JP3067200U - 時計バンド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 裏面形状をシンプルにし、汗や汚れがたまる
のを軽減する。 【解決手段】 バンド駒１，１の間に、中駒３が、一方
の連結端部３ｂを一つのバンド駒１の凹所１ｂに、また
他方の連結端部３ｂを他のバンド駒１の凹所１ｂにそれ
ぞれ嵌め入れて跨設され、バンド駒１の貫通孔から挿入
孔３ｄにヒンジピン５を挿入されてバンド駒１，１どう
しを屈曲自在に連結している。バンド駒１が中駒３の内
面３Ｕを覆っているため、時計バンドの裏面形状がシン
プルになり、汗や汚れがたまりにくくなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、多数の駒をヒンジピンで屈曲自在に連結した時計バンドに関する。

【０００２】

【従来の技術】

金属製の時計バンドとして、中駒の両連結端部にバンド駒をヒンジピンでそれ ぞれ取り付けて複数のバンド駒をその内面側に屈曲自在に中駒で連結したものが 知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

この種の従来の時計バンドは、バンド駒と中駒の外面（時計バンドの腕に対す る装着時に外側に向く面、表面）と内面（装着時に腕に触れる面）が表裏にその まま露出する構造を基本としているため、時計バンドの内面（裏面）形状がどう しても複雑になり、駒どうしの込み入った隙間に汗や汚れがたまって駒やヒンジ ピン等を腐食させ易いという問題点がある。 この点は、時計バンドを凝ったデザインにすればする程大きくなるので厄介で ある。

【０００４】 また、屈曲度を大きくするためには、ヒンジピンをできるだけ内面側に設けな ければならず、そのようにすると、時計バンドの腕への装着時に発生する駒相互 間の開き量が大きくなり、外観が損なわれる不満がある。

【０００５】 本考案の課題は上記従来の問題点を解消することであり、裏面形状を表面形状 に関係なくシンプルに纏めることが容易な時計バンドを提供することを目的とす る。 本考案の他の目的は、装着感が良好で、かつ側面形状が薄くて外観の良い時計 バンドを提供することである。 本考案の別の目的は、装着時に発生する駒相互間の開き量を小さくすることが できる時計バンドを提供することである。 本考案の更に他の目的は、デザインを自由に発展させることが容易な時計バン ドを提供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記の少なくとも１つの目的を達成するために、請求項１記載の考案は、中駒 の両連結端部にバンド駒をヒンジピンでそれぞれ取り付けて複数のバンド駒をそ の内面側に屈曲自在に中駒で連結した時計バンドにおいて、上記各中駒の連結端 部を、ほぼ矩形状の各バンド駒の両側端部の間の外面側に形成された凹所にそれ ぞれ嵌入し、上記各バンド駒の屈曲を、互いに隣接したバンド駒の連結端縁どう しの当接及び／又は中駒の下面に対するバンド駒の凹所底面の当接によって規制 した構成とした。

【０００７】 この手段では、中駒の内面は、バンド駒の凹所で覆われて時計バンドの裏面（ 内面）に露出することはなく、それだけ時計バンドの裏面形状はシンプルになる 。 時計バンドをブリッジ状に屈曲させると、互いに隣接したバンド駒の連結端縁 どうしの当接及び／又は中駒の下面に対するバンド駒の凹所底面の当接によって 、必要以上の屈曲が規制される。

【０００８】 請求項１記載の時計バンドにおいて、バンド駒の両側端部の外面を、バンド駒 の連結方向と該連結方向に直交する直交方向とに凸に湾曲させ、また、バンド駒 の内面を、上記直交方向に凸に湾曲させることが好ましい（請求項２）。 この構成では、バンド駒の側端面の肉厚が必然的に薄くなり、また、バンド駒 の両側端部の外面がバンド駒の連結方向に凸に湾曲していて時計バンドの屈曲時 にその外表面をなだらかで自然な曲面にするので、時計バンドの外観が美しくな る。 また、時計バンドの内面は直交方向に凸に湾曲してしているため、肌に対する 接触感が柔らかくなる。

【０００９】 請求項１又は２記載の時計バンドにおいて、各中駒の内面を、バンド駒の屈曲 度を大きくする凹のＶ形状とすることが好ましい（請求項３、請求項４）。 この構成では、バンド駒の湾曲度が大きくなる上、中駒はその内面が凹のＶ形 状とされて肉厚が実質的に薄くなった分、時計バンドの湾曲時の肉厚が薄くなる 。しかも、ヒンジピンの位置を内面から離して外面側に近づけることが可能とな るため、腕に装着した時に発生する駒相互間の開き量が小さくなる。

【００１０】 請求項１ないし４のいずれか１つに記載の時計バンドにおいて、中駒を、連結 方向に直交する直交方向に並設された異色の複数の部材によって構成することが できる（請求項５、請求項６、請求項７、請求項８）。 この構成では、中駒を構成する一部の部材を金色にするなどしてデザインを向 上させ、より高級な時計バンドとすることができる。

【００１１】

【考案の実施の形態】

考案の実施の形態を添付図面を参照して説明する。 図１ないし図９は本考案に係る時計バンドの第１の実施の形態を示す。この時 計バンドＡは、複数のバンド駒１及び中駒３を有する。

【００１２】 バンド駒１はほぼ矩形状で、両側端部１ａ，１ａの間の外面側に凹所１ｂが形 成され、両側端部１ａの外面１ａＳは、バンド駒１の連結方向Ｘ（横長方向、図 １と図２で左右方向）と該連結方向Ｘに直交する直交方向Ｙとに凸に湾曲される とともに、バンド駒１の内面１Ｕは直交方向Ｙに凸に湾曲されている。そして、 両側端部１ａには、バンド駒１の側端面１ｃから凹所１ｂに貫通して貫通孔１ｄ ，１ｄが穿設されている。

【００１３】 中駒３は、バンド駒１の凹所１ｂの形状にほぼ一致した矩形状とされ、その連 結端部３ｂ，３ｂを２個のバンド駒１，１にまたがってそれらの凹所１ｂ，１ｂ に適度な遊びで嵌め入れることができるようにされている。 そして、各連結端部３ｂには、バンド駒１の凹所１ｂに対する連結端部３ｂの 嵌入れ状態において貫通孔１ｄに一致する位置に挿入孔３ｄ，３ｄがそれぞれ穿 設されている。

【００１４】 中駒３の外面３Ｓは、バンド駒１の連結方向Ｘに凸に湾曲され、また内面３Ｕ は、挿入孔３ｄ，３ｄの間において連結方向Ｘに凹のＶ形状に形成されている。

【００１５】 バンド駒１と中駒３とはヒンジピン５によって相互に連結され、内面側に屈曲 自在にされている。 すなわち、互いに隣接する２個のバンド駒１，１の間に、中駒３が、一方の連 結端部３ｂを一つのバンド駒１の凹所１ｂに、また他方の連結端部３ｂを他のバ ンド駒１の凹所１ｂにそれぞれ嵌め入れて跨設され、バンド駒１の貫通孔１ｄか ら挿入孔３ｄにヒンジピン５をそれぞれ挿入されてバンド駒１，１どうしを屈曲 自在に連結している。 なお、ヒンジピン５は、円形の端面形状がバンド駒１の側端面１ｃに現れない ように周知のように加工されている。

【００１６】 上記のように、バンド駒１と中駒３とは、内面側に屈曲自在であり、互いに隣 接したバンド駒１，１の連結端縁１ｅ，１ｅ（図２，図３）どうしの当接、及び 中駒３の下面３Ｕに対するバンド駒１の凹所底面１ｂｔの当接によってそれらの ブリッジ状の屈曲が規制されるようになっている。

【００１７】 なお、バンド駒１と中駒３等の加工上、或いは組立上の誤差等によって、連結 端縁１ｅ，１ｅどうしの当接と、中駒３の下面３Ｕに対するバンド駒１の凹所底 面１ｂｔの当接のいずれか一方しか実現しない場合もあり得るが、それでも特に 問題はない。また、中駒３，３の内面側の連結端縁３ｅ，３ｅどうしが当接する ようになっているが（図３）、これは必ずしも当接しなくてもよい。中駒３，３ は外面側の連結端縁３ｆ，３ｆどうしの当接によって（図２）、外面側への屈曲 を規制されている。

【００１８】 図１で符号７は、所要のバックルを組み付けるための組付金具、また符号９は 所要の時計を組み付けるための組付金具であり、両端部のバンド駒１にヒンジピ ンでそれぞれ取り付けられている。

【００１９】 第１実施形態の時計バンドＡは上記の構成とされているので次の長所がある。 （ａ） ほぼ矩形状のバンド駒１が、中駒３の内面３Ｕを覆って時計バンドの 裏面形状をシンプルにしているため、汗や汚れがたまりにくく、バンド駒１や中 駒３或いはヒンジピン５の腐食が軽減される。 （ｂ） 互いに隣接したバンド駒１，１の連結端縁１ｅ，１ｅどうしの当接及 び／又は中駒３の下面３Ｕに対するバンド駒１の凹所底面１ｂｔの当接によって バンド駒１，１の屈曲が規制され、適度な屈曲性が得られる構造になっているの で、腕への着脱が容易である。

【００２０】 （ｃ） バンド駒１の外面１ａＳと内面１Ｕが凸の曲面に形成されていてバン ド駒１の側端面１ｃの肉厚を薄くするとともに、外面３Ｓを凸に湾曲させた中駒 ３と協働して装着時の外表面をなだらかな自然な曲面にするため、外観が美しく なり、高級感が高まる。 （ｄ） また、人の体に直接触れるバンド駒１の内面１Ｕが凸の曲面に形成さ れていてバンドの側縁が肌から浮く構造となっているため、前記（ａ）のように 裏面形状がシンプルになっていることと相候って肌触りが柔らかくなる。

【００２１】 （ｅ） 中駒３の肉厚が、凹のＶ形状の内面３Ｕによって実質的に薄くされて いて屈曲度を大きくすることができるので、ヒンジピンを裏面側に設けて屈曲度 を高めていた従来の時計バンドと違って、ヒンジピン５を内面１Ｕ，３Ｕから離 して外面１ａＳ，３Ｓ側に配置し、装着時に発生する駒相互間の開き量を小さく 抑えて精密感を高めることができる。

【００２２】 図１０ないし図１２は本考案に係る時計バンドの第２の実施の形態を示す。こ の時計バンドＢの中駒３は、主部材１１と側部部材１２，１２とから成る。

【００２３】 主部材１１は、バンド駒１と同様に、ステンレス等の通常の金属色（銀白色） とされ、側部部材１２は金色にされている。主部材１１と側部部材１２，１２と は、側部部材１２，１２の間に主部材１１を配して連結方向Ｘに直交する直交方 向Ｙに並設された状態でバンド駒１の凹所１ｂに嵌め入れられ、挿入孔３ｄにヒ ンジピン５を挿入されてバンド駒１，１を屈曲自在に連結している。 時計バンドＢの他の構造は時計バンドＡと同一であるので、同一の部材等に同 一の符号を付してその説明を省略する。

【００２４】 この時計バンドＢにおいては、時計バンドＡの前記（ａ）〜（ｅ）の長所に加 えて次の長所が得られる。 （ｆ） 中駒３が、主部材１１と側部部材１２，１２とによって構成され、し かも側部部材１２，１２が「金」をイメージする金色であるため、凝ったデザイ ンとなり、高級感が向上する。

【００２５】 なお、時計バンドＡのバンド駒１と中駒３とは、いずれもステンレス等の銀白 色となっているが、いずれか一方又は両方を金色仕上げとする場合もある。 また、時計バンドＢの中駒３を構成する部材の数は、図のものに限らず２個又 は４個以上とすることもできる。いずれにしても時計バンドＢの場合は、バラエ ティーに富むバンド構造となる。

【００２６】 時計バンドＡ，Ｂにおいて、バンド駒１と中駒３の平面形状や連結個数も図の ものに限らず任意である。また、組付金具７，９は、バックルや時計の構造に対 応したものが用いられるので、その構造は任意である。時計バンドＡ，Ｂのバン ド駒１と中駒３の外表面には、必要に応じて凹凸等の装飾が施される。

【００２７】

【考案の効果】

以上説明したように、請求項１記載の考案によれば、裏面形状がシンプルで、 汗や汚れがたまりにくく、腐食が軽減される上、装着感と装着性が良好で外観の 美しい高級指向の時計バンドを得ることができる。

【００２８】 請求項２記載の考案によれば、バンド駒の側端面の肉厚が薄く、また装着時に 外表面がなだらかで自然な曲面となる、一層外観が美しく、かつ肌触りの良い時 計バンドを得ることができる。

【００２９】 請求項３記載の考案によれば、装着状態での駒相互間の開き量が小さくて、精 密感に優れた時計バンドを得ることができる。

【００３０】 請求項４ないし８のいずれか１つに記載の考案によれば、凝ったデザインの高 級感に一層優れた時計バンドを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案に係る時計バンドの第１の実施の形態
を示す一部破断の平面図である。

【図２】 図１の時計バンドの一部破断の側面図であ
る。

【図３】 同じく、屈曲状態を示す一部破断の側面図で
ある。

【図４】 バンド駒の一部破断の平面図である。

【図５】 バンド駒の一部破断の正面図である。

【図６】 バンド駒の側面図である。

【図７】 中駒の平面図である。

【図８】 中駒の一部破断の正面図である。

【図９】 中駒の側面図である。

【図１０】 本考案に係る時計バンドの第２の実施の形
態を示す平面図である。

【図１１】 中駒を構成する主部材と側部部材の平面図
である。

【図１２】 同じく、正面図である。

【符号の説明】

Ａ，Ｂ 時計バンド １ バンド駒 １ａ 側端部 １ａＳ 外面 １ｂ 凹所 １ｂｔ 凹所底面 １ｃ 側端面 １ｄ 貫通孔 １ｅ 連結端縁 １Ｕ 内面 ３ 中駒 ３ｂ 連結端部 ３ｄ 挿入孔 ３ｅ，３ｆ 連結
端縁 ３Ｓ 外面 ３Ｕ 内面 ５ ヒンジピン １１ 主部材 １２ 側部部材 Ｘ 連結方向 Ｙ 直交方向

Claims (8)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 中駒の両連結端部にバンド駒をヒンジピ
   ンでそれぞれ取り付けて複数のバンド駒をその内面側に
   屈曲自在に中駒で連結した時計バンドにおいて、 上記各中駒の連結端部は、ほぼ矩形状の各バンド駒の両
   側端部の間の外面側に形成された凹所にそれぞれ嵌入さ
   れ、 上記各バンド駒の屈曲が、互いに隣接したバンド駒の連
   結端縁どうしの当接及び／又は中駒の下面に対するバン
   ド駒の凹所底面の当接によって規制されたことを特徴と
   する時計バンド。
2. 【請求項２】 バンド駒の両側端部の外面は、バンド駒
   の連結方向と該連結方向に直交する直交方向とに凸に湾
   曲され、また、バンド駒の内面は、上記直交方向に凸に
   湾曲されたことを特徴とする請求項１記載の時計バン
   ド。
3. 【請求項３】 各中駒の内面は、バンド駒の屈曲度を大
   きくする凹のＶ形状とされたことを特徴とする請求項１
   記載の時計バンド。
4. 【請求項４】 各中駒の内面は、バンド駒の屈曲度を大
   きくする凹のＶ形状とされたことを特徴とする請求項２
   記載の時計バンド。
5. 【請求項５】 中駒は、連結方向に直交する直交方向に
   並設された異色の複数の部材によって構成されたことを
   特徴とする請求項１記載の時計バンド。
6. 【請求項６】 中駒は、連結方向に直交する直交方向に
   並設された異色の複数の部材によって構成されたことを
   特徴とする請求項２記載の時計バンド
7. 【請求項７】 中駒は、連結方向に直交する直交方向に
   並設された異色の複数の部材によって構成されたことを
   特徴とする請求項３記載の時計バンド。
8. 【請求項８】 中駒は、連結方向に直交する直交方向に
   並設された異色の複数の部材によって構成されたことを
   特徴とする請求項４記載の時計バンド。