ状をなしていてベルト耳部の表裏両角部分の表裏
面側のみに断面傾斜状の各々の接触促進部を形成する上
下両端部分71,71と、上下方向に鉛直な上下中間部
分72とからなっている。
【0033】そして、図10(d)では、上記図10
(c)の場合と略同様に、断面略テーパ状の上下両角部
分81,82と、上下中間部分83とからなっている
が、下角部分82の傾斜は上角部分81よりも緩やかに
なっていてる。これは、ベルト耳部の表裏両角部分の実
際の摩耗状態に近い断面形状とするためである。
【0034】また、上記実施形態では、上下1対のプレ
ス41,41と、それら両プレス41,41間のベルト
幅方向の両側に配置された左右1対の耳金42,42と
の間でベルト中間体を成形して搬送ベルト5を製造する
ようにしているが、断面略矩形状をなす従来の搬送ベル
トをベルト中間体として用い、そのベルト中間体の両耳
部をバフ加工して、該両耳部の各角部分にそれぞれ接触
促進部を形成するようにしてもよい。
【0035】さらに、上記実施形態では、搬送ベルト5
を、2プライの帆布31a,31aからなる心体31
と、この心体31の表裏両面に積層されたカバーゴム3
2,32とを有してなるものとしているが、搬送ベルト
の構成はこれに限定されるものではない。
【0036】(実験例) 次に、上記搬送ベルトにおいて、エアの風量によるベル
ト走行抵抗の低減状態について調べた実験について説明
する。
【0037】先ず、発明例として、ベルト幅が700m
m、ベルト厚さ(実測値)が8.8mm、長さが3mで
ある有端の搬送ベルトを作製した。その際に、両耳部の
裏面側の各角部分には、それぞれ曲率半径が4.4mm
である断面円弧状の接触促進部を該角部分のベルト厚さ
方向の全体に亘って設けるようにした。また、ベルトの
構造としては、ベルト長さ方向に500kgf/cmの
強度を発揮するようにした2プライの帆布からなる心体
を形成し、その心体の表裏両面に、硬度(実測値)がH
S =43°であるゴム種を用いてそれぞれ3mmの厚さ
のカバーゴムを積層した。そのベルト総重量及びEI値
(剛性値)は、それぞれ実測値で19.0kg/3m及
び28.96kgf・mm2 /mmであった。
【0038】そして、上記発明例を、内径が496.0
mmである円管内に載置し、その円管の給気孔からエア
を吹き出させた状態で上記搬送ベルトをベルト長さ方向
に引っ張って同方向に移動させるのに要した引張力〔k
gf〕を測定し、その引張力をベルト総重量で除算して
走行抵抗係数を求めた。その際に、引張力の測定は3回
に亘って行い、その平均値を使用するようにした。尚、
上記エアの風量については、0.43m3 /min、
0.53m3 /min、1.73m3 /min及び2.
13m3 /minの4種類(何れも3m当たり)とし
た。
【0039】また、比較のために、上記発明例の場合と
同じ寸法でかつ同じ構造の搬送ベルトを作製して比較例
(両耳部の各角部分が直角のままであるもの)とし、こ
の比較例についてもその走行抵抗係数を上記と同じ要領
で求めた。以上の結果を、図11に併せて示す。
【0040】図11から判るように、エアの風量が0.
43m3 /minのときには、むしろ発明例の走行抵抗
係数の方が大きいものの、この種の搬送装置における常
用風量域である0.5m3 /min以上の場合には、逆
に、発明例の走行抵抗が低くなっている。これは、搬送
ベルトの両耳部の各角部分に断面円弧状の接触促進部が
形成されていて、該角部分の管内面に対する接触面が大
きくなっており、その分だけ接触圧が下がっていること
によるものと考えられる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、断面略円形状をなす搬送管内に配置されて断面
略U字状に弾性変形した状態で該搬送管の底部中央から
のエアにより浮上しつつ走行して被搬送物を搬送するよ
うにした搬送ベルトにおいて、そのベルト両耳部の各角
部分に、上記搬送管内に載置されたときに該搬送管の内
面との接触面を大きくする所定断面形状の接触促進部を
それぞれ形成するようにしたので、ベルト両耳部の角部
分が直角をなしていて上記接触面の小さい従来の場合に
比べて、管内面に対するベルト両耳部の各角部分の接触
圧を下げることができ、よって、エアの抜けを向上させ
て走行抵抗を低減することができるとともに、搬送ベル
トの走行に伴う上記角部分の摩耗を回避でき、その摩耗
粉が被搬送物に混入するという事態を未然に防止するこ
とができる。
【0042】請求項2の発明によれば、上記接触促進部
を、断面円弧状をなすものとしたので、また請求項3の
発明によれば、断面傾斜状をなすものとしたので、各
々、上記搬送ベルトを具体的にかつ適正に得ることがで
きる。
【0043】請求項4の発明によれば、上下1対のプレ
スと、該両プレス間のベルト幅方向の両側に配置された
左右1対の耳金との間でベルト中間体を成形して上記請
求項1の発明に係る搬送ベルトを製造する方法として、
上記ベルト中間体の両耳部の各角部分にそれぞれ接触促
進部が形成された状態に該両耳部を成形する断面形状の
耳金を用いるようにしたので、上記搬送ベルトを効率よ
く得ることができ、かつ接触促進部の断面形状を均一化
して品質を安定させることができる。
【0044】請求項5の発明によれば、上記請求項1の
発明に係る搬送ベルトの製造方法として、断面略矩形状
のベルト中間体を得た後、その両耳部をバフ加工して該
両耳部の各角部分にそれぞれ接触促進部を形成するよう
にしたので、従来の搬送ベルトを利用して上記搬送ベル
トを簡便に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係る搬送ベルトが搬送装
置の外管ないし内管内に載置された状態を模式的にかつ
誇張して示す横断面図である。
【図2】搬送装置の全体構成を示す側面図である。
【図3】搬送装置の全体構成を示す平面図である。
【図4】搬送装置の外管及び内管をそれぞれ直径方向に
断面して部分的に示す斜視図である。
【図5】図2のV−V線断面図である。
【図6】図2のVI−VI線断面図である。
【図7】搬送ベルトの基本構成を模式的に示す横断面図
である。
【図8】ベルト製造装置の基本構成を模式的に示す横断
面図である。
【図9】製造装置に用いられる耳金を拡大して模式的に
示す横断面図である。
【図10】耳金のその他の実施形態をそれぞれ示す図9
相当図である。
【図11】実験例における発明例及び比較例の風量−走
行抵抗係数の各関係を併せて示す特性図である。
【図12】従来の搬送ベルトを搬送管内に載置した状態
を模式的にかつ誇張して示す図1相当図である。
【図13】従来の搬送ベルトにおける両耳部の摩耗状態
を3種類のゴム種毎にそれぞれ拡大して示す横断面図で
ある。
【符号の説明】
1 外管(搬送管) 2 内管(搬送管) 5 搬送ベルト 5a 耳部 33,34 接触促進部 41 プレス 42 耳金

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断面略矩形状に設けられ、断面略円形状
    をなす搬送管内に配置されて断面略U字状に弾性変形し
    た状態で該搬送管の底部中央からのエアにより浮上しつ
    つ走行して被搬送物を搬送するようにされていて、上記
    搬送管内に載置されたときにベルト幅方向の両耳部の各
    角部分が該搬送管の内面とそれぞれ接触する搬送ベルト
    において、 上記各耳部の両角部分のうちの上記搬送管の内面とそれ
    ぞれ接触する側の各角部分に、上記搬送管内に配置され
    たときに該搬送管の内面との接触面を大きくする所定断
    面形状の接触促進部がそれぞれ形成されていることを特
    徴とする搬送ベルト。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の搬送ベルトにおいて、 各接触促進部は、それぞれ断面円弧状をなすことを特徴
    とする搬送ベルト。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の搬送ベルトにおいて、 各接触促進部は、それぞれ断面傾斜状をなすことを特徴
    とする搬送ベルト。
  4. 【請求項4】 上下1対のプレスと、該両プレス間のベ
    ルト幅方向の両側に配置された左右1対の耳金との間で
    ベルト中間体を成形して請求項1記載の搬送ベルトを製
    造する方法であって、 上記ベルト中間体の両耳部の各角部分にそれぞれ接触促
    進部が形成された状態に該両耳部を成形する断面形状の
    耳金を用いることを特徴とする搬送ベルトの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の搬送ベルトを製造する方
    法であって、 断面略矩形状のベルト中間体を得た後、 上記ベルト中間体の両耳部をバフ加工して、該両耳部の
    各角部分にそれぞれ接触促進部を形成することを特徴と
    する搬送ベルトの製造方法。
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