JP3062353U - 工具ホルダ - Google Patents

工具ホルダ

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JP3062353U
JP3062353U JP1999001719U JP171999U JP3062353U JP 3062353 U JP3062353 U JP 3062353U JP 1999001719 U JP1999001719 U JP 1999001719U JP 171999 U JP171999 U JP 171999U JP 3062353 U JP3062353 U JP 3062353U
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政一 松本
正博 田口
雄策 山本
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株式会社日研工作所
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 引き込み力が小さくても、工作機械のス
ピンドル20に強く保持でき、高精度の切削加工ができ
る工具ホルダを提供する。 【解決手段】 ホルダ本体2のシャンク部3の前側に設
けたフランジ部4の後端部とシャンク部3に嵌めたテー
パコーンの前端面との間に弾性部材7を介在させ、前記
コーン8の後端面をシャンク部3にストッパ部材9で支
持した工具ホルダにおいて、後側が小径となる前記コー
ン8の外周をスピンドル20のテーパ孔21内周面21
aのテーパと等しい角度とし、前記コーン8内周面とシ
ャンク部3外周面とのテーパを互いに等しい角度で前記
コーン8の外周テーパよりもゆるい角度で後側が小径と
なるようにし、ホルダ本体2の引き込みにより前記コー
ン8が拡径して、これの外周面をテーパ孔21内周面に
強く保持できるようにした。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
この考案は、工作機械のスピンドルに着脱可能に装着する工具ホルダに関する ものである。
【0002】
【考案が解決しようとする課題】
従来の工具ホルダは、シャンク部を後側が小外径となるテーパに形成し、工作 機械のスピンドル前端部に後側が小内径となるテーパ孔を形成し、引き込み部材 によって工具ホルダのシャンク部を後側に引き込むことで、前記工具ホルダをス ピンドルに装着している。 しかし、工具ホルダのシャンク部の前側に設けたフランジ部とスピンドルの前 端面との間に隙間を設け、シャンク部のテーパを有する外周面と、スピンドルの テーパ孔内周面とのみによって、前記シャンク部を拘束していたので、大きな力 でシャンク部を保持することができず高速回転あるいは低速重切削加工において 満足な切削ができなかった。 そこで、スピンドルの前端面に、工具ホルダのシャンク部前側に設けたフラン ジ部後端面を押し付ける端面拘束を、前記テーパを有する外周面と、前記テーパ 孔内周面とによる拘束を加えることで、拘束力を大きくするようにしたものもあ った。 しかし、前記のような構成にするには、製作公差をシビアにしなければならな いため、コスト高になり、また、長期間にわたってスピンドルを使用していると 、そのテーパ孔の再研磨が必要となり、再研磨をしたものはテーパ孔が拡がるた めに、工具ホルダのフランジ部とスピンドルとの端面とによる拘束のみになり、 テーパ部は接触せず、工具が振れてしまい使用出来なくなる。また、スピンドル を高速回転させると、そのテーパ孔によってスピンドルの前端部が遠心力で拡が り、テーパ孔による拘束力が低下し、工具ホルダによって保持した工具が振動し 、加工精度が低下する。
【0003】 そこで、フランジ部を有する工具ホルダのホルダ本体のシャンク部にストレー ト部分を設け、そこにテーパコーンを嵌め、このコーンの後端面と前記シャンク 部の前端面との間に皿ばねを介在させて、テーパコーンにプリロードをかけるこ とで、後側が小外径となるテーパコーンの外周面をスピンドルの後側が小外径と なるテーパ孔内周面に押し付けて、前記ホルダ本体をスピンドルの後側に引き込 むようにして、ある程度の成果を得ることができ、製作も比較的容易にしたもの があるが、ホルダ本体の引き込み力を大きくしないと、テーパ孔の内周面による テーパコーンの拘束が十分にできない。 また、ホルダ本体のシャンク部の外周に大径端部と小径端部とを2段のストレ ート部を形成し、テーパコーンの内周にも前記端部と対応するようにストレート の小径端部と大径端部とを形成したものもあるが、テーパコーンの内周面がスト レート状であるため、ホルダ本体を強大な引き込み力で引き込まないと十分な効 果が得られないという問題点があった。
【0004】 この考案は、前述した問題点を解決して、ホルダ本体の引き込み力が比較的小 さくても、ホルダ本体のシャンク部外周面とこれに密着嵌合されるテーパコーン の内周面に、それぞれ後側が小径となるスピンドルのテーパ孔内周面およびテー パコーン外周面のテーパ角度よりゆるい角度のテーパを形成することで、ホルダ 本体に係合する引き込み部材の引き込み力により、シャンク部とテーパコーンと をくさび効果でロック状態に拘束し、かつスピンドルのテーパ孔内周面に対しテ ーパコーンの外周面の内張り力を作用させて、引き込み力の瞬時の到達点である 引き込み力を維持した状態で拘束すると共に、フランジ部の後端面を前記スピン ドルの前端面に当接させて拘束することで、スピンドルのテーパ孔に装着される 工具ホルダを大きな拘束力で保持することができ、高速回転および低速重切削に 耐え得る工具ホルダを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の考案は、後側が小外径となるテーパ孔をもつ工作機械のスピンドル のテーパ孔に着脱可能に嵌める工具ホルダであって、ホルダ本体の後側部に設け たシャンク部の前側に大外径のフランジ部を設け、フランジ部の後端部とシャン ク部に嵌めたテーパコーンの前端部との間に弾性部材を介在させ、後側が小外径 となるテーパコーンを、テーパコーンの後端面をシャンク部に設けたストッパ部 材によって支持した工具ホルダにおいて、前記テーパコーンの外周面を前記スピ ンドルのテーパ孔内周面と等しい角度に形成し、テーパコーンの内周面と前記シ ャンク部の外周面とに後側が小径となる互いに等しい、テーパコーンの外周面の 角度よりゆるい角度の1/10〜1/100テーパを、前後方向の少なくとも一 部に形成し、前記ホルダ本体に係合する引き込み部材の引き込み力により、前記 シャンク部と前記テーパコーンとをくさび効果でロック状態に拘束し、かつ前記 スピンドルのテーパ孔内周面に対し前記テーパコーンの外周面の内張り力を作用 させて、前記引き込み力の瞬時の到達点である引き込み力を維持した状態で拘束 すると共に、前記フランジ部の後端面を前記スピンドルの前端面に当接させて拘 束するようにしたものである。
【0006】
【考案の実施の形態】
第1実施形態の工具ホルダ1は、図1,図2に示すように、ホルダ本体2の後 端側にシャンク部3を設け、このシャンク部3の前端側に大外径のフランジ部4 を設け、このフランジ部4の前端側に前端部6を一連に形成してある。
【0007】 前記フランジ部4の後端面4aは、外周側から中心側に向かって軸方向と直角 に形成し、フランジ部4の外周面には自動工具交換装置のアーム(図示省略)が 係脱可能に係合する台形溝4bを形成し、フランジ部4の後端面4aには環状凹 部4cを形成し、環状凹部4cに後述する弾性部材7を嵌めてある。なお、4e ,4eはキ−溝である。
【0008】 前記シャンク部3の外周には前端面が弾性部材7に当接してテーパシャンクを 構成するテーパコーン8を径方向および軸方向に摺動可能に嵌合させ、テーパコ ーン8の後端部に後述するプリロード調節用のストッパ部材9をシャンク部3に 嵌め、ストッパ部材9の後端面を支持するプルスタッド10をシャンク部3の後 端部にねじ嵌合させて固着し、ストッパ部材9を介してテーパコーン8を弾性部 材7に押し付け、弾性部材7を圧縮させてプリロードを付与している。
【0009】 前記テーパーコーン8は、図3に示すように、前側から後側に向けて小径にな るようにし、外周面の全体を1/10テーパのテーパαに形成し、内周面の全体 を1/50テーパなどの外周面よりもゆるいテーパβに形成してある。
【0010】 また、テーパコーン8は、図3,図4に示すように、軸方向に対しゆるい傾斜 を設けて全長にわたって切り離した切り割り8aを周方向の1箇所に設け、この 切り割り8a内に弗素系のゴムなどの弾性体8bを充填し、径方向に弾性変形可 能にしてある。なお、前記弾性体8bは、テーパコーン8の内,外周面から突出 しないように前記切り割り8aに充填して、切り割り8aの対向面に接着剤で固 着させることで、防塵機能を有するようにしている。
【0011】 前記弾性部材7は、鋼板などの弾性金属板からなる複数の環状の皿ばね7aと 、環状の金属板などからなる薄板7bとを重ねて構成し、これらの少なくとも一 部を前記環状凹部4cに収容して、この凹部4cの底とテーパコーン8の前端面 との間に介在させてある。 前記ストッパ部材9は、弾性リング9aと座金9bとを重ね、これらをプルス タッド10の大径支持部10bによってテーパコーン8の後端面を支持するよう にしてある。
【0012】 さらに、シャンク部3のテーパコーン8が嵌合する部分の外周面には、周方向 に連続する山形状に潤滑剤封入溝3aを形成し、この封入溝3にグリースなどの 潤滑剤を入れ、シャンク部3とテーパコーン8との相対移動が長期間にわたって スムーズにできるようにしてある。
【0013】 前記ホルダ本体2の軸方向中間部と前端との間にはコレット保持用のテーパ孔 11とテーパ孔11の後端側に延びるストレート孔12とを形成し、ストレート 孔12の後端側には小径のボルト挿通孔13を形成したボルト支持部14を環状 に中心側に突出させ、ボルト挿通孔13の後端側にホルダ本体2の後端面に開口 する後端部孔15を形成し、後端部孔15の軸方向の適所にめねじ部15aを形 成し、前記各孔11,12,13,15はホルダ本体2の軸心と同心に一連に設 けてある。
【0014】 前記プルスタッド10は、前端おねじ部10aを後端部孔15のめねじ部15 aに締め付け、大径支持部10bをシャンク部3の後端面に当接させ、大径支持 部10bの後端側に係合部10cを突出させ、中心部に貫通孔10dを形成して あり、大径支持部10bには相対向する平坦切欠部10eを形成してある。 なお、10fは前端おねじ部10aの上方に嵌合配設したシール部材である。
【0015】 ホルダ本体2のテーパ孔11およびストレート孔12には、テーパコレット1 6に一連に形成した前端側のテーパ部16aおよびストレート状の後端部16b を嵌挿してある。テーパコレット16の前記テーパ部16aには、外周面にテー パ孔11と等しいテーパを形成し、周方向の3箇所に切り割り部16cを等間隔 で形成し、切り割り部16c間の周方向中央部には切削液供給溝16dをそれぞ れ内周面に形成してあり、テーパコレット16の後端部16bには中央部を貫通 するめねじ孔16eが形成してある。 なお、切り割り部16cは、テーパ部16aの全長にわたって形成し、切削液 供給溝16dはテーパコレット16の前端から後端部16bまで細長く形成して ある。
【0016】 ホルダ本体2の後端側から後端部孔15に引きボルト17を挿入し、引きボル ト17の脚部17aをボルト挿通孔13に後端側から挿通し、脚部17aに形成 したおねじ部17bに前記コレット16の後端部16bに形成しためねじ孔16 eにねじ嵌合させてある。前記引きボルト17は、頭部17cに横断面が正六角 形状の係合凹部17dを形成し、係合凹部17dの底から脚部17aの先端まで 小径の切削液通路孔17eを引きボルト17の軸心部に貫通させて形成してある 。また、頭部17cは脚部17aに嵌めた座金18を介し、ホルダ本体2のボル ト支持部14の後端面に支持してある。 なお、19はテーパコレット16にシャンク19aを嵌めたエンドミル,ドリ ルなどの工具である。
【0017】 また、図2において、20は工作機械のスピンドルであり、スピンドル20の 前端部にはテーパ孔21を形成し、このテーパ孔21は、スピンドル20の前端 に開口し、テーパ孔21の内周面21aを後端側が小径となる1/10テーパに 形成してある。そして、スピンドル20のテーパ孔21後端側に引き込み部材2 2を設けてある。 さらに、ホルダ本体2,テーパコーン8,テーパコレット16などの金属部材 にはそれぞれ防錆処理を施し、切削液などによる前記金属部材に錆が発生しない ようにしてある。
【0018】 前記のように構成した第1実施形態の工具ホルダ1を使用するには、自動工具 交換装置のアームを、工具ホルダ1のフランジ部4に設けた台形溝4bに係合さ せてフランジ部4を把持し、工作機械のスピンドル20内に設けた引き込み部材 22の前端部に工具ホルダ1に設けたプルスタッド10の係合部10cを係合さ せ、プルスタッド10をスピンドル20の後側に引き込むことで、工具ホルダ1 のテーパコーン8の外周面をスピンドル20の内周面に密着させる。 そして、プルスタッド10をスピンドル20の後側に引き込むと、プルスタッド 10に固着したホルダ本体2のシャンク部3とシャンク部3に嵌めたテーパコー ン8が後側に引き込まれ、シャンク部3の外周面とテーパコーン8の内周面とに 互いに等しい1/50テーパなどの後側が小径となるゆるいテーパが形成してあ るので、シャンク部3の引き込みによってテーパコーン8に対して図5に示す矢 印Kの如く、くさび効果が働きテーパコーンの内周面が拡径して矢印Nの如く内 張り力が働く。
【0019】 また、スピンドル20のテーパ孔21内周面21aとテーパコーン8の外周面 には互いに等しい1/10テーパの後側が小径となるテーパが形成してあるため 、テーパコーン8の外周面に対し前記テーパ孔21内周面21aの締付力Mが働 きテーパコーン8を縮径しようとするが、テーパコーン8の矢印Nのような内張 り力が働き、両者を強力に拘束することが、工具ホルダ1の引き込み力が比較的 弱くても可能になる。 なお、テーパ角度が小さいほど、結合剛性が向上することは、既に知られてい るところである。
【0020】 図6は、この考案の工具ホルダ1と従来の標準タイプの工具ホルダにおける、 ホルダ本体2をスピンドル20のテーパー孔21内にドローバーによって引込む 、引き込み力の状態を示した説明図である。 例えば、ホルダ本体2の引き込み力の設定値を900kgと設定した場合、ス ピンドル20のテーパ孔21に工具ホルダ1を装着した時、ドローバー(図示せ ず)に連結された引込み部材22を引込むために配設された圧縮状態の皿ばね( 図示せず)などの瞬時の引き込み力は、ハンマリング効果と称され、引き込み力 設定値および引込み早さで変化するが、瞬間的に1.3〜1.8倍の1200kg 程度の引き込み力に到達する。
【0021】 しかるに、従来の標準タイプの工具ホルダでは、テーパコーンの内周面とシャ ンク部外周面がそれぞれ前後方向にストレートであるため直ちに点線で示す引き 込み力設定値である900kgの引き込み力に戻り、この状態で切削作業が行わ れる。
【0022】 これに対し、この考案による工具ホルダ1によれば、スピンドル20のテーパ 孔21に工具ホルダ1を装着した時点で、ドローバーがプルスタッド10をスピ ンドル20の後側に引き込むと、プルスタッド10に固着したホルダ本体2のシ ャンク部3とシャンク部3に嵌めたテーパコーン8が後側に引き込まれ、シャン ク部3の外周面とテーパコーン8の内周面とに互いに等しい1/50テーパなど の後側が小径となるゆるいテーパが形成してあるので、シャンク部3の引き込み によってシャンク部3外周面がテーパコーン8に対し、所謂くさび効果によるロ ック状態に拘束し、且つスピンドル20のテーパ孔21内周面21aに対しテー パコーン8の外周面の内張り力が作用する結果、前記引き込み力の瞬時の到達点 である1200kgの引き込み力を維持した状態で拘束が可能となる。 したがって、スピンドル20のテーパ孔21aに装着される工具ホルダ1を大 きな拘束力で密着保持することができ、高速回転および低速重切削に耐え得る工 具ホルダ1を提供できる。
【0023】 前記引き込み力の瞬時の到達点である引き込み力を維持した状態で拘束が可能 となることは、引き込み力が低下する4〜5年使用のスピンドルの引き込み手段 に対して適用した場合に、引き込み力を向上させる効力を発揮できることは勿論 である。 なお、自動工具交換装置は、アームを適時に台形溝4bから外して、動作前の 位置に復帰させる。
【0024】 前述した加工を行なった後、工具ホルダ1の自動工具交換を行なうには、自動 工具交換装置のアームを台形溝4bに係合させてフランジ部4を把持し、スピン ドル20の先端側に前記工具ホルダ1を引き抜く。
【0025】 第1実施形態の工具ホルダ1に設けたテーパコーン8は、ホルダ本体2のシャ ンク部3に嵌合させたテーパコーン8の後端面を、シャンク部3の後端部にねじ 締めしたプルスタッド10の大径支持部10bをシャンク部3の後端面に当接さ せて前端側に押し、フランジ部4の後端面4aに形成した環状凹部4bに弾性部 材7を嵌め、テーパコーン8の前端面を弾性部材7を介してフランジ部4に押し 付けているので、テーパコーン8がシャンク部3の軸方向に移動可能であり、ま た、テーパコーン8には全長にわたる切り割り8aを周方向の1箇所に設け、切 り割り8aに弾性体8bを充填してあるので、テーパコーン8の拡径縮径が可能 であり、テーパコーン8をスピンドル20のテーパ孔21に密着させて嵌合させ 、かつフランジ部4の後端面4aをスピンドル20の前端面20aに確実に密着 させて拘束することができる。
【0026】 第1実施形態において、使用によって刃部が磨耗または欠損した工具19を交 換するには、工具ホルダ1を工作機械から外して工具の交換作業場に運び、ホル ダ本体2のフランジ部4を万力台に固定した万力などによって固定し、プルスタ ッド10の後端側からL字状に折り曲げた横断面正六角形状の操作棒の前端部を 、プルスタッド10の貫通孔10dに挿通して引きボルト17の頭部17cに設 けた係合凹部17dに係合させる。
【0027】 そして、前記操作棒をプルスタッド10外で弛め方向に回転させ、引きボルト 17を同方向に回転させることで、その頭部17cをプルスタッド10の前端に 当接させ、さらに弛め方向に回転させることで、引きボルト17のおねじ17b とテーパコレット16のめねじ孔16eとのねじ嵌合によって前記コレット16 をホルダ本体2の前端側に押し出し、コレット16のテーパ部16aに対するホ ルダ本体2前端部のテーパ孔11による締め付けを弛める。
【0028】 これによって、コレット16のテーパ部16aによる工具19のシャンク19 aの締め付けも弛むので、工具19をコレット16から引き抜き、新しい工具な ど使用可能な工具19のシャンク19aをコレット16のテーパ部16aに嵌め ることができる。その後、前述した操作とは逆に前記操作棒によって引きボルト 17を締め付け方向に回転させてホルダ本体2の後端側に引き込むことで、コレ ット16のテーパ部16aをホルダ本体2のテーパ孔11周面に締め付け、コレ ット16を介して工具のシャンクをホルダ本体2の前端部に保持固定し、さらに その後、操作棒を工具ホルダ1の後端側に抜き出し、そのフランジ部4を万力か ら外すことで、工具ホルダ1を再使用できる。
【0029】 また、スピンドル20に工具ホルダ1を装着し、スピンドル20を回転させつ つ工具19を前進させ、工作物に加工を行う際に、スピンドル20の中心部から 切削液を供給し、この切削液を、プルスタッド10の貫通孔10d,ホルダ本体 2の後端部孔15,引きボルト17の係合凹部17d,テーパコレット16の後 端部16bに通し、前記コレット16の切削液供給溝16dを経てコレット16 の前端から工具19外周面に沿って噴出させ、工具19の刃部および刃部による 工作物の加工部を冷却することもできる。
【0030】 なお、第1実施形態の考案において、フランジ部は、ホルダ本体と一体に形成 したり、全部または前端部以外を別部材とし、この部材を焼き嵌めなどによって ホルダ本体の外周に嵌合固定したりすることで構成する。 また、第1実施形態の考案において、スピンドルの前端部に設けたテーパ孔の 内周面およびテーパコーンの外周面は、後側が小径となる7/24テーパなどの きついテーパにそれぞれ形成し、テーパコーンの内周面およびホルダ本体のシャ ンク部の外周面をそれぞれ後側が小径となる1/10〜1/100のテーパに形 成して採用できるが、好ましくは1/50などのゆるいテーパが好適する。
【0031】 第2実施形態の工具ホルダ1は、図7に示すように、ホルダ本体2の後端側に シャンク部3を設け、シャンク部3の前端側に大径のフランジ部4を設けてある 。 前記フランジ部4の後端面4aには環状凹部4cを形成し、環状凹部4cに弾 性部材7を嵌め、シャンク部3の外周にテーパコーン8を回動可能に嵌め、シャ ンク部3の後端部にはプリロード調節用のストッパ部材9を設けてある。
【0032】 前記テーパーコーン8は、外周面の全体を、7/24テーパのきついテーパに 形成し、内周面の前側部8gを、1/10 〜 1/100テーパ、好ましくは、 1/50テーパのゆるいテーパに形成し、前側部8gに連なる中間部8hを段を 介して中心側に僅かに突出させ、中間部8hの後にストレート部8iを形成して ある。
【0033】 前記シャンク部3は、外周面の前側部3cをテーパコーン8の前側部8gに等 しい1/10 〜 1/100テーパ、好ましくは1/50テーパのゆるいテーパ に形成し、前側部3cに連なる中間部3dを僅かに小外径とし、中間部3dに連 なる直筒状のストレート部3eとし、後側ストレート部3eに連なる等外径の後 端部3fを設けてある。
【0034】 前記テーパコーン8を前記シャンク部3に嵌め、テーパコーン8の前側部8g をシャンク部3の前側部3cに嵌合させ、テーパコーン8の中間部8hとシャン ク部3の中間部3dとの間に径方向の隙間aと前後方向の隙間bとを形成し、テ ーパコーン8のストレート部8iをシャンク部3のストレート部3fに嵌合させ てある。
【0035】 前記ストッパ部材9は、テーパコーン8の後端面から突出するシャンク部3の 後端部3fに座金9bを嵌め、ナット9cを前記後端部3fに螺合させて締め付 け、座金9bをテーパコーン8の後端面に押し付けている。
【0036】 また、シャンク部3の前側部3cおよびストレート部3eの外周面には、周方 向に連続する山形状に潤滑剤封入溝3aおよび潤滑剤封入溝3gをそれぞれ形成 し、これらの封入溝3a,3gにグリースなどの潤滑剤を入れてある。 工作機械のスピンドル20の前端部にはその前端面に開口するテーパ孔21を 形成し、テーパ孔21の内周面21aを後側が小径となる7/24テーパのきつ いテーパが形成してある。
【0037】 なお、第2実施形態の工具ホルダの前述した以外の構成は、第1実施形態の工 具ホルダと同様である。 そして、第2実施形態の工具ホルダの使用および効果も第1実施形態の工具ホ ルダと同様であるが、第2実施形態のものは、テーパコーン8の前側部8gとシ ャンク部3の前側部3cとをテーパがある嵌合としたので、テーパを形成する部 分の切削加工の長さが短く、加工が容易にでき、また、テーパコーン8の後側部 に設けたストレート部8iとシャンク部3の後側ストレート部3eとを嵌合させ たので、前,後2箇所でシャンク部3にテーパコーン8を支持させることができ 、使用時に振動を少なくして、工具によるワークの加工精度を良好にできる。
【0038】 第2実施形態の工具ホルダは、図8に示す変形例のテーパコーン8を用いるこ とができ、前部切り割り8cと後部切り割り8dとを、前記テーパコーン8の前 端と後端とから前後方向の中間部迄の範囲に形成し、前部切り割り8cと後部切 り割り8dとを軸方向に対し互いに等しい角度に傾斜させると共に、前部,後部 切り割り8c,8dの隙間に弗素系のゴムなどの弾性体8e,8fをそれぞれ充 填して、各切り割り8c,8dの対向面に接着剤で固着し、防塵機能を有するよ うにし、また、各切り割り8c,8dが短いので、これらの加工を容易にし、弾 性体8e,8fの老化が遅く長期間の使用を可能にしている。 なお、このテーパコーン8の内周面,外周面のテーパなどは図7に示したテー パコーンと同様にしてある。
【0039】 第3実施形態の工具ホルダ1は、図9に示すように、ホルダ本体2のフランジ 部4の後端面4aに2枚の平面円弧状のシム板24,24を、これらの両端間に 間隔を設けて支持させ、前記シム板24,24に複数ずつ設けた孔24a,24 aに皿ビス25,25を嵌めてそれぞれ前記フランジ部4に予め形成してあるめ ねじ孔4d,4dに着脱可能に固着し、シム板24,24の後面が工作機械のス ピンドル20の前端面20aに密着するようにしたものである。
【0040】 なお、第3実施形態の工具ホルダの前述した以外の構成は、第2実施形態の工 具ホルダと同様である。 そして、第3実施形態の工具ホルダの使用および効果も第2実施形態の工具ホ ルダと同様であるが、第3実施形態のものは、スピンドル20に対する工具ホル ダ1の多数回の着脱によってシム板24,24が磨耗などの損傷した場合に新品 に交換したり、多数回の工具ホルダ1の着脱によってシム板24,24が取り付 けてないフランジ部4の後端面4aが損傷した場合に、フランジ部4の後端部を 切削した後、後端面に所要の厚さのシム板を支持して皿ビスによって固着しても よい。なお、シム板は、複数の厚さの異なるものを用意しておき、適切な厚さの シム板を使用することが好ましい。
【0041】 前記各実施形態の工具ホルダは、縦形の工作機械のスピンドルに装着した使用 に限られることなく、横形の工作機械のスピンドルに装着しても使用できる。 前記各実施形態の工具ホルダのテーパコーンは、切り割りを形成しなくてもよ い。
【0042】
【考案の効果】
以上説明したように、この考案は、後側が小外径となるテーパ孔をもつ工作機 械のスピンドルのテーパ孔に着脱可能に嵌める工具ホルダであって、ホルダ本体 の後側部に設けたシャンク部の前側に大外径のフランジ部を設け、フランジ部の 後端部と、シャンク部に嵌めたテーパコーンの前端部との間に弾性部材を介在さ せ、後側が小外径となるテーパコーンを、テーパコーンの後端面をシャンク部に 設けたストッパ部材によって支持した工具ホルダにおいて、前記テーパコーンの 外周面を前記スピンドルのテーパ孔内周面と等しい角度に形成し、テーパコーン の内周面と前記シャンク部の外周面とに後側が小径となる互いに等しい、テーパ コーンの外周面の角度よりゆるい角度の1/10〜1/100テーパを、前後方 向の少なくとも一部に形成し、前記ホルダ本体に係合する引き込み部材の引き込 み力により、前記シャンク部と前記テーパコーンとをくさび効果でロック状態に 拘束し、かつ前記スピンドルのテーパ孔内周面に対し前記テーパコーンの外周面 の内張り力を作用させて、前記引き込み力の瞬時の到達点である引き込み力を維 持した状態で拘束すると共に、前記フランジ部の後端面を前記スピンドルの前端 面に当接させて拘束するようにしたので、前記スピンドル内に設けた引き込み部 材によって、ホルダ本体を後側に引き込むことによって、シャンク部の外周面と テーパコーンの内周面との拘束、テーパコーンが拡径してその外周面をスピンド ルのテーパ孔の内周面に押し付ける内張り力による拘束、および前記フランジ部 の後端面を前記スピンドルの前端面に当接させる拘束との3面拘束によって、前 記ホルダ本体の引き込み力が弱くても、テーパコーンの外周面をテーパ孔の内周 面に密着させ、テーパコーンを十分に拘束して、強く保持でき、スピンドルの駆 動により工具ホルダに装着した工具によって、減衰効果が優れ、高速回転および 低速重切削に十分耐え得る加工精度が高い切削加工ができる。 また、前記引き込み力の瞬時の到達点である引き込み力を維持した状態で拘束 できる構成としたことで、工具ホルダの引き込み部材の増力機能を発揮できるこ とで、引き込み力が低下する4〜5年使用のスピンドルの引き込み手段に対して 適用した場合にも好適する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の第1実施形態に係る工具ホルダを示
した分解側面図。
【図2】図1に示した工具ホルダの縦断説明図。
【図3】図1に示した工具ホルダのテーパコーンの拡大
縦断面図。
【図4】図1に示した工具ホルダのテーパコーンの正面
図。
【図5】図1に示した工具ホルダの動作説明図。
【図6】この考案の工具ホルダと従来の標準タイプの工
具ホルダにおける、引き込み力を動作状態を示した説明
図。
【図7】この考案の第2実施形態に係る工具ホルダを示
した縦断説明図。
【図8】図7に示した工具ホルダのテーパコーンの正面
図。
【図9】この考案の第3実施形態に係る工具ホルダを示
した要部の縦断図
【符号の説明】
1 工具ホルダ 2 ホルダ本体 3 シャンク部 3a 潤滑剤封入溝 3c シャンク部外周面の前端部 3d 中間部 3e ストレート部 3f 後端部 4 フランジ部 4a 後端面 4b 台形溝 4c 環状凹部 4d めねじ孔 6 前端部 7 弾性部材 7a 皿ばね 8 テーパコーン 8a 切り割り 8b 弾性体 8c 前部切り割り 8d 後部切り割り 8e,8f 弾性体 8g 前側部 8h 中間部 8i ストレート部 9 ストッパ部材 9a 弾性リング 9b 座金 10 プルスタッド 10a 前端おねじ部 10b 大径支持部 10c 係合部 10d 貫通孔 10e 平坦切欠部 10f シール部材 11 テーパ孔 12 ストレート孔 13 ボルト挿通孔 14 ボルト支持部 15 後端部孔 15a めねじ部 16 テーパコレット 16a 前端側のテーパ部 16b 後端部 16c 切り割り部 16d 切削液供給溝 16e めねじ孔 17 引きボルト 17a 脚部 17b おねじ部 17c 頭部 17d 係合凹部 17e 切削液通路孔 18 座金 19 工具 19a 工具のシャンク 20 スピンドル 20a 前端面 21 テーパ孔 21a テーパ孔の内周面 22 引き込み部材 24,24 シム板 25,25 皿ビス

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 後側が小外径となるテーパ孔をもつ工
    作機械のスピンドルのテーパ孔に着脱可能に嵌める工具
    ホルダであって、ホルダ本体の後側部に設けたシャンク
    部の前側に大外径のフランジ部を設け、フランジ部の後
    端部と、シャンク部に嵌めたテーパコーンの前端部との
    間に弾性部材を介在させ、後側が小外径となるテーパコ
    ーンを、テーパコーンの後端面をシャンク部に設けたス
    トッパ部材によって支持した工具ホルダにおいて、 前記テーパコーンの外周面を前記スピンドルのテーパ孔
    内周面と等しい角度に形成し、テーパコーンの内周面と
    前記シャンク部の外周面とに後側が小径となる互いに等
    しい、テーパコーンの外周面の角度よりゆるい角度の1
    /10〜1/100テーパを、前後方向の少なくとも一
    部に形成し、前記ホルダ本体に係合する引き込み部材の
    引き込み力により、前記シャンク部と前記テーパコーン
    とをくさび効果でロック状態に拘束し、かつ前記スピン
    ドルのテーパ孔内周面に対し前記テーパコーンの外周面
    の内張り力を作用させて、前記引き込み力の瞬時の到達
    点である引き込み力を維持した状態で拘束すると共に、
    前記フランジ部の後端面を前記スピンドルの前端面に当
    接させて拘束するようにしたことを特徴とする工具ホル
    ダ。
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