JP3062815B1 - 気体圧縮機 - Google Patents

気体圧縮機

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JP3062815B1
JP3062815B1 JP10374050A JP37405098A JP3062815B1 JP 3062815 B1 JP3062815 B1 JP 3062815B1 JP 10374050 A JP10374050 A JP 10374050A JP 37405098 A JP37405098 A JP 37405098A JP 3062815 B1 JP3062815 B1 JP 3062815B1
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泰秀 熊倉
徹 高橋
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セイコー精機株式会社
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Abstract

【要約】 【課題】 ベーン先端の接触面圧上昇によるベーン先端
等の摩耗や騒音、および高圧冷媒ガスのケーシングへの
直接衝突による騒音を効果的に防止でき、低騒音かつ耐
摩耗性に優れた気体圧縮機を提供する。 【解決手段】 ベーン先端がシリンダ1内壁に沿って移
動するときのベーン先端とシリンダ内壁との接触長さの
一時的な減少を回避するために、リア側のサイドブロッ
ク3にサイド吐出孔31を設け、このリアサイド吐出孔
31を介して圧縮室の高圧冷媒ガスが吐出室14側に吐
出されるように構成し、シリンダ1内壁においてベーン
先端の移動経路上に開設されていた従来のシリンダ吐出
孔を廃止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カーエアコンシス
テムの一部として車両に搭載される気体圧縮機に関し、
特に、ベーン先端の接触面圧上昇による摩耗や騒音、お
よび高圧冷媒ガスのケーシングへの直接衝突による騒音
を効果的に防止できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の気体圧縮機は、図3に示
すように内周略楕円状のシリンダ1を有し、シリンダ1
の両端面にはサイドブロック2、3が取り付けられ、シ
リンダ1の内側にはロータ4が収納されている。
【0003】ロータ4は、これに一体に形成されたロー
タ軸5と、そのロータ軸5の先端側および後端側を支持
する軸受6、7とを介して回転可能に設けられ、また、
ロータ4の外周面にはベーン溝8が複数形成され(図4
参照)、ベーン溝8にはベーン9が摺動可能に装着され
ている。
【0004】上記のようなシリンダ1、サイドブロック
2、3、ロータ4、ベーン9等からなる組立構造体が圧
縮機本体10であり、この圧縮機本体10は一端開口型
のケーシング11内に収納されている。なお、ケーシン
グ11の開口端にはフロントヘッド12が取り付けられ
ており、フロントヘッド12の内側には、サイドブロッ
ク2との間で形成される吸入室13が設けられ、また、
ケーシング11の密閉端とリア側のサイドブロック3と
の間の後方空間は、吐出室14として構成されている。
【0005】図4に示すように、シリンダ1の内周側
は、シリンダ1内壁、サイドブロック2、3内面、ロー
タ4外周面、およびベーン9によって複数の小室に仕切
られるが、その仕切り形成された小室は圧縮室15と称
し、ロータ4の回転により容積の大小変化を繰り返す。
このような圧縮室15の容積変化が生じると、その容積
増加時に、吸入室13から圧縮室15側への低圧冷媒ガ
スの吸入が行われるとともに、その容積減少時に、圧縮
室15での低圧冷媒ガスの圧縮と、圧縮室15から吐出
室14側への高圧冷媒ガスの吐出が行われる。
【0006】上記のような圧縮室15への低圧冷媒ガス
の吸入については、図5に示すように、フロント側のサ
イドブロック2に設けた吸入通路21や、シリンダ1お
よびリア側のサイドブロック3に設けた吸入通路21、
21を介して行われる。また、圧縮室15において圧縮
された高圧冷媒ガスは、シリンダ1の胴体部分に設けら
れているシリンダ吐出孔22と図4に示した吐出バルブ
23を経て、シリンダ1外周面側の吐出チャンバ24に
流出する。このように吐出チャンバ24内に流入した高
圧冷媒ガスは、さらにリア側のサイドブロック3の吐出
通路25を通過した後、図3に示す如く同サイドブロッ
ク3に取りつけられている吐出室14内の油分離器16
を経由して吐出室14に吐出する。そして、吐出室14
内の高圧冷媒ガスは、ケーシング11の外部吐出ポート
(図示省略)を介して機外に放出される。
【0007】ところで、吐出室14の底部はオイル溜り
17となっており、このオイル溜り17のオイルは、吐
出室14に吐出した高圧冷媒ガスの吐出圧が作用するこ
とにより、リア側のサイドブロック3の油穴18からロ
ータ軸5後端側の軸受7に圧送され、該軸受7の潤滑を
行う。また、オイル溜り17のオイルは、リア側のサイ
ドブロック3の油穴18からシリンダ1の油穴18側に
分流した後、フロント側のサイドブロック2の油穴18
を経由してロータ軸5先端側の軸受6に圧送され、該軸
受6の潤滑をも行う。
【0008】また、上記のように軸受6、7に達したオ
イルは、軸受6、7隙間の通過時に絞られ減圧された
後、両サイドブロック2、3のロータ側端面に設けられ
ている一対のサライ溝19、19を介して、ベーン9底
部の背圧室20に供給され、このように背圧室20に供
給されるオイルの圧力が、ベーン9を底部からシリンダ
1内壁に向って押し上げる背圧(以下「ベーン背圧」と
いう。)として、当該ベーン9底部に作用する。
【0009】つまり、気体圧縮機の運転中は、ベーン背
圧室20のオイルによるベーン背圧とロータ4の回転に
よる遠心力との総合力がベーン9底部に作用し、この総
合力によりベーン9がシリンダ1内壁に向って押し付け
られている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
気体圧縮機によると、シリンダ1の胴体部分にシリンダ
吐出孔22が設けられていたため、ベーン9先端とシリ
ンダ吐出孔入口22aとが互いに対向し得る位置関係に
あり、シリンダ吐出孔入口22a上をベーン9先端が通
過して行くときに、シリンダ吐出孔入口22aの開口面
積分だけ、ベーン9先端とシリンダ1内壁との接触長さ
が大幅に減少し、これによりベーン9先端の接触面圧が
一時的に上昇することから、ベーン9先端とシリンダ1
内壁との摺動摩擦抵抗が大きくなり、ベーン9先端ある
いはシリンダ1内壁が激しく摩耗したり、大きな接触音
等の騒音が生じる場合がある。
【0011】また、従来の気体圧縮機では、吐出チャン
バ24は、シリンダ1外周面側の切欠き24a、該シリ
ンダ1外周面側のケーシング11部分、およびフロント
側とリア側のサイドブロック2、3とにより仕切り形成
されており、このような吐出チャンバ24内に圧縮室1
5内の高圧冷媒ガスが吐出するが、吐出チャンバ24内
に吐出した高圧冷媒ガスは、その吐出直後に、吐出チャ
ンバ24の内壁であるケーシング11内面に直接衝突す
るため、この種の吐出ガスの直接衝突による騒音も発生
している。
【0012】本発明は上述の事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、ベーン先端の接触面圧上
昇による摩耗や騒音、および高圧冷媒ガスのケーシング
への直接衝突による騒音を効果的に防止でき、低騒音か
つ耐摩耗性に優れた気体圧縮機を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、内周略楕円状のシリンダ
と、上記シリンダの端面に取り付けられたサイドブロッ
クと、上記シリンダの内側に位置しかつロータ軸とその
軸受を介して回転可能に設けたロータと、上記ロータの
外周面に形成されたベーン溝と、上記ベーン溝に摺動可
能に装着されたベーンと、上記シリンダ、サイドブロッ
ク、ロータおよびベーンによって仕切り形成される圧縮
室とを備え、上記圧縮室が上記ロータの回転により容積
の大小変化を繰り返し、この圧縮室の容積変化により、
吸入室から圧縮室への低圧冷媒ガスの吸入、上記圧縮室
での低圧冷媒ガスの圧縮、および上記圧縮室から吐出通
への高圧冷媒ガスの吐出を行う気体圧縮機において、
上記圧縮室から吐出通路へ高圧冷媒ガスを吐出する吐出
孔を、上記サイドブロックに設け、上記吐出孔の出口か
ら吐出した高圧冷媒ガスにより生じる特定周波数帯域の
騒音を消音する消音手段を有し、上記消音手段は、上記
シリンダ外周面側に設けられた消音室と、上記吐出通路
に一端を開口するとともに、他端を上記消音室に開口し
てなる消音ガス導入路とからなり、上記消音室は、上記
シリンダ楕円短径部近傍に設けたシリンダ外周面側の切
欠き、該シリンダ外周面側のケーシング部分、およびフ
ロント側とリア側のサイドブロックにより仕切り形成さ
れてなることを特徴とするものである。
【0014】請求項2記載の発明は、上記消音ガス導入
路の一端が吐出孔の出口付近に開口していることを特徴
とするものである。
【0015】
【0016】
【0017】本発明では、圧縮室において圧縮された高
圧冷媒ガスは、サイドブロックの吐出孔を通過して吐出
室側に吐出されるので、シリンダ内壁においてベーン先
端の移動経路上に開設されていた従来のシリンダ吐出孔
は不要となり廃止することができる。
【0018】また、請求項1記載の発明では、消音手段
において、高圧冷媒ガスの一部を消音室に導くことによ
り、特定周波数帯域の騒音とは逆位相の共鳴音を発生さ
せることが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る気体圧縮機の
実施形態について図1及び図2を基に詳細に説明する。
【0020】なお、本実施形態の気体圧縮機の基本的な
構成、たとえば、図3および図4を代用して説明する
と、内周略楕円状のシリンダ1を有し、シリンダ1の両
端面にはサイドブロック2、3が取り付けられているこ
と、シリンダ1の内側にはロータ軸5とその軸受6、7
を介して回転可能に設けられたロータ4が配設されてい
ること、ロータ4の外周面にはベーン溝8が形成され、
ベーン溝8にはベーン9が摺動可能に装着されているこ
と、シリンダ1の内周側には、シリンダ1内壁、サイド
ブロック2、3内面、ロータ4外周面、およびベーン9
によって仕切り形成された圧縮室15が設けられている
こと、並びに、圧縮室15内に冷媒ガスが閉じ込めら
れ、かつ圧縮室15の容積がロータ4の回転により大小
変化すると、その容積変化により、吸入室13から圧縮
室15への低圧冷媒ガスの吸入、圧縮室15での低圧冷
媒ガスの圧縮、および圧縮室15から吐出室14側への
高圧冷媒ガスの吐出が行われること等については従来と
同様であり、従来と同一部材には同一符号を付し、その
詳細説明は省略する。
【0021】本実施形態の気体圧縮機においても、上述
の通り圧縮室15から吐出室14側へ高圧冷媒ガスを吐
出するが(図4、図5参照)、その高圧冷媒ガスを吐出
するための吐出孔が、本実施形態では従来のシリンダ吐
出孔22と異なり、図1に示すように、リア側のサイド
ブロック3に設けたサイド吐出孔31から構成されてい
る。つまり、本実施形態の気体圧縮機は、シリンダ1の
胴体部分に設けられていた従来のシリンダ吐出孔22を
廃止し、これに代えて新たに、リア側のサイドブロック
3にサイド吐出孔31を設けることとしたものである。
【0022】上記のようなサイド吐出孔31の入口31
aは、圧縮室15側に開口されている一方、サイド吐出
孔31の出口31bは、リア側のサイドブロック3に穿
設した吐出通路25に開口されており、この吐出通路2
5はサイド吐出孔31より大径に設けられ、かつ吐出室
14に連通している。つまり、サイド吐出孔31は、圧
縮室14から吐出通路25に向ってリア側のサイドブロ
ック3を貫通するように設けられ、かつ、吐出通路25
を介して吐出室14側に連通するように構成されてい
る。
【0023】また、図示は省略するが、サイド吐出孔3
1の出口31b側には、圧縮室15内の高圧冷媒ガス圧
で開閉する吐出バルブとそのバルブサポートが設けられ
ている。なお、吐出通路25の下流側には、リア側のサ
イドブロック3に取り付けられた油分離器16が配置さ
れている。
【0024】したがって、圧縮室15において圧縮され
た高圧冷媒ガスは、サイドブロック3のサイド吐出孔3
1から吐出通路25、油分離器16(図4参照)を通過
して吐出室14内に吐出することができ、また、このよ
うに吐出室14側に高圧冷媒ガスが吐出される時期は、
圧縮室15の容積が最小付近となり、かつ圧縮室15内
の冷媒ガス圧によりサイド吐出孔出口31bの吐出バル
ブ(図示省略)が開となったときである。
【0025】次に、上記の如く構成された気体圧縮機の
動作について図1を基に説明する。
【0026】この気体圧縮機によれば、運転開始により
ロータ4が回転すると、圧縮室15の容積が大小変化
し、その圧縮室15の容積変化により、吸入室13から
圧縮室15への低圧冷媒ガスの吸入や、圧縮室15での
低圧冷媒ガスの圧縮が行われる(図4、図5参照)。そ
して、圧縮室15において圧縮された高圧冷媒ガスは、
そのすべてが圧縮室15からサイド吐出孔31と吐出通
路25を通過して吐出室14側に吐出する。
【0027】すなわち、圧縮室15の容積が最小付近と
なると、サイド吐出孔31と吐出通路25を介して圧縮
室15と吐出室14側とが連通可能となり、このとき、
圧縮室15の容積減少により圧縮された高圧冷媒ガス圧
で、サイド吐出孔出口31bの吐出バルブが開となる。
これにより、圧縮室15の高圧冷媒ガスがサイド吐出孔
31から吐出通路25を通って油分離器16側に流出
し、この油分離器16を通過した高圧冷媒ガスが吐出室
14内に吐出する。
【0028】ところで、この気体圧縮機の運転時におい
ても、ベーン9は常に2つの力、即ちロータ4の回転に
よる遠心力とベーン9底部の背圧室20に供給されるベ
ーン背圧とにより、シリンダ1内壁に押し付けられてい
る。したがって、ベーン9の先端は、その押付け力でシ
リンダ1内壁に接触しつつ該シリンダ1内壁に沿って移
動する。この際、従来の気体圧縮機では、シリンダ1の
胴体部分にシリンダ吐出孔22が設けられていたため、
ベーン9先端とシリンダ吐出孔入口22aとが互いに対
向し得る位置関係にあって、ベーン9先端がシリンダ吐
出孔入口22a上を通過するときに、ベーン9先端とシ
リンダ1内壁との接触長さの減少と、これによるベーン
9先端の接触面圧上昇が生じていた。これに対し、本実
施形態の気体圧縮機では、上記のようにベーン9先端の
移動経路上に位置する従来のシリンダ吐出孔22を廃止
し、これに代えて、ベーン9先端の移動経路から横にず
れた位置、即ちリア側のサイドブロック3にサイド吐出
孔31を設けたため、ベーン9先端はサイド吐出孔入口
31aを横に見ながら移動するようになり、サイド吐出
孔入口31a上をベーン9先端が通過することはなく、
ベーン9とシリンダ1内壁との接触長さは常時一定に保
たれている。
【0029】したがって、本実施形態の気体圧縮機によ
ると、ベーン9とシリンダ1内壁との接触長さの減少に
よるベーン9先端の一時的な接触面圧上昇を完全に回避
でき、ベーン先端の接触面圧が常時一定に維持されるこ
とから、この種のベーン先端の接触面圧上昇に伴う不具
合、即ち騒音やベーン先端またはシリンダ内壁の摩耗を
効果的に防止することができる。
【0030】また、本実施形態の気体圧縮機によると、
圧縮室15において圧縮された高圧冷媒ガスが、従来の
ようにシリンダ1外周面側の吐出チャンバ24を介さ
ず、サイド吐出孔31を通過して直接吐出室14内の油
分離器16側に噴出するため、この種の吐出チャンバに
高圧冷媒ガスが直に噴出することによる不具合、すなわ
ち吐出チャンバ室の内壁と高圧冷媒ガスとの直接衝突に
よる騒音の発生を回避でき、この点でも低騒音化が図ら
れている。
【0031】図2は本発明に係る気体圧縮機の他の実施
形態を示したものであり、同図の気体圧縮機が上記実施
形態のものと異なるところは、特定周波数帯域の騒音を
消音する消音手段40を具備する点にある。
【0032】消音手段40はヘルムホルツ共鳴器41か
らなり、このヘルムホルツ共鳴器41は、シリンダ1外
周面側に設けた消音室42と、リア側のサイドブロック
3に穿設した消音ガス導入路43とから構成されてお
り、その消音ガス導入路43の一端43aはサイド吐出
孔31の出口31b付近に隣接して開口され、消音ガス
導入路43の他端43bは消音室42に開口されてい
る。
【0033】なお、上記のような構成からなるヘルムホ
ルツ共鳴器41において、その消音効果が生じる周波数
帯域を騒音に合わせて調整するには、消音ガス導入路4
3の孔径、孔数、および配置間隔を適宜変更したり、ま
たは消音室42の容積を変更したりして調節すればよ
い。
【0034】ところで、本実施形態の気体圧縮機にあっ
ても、上記実施形態と同じく、シリンダ1の胴体部分に
設けられていた従来のシリンダ吐出孔22を廃止し、こ
れに代えて、リア側のサイドブロック3にサイド吐出孔
31を設けることとしたものであり、圧縮室14で圧縮
された高圧冷媒ガスは、従来のようにシリンダ1外周面
側の吐出チャンバ24を通過することなく、圧縮室14
から直接サイド吐出孔31を介して吐出室14側に吐出
する。このため、本実施形態の気体圧縮機においては、
上記のような従来の吐出チャンバ24は不要となってい
る。そこで、このように不要となった吐出チャンバ24
という空洞部をヘルムホルツ共鳴器41の消音室42と
して再利用したのが本実施形態である。したがって、本
実施形態のヘルムホルツ共鳴器41を構成する消音室4
2は、従来の吐出チャンバ24と同じく、シリンダ1楕
円短径部近傍に設けたシリンダ1外周面側の切欠き24
a、該シリンダ1外周面側のケーシング11部分、およ
びフロント側とリア側のサイドブロック2、3とにより
仕切り形成されている。
【0035】上記のように構成された気体圧縮機では、
圧縮室15の容積が最小付近となると、サイド吐出孔出
口31bの吐出バルブが開となり、圧縮室15の高圧冷
媒ガスがサイド吐出孔入口31aから該サイド吐出孔3
1内部を通ってサイド吐出孔出口31bより吐出通路2
5側に吐出するが、そのサイド吐出孔出口31aから吐
出した高圧冷媒ガス流の一部が消音ガス導入路43を介
して消音室42側に導かれる。このとき、特定周波数帯
域の騒音とは逆位相の共鳴音がヘルムホルツ共鳴器41
から発生し、その共鳴音により騒音が相殺される。
【0036】なお、本実施形態の気体圧縮機は、上述の
通り、従来の吐出チャンバ24の有効利用を図る観点か
ら、吐出チャンバ24をヘルムホルツ共鳴器41の消音
室42として利用しているが、このようなヘルムホルツ
共鳴器41を具備しない前述の実施形態の気体圧縮機に
おいては、その吐出チャンバ24部分をシリンダ1の肉
厚の一部として埋めてしまうことができる。このように
構成すると、シリンダ1の肉厚増加による機械的強度の
向上を図ることができ、特に、鉄より強度のないアルミ
ニウム製のシリンダ1を採用する場合でも、比較的簡単
に十分なシリンダ強度を得ることができる。
【0037】
【発明の効果】本発明に係る気体圧縮機にあっては、上
記の如く、圧縮室から吐出室側へ高圧冷媒ガスを吐出す
るための吐出孔を、サイド吐出孔としてサイドブロック
に設けたものである。このため、シリンダ内壁において
ベーン先端の移動経路上に開設されていた従来のシリン
ダ吐出孔を廃止することができ、この種のシリンダ吐出
孔入口上をベーン先端が通過する場合の不具合、すなわ
ち、ベーン先端とシリンダ内壁との接触長さの減少によ
るベーン先端の接触面圧上昇、これによるベーン先端あ
るいはシリンダ内壁の摩耗や騒音を回避でき、低騒音か
つ耐摩耗性に優れた気体圧縮機を提供し得る。
【0038】しかも、本発明に係る気体圧縮機による
と、圧縮室において圧縮された高圧冷媒ガスが、従来の
ようにシリンダ外周面側の吐出チャンバを介さず、サイ
ド吐出孔を通過して直接吐出室の油分離器側に噴出可能
となるため、この種の吐出チャンバに高圧冷媒ガスが直
に噴出することによる不具合、すなわち吐出チャンバ室
の内壁と高圧冷媒ガスとの直接衝突による騒音の発生を
回避でき、この点でも気体圧縮機の低騒音化を図れる。
【0039】特に、本発明では、消音手段において、
圧冷媒ガスの一部を消音室に導くことにより、特定周波
数帯域の騒音とは逆位相の共鳴音を発生させることが可
能となり、その共鳴音による騒音の相殺を通じて、さら
に気体圧縮機の低騒音化を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る気体圧縮機の一実施形態について
の要部説明図。
【図2】本発明に係る気体圧縮機の他の実施形態につい
ての要部説明図。
【図3】従来の気体圧縮機の断面図。
【図4】図3のA−A線でのシリンダ断面図。
【図5】図4に示した従来の気体圧縮機における高圧冷
媒ガスの吐出流路の説明図。
【符号の説明】
1 シリンダ 2 フロント側のサイドブロック 3 リア側のサイドブロック 4 ロータ 5 ロータ軸 6、7 軸受 8 ベーン溝 9 ベーン 10 圧縮機本体 11 ケーシング 12 フロントヘッド 13 吸入室 14 吐出室 15 圧縮室 16 油分離器 17 オイル溜り 18 油穴 19 サライ溝 20 背圧室 21 吸入通路 22 シリンダ吐出孔 22a シリンダ吐出孔入口 23 吐出バルブ 23a バルブサポート 24 吐出チャンバ 24a 切欠き 25 吐出通路 31 サイド吐出孔 31a サイド吐出孔入口 31b サイド吐出孔出口 40 消音手段 41 ヘルムホルツ共鳴器 42 消音室 43 消音ガス導入路 43a 消音ガス導入路一端 43b 消音ガス導入路他端
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−159490(JP,A) 特開 昭62−78427(JP,A) 実開 昭56−49277(JP,U) 実開 平3−63795(JP,U) 実開 昭63−45091(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04C 18/30 - 18/352 F04C 23/00 - 29/10 331

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周略楕円状のシリンダと、上記シリン
    ダの端面に取り付けられたサイドブロックと、上記シリ
    ンダの内側に位置しかつロータ軸とその軸受を介して回
    転可能に設けたロータと、上記ロータの外周面に形成さ
    れたベーン溝と、上記ベーン溝に摺動可能に装着された
    ベーンと、上記シリンダ、サイドブロック、ロータおよ
    びベーンによって仕切り形成される圧縮室とを備え、 上記圧縮室が上記ロータの回転により容積の大小変化を
    繰り返し、この圧縮室の容積変化により、吸入室から圧
    縮室への低圧冷媒ガスの吸入、上記圧縮室での低圧冷媒
    ガスの圧縮、および上記圧縮室から吐出通路への高圧冷
    媒ガスの吐出を行う気体圧縮機において、 上記圧縮室から吐出通路へ高圧冷媒ガスを吐出する吐出
    孔を、上記サイドブロックに設け、 上記吐出孔の出口から吐出した高圧冷媒ガスにより生じ
    る特定周波数帯域の騒音を消音する消音手段を有し、 上記消音手段は、 上記シリンダ外周面側に設けられた消音室と、上記吐出
    通路に一端を開口するとともに、他端を上記消音室に開
    口してなる消音ガス導入路とからなり、 上記消音室は、 上記シリンダ楕円短径部近傍に設けたシリンダ外周面側
    の切欠き、該シリンダ外周面側のケーシング部分、およ
    びフロント側とリア側のサイドブロックにより仕切り形
    成されてなること を特徴とする気体圧縮機。
  2. 【請求項2】 上記消音ガス導入路の一端が吐出孔の出
    口付近に開口していることを特徴とする請求項1記載の
    気体圧縮機。
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