JP3065833B2 - 温度分布検出装置 - Google Patents

温度分布検出装置

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JP3065833B2
JP3065833B2 JP5000646A JP64693A JP3065833B2 JP 3065833 B2 JP3065833 B2 JP 3065833B2 JP 5000646 A JP5000646 A JP 5000646A JP 64693 A JP64693 A JP 64693A JP 3065833 B2 JP3065833 B2 JP 3065833B2
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  • Measuring Temperature Or Quantity Of Heat (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光ファイバ内の後方散乱
光を利用した温度分布検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバの後方散乱光を利用したセン
サでは、図8に示す如く光ファイバ100に入射したレ
ーザパルスによって光ファイバ100内の散乱光を励起
し、励起散乱光のスペクトルや強度、偏光等の状態に被
散乱場所の温度情報を含み、光ファイバ100内の後方
となる励起レーザパルスの入射側に伝搬する後方散乱光
を時系列信号として検出処理することにより、光ファイ
バ100に沿った温度の一次元分布を測定する。
【0003】この場合、光ファイバ100内にレーザパ
ルスを入射したとき発生する散乱光としては、密度揺ら
ぎによるレーリー散乱光、伝搬性の揺らぎによるブリル
アン散乱光、分子の振動回転によるラマン散乱光があ
る。
【0004】このうち、ブリルアン散乱光と、ラマン散
乱光は非弾性散乱光であり、励起光とスペクトルの異な
った散乱光となる。温度情報は3つの散乱光、すべてに
含まれているが、温度に対する感度が最も高いのはラマ
ン散乱光で、その強度が温度に依存して変化する。
【0005】そして、ラマン散乱光を使用して温度を計
測する場合、波長が励起光より長波長側にシフトするス
トークスラマン散乱光と、短波長側にシフトするアンチ
ストークスラマン散乱光とをフィルタで選別し、2つの
散乱光の比を基本とした値から温度分布を算出してい
る。また、比を用いないまでも、フィルタで一方の散乱
光を選別する必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
分布型のセンサでは、被測定物理量の精度とともに、そ
の位置分解能も重要な量になる。
【0007】この場合、分解能は一般的に入射パルス幅
によって決まり、さらに後方散乱信号が離散値系となっ
ているときには、さらにサンプリング周波数によっても
左右される。
【0008】但し、サンプリング周期を高くする方法で
は、サンプリング周期が半値幅に対し、十分に短いとす
るなら、ある時間に計測される後方散乱光は入射パルス
の半値幅にわたる散乱光の合計となるため、測定される
温度は半値幅にわたる平均温度となるため、入射パルス
の幅以上に位置分解能を高くすることはできない。
【0009】そこで、位置分解能を高くするために、入
射パルスの幅を狭くする方法が有効であるが、この方法
を実現する方法として、入射パルスの自体の幅を非常に
狭くする方法と、有限幅の光パルスに対する応答を1つ
の変換過程と考えて逆変換を行なってインパルス応答を
求める方法とが考えられる。
【0010】しかしながら、入射パルス自体の幅を狭く
する方法は、発光系の立ち上がり特性、立ち下がり特性
によって決まるパルス幅以上に、光パルスの幅を狭くす
ることができないため、現在の開発されている素子の性
能以上に入射パルスの幅を狭くすることが難しく、位置
分解能を高める方法としては不適切である。
【0011】これに対し、インパルス応答を求める方法
は位置分解能を高める方法として有効であると考えられ
る。
【0012】そこで、このインパルス応答を求める方法
について、ここで、詳細に検討してみる。
【0013】まず、インパルス応答を求める方法で使用
される変換は線形近似の範囲でコンボルーション過程で
あることから、インパルス応答をh(t) 、入力光パルス
をP(t) とすると、後方散乱光信号g(t) は、次式で表
わすことができる。
【0014】
【数1】 そして、インパルス応答h(t) は入力信号となる入力光
パルスP(t) を予め測定しておき、この測定結果に対し
てデコンボルーションを行なうことによって求めること
ができる。
【0015】しかしながら、実際には、実測データに対
し、この逆変換過程を適用すると、測定信号中に含まれ
る雑音成分のため、正しいインパルス応答を求めること
ができないことが多い。この理由としては、次に述べる
ようにすると理解しやすい。
【0016】まず、前記(1)式をフーリェ変換して後
方散乱光に雑音成分N( ω) を追加すると、 G( ω) +N( ω) =H( ω) ・P( ω) …(2) となり、逆変換のために、この(2)式の両辺をP(
ω) で除算すると、 H( ω) =G( ω) /P( ω) +N( ω) /P( ω) …(3) となる。
【0017】ここで、問題となるのは、右辺の第2項目
の部分であり、入力光パルス成分P( ω) のスペクトル
は有限であるのに対し、雑音成分N( ω) のスペクトル
がかなりの広域まで伸びているため、周波数の高い領域
(角速度ωが大きな領域)で除算結果が発散してしま
う。
【0018】このため、この発散によって総合的な位置
測定精度が低下してしまうという問題があった。
【0019】本発明は上記の事情に鑑み、逆変換過程に
おいて雑音の影響による解の発散を防止し、これによっ
て光パルスの幅を狭くすることなく総合精度を最も改善
させることができる最適な近似を与えることができると
ともに、光パルス幅を狭くした場合に生じるS/N比の
低下やこれに伴う計測時間の増大、半導体レーザの駆動
回路の困難さを生じることなく、位置分解能を向上させ
てホットスポットなどの異常加熱部などの検出を容易に
することができる温度分布検出装置を提供することを目
的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、光パルスを発生する光源と、前記光パル
スを光ファイバに入射し、その後方散乱光から2種類の
ラマン散乱光を選択する光学系と、前記ラマン散乱光を
電気信号に変換増幅する光電変換部と、この光電変換部
の出力信号をデジタル信号に変換してアベレージングを
行なうデジタルアベレージャ部と、このデジタルアベレ
ージャ部の処理結果に基づいて前記光ファイバに沿った
温度分布を計算する演算部とを有する温度分布検出装置
において、光ファイバの端面からのフレネル反射光の波
形データに対し、デコンボルーション処理を行なって前
記波形データの波形が所定の形状になるまでの反復回数
を求め、温度測定を行なうとき、2種類のラマン散乱光
の波形データに対し、前記反復回数だけデコンボルーシ
ョン処理を繰り返して光ファイバに沿った温度分布を計
算することを特徴としている。
【0021】
【作用】上記の構成において、光ファイバの端面からの
フレネル反射光の波形データに対し、デコンボルーショ
ン処理を行なって前記波形データの波形が所定の形状に
なるまでの反復回数を求め、温度測定を行なうとき、2
種類のラマン散乱光の波形データに対し、前記反復回数
だけデコンボルーション処理を繰り返して光ファイバに
沿った温度分布を計算することにより、逆変換過程にお
いて雑音の影響で解が発散してしまうのを防止し、これ
によって光パルスの幅を狭くすることなく総合精度を最
も改善させることができる最適な近似を与え、光パルス
幅を狭くした場合に生じるS/N比の低下やこれに伴う
計測時間の増大、半導体レーザの駆動回路の困難さを生
じることなく、位置分解能を向上させてホットスポット
などの異常加熱部などの検出を容易にする。
【0022】
【実施例】まず、本発明による温度分布検出装置の具体
的な説明に先だって本発明による温度分布検出装置の測
定原理を説明する。
【0023】今、温度計測用の光ファイバにおいて、単
位長さ当たりの後方散乱係数をS(z) 、入射光パルスが
受ける減衰率をRf(z) 、後方散乱光が入射端までに受
ける減衰率をRb(z) 、光ファイバ中における光パルス
の群速度をVg とすると、この光ファイバに光パルスを
入射させて得られる後方散乱光のインパルス応答の電力
h(t) は次式で表わすことができる。
【0024】 h(t) =Rf(z) ・S(z) ・Rb(z) ・Vg/2 …(4) そして、入射される光パルスPとのコンボルーションと
なるのは、アンチストークスラマン散乱光と、ストーク
スラマン散乱光の各係数Sであるため、逆変換はこれら
アンチストークスラマン散乱光と、ストークスラマン散
乱光の各後方散乱信号に対して行なった後、光ファイバ
の減衰効果を補償するため、これらの各後方散乱信号の
除算を行ない、温度分布を計算する手順となる。
【0025】しかしながら、実際の装置では、後方散乱
光はフォトダイオードなどで電気信号が変換された後、
A/D変換されて離散値系デジタル信号として扱われる
ため、積分形で表現されたコンボルーションは図2に示
す如く行列形式となる。
【0026】そして、光パルス入力はn×nの行列とな
り、時間の推移とともに、入射パルスの位置が移動して
いく対角近傍だけを持つ行列となる。そして、各行の要
素は光パルス波形の実測値が移動したものが代入され
る。
【0027】この後、インパルス応答hを求めるため、
逆行列を両辺から掛け合わせることになるが、雑音の影
響を監視しながら、インパルス応答hを求めるためには
反復法(Jacobi Gauss-Seidel 法)により解を収束させ
ながら求める方法が適している。
【0028】この反復法では、反復回数をkにすると、
k+1回目のi番目の解hi は次式で与えられる。
【0029】
【数2】 一方、図3に示す如く信号処理装置101と、80℃の
恒温槽102と、1Kmの光ファイバ103とを用意
し、この光ファイバ103の所定部分を2m、5m、1
0m、20m、50mの各長さだけ恒温槽102に入れ
て、その温度を80℃に保ちがながら、信号処理装置1
01によってOTDR法でアンチストークスラマン散乱
光、ストークスラマン散乱光を計測し、これらの比を求
めると、図4に示す波形となる。
【0030】この場合、測定に用いた光パルスの半値幅
は100nsec当たり、光ファイバの長さで10mに
相当することから、光ファイバ103のうち、恒温槽1
02に入れられている部分の演算結果が全て同じ値にな
るべきであるが、図4から明らかなように、コンボルー
ションのため、実際には10m以下の5mや2mの部分
で十分な振幅を得ることができない。
【0031】そこで、このようなコンボルーションの影
響を除くために、上述した測定動作によって得られたデ
ータに対して、上述した反復法を適用してデコンボルー
ションを行なうことにより、デコンボルーションを行な
う前におけるデータの波形が図5(a)に示す形状のと
き、このデータに対し、反復回数が5回のデコンボルー
ションを行なったとき、図5(b)に示す波形が得ら
れ、反復回数が10回のデコンボルーションを行なった
とき、図5(c)に示す波形が得られる。
【0032】この図から明らかなように、デコンボルー
ションにより振幅が不足していた箇所の改善されるとと
もに、立ち上がりの改善されているのが分かる。
【0033】しかし、このような改善ととともに、反復
回数の増加とともに、雑音の影響が顕著になってくるの
も分かる。
【0034】そこで、総合精度としてコンボルーション
のために振幅が所定値に達しない誤差を系統誤差、雑音
の影響によるバラツキをランダム誤差とし、デコンボル
ーションの反復回数と、系統誤差と、ランダム誤差との
関係を調べるために、加熱長5mの部分に関し、ランダ
ム雑音として加熱直前部のデータを使用して上述したデ
コンボルーション処理を行なった。このとき、図6に示
す表が得られた。
【0035】この図6から明らかなように、反復回数を
増加させていくと、ランダム誤差は一定の比率で増加す
るが、系統誤差は最初、一定の比率で低減し、ある回数
を境に増加に転じ、以後一定の比率で増加する。
【0036】すなわち、系統誤差と、ランダム誤差とを
加算した総合誤差を最も小さくする反復回数が存在す
る。
【0037】そして、最適な反復回数はここで与えた逆
変換基準温度部のように、予め温度分布が正確に分かっ
ている場合には、反復計算毎に総合誤差を計算し、その
値が極値となる回数を求めることができる。
【0038】但し、このような逆変換方式では、計算回
数とともに、ランダム雑音が増加するため、系統誤差が
ほとんどない場合、例えば温度分布がほぼ一様な部分で
は、ランダム雑音のみが増加することになる。
【0039】つまり、この逆変換方式が有利になるの
は、温度変化が空間的に激しく生じる場合、特に局所的
に高温、低温となるような場合の温度分布を計測しよう
とする場合である。
【0040】したがって、このような逆変換方式の使用
対象となるプラントシステムとしては、システムの異常
が局所的な温度上昇として顕在化するようなシステムで
あり、このようなシステムで局所的に温度が上昇したと
き、最適な反復回数を使用することにより、これを効率
良く検出することができる。
【0041】そして、本発明では、逆変換過程におい
て、最適な反復回数を得るために、図7(a)に示す如
く光ファイバの入射面や終端面からのフレネル反射光を
取り込み、このフレネル反射光に対するデコンボルーシ
ョン処理を繰り返し行なって、図7(b)に示す如くそ
のパルス波形が線状になる反復回数を求めて最適な近似
解を求める最適計算過程を選択し、この最適計算過程を
光ファイバの全領域にわたって適用して逆変換を施し、
これによって光ファイバによる温度分布測定を行なうと
き、雑音の影響を最小限に食い止めながら位置分解能を
大幅に改善させるようにしている。
【0042】図1は本発明による温度分布検出装置の一
実施例を示す構成図である。
【0043】この図に示す温度分布検出装置は、光ファ
イバ1と、信号処理装置2とを備えており、初期化時お
よび定期的に、信号処理装置2によって非常に幅の狭い
光パルスを生成してこれを光ファイバ1に入射させ、こ
の光ファイバ1の終端面からのフレネル反射光を取り込
むとともに、このフレネル反射光に基づき反復法によっ
てデコンボルーションを行なってこのフレネル反射光に
対応する信号の波形が線状となる最適な反復回数を求め
る。そして、通常の測定を行なうとき、信号処理装置2
によって非常に幅の狭い光パルスを生成してこれを光フ
ァイバ1に入射させ、この後方散乱光を取込んで、その
アンチストークスラマン散乱光と、ストークスラマン散
乱光とに基づき前記最適な反復回数に基づいてデコンボ
ルーションを行なって光ファイバ1が敷設されている各
部の温度分布を計測する。
【0044】光ファイバ1は、温度の測定対象となる各
部分を通るように敷設されており、入射端から光パルス
が入射されたとき、これを取り込むとともに、各部の温
度に応じた後方散乱光および終端面でのフレネル反射光
を前記入射端に戻す。
【0045】また、信号処理装置2は、タイミング制御
回路4と、レーザ駆動回路5と、レーザ光源6と、カプ
ラ7と、光学フィルタ8と、光スイッチ9と、バイアス
制御回路10と、フォトダイオード11と、光電流増幅
回路12と、デジタルアベレージャ回路13と、制御記
憶演算回路14とを備えており、初期化時および定期的
に、非常に幅の狭い光パルスを生成してこれを光ファイ
バ1に入射させ、この光ファイバ1の終端面からのフレ
ネル反射光を取り込むとともに、このフレネル反射光に
基づき反復法によってデコンボルーションを行なってこ
のフレネル反射光に対応する信号の波形が線状となる最
適な反復回数を求める。そして、通常の測定を行なうと
き、非常に幅の狭い光パルスを生成してこれを光ファイ
バ1に入射させるとともに、この後方散乱光を取込ん
で、そのアンチストークスラマン散乱光と、ストークス
ラマン散乱光とに基づき前記最適な反復回数に基づいて
デコンボルーションを行なって光ファイバ1が敷設され
ている各部の温度分布を計測する。
【0046】タイミング制御回路4は、前記制御記憶演
算回路14と信号の授受を行ないながら、発光タイミン
グ信号や同期加算タイミング信号などを生成する部分で
あり、生成動作によって得られた発光タイミング信号を
レーザ駆動回路5に供給してこれを制御するとともに、
同期加算タイミング信号をデジタルアベレージャ回路1
3に供給してこれを制御する。
【0047】レーザ駆動回路5は、前記タイミング制御
回路4から出力される発光タイミング信号に基づいて非
常に幅の狭い駆動信号を生成する部分であり、この駆動
信号を前記レーザ光源6に供給してこれを発光させる。
【0048】レーザ光源6は、前記レーザ駆動回路5か
ら駆動信号が出力されている間、発光して予め設定され
ている波長の光パルスを生成する部分であり、生成した
光パルスをカプラ7に供給する。
【0049】カプラ7は、前記レーザ光源6から出力さ
れる光パルスを前記光ファイバ1の入射端に導いたり、
この入射端から出射される後方散乱光および終端面での
フレネル反射光を前記光学フィルタ8に導いたりする部
分であり、前記レーザ光源6から出力される光パルスを
取り込んでこれを前記光ファイバ1の入射端に導いて光
ファイバ1中に入射させるとともに、前記光パルスが前
記光ファイバ1中を伝搬する際に発生し、前記入射端か
ら出射される後方散乱光や終端面で生じるフレネル反射
光を取り込んでこれを前記光学フィルタ8に導く。
【0050】光学フィルタ8は、前記カプラ7から出射
される後方散乱光やフレネル反射光を取り込むととも
に、この後方散乱光やフレネル反射光を波長弁別してア
ンチストークスラマン散乱光と、ストークスラマン散乱
光とに分離する部分であり、この分離動作によって得ら
れたアンチストークスラマン散乱光と、ストークスラマ
ン散乱光とを光スイッチ9に導く。
【0051】光スイッチ9は、前記制御記憶演算回路1
4からの選択信号に基づいて前記光学フィルタ8から出
射される前記アンチストークスラマン散乱光またはスト
ークスラマン散乱光のいずれか一方を選択する部分であ
り、この選択処理によって得られたアンチストークスラ
マン散乱光またはストークスラマン散乱光のいずれか一
方をフォトダイオード11に導く。
【0052】また、バイアス制御回路10は、前記制御
記憶演算回路14から出力されるバイアス指令信号に基
づいてバイアス電圧を生成する部分であり、前記バイア
ス指令信号が高増幅率指令であるときには、予め設定さ
れている高い電圧を生成してこれを前記フォトダイオー
ド11に供給し、また前記バイアス指令信号が低増幅率
指令であるときには、予め設定されている低い電圧を生
成してこれを前記フォトダイオード11に供給する。
【0053】フォトダイオード11は、シリコン等によ
って構成されるアバランシェダイオードであり、前記バ
イアス制御回路10から出力されるバイアス電圧が高い
電圧であるとき、前記光スイッチ9から出射されるアン
チストークスラマン散乱光またはストークスラマン散乱
光を高い増幅率で光電流に変換してこれを光電流増幅回
路12に供給し、また前記バイアス制御回路10から出
力されるバイアス電圧が低い電圧であるとき、前記光ス
イッチ9から出射されるアンチストークスラマン散乱光
またはストークスラマン散乱光を低い増幅率(例えば、
増幅率“1”)で光電流に変換してこれを光電流増幅回
路12に供給する。
【0054】光電流増幅回路12は、前記制御記憶演算
回路14から出力される増幅率指定信号に応じた増幅率
で前記フォトダイオード11の光電流を増幅して散乱信
号やフレネル反射信号を生成する部分であり、増幅動作
によって得られた散乱信号やフレネル反射信号をデジタ
ルアベレージャ回路13に供給する。
【0055】デジタルアベレージャ回路13は、前記タ
イミング制御回路4から出力される同期加算タイミング
信号に基づいて前記光電流増幅回路12から出力される
散乱信号やフレネル反射信号を取り込んでこれを同期加
算してアンチストークスラマン散乱信号のアベレージ出
力またはストークスラマン散乱信号のアベレージ出力、
フレネル反射信号のアベレージ出力を生成してこれを制
御記憶演算回路14に供給する。
【0056】制御記憶演算回路14は、この温度分布検
出装置全体の制御を行なう部分であり、前記タイミング
制御回路4やバイアス制御回路10を制御して発光タイ
ミングや同期加算タイミングを調整する処理や前記デジ
タルアベレージャ回路13から出力されるアンチストー
クスラマン散乱信号のアベレージ出力、またはストーク
スラマン散乱信号のアベレージ出力、フレネル反射光の
アベレージ出力を取り込んでこれを記憶する処理、初期
化時や予め設定されている周期毎に、記憶しているフレ
ネル反射光のアベレージ出力に対し、上述したデコンボ
ルーションを行なって最適な反復回数(最適反復回数)
を求める処理、測定指令が設定されているとき、記憶し
ているアンチストークスラマン散乱信号のアベレージ出
力およびストークスラマン散乱信号のアベレージ出力に
対し、前記最適反復回数だけ上述したデコンボルーショ
ンを行なって温度信号を生成する処理、この処理によっ
て得られた温度信号を温度分布出力インタフェースを介
して他の装置に出力する処理などを行なう。
【0057】次に、図1に示すブロック図を参照しなが
ら、この実施例の最適反復回数検出動作、温度測定動作
を順次、説明する。
【0058】《最適反復回数検出動作》まず、この温度
分布検出装置の電源が投入されて回路の初期化を行なう
ときや予め設定されている較正タイミングになる毎に、
信号処理装置の制御記憶演算回路14はバイアス制御回
路10を制御して低い電圧を生成させ、フォトダイオー
ド11の増幅率を低い値(例えば、増幅率“1”)にさ
せた後、タイミング制御回路4を制御してレーザ駆動回
路5を駆動させ、このレーザ駆動回路5に接続されたレ
ーザ光源6に非常に幅の狭い光パルスを所定のタイミン
グで連続的に生成させて、これをカプラ7に供給させ
る。
【0059】そして、このカプラ7によって前記光パル
スが光ファイバ1に導かれ、この光ファイバ1からフレ
ネル反射光が出射される毎に、これが光学フィルタ8お
よび光スイッチ9を介してフォトダイオード11に導か
れて光電流に変換されるとともに、光電流増幅回路12
によって増幅されてフレネル反射信号にされた後、デジ
タルアベレージャ回路13によって指定された回数だけ
同期加算されてフレネル反射信号のアベレージ出力が生
成され、これが制御記憶演算回路14に供給されて記憶
される。
【0060】そして、この処理が終了すれば、制御記憶
演算回路14は記憶しているフレネル反射信号のアベレ
ージ出力に対し、デコンボルーション処理を繰り返しな
がら、波形が線状になる回数を最適反復回数として記憶
する。
【0061】《温度測定動作》そして、上述した最適反
復回数検出動作が終了すると、制御記憶演算回路14は
光スイッチ9を制御してアンチストークスラマン散乱光
を選択させた後、タイミング制御回路4を制御してレー
ザ駆動回路5を駆動させ、このレーザ駆動回路5に接続
されたレーザ光源6に非常に幅の狭い光パルスを所定の
タイミングで連続的に生成させて、これをカプラ7に供
給させる。
【0062】そして、このカプラ7によって前記光パル
スが光ファイバ1に導かれて、この光ファイバ1から後
方散乱光が出射される毎に、これが光学フィルタ8によ
って波長弁別されてアンチストークスラマン散乱光と、
ストークスラマン散乱光とに分離される。
【0063】次いで、光スイッチ9によって前記光学フ
ィルタ8の波長弁別処理で得られたアンチストークスラ
マン散乱光が選択されてこれがフォトダイオード11に
導かれて光電流に変換されるとともに、光電流増幅回路
12によって増幅されてアンチストークスラマン散乱信
号にされた後、デジタルアベレージャ回路13によって
指定された回数だけ同期加算されてアンチストークスラ
マン散乱信号のアベレージ出力が生成され、これが制御
記憶演算回路14に供給されて記憶される。
【0064】この後、この処理が終了すると、制御記憶
演算回路14は光スイッチ9を制御してストークスラマ
ン散乱光を選択させた後、タイミング制御回路4を制御
してレーザ駆動回路5を駆動させ、このレーザ駆動回路
5に接続されたレーザ光源6に非常に幅の狭い光パルス
を所定のタイミングで連続的に生成させて、これをカプ
ラ7に供給させる。
【0065】そして、このカプラ7によって前記光パル
スが光ファイバ1に導かれて、この光ファイバ1から後
方散乱光が出射される毎に、これが光学フィルタ8によ
って波長弁別されてアンチストークスラマン散乱光と、
ストークスラマン散乱光とに分離される。
【0066】次いで、光スイッチ9によって前記光学フ
ィルタ8の波長弁別処理で得られたストークスラマン散
乱光が選択されてこれがフォトダイオード11に導かれ
て光電流に変換されるとともに、光電流増幅回路12に
よって増幅されてストークスラマン散乱信号にされた
後、デジタルアベレージャ回路13によって指定された
回数だけ同期加算されてストークスラマン散乱信号のア
ベレージ出力が生成され、これが制御記憶演算回路14
に供給されて記憶される。
【0067】そして、この処理が終了すると、制御記憶
演算回路14は記憶しているアンチストークスラマン散
乱信号のアベレージ出力と、ストークスラマン散乱信号
のアベレージ出力とに対し、上述した最適反復回数検出
動作によって得られた最適反復回数だけデコンボルーシ
ョン処理を繰り返しながら、両者の比を計算して最終的
に得られた温度信号を温度分布出力インタフェースを介
して他の装置に出力する。
【0068】このようにこの実施例においては、初期化
時および定期的に、信号処理装置2によって非常に幅の
狭い光パルスを生成してこれを光ファイバ1に入射さ
せ、この光ファイバ1の終端面からのフレネル反射光を
取り込むとともに、このフレネル反射光に基づき反復法
によってデコンボルーションを行なってこのフレネル反
射光に対応する信号の波形が線状となる最適な反復回数
を求め、通常の測定を行なうとき、信号処理装置2によ
って非常に幅の狭い光パルスを生成してこれを光ファイ
バ1に入射させ、この後方散乱光を取込んで、そのアン
チストークスラマン散乱光と、ストークスラマン散乱光
とに基づき前記最適な反復回数に基づいてデコンボルー
ションを行なって光ファイバ1が敷設されている各部の
温度分布を計測するようにしたので、逆変換過程におい
て雑音の影響で解が発散してしまうのを防止し、これに
よって光パルスの幅を狭くすることなく総合精度を最も
改善させることができる最適な近似を与えることができ
るとともに、光パルス幅を狭くした場合に生じるS/N
比の低下やこれに伴う計測時間の増大、半導体レーザの
駆動回路の困難さを生じることなく、位置分解能を向上
させてホットスポットなどの異常加熱部などの検出を容
易にすることができる。
【0069】また、上述した実施例においては、フォト
ダイオード11に印加するバイアス電圧の値を切り替え
て増幅率を小さくすることにより、フレネル反射光を光
電流に変換するようにしているが、光ファイバ1の入射
面や終端面にコーティング等の処理を施してフレネル反
射光の大きさをアンチストークスラマン散乱光やストー
クスラマン散乱光の大きさと同程度にしてフォトダイオ
ード11のバイアス電圧を変更することなく、このフォ
トダイオード11の飽和を防止しながら、フレネル反射
光を光電流に変換するようにしても、上述した実施例と
同様な効果を得ることができる。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、逆
変換過程において雑音の影響による解の発散を防止し、
これによって光パルスの幅を狭くすることなく総合精度
を最も改善させることができる最適な近似を与えること
ができるとともに、光パルス幅を狭くした場合に生じる
S/N比の低下やこれに伴う計測時間の増大、半導体レ
ーザの駆動回路の困難さを生じることなく、位置分解能
を向上させてホットスポットなどの異常加熱部などの検
出を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による温度分布検出装置の一実施例を示
す構成図である。
【図2】本発明による温度分布検出装置の基本原理で使
用されるデコンボルーション処理の手順例を示す模式図
である。
【図3】本発明による温度分布検出装置の基本原理を説
明するための装置構成例を示す構成図である。
【図4】図3に示す温度分布検出装置によって得られる
温度信号例を示す波形図である。
【図5】図4に示す温度信号に対するデコンボルーショ
ン処理例を示す波形図である。
【図6】本発明による温度分布検出装置の基本原理で使
用されるデコンボルーション処理の系統誤差と、ランダ
ム誤差との関係例を示す表図である。
【図7】本発明による温度分布検出装置の基本原理で使
用されるデコンボルーション処理の反復回数と、フレネ
ル反射光の信号との関係を説明するための波形図であ
る。
【図8】光ファイバの後方散乱光を利用したセンサの温
度計測原理を示す模式図である。
【符号の説明】
1 光ファイバ 2 信号処理装置 4 タイミング制御回路 5 レーザ駆動回路 6 レーザ光源(光源) 7 カプラ 8 光学フィルタ(光学系) 9 光スイッチ(光学系) 10 バイアス制御回路 11 フォトダイオード(光電変換部) 12 光電流増幅回路(光電変換部) 13 デジタルアベレージャ回路(デジタルアベレージ
ャ部) 14 制御記憶演算回路(演算部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01K 11/12 G01K 3/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光パルスを発生する光源と、前記光パル
    スを光ファイバに入射し、その後方散乱光から2種類の
    ラマン散乱光を選択する光学系と、前記ラマン散乱光を
    電気信号に変換増幅する光電変換部と、この光電変換部
    の出力信号をデジタル信号に変換してアベレージングを
    行なうデジタルアベレージャ部と、このデジタルアベレ
    ージャ部の処理結果に基づいて前記光ファイバに沿った
    温度分布を計算する演算部とを有する温度分布検出装置
    において、 光ファイバの端面からのフレネル反射光の波形データに
    対し、デコンボルーション処理を行なって前記波形デー
    タの波形が所定の形状になるまでの反復回数を求め、温
    度測定を行なうとき、2種類のラマン散乱光の波形デー
    タに対し、前記反復回数だけデコンボルーション処理を
    繰り返して光ファイバに沿った温度分布を計算する、 ことを特徴とする温度分布検出装置。
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