JP3065423B2 - レーザダイオードの駆動装置 - Google Patents

レーザダイオードの駆動装置

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JP3065423B2
JP3065423B2 JP4063970A JP6397092A JP3065423B2 JP 3065423 B2 JP3065423 B2 JP 3065423B2 JP 4063970 A JP4063970 A JP 4063970A JP 6397092 A JP6397092 A JP 6397092A JP 3065423 B2 JP3065423 B2 JP 3065423B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (目次) 産業上の利用分野 従来の技術 発明が解決しようとする課題 課題を解決するための手段 作用 実施例 発明の効果
【0002】
【産業上の利用分野】本発明はレーザダイオードの駆動
装置に関する。近年、レーザダイオード(半導体レー
ザ)から出力されたコヒーレンシンの高いレーザ光に対
して直接光周波数変調又は位相変調を行うことによって
光通信や光計測を行うシステムが実用化されつつある。
【0003】例えば、光通信システムとして、コヒーレ
ント光を用いたFSK方式(周波数シフトキーイング方
式)による光通信システムが挙げられる。このFSK方
式では、送信されるべきデータの「0」又は「1」の2
値論理に対応して、レーザダイオードからの出力の光周
波数が第1周波数f1 又は第2周波数f2 に変化させら
れるような周波数変調が行われる。
【0004】この場合、レーザダイオード自身の経年変
化や、レーザダイオードを含む光源モジュールの経年変
化、レーザダイオードのバイアス電流の変動等によっ
て、変調効率、即ち単位バイアス電流あたりの周波数可
変量が変化する。これにより、レーザダイオードを同一
の駆動電流で変調しても、変調指数、即ち中心光周波数
0 を中心とした前述の第1周波数f1 と第2周波数f
2 の間の光周波数偏移量が初期設定値からずれてくる。
【0005】このずれは、光通信システムの受信系にお
いて、光信号の受信感度を著しく劣化させてしまう。こ
のため、光周波数偏移量を予め定められた値に安定化さ
せるための制御技術が要求される。
【0006】
【従来の技術】我々は先にレーザ光の光周波数偏移量の
測定・制御装置を提案した(特願平3−233467
号)。この装置における光周波数偏移量の制御態様にお
いては、レーザダイオードの光周波数偏移量が一定にな
るように、レーザダイオードの変調度を制御している。
つまり、バイアス電流に重畳してレーザダイオードに供
給する変調電流の振幅を制御することによって、レーザ
ダイオードの経年変化等にかかわらず一定の光周波数偏
移量を得るようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のように
変調電流の振幅を制御する場合、レーザダイオードの周
波数応答特性が劣化することがあった。
【0008】本発明の目的は、レーザダイオードの周波
数応答特性を劣化させることなくレーザダイオードの光
周波数偏移量を安定化することができるレーザダイオー
ドの駆動装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】図1は本発明のレーザダ
イオードの駆動装置の第1の構成を示すブロック図であ
る。この装置は、変調信号に基づいて周波数変調又は位
相変調されるレーザダイオード101と、レーザダイオ
ード101からの光を受け、光周波数弁別特性に従った
干渉光を出力する光干渉手段102と、該干渉光を受
け、その光強度を電気信号に変換する受光手段103
と、該電気信号を受け、光干渉手段102におけるレー
ザダイオード101の動作点を上記光周波数弁別特性に
おける特定の点を与える光周波数に一致させる動作点安
定化手段104と、動作点安定化手段104によって上
記動作点の安定化制御が行われているもとで、受光手段
103からの電気信号に基づき光周波数偏移量を検出す
る光周波数偏移量検出手段105と、光周波数偏移量検
出手段105により検出された光周波数偏移量が一定に
なるようにレーザダイオード101のバイアス又は温度
を制御するLD制御手段106とを備える。
【0010】図2は本発明のレーザダイオードの駆動装
置の第2の構成を示す図である。この装置は、変調信号
に基づいて周波数変調又は位相変調されるレーザダイオ
ード201と、レーザダイオード201からの光を受
け、内部に第1の偏光子202が挿入され、光周波数弁
別特性に従った干渉光を出力する光干渉手段203と、
光干渉手段203からの反射光を受け、順次配置される
第1の1/4波長板204及び第2の偏光子205と、
第2の偏光子205からの2種類の光を各々受け、各々
の光強度を電気信号に変換する第1及び第2の受光手段
206,207と、第1及び第2の受光手段206,2
07からの電気信号の差成分から得られる情報に基づい
て、レーザダイオード201の動作点が上記光周波数弁
別特性の極大値又は極小値に対応する光周波数に一致す
るように、レーザダイオード201の発振周波数又は光
干渉手段203の干渉特性に帰還をかける帰還手段20
8と、光干渉手段203からの透過光を受け、その光強
度を電気信号に変換する第3の受光手段209と、帰還
手段208によってレーザダイオード201の動作点の
安定化制御が行われているもとで、第3の受光手段20
9からの電気信号に基づいて得られる上記透過光の光強
度の平均値から光周波数偏移量を検出する光周波数偏移
量検出手段210と、該平均値と所定値の間の誤差値を
演算し該誤差値をレーザダイオード201のバイアス又
は温度に帰還するLD制御手段211とを備える。
【0011】図3は本発明のレーザダイオードの駆動装
置の第3の構成を示す図である。この装置は、変調信号
に基づいて周波数変調又は位相変調されるレーザダイオ
ード201と、該レーザダイオードからの光を受け、内
部に第2の1/4波長板301が挿入され、光周波数弁
別特性に従った干渉光を出力する光干渉手段302と、
光干渉手段302からの反射光を受け、順次配置される
第1の1/4波長板204及び第2の偏光子205と、
第2の偏光子205からの2種類の光を各々受け、各々
の光強度を電気信号に変換する第1及び第2の受光手段
206,207と、第1及び第2の受光手段206,2
07からの電気信号の差成分から得られる情報に基づい
て、レーザダイオード201の動作点が上記光周波数弁
別特性の極大値又は極小値に対応する光周波数に一致す
るように、レーザダイオード201の発振周波数又は光
干渉手段302の干渉特性に帰還をかける帰還手段20
8と、光干渉手段302からの透過光を受ける第3の偏
光子303と、第3の偏光子303からの少なくとも1
種類の光を受け、その光強度を電気信号に変換する第3
の受光手段209と、帰還手段208によってレーザダ
イオード201の動作点の安定化制御が行われているも
とで、第3の受光手段209からの電気信号に基づいて
得られる上記透過光の光強度の平均値から光周波数偏移
量を検出する光周波数偏移量検出手段210と、該平均
値と所定値の間の誤差値を演算し該誤差値をレーザダイ
オード201のバイアス又は温度に帰還するLD制御手
段211とを備える。
【0012】
【作用】本発明の第1乃至第3の構成のいずれかによる
と、光周波数偏移量検出手段により検出された光周波数
偏移量が一定になるようにレーザダイオードのバイアス
又は温度が制御されるので、レーザダイオードの周波数
応答特性が劣化しにくくなる。レーザダイオードの光周
波数偏移量がどのように安定化されるかは以下の説明か
ら明らかになる。
【0013】
【実施例】以下本発明の実施例を説明する。図4は本発
明の第1の構成の第1実施例を示すレーザダイオードの
駆動装置のブロック図である。
【0014】レーザダイオード401から出力される例
えば前方光は、光データDh として伝送路Lに入射され
る。この光データDh は、送信されるべきデータDin
「0」又は「1」の2値論理に対応してLD駆動回路4
02から出力される駆動電流に基づいて、その光周波数
が第1周波数f1 又は第2周波数f2 に周波数変調(F
SK変調)される。尚、光データDh に対するデータ変
調は、位相変調(PSK変調:位相シフトキーイング)
でもよい。
【0015】また、レーザダイオード401からの前方
光でなく後方光が光データDh として伝送路Lに入射さ
れてもよい。この場合は、レーザダイオード401から
後述する光干渉器403へ出力されるレーザ光は前方光
となる。
【0016】光干渉器403は、レーザダイオード40
1からの例えば後方光H0 を受けて、後述する光周波数
弁別特性に従った干渉光Hi を出力する。受光器404
は、干渉光Hi を受けて、その光強度に対応する電気信
号ELを出力する。
【0017】本実施例では、レーザダイオード401に
おける光周波数偏移量を安定化させるために、まず、低
周波発振器405と同期検波回路406が、電気信号E
Lに基づいて、レーザダイオード401の動作点(中心
光周波数f0 )が光干渉器403における光周波数弁別
特性の極大値又は極小値に対応する光周波数に一致する
ように制御を行う。
【0018】そのために、低周波発振器405は、制御
線L1 を介してレーザダイオード401の発振周波数又
は光干渉器403における干渉特性を低周波数で変化さ
せる。低周波数とは、伝送路Lにおけるデータの伝送速
度に対応する周波数に対して十分に低い周波数という意
味であり、例えば100Hzである。
【0019】一方、同期検波回路406は、受光器40
4からの電気信号ELと低周波発振器405からの発振
出力を入力として、電気信号ELに対して同期検波を行
い、低周波発振器405からの発振出力に同期した信号
成分を抽出する。さらに、同期検波回路406は、抽出
した信号成分に基づいて、制御線L2 を介して、レーザ
ダイオード401の発振周波数又は光干渉器403にお
ける干渉特性に負帰還をかける。
【0020】図5はレーザダイオード401として使用
することができる3電極DFB型レーザダイオードの構
成を模式的に示す図である。このレーザダイオードは、
活性層501が長いDFB型(分布帰還型)のレーザダ
イオード素子に、長手方向概略中央部に1/4波長の位
相シフト点502を有する浅いグレーティング503を
形成し、裏面側には共通電極504を、表面側には分割
された電極505,506及び507を形成して構成さ
れる。表面側の中央の電極506に供給する電流をIC
と称し、表面側の縁部の電極505及び507に供給す
る電流をIS と称する。尚、符号508及び509は活
性層501の両端に形成されたAR膜(無反射膜)を表
す。
【0021】図6はLD駆動回路402における接続図
である。符号601はレーザダイオード401の温度を
調節するペルチェ素子等の温度制御素子であり、この温
度制御素子601は、温度制御入力端子602に入力し
た信号に基づき制御される。
【0022】バイアス回路603から供給されるバイア
ス電流は、その一方でインダクタ604を介してレーザ
ダイオード401のサイド505及び507に入力し、
他方でインダクタ605を介してセンター電極506に
入力する。
【0023】変調回路606は、データ入力端子607
に入力したデータ(Din)に基づき一定振幅の変調電流
を出力し、この変調電流は、キャパシタ608を介して
センター電極506に入力する。
【0024】また、バイアス制御入力端子609に入力
した電流も、インダクタ610を介してセンター電極5
06に供給される。変調回路606に付随的に設けられ
たマーク率モニタ回路611は、入力データDinにおけ
るマーク率をリアルタイムで検出し、その検出値に対応
した信号をマーク率検出出力端子612から出力する。
バイアス回路603にはAPC入力端子が設けられてお
り、この端子に入力した信号に基づいて、インダクタ6
04を介してサイド電極505及び507に供給される
バイアス電流が調節される。
【0025】マーク率モニタ回路611、マーク率検出
出力端子612及びAPC入力端子613についてはさ
らに後述する。再び図4に戻り、低周波発振器405及
び同期検波回路406がレーザダイオード402の発振
周波数を制御する場合には、低周波発振器405からの
制御線L1 及び同期検波回路406からの制御線L
2 が、図4の実線で示されるようにLD駆動回路402
に接続されることにより、レーザダイオード401のバ
イアス電流又は温度が変化させられる。
【0026】この実施例では、低周波発振器405から
の制御線L1 はLD駆動回路402のバイアス制御入力
端子609に接続され、同期検波回路406からの制御
線L 2 は温度制御入力端子602に接続される。このよ
うな接続を行う理由については後述する。
【0027】一方、低周波発振器405及び同期検波回
路406が光干渉器403における干渉特性を制御する
場合には、低周波発振器405からの制御線L1 及び同
期検波回路406からの制御線L2 が、図4の破線で示
されるように光干渉器403に接続されることにより、
光干渉器403の共振器長や遅延時間差等の物理量が低
周波発振器405及び同期検波回路406の各出力によ
って変化させられる。
【0028】これらの物理量の具体的な変更方法として
は、光弾性効果を利用して変化させる、電気光学効果を
利用して変化させる、機械的外力を加えて変化させる、
熱光学効果を利用して変化させる、等の方法を用いるこ
とができる。
【0029】次に、上述のように低周波発振器405及
び同期検波回路406がレーザダイオード403の動作
点を制御しているもとで、図4の比較器407の第1の
入力には受光器404から出力される電気信号ELの直
流成分電圧EL′が光強度の平均値に対応する成分とし
て入力され、第2の入力には予め定められた設定電圧V
1 が入力される。
【0030】そして、比較器407からLD駆動回路6
07のバイアス制御入力端子609へは、上記2つの信
号の誤差成分が負帰還される。ここで、受光器404か
ら出力される電気信号ELの直流成分電圧EL′は、干
渉光Hi の光強度の平均値に対応し、また、設定電圧V
1 は光周波数偏移量の設定値に対応している。
【0031】図4の装置の具体的な動作について以下に
説明する。図7のAは図4の光干渉器403としてマッ
ハツェンダ干渉器が使用された場合の同干渉器の光周波
数弁別特性の一部を示すグラフ、図8のAは図4の光干
渉器403としてファブリ・ペロー干渉器が使用された
場合の同干渉器の光周波数弁別特性の一部を示すグラフ
である。
【0032】また、各グラフの実線と破線の2つの特性
は、光干渉器403が干渉光Hi として相補的な2つの
干渉光のうち一つを出力し得るような構成を有する場合
における各々の干渉光に対する光周波数弁別特性に対応
している(後述する第2の実施例参照)。第1の実施例
では、実線又は破線の任意のいずれか一方の特性のみが
対象となる。
【0033】光干渉器403としてマッハツェンダ干渉
器が使用された場合には、その光周波数弁別特性は、図
7のAのように、光周波数の変化に対して光強度Pの値
が正弦波状に変化する特性を呈し、極大点MAXと極小
点MINが交互に現れる。
【0034】一方、光干渉器403としてファブリ・ペ
ロー干渉器が使用された場合には、その光周波数弁別特
性は、図8のAのように、光周波数の変化に対する光強
度Pについて、実線の弁別特性の場合には極大点MAX
の位置で光強度Pが急峻に変化するパルス状の波形が周
期的に現れる特性を呈し、破線の弁別特性の場合には極
小点MINの位置で光強度Pが急峻に変化するパルス状
の波形が周期的に現れる特性を呈する。
【0035】本実施例においては、図4のレーザダイオ
ード401における光周波数偏移量を安定化させるため
に、まず、図4の低周波発振器405と同期検波回路4
06が、レーザダイオード401の動作点が光干渉器4
03における図7のA又は図8のA等の光周波数弁別特
性の極大点MAX又は極小点MINに対応する光周波数
に常に一致するように制御を行う。このような制御を行
う理由については後述する。
【0036】図9は、低周波発振器405による制御動
作の一例を説明するための波形図である。尚、以下に説
明する例は、低周波発振器405からの低周波の発振成
分が、制御線L1 及びバイアス制御入力端子609を介
して、レーザダイオード401のバイアス電流に重畳さ
れる例である。
【0037】レーザダイオード401においては、バイ
アス電流に、送信データDinの「0」又は「1」の2値
論理に対応して変調回路606(図6参照)から出力さ
れる2値の変調電流Ip が重畳されることにより、後方
光H0 の光周波数が中心光周波数f0 を中心として第1
周波数f1 と第2周波数f2 の間で、図9の(Ip )で
示されるように、矩形波状に変調される。この状態で、
バイアス電流に低周波発振器405からの低周波の発振
成分が重畳されると、f0 ,f1 及びf2 は、上述の発
振出力の発振周波数に同期した周波数fi で波状にうね
る信号となる。
【0038】図9のように変調波形が低い周波数でうね
る後方光H0 は、図7のA又は図8のAに示されるよう
な光周波数弁別特性を有する光干渉器403によって干
渉光Hi に変換され、さらに、この干渉光Hi は受光器
404によって電気信号ELに変換され、この電気信号
ELが同期検波回路406に入力する。同期検波回路4
06は、電気信号ELに対して、低周波発振器405の
発振出力によって同期検波を行う。
【0039】この結果得られる同期検波信号の光周波数
特性は、光干渉器403における光周波数弁別特性を微
分した波形と等価となる。図7のBは、光干渉器403
としてマッハツェンダ干渉器が使用された場合の同期検
波信号の光周波数特性を図7のAの光干渉器403の光
周波数弁別特性に対応させて示した図であり、図8のB
は、光干渉器403としてファブリ・ペロー干渉器が使
用された場合の同期検波信号の光周波数特性を図8のA
の光干渉器403の光周波数弁別特性に対応させて示し
た図である。
【0040】尚、図7のB及び図8のBの実線の同期検
波信号の光周波数特性は、各々図7のA及び図8のAの
実線の光周波数弁別特性に対応し、図7のB及び図8の
Bの破線の同期検波信号の光周波数特性は各々図7のA
及び図8のAの破線の光周波数弁別特性に対応する。
【0041】図7及び図8から明らかなように、図4の
レーザダイオード401が発生する後方光H0 の中心光
周波数f0 が、干渉光Hi の光強度Pが極大値MAX又
は極小値MINとなるような周波数である場合には、同
期検波信号の値は0になる。
【0042】そして、後方光H0 の中心光周波数f
0 が、干渉光Hi の光強度Pが極大値MAX又は極小値
MINからずれた値となるような周波数になるに従っ
て、同期検波信号の値は、0から正又は負の方向に、図
7のB又は図8のBに示される光周波数特性に従って変
化する。
【0043】以上の事実に基づいて、同期検波回路40
6は、図7のB又は図8のBに例示されるような同期検
波信号の極性を逆にした信号成分を、制御線L2 を介し
て、LD駆動回路402の温度制御入力端子602に入
力する。
【0044】このような制御動作によって、レーザダイ
オード401の発振周波数が、干渉光Hi の光強度Pが
極大値MAX又は極小値MINとなるような中心光周波
数f 0 になるように、負帰還がかけられる。即ち、レー
ザダイオード401の動作点が光干渉器403における
光周波数弁別特性の極大値MAX又は極小値MINに対
応する光周波数に常に一致するような制御動作が実現さ
れる。
【0045】尚、低周波発振器405からの制御線L1
又は同期検波回路406からの制御線L2 の接続先は、
光干渉器403又はLD駆動回路402の温度制御入力
端子602もしくはバイアス制御入力端子609のいず
れであってもよい。制御線L 1 及び制御線L2 の接続先
が同じものであることは、前述した制御動作に何ら影響
を与えるものではない。
【0046】以上のように低周波発振器405及び同期
検波回路406がレーザダイオード401の動作点を制
御しているもとでレーザダイオード401における光周
波数偏移量を安定化させるための具体的な動作原理につ
いて、次に説明する。
【0047】上述した制御状態のもとでレーザダイオー
ド401の発振周波数が変調回路606からの2値の変
調電流Ip に基づいて第1周波数f1 と第2周波数f2
の間で変化している場合の、f2 とf1 の周波数間隔を
Δf=f1 −f2 とし、これを光周波数偏移量と定義す
る。
【0048】そして、例えば光干渉器403としてマッ
ハツェンダ干渉器が使用され、レーザダイオード401
の中心光周波数f0 が光干渉器403における光周波数
弁別特性の極大値MAXを与える光周波数に一致させら
れているとする。
【0049】このような場合において、光周波数偏移量
が、図10のΔf′で示されるように、所定値Δfより
も小さくなると、Δf′のもとで光干渉器403から出
力される干渉光Hi の光強度P′は、所定値Δfのもと
で光干渉器403から出力される干渉光Hi の光強度P
よりも強くなる。逆に、光周波数偏移量が、図10のΔ
f″で示されるように、Δfよりも大きくなると、Δ
f″に対応する光強度P″は、Δfに対応する光強度P
よりも弱くなる。
【0050】ここで、Δf、Δf′及びΔf″の各両端
は、第1周波数f1 及び第2周波数f2 に対応して定ま
るが、実際には、f1 からf2 への光周波数の遷移及び
この逆の遷移は、図10の光周波数弁別特性の特性曲線
に沿って行われる。従って、光周波数偏移量Δfは光強
度Pの平均値Pavとして監視することが可能となる。
【0051】図11は、光干渉器403としてマッハツ
ェンダ干渉器が使用された場合における光強度の平均値
と光周波数偏移量の関係を表すグラフである。同グラフ
中の実線と破線の2つの特性は、レーザダイオード40
1の中心光周波数f0 が光干渉器403における光周波
数弁別特性の極大値MAXに対応する光周波数に一致さ
せられている場合及び極小値MINに対応する光周波数
に一致させられている場合の各々に対応する。尚、一点
鎖線の特性については、後述する第2の実施例において
説明する。
【0052】いま、例えばレーザダイオード401の中
心光周波数f0 が光干渉器403における光周波数弁別
特性の極大値MAXに対応する光周波数に一致させられ
ている場合には、図11の実線の特性からわかるよう
に、光周波数偏移量が、図11のΔf′で示されるよう
に、所定値Δfより小さくなると、Δf′に対応する光
強度Pの平均値Pav′は、Δfに対応する平均値Pav
り大きくなり、逆に、光周波数偏移量が、図11のΔ
f″で示されるように、所定値Δfよりも大きくなる
と、Δf″に対応する光強度Pの平均値Pav″は、Δf
に対応する平均値Pavより小さくなる。
【0053】図12は、図11のグラフが得られること
を実証する実験データを示す図であり、横軸には、光周
波数偏移量を模擬するための、レーザダイオードへの変
調電流に相当するパターンパルスゼネレータ(PPG)
の出力電圧がプロットされ、縦軸には、光強度の平均値
を模擬するためのPINダイオードに流れる電流がプロ
ットされている。本実験データのうち、白丸のデータで
プロットされるカーブは図11の実線の特性に対応し、
黒丸のデータでプロットされるカーブは図11の破線の
特性に対応する。
【0054】以上の事実に基づいて、図4の比較器40
7の第1の入力には受光器404から出力される電気信
号ELの直流成分電圧EL′が光強度の平均値に対応す
る成分として入力され、第2の入力には予め定められた
設定電圧V1 が入力される。この設定電圧V1 は、図1
1のグラフ上のV1 (=Pav)に対応し、V1 に対応す
るΔfが、所定値に安定化させられるべき光周波数偏移
量ということになる。
【0055】そして、比較器407からLD駆動回路4
02のバイアス制御入力端子609には、上記2つの信
号の誤差成分(V1 −EL′)が負帰還される。即ち、
干渉光Hi における光周波数偏移量が所定値Δfに等し
ければ、比較器407の出力は0である。また、光周波
数偏移量が、図11のΔf′のように、Δfよりも小さ
くなると、比較器407の出力である誤差成分は正とな
り、この正の誤差成分が、例えばレーザダイオード40
1のバイアス電流を減少させる。逆に、光周波数偏移量
が図11のΔf″のように、Δfよりも大きくなると、
比較器407の出力である誤差成分は負となり、この負
の誤差成分が、例えばレーザダイオード401のバイア
ス電流を増大させる。
【0056】このようにして負帰還がかけられたバイア
ス電流に基づいてレーザダイオード401を駆動するこ
とによって、光周波数偏移量を安定化させる制御動作が
実現される。尚、この制御動作においては、レーザダイ
オード401のバイアス電流を減少或いは増大させるこ
とに変えて、それぞれレーザダイオード401の温度を
低下或いは上昇させるようにしてもよい。
【0057】以上の第1の実施例において、特に、低周
波発振器405からの低周波の発振成分がLD駆動回路
402の温度制御入力端子602又はバイアス制御入力
端子609に入力され、同期検波回路406の出力信号
も同じくLD駆動回路402の温度制御入力端子602
又はバイアス制御入力端子609に負帰還される場合に
は、レーザダイオード401における自動周波数制御
(AFC)が同時に実現されている。
【0058】即ち、この場合には、レーザダイオード4
01の中心光周波数f0 が光干渉器403における光周
波数弁別特性の極大値又は極小値に対応する光周波数に
常に一致させられるように制御が行われる結果、レーザ
ダイオード401の中心周波数f0 は常に一定の値に安
定化される。
【0059】しかし、この場合、比較器407からの誤
差信号をLD駆動回路402の温度制御入力端子602
又はバイアス制御入力端子609に帰還させると、AF
Cを含む前者の制御動作が阻害されるおそれがある。
【0060】一方、図5のレーザダイオードを含めて一
般的なレーザダイオードにおいては、制御可能な単位バ
イアス電流変化に対する光周波数偏移量の方が制御可能
な単位温度変化に対する光周波数偏移量に比べて著しく
小さいという事実がある。
【0061】そこで、上述のおそれがある場合には、図
4に図示された構成のように、比較器407からの誤差
信号をLD駆動回路402のバイアス制御入力端子60
9に帰還させることによってレーザダイオード401の
光周波数偏移量の安定化を行い、同期検波回路406か
らの制御信号を温度制御入力端子602に帰還させるこ
とによって光干渉器403の動作点の安定化及びAFC
を行うようにするのである。
【0062】レーザダイオード401の光周波数偏移量
を安定化するにあたって比較器407によりレーザダイ
オード401のバイアスを変化させる場合の動作原理を
さらに詳述する。
【0063】図13は図5に示したような3電極型のレ
ーザダイオードのI−L特性(バイアス電流の変化に対
する光出力強度の変化を表す特性)を示すグラフであ
る。このグラフにおいて、縦軸は光出力強度、横軸はI
S バイアス(サイド電極505及び507に与える電流
S におけるバイアス成分)及び温度が一定であるとき
のIC バイアス(センタ電極506に与える電流IC
バイアス成分)を表している。
【0064】実線で表されるのは、初期状態におけるレ
ーザダイオードのI−L特性である。IC バイアスがし
きい値を超えるとレーザダイオードはレーザ発振を開始
し、IC バイアスが増加するのに従って光出力強度も増
大していき、モードジャンプにより光出力強度が不連続
に減少した後再びIC バイアスの増加に従って光出力強
度も増大する。
【0065】一方、破線で表されるのは、レーザダイオ
ードが経時劣化した後のI−L特性を表しており、この
特性は、実線で表される経時劣化前の特性曲線をIC
イアス増加方向に平行移動させるとともにその傾斜をわ
ずかに減少させて得られるものである。
【0066】実線で表される経時劣化前の特性曲線にお
けるa点、b点、c点では、この順にIC バイアスが増
大しており、a点を与えるIC バイアスはモードジャン
プ点に対応するIC バイアスよりもわずかに大きい。ま
た、破線で表される経時劣化後の特性曲線におけるa′
点、b′点、c′点は、それぞれ経時劣化前の特性曲線
におけるa点、b点、c点に対応する。
【0067】図14(A)は、図13のI−L特性の各
点におけるFM変調効率(単位バイアス電流の変化に対
する光周波数偏移量の変化)の周波数特性を表すグラフ
であり、この特性を周波数応答特性と称する。実線で表
されるのは、a点又はa′点でレーザダイオードを動作
させたときの特性、破線で表されるのはb点又はb′点
でレーザダイオードを動作させたときの特性、一点鎖線
で表されるのはc点又はc′点でレーザダイオードを動
作させたときの特性である。a点(a′点)、b点
(b′点)、c点(c′点)の順に周波数応答特性が劣
化していることがわかる。
【0068】一般に、初期状態にあるレーザダイオード
を駆動する場合、駆動条件の変動等によるモードジャン
プの発生を防止するために、モードジャンプ点からある
程度離れたb点で動作するように自動光出力制御を行
う。このため、自動光出力制御を行っている状態でレー
ザダイオードが経時劣化して、図13の実線で表される
I−L特性から破線で表されるI−L特性に変化する
と、光出力強度が一定に保たれる結果、破線で表される
I−L特性におけるc′点で動作することとなり、図1
4(A)で説明した通り、周波数応答特性が劣化してし
まう。
【0069】従来の光周波数偏移量の安定化技術による
場合、光周波数偏移量が一定になるように、レーザダイ
オードの変調度、即ちバイアス電流に重畳する変調電流
の振幅を制御していた。つまり、周波数応答特性が劣化
していることを無視して、変調電流振幅を増大させ、こ
れにより光周波数偏移量の減少又は周波数応答特性の劣
化を補償しているのである。
【0070】本発明では、レーザダイオードの経時劣化
前に図13の実線で表されるI−L特性におけるb点で
動作していたものを、経時劣化後にも破線で表されるI
−L特性におけるb′点で動作するように追従させるた
めに、次の2点に着目する。
【0071】(1)レーザダイオードの経時劣化の前後
においては、それぞれのI−L特性における対応する2
点での光周波数偏移量はほぼ等しい。 (2)図14(B)に示すように、a点(a′点)、b
点(b′点)、c点(c′点)の順に光周波数偏移量が
減少する。
【0072】これらの事実を考慮すると、レーザダイオ
ードの光周波数偏移量が一定になるようにレーザダイオ
ードのバイアス又は温度を制御することによって、I−
L特性の移動にかかわらず、I−L特性におけるほぼ同
等の点でのレーザダイオードの動作が可能になるのであ
る。尚、レーザダイオードのバイアス又は温度を制御す
るようにしているのは、これらのパラメータを変化させ
ることにより光周波数偏移量が変化するからである。
【0073】その結果、レーザダイオードの経時劣化等
にかかわらず、常に一定な光周波数偏移量と周波数応答
特性とを得ることができる。図15は本発明の第1の構
成の第2実施例を示すレーザダイオードの駆動装置のブ
ロック図である。同図において、図4の第1実施例と同
じ番号を付した部分は同じ機能を有する。
【0074】第2の実施例が第1の実施例と異なる点
は、主として自動光出力制御(APC)の機能を有する
点である。この機能を実現するために、第2の実施例に
おける光干渉器701は、レーザダイオード401から
の後方光H0 を受けることにより、相補的な2つの干渉
光Hi1及びHi2を出力する構成を有する。ここでは、図
15の構成について説明する前に、光干渉器701の具
体例について説明する。
【0075】図16は、相補的な2つの干渉光Hi1及び
i2を出力するマッハツェンダ干渉器を示す図である。
同図において、Mはハーフミラー、M′はミラーであ
り、2つの光路の光路長間に所定の差を持たせることに
よって、相補的な2つの干渉光Hi1及びHi2を発生する
ようにしている。これらの相補的な2つの干渉光Hi1
びHi2の各光周波数弁別特性は、図17の実線及び破線
で示されるようになる。
【0076】図18は、相補的な2つの干渉光Hi1及び
i2を出力するファブリ・ペロー干渉器を示す図であ
る。同図において、一方の干渉光Hi1は透過光であるの
に対して、他方の干渉光Hi2は反射光である。
【0077】ここで、ファブリ・ペロー干渉素子FPが
レーザダイオード401(図15参照)からの後方光H
0 の光軸に対して傾斜しているのは、反射光である干渉
光H i2がレーザダイオード401に戻らないようにする
ためと、後方光H0 を遮らずに干渉光Hi2を取り出すた
めである。これらの相補的な2つの干渉光Hi1及びH i2
の各光周波数弁別特性は、図19の実線及び破線で示さ
れるようになる。
【0078】図20は相補的な2つの干渉光Hi1及びH
i2を得る他の光干渉器を示す図である。同図において
は、複屈折結晶CRの入力側に第1の偏光子PLi が設
けられ、出力側に第2の偏光子PLO が設けられる。こ
のような構成により、レーザダイオード401からの後
方光H0 から2つの相補的な干渉光Hi1及びHi2が得ら
れる。
【0079】上述のような光干渉器701を有する図1
5の第2の実施例について以下に説明する。同図におい
て、レーザダイオード401、LD駆動回路402、低
周波発振器405、同期検波回路406及び比較器40
7は、図4の実施例と同じ機能を有する。符号702〜
707よりなる部分は、図4の受光器404に対応す
る。
【0080】まず、フォトダイオード等からなる2つの
受光器702及び703から電気信号EL1 及びEL2
が出力される。そして、これら2つの信号に対応する2
つの電圧値が、電圧検出用抵抗704及び705並びに
演算増幅器706及び707を介して検出され、これら
2つの電圧値は加算器708で加算された後、その加算
結果が自動光出力制御回路(APC回路)709に入力
される。
【0081】APC回路709は、レーザダイオード4
01における自動光出力制御を行う。以下にこの動作原
理について説明する。いま、光干渉器701から出力さ
れる2つの干渉光Hi1及びHi2は互いに相補的な干渉光
であるため、これらが加算されると、その加算出力は、
図17の一点鎖線で示されるように、平坦な信号とな
る。即ち、受光器702及び703からの電気信号EL
1 及びEL2 に対応する各電圧値を加算器708で加算
して得られる信号は、直流に近い信号となる。
【0082】この事実に基づいて、APC回路709が
加算器708からの加算出力のレベルが常に一定レベル
になるように、LD駆動回路402に負帰還をかけるこ
とにより、自動光出力制御が実現される。この制御信号
は、バイアス回路(図6参照)へのAPC入力端子61
3に入力される。
【0083】APC回路709は、予め定められた設定
電圧V2 に対する加算器708からの加算出力の変動成
分を検出し、その極性を反転した信号をAPC入力端子
613に供給する。これにより、レーザダイオード40
1のサイド電極505及び507(図6参照)へのIS
バイアス電流が制御され、レーザダイオード401の出
力が一定のレベルに保たれる。
【0084】尚、IS バイアス電流によりAPCを行っ
ているのは、単位IS 電流の変化に対する光周波数偏移
量の方が単位IC 電流の変化に対する光周波数偏移量よ
りも小さく、他の制御に対して都合がよいからである。
【0085】動作点を制御するための同期検波回路40
6は、図4の第1の実施例の場合と同様に動作するが、
この同期検波回路406への入力としては、演算増幅器
706の出力が用いられる。尚、演算増幅器707の出
力が用いられてもよい。
【0086】レーザダイオード401における光周波数
偏移量を一定値に安定化させるための比較器407につ
いても、図4の第1の実施例の場合と同様に動作する。
ただし、第2の実施例においては、比較器407への入
力として、電気信号EL1 とEL2 の差信号の直流成分
が用いられる。この差信号は、受光器702と703の
接続部分から取り出すことができる。このような差信号
を用いる理由は以下の通りである。
【0087】第1の実施例で説明したように、比較器4
07は、例えば図11に示されるような光強度の平均値
と光周波数偏移量の関係に基づいて、受光器からの電気
信号の直流成分電圧と予め定められた設定電圧との誤差
成分を演算し、この誤差成分によりLD駆動回路へ負帰
還をかけている。
【0088】ここで、電気信号EL1 とEL2 の差信号
から得られる光強度の平均値と光周波数偏移量の関係
は、図11において、干渉光Hi1に対応する実線の特性
に干渉光Hi2に対応する破線の特性を極性反転した特性
を加えて得られる一点鎖線で示されるような変化率の大
きな特性で表現される。
【0089】そこで、このような傾斜の鋭い特性を有す
る信号に基づいて負帰還をかけることによって、光周波
数偏移量の制御におけるS/Nを著しく増大させること
が可能になるのである。
【0090】ここで、例えば図11で、干渉光Hi1に対
応する実線の特性と干渉光Hi2に対応する破線の特性の
交点Xにおける光周波数偏移量が、レーザダイオード4
01における所望の光周波数偏移量となるように、回路
を適当に調整することにより、電気信号EL1 とEL2
の差信号が0になったときに、所望の光周波数偏移量が
得られる。
【0091】このように回路調整が行われる場合には、
比較器407に入力される設定電圧V1 は0とされ、比
較器407は電気信号EL1 とEL2 の差信号が常に0
となるようにLD駆動回路402に負帰還をかければよ
い。
【0092】ここで、例えば図11の交点Xにおける光
周波数偏移量がレーザダイオード401における所望の
光周波数偏移量となるように回路を調整することは容易
に実現できる。例えば、光干渉器701におけるフリー
スペクトラルレンジ又はフィネスを変更し、又は受光器
702及び703の間の相対的な増幅率や、光結合効率
もしくは量子効率を変更すればよい。
【0093】図21は、本発明の第1の構成の第3実施
例を示すレーザダイオードの駆動装置のブロック図であ
る。第3の実施例の基本的な構成は、図15の第2の実
施例と同様である。第3の実施例が第2の実施例と異な
る点は、比較器407に入力される差信号が、受光器7
02と703の接続部分から取り出されるのではなく、
演算増幅器706の出力電圧から演算増幅器707の出
力電圧を減算器801で減算して得た出力として取り出
されるようにした点である。
【0094】このような構成により、第2の実施例で前
述したように、例えば図11の交点Xにおける光周波数
偏移量がレーザダイオード401における所望の光周波
数偏移量となるように回路を調整するためには、演算増
幅器706及び707の相対的な増幅率を変更すればよ
いことになる。
【0095】図22は本発明の第1の構成の第4実施例
を示すレーザダイオードの駆動装置のブロック図であ
る。同図において、図4の第1の実施例と同じ番号を付
した部分は同じ機能を有する。
【0096】第4の実施例が第1の実施例と異なる点
は、アンプ901及び設定電圧制御部902を有する点
と、LD駆動回路402のマーク率検出出力端子612
が用いられている点である。
【0097】アンプ901は、同期検波のために低周波
発振器405からLD駆動回路402のバイアス制御入
力端子609に入力される低周波発振出力の増幅率を、
制御線L3 を介して検出される比較器407の出力値に
基づいて制御する。
【0098】いま、図22のレーザダイオード401に
おいて、経年変化等により変調効率(バイアス電流の単
位電流あたりの光周波数可変量)が小さくなると、最悪
の場合、低周波発振器405からの発振出力によりレー
ザダイオード401のバイアス電流が変化したとして
も、レーザダイオード401における光周波数が期待さ
れる低周波の変化(図9参照)を生じなくなってしまう
可能性がある。
【0099】このような場合、同期検波回路406にお
いて、第1の実施例の説明において前述したように同期
検波動作及びLD駆動回路402への負帰還動作を行う
ことができなくなり、動作点の制御が不可能となってし
まう。
【0100】これを解決するために、本実施例では、次
のような制御が行われる。まず、レーザダイオード40
1における光周波数偏移量が所定値よりも小さくなれば
比較器407から出力される誤差成分は大きくなり、光
周波数偏移量が所定値よりも大きくなれば上記誤差成分
は小さくなる。
【0101】そこで、比較器407の出力が制御線L3
を介してアンプ901の増幅率に負帰還されることによ
り、レーザダイオード401における変調効率が小さく
なった場合には低周波発振器405からの同期検波のた
めの低周波出力の振幅が大きくなり、逆に、変調効率が
大きくなり過ぎた場合には低周波出力の振幅が小さくな
るような制御が実現されるのである。
【0102】マーク率モニタ回路611(図6参照)
は、例えば、変調回路606内に設けられた積分器によ
って構成され、変調回路606に入力される送信データ
inの論理値「1」と「0」の発生比率即ちマーク率を
演算し、比較器407における設定電圧V1 又は同期検
波回路406に負帰還をかける。
【0103】いま、マーク率が例えば1/2の場合、即
ち「1」と「0」が1:1の割合で発生する場合と、マ
ーク率が例えば1/4の場合即ち「1」と「0」が1:
3の割合で発生する場合とでは、例えば前述した図10
における光周波数弁別特性における光強度が変化する。
【0104】そのため、図11における光周波数偏移量
に対する光強度の平均値が変化し、光周波数偏移量の設
定値Δfに対応する光強度の平均値Pavも変化する。従
って、比較器407からLD駆動回路に安定した負帰還
をかけるためには、上述の光強度の平均値Pavに対応す
る比較器407における設定電圧V1 を、マーク率の変
動に応じて変化させる必要がある。
【0105】そこで、本実施例では、設定電圧制御部9
02が、マーク率検出出力端子612から制御線L4
介して通知されるマーク率の検出値に応じて、比較器4
07に供給される設定電圧V1 の値を変更する。これに
より、マーク率の変動を受けない光周波数偏移量の安定
化動作が実現される。
【0106】尚、マーク率検出出力端子612からのマ
ーク率検出出力に基づいて、同期検波回路406からL
D駆動回路402へ供給される負帰還信号にオフセット
電圧を加え、レーザダイオードの動作点を、光周波数弁
別特性の極大値又は極小値を与える光周波数から故意に
ずらすような制御を行っても、上述の場合と同様の機能
を実現できる。
【0107】図23は本発明の第1の構成の第5実施例
を示すレーザダイオードの駆動装置のブロック図であ
る。第1乃至第4の実施例においては、光干渉器の光周
波数弁別特性における極大点を与える光周波数又は極小
点を与える光周波数に動作点を安定化していたが、本実
施例においては、この点が大きく異なる。
【0108】即ち、本実施例における装置の動作原理
は、(1)光干渉器における動作点を、光干渉器の光周
波数弁別特性における極大点を与える光周波数とこの極
大点に隣接する極小点を与える光周波数の中点に対応す
る光周波数(以下「平均光周波数」という。)に安定化
させること、(2)その安定化された動作点のもとで、
受光器からの電気信号における変調信号の周波数に相当
する周波数成分の振幅の平均値又は実効値を検出するこ
と、そして、所定の光周波数変調を生じさせるときの設
定値に向かって上記平均値又は実効値を集束させるよう
にレーザダイオードのバイアス又は温度に帰還をかける
こと、の2点に大別される。
【0109】本実施例においては、動作点が平均光周波
数に一致している場合に、受光器からの電気信号におけ
る変調信号の周波数に相当する周波数成分の振幅の平均
値又は実効値と光周波数偏移量が所定の関数関係にある
ことを利用している。具体的には次の通りである。
【0110】光干渉器701からの2つの干渉光Hi1
びHi2は、直列接続されたフォトダイオード等からなる
第1及び第2の受光器702及び703にそれぞれ入射
する。第1及び第2の受光器702及び703にそれぞ
れ生じる光電流I1 及びI2は、電圧検出用の抵抗70
4及び705並びに演算増幅器706及び707により
電圧値としてそれぞれ検出される。これら2つの電圧値
は、加算器708で加算された後、その加算結果がAP
C回路709に入力する。
【0111】この実施例では、光電流I1 及びI2 の差
成分を動作点の検出と光周波数偏移量の安定化に供する
ために、第1の受光器702と第2の受光器703の接
続点の電位変化を光周波数偏移量安定化回路1003及
び動作点検出回路1001に取り込んでいる。符号10
02は検出された動作点に基づいてレーザダイオード4
01の発振周波数又は光干渉器701の干渉特性を制御
する動作点制御回路である。
【0112】動作点制御回路1002からの制御信号
は、LD駆動回路402の温度制御入力端子602に入
力し、光周波数偏移量安定化回路1003からの制御信
号はバイアス制御入力端子609に入力する。この制御
線の接続関係を逆にしてもよい。また、動作点制御回路
1002からの制御信号を光干渉器701に帰還しても
よい。
【0113】光周波数偏移量安定化回路1003は図4
の第1の実施例における比較器407或いは図22の第
4の実施例における比較器407及び設定電圧制御部9
02により構成することができる。
【0114】図24は2つの相補的な干渉光の光周波数
弁別特性における動作点設定の原理を説明するための図
である。図24(A)に示すように、レーザダイオード
401の中心光周波数f0 が平均光周波数に一致してい
る場合には、変調信号Ip に基づいて第1の受光器70
2に生じる光電流I1 の平均値(DCレベル)は、第2
の受光器703に生じる光電流I2 の平均値(DCレベ
ル)に一致する。
【0115】一方、図24(B)に示すように、動作点
が光周波数の低周波数側にドリフトして、レーザダイオ
ード401の中心光周波数f0 が平均光周波数よりも低
くなった場合には、一方の干渉光Hi1の光周波数弁別特
性に基づいて第1の受光器702に生じる光電流I1
DCレベルは、他方の干渉光Hi2に基づいて第2の受光
器703に生じる光電流I2 のDCレベルよりも低くな
る。
【0116】他方、図24(C)に示すように、動作点
が光周波数の高周波数側にドリフトして、レーザダイオ
ード401の中心光周波数f0 が平均光周波数よりも高
くなった場合には、図24(B)の場合とは逆に、第1
の受光器702に生じる光電流I1 のDCレベルは、第
2の受光器703に生じる光電流I2 のDCレベルより
も高くなる。
【0117】従って、光電流I1 のDCレベルと光電流
2 のDCレベルの差或いは光電流I1 及びI2 の差信
号のDCレベルが0に集束するような帰還制御を行うこ
とによって、光干渉器701における動作点を平均光周
波数に設定することができる。
【0118】このような動作点の安定化が実現されてい
ると、レーザダイオード401の中心光周波数f0 は、
相補的な2つの干渉光に対する光周波数弁別特性の交点
P(図7参照)を与える光周波数に一致する。
【0119】レーザダイオード401の中心光周波数f
0 が周波数弁別特性の交点Pを与える光周波数に一致し
ていると、光周波数弁別特性の微分係数は常に一定値に
維持されるから、光電流I1 又はI2 における変調周波
数に相当する周波数成分の振幅の平均値又は実効値と光
周波数偏移量は一定の関数関係を有するようになるので
ある。
【0120】このような動作原理に基づいて、光周波数
偏移量安定化回路1003は、上述の平均値又は実効値
と所定値の間の誤差値を演算し、この誤差値をLD駆動
回路402に帰還させる。これにより、レーザダイオー
ド401の経時変化等にかかわらずレーザダイオード4
01における光周波数偏移量を安定化することができ
る。
【0121】尚、APC回路709の動作については、
図15の第2の実施例におけるのと同様であるからその
説明を省略する。本実施例においてマーク率補正を行う
場合には、LD駆動回路402のマーク率検出出力端子
612からの信号を動作点制御回路1002及び/又は
光周波数偏移量安定化回路1003に入力させる。
【0122】図25は本発明の第1の構成の第6実施例
を示すレーザダイオードの駆動装置のブロック図であ
る。本実施例は、光周波数分割多重(FDM)伝送シス
テム、即ち、一本の光ファイバ上で複数の中心光周波数
を同時に使用して複数回線分の情報を多重化して送るよ
うな光通信システムに適応される。
【0123】図25のレーザダイオード2001、LD
駆動回路2002、光干渉器2004、受光器2005
は、例えば、各々図4の第1の実施例における401、
402、403及び404の各部に対応する。また、図
25の動作点安定化部2006は図4の低周波発振器4
05及び同期検波回路407に対応し、図25の光周波
数偏移量安定化部2007は図4の比較器407に対応
している。
【0124】図25の第6の実施例が図4の第1の実施
例と異なるのは、FDM伝送システムでは複数の中心光
周波数が必要とされることに対応して、レーザダイオー
ド2001、LD駆動回路2002、受光器2005、
動作点安定化部2006及び光周波数偏移量安定化部2
007の各々が、♯1〜♯nの複数個で構成される点で
ある。
【0125】このような構成により、♯1〜♯nの複数
回線分の送信データDinの多重伝送が実現される。尚、
光干渉器2004は、本実施例の場合は、ファブリ・ペ
ロー干渉器によって構成される。そして、♯1〜♯nの
各レーザダイオード2001からの♯1〜♯nの各後方
光H0 は、n本の光ファイバによって空間分割されて、
1台のファブリ・ペロー干渉器2004に導かれ、同干
渉器からの♯1〜♯nの各干渉光Hi は、n本の光ファ
イバによって空間分割されて、n台の受光器2005に
導かれる。
【0126】図25の♯1〜♯nのn組の部分の各々に
おけるレーザダイオード2001における動作点及び光
周波数偏移量の安定化動作は、図4の第1の実施例の場
合と基本的には同じである。
【0127】ただし、本実施例では、特に、各動作点安
定化部2006の出力は、LD駆動回路2002に帰還
されることにより、各レーザダイオード2001におけ
る各レーザ光の各動作点(中心光周波数)が、1台の光
干渉器2004における1つの光周波数弁別特性上のn
点の極大値MAX(図7参照)の各々に定位される。
【0128】ここで、1つの光周波数弁別特性上におけ
る隣接する極大値間の光周波数間隔は正確に一定値とな
る。従って、上述のように、各レーザダイオード200
1における各レーザ光の各自動周波数制御(AFC)が
同時に実現される結果、FDM伝送システムにおける♯
1〜♯nの各レーザダイオード2001におけるn点の
動作点を、光周波数軸上で正確に等間隔に配置すること
が可能となる。
【0129】そして、各レーザダイオード2001にお
ける各レーザ光毎に、上述のような自動周波数制御(A
FC)のもとで、光周波数偏移量を各々所定値に安定化
させることができる。
【0130】また、光周波数弁別特性の極大値又は極小
値の1つのピーク値に対し、複数のレーザ光の動作点を
対応させることにより共通の光周波数で異なる伝送路に
対し伝送を行うものにも対応できる。
【0131】図26は、本発明の第1の構成の第7実施
例を示すレーザダイオードの駆動装置のブロック図であ
る。同図で、図25の第6の実施例と同じ番号を付した
部分は同じ機能を有する。
【0132】第7の実施例が第6の実施例と異なる点
は、動作点安定化部と光周波数偏移量安定化部は、各々
2101と2102の1つずつのみが設けられ、各々が
時分割動作する点である。
【0133】そして、♯1〜♯nの各受光器2005か
らの出力は、各出力に割り当てられた時分割タイミング
で、スイッチ2103及び2104を介して動作点安定
化部2101及び光周波数偏移量安定化部2102に入
力される。そして、各制御結果はスイッチ2105及び
2106を介してデータ保持部2107及び2108に
保持される。各データ保持部2107及び2108は、
各々、各制御時点において最新の♯1〜♯nの各制御デ
ータを、各LD駆動回路2002に同時に負帰還する。
上述のような構成により、回路規模を縮小することが可
能となる。
【0134】尚、本実施例では、動作点安定化部210
1から出力される同期検波用の変調出力(図4の第1の
実施例の低周波発振器405の発振出力に対応)は、光
干渉器2004の温度制御端子に重畳される。これによ
り、各半導体レーザ2001の各レーザ光の光周波数を
低周波で変調する必要がなくなるため、低周波変調成分
が各レーザ光の本来の通信信号に対応する変調成分に影
響を与えることがなくなる。
【0135】図27は、本発明の第2の構成の実施例を
示すレーザダイオードの駆動装置のブロック図である。
本実施例の特徴は、レーザダイオードにおける光周波数
偏移量を安定化させるための前段階として行われるレー
ザダイオードの動作点の安定化制御が、例えば図4の実
施例で説明したような低周波発振器による低周波変調動
作と同期検波回路による同期検波動作によって行われる
のではなく、光干渉器からの反射光を利用した制御動作
によって行われることである。
【0136】図27において、まず、レーザダイオード
2201、LD駆動回路2202及び比較器2213等
の機能は、図4の401、402及び407等の機能と
同じである。
【0137】レーザダイオード2201からの直線偏光
された後方光である入射光H0 は、ハーフミラー220
4に入力される。ハーフミラー2204を透過したレー
ザ光は、内部に偏光子2218が挿入され、左と右の各
面がミラーコート2216と2217を施されたファブ
リ・ペロー干渉器2205に入力される。この偏光子2
218は、その主軸(共振するレーザ光の偏光方向に一
致する)の角度が、図28のAのように、入射光H0
偏光方向に対してθ1(0<θ1<90°)の角度とな
るように配置される。
【0138】ファブリ・ペロー干渉器2205からハー
フミラー2204の方向へ反射される反射光B1は、ハ
ーフミラー2204で反射された後、図28のCのよう
に、主軸の角度を互いにπ/4傾けて配置されたλ/4
板2206と偏光子2207を透過する。
【0139】そして、偏光子2207からの2つの方向
X3とY3の各レーザ光は、受光器2208及び220
9で各々受光される。減算器2210は、受光器220
8の出力信号から受光器2209の出力信号を減算す
る。
【0140】負帰還部2211は、減算器2210から
の減算信号E3に基づいてLD駆動回路2202の温度
制御入力端子に負帰還をかける。これにより、レーザダ
イオード2201における動作点をファブリ・ペロー干
渉器2205における光周波数弁別特性の極大値に対応
する光周波数に常に一致させるという制御動作が実現さ
れる。
【0141】一方、ファブリ・ペロー干渉器2205を
透過した干渉光は、受光器2212で受光され、受光器
2212の出力信号E4のうちの直流成分は比較器22
13に入力される。
【0142】比較器2213は、図4の実施例の比較器
407の場合と同様にして、受光器2212からの直流
成分電圧と予め定められた設定電圧V1 との誤差成分を
演算する。そして、この誤差成分によりLD駆動回路2
202のバイアス制御入力端子へ負帰還がかけられるこ
とにより、レーザダイオード2201におけるレーザ光
の光周波数偏移量が安定化される。
【0143】また、レーザダイオード2201からの出
射光H0 のうちハーフミラー2204を透過せずにそこ
で反射されたレーザ光は、受光器2214で受光され
る。APC制御部2215は、受光器22で受光された
モニタ光に基づいて、LD駆動回路2202に負帰還を
かけることにより、レーザダイオード2201における
レーザ光の出力を一定レベルに保つ自動光出力制御が実
現される。
【0144】以上の構成を有する実施例では、前述した
ように、レーザダイオード2201の動作点の安定化制
御がファブリ・ペロー干渉器2205からの反射光B1
を利用した制御動作によって実現されることを特徴とす
る。以下、この動作点の安定化制御について順次説明す
る。
【0145】まず、ファブリ・ペロー干渉器2205内
の偏光子2218は、その主軸の角度が、図28のAの
ように、入射光H0 の偏光方向に対してθ1(0<θ1
<90°)の角度となるように配置される。そのため、
同干渉器内では、入射光H0に対して角度がθ1だけ傾
いたY1方向の成分のみが共振する。Y1に対して垂直
のX1の方向の成分は、干渉器の外へ出てしまい、0と
なる。一方、ミラーコート2216の部分では、内部の
偏光子2218にかかわらず、入射光H0 は反射する。
【0146】以上の関係を考慮すると、ファブリ・ペロ
ー干渉器2205からハーフミラー2204の方向へ反
射される反射光B1(X1成分とY1成分)は、下式で
表現される。
【0147】
【数1】
【0148】次に、反射光B1の偏光方向とλ/4板2
206の主軸との角度を図28のBのようにθ2とする
と、λ/4板2206からの出力光B2(X2成分とY
2成分)は、下式で表現される。
【0149】
【数2】
【0150】さらに、λ/4板2206と偏光子220
7の各主軸のなす角度は図23のCのようにπ/4であ
るため、偏光子2207から受光器2208及び220
9への各出力光B3(X3成分とY3成分)は、下式で
表現される。
【0151】
【数3】
【0152】これより、受光器2208の出力E1と受
光器2209の出力E2は、
【0153】
【数4】
【0154】で表され、さらに、減算器2210の出力
E3は、
【0155】
【数5】
【0156】で表される。一方、ファブリ・ペロー干渉
器2205から受光器2212の方向へは、同干渉器内
で共振し、図28のAで示されるY1成分のみを有する
干渉光が出力されるため、受光器2212の出力E4
は、下式で表現される。
【0157】
【数6】
【0158】以上の数1式〜数6式より、数5式で示さ
れる減算器2210の出力E3は、θ1=π/4で最大
となり、θ1=0、π/2で0となる。一方、数6式で
示される受光器2212の出力E4は、θ1=0で最大
となり、θ1=π/2で0となる。また、上記E3とE
4の両者とも、θ2には依存しない。そして、図28の
Cのように、主軸の角度を互いにπ/4傾けて配置され
たλ/4板2206と偏光子2207を用いることによ
り、数1式で示されるファブリ・ペロー干渉器2205
からハーフミラー2204の方向へ反射される反射光B
1のX1成分とY1成分の位相差の情報を、数5式で示
される減算器2210の出力E3として取り出すことが
できる。即ち、X1成分とY1成分の位相差をφとすれ
ば、
【0159】
【数7】
【0160】となる。この位相差φは、数6式で示され
る受光器2212の出力E4における極大点では0、極
小点ではπとなるため、出力E4における極大点又は極
小点は出力E3における0点に対応することになる。
【0161】上述の特性を、具体的に示すと次のように
なる。いま、数1式における屈折率をn=1.5、ファ
ブリ・ペロー干渉器2205のフリースペクトラルレン
ジ(光周波数弁別特性における極大点間の光周波数間隔
に相当する)をc/2nL=15GHz(cは光速)、
ハーフミラー2204における反射率をR=0.9(9
0%)、θ1=π/8として、数5式で示される減算器
2210の出力E3と数6式で示される受光器2212
の出力E4を各光周波数について計算すると、図29の
A及びBで示されるごとき光周波数特性が得られる。
【0162】ここで、図29のBで示される受光器22
12の出力E4の光周波数特性は、図27のファブリ・
ペロー干渉器2205の光周波数弁別特性にほかならな
い。従って、図29のAとBからわかるように、ファブ
リ・ペロー干渉器2205の光周波数弁別特性の極大点
は減算器2210の出力E3の光周波数特性の0点に対
応することになる。
【0163】以上の事実に基づいて、負帰還部2211
が減算器2210の出力E3に基づいてレーザダイオー
ド2201の温度に負帰還をかけることにより、レーザ
ダイオード2201における動作点をファブリ・ペロー
干渉器2205における光周波数弁別特性の極大値に対
応する光周波数に常に一致させるという制御動作が実現
されることになる。
【0164】この場合に、図29のAの光周波数特性か
らわかるように、負帰還部2211は、減算器2210
の出力E3が正極性の場合には、レーザダイオード22
01におけるレーザ光の中心光周波数を下げるように負
帰還をかけ、逆に、E3が負極性の場合には、中心光周
波数を上げるように負帰還をかける。
【0165】図30は、本発明の第3の構成の実施例を
示すレーザダイオードの駆動装置のブロック図である。
同図で、図27の実施例と同じ番号を付した部分は同じ
機能を有する。
【0166】この実施例では、図27の実施例の場合と
同様に、レーザダイオード2201の動作点の安定化制
御が、ファブリ・ペロー干渉器2501からの反射光B
1を利用した制御動作によって行われる。この実施例が
図27の実施例と異なる点は、ファブリ・ペロー干渉器
2501の内部に偏光子ではなくλ/4板2505が設
けられ、ファブリ・ペロー干渉器2501と受光器22
12の間に偏光子2502が配置される点である。
【0167】上述のλ/4板2505は、その主軸の角
度が、図31のAのように、入射光H0 の偏光方向に対
してπ/4の角度となるように配置される。従って、干
渉器内をレーザ光が往復する毎に、反射光の偏光方向
が、入射光H0 の偏光方向に対して、垂直方向、平行方
向、垂直方向、…というように交互に変化する。
【0168】また、偏光子2502は、その主軸がλ/
4板2505の主軸に対して図31のDのようにZ2の
角度をなすように配置される。上述の構成の本実施例に
おけるレーザダイオード2201の動作点の安定化制御
について、図27の実施例の場合と同様に順次説明す
る。
【0169】まず、ファブリ・ペロー干渉器2501内
にその主軸の角度が入射光H0 の偏光方向に対してπ/
4の角度となるように配置されたλ/4板2505によ
り、ファブリ・ペロー干渉器2501からハーフミラー
2204の方向へ反射される反射光B1には、入射光H
0 の偏光方向に対して、それと同一方向のX0成分と垂
直方向のY0成分とが含まれる。
【0170】これより、反射光B1は、下式で表現され
る。
【0171】
【数8】
【0172】次に、反射光B1の偏光方向とλ/4板2
206の主軸との角度を図31のBのようにZ1とする
と、λ/4板2206からの出力光B2(X2成分とY
2成分)は、下式で表現される。
【0173】
【数9】
【0174】さらに、λ/4板2206と偏光子220
7の各主軸の角度は図31のCのようにπ/4であるた
め、偏光子2207から受光器2208及び2209へ
の各出力光B3(X3成分とY3成分)は、図27の実
施例の説明において前述した数3式と同じ式である下式
で表現される。
【0175】
【数10】
【0176】これより、受光器2208の出力E1、受
光器2209の出力E2及び減算器2210の出力E3
は、図27の実施例の説明において前述した数4式及び
数5式と同じ式である下記の数11式及び数12式で表
現される。
【0177】
【数11】
【0178】
【数12】
【0179】一方、ファブリ・ペロー干渉器2501か
ら偏光子2502の方向へは、同干渉器内で共振し、入
射光H0 の偏光方向に対して右回りの偏光を有する下記
の数13式で表現される干渉光B5−1と、左回りの偏
光を有する下記の数14式で表現される干渉光B5−2
とが出力される。
【0180】
【数13】
【0181】
【数14】
【0182】従って、図30の偏光子2502に入射さ
れる干渉光は、数13式で表現される干渉光B5−1と
数14式で表現される干渉光B5−2とを、X1成分及
びY1成分毎に合成(加算)した光となる。この合成光
の各成分を新たにX1成分及びY1成分とすれば、偏光
子2502を透過した光B6(X4成分とY4成分)
は、下式で表現される。
【0183】
【数15】
【0184】ここで、受光器2212が上述の偏光子2
502からのX4成分とY4成分の2つの出力光B6の
うち例えばY4成分を受光するとすれば、受光器221
2の出力E4は、下式で表現される。
【0185】
【数16】
【0186】以上の数8式〜数16式より、数12式で
示される図30の減算器2210の出力E3は、図31
のAのようにλ/4板2505の主軸と入射光H0 の偏
光方向とがπ/4の角度をなしている状態で最大となっ
ている。また、上記E3とE4の両者とも、Z1には依
存しない。
【0187】そして、図31のCのように、主軸の角度
を互いにπ/4傾けて配置されたλ/4板2206と偏
光子2207を用いることにより、数8式で示されるフ
ァブリ・ペロー干渉器2501からハーフミラー220
4の方向へ反射される反射光B1のX0成分とY0成分
の位相差の情報を、数12式で示される減算器2210
の出力E3として取り出すことができる。即ち、X0成
分とY0成分の位相差をφとすれば、数7式と同様に、
【0188】
【数17】
【0189】となる。この位相差φは、前述した図27
の実施例の場合と同様に、数16式で示される受光器2
212の出力E4における極大点では0、極小点ではπ
となるため、出力E4における極大点又は極小点は出力
E3における0点に対応することになる。
【0190】いま、数8式における屈折率をn=1.
5、ファブリ・ペロー干渉器2501のフリースペクト
ラルレンジをc/2nL=15GHz(cは光速)、ハ
ーフミラー2204における反射率をR=0.9(90
%)、z2=0として、数12式で示される減算器22
10の出力E3と数16式で示される受光器2212の
出力E4を各光周波数について計算すると、図32のA
及びBで示される如き光周波数特性が得られる。
【0191】これより、図27の実施例に関する図29
の場合と同様、ファブリ・ペロー干渉器2501の光周
波数弁別特性の極大点は、減算器2210の出力E3の
光周波数特性の0点に対応する。従って、図27の実施
例の場合と同様、負帰還部2211が減算器2210の
出力E3に基づいてレーザダイオード2201の温度に
負帰還をかけることにより、レーザダイオード2201
における動作点の安定化制御が実現される。
【0192】この場合にも、図27の実施例と同様に、
図32のAの光周波数特性からわかるように、負帰還部
2211は、減算器2210の出力E3が正極性の場合
には、レーザダイオード2201におけるレーザ光の中
心光周波数を下げるように負帰還をかけ、逆に、E3が
負極性の場合には、中心光周波数を上げるように負帰還
をかける。
【0193】ここで、前述した図27の実施例では、図
29のAからわかるように、負帰還部2211が出力E
3に基づいて帰還をかける場合に、レーザダイオード2
201における動作点が光周波数弁別特性における極大
点から離れて隣り合う極大点の中間の光周波数に近付け
ば近付くほど、出力E3の値は0に近い値をとる。
【0194】このため、動作点が上記中間点に近付けば
近付くほど、上記動作点が目標とする極大点に安定して
収束させられにくくなり、隣りの極大点に収束させられ
てしまう危険性が大きくなる。
【0195】これに対して、この実施例では、図32の
Aからわかるように、上記中間点の直近の光周波数ま
で、出力E3の値は、上記中間周波数を境に互いに逆極
性の比較的大きな値をとる。
【0196】従って、この実施例では、上記動作点が上
記中間点にかなり近付いても、該動作点が目標とする極
大点に安定して収束させられる。このように、この実施
例の方が、図27の実施例よりも、レーザダイオード2
201における動作点のロックインレンジを大きくとる
ことができるという特長を有する。
【0197】以上の制御動作により、レーザダイオード
2201における動作点をファブリ・ペロー干渉器25
01における光周波数弁別特性の極大値に対応する光周
波数に一致させるという制御動作が実現される。
【0198】最後に、図33は、本発明の第2の構成の
他の実施例を示すレーザダイオードの駆動装置のブロッ
ク図である。本実施例は、図27の実施例の構成を、前
述した図4の実施例の構成を図25の実施例の構成又は
図26の実施例の構成に拡張したのと同様に、FDM伝
送システム用、又は同一光周波数で複数の伝送を行う場
合に拡張した構成を有している。
【0199】図33において、レーザダイオード280
1及び受光器2806,2807,2808,2809
は図27の実施例における2201,2208,220
9,2212,2214の各部分に対応する。
【0200】図33の実施例が図27の実施例と異なる
のは、FDM伝送システムでは複数の中心光周波数が必
要とされることに対応して、レーザダイオード2801
及び受光器2806,2807,2808,2809の
各々が、#1〜#nの複数個で構成される点である。こ
のような構成により、#1〜#nの複数回線分の送信デ
ータの多重伝送が実現される。
【0201】一方、ハーフミラー2802、内部に偏光
子2812が挿入され左と右の各面がミラーコート28
10,2811を施されたファブリ・ペロー干渉器28
03、λ/4板2804及び偏光子2805は、図27
の実施例の場合と同様に1つずつ設けられる。そして、
#1〜#nのレーザダイオード2801からの各後方光
は、n本の光ファイバによって空間分割されて、各後方
光毎に上述の1組の光学系によって図27の実施例の場
合と同様に光学的処理がなされる。
【0202】さらに、図33では省略されているが、図
26の実施例におけるLD駆動回路2202、減算器2
210、負帰還部2211、比較器2213及びAPC
制御部2215と同様の部分が、図33のレーザダイオ
ード2801及び受光器2806〜2809の#1〜#
nの各々に対応してn個ずつ設けられる。
【0203】以上の構成により、低周波発振器による低
周波変調動作と同期検波回路による同期検波動作によら
ずに、各レーザダイオード2801における各レーザ光
の各動作点(中心光周波数)を、1台のファブリ・ペロ
ー干渉器2803における1つの光周波数弁別特性上の
n点の極大値の各々に正確に等間隔で定位させるか1つ
の極大値に全てのレーザ光の動作点を一致させることが
できる。また、この技術を図30の実施例の干渉計の技
術にも適用可能である。
【0204】そして、各レーザダイオード2801にお
ける各レーザ光毎に、上述のような自動周波数制御(A
FC)のもとで、光周波数偏移量を各々所定値に安定化
させることができる。
【0205】
【発明の効果】本発明の効果は実施例等の説明から明ら
かであるが、その主要な効果を確認的に明らかにすれば
次の通りである。
【0206】即ち、本発明によると、レーザダイオード
の周波数応答特性を劣化させることなくレーザダイオー
ドの光周波数偏移量を安定化させることができるという
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第2の構成を示す図である。
【図3】本発明の第3の構成を示す図である。
【図4】本発明の第1の構成の第1の実施例を示す図で
ある。
【図5】3電極分布帰還型レーザダイオードの構成を示
す模式図である。
【図6】LD駆動回路における接続図である。
【図7】マッハツェンダ干渉器における光周波数弁別特
性と同期検波信号の波形図である。
【図8】ファブリ・ペロー干渉器における光周波数弁別
特性と同期検波信号の波形図である。
【図9】低周波発振器の動作を説明するための波形図で
ある。
【図10】光周波数偏移量の安定化動作の説明図であ
る。
【図11】光強度の平均値と光周波数偏移量との関係を
示すグラフである。
【図12】図11のグラフが得られることを実証する実
験データを示す図である。
【図13】図5のレーザダイオードのI−L特性を示す
グラフである。
【図14】図13のI−L特性の各点におけるFM変調
効率の周波数特性(A)及び光周波数偏移量(B)を示
すグラフである。
【図15】本発明の第1の構成の第2の実施例を示す図
である。
【図16】相補的な2つの干渉光を出力するマッハツェ
ンダ干渉器を示す図である。
【図17】図16における2つの干渉光の光周波数弁別
特性を示す図である。
【図18】相補的な2つの干渉光を出力するファブリ・
ペロー干渉器を示す図である。
【図19】図18における2つの干渉光の光周波数弁別
特性を示す図である。
【図20】相補的な2つの干渉光を得る他の光干渉器を
示す図である。
【図21】本発明の第1の構成の第3の実施例を示す図
である。
【図22】本発明の第1の構成の第4の実施例を示す図
である。
【図23】本発明の第1の構成の第5の実施例を示す図
である。
【図24】図23の装置における動作点安定化の原理説
明図である。
【図25】本発明の第1の構成の第6の実施例を示す図
である。
【図26】本発明の第1の構成の第7の実施例を示す図
である。
【図27】本発明の第2の構成の実施例を示す図であ
る。
【図28】図27の実施例における軸関係を示す図であ
る。
【図29】図27の実施例における特性図である。
【図30】本発明の第3の構成の実施例を示す図であ
る。
【図31】図30の実施例における軸関係を示す図であ
る。
【図32】図30の実施例における特性図である。
【図33】本発明の第2の構成の他の実施例を示す図で
ある。
【符号の説明】
101,201,401,2001,2201,280
1 レーザダイオード 102,203,302 光干渉手段 103,206,207,209 受光手段 104 動作点安定化手段 105,210 光周波数偏移量検出手段 106,211 LD制御手段 202,205 偏光子 204,301 1/4波長板 208 帰還手段
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−179823(JP,A) 特開 昭61−134134(JP,A) 特開 平2−41043(JP,A) 特開 昭64−15992(JP,A) 特開 平3−174791(JP,A) 1991年電子情報通信学会秋季大会講演 論文集 p.4−93(B−633) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 5/00 - 5/50 JICSTファイル(JOIS)

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変調信号に基づいて周波数変調又は位相
    変調されるレーザダイオード(101) と、 該レーザダイオードからの光を受け、光周波数弁別特性
    に従った干渉光を出力する光干渉手段(102) と、 該干渉光を受け、その光強度を電気信号に変換する受光
    手段(103) と、 該電気信号を受け、上記光干渉手段(102) における上記
    レーザダイオード(101) の動作点を上記光周波数弁別特
    性における特定の点を与える光周波数に一致させる動作
    点安定化手段(104) と、 該動作点安定化手段によって上記動作点の安定化制御が
    行われているもとで、上記受光手段(103) からの電気信
    号に基づき光周波数偏移量を検出する光周波数偏移量検
    出手段(105) と、 該光周波数偏移量検出手段により検出された光周波数偏
    移量が一定になるように上記レーザダイオード(101) の
    バイアス又は温度を制御するLD制御手段(106) とを備
    えたことを特徴とするレーザダイオードの駆動装置。
  2. 【請求項2】 上記特定の点を与える光周波数は、上記
    光周波数弁別特性における極大値又は極小値に対応する
    光周波数であり、 上記光周波数偏移量検出手段は、上記受光手段からの電
    気信号から得られる上記干渉光の光強度の平均値に基づ
    き上記光周波数偏移量を検出し、 上記LD制御手段は、該平均値と所定値の間の誤差値を
    演算し、該誤差値を上記レーザダイオードのバイアス又
    は温度に帰還することを特徴とする請求項1に記載のレ
    ーザダイオードの駆動装置。
  3. 【請求項3】 上記動作点安定化手段は、上記レーザダ
    イオードの発振周波数又は上記光干渉手段の干渉特性を
    低周波数で変化させる低周波発振器(405) と、該低周波
    発振器からの発振出力を参照信号として上記受光手段か
    らの電気信号を同期検波する同期検波回路(406) とを含
    み、 該同期検波回路からの同期検波信号に基づき、上記レー
    ザダイオードの発振周波数又は上記光干渉手段の干渉特
    性が制御されることを特徴とする請求項2に記載のレー
    ザダイオードの駆動装置。
  4. 【請求項4】 上記低周波発振器(405) が上記レーザダ
    イオードの発振周波数を変化させる場合の変化幅は、上
    記LD制御手段によって演算される上記誤差値の大きさ
    に基づいて制御されることを特徴とする請求項3に記載
    のレーザダイオードの駆動装置。
  5. 【請求項5】 上記特定の点を与える光周波数は、上記
    光周波数弁別特性における極大点を与える光周波数と該
    極大点に隣接する極小点を与える光周波数の平均光周波
    数であり、 上記光周波数偏移量検出手段は、上記受光手段からの電
    気信号における上記変調信号の周波数に相当する周波数
    成分の振幅の平均値又は実効値に基づき上記光周波数偏
    移量を検出し、 上記LD制御手段は、該平均値又は実効値と所定値の間
    の誤差値を演算し、該誤差値を上記レーザダイオードの
    バイアス又は温度に帰還することを特徴とする請求項1
    に記載のレーザダイオードの駆動装置。
  6. 【請求項6】 上記動作点安定化手段は、上記受光手段
    からの電気信号に基づいて上記平均光周波数と上記動作
    点の差を検出する動作点検出回路(1001)と、該差が零又
    は所定値になるように上記レーザダイオードの発振周波
    数又は上記光干渉手段の干渉特性を制御する動作点制御
    回路(1002)とを含むことを特徴とする請求項5に記載の
    レーザダイオードの駆動装置。
  7. 【請求項7】 上記LD制御手段は上記レーザダイオー
    ドのバイアスを制御し、 上記動作点安定化手段は、上記レーザダイオードの温度
    を制御することにより、該レーザダイオードの自動周波
    数制御を行うことを特徴とする請求項3又は6に記載の
    レーザダイオードの駆動装置。
  8. 【請求項8】 上記光干渉手段は光周波数弁別特性が互
    いに相補的な特性を有する2種類の干渉光を出力し、 上記受光手段は該2種類の干渉光をそれぞれ受ける第1
    及び第2の受光器(702,703) であり、 該第1及び第2の受光器からの各電気信号の差成分のD
    Cレベルに基づいて上記光周波数偏移量検出手段が動作
    することを特徴とする請求項3に記載のレーザダイオー
    ドの駆動装置。
  9. 【請求項9】 上記光干渉手段は光周波数弁別特性が互
    いに相補的な特性を有する2種類の干渉光を出力し、 上記受光手段は該2種類の干渉光をそれぞれ受ける第1
    及び第2の受光器(702,703) であり、 該第1及び第2の受光器からの各電気信号の差成分のD
    Cレベルに基づいて上記動作点安定化手段及び上記光周
    波数偏移量検出手段が動作することを特徴とする請求項
    6に記載のレーザダイオードの駆動装置。
  10. 【請求項10】 上記第1及び第2の受光器(702,703)
    からの各電気信号の和成分に基づいて上記レーザダイオ
    ードの発振出力を検出し、該発振出力が一定になるよう
    な制御を行う自動光出力制御回路(709) をさらに備えた
    ことを特徴とする請求項8又は9に記載のレーザダイオ
    ードの駆動装置。
  11. 【請求項11】 上記変調信号におけるマーク率を計測
    するマーク率モニタ回路(611) をさらに備え、 該マーク率モニタ回路で計測されたマーク率は、上記動
    作点安定化手段又は上記LD制御手段に帰還されること
    を特徴とする請求項3又は6に記載のレーザダイオード
    の駆動装置。
  12. 【請求項12】 上記レーザダイオードは3電極分布帰
    還型のレーザダイオードであり、 該レーザダイオードのセンタ電極に与えるバイアスが上
    記LD制御手段により制御されることを特徴とする請求
    項1又は7に記載のレーザダイオードの駆動装置。
  13. 【請求項13】 上記レーザダイオードは複数備えら
    れ、 上記光干渉手段は、上記各レーザダイオードからの空間
    的に分割された複数の光を並列に受け、各々に対応する
    干渉光を並列に出力し、 上記受光手段、上記動作点安定化手段、上記光周波数偏
    移量検出手段及び上記LD制御手段は、上記レーザダイ
    オードの数に応じて複数備えられていることを特徴とす
    る請求項1に記載のレーザダイオードの駆動装置。
  14. 【請求項14】 上記レーザダイオードは複数備えら
    れ、 上記光干渉手段は、上記各レーザダイオードからの空間
    的に分割された複数の光を並列に受け、各々に対応する
    干渉光を並列に出力し、 上記受光手段は上記レーザダイオードの数に応じて複数
    備えられ、 上記動作点安定化手段、上記光周波数偏移量検出手段及
    び上記LD制御手段は、上記複数の受光手段からの各電
    気信号に基づいて時分割動作することを特徴とする請求
    項1に記載のレーザダイオードの駆動装置。
  15. 【請求項15】 上記光干渉手段における上記複数のレ
    ーザダイオードの各動作点が上記光周波数弁別特性にお
    ける複数の上記特定の点を与える光周波数にそれぞれ一
    致するように上記各動作点が安定化されることを特徴と
    する請求項13又は14に記載のレーザダイオードの駆
    動装置。
  16. 【請求項16】 上記各動作点は光周波数軸上で等間隔
    に設定されることを特徴とする請求項15に記載のレー
    ザダイオードの駆動装置。
  17. 【請求項17】 上記光干渉手段における上記複数のレ
    ーザダイオードの各動作点が上記光周波数弁別特性にお
    ける共通の上記特定の点を与える光周波数にそれぞれ一
    致するように上記各動作点が安定化されることを特徴と
    する請求項13又は14に記載のレーザダイオードの駆
    動装置。
  18. 【請求項18】 変調信号に基づいて周波数変調又は位
    相変調されるレーザダイオード(201) と、 該レーザダイオードからの光を受け、内部に第1の偏光
    子(202) が挿入され、光周波数弁別特性に従った干渉光
    を出力する光干渉手段(203) と、 該光干渉手段からの反射光を受け、順次配置される第1
    の1/4波長板(204)及び第2の偏光子(205) と、 該第2の偏光子からの2種類の光を各々受け、各々の光
    強度を電気信号に変換する第1及び第2の受光手段(20
    6,207) と、 該第1及び第2の受光手段からの電気信号の差成分から
    得られる情報に基づいて、上記レーザダイオード(201)
    の動作点が上記光周波数弁別特性の極大値又は極小値に
    対応する光周波数に一致するように、上記レーザダイオ
    ードの発振周波数又は上記光干渉手段(203) の干渉特性
    に帰還をかける帰還手段(208) と、 上記光干渉手段(203) からの透過光を受け、その光強度
    を電気信号に変換する第3の受光手段(209) と、 上記帰還手段(208) によって上記レーザダイオード(20
    1) の動作点の安定化制御が行われているもとで、上記
    第3の受光手段(209) からの電気信号に基づいて得られ
    る上記透過光の光強度の平均値から光周波数偏移量を検
    出する光周波数偏移量検出手段(210) と、 該平均値と所定値の間の誤差値を演算し該誤差値を上記
    レーザダイオード(201) のバイアス又は温度に帰還する
    LD制御手段(211) とを備えたことを特徴とするレーザ
    ダイオードの駆動装置。
  19. 【請求項19】 変調信号に基づいて周波数変調又は位
    相変調されるレーザダイオード(201) と、 該レーザダイオードからの光を受け、内部に第2の1/
    4波長板(301) が挿入され、光周波数弁別特性に従った
    干渉光を出力する光干渉手段(302) と、 該光干渉手段からの反射光を受け、順次配置される第1
    の1/4波長板(204)及び第2の偏光子(205) と、 該第2の偏光子からの2種類の光を各々受け、各々の光
    強度を電気信号に変換する第1及び第2の受光手段(20
    6,207) と、 該第1及び第2の受光手段からの電気信号の差成分から
    得られる情報に基づいて、上記レーザダイオード(201)
    の動作点が上記光周波数弁別特性の極大値又は極小値に
    対応する光周波数に一致するように、上記レーザダイオ
    ードの発振周波数又は上記光干渉手段(302) の干渉特性
    に帰還をかける帰還手段(208) と、 上記光干渉手段(302) からの透過光を受ける第3の偏光
    子(303) と、 該第3の偏光子からの少なくとも1種類の光を受け、そ
    の光強度を電気信号に変換する第3の受光手段(209)
    と、 上記帰還手段(208) によって上記レーザダイオード(20
    1) の動作点の安定化制御が行われているもとで、上記
    第3の受光手段(209) からの電気信号に基づいて得られ
    る上記透過光の光強度の平均値から光周波数偏移量を検
    出する光周波数偏移量検出手段(210) と、 該平均値と所定値の間の誤差値を演算し該誤差値を上記
    レーザダイオード(201) のバイアス又は温度に帰還する
    LD制御手段(211) とを備えたことを特徴とするレーザ
    ダイオードの駆動装置。
  20. 【請求項20】 上記レーザダイオードは複数備えら
    れ、 上記光干渉手段は、上記各レーザダイオードからの光を
    受けて、各々に対応する干渉光を出力し、 上記第1の1/4波長板及び上記第2の偏光子は、上記
    光干渉手段からの各反射光を受け、 上記第1及び第2の受光手段は、上記第2の偏光子から
    の2種類の光を各々受け、各々の光強度を電気信号に変
    換し、 上記帰還手段は、上記第1及び第2の受光手段からの電
    気信号の差成分から得られる情報に基づいて、上記各レ
    ーザダイオードの動作点を光周波数弁別特性の極大値又
    は極小値に一致するように、上記各レーザダイオードの
    バイアス又は温度を制御することにより、上記各レーザ
    ダイオードの自動周波数制御を行い、 上記第3の受光手段は、上記光干渉手段からの各透過光
    を受け、各々の光強度を電気信号に変換し、 上記光周波数偏移量検出手段は、上記第3の受光手段か
    らの各電気信号に基づいて得られる上記各透過光の光強
    度の各平均値からそれぞれ光周波数偏移量を測定し、 上記LD制御手段は、該平均値と所定値の間の各誤差値
    を演算し該各誤差値を上記各レーザダイオードのバイア
    ス又は温度に帰還することを特徴とする請求項18又は
    19に記載のレーザダイオードの駆動装置。
  21. 【請求項21】 上記レーザダイオードからの光の一部
    又は上記第3の受光手段からの電気信号に基づいて、上
    記レーザダイオードの発振出力が所定値に安定化される
    ように、該レーザダイオードの発振出力に帰還をかける
    自動光出力制御手段をさらに備えたことを特徴とする請
    求項18乃至20のいずれかに記載のレーザダイオード
    の駆動装置。
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