JP3065226B2 - 電磁連結装置 - Google Patents

電磁連結装置

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JP3065226B2
JP3065226B2 JP7027467A JP2746795A JP3065226B2 JP 3065226 B2 JP3065226 B2 JP 3065226B2 JP 7027467 A JP7027467 A JP 7027467A JP 2746795 A JP2746795 A JP 2746795A JP 3065226 B2 JP3065226 B2 JP 3065226B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動空隙調整装置を
備えた電磁クラッチや電磁ブレーキなどの電磁連結装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の自動空隙調整装置を備えた電磁連
結装置は、実開昭59−118828号公報に開示され
ているように、トルク伝達ピンと環状板が設けられた
ーマチュア支持部材を備え、アーマチュアハブの各貫通
孔内に摺動抵抗部材となるゴム材製のOリングを介して
トルク伝達ピンを圧入嵌合して、そのトルク伝達ピンに
環状板を介して板ばねの基端部を一体に固定している。
また、環状板の各貫通孔から有頭部材を挿入して、この
有頭部材により板ばねの自由端部をアーマチュアに一体
に固定している。そして、有頭部材の頭部と環状板との
間に形成される空隙と等しい空隙が形成されるように、
アーマチュアを回転部材(ロータ)や固定部材(フィー
ルドコア)に対向配置させている。
【0003】したがってこのような電磁連結装置は、フ
ィールドコアに内設された電磁コイルに通電すれば、ア
ーマチュアは板ばねのばね力に抗して回転部材や固定部
材に磁気吸着される。また、摩耗によりアーマチュアと
これが磁気吸着される部材との間の空隙が増大すると、
アーマチュアが磁気吸引されるときに有頭部材の頭部が
環状板に当打され、Oリングによるアーマチュアハブと
の摺動抵抗力に抗してアーマチュア支持部材は回転部材
や固定部材側にアーマチュアでけん引されるので、空隙
は自動に調整される。
【0004】このような構造とした電磁連結装置では、
Oリングの弾性復帰力によるトルク伝達ピンに付与され
た摺動抵抗力に大小の程度の差が僅かに生じても、複数
配置されたトルク伝達ピンは環状板で一体化されている
ので、アーマチュアの磁気吸引により引かれる複数配置
された有頭部材により、アーマチュア支持部材はその平
行度を保った状態で回転部材または固定部材側に移動さ
れる。即ち、自動空隙調整装置の作動によりアーマチュ
アが傾いてそのアーマチュアと回転部材や固定部材との
間に形成される空隙が不均一になるなどの問題は解消さ
れる。また、駆動トルクや制動トルクを受ける複数配置
されたトルク伝達ピンがアーマチュアハブの貫通孔内で
倒れたりすることがないので、自動空隙調整装置の作動
特性が良好となり品質面での信頼性に優れた電磁連結装
置が提供できる。
【0005】しかしながら、このようなアーマチュア支
持部材を有する自動空隙調整装置を備えた電磁連結装置
は、トルク伝達ピンに摺動抵抗力を付与するOリングを
駆動トルクや制動トルクが作用する動力伝達系路に配置
した構造であり、Oリング(摺動抵抗部材)の耐久性の
面で問題を惹起する場合が考えられる。即ち、弾性力の
劣化によりOリングによる摺動抵抗力が低下すると、ア
ーマチュアが回転部材や固定部材に磁気吸引されたと
き、板ばねのばね力によりアーマチュア支持部材がアー
マチュア側へ変位するので、板ばねによりアーマチュア
を回転部材や固定部材から離間させることができなくな
る。このような問題が解決される自動空隙調整装置を備
えた電磁連結装置は、実公昭60−8183号公報に開
示されている。
【0006】この電磁連結装置は、アーマチュアハブの
各貫通孔内にトルク伝達ピンを挿通して、アーマチュア
の段付き形状に形成された各貫通孔から個々に挿通され
た有頭部材のねじ部をトルク伝達ピンのねじ孔にねじ込
むことにより、各トルク伝達ピンに板ばねの各基端部を
固定している。また、板ばねの各自由端部をアーマチュ
アに固定することにより、そのアーマチュアの貫通孔の
内底面と有頭部材の頭部との間に、アーマチュアと回転
部材または固定部材との間に形成される空隙と等しい空
隙が形成されている。また更には、アーマチュアハブの
反アーマチュア側に突設されたトルク伝達ピンには、ス
ナップリングのような略C字形を呈する金属材製の摺動
抵抗部材が圧入嵌合されており、アーマチュアハブのフ
ランジと板ばねとの間に配置されてトルク伝達ピンに遊
嵌された圧縮コイルばねにより、摺動抵抗部材はアーマ
チュアハブのフランジの側面に当接している。
【0007】このような構造とした電磁連結装置は、
縮コイルばねによりトルク伝達ピンに圧入嵌合された摺
動抵抗部材の側面をアーマチュアハブの貫通孔開口縁に
当接させて、アーマチュアハブにトルク伝達ピン(板ば
ねの基端部)を保持するとともに、摺動抵抗部材の圧入
嵌合の程度によりトルク伝達ピンに摺動抵抗力を付与し
ている。したがって、動力伝達系路からはずれた箇所に
摺動抵抗部材は配置され大きな駆動トルクや制動トルク
が作用しないので、摺動抵抗部材の耐久性は改善され
る。
【0008】なお従来の自動空隙調整装置を備えた電磁
連結装置としては、動力伝達系路にトルク伝達ピンを配
置する代わりに、アーマチュア支持部材をアーマチュア
ハブにスプライン嵌合した構造のものが、特公平1−2
2493号公報や実公平3−19615号公報、実公平
3−39626号公報に開示されている。これら電磁連
結装置は、アーマチュア支持部材(外方ハブ)とアーマ
チュアハブ(内方ハブ)のボスとがスプライン嵌合され
ており、そのスプライン嵌合部のバックラッシュに起因
する問題を解決するために、一方がアーマチュア支持部
の貫通孔に圧入嵌合され他方がアーマチュアハブのフ
ランジの段付き形状の貫通孔内に臨むスプリングピンな
どからなる摺動抵抗部材を設け、この摺動抵抗部材の他
方端を、アーマチュアハブの貫通孔内に保持された保持
部材に圧入嵌合するとともに、この保持部材をOリング
などの弾性部材を介してアーマチュアハブの貫通孔に圧
入嵌合している。
【0009】また、鉄系もしくは銅系の含油焼結金属材
製の保持部材としたり、保持部材の側面とアーマチュア
ハブの貫通孔の内底面との間に炭素工具鋼板などのシム
を介在することにより、保持部材の側面とアーマチュア
ハブの貫通孔の内底面との摩耗やムシレ現象、食い込み
を防止している。そしてこのような構造の電磁連結装置
では、アーマチュアハブの貫通孔に弾性部材を介して
された保持部材とこの保持部材に圧入嵌合される摺動
抵抗部材の圧入嵌合の程度によりアーマチュア支持部材
の摺動抵抗力は設定されている。またバックラッシュに
起因するトルク振動を弾性部材の弾性力で吸収すること
により、摺動抵抗部材の耐久性向上を図っている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように自動空隙調
整装置を備えた電磁連結装置は種々提案されているが、
例えば実開昭59−118828号公報に開示されたア
ーマチュア支持部材に固定されたトルク伝達ピンをアー
マチュアハブの貫通孔から突設させ、そのトルク伝達ピ
ンに実公昭60−8183号公報に開示された摺動抵抗
部材を圧入嵌合するとともに、その摺動抵抗部材の側面
をアーマチュアハブの貫通孔開口周縁部に当接した状態
を、トルク伝達ピンに嵌合されたOリングなどの保持部
材の弾性力で保持する構造とすることにより、摺動抵抗
部材の耐久性は向上されると考えられる。しかしなが
ら、電磁コイルへの通電を断ってアーマチュアを解放す
と、板ばねのばね力によりアーマチュアはアーマチュ
ア支持部材に当打されるため、撓み量に比例するばね荷
重以上に、トルク伝達ピンに嵌合されるOリングの弾性
力により付与されるアーマチュア支持部材の摺動抵抗力
を大きくしなければならない。このような摺動抵抗力を
付与するために、Oリングの弾性力を大きく設定する
と、装置周辺の温度変化による熱膨張によりその摺動抵
抗力が摺動抵抗部材による摺動抵抗力以上になってしま
い、アーマチュア支持部材を備えた電磁連結装置であっ
てもその自動空隙調整装置の作動特性が悪くなる。
【0011】また、特公平1−22493号公報などに
開示された電磁連結装置のように、トルク伝達ピンの代
わりに動力伝達系路にアーマチュア支持部材とアーマチ
ュアハブのスプライン嵌合部を設けた構造であると、ス
プライン溝の加工費が高価なため電磁連結装置の低廉化
が達成されない。またこのようなスプライン嵌合部を設
けた構造や、スリット入り円筒形状を呈する金属材製の
スプリングピンからなる摺動抵抗部材をアーマチュア支
持部材に圧入嵌合する構造があると、自動空隙調整装置
を設けるためにアーマチュア支持部材やアーマチュアハ
ブの板厚寸法を大きくしなければならないので、これら
部材の重量が重くなるとか、軽量化のための切削加工に
よる材料の歩留まり率が悪いなどの問題が惹起されるも
のと考え られる。
【0012】この発明の電磁連結装置は、アーマチュア
ハブに穿設された複数個の貫通孔内に個々に挿通された
トルク伝達ピンと、これらトルク伝達ピンを一体化した
環状板とを有するアーマチュア支持部材が設けられた電
磁連結装置において、アーマチュア支持部材に摺動抵抗
力を付与する摺動抵抗部材を、大きな駆動トルクや制動
トルクが作用しない箇所に配置するとともに、摺動抵抗
部材をアーマチュアハブに固定してアーマチュア支持部
材をアーマチュアハブに確実に保持することにより、優
れた作動特性となる自動空隙調整装置を備えた電磁連結
装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るためにこの発明の電磁連結装置では、発明1として、
第1貫通孔(11a)と段付き形状の第2貫通孔(11
b)が円周方向に交互に複数形成されたアーマチュアハ
ブ(11)と、このアーマチュアハブ(11)の各第1
貫通孔(11a)内に第1摺動抵抗部材(16)を介し
て嵌合されたトルク伝達部(トルク伝達ピン17)と、
前記アーマチュアハブ(11)の各第2貫通孔(11
b)内に挿入されるとともに外周面に第2摺動抵抗部材
(22)嵌合された中空状の摺動部(摺動ピン19)
とを有するアーマチュア支持部材(12)と、このアー
マチュア支持部材(12)に基端部が固定された板ばね
(13)と、この板ばね(13)の自由端部が固定され
たアーマチュア(14)と、このアーマチュア(14)
に固定されるとともに、前記アーマチュア支持部材(1
2)の各摺動部(19)内に挿入された胴部(20a)
と同摺動部(19)の先端面と所定の空隙(g)をおい
て対向する頭部(20b)とを有する有頭部材(20)
と、前記第2貫通孔(11b)内に圧入嵌合された止め
リング(23)を備え、前記第2摺動抵抗部材(22)
を前記第2貫通孔(11b)の底部と前記止めリング
(23)により前記アーマチュアハブ(11)に固定す
るとともに、前記アーマチュア(14)を回転部材また
は固定部材に前記空隙(g)と等しい空隙(G)をおい
て対向配置したことを特徴とする。
【0014】また発明2として、段付き形状の貫通孔
(11c)が円周方向に複数形成されたアーマチュアハ
ブ(11)と、このアーマチュアハブ(11)の貫通孔
(11c)のうち小径な貫通孔内に第1摺動抵抗部材
(16)を介して嵌合されたトルク伝達部(トルク伝達
ピン17)を有するアーマチュア支持部材(12)と、
このアーマチュア支持部材(12)に基端部が固定され
た板ばね(13)と、この板ばね(13)の自由端部が
固定されたアーマチュア(14)と、このアーマチュア
(14)の円周方向に複数形成された段付き形状の貫通
孔(14a)から個々に挿通され前記アーマチュア支持
部材(12)に固定されるとともに、前記アーマチュア
(14)の貫通孔(14a)の内底面(14b)と所定
の空隙(g)をおいて対向する頭部(30a)を有する
有頭部材(30)と、前記アーマチュア支持部材(1
2)のトルク伝達部(17)の外周面に嵌合され前記ア
ーマチュアハブ(11)の貫通孔(11c)の内底面
(11d)に当接した第2摺動抵抗部材(26)と、前
記アーマチュアハブ(11)の貫通孔(11c)内に圧
入嵌合された止めリング(28)を備え、前記第2摺動
抵抗部材(26)を前記アーマチュアハブ(11)の貫
通孔(11c)の内底面(11d)と前記止めリング
(28)により前記アーマチュアハブ(11)に固定す
るとともに、前記アーマチュア(14)を回転部材また
は固定部材に前記空隙(g)と等しい空隙(G)をおい
て対向配置したことを特徴とする。
【0015】
【作用】発明1の電磁連結装置は、アーマチュアと回転
部材または固定部材との空隙が増大すると、アーマチュ
アに固定された有頭部材の頭部がアーマチュア支持部材
の摺動部の先端面に当打され、第1摺動抵抗部材と第2
摺動抵抗部材による摺動抵抗力に抗して、アーマチュア
支持部材は、回転部材または固定部材側に前記空隙の増
大分アーマチュアでけん引される。
【0016】また発明2の電磁連結装置は、アーマチュ
アと回転部材または固定部材との空隙が増大すると、ア
ーマチュア支持部材に固定された有頭部材の頭部がアー
マチュアに当打され、第1摺動抵抗部材と第2摺動抵抗
部材による摺動抵抗力に抗して、アーマチュア支持部材
は、回転部材または固定部材側に前記空隙の増大分アー
マチュアでけん引される。
【0017】
【実施例】図1は、本発明の一実施例である電磁連結装
置としての電磁クラッチの断面図である。図面に示され
た電磁クラッチ1は、一般産業用機械の駆動軸2に装着
され従動側への動力伝達装置として使用される。符号3
は駆動軸2にキー嵌合され軸線方向の移動が制限された
ロータであり、このロータ3は、正面にフェーシング4
と制振鋼板5が固着された断面コ字状のフランジ部3a
を有し、このフランジ部3aの背面の環状凹部内に正面
が嵌合されたフィールドコア6が、ロータ3のボス部3
bに軸受を介して支持されている。フィールドコア6
は、正面側に開口した環状凹部内に電磁コイル7が絶縁
樹脂で絶縁固定されて内設している。なおこのフィール
ドコア6は、背面に溶着された取付け板8を図示せぬ一
般産業用機械のハウジングにねじ止めすることにより固
定される。
【0018】また駆動軸2には、ロータ3のボス部3b
端面に当接したカラーを介して一対の軸受が嵌合されて
おり、アーマチュア組立体9がこの駆動軸2に回転自在
に支持されている。アーマチュア組立体9は、外周面に
V溝が形成されたプーリ10と、このプーリ10にねじ
止めされたアーマチュアハブ11と、このアーマチュア
ハブ11に支持されたアーマチュア支持部材12と、こ
のアーマチュア支持部材12に板ばね13を介して支持
されロータ3と所定の空隙Gをおいて対向配置されたア
ーマチュア14から構成されている。またこの電磁クラ
ッチ1においては、アーマチュアハブ11に第1貫通孔
11aと第2貫通孔11bが、それぞれ円周方向を3等
分する位置に交互に形成されている。各第1貫通孔11
aにはカラー15が嵌合固着されており、このカラー1
5の内側に第1摺動抵抗部材としてのゴム材製のOリン
グ16を介して、アーマチュア支持部材12のトルク伝
達部となるトルク伝達ピン17が圧入嵌合されている。
また各第2貫通孔11bには、この第2貫通孔11bの
中心と同一な中心線となる環状板18に形成された貫通
孔18aに後端側が圧入嵌合されたアーマチュア支持部
材12の摺動部となる中空状の摺動ピン19が挿入され
ている。
【0019】トルク伝達ピン17には、環状板18を介
して板ばね13の基端部がねじ止めされており、この板
ばね13の自由端部は、摺動ピン19に胴部20aが挿
入された有頭部材20により制振鋼板21を介してアー
マチュア14に固定されている。また摺動ピン19の外
周面には、第2摺動抵抗部材としての複数のリング22
が係合されている。またこのリング22の外周面側は、
第2貫通孔11bの内底面とこの第2貫通孔11bに圧
入嵌合された止めリング23によりアーマチュアハブ1
1に固定されている。そして有頭部材20の頭部20b
と摺動ピン19の先端面との間には、前記空隙Gと等し
い空隙gが形成されている。
【0020】以上のような構造からなる電磁クラッチ1
は、電磁コイル7に通電すると磁束がフィールドコア6
からロータ3、そしてロータ3から空隙Gを通りアーマ
チュア14に迂回され、ロータ3からフィールドコア6
に戻る磁気回路を流れるので、アーマチュア14は板ば
ね13のばね力に抗してロータ3に磁気吸着される。そ
して駆動軸2の回転は、ロータ3からアーマチュア1
4、そして板ばね13とアーマチュア支持部材12のト
ルク伝達ピン17を介してアーマチュアハブ11とプー
リ10に伝達される。また電磁コイル7への通電を断て
ば磁束が消滅するので、アーマチュア14は板ばね13
のばね力でロータ3から離間され回転伝達は遮断され
る。
【0021】このような作動の繰り返えしにより、ロー
タ3とアーマチュア14の摩擦係合面が摩耗して空隙G
が増大すると、アーマチュア14がロータ3に磁気吸引
移動するとき、このアーマチュア14に固定された有頭
部材20の頭部20bが環状板18に固定された摺動ピ
ン19の先端面に当打され、前記空隙Gの増大分、アー
マチュア支持部材12はロータ3側にアーマチュア14
でけん引されるので空隙Gは自動に調整される。なお、
この実施例の電磁クラッチ1においては、駆動トルクが
トルク伝達ピン17の外周面とアーマチュアハブ11の
カラー15の内周面との間に作用するが、第1摺動抵抗
部材としてのOリング16を介在したので、これら外周
面と内周面の衝撃は緩和される。また、アーマチュア1
4がロータ3に磁気吸着されたときのこれら部材14・
3の摩擦係合によるアーマチュア14の振動は、板ばね
13とOリング16で吸収されるので鳴き音の発生は少
ない。特にこの実施例では、アーマチュア14には制振
鋼板21を、またロータ3には制振鋼板5を夫々固着し
たので、これら部材の微振動の減衰は早められ不快音と
なる鳴き音の発生は極めて少ない。
【0022】またこの実施例の電磁クラッチ1では、第
2摺動抵抗部材としてのリング22を、アーマチュアハ
ブ11の第2貫通孔11bの内周面と非接触とした構造
としたので、第1摺動抵抗部材としてのOリング16に
作用するような大きな駆動トルクや制動トルクがこのリ
ング22に作用することはない。なお実施例として電磁
クラッチ1を例示したが、この発明の電磁連結装置とし
ては、アーマチュア14をフィールドコア6に直接磁気
吸着する電磁ブレーキにも適用される。またアーマチュ
ア支持部材12を、環状板18とトルク伝達ピン17・
摺動ピン19からなる構造としたが、これら部材を一体
に形成した構造とすることもできる。
【0023】次に、この発明の他の実施例である電磁連
結装置を説明する。図2は電磁クラッチの断面図であ
り、図3は図2のトルク伝達ピン周辺の要部拡大図、図
4は図2の板ばねとアーマチュアの固定部分の説明図、
図5は電磁連結装置を電磁ブレーキとした場合のアーマ
チュアの平面図、図6は図5の断面図である。なお、こ
れら図面の説明において、図1の電磁クラッチと同等な
部材にはすでに使用した符号を付けることによりその説
明を省略する。
【0024】図面に示された電磁クラッチ24は、駆動
軸2に軸受を介してアーマチュア組立体25が回転自在
に支持されている。このアーマチュア組立体25は、外
周面にV溝が形成されたプーリ10と、このプーリ10
にねじ止めされたアーマチュアハブ11と、このアーマ
チュアハブ11に支持されたアーマチュア支持部材12
と、このアーマチュア支持部材12に板ばね13を介し
て支持されロータ3と所定の空隙Gをおいて対向配置さ
れたアーマチュア14から構成されている。またこの電
磁クラッチ24においては、アーマチュアハブ11に段
付き形状の貫通孔11cが、円周方向を3等分する位置
に形成されている。各貫通孔11cのうち小径側には、
内周面に摺動抵抗力を小さくするためのテフロンコーテ
ィングがなされたカラー15が嵌合固着されており、こ
のカラー15に第1摺動抵抗部材としてのゴム材製のO
リング16(波付き環状ばねなどでもよい。)を介し
て、アーマチュア支持部材12のトルク伝達部となるト
ルク伝達ピン17が圧入嵌合されている。また各貫通孔
11cのうち大径側には、トルク伝達ピン17の外周面
に嵌合された第2摺動抵抗部材としての複数のリング2
6が設けられ、これらリング26はシム27(テフロン
シートなど)を介して貫通孔11cの内底面11dに当
接されている。またリング26は、各貫通孔11cに圧
入嵌合された止めリング28によりアーマチュアハブ1
1に固定されている。
【0025】トルク伝達ピン17には、環状板29を介
して板ばね13の基端部が有頭部材30で固定されてい
る。また板ばね13の自由端部は、リベット31により
アーマチュア14に固定されている。これら固定部分に
ついて詳細に説明すると、板ばね13の基端部は環状板
29と板ばね13に初期反力を付与するための調整板3
2とで挟持された構造であり、有頭部材30のねじ部を
アーマチュア14の段付き形状の貫通孔14aから挿通
してトルク伝達ピン17のねじ孔にねじ込むことによ
り、環状板29・板ばね13の基端部・調整板32がト
ルク伝達ピン17に固定されている。またこのような固
定手段により、有頭部材30の頭部30aとアーマチュ
ア14の貫通孔14aの内底面14bとの間には、アー
マチュア14とロータ3との間に形成される空隙Gと等
しい空隙gが形成されている。
【0026】なお図3において、符号33は、粘性と弾
性とを併せ持った樹脂などからなる粘弾性体(例えば、
両面テープの粘性部分)であり、符号34は、この粘弾
性体33によりアーマチュア14に固着された剛性を有
する金属板からなる拘束板であり、これら粘弾性体33
と拘束板34により制振鋼板が構成され、アーマチュア
14の振動減衰性が大きくなっている(特開昭60−2
37229号公報参照)。また図4において、符号35
は、制振鋼板の粘弾性体33に不当な締付力が作用しな
いように、アーマチュア14と拘束板34との間に介在
されるスペーサであり、板ばね13の自由端部は、スペ
ーサ35・拘束板34を介してリベット31によりアー
マチュア14に固定されている(実開昭61−1948
30号公報参照)。上述したような制振鋼板は、アーマ
チュア14のみならずロータ3側にも設けることによ
り、微振動による不快音となる鳴き音を防止することが
でき、ロータ3の正面にフェーシング4とともに、また
ロータ3の背面に制振鋼板36・37は固着されてい
る。
【0027】以上のような構造からなる電磁クラッチ2
4は、先に説明した電磁クラッチ1と同等な作動を繰り
返えし、ロータ3とアーマチュア14の摩擦係合面が摩
耗して空隙Gが増大すると、アーマチュア14がロータ
3に磁気吸引移動するとき、アーマチュア支持部材12
のトルク伝達ピン17に固定された有頭部材30の頭部
30aがアーマチュア14の貫通孔14aの内底面14
bに当打され、前記空隙Gの増大分、アーマチュア支持
部材12はロータ3側にアーマチュア14でけん引され
るので、空隙Gは自動に調整される。また、この電磁ク
ラッチ24においても、駆動トルクがトルク伝達ピン1
7の外周面とアーマチュアハブ11のカラー15の内周
面との間に作用するが、第1摺動抵抗部材としてのOリ
ング16を介在したので、これら外周面と内周面の衝撃
は緩和される。
【0028】また、アーマチュア14がロータ3に磁気
吸着されたときのこれら部材14・3の摩擦係合による
アーマチュア14の微振動は、板ばね13とOリング1
6で吸収されるので鳴き音の発生は少ない。特にこの実
施例では、アーマチュア14には制振鋼板(33・3
4)を、またロータ3には制振鋼板36・37を夫々固
着したので、不快音となる鳴き音の発生は極めて少な
い。また更にこの実施例の電磁クラッチ24では、第2
摺動抵抗部材としてのリング26を、アーマチュアハブ
11の貫通孔11cの大径側に設けた構造としたので、
第1摺動抵抗部材としてのOリング16に作用するよう
大きな駆動トルクや制動トルクがこのリング26に作
用することはない。
【0029】なおこの実施例における電磁クラッチ24
においても、アーマチュア支持部材12を環状板29と
トルク伝達ピン17からなる構造としたが、これら部材
を一体に形成した構造とすることもできる。またこの実
施例も、アーマチュア14をフィールドコア6に直接磁
気吸着する電磁ブレーキにも適用される。しかしながら
電磁ブレーキにおいては、アーマチュア14またはフィ
ールドコア6の少なくともいずれか一方に残留磁束の消
滅を早めるための断磁層を形成する必要があるので、例
えば図5・図6に示された構造のアーマチュアとすると
よい。即ち、アーマチュア38を銅などの非磁性材料か
らなる断磁層39により半径方向に2分割された構造と
するとともに、このアーマチュア38に粘弾性体40で
固着された拘束板41が磁性鋼板の場合には、断磁層3
9と同じ半径寸法の円周上に形成された円弧状のスリッ
ト41aを設けた拘束板41とするとよい。なお図面に
おいて、符号38aはアーマチュア38に形成された段
付き状の貫通孔、符号38b・41bは、板ばねの自由
端部を固定するリベットを挿通するためにアーマチュア
38と拘束板41に形成された貫通孔である。
【0030】
【発明の効果】以上のように発明1と発明2の電磁連結
装置においては、アーマチュア支持部材は、このアーマ
チュア支持部材とアーマチュアハブとの間の動力伝達系
路からはずれるとともに大きな駆動トルクや制動トルク
が作用しない箇所に設けられアーマチュアハブに固定さ
れた第2摺動抵抗部材により摺動抵抗力が付与される。
即ち、第2摺動抵抗部材によりアーマチュア支持部材を
アーマチュアハブに保持した構造にしたので、アーマチ
ュア支持部材のトルク伝達部とアーマチュアハブとの間
の動力伝達系路に設けられた第1摺動抵抗部材による摺
動抵抗力(アーマチュア支持部材の保持力)を小さく設
定できる。したがって、装置周辺の温度変化による摺動
抵抗力の変動、弾性力の劣化による摺動抵抗力の低下な
ど、第1摺動抵抗部材の摺動抵抗力の変動に起因する問
題が解決され、優れた作動特性が維持される自動空隙調
整装置を備えた電磁連結装置を提供することができる。
また第1摺動抵抗部材に板ばねのばね荷重以上の摺動抵
抗を得るための弾性力を付与する必要もなく、結果とし
て第1摺動抵抗部材は、駆動トルクや制動トルクが作用
する動力伝達系路に配置された緩衝部材として構成され
るため、静粛な作動を繰り返す電磁連結装置を提供する
ことができる。
【0031】また発明1の電磁連結装置は、第1摺動抵
抗部材と第2摺動抵抗部材を円周方向に交互に配置した
構造からなり、軸線方向の寸法が短縮された薄形の電磁
連結装置を提供することができる。また発明2の電磁連
結装置は、アーマチュアハブやアーマチュア支持部材の
形状が簡素化され組立工数も削減できるので、電磁連結
装置を安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例である電磁連結装置の断面
図である。
【図2】この発明の他の実施例である電磁連結装置の断
面図である。
【図3】図2のトルク伝達ピン周辺の要部拡大図であ
る。
【図4】図2の板ばねとアーマチュアの固定部分の説明
図である。
【図5】電磁ブレーキのアーマチュアの平面図である。
【図6】図5のアーマチュアの断面図である。
【符号の説明】
11…アーマチュアハブ、12…アーマチュア支持部
材、13…板ばね、14…アーマチュア、16…第1摺
動抵抗部材としてのOリング、17…トルク伝達部とし
てのトルク伝達ピン、18…環状板、19…摺動部とし
ての摺動ピン、20…有頭部材、22…第2摺動抵抗部
材としてのリング、26…第2摺動抵抗部材としてのリ
ング、30…有頭部材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−237229(JP,A) 特開 昭60−231031(JP,A) 特開 平7−279993(JP,A) 実開 昭59−118828(JP,U) 実開 昭61−194830(JP,U) 実開 昭56−85733(JP,U) 実開 昭63−109038(JP,U) 実開 平7−32233(JP,U) 実開 平7−32234(JP,U) 特公 平1−22493(JP,B2) 実公 昭60−8183(JP,Y2) 実公 平3−19615(JP,Y2) 実公 平3−39626(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16D 27/112 F16D 65/54

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1貫通孔と段付き形状の第2貫通孔が
    円周方向に交互に複数形成されたアーマチュアハブと、
    このアーマチュアハブの各第1貫通孔内に第1摺動抵抗
    部材を介して嵌合されたトルク伝達部と、前記アーマチ
    ュアハブの各第2貫通孔内に挿入されるとともに外周面
    第2摺動抵抗部材嵌合された中空状の摺動部とを有
    するアーマチュア支持部材と、このアーマチュア支持部
    材に基端部が固定された板ばねと、この板ばねの自由端
    部が固定されたアーマチュアと、このアーマチュアに固
    定されるとともに、前記アーマチュア支持部材の各摺動
    部内に挿入された胴部と同摺動部の先端面と所定の空隙
    をおいて対向する頭部とを有する有頭部材と、前記第2
    貫通孔内に圧入嵌合された止めリングを備え、前記第2
    摺動抵抗部材を前記第2貫通孔の底部と前記止めリング
    により前記アーマチュアハブに固定するとともに、前記
    アーマチュアを回転部材または固定部材に前記空隙と等
    しい空隙をおいて対向配置したことを特徴とする電磁連
    結装置。
  2. 【請求項2】 段付き形状の貫通孔が円周方向に複数形
    成されたアーマチュアハブと、このアーマチュアハブの
    貫通孔のうち小径な貫通孔内に第1摺動抵抗部材を介し
    て嵌合されたトルク伝達部を有するアーマチュア支持部
    材と、このアーマチュア支持部材に基端部が固定された
    板ばねと、この板ばねの自由端部が固定されたアーマチ
    ュアと、このアーマチュアの円周方向に複数形成された
    段付き形状の貫通孔から個々に挿通され前記アーマチュ
    ア支持部材に固定されるとともに、前記アーマチュアの
    貫通孔の内底面と所定の空隙をおいて対向する頭部を有
    する有頭部材と、前記アーマチュア支持部材のトルク伝
    達部の外周面に嵌合され前記アーマチュアハブの貫通孔
    の内底面に当接した第2摺動抵抗部材と、前記アーマチ
    ュアハブの貫通孔内に圧入嵌合された止めリングを備
    え、前記第2摺動抵抗部材を前記アーマチュアハブの貫
    通孔の内底面と前記止めリングにより前記アーマチュア
    ハブに固定するとともに、前記アーマチュアを回転部材
    または固定部材に前記空隙と等しい空隙をおいて対向配
    置したことを特徴とする電磁連結装置。
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