JP3062703B2 - 画像ノイズシミュレーション方法 - Google Patents

画像ノイズシミュレーション方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は画像ノイズシミュレーシ
ョン方法に関し、詳しくは、写真感光材料などの画像形
成媒体上に形成される画像のノイズ特性を精度良くシミ
ュレーションする方法に関する。
【0002】
【従来の技術】写真感光材料などの画像形成媒体の設計
と開発に当たって、画像のノイズ(写真感光材料の粒状
性)をシミュレーションすることは、ノイズの目標設定
や評価を行う上で有効である。かかるノイズのシミュレ
ーション方法としては、ある画素(位置)におけるノイ
ズを自己回帰モデルを用いて予測発生させるようしたも
のがある(犬井正男、日本写真学会誌 49、531
1986年発行 等参照)。ここで、ノイズの振幅だけ
が画像濃度に依存する場合には、予め発生又は測定した
均一濃度部の2次元ノイズに、画像の濃度に対応した振
幅(例えばRMS粒状度)を乗じて得ることができ、ま
た、任意の同周波数成分をもつノイズは、その周波数成
分に対応する2次元ウィナースペクトルを設定し、これ
にランダムな位相を与えた後、逆フーリエ変換すること
によって得ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、写真感光材
料としてのカラーネガフィルムでは、粒状性(ノイズ)
は振幅,周波数特性共に各色(例えばR,G,B)毎の
濃度に依存して変化するという特質を有するため、ノイ
ズの振幅と周波数特性との両方を共に濃度に依存させて
シミュレーションすることが望まれるが、従来では、い
ずれか一方のみを濃度に依存させてノイズをシミュレー
ションする方法のみが提案されており、かかる従来のシ
ミュレーション方法を用いたのでは、実際のカラーネガ
フィルムの画像に対する対応性が不充分であるという問
題があった。
【0004】本発明は上記問題点に鑑みなされたもので
あり、ノイズの振幅と周波数特性との両方を濃度に依存
させてシミュレーションする構成の画像ノイズシミュレ
ーション方法を提供することにより、特にカラーネガフ
ィルムのようにノイズの振幅と周波数特性との両方が濃
度に依存して変化するような画像形成媒体において、実
際の画像に対する対応性の良いシミュレーションが行え
るようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】そのため本発明にかかる
画像ノイズシミュレーション方法では、画像形成媒体上
に形成される画像のノイズの平均的な振幅及び周波数特
性をそれぞれ反映するパラメータと、画像形成媒体にお
ける画像濃度との関係を求めた後、前記パラメータを用
いてノイズシミュレーションの予測式の係数を決定し、
この係数を用いた前記予測式に基づいて前記画像形成媒
体上に形成された画像のノイズをシミュレーションする
よう構成した。
【0006】ここで、前記パラメータがノイズの平均的
な振幅を反映するパラメータと周波数特性を反映するパ
ラメータとの少なくとも2つからなり、前記画像形成媒
体の平均濃度が異なる複数試料の濃度実測値から平均濃
度別に実測値による自己相関関数を設定する一方、前記
少なくとも2つのパラメータを含めて設定されたノイズ
のモデルから定まる理論的自己相関関数を算出し、実測
値による自己相関関数と理論的自己相関関数との間の誤
差の総和を最小化することで前記少なくとも2つのパラ
メータの値を前記各平均濃度別に求めることにより、ノ
イズの平均的な振幅及び周波数特性をそれぞれ反映する
前記少なくとも2つのパラメータと画像濃度との関係を
求めるよう構成することができる。
【0007】
【作用】かかる画像ノイズシミュレーション方法による
と、画像形成媒体上に形成される画像のノイズの平均的
な振幅及び周波数特性をそれぞれ反映するパラメータ
を、画像形成媒体における画像濃度に依存させることに
より、前記パラメータを用いて決定されるノイズシミュ
レーションの予測式の係数を、画像濃度に依存させるこ
とができる。従って、画像形成媒体上に形成される画像
のもつノイズにおける振幅と周波数特性とが、共に画像
濃度に依存して変化するような場合に、ノイズシミュレ
ーションの予測式を、実際の画像に精度良く対応させる
ことができるようになる。
【0008】また、前記パラメータがノイズの平均的な
振幅を反映するパラメータと周波数特性を反映するパラ
メータとの少なくとも2つとし、濃度実測値による自己
相関関数と理論的自己相関関数とに基づいて前記少なく
とも2つのパラメータと画像濃度との関係を求めるよう
にすれば、比較的容易にパラメータの設定が行える。
【0009】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。スペクト
ル解析の一方法であるMEM(最大エントロピー法)と
数学的に等価である自己回帰モデルによって、1次元の
ノイズを容易にシミュレーションすることができ、本実
施例では、画像形成媒体上に形成された画像のノイズシ
ミュレーションにおいて、離散的一様等方確率場を表す
以下の差分方程式に基づいた2次元自己回帰モデルを用
いる。
【0010】 Im+1,n +Im-1,n +Im,n+1 +Im,n-1 −(4+K2)Im,n =CWm,n ここで、Im,n は画素(m,n)におけるノイズ、Kはノイ
ズの相関距離に関する(主にノイズの平均的周波数特性
を反映する)パラメータ(但し、Kは振幅にも影響を与
える。)、Cはノイズの平均的振幅を反映するパラメー
タである。Wはホワイトノイズで、このWm,n の平均値
は0であり、〈 〉が期待値を表すものとしたときに、
〈Wm,n m',n' 〉=δm,m'δn,n'である規格化された
ホワイトノイズである。
【0011】前記差分方程式に基づいてノイズの2次元
自己回帰モデルが、以下のように導かれる。 Im,n =h0,0 (C,K)Wm,n +Σhp,q (C,K)Im+p,n+q ・・・(a) (p,q)∈S ここで、(p,q)は座標であり、Sは係数hを用いる範囲
である。
【0012】このように、前記2つのパラメータC,K
に基づいて各画素に対応する係数h p,q を求め、自己回
帰モデルを用いてこれらの係数hp,q から画素(m,n)に
おけるノイズIm,n を得ることができる。前記2つのパ
ラメータC,Kの値は、前記差分方程式から導かれる下
式の自己相関関数Rm,n を用いて濃度変動の実測データ
から求めることができる。
【0013】
【数1】 前記濃度変動の実測データに基づく前記2つのパラメ
ータの決定は、以下のようにして行われる。
【0014】尚、本実施例では、スチル写真のカラーネ
ガフィルムを画像形成媒体として用い、かかるカラーネ
ガフィルムのノイズ(粒状ノイズ)をシミュレーション
するものとする。前記カラーネガフィルムとしては超高
感度(ISO=3200程度)のものを使用した。濃度変動
の実測データを得るために、まず、前記カラーネガフィ
ルムを昼光で均一露光させて現像し、3原色(R,G,
B)毎の平均濃度が、赤R;1.18〜2.99,緑G;0.83〜
2.37,青B;0.60〜1.74の範囲でそれぞれ変化する10種
類の濃度レベルの試料を作成した。
【0015】そして、前記試料の1次元微細濃度分布
(ノイズ)のデータを、マイクロデンシトメータ(微小
濃度計)と3原色のフィルタとを用いて、各色毎及び各
濃度毎にサンプリングして、濃度変動の実測データを得
る。尚、前記マイクロデンシトメータによる濃度測定に
おいては、アパーチャサイズを幅2μm,高さ400 μm
程度とし、サンプリング間隔を1μm程度とする。
【0016】次に、前記濃度変動の実測データに基づい
て、各色及び各濃度毎にノイズのパワースペクトルを計
算し、空間周波数領域上でマイクロデンシトメーター測
定時のアパーチャサイズの補正と電子回路のノイズ除去
とを行った後、2次元画像領域内の画素位置に関する濃
度変動の自己相関関数Acfを計算させ、ラグLag
(相関距離;隔たり画素数)に対する実験的自己相関関
数Acfの値の変化を各色毎及び各濃度毎に得る。その
後、下式で表される理論的及び実測的自己相関関数間の
誤差の2乗和Eを有限個のラグLagの範囲で求める関
数式を定め、Eの値が最小化するようにパラメータK,
Cの値を決定すれば良い。
【0017】
【数2】 尚、図1は、前記ラグLagと実験的な自己相関関数
Acfの値との関係を、3原色の中の緑Gに関して示し
たものであり、ここでは、前記緑Gの濃度を、0.83,1.
03,1.21,1.41,1.60,2.16の6種類に変化させた場合
の傾向を示してある。
【0018】本実施例においては、前記K,Cの両パラ
メータの濃度に対する関係を規定する上で、前述した数
2を用いる方法と実用的に大きな誤差を生じない、やや
簡便化した方法を用いるようにしており、これを以下に
詳細に説明する。まず、前記数1の理論的自己相関関数
m,n (=F(K,C,m,n))について、カラーネ
ガフィルムでは自己相関関数Acfが等方的であるの
で、nを0に固定し、更に、m=0で正規化(ノーマラ
イズ)することで、n,Cの因子を除いた自己相関関数
Acf=Rm,0 /R0,0 を設定し、かかる正規化された
自己相関関数から、図2に示すように、自己相関関数A
cf=Rm,0 /R0,0 の値と画素位置を示すmとの関係
が、パラメータKに対応してどのように変化するかを得
る。
【0019】ここで、図2に示す理論的自己相関関数を
解析した結果から、自己相関関数Acfが所定値(例え
ば0.5 程度であり、相関距離変化に対して自己相関関数
値の変化が大きくなる点が好ましい。)になる値とし
て、m(相関距離)とKとの関係(図3参照)が定ま
り、図1に示す濃度変動の実測データに基づく解析結果
からは、やはり自己相関関数Acfが前記所定値になる
値として、ラグ数Lag(隔たり画素数)と濃度Dとの
関係(図4参照)が定まることになる。
【0020】図3におけるmは、相関距離(ラグ数La
g)に相当するから、上記2つの関係を組み合わせて、
濃度DとパラメータKとの関係を求めることができる。
ここで、2つのパラメータK,Cと濃度実測値の標準偏
差(σ)とは、以下のような関係を満たす。 σ2 =R0,0 =C2 /(4πK2) C=2√π・K・σ・・・・(b) 従って、各画像濃度D毎の濃度実測データに基づいて、
各画像濃度Dに対する濃度変化の標準偏差σを求めてお
けば、所定濃度Dに対応するパラメータKの値と、これ
に対応する濃度実測値の標準偏差(σ)を、上記(b)
式に代入することで、各色毎に所定濃度Dに対応するパ
ラメータK,Cを共に決定することができる。図5は、
画像濃度Dに対応するパラメータK,Cを上記のように
して求めた結果を、3原色の中の緑Gについて示したも
のである。
【0021】上記のようにして決定されたパラメータK
は、3原色いずれの場合も画像濃度Dに対して略単調に
増加する。しかしながら、緑Gの場合は濃度D変化0.83
〜2.37に対してKは0.25〜0.64の変化幅を示すのに対
し、青Bの場合は濃度D変化1.18〜2.99に対してKは0.
26〜0.37の変化幅を示し、赤Rの場合は濃度D変化0.60
〜1.74に対してKは0.27〜0.43の変化幅を示し、緑Gが
濃度D変化に対してパラメータKの変化幅が最も大き
く、他の2色B,Rについては濃度D変化に対してパラ
メータKの変化幅は比較的小さい。
【0022】また、パラメータC(ノイズの平均的振幅
に関するパラメータ)は、濃度変化に対する変化幅が、
前記パラメータK(ノイズの平均的周波数特性に関する
パラメータ)よりも小さく、濃度依存性はパラメータK
よりも小さい。尚、前記パラメータK,Cは、試料数に
応じて濃度Dに対する離散的なデータとなるから、かか
るデータを補間することで、濃度Dに対して連続するパ
ラメータK,Cの関係を求めれば良い。
【0023】上記のようにして、パラメータK,Cが各
色及び画像濃度Dに関連付けられて決定されれば、濃度
Dの関数として前記ノイズシミュレーションの予測式
(a)における予測係数hp,q を各色毎に求めることが
できることになる(電子通信学会論文誌‘82/5 Vol.
J65-A NO.5 吉田靖夫,小倉久直,佐倉康夫 、「スペ
クトル解析」朝倉書店 1989年発行 日野幹雄 著 等
参照)。従って、この係数hp,q を用いて前記ノイズシ
ミュレーションの予測式(a)に基づいて、濃度Dに依
存するノイズ(粒状ノイズ)を各色毎にシミュレーショ
ンする(発生させる)ことができる。
【0024】上記に説明したパラメータK,Cを画像濃
度Dに依存させて決定する過程を、図6のフローチャー
トに概略示してある。即ち、まず均一露光によって平均
濃度の異なる複数のネガ試料を作成し(S1)、かかる
試料の濃度測定を行う(S2)。そして、濃度測定結果
に基づいて各試料(平均濃度)毎に自己相関関数を計算
する(S3)。一方、ノイズの理論的自己相関関数を設
定する(S4)。
【0025】ここで、実測値に基づく自己相関関数から
は、自己相関関数が所定値(0.5 )になるときの値とし
て相関距離(ラグ数m0.5 )と濃度Dとの関係を求め
(S5)、理論的自己相関関数からは、ノイズの周波数
特性を反映するパラメータKと相関距離(ラグ数
0.5 )との関係を求める(S6)。上記の2つの関係
から、濃度DとパラメータKとの関係が求められ(S
7)、かかる関係と、濃度測定値に基づいて求められる
濃度Dと濃度変化の標準偏差σとの関係(S8)とか
ら、前記パラメータCと濃度Dとの関係を求めることが
できる(S9)。
【0026】ここで、以下のようにして、前記シミュレ
ーション結果が実際の画像に精度良く対応しているかの
確認を行った。まず、計算機上で、全面均一濃度(試料
の各平均濃度Dに対応する濃度)の元画像に対して、前
記シミュレーション結果のノイズIm,n を各画素毎に乗
せる一方、試料の濃度計測時におけるアパーチャサイズ
に対応する画素数のデータを平均化処理することで、濃
度測定時の状態、即ち、試料の濃度分布状態を疑似的に
再現し、この疑似的に再現した濃度分布状態と実際の濃
度実測データと比較する。
【0027】上記比較結果によると、シミュレーション
データは実測値に対して振幅が小さくなる傾向があっ
た。これは、試料の濃度測定時のアパーチャサイズを、
シミュレーションの画素サイズ(5×5μm)に対して
そのまま適用したためと推定される。そこで、Selw
ynの粒状則(σ=1/√S;S=面積)を適用する
と、前記(b)式からσとパラメータCとは比例関係に
あるから、濃度測定のアパーチャサイズとシミュレーシ
ョンにおける画素サイズとの面積比に準じて前記パラメ
ータCを補正することで、前記シミュレーションデータ
が実測値の振幅に近い特性となるようにすることが好ま
しく、かかる補正によって振幅,周波数特性共に実測デ
ータに精度良く類似したシミュレーションデータを得る
ことができる。
【0028】ここで、パラメータK,Cの濃度に対する
関係を得てからノイズを含んだ画像を疑似的に作成する
までの作業の流れを、図7に示すフローチャートに従っ
て概略説明する。まず、前記図6に示す流れに沿って、
パラメータK,Cそれぞれと画像濃度Dとの関係が特定
されると(S11)、予め設定されている前記パラメータ
K,Cから前記ノイズシミュレーションの予測式(a)
における予測係数hp,q を算出するプログラムに従って
演算処理して(S12)、2次元自己回帰表現を用いたノ
イズシミュレーションの予測式で用いる予測係数hp,q
を3原色毎に画像濃度Dに対応させて設定する(S1
3)。
【0029】一方、シミュレーションされたノイズを乗
せる濃度均一の元画像を得るために、例えば回転走査型
濃度計によってノイズ無し画像の濃度読取りを行い(S
14)、かかる読取り結果を、ノイズ無しの元画像信号と
して磁気記憶装置に一旦記憶させる(S15)。そして、
前記2次元自己回帰表現を用いたノイズシミュレーショ
ンの予測式を用いて前記元画像の濃度に対応する各色毎
のノイズを発生させ、前述のようにして予め記憶させて
おいた均一濃度の元画像に、前記発生させたノイズを乗
せ、ノイズがシミュレーションされた画像信号を得る
(S16)。
【0030】前述のシミュレーション評価では、データ
上の比較によって行ったが、更に、上記図7におけるS
16で得られたノイズを乗せたシミュレーション画像信号
に基づいて実際にプリントさせて(S17)、カラーネガ
フィルムに基づいてプリントさせた結果と目視で対比し
て、ネガフィルムの粒状ノイズのシミュレーションデー
タと実際のネガフィルムの画像との対応性を確認した。
【0031】前記目視観察は、前述のように、全面均一
濃度の元画像に対して、前記シミュレーション結果のノ
イズIm,n を各画素毎に乗せて得られるシミュレーショ
ンデータを、レーザープリンタを用いて、印画紙上に出
力(露光)する一方、前記試料として作成したネガフィ
ルムを、通常の焼付用のプリンタ(引伸し機)を用い
て、前記レーザープリンタと同じ印画紙上に同倍率で拡
大プリントした。そして、かかる目視観察によって、上
記のノイズシミュレーション方法による結果が、画像の
濃度変化及び色の違いに対して、実際の画像に良好に対
応することが確認された。
【0032】尚、前記レーザープリンタは、例えば図8
に示すような構成となっている。3原色の光源1〜3か
らの照射される3原色光(赤,緑,青)は、それぞれに
備えられた光量変調素子4〜6で個別に変調された後、
各ミラー7〜10(8,9は分光透過式ミラー)を介して
合成され、該合成光が結像用レンズ11によって回転式ド
ラム12に装着された印画紙13上に結像される。
【0033】前記光量変調素子4〜6は、磁気記憶装置
14にR,G,Bの3原色毎の信号として記憶されたデジ
タル画像信号をD/A変換器15でアナログに変換した結
果に基づいて、それぞれの光量変調レベルが制御される
ようになっており、前記磁気記憶装置14に、計算機上で
ノイズが乗せられた画像信号を記憶させることで、シミ
ュレーション画像をプリントさせることができるように
してある。
【0034】更に、上記のようにして、パラメータK,
Cを共に画像濃度に依存させることによる効果の確認の
ために、 A.パラメータK,Cを共に画像濃度に対応させて変化 B.パラメータKのみを画像濃度に対応させて変化 (但し、σ(∝C/K)は一定) C.パラメータCのみを画像濃度に対応させて変化 の3つのバリエーションでノイズシミュレーションを試
み、それぞれにシミュレーション結果を前記レーザープ
リンタを用いてプリントさせ、ネガフィルムを用いたプ
リントの結果と比較した。この結果、ネガフィルムから
のプリントに対する対応性が、A>C>Bと順となり、
やはりK(ノイズの周波数特性を反映したパラメータ)
及びC(ノイズの振幅を反映したパラメータ)を共に画
像濃度に依存させて変化させることが、シミュレーショ
ン精度を上げることが確認された。但し、パラメータK
の違いは、周波数があるレベル以上になると目視では観
察されなくなり、寧ろ目視に与える影響は、パラメータ
Cの方が大きくなる。
【0035】尚、本実施例では画像形成媒体としてカラ
ーネガフィルムを例としたが、このカラーネガフィルム
の他、印画紙やプリンタにおける感光ドラムなどの他の
画像形成媒体上に形成された画像のノイズをシミュレー
ションするのにも有効であり、画像形成媒体をカラーネ
ガフィルムに限定するものではない。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように本発明にかかる画像
ノイズシミュレーション方法によると、ノイズの平均的
な振幅及び周波数特性をそれぞれ反映するパラメータを
画像濃度に関係付けて設定し、前記パラメータに基づい
てノイズシミュレーションの予測式の係数を決定するよ
うにした。これにより、ノイズを2次元で等方的に発生
させることが可能になり、また、ノイズの振幅及び周波
数特性が共に画像濃度に依存して変化するような画像形
成媒体上に形成される画像のノイズを、精度良くシミュ
レーションすることができるようになるという効果があ
る。更に、このシミュレーションを利用することによ
り、上記画像形成媒体を設計・開発する上での目標設
定,改良効果の確認等がより容易に、かつ、効率的に行
えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ラグ数(相関距離)と自己相関関数Acfの値
との関係を実測濃度データから求めた例を示す線図。
【図2】理論的自己相関関数における相関距離mと自己
相関関数値とパラメータKとの関係を示す線図。
【図3】理論的自己相関関数から求めたパラメータKと
相関距離との関係を示す線図。
【図4】実測濃度データに基づいて得られる画像濃度と
ラグ数(相関距離)との関係を示す線図。
【図5】画像濃度とパラメータK,Cとの関係を示す線
図。
【図6】パラメータK,Cと画像濃度Dとの関係を特定
する処理内容を示すフローチャート。
【図7】予測式に基づきノイズの発生させノイズを含ん
だ画像を疑似的に発生させる処理内容を示すフローチャ
ート。
【図8】レーザープリンタの構成例を示すブロック図。
【符号の説明】
K ノイズの平均的周波数特性を反映するパラメータ C ノイズの平均的振幅を反映するパラメータ Acf 自己相関関数 m,n 画素座標位置 D 画像濃度 σ 標準偏差
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭63−97935(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06T 1/00 G06T 7/00 - 7/60 G03C 5/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】画像形成媒体上に形成される画像のノイズ
    の平均的な振幅及び周波数特性をそれぞれ反映するパラ
    メータと、画像形成媒体における画像濃度との関係を求
    めた後、前記パラメータを用いてノイズシミュレーショ
    ンの予測式の係数を決定し、該係数を用いた前記予測式
    に基づいて前記画像形成媒体上に形成された画像のノイ
    ズをシミュレーションする画像ノイズシミュレーション
    方法。
  2. 【請求項2】前記パラメータがノイズの平均的な振幅を
    反映するパラメータと周波数特性を反映するパラメータ
    との少なくとも2つからなり、前記画像形成媒体の平均
    濃度が異なる複数試料の濃度実測値から平均濃度別に実
    測値による自己相関関数を設定する一方、前記少なくと
    も2つのパラメータを含めて設定されたノイズのモデル
    から定まる理論的自己相関関数を算出し、実測値による
    自己相関関数と理論的自己相関関数との間の誤差の総和
    を最小化することで前記少なくとも2つのパラメータの
    値を前記各平均濃度別に求めることにより、ノイズの平
    均的な振幅及び周波数特性をそれぞれ反映する前記少な
    くとも2つのパラメータと画像濃度との関係を求めるよ
    う構成したことを特徴とする請求項1記載の画像ノイズ
    シミュレーション方法。
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