JP3067541B2 - グリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体及びその製造方法 - Google Patents
グリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体及びその製造方法Info
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Description
レングリコールエーテル誘導体に関する。さらに詳しく
は、本発明は、グリセリン残基のα、β位とγ位とで異
なる組成のポリオキシアルキレン鎖を持つ、界面活性剤
として有用な、新規なグリセリンポリアルキレングリコ
ールエーテル誘導体に関する。
することにより、グリセリンのポリアルキレングリコー
ルエーテルが合成されることは知られている。このよう
なグリセリンのポリアルキレングリコールエーテルや、
さらに、そのエーテル化あるいはエステル化した化合物
は、界面活性剤、潤滑油、化粧品、あるいは消泡剤とし
て有用であることが知られている。しかし、従来より合
成されているグリセリンのポリアルキレングリコールエ
ーテルは、グリセリンのα、β、γ位の3個の水酸基に
対して同時に、同じ組成のアルキレンオキシドを付加し
た化合物であり、したがって3個のポリオキシアルキレ
ン鎖は、組成および鎖長ともに等しい構造を有するもの
であった。グリセリンのα、β、γ位の構造の異なる化
合物としては、特開昭64−13046号公報および特
開平6−145341号公報にグリセリン残基のα位に
のみアルキレンオキシドを付加したグリセリン誘導体が
示されている。従来、グリセリンにアルキレンオキシド
を付加することによって、グリセリンのα、β、γ位に
同一構造のポリオキシアルキレン鎖を持つグリセリン誘
導体を合成することは容易であったが、グリセリンの
α、β、γ位に異なる組成のポリオキシアルキレン鎖を
持つグリセリン誘導体は知られておらず、このようなグ
リセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体の開
発が求められていた。
のα、β位とγ位とで、異なる組成のポリオキシアルキ
レン鎖を有する、新規なグリセリンポリアルキレングリ
コールエーテル誘導体を提供することを目的としてなさ
れたものである。
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、グリセリンの1
個または2個の水酸基をエーテル化、エステル化などに
より保護し、残余の水酸基にアルキレンオキシドを付加
したのち、保護した水酸基を遊離の水酸基に変換して、
さらにアルキレンオキシドを付加することにより、グリ
セリンの3個の水酸基に構造の異なるポリオキシアルキ
レン鎖を付加した化合物が得られることを見いだし、こ
の知見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は、 (1)一般式[1]で示されるグリセリンポリアルキレ
ングリコールエーテル誘導体、
キシアルキレン基であり、(A1O)mおよび(A2O)nは、
炭素数2〜4のアルキレンオキシドの1種の付加体より
なる基または2種以上のランダム状もしくはブロック状
の付加体よりなる基であり、(A1O)mおよび(A2O)nは
異なる構造を有し、R1およびR2は水素原子または炭素
数1〜24の炭化水素基もしくはアシル基で、同一でも
異なっていてもよく、R1およびR2の少なくともいずれ
か一方は炭素数1〜24の炭化水素基もしくはアシル基
であり、mおよびnはアルキレンオキシドの付加モル数
を示し、mは1〜200、nは1〜200である。)、 (2)α,β−アルキリデングリセリンに炭素数2〜4
のアルキレンオキシドを付加して、末端の水酸基をエー
テル化またはエステル化したのち、環状ケタール構造を
形成する保護基を脱離せしめ、炭素数2〜4のアルキレ
ンオキシドを付加することを特徴とする第1項記載のグ
リセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体の製
造方法、及び、 (3)グリセリン−α−モノエステルに炭素数2〜4の
アルキレンオキシドを付加して、末端の2個の水酸基を
エーテル化したのち、α位のアシル基を脱アシル化し
て、炭素数2〜4のアルキレンオキシドを付加すること
を特徴とする第1項記載のグリセリンポリアルキレング
リコールエーテル誘導体の製造方法、を提供するもので
ある。
ンポリアルキレングリコールエーテル誘導体において、
A1OおよびA2Oで示される炭素数2〜4のオキシアル
キレン基としては、オキシエチレン基、オキシプロピレ
ン基、キオキシブチレン基、オキシテトラメチレン基な
どが挙げられ、これらは、エチレンオキシド、プロピレ
ンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフランな
どを付加することにより形成せしめることができる。こ
れらは、単独でも、2種以上が混合して付加していても
よく、2種以上が付加している場合は、ランダム状でも
ブロック状でもよい。一般式[1]で表される本発明の
グリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体に
おいて、(A1O)mおよび(A2O)nは、上記の炭素数2〜
4のアルキレンオキシドの1種の付加体よりなる基また
は2種以上のランダム状もしくはブロック状の付加体よ
りなる基であり、(A1O)mおよび(A2O)nは異なる構造
を有している。ここに(A1O)mおよび(A2O)nが異なる
構造を有するとは、(A1O)mおよび(A2O)nを構成する
オキシアルキレン基の組成が異なること、(A1O)mおよ
び(A2O)nを構成するオキシアルキレン基の結合状態
が、例えば、一方がランダム状で他方がブロック状であ
るごとく、異なること、(A1O)mおよび(A2O)nで表さ
れるポリオキシアルキレン鎖の鎖長が異なること、など
を意味するものである。一般式[1]で表される本発明
のグリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体
は、グリセリンの3個の水酸基に結合するポリオキシア
ルキレン鎖の構造が、α、β位に結合したポリオキシア
ルキレン鎖と、γ位に結合したポリオキシアルキレン鎖
が異なっていて、かつ、それぞれの鎖部分の鎖長および
それぞれの鎖部分が有する親水性親油性バランスを独立
して変化せしめることができるので、界面活性剤として
の特性を任意に調整することができる。このような界面
活性剤は、潤滑油、化粧品や医薬品の原料や基材および
消泡剤として有用である。一般式[1]で表される本発
明のグリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導
体において、mおよびnはアルキレンオキシドの付加モ
ル数を示し、mは1〜200、好ましくは5〜100、
より好ましくは10〜80であり、nは1〜200、好
ましくは5〜100、より好ましくは10〜80であ
る。mまたはnが200を超えると、グリセリンポリア
ルキレングリコールエーテルの粘度が高くなる。なお、
本発明においては、m=1およびn=1の場合も含め
て、グリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導
体と総称する。
ンポリアルキレングリコールエーテル誘導体において、
R1およびR2で示される炭素数1〜24の炭化水素基と
しては、直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和の脂肪族
炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基など
があり、このような炭化水素基としては、例えば、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、
ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−
ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、2−エチルヘキ
シル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル
基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキ
サデシル基、イソセチル基、オクタデシル基、イソステ
アリル基、オレイル基、イコシル基、ドコシル基、テト
ラコシル基、ベンジル基、クレジル基、ブチルフェニル
基、ジブチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニル
フェニル基、ドデシルフェニル基、ジオクチルフェニル
基、ジノニルフェニル基、スチレン化フェニル基などを
挙げることができる。R1およびR2で示される炭化水素
基の炭素数は1〜24であるが、好ましくは1〜12で
あり、より好ましくは1〜4である。R1およびR2で示
される炭化水素基の炭素数が24を超えると、反応しに
くくなる。一般式[1]で表される本発明のグリセリン
ポリアルキレングリコールエーテル誘導体において、R
1およびR2で示される炭素数1〜24のアシル基として
は、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪
酸、カプロン酸、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、
ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、マーガリン酸、
ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキン酸、ベヘン
酸、アクリル酸、メタクリル酸、パルミトレイン酸、オ
レイン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸、安息香
酸などに由来するアシル基などを挙げることができる。
R1およびR2で示されるアシル基の炭素数は1〜24で
あるが、好ましくは2〜18であり、より好ましくは2
および12〜18である。R1およびR2で示されるアシ
ル基の炭素数が24を超えると、アシル基部分の疎水性
が強くなりすぎる。
ンポリアルキレングリコールエーテル誘導体の製造法
は、下記に示す方法により、特に好適に製造することが
できる。 (1)α,β−アルキリデングリセリンのごとき環状ア
セタールまたは環状ケタール、例えば、イソプロピリデ
ングリセリンに、イソプロピリデングリセリン1モル当
たり炭素数2〜4のアルキレンオキシドA2O1〜20
0モルを付加して、イソプロピリデングリセリンモノポ
リアルキレングリコールエーテルを合成する。次いで、
末端の水酸基を塩化アルキルなどでエーテル化、または
無水酢酸などでエステル化したのち、温和な酸性条件下
で環状ケタール構造を形成する保護基を脱離せしめ、生
成した2個の水酸基を有するグリセリンモノポリアルキ
レングリコールエーテル誘導体1モル当たり、最初の付
加反応とは異なるアルキレンオキシドA1O2〜400
モルを付加し、必要に応じて末端の水酸基をエーテル化
またはエステル化することによって得ることができる。
本製造方法において、アルキレンオキシドA1Oおよび
アルキレンオキシドA2Oは、それぞれ1種のアルキレ
ンオキシドであってもよく、あるいは、2種以上のアル
キレンオキシドであってもよい。本製造方法の反応経路
を、次の式[2]に示す。
キシアルキレン基であり、(A1O)mおよび(A2O)nは、
炭素数2〜4のアルキレンオキシドの1種の付加体より
なる基または2種以上のランダム状もしくはブロック状
の付加体よりなる基であり、(A1O)mおよび(A2O)nは
異なる構造を有し、R1およびR2は水素原子または炭素
数1〜24の炭化水素基もしくはアシル基で同一でも異
なっていてもよく、mおよびnはアルキレンオキシドの
付加モル数を示し、mは1〜200、nは1〜200で
ある。)
えば、グリセリルモノアセテートに、グリセリルモノア
セテート1モル当たり炭素数2〜4のアルキレンオキシ
ドA1O2〜400モルを付加して、グリセリルモノア
セテートジポリアルキレングリコールエーテルを合成す
る。次いで、必要に応じて末端の2個の水酸基を塩化ア
ルキルなどでエーテル化したのち、酸性条件下でα位の
アシル基を脱アシル化して得られる1個の水酸基を有す
るグリセリンジポリアルキレングリコールエーテル誘導
体1モル当たり、最初の付加反応とは異なるアルキレン
オキシドA2O1〜200モルを付加し、さらに必要に
応じて末端の水酸基をエーテル化またはエステル化する
ことによって得ることができる。本製造方法において、
アルキレンオキシドA1OおよびアルキレンオキシドA2
Oは、それぞれ1種のアルキレンオキシドであってもよ
く、あるいは、2種以上のアルキレンオキシドであって
もよい。本製造方法の反応経路を、次の式[3])に示
す。
キシアルキレン基であり、(A1O)mおよび(A2O)nは、
炭素数2〜4のアルキレンオキシドの1種の付加体より
なる基または2種以上のランダム状もしくはブロック状
の付加体よりなる基であり、(A1O)mおよび(A2O)nは
異なる構造を有し、R1は水素原子または炭素数1〜2
4の炭化水素基であり、R2は水素原子または炭素数1
〜24の炭化水素基もしくはアシル基であり、mおよび
nはアルキレンオキシドの付加モル数を示し、mは1〜
200、nは1〜200である。)
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。なお、実施例中、圧力はゲージ
圧でkg/cm2で示し、%は重量%を示す。 実施例1 イソプロピリデングリセリン158.4g(1.2モル)
と水酸化ナトリウム2.4gを5リットル容オートクレ
ーブに採り、系内を窒素ガスに置換した後100℃に昇
温し、100〜150℃、10kg/cm2以下の条件でエ
チレンオキシド2460g(55.9モル)を4時間か
けて加えた後、更に1時間反応を続けた。次に窒素ガス
を通じて未反応エチレンオキシドを除去しながら60℃
まで冷却した。その後、酢酸でpHを7.0に調整し、1
00℃、100mmHg以下で1時間脱水を行った。次に、
80℃に冷却し析出した塩をろ別して化合物1−A24
17gを得た。得られた化合物1−Aの水酸基価は2
6.6(エチレンオキシド46モルが付加したときの計
算値は26.0)、凝固点は49.7℃であった。これら
の結果から、化合物1−Aの構造は式[1−A]と推定
した。
9g(1モル)、ナトリウムメトキシド84.5g(1.
56モル)を採り、系内を窒素ガスに置換した後、かき
混ぜながら100℃に昇温し、100mmHg以下で1時間
ナトリウムアルコキシド化を行った。次に、窒素ガスに
よって系内を常圧にし、塩化メチルを吹き込み、系内が
1kg/cm2になるように吹き込み量を調節しながら10
0℃で3時間保持した。その後、窒素ガスを吹き込みな
がら60℃まで冷却すると共に過剰の塩化メチルを留去
した。その後、酢酸でpHを7.0に調整し、100℃、
100mmHg以下で1時間脱水を行った。次に、80℃に
冷却し析出した塩をろ別して化合物1−B1930gを
得た。得られた化合物1−Bの水酸基価は0.1(計算
値は0)、凝固点は48.9℃であった。これらの結果
から、化合物1−Bの構造は式[1−B]と推定した。
応器に採り、10%塩酸水溶液を加えpHを1.0に調整
し、60℃で1時間かき混ぜた。その後、50%水酸化
ナトリウム水溶液で反応物のpHを6.5に調整し、10
0℃、100mmHg以下で1時間加熱して生成したアセト
ンを水と共に留去した。次に、80℃に冷却し、析出し
た塩をろ別して化合物1−C1684gを得た。得られ
た化合物1−Cの水酸基価は53.4(計算値は52.
7)、凝固点は49.4℃であった。これらの結果か
ら、化合物1−Cの構造は式[1−C]と推定した。
0.5g(0.5モル)、水酸化ナトリウムを4.0g採
り、系内を窒素ガスに置換した後、100〜150℃、
10kg/cm2以下の条件でプロピレンオキシド1050
g(18.1モル)を5時間かけて加えた後、更に2時
間反応を続けた。次に窒素ガスを通じて未反応プロピレ
ンオキシドを除去しながら60℃まで冷却した後、酢酸
でpHを7.0に調整し、100℃、100mmHg以下で1
時間脱水を行った。その後、80℃に冷却し析出した塩
をろ別して化合物1−D1845gを得た。得られた化
合物1−Dの水酸基価は28.2(計算値は27.4)、
凝固点は41.2℃であった。これらの結果から、化合
物1−Dの構造は式[1−D]と推定した。
ョンクロマトグラムを図1に、赤外吸収スペクトルを図
2に示す。また、ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィーの測定条件は次のとおりである。 <ゲルパーミエーションクロマトグラフィーの測定条件
> 機種 ;SHODEX GPC SYSTEM−1
1 展開溶媒 ;テトラヒドロフラン サンプル ;0.15%×100×0.001ml 流速 ;1.0ml/min 充填カラム;SHODEX KF−801、KF−80
3、KF−804 カラム温度;40℃ カラム長さ;I.D.8mm×30cm×3 検出器 ;RI×8 ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる測定結
果は次のとおりである。 数平均分子量(Mn)=3967 重量平均分子量(Mw)=4118 多分散度(Mw/Mn)=1.038 赤外吸収スペクトルの測定結果は次のとおりである。3
480cm-1に水酸基の吸収が認められる。2870cm-1
にメチル基、メチレン基の吸収が認められる。1375
cm-1および1350cm-1に枝別れメチル基の吸収が認め
られる。1120cm-1エーテル結合の吸収が認められ
る。 実施例2 実施例1と同様の方法で得られた化合物1−A105
4.5g(0.5モル)とナトリウムメトキシド42.1
g(0.78モル)を2リットル容ガラス反応器に採
り、かき混ぜながら100℃に昇温し、100mmHg以下
で1時間ナトリウムアルコキシド化を行った。次に、窒
素ガスによって系内を常圧にもどし、窒素雰囲気下のも
とで塩化ラウロイル174.8g(0.8モル)を2時間
かけて滴下した後、更に8時間反応を行った。反応後6
0℃に冷却した後、酢酸でpHを7.0に調整し、100
℃、100mmHg以下で1時間脱水を行った。その後、8
0℃に冷却し析出した塩をろ別して化合物2−E896
gを得た。得られた化合物2−Eの水酸基価は0.15
(計算値は0)、鹸化価は23.6(計算値は24.
0)、凝固点は45.7℃であった。これらの結果か
ら、化合物2−Eの構造は式[2−E]と推定した。
g(0.3モル)、80%酢酸水溶液を200g採り、
96℃で3時間還留リフラックスを行った。その後、5
0%水酸化ナトリウム水溶液で反応物のpHを6.5に調
整し、100℃、100mmHg以下で1時間加熱して生成
したアセトンを水と共に留去した。次に80℃に冷却
し、析出した塩をろ別して化合物2−F525gを得
た。得られた化合物2−Fの水酸基価は49.5(計算
値は48.8)、鹸化価は22.9(計算値は24.
4)、凝固点は46.2℃であった。これらの結果か
ら、化合物2−Fの構造は式[2−F]と推定した。
9.6g(0.2モル)、水酸化ナトリウムを2.0g採
り、系内を窒素ガスに置換した後100℃に昇温し、1
00〜150℃、10kg/cm2以下の条件でプロピレン
オキシド609g(10.5モル)を7時間かけて加え
た後、更に2時間反応を続けた。次に窒素ガスを通じて
未反応プロピレンオキシドを除去しながら60℃まで冷
却した後、酢酸でpHを7.0に調整し、100℃、1
00mmHg以下で1時間脱水を行った。その後、80℃に
冷却し析出した塩をろ別して化合物2−G962gを得
た。得られた化合物2−Gの水酸基価は22.1(計算
値は21.1)、鹸化価は29.8(計算値は31.
7)、凝固点は38.8℃であった。これらの結果か
ら、化合物2−Gの構造は式[2−G]と推定した。
ナトリウム3.0gを5リットル容オートクレーブに採
り、系内を窒素ガスに置換した後100℃に昇温し、1
00〜150℃、10kg/cm2以下の条件でエチレ
ンオキシド3080g(70モル)を4時間かけて加え
た後、更に1時間反応を続けた。次に、窒素ガスを通じ
て未反応エチレンオキシドを除去しながら60℃まで冷
却した。その後、酢酸でpHを7.0に調整し、100
℃、100mmHg以下で1時間脱水を行った。次に、
80℃に冷却し析出した塩をろ別して化合物3−H30
34gを得た。得られた化合物3−Hの水酸基価は3
6.5(計算値は35.9)、鹸化価は17.5(計算
値は17.9)、凝固点は47.3℃であった。これら
の結果から、化合物3−Hの構造は式[3−H]と推定
した。
0g(0.95モル)、ナトリウムメチラート169.
0g(3.12モル)を加え、系内を窒素ガスに置換し
た後、かき混ぜながら100℃に昇温し、100mmH
g以下で1時間ナトリウムアルコキシド化を行った。次
に、窒素ガスによって系内を常圧にし、塩化メチルを吹
き込み、系内が1kg/cm2になるように吹き込み量
を調節しながら100℃で3時間保持した。その後、窒
素ガスを吹き込みながら60℃まで冷却すると共に過剰
の塩化メチルを留去した。その後、酢酸でpHを7.0
に調整し、100℃、100mmHg以下で1時間脱水
を行った。次に、80℃に冷却し析出した塩をろ別して
化合物3−I2739gを得た。得られた化合物3−I
の水酸基価は0.1(計算値は0)、鹸化価は16.9
(計算値は17.8)、凝固点は46.2℃であった。
これらの結果から、化合物3−Iの構造は式[3−I]
と推定した。
器に採り、30%水酸化ナトリウム水溶液を100g加
え、80℃で1時間かき混ぜた。その後、10%塩酸水
溶液で反応物のpHを6.5に調整し、100℃、10
0mmHg以下で1時間脱水を行った。次に、析出した
塩をろ別して化合物3−J2340gを得た。得られた
化合物3−Jの水酸基価は18.7(計算値は18.
0)、鹸化価は0(計算値は0)、凝固点は46.5℃
であった。これらの結果から、化合物3−Jの構造は式
[3−J」と推定した。
80g(0.7モル)、水酸化ナトリウムを4.0g採
り、系内を窒素ガスに置換した後100℃に昇温し、1
00〜150℃、10kg/cm2以下の条件でプロピ
レンオキシド1100g(19モル)を7時間かけて加
えた後、更に2時間反応を続けた。次に窒素ガスを通じ
て未反応プロピレンオキシドを除去しながら60℃まで
冷却した後、酢酸でpHを7.0に調整し、100℃、
100mmHg以下で1時間脱水を行った。その後、8
0℃に冷却し析出した塩をろ別して化合物3−K278
5gを得た。得られた化合物3−Kの水酸基価は12.
8(計算値は12.1)、鹸化価は0(計算値は0)、
凝固点は35.4℃であった。これらの結果から、化合
物3−Kの構造は式[3−K]と推定した。
g(0.7モル)と水酸化ナトリウム4.0gを5リッ
トル容オートクレーブに採り、系内を窒素ガスに置換し
た後100℃に昇温し、100〜150℃、10kg/
cm2以下の条件で予め混合したエチレンオキシド55
0g(12.5モル)とプロピレンオキシド550g
(9.5モル)の混合物を5時間かけて加えた後、更に
2時間反応を続けた。次に窒素ガスを通じて未反応エチ
レンオキシドおよびプロピレンオキシド除去しながら6
0℃まで冷却した後、酢酸でpHを7.0に調整し、1
00℃、100mmHg以下で1時間脱水を行った。そ
の後、80℃に冷却し析出した塩をろ別して化合物4−
L2714gを得た。得られた化合物4−Lの水酸基価
は13.1(計算値は12.2)、凝固点は38.2℃
であった。これらの結果から、化合物4−Lの構造は式
[4−L]と推定した。
ウム4.0gを5リットル容オートクレーブに採り、系
内を窒素ガスに置換した後100℃に昇温し、100〜
150℃、10kg/cm2以下の条件で予め混合した
エチレンオキシド1500g(34.1モル)とプロピ
レンオキシド1500g(25.9モル)の混合物を5
時間かけて加えた後、更に2時間反応を続けた。次に窒
素ガスを通じて未反応エチレンオキシドおよびプロピレ
ンオキシド除去しながら60℃まで冷却した後、酢酸で
pHを7.0に調整し、100℃、100mmHg以下
で1時間脱水を行った。その後、80℃に冷却し析出し
た塩をろ別して化合物M2701gを得た。得られた化
合物Mの水酸基価は41.9(計算値は41.1)、流
動点は−34℃であった。これらの結果から、化合物M
4の構造は式[M]と推定した。
面張力、凝固点、曇点の比較を第6表に示す。
tiometer A−3[KYOWA KAGAKU
Co.LTD]を使用する。 凝固点;JIS K 0065 に従う。 曇点;試料の1重量%水溶液を調製し、この溶液7mlを
内径15mmの透明ガラス管に入れ、この中へ温度計を入
れ、曇りを生ずる温度より約2〜3℃高い温度まで温度
計でよくかき混ぜながら加温し、再びよくかき混ぜなが
ら空冷し、透明になったときの温度を測定する。以上の
結果より、本発明のグリセリンポリアルキレングリコー
ルエーテル誘導体は、α、β、γ位のポリオキシアルキ
レン鎖がすべて同一であるものに比べ、物性が異なるこ
とが判る。
とで異なる構造のポリオキシアルキレン鎖を持つグリセ
リンポリアルキレングリコールエーテル誘導体である。
本発明のグリセリンポリアルキレングリコールエーテル
誘導体は、α、β、γ位のポリオキシアルキレン鎖が同
一であるものと比べ物性が異なり、新規な非イオン界面
活性剤として利用することができる。
エーションクロマトグラムである。
ペクトル図である。
Claims (3)
- 【請求項1】一般式[1]で示されるグリセリンポリア
ルキレングリコールエーテル誘導体。 【化1】 (ただし、式中、A1OおよびA2Oは炭素数2〜4のオ
キシアルキレン基であり、(A1O)mおよび(A2O)nは、
炭素数2〜4のアルキレンオキシドの1種の付加体より
なる基または2種以上のランダム状もしくはブロック状
の付加体よりなる基であり、(A1O)mおよび(A2O)nは
異なる構造を有し、R1およびR2は水素原子または炭素
数1〜24の炭化水素基もしくはアシル基で、同一でも
異なっていてもよく、R 1 およびR 2 の少なくともいずれ
か一方は炭素数1〜24の炭化水素基もしくはアシル基
であり、mおよびnはアルキレンオキシドの付加モル数
を示し、mは1〜200、nは1〜200である。) - 【請求項2】 α,β−アルキリデングリセリンに炭素数
2〜4のアルキレンオキシドを付加して、末端の水酸基
をエーテル化またはエステル化したのち、環状ケタール
構造を形成する保護基を脱離せしめ、炭素数2〜4のア
ルキレンオキシドを付加することを特徴とする請求項1
記載のグリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘
導体の製造方法。 - 【請求項3】 グリセリン−α−モノエステルに炭素数2
〜4のアルキレンオキシドを付加して、末端の2個の水
酸基をエーテル化したのち、α位のアシル基を脱アシル
化して、炭素数2〜4のアルキレンオキシドを付加する
ことを特徴とする請求項1記載のグリセリンポリアルキ
レングリコールエーテル誘導体の製造方法。
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