JP3065240U - 自動車用照明装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 所定の光分散を生じさせることのできる反射
器を備えた自動車用照明装置を提供すること。 【解決手段】 反射器を、光源からの出射光が次のよう
に反射されるように、すなわち反射光が遮蔽部材におい
て少なくとも実質的な影響なしで通過できるように形成
する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、自動車用照明装置、例えば点滅信号燈であって、 凹面状に湾曲した反射器と、該反射器内に差込まれる光源と、光の出射方向で 前記光源後方に配設され外方から自動車用照明装置内部への方向で見て前記光源 を少なくとも部分的に覆っている遮蔽部材と、自動車用照明装置の光出射開口部 を覆う光透過性のガラスとを有しており、前記光透過ガラスは光学的に自由な輪 郭を有している、自動車用照明装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

この種の自動車用照明装置は、ドイツ連邦共和国特許出願 DE 297 09 279 U1 明細書から公知である。この自動車用照明装置は、凹面状に湾曲した反射器を有 しており、その中に光源が差込まれている。光出射方向で光源後方には遮蔽部材 が配設されており、この遮蔽部材によって光源が外方から照明装置への方向で見 て少なくとも部分的に覆われている。この照明装置の光出射開口部は、光透過性 のガラスで覆われており、これは光学的に自由な輪郭を備えている。反射器の形 状は、コンピュータを用いた計算によって定められるものであるが、これは次の ようにデザインされるべきである。すなわち光源から出射した光が反射器によっ て所定の光分散を生じるようにデザインされるべきである。しかしながらここで は所定の光分散を生じさせるための反射器の形状に関する記載は何もない。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の課題は、従来技法の欠点に鑑みこれを解消すべく改善を行うことであ る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記課題は本考案により、反射器は、光源からの出射光が次のように反射され るように、すなわち反射光が遮蔽部材において少なくとも実質的な影響なしで通 過できるように、形成されて解決される。

【０００５】 請求項１に記載された本考案による自動車用照明装置は、実質的に反射器によ って反射された全ての光が自動車用照明装置から出射され得る利点を有する。

【０００６】 本考案の別の有利な実施例および改善例は従属請求項に記載されている。本考 案の構成によれば、その中心において十分に高い最大照明強度値での照明強度分 布の生成が可能となる。

【０００７】

【考案の実施の形態】

次に本考案の実施例を図面に基づき詳細に説明する。

【０００８】 図１から図４に示した自動車用照明装置は特に前方側の点滅燈として用いられ る。この場合この自動車用照明装置は、前照灯１０側方側の車両外縁部に配設さ れる。この自動車用照明装置は、ケーシング１２を有しており、このケーシング １２は、凹面状に湾曲した後壁１３を有している。この後壁１３の光出射方向に 向いた前面側には反射性のコーティングが被着されており、これが反射器として 用いられている。この反射器１３には、ケーシング１２の側方の前照灯１０側の 平坦な壁部１４と上方および下方の平坦な壁部１６,１８が続いている。これら は光の出射方向に延在し、同じように反射性のコーティングが施されていてもよ い。このケーシング１２は金属かまたは有利にはプラスチックからなっていても よい。

【０００９】 反射器１３はその頂点に開口部２０を有しており、この開口部に光源２２，例 えば白熱球が差込まれている。この白熱球２２は、ガラスバルブを有しており、 これは自動車用照明装置に必要とされる信号色で色づけされるかまたはコーティ ングされている。つまり自動車用照明装置の点滅燈としての適用の際には、黄色 かまたはオレンジの色である。自動車用照明装置の光出射開口部は、光透過性の ガラス２４で覆われる。これは光学的に自由な輪郭を有する。カバーガラス２４ は、ガラスまたはプラスチックからなっていてもよく、有利には無色である。こ のカバーガラス２４は前照灯１０のためのカバーガラスとして用いられてもよく 、その場合はこのガラスが自動車用照明装置の光出射開口部を越えて前照灯１０ まで延在する。このカバーガラス２４は側方への光の出射も可能にするために、 自動車の測縁方向で光出射方向とは反対の反射器１３後方まで延在していてもよ い。自動車用照明装置の本来の光出射方向は、反射器１３の光軸に対してほぼ並 行した矢印２６で示されている。反射器１３は自動車の外縁へ向けて側方開口部 ２５を有しており、これはカバーガラス２４の側方領域からの光出射を前記光出 射方向２６を横切る矢印２７の方向で可能にするためである。自動車照明装置の ケーシング１２は、前照灯１０のケーシング２１につながる遮蔽フレーム２３に 一体的に構成されて射てもよい。これは前照灯ケーシング２１の領域内で、前照 灯ケーシング２１とこれに配設されている少なくとも１つの反射器の間の隙間を 覆うために用いられる。この場合には反射器が前照灯ケーシング２１を越えて突 出する遮蔽フレーム２３部分に構成される。この場合この遮蔽フレーム２３には 、見える側の面に反射性のコーティングが施されていてもよい。

【００１０】 光出射方向２６では光源２２の後方に間隔をおいて遮蔽部材２８が設けられて いる。この遮蔽部材によって外方から自動車用照明装置方向で見て光源２２が少 なくとも部分的に覆われる。そのためこれは直接的には見えない。遮蔽部材２８ は、例えば反射器１３の光軸１１に対して横方向に延在するプレートとして構成 されてもよい。これは同様に任意の形態に湾曲させて構成することも可能である 。この遮蔽部材２８は、プラスチックかまたは金属からなっていてもよく、光不 透過性か、または部分的または完全に光透過性に構成されていてもよい。図１お よび図２に示した実施形態では、この遮蔽部材２８がキャップ状に構成されてお り、さらに光軸１１に対して横断方向に延在する底部２９と、これに続く光出射 方向とは反対の、光軸１１にほぼ並行して延在する中空円筒状区分３０とを有し ている。この円筒状区分３０は、光出射方向２６とは反対方向で、次のような長 さまで延在する。すなわち光源２２から出射した光がそこにおいて影響を受ける ことなく通過到達し反射器１３に入射し得るような長さまで延在する。この区分 ３０は底部２９の全周に亘って形成されていてもよく、またこの全周の一部に亘 ってのみ、例えばこの全周の側方方向でのみ形成されていてもよい。

【００１１】 図示の実施形態では、遮蔽部材２８が光透過性のプラスチックまたはガラスか らなり、その光源２２とは反対側の外面に少なくとも領域毎にコーティング３２ を有している。これは部分的に反射性で部分的に光透過性である。このコーティ ング３２は、例えば銀色かあるいはその他の任意の色、例えば自動車のボディ色 で実施されていてもよい。光源２２から出射する光は、少なくとも部分的に、遮 蔽部材２８とそのコーティング３２を透過してもよく、外方から自動車用装置内 へ入射する光も部分的にのみコーティング３２と遮蔽部材２８を透過してもよく 、さらに部分的にコーティング３２において反射されてもよい。それによって光 源２２のガラスバルブの色が全くか少なくともほとんど見えなくなる。

【００１２】 遮蔽部材２８の底部２９は、光学的な輪郭ライン３４，例えば環状の同心の輪 郭（これはフレネルレンズを形成する）を備えていてもよい。この光学的な輪郭 ３４によって、光源２２から底部２９方向に出射した光は集束され光軸１１に対 してほぼ並行するように方向付けられる。この光学的輪郭３４は、図１や図２に 示されているように光出射方向２６に向いた底部２９の側に配設されてもよく、 また光出射方向２６とは反対の側に配設されてもよい。底部２９は少なくともほ ぼ平面かまたは凹面状かまたは図１,２に示されているように凸面状に湾曲して 構成されてもよい。前記遮蔽部材２８は例えば１つまたは複数の支持体３６を介 して反射器と接続されており、この場合支持体３６は反射器にねじ込まれるか係 止されるように支持されてもよい。

【００１３】 前記反射器１３は、遮蔽部材２８において少なくとも実質的な影響なしで通過 できるように、光源２２からの出射光を反射するように形成されており、さらに 自動車用照明装置から出射され自動車用照明装置の使用に対して設定された照明 強度分布を生じるように形成されている。この反射器の形状は、図３および図４ に基づいて説明する。開口部２０を囲繞する対頂領域４０においては反射器１３ の湾曲部分が次のように形成されている。すなわちこれによって光源２２からの 出射光が光軸１１に対して散開的に延びてゆく光ビーム４２として反射するよう に形成される。光軸１１からの間隔の広がりと共に対頂領域４０の湾曲部分は次 のように変化する。すなわちこれによって反射した光ビーム４２が徐々に散開的 に延びてゆくように、つまり光軸１１に対するその傾斜が低減するように変化す る。図３および図４においてはわかりやすくするために反射器の半分に対する反 射光ビームだけしか示していない。反射器１３の他の半分からも光ビームが反射 される。これは光ビーム４２に対して光軸１１に関し少なくともほぼ鏡対象に延 びてゆく。光ビームの散開的な出射は次のことを意味する。すなわちこのビーム が光出射方向２６で光軸１１から離れるように生じ、それによって遮蔽部材２８ において通過し、水平方向で制御された光束が形成され、これが自動車用照明装 置から出射され、自動車用照明装置から発光される光の十分な視認性が光出射方 向２６から偏倚した方向で可能となることを意味する。遮蔽部材２８は、反射器 １３の開口部よりも大きな直径を有していてもよい。この場合反射器１３の対頂 領域４０から反射された光ビームの散開的な経過によってこれが遮蔽部材２８に おいて影響を受けずに通過することができる。

【００１４】 反射器１３の対頂領域４０には光軸１１から比較的広い間隔をおいてさらなる 領域４８が続いている。その湾曲部分は次のように形成されている。すなわちそ れによって光源２２からの出射光が光軸１１に対して集束的に延びてゆく光ビー ム５０として反射するように形成されている。この光ビーム５０の集束的な延在 は次のようなことを意味する。すなわちこれが光出射方向２６で光軸１１に対し て延びてゆきこれと交差することを意味する。このさらなる領域４８の湾曲部分 は有利には次のように形成される。すなわち対頂領域４０から出発してくじく１ １からの間隔の広がりと共に反射された光ビーム５０が益々集束的に延在するよ うに、つまり光軸１１に対する傾斜が強まるように形成される。光軸１１からの 間隔のさらなる増加と共にこの領域による光ビームは再び弱まる方向で集束的に 延びるように反射される。前記さらなる領域４８から反射された光ビーム５０の 集束的な延在によって、自動車用照明装置によって作用する照明強度分布の中心 においては十分に高い最大照明強度値が光軸１１周りの領域で得られる。

【００１５】 対頂領域４０とさらなる領域４８の間の移行領域４４は段階なしで連続してい る。この場合次のような湾曲部分を有する移行領域４４が存在している。すなわ ち光源２２からの出射光が光軸１１とほぼ並行に延びてゆく光ビーム４６として 反射されるように形成されている湾曲部分を有する移行領域４４が存在している 。対頂領域４０から反射された光ビーム４２の散開状態は、移行領域４４までは 光軸１１との間隔の増大と共に低減し、さらなる領域４８から反射された光ビー ム５０の集束状態は、既に前述したように移行領域４４から出発して光軸１１と の間隔の増大と共にまず増加し続いて再び低減する。

【００１６】 さらなる領域４８には光軸１１からの間隔の増大と共にさらに縁部領域５６が 続いている。この縁部領域５６の湾曲部分は次のように形成されている。すなわ ちこれによって光源２２からの出射光が光軸１１とほぼ並行に延びる光ビーム５ ８かまたは光軸１１との間隔の増大と共に光軸に対して散開的に延びてゆく光ビ ーム６０として反射されるように形成されている。前記さらなる領域４８とこの 縁部領域５６の間にも、無段階の移行を可能にさせるための移行領域５２が配置 されている。この移行領域５２においては湾曲部分が、光ビーム５０の集束的な 延在に作用するさらなる領域４８の特性から出発して並行に延在する光ビーム５ ８ないし散開的に延在する光ビーム６０に作用する縁部領域５６の特性へと変化 する。この縁部領域５６から反射され光軸１１と並行な光ビーム５８は、照明強 度分布の中心における最大照明強度値をさらに高めるのに用いることができ、ま た縁部領域５６から反射される散開的な延びを伴う光ビーム６０は、光出射方向 ２６から偏倚した方向での視認性の向上のための制御された光束の生成のために 用いることができる。

【００１７】 遮蔽部材２８が既に前述したように少なくとも部分的に光透過性に構成されさ らにフレネルレンズを形成する光学的輪郭３４を有しているならば、光源２２か ら出射され、反射器１３にはとらえられず遮蔽部材２８を透過した光が照明強度 分布の生成のために、特に中心におけるより高い最大照明強度値の生成のために 用いられる。前述したような反射器１３の構成は、これによって反射された光が 遮蔽部材２８を通り過ぎて所定の照明強度分布を生じさせることを可能にする。 本考案によれば、このような照明強度分布のための所要の光学的輪郭をカバーガ ラス２４に強いることなく達成することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による自動車用照明装置の水平方向での
断面図である。

【図２】本考案による自動車用照明装置の垂直方向での
断面図である。

【図３】本考案による自動車用照明装置の反射器の水平
方向での断面を反射光のビーム経路と共に示した図であ
る。

【図４】本考案による自動車用照明装置の反射器の垂直
方向での断面を反射光のビーム経路と共に示した図であ
る。

【符号の説明】

１０ 前照灯 １１ 光軸 １２ ケーシング １３ 反射器 ２０ 開口部 ２２ 光源 ２４ カバーガラス ２８ 遮蔽部材

フロントページの続き (72)考案者 アンドレアス シーン ドイツ連邦共和国 ロイトリンゲン フュ ルステンベルクシュトラーセ 70

Claims (8)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動車用照明装置、例えば点滅信号燈で
   あって、 凹面状に湾曲した反射器（１３）と、 該反射器（１３）内に差込まれる光源（２２）と、 光の出射方向（２６）で前記光源（２２）後方に配設さ
   れ外方から自動車用照明装置内部への方向で見て前記光
   源（２２）を少なくとも部分的に覆っている遮蔽部材
   （２８）と、 自動車用照明装置の光出射開口部を覆う光透過性のガラ
   ス（２４）とを有しており、前記光透過ガラス（２４）
   は光学的に自由な輪郭を有している形式のものにおい
   て、 前記反射器（１３）は、光源（２２）からの出射光が次
   のように反射されるように、すなわち反射光が遮蔽部材
   （２８）において少なくとも実質的な影響なしで通過で
   きるように、形成されていることを特徴とする、自動車
   用照明装置。
2. 【請求項２】 前記反射器（１３）は、光源（２２）か
   らの出射光が反射器（１３）の光軸（１１）に対して散
   開的に延びてゆく光ビーム（４２）として反射されるよ
   うに形成された湾曲部分を備えた対頂領域（４０）を有
   しており、さらに前記反射器（１３）は、光源（２２）
   からの出射光が光軸（１１）に対して集束的に延びてゆ
   く光ビーム（５０）として反射されるように形成された
   湾曲部分を備えたさらなる領域（４８）を有しており、
   該さらなる領域（４８）は前記対頂領域（４０）に続い
   ており光軸（１１）から比較的広い間隔をおいて配置さ
   れている、請求項１記載の自動車用照明装置。
3. 【請求項３】 前記反射器（１３）の対頂領域（４０）
   の湾曲部分は、光源（２２）からの出射光が光軸（１
   １）からの間隔を広げつつ徐々に散開的に延びてゆく光
   ビーム（４２）として反射されるように形成されてい
   る、請求項２記載の自動車用照明装置。
4. 【請求項４】 前記反射器（１３）のさらなる領域（４
   ８）の湾曲部分は、光源（２２）からの出射光が光軸
   （１１）からの間隔を広げつつ益々集束的に延びてゆく
   光ビーム（５０）として反射されるように形成されてい
   る、請求項２または３記載の自動車用照明装置。
5. 【請求項５】 前記反射器（１３）は、光源（２２）か
   らの出射光が光軸（１１）とほぼ並行して延びてゆく光
   ビーム（５８）かまたは光軸（１１）に対して散開的に
   延びてゆく光ビーム（６０）として反射されるように形
   成された湾曲部分を備えた縁部領域（５６）を有してお
   り、該縁部領域（５６）は前記さらなる領域（４８）に
   続いており光軸（１１）から比較的広い間隔をおいて配
   置されている、請求項２〜４いずれか１項記載の自動車
   用照明装置。
6. 【請求項６】 前記反射器（１３）における対頂領域
   （４０）とさらなる領域（４８）の間におよび/または
   前記さらなる領域（４８）と縁部領域（５６）の間に、
   移行領域（４４；５２）が形成されており、該移行領域
   （４４；５２）においては反射器（１３）の相互に続い
   ている領域（４０,４８；４８,５６）の間の湾曲部分が
   連続的に変化している、請求項２〜５いずれか１項記載
   の自動車用照明装置。
7. 【請求項７】 前記遮蔽部材（２８）は、非透過的に構
   成されている、請求項１〜６いずれか１項記載の自動車
   用照明装置。
8. 【請求項８】 前記遮蔽部材（２８）の、光源（２２）
   とは反対側の面は、少なくとも領域毎に、部分的に反射
   性で部分的に光透過性のコーティング（３２）を有して
   いる、請求項１〜６いずれか１項記載の自動車用照明装
   置。