JP3062978B2 - 強誘電性液晶素子 - Google Patents

強誘電性液晶素子

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示素子や液晶光
シャッター等で用いる液晶素子、特に強誘電性液晶素子
に関し、詳しくは液晶分子の配向状態を改善することに
より電気光学特性を改善した強誘電性液晶素子に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】強誘電性液晶分子の屈折率異方性を利用
して偏光子との組み合わせにより透過光量を制御する型
の表示素子がクラーク(Clark)およびラガーヴァ
ル(Lagerwall)により提案されている(特開
昭56−107216号公報、米国特許第436792
4号明細書等)。この強誘電性液晶は、一般に特定の温
度領域において、非螺旋構造のカイラルスメクティック
C相(SmC* 相)ないしH相(SmH* 相)を示し、
これらの相状態において、印加される電界に応答して第
一の光学的安定状態と第二の光学的安定状態のいずれか
一方の状態をとり、かつ電界の印加されていないときは
その状態を保持する性質、即ち双安定性を有する。さら
に、強誘電性液晶は電界の印加に対する応答が速やかで
あるという特徴を有することから、高速駆動の記憶型表
示媒体として大画面で高精細なディスプレーへの応用が
期待されている。
【0003】この双安定性を有する強誘電性液晶を用い
た光学変調素子が所望の駆動特性を発揮するためには、
一対の平行基板間に配列される液晶が、上記2つの安定
状態間を安定かつ効率的に再現性良くスイッチングする
ような分子配向状態にあることが必要である。
【0004】一方、液晶の複屈折性を利用した液晶素子
の場合、直交ニコル下での光の透過率は I/IO =s
in2 4θsin2 (Δndπ/λ)で表わされ、ここ
でIO は入射光強度、Iは透過光強度、θは2つの安定
状態間のみかけのチルト角、Δnは屈折率異方性、dは
液晶層の厚さ、λは入射光の波長である。上式において
最大の透過率はθ=22.5゜で得られ、高コントラス
トを実現するには、非螺旋構造における2状態でのそれ
ぞれの分子長軸方向の平均位置間の角度(見かけのチル
ト角θ)を±22.5°に近づけることが必要である。
【0005】ところで、一般に上述の強誘電性液晶の非
螺旋構造では、SmC* 相での層構造が屈曲したシェブ
ロン構造をとることが知られている。この構造では、液
晶の見かけのチルト角θは液晶分子の真のチルト角Θに
比べて小さくなるので、交流電界を印加することにより
層構造を変化させて見かけのチルト角θを真のチルト角
Θに近づける手法が提案されている(特開昭62−16
1123)。
【0006】この技術では、液晶分子の配列を上下基板
間でほぼ同一方向のC−ダイレクタを有するユニフォー
ム状態にできることから、クロスニコル下での暗状態の
透過率を低減でき、高コントラストの表示性能が期待で
きる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これまで述べたよう
に、強誘電性液晶素子は異なる2つの安定状態間を外部
電界によりスイッチングさせることを特徴としている。
したがって、そのスイッチング(駆動)特性を安定で再
現性良く保つ必要があるが、スイッチング特性を変化さ
せる要因として、“焼き付き”と呼ばれる表面メモリ効
果、ユニフォーム配向からスプレイ配向への配向状態の
変化等がある。これらは、強誘電性液晶分子と、配向処
理を施した基板表面、すなわちラビング処理された高分
子膜表面や酸化物の斜方蒸着膜表面等との界面相互作用
に基づいたものである。この界面相互作用の影響を抑制
する手段としては、シェブロン構造を有する強誘電性液
晶素子では、高いプレチルトの導入により強誘電性液晶
分子を基板表面から浮かせることが効果的であるが、先
に述べた交流電界印加によって層構造を変化させた素子
のように高いプレチルトの導入が困難な系では、スイッ
チング特性の変化を抑制することは難しかった。
【0008】従って、本発明の目的は、強誘電性液晶素
子における2つの安定状態間をスイッチングする液晶分
子と、配向処理を施された基板との界面での相互作用を
抑制することにより電気光学特性を改善した強誘電性液
晶素子を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成
するために成された本発明は、電極と一軸配向処理が施
された配向制御膜とをそれぞれ備えた一対の基板間に、
配向状態において少なくとも2つの安定状態を示す強誘
電性液晶を挟持してなる強誘電性液晶素子において、
誘電性液晶と配向制御膜との間に、分子短軸方向に永久
双極子モーメントを持つ棒状化合物のラセミ体からなる
界面分離層を有することを特徴とする強誘電性液晶素子
である。
【0010】以下、図面を用いて本発明を詳述する。
【0011】図1は、本発明の強誘電性液晶素子の一例
を模式的に描いたものである。図中、11aと11bは
それぞれIn23やITO(Indium Tin O
xide)等の透明電極12aと12bで被覆された基
板(ガラス基板)であり、ポリイミド,ポリアミド,ポ
リビニールアルコール(PVA)等で形成された膜厚数
nm〜数十nm程度の配向制御膜13aと13bがそれ
ぞれ積層されている。配向制御膜13aと13bの表面
には、ラングミュア・ブロジェット法ないし吸着法ない
しスピンコート法等の手法により単分子層か数分子層の
厚さしかもたない界面分離層14aと14bがそれぞれ
形成されている。ここで界面分離層14aと14bは、
分子短軸方向に永久双極子モーメントPsをもつ液晶の
鏡像異性体どうしの混合物の層(実質的なPsをもたな
いラセミ体の層)である。
【0012】基板11aと11bとの間には、強誘電性
スメクティックC液晶15が配置され、基板11aと1
1bとの間の距離は強誘電性スメクティックC液晶15
の螺旋配列構造の形成を抑制するのに十分に小さい距離
(例えば0.1〜3μm)に設定され、強誘電性スメク
ティックC液晶15は双安定性配向状態を生じている。
【0013】上述の十分に小さい距離は、基板11aと
11bとの間に配置したビーズスペーサ16(シリカビ
ーズ,アルミナビーズ等)によって保持される。17
a,17bは直交ニコルに置かれた偏光板である。
【0014】尚、界面分離層14aと14bは強誘電性
液晶15と異なる成分で構成する以外にも、例えば、
誘電性液晶15と強誘電性液晶15の鏡像異性体からな
るラセミ体によって構成することもできる。
【0015】即ち、配向制御膜13a,13bと強誘電
性液晶15との界面に、実質的なPsをもたない液晶分
子からなる領域が存在していれば良い。
【0016】ところで、強誘電性液晶の一軸配向は、基
板表面の配向処理、具体的にはポリイミド,ポリアミ
ド,PVA等の高分子膜をラビングすることで得られる
が、これは高分子の主鎖と液晶分子の長軸方向が平行に
なるように相互作用を受けることに起因すると考えられ
ている。しかしながら、強誘電性液晶は分子短軸方向に
大きなPsを持つため、Psと配向層表面との相互作用
が存在する。図2は液晶分子の2つの安定状態と上下基
板表面との関係を模式的に示したものであり、各位置で
の液晶分子のダイレクタをコーンの底面に投影し、これ
を底面方向から見た図である。図2に示されるように、
(a)の安定状態では上基板側で基板方向(アウトワー
ド)、下基板側で液晶層方向(インワード)、(b)の
安定状態では上基板側でインワード、下基板側でアウト
ワードである。この2つの安定状態間の界面状態での違
いが、界面での液晶分子と基板表面の相互作用を変化さ
せ、先に述べた“焼き付き”の原因となる。一方、基板
表面が液晶分子のPsの向きを規制する力が大きい場
合、液晶分子のPsをインワード(あるいはアウトワー
ド)に向けさせるので、ユニフォーム配向よりもスプレ
イ配向をとりやすくなる。図3にユニフォーム配向とス
プレイ配向での液晶分子のC−ダイレクタの配列の例を
示す。図中、31はユニフォーム配向、32はインワー
ドに規制されたスプレイ配向、33はアウトワードに規
制されたスプレイ配向である。
【0017】このように、液晶分子のPsが大きい強誘
電性液晶素子においては、特に、配向規制力が強い配向
制御膜(ポリイミド等)を用い、この配向制御膜と強誘
電性液晶が直接接する場合、“焼き付き”といった表面
メモリ効果が生じ、素子のスイッチング特性の変化や電
気光学特性の低下を招く。
【0018】さて、本発明では、配向制御膜と強誘電性
液晶が、先述した界面分離層により実質的に直接接する
ことがないため、この表面メモリ効果が生じない。即
ち、電界等による2つの安定状態の間でのスイッチング
は界面ないし界面のごく近傍では起こらず、図4に示さ
れるように基板表面に接した液晶分子は常に1つの安定
状態に保たれる。
【0019】また、本発明の強誘電性液晶素子は、高い
プレチルト角の導入をすることなく、スイッチング特性
の変化を抑制できるため、先に述べたような、交流電界
(例えば、±20V/μm,10Hzの矩形波)を印加
して液晶分子層の層構造を変化させ、見かけのチルト角
を大きくする処理をした場合においてもスイッチング特
性が変化しない。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0021】実施例1(参考実施例) まず、ガラス基板上にITO膜をスパッタ法により約1
50nmの厚さに形成し、その上に東レ社製ポリアミッ
ク酸(セミコファインSP710)の0.4%NMP/
NBC(1:1)混合溶液をスピンナで塗布し、300
℃で1時間焼成して平均膜厚3nmのポリイミド膜を形
成した。このポリイミド膜をラビング処理条件(ローラ
押込み量:0.4mm,ローラ回転数:毎秒16.7
回,ローラ送り速度:12mm/sec,ローラ半径:
100mm)でラビングした。次にこの配向処理を施し
た基板表面に、常温でネマティック相をとる液晶をスピ
ンコートして24時間放置した後ヘキサンで洗浄するこ
とにより、基板表面に吸着された液晶分子だけを残して
取り去った。
【0022】以上の処理を施した1対の基板を、ラビン
グの方向及び向きが同一になるようにして、約1.5μ
mの間隔で対向して貼り合わせ、液晶セルを作製した。
該セルにフェニルベンゾエート系液晶を主成分とする多
成分混合液晶で、30℃におけるチルト角が22.2°
の強誘電性液晶を注入した。該液晶の相転移系列は以下
のとおりであり、Psは−24nC/cm2 であった。
【0023】
【数1】 この強誘電性液晶を注入したセルは、等方相からSmC
* 相への徐冷過程でシェブロン構造を持つ配向状態とな
り、見かけのチルト角は8.5°であった。次の、この
セルに30℃で±20V/μm,10Hzの交流電界を
1min印加して層構造を変化させる処理を行ったとこ
ろ、見かけのチルト角が19.5°にひろがり、画素全
域にわたって均一なユニフォーム配向が得られた。この
セルに対して2つの安定状態間のスイッチングを行った
が配向状態の変化は出現しなかった。また、2つの安定
状態のうちの一方の状態にして36時間放置した後のス
イッチング特性を測定したところ、スイッチングしきい
値の変化は、ポリイミド膜の界面にネマティック液晶層
を形成しない従来のセルに比べて非常に小さく抑えられ
ていた。
【0024】実施例2 実施例1と同様のセル構成において、ネマティック相の
液晶を用いるかわりに、前述のフェニルベンゾエート系
液晶のラセミ体をほぼ1:1で含有する多成分混合液晶
を用いた例を示す。本実施例では、この液晶をスピンコ
ートする際、基板温度を70℃以上に加熱して行った。
【0025】このセルにおいて、実施例1と同じ手順
で、スイッチング特性を評価したところ、スイッチング
時の配向状態の変化はなく、スイッチングしきい値の変
化も実施例1の結果と同程度の結果が得られた。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の素子は、
2つの安定状態間をスイッチングする液晶層と、配向制
御膜の形成された基板表面との相互作用をなくすことに
より、 配向状態の変化しない均一なユニフォーム配向が得ら
れ、高コントラストの表示性能を有する。 スイッチングしきい値の変化(“焼き付き”)が低減
され、電気光学特性が改善された。
【0027】また、副次的効果として、液晶をセルに注
入する際にかかる時間が短縮され、注入むらを生じにく
いため、表示むらが生じなく表示品位が向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の強誘電性液晶素子の一例を模式的に示
した断面図である。
【図2】液晶分子と基板表面との関係を説明するための
図である。
【図3】液晶分子の配列状態を説明するための図であ
る。
【図4】本発明による液晶分子と基板表面との関係を説
明するための図である。
【符号の説明】
11a,11b ガラス基板 12a,12b 透明電極 13a,13b 配向制御膜 14a,14b 界面分離層 15 強誘電性液晶 16 スペーサ 17a,17b 偏光板

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極と一軸配向処理が施された配向制御
    膜とをそれぞれ備えた一対の基板間に、配向状態におい
    て少なくとも2つの安定状態を示す強誘電性液晶を挟持
    してなる強誘電性液晶素子において、強誘電性液晶と配向制御膜との間に、分子短軸方向に永
    久双極子モーメントを持つ棒状化合物のラセミ体からな
    る界面分離層を有する ことを特徴とする強誘電性液晶素
    子。
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