JP3062346B2 - 自己保持型ソレノイドの制御装置 - Google Patents

自己保持型ソレノイドの制御装置

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JP3062346B2
JP3062346B2 JP4129495A JP12949592A JP3062346B2 JP 3062346 B2 JP3062346 B2 JP 3062346B2 JP 4129495 A JP4129495 A JP 4129495A JP 12949592 A JP12949592 A JP 12949592A JP 3062346 B2 JP3062346 B2 JP 3062346B2
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英次 原田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、浴槽や洗面台等の槽底
面に開口している排水口を自動開閉する排水栓の駆動源
となる自己保持型ソレノイドの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自己保持型ソレノイド(以下、
単にソレノイドという)は、このソレノイドの電磁コイ
ルに流れる電流が正方向の場合に可動鉄心を吸引し、一
旦可動鉄心を吸引したあとは、前記の通電を停止して
も、前記可動鉄心を吸引位置に保持し、逆に、可動鉄心
の吸引を解除する場合は、電磁コイルに逆方向の電流を
流すことにより、可動鉄心を吸引位置から原位置に復帰
させるように構成したもので、可動鉄心を吸引後、電磁
コイルに通電を行うことなくその作動位置に保持させて
ソレノイドにより消費される電力の低減化を図ってい
る。
【0003】次に、前記ソレノイドの概略構造を図1
2,13によって説明する。図12において、1は有底
筒状の磁気ヨークで、その内側面底部の中央には、永久
磁石2を介挿して形成した固定鉄心3を固定し、この固
定鉄心3の外周には、磁気ヨーク1の開口端側に向けて
磁性材料からなる案内筒4が嵌着され、可動鉄心5が磁
気ヨーク1の軸芯に沿って摺動自在に挿入されている。
又、案内筒4の外周には磁気ヨーク1との間において、
図示しないボビンに巻装された電磁コイル6が嵌挿され
ており、更に、前記磁気ヨーク1の開口端は補助ヨーク
7にて閉鎖されている。なお、可動鉄心5は固定鉄心3
との間で、図示しない復帰ばねにより固定鉄心3から離
れる方向に所定の間隔を保って偏位され、かつ、ストッ
パー(図示せず)により受け止められている。そして、
前記電磁コイル6は図13で示すように、動作用コイル
aと復帰用コイルbとを個別に巻回して形成されてお
り、これらコイルa,bの一端は互いに接続されて電源
Eの一方に接続し、又、各コイルa,bの他端はスイッ
チS1 ,S2 を介して前記電源Eの他端と接続すること
により、ソレノイド8が構成されている。
【0004】そして、前記ソレノイド8を動作させると
きは、図13に示すスイッチS1 を投入して動作用コイ
ルaに電流を流す。この結果、磁気ヨーク1、固定鉄心
3、可動鉄心5,案内筒4,補助ヨーク7により閉磁路
が形成され、この閉磁路内を流れる磁束により、可動鉄
心5が固定鉄心3側に移動してこれに吸引される。この
状態で、スイッチS1 を開放しても、前記可動鉄心5は
永久磁石2に残存する磁束によって固定鉄心3に吸引保
持される。次に復帰動作を行わせる場合は、スイッチS
2 を投入して復帰用コイルbに電流を流すことによって
該コイルbには、動作時と逆向きの電流が流れ、閉磁路
には可動鉄心5を原位置に復帰させる方向の磁束が流れ
て永久磁石2の残存磁束を軽減する。従って、可動鉄心
5は固定鉄心3との吸引が解かれ、復帰ばねの力によっ
て迅速に原位置に復帰する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来のソレノ
イドにおいては、次に示すような問題があった。 (1)、電磁コイルは動作用と復帰用との2つのコイル
を必要とするため、電磁コイルが大型化する問題があっ
た。その上、可動鉄心の吸引及び原位置復帰に際して
は、常に一方のコイルにしか通電が行えないので、電磁
コイルは可動鉄心に対して大きな吸引力を付与すること
ができず、効率的な使用ができないという問題があっ
た。
【0006】(2)、又、電磁コイルの巻装に際して、
動作用コイルにおいては、可動鉄心の吸引力を大きくす
る場合、コイルのアンペアターンを増大する関係から、
復帰用コイルとは線径の異なるコイル導体を使用しなけ
ればならないので、電磁コイルはコイル径が必然的に大
きくなるばかりか、その巻線作業が煩雑になる等、電磁
コイルはその製作にあたり、手間と時間がかかり、生産
性の向上をはかる上で問題があった。
【0007】(3)、更に、前記電磁コイルは、動作及
び復帰用の2つのコイルによって形成されているため、
前記2つのコイルへの通電に際しては、各コイルに接続
した2つのスイッチを交互に操作しなければならないの
で手間がかかるとともに、各コイルに通電した電流を遮
断する場合は、タイマー等の時限回路が特別に必要とな
るため、ソレノイドの制御装置は、電磁コイルが2つに
分割されていることと相俟って構成が複雑化し制御が面
倒であった。その上、電磁コイルの通電回路に2つのス
イッチを挿入したり、あるいは、時限回路を特別に必要
とする等ソレノイドの制御装置は、構成の複雑化に伴い
部品点数が増えるため、製作コストを上昇させるという
問題があった。
【0008】本発明は、前記種々の問題点に鑑み、可動
鉄心の吸引時は大きな電流を瞬時通電させて吸引力の増
大をはかり、逆に、復帰時は小電流にて可動鉄心の原位
置復帰を行うことにより、浴槽や洗面台等の槽底面に取
付けられている排水栓等の負荷を少ない電力消費にて迅
速・確実に開閉させるとともに、その開閉状況を適確に
把握可能とした表示手段を内蔵してなる簡素な回路構成
を備えた自己保持型ソレノイドの制御装置を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、ソレノイドの
電磁コイルに流れる電流の通電方向を切換えるために2
つの接点を備えた信号切換用の切換スイッチと、この切
換スイッチの各接点に個別に接続されて、前記スイッチ
の投入時にチャタリング現象等投入時の誤操作解消をは
かるための一対の積分回路と、これら積分回路からの出
力によって所定のパルス幅でパルス信号を1パルスだけ
出力するパルス出力回路と、前記出力されたパルス信号
に対応してオン・オフするスイッチング回路と、スイッ
チング回路からの出力によってソレノイドへの通電を、
正方向電流と逆方向電流とに区分して電磁コイルに印加
・供給する分圧回路と、更に、負荷となる、例えば、浴
槽の排水栓により排水口を正常に開閉したか、否かを表
示する負荷部材の作動状況を表示する表示回路とによっ
て、ソレノイドの制御装置を構成したので、その作用は
次に示すとおりである。
【0010】
【作用】本発明は、ソレノイドの駆動に際しては、切換
スイッチを、ソレノイドの電磁コイルに正方向電流が流
れる方向に切換操作し、一方の積分回路からパルス出力
回路を経てスイッチング回路に所定幅のパルス信号を1
パルス出力してスイッチング回路をオンし、これによ
り、ソレノイドの駆動電源から所定の駆動電流が、分圧
回路を通って電磁コイルに正方向電流としてパルス出力
回路にて時限設定された時間だけ印加され、ソレノイド
の可動鉄心を固定鉄心に吸引保持させる。この場合、電
磁コイルにはソレノイドの駆動電源が分圧回路を介して
直接印加されるので、可動鉄心には定格電流が供給され
ることによって大きな吸引力(推力)が作用することと
なる。
【0011】そして、前記可動鉄心が固定鉄心に吸引さ
れ、時限設定された時間経過後に通電が停止されると、
可動鉄心は永久磁石の残存磁束を利用して吸引状態に保
持される。
【0012】次に、可動鉄心を原位置に復帰させる場合
は、切換スイッチを、ソレノイドの電磁コイルに逆方向
電流が流れる方向に切換え、他方の積分回路から前記同
様にパルス出力回路を介してスイッチング回路にパルス
信号を1パルス出力してこれをオンさせ、駆動電圧から
分圧回路を構成する抵抗分を差引いた電圧が電磁コイル
に逆方向電流として一定時間印加され、永久磁石の残存
磁束を軽減し、可動鉄心を原位置にばね部材等の復帰手
段を介して自己復帰させる。
【0013】この結果、ソレノイドは前記制御装置によ
って吸引時は大きな力が得られ、復帰時は逆に小さな力
で原位置に戻すことができるので、前記制御装置を、備
えたソレノイドは、例えば、浴槽の排水口を開閉する排
水栓の駆動源として使用した場合、排水栓に大きな水圧
が加えられているときでも、ソレノイドは前記水圧に打
勝つ吸引力により、排水栓を押上げて排水口を開口して
浴槽内の水を排水し、逆に、排水後排水口を閉塞すると
きは、排水栓の自重降下を利用して小さな力で可動鉄心
を原位置復帰させることにより、排水栓の開閉等負荷部
材に大きな力が加えられていても、これを迅速・確実に
作動させることができる。
【0014】又、可動鉄心の吸引時は負荷との関係から
電磁コイルに駆動電源が直接印加されるが、復帰時はそ
の半分以下の電力で原位置復帰を行うことができるの
で、小電力での駆動が可能となる。更に、制御装置に
は、電磁コイルに通電される電流の流れる方向を切換え
るための分圧回路の採用により、電磁コイルは一つのコ
イルにより、ソレノイドの製作が可能であるため、ソレ
ノイド自体を小形・軽量で経済的な製作を可能とする。
その上、制御装置には負荷部材の作動状況を把握する表
示手段が具備されているので、例えば、浴槽の排水栓等
の開,閉状態を外部において、的確に把握することがで
き至便である。
【0015】
【実施例】以下、本発明を浴槽の排水栓を開閉する駆動
源として使用する自己保持型ソレノイドに実施した例を
図1ないし図11によって説明する。最初に、図3,4
において、11は浴槽で、その浴槽11の底部には排水
口12が開口されている。13は浴槽11上部のエプロ
ンp内において、浴槽11の側面から底部にまたがって
配管した排水管で、排水口12とは連通口14を介して
連通している。15は排水口12を開閉する排水栓で、
その外周縁の下方には排水口12の内周面と係合するた
めの案内ガイド16が一体的に形成されている。17は
前記排水栓15の裏面に垂設した支軸で、この支軸17
には排水管13内において、操作レバー18が枢着され
ている。前記操作レバー18は図3で示すように、ほぼ
逆へ字形に形成した発錆しにくい銅等非磁性材料からな
る偏平な梃子杆19と連結杆20とによって構成されて
いる。そして、前記連結杆20には、梃子杆19との枢
支部付近において、両者が上向きには回動するものの、
逆方向には回動しないように図示しない回り止め部材が
一体的に形成されている。
【0016】21は浴槽11のエプロンp内側の最上部
に取付けた排水栓15作動用の駆動源を示す自己保持型
のソレノイドで、その構造を図5により説明する。22
は電磁コイル23を巻装した筒状ボビンを示し、このボ
ビン22の一方の開口端(図5の下部)には、中央部に
縦孔rを穿孔した固定鉄心24を嵌着し、他方の開口端
(図5の上部側)にはボビン22の中空孔を塞がないよ
うにして補助ヨーク25がボビン22の上方に突出させ
た状態で嵌着されている。そして、前記電磁コイル23
の外側には、該コイル23を囲繞する中空円筒状のヨー
ク26が、前記補助ヨーク25と固定鉄心24とにまた
がって嵌着保持されている。
【0017】27はボビン22の中空孔内に上下動可能
に挿入した可動鉄心で、この可動鉄心27は図5で示す
ように、2つの磁性部材の間に永久磁石28を介して形
成されており、その組立に際しては、固定鉄心24の縦
孔rを貫通する可動ロッド29のほぼ中央に設けた係止
段部cに第1の磁性部材を嵌挿し、つづいて、可動ロッ
ド29に螺設したねじ部dに永久磁石28と第2の磁性
部材を第1の磁性部材上に順次乗載螺着して可動鉄心2
7を可動ロッド29に止着する。
【0018】30は補助ヨーク25上において、下部を
補助ヨーク25から突出するヨーク26内に可動ロッド
29の上方端を突出させた状態で螺装した可動鉄心27
の上昇範囲を規制する帽子状のストッパー、31は可動
鉄心27の上部に載置した緩衝材、32は前記ストッパ
ー30の上方に突出する可動ロッド29の突出端に先端
側を遊合してなるほぼV字形のレバー体で、その基端側
は図5のように、ヨーク26の内周面の延長線上の位置
まで延出して形成されており、このレバー体32は可動
鉄心27を手動操作にて上昇させる場合、梃子の原理を
応用して小さな力で可動鉄心27を上昇させることがで
きる。33はレバー体から突出する可動ロッド29の突
出端に、レバー体32と当接させた状態で螺着したバネ
受座であり、34はバネ受座33の抜脱を阻止するナッ
トである。
【0019】35は中空円筒状のヨーク26の外側を囲
繞する筒状の被覆ケースで、このケース35に固定、可
動鉄心24,27等からなるソレノイド本体Aを収容し
たヨーク26を、その下端をケース35内下部の係止部
36に係止させて収容保持し、前記ケース35の上部開
口端には、その外周縁にねじ部を備えた鍔部37を設
け、被覆ケース35の内周面に摺接する内筒eと、前記
ねじ部と螺合するねじ部分を内側に螺設した外筒fから
なる2重円筒状のキャップ38を、図5のように、内筒
eをストッパー30の上端周縁に当接させて、外筒fを
前記鍔部37のねじ部に螺着することにより、前記ソレ
ノイド本体Aをヨーク26を介して被覆ケース35内に
収容・固定する。
【0020】40は可動鉄心27の手動操作時、レバー
体32から突出する可動ロッド29の頂部を下方に押動
して可動鉄心27の投入操作を行うための投入操作釦
で、41は前記投入操作釦40の外側に、該操作釦40
を抜脱不能に係止させて嵌合した可動鉄心27の手動復
帰用の操作釦で、その下部はキャップ38の内筒e内に
抜脱不能に係止させた状態で、レバー体32の延出端と
常時当接するよう前記内筒eに嵌合保持されている。
【0021】なお、図5において、42は固定鉄心24
と可動鉄心27との間に介挿した可動鉄心27復帰用の
ばね、43はストッパー30と復帰操作釦41との間に
挿入した操作釦41上動用の圧縮ばね、44はバネ受座
33と投入操作釦40との間に挿入した該操作釦40上
動用の圧縮ばねであり、前記投入及び復帰の各操作釦4
0,41は個々の係止手段により抜脱不能に係止され、
かつ、圧縮ばね43,44の付勢力によって常時上方に
付勢された状態で、キャップ38に上下動可能に嵌挿さ
れている。45はソレノイド21のリード線保護カバ
ー、46はソレノイド21取付用のナットで、前記ソレ
ノイド21を、浴槽11のエプロンpに挿入して上縁に
開口した開口gからエプロンp内に付設した取付板47
に係載し、この状態で、エプロンpの側面に設けた図示
しない点検口(排水管13にもあり)を利用して前記ナ
ット46を取付板47の下側から被覆ケース35のねじ
部に螺着することにより、ソレノイド21を取付板47
に止着する。前記ソレノイド21の取付け後、図3で示
すように、エプロンp及び排水管13に設けた点検口a
1 ,a2 を利用して可動鉄心27の可動ロッド29下部
のねじ部48に、あらかじめ、前記ソレノイド21の取
付板47への止着前に開口gを通して排水管13内に操
作レバー18の最上端と接離可能に挿入しておいた駆動
ロッド49の上端を螺装して連結することにより、ソレ
ノイド21と排水栓15は、前記駆動ロッド49、操作
レバー18を介して駆動可能に結合される。50はエプ
ロンpの開口gに取外自在に被着したゴム等耐水性に優
れた材料からなる蓋体である。又、a3 は図8に示す点
検口a1 ,a2 に取外し自在に取付けたゴム等からなる
閉鎖板である。
【0022】次に、図1,2及び図7において、前記ソ
レノイド21を駆動制御する制御装置51の回路構成を
説明する。前記制御装置51は、大別して、電源回路5
2と、切換スイッチ53と、該切換スイッチ53の2つ
の接点h,iに個別に接続した一対の積分回路54,5
5と、前記各積分回路54,55の出力端と接続する単
安定形マルチバイブレータM1 ,M2 を内蔵したパルス
出力回路56と、このパルス出力回路56の各出力端に
接続したスイッチングトランジスタからなるスイッチン
グ回路57と、前記スイッチング回路57の一方の出力
端と他方の出力端との間にソレノイド21を介して接続
した分圧回路58と、更に、排水栓15の開閉状況を表
示するための第1及び第2の表示回路59,60とによ
って構成されている。
【0023】つづいて、前記各回路の詳細な構成を説明
する。はじめに、電源回路52は図1,7で示すよう
に、ソレノイド21駆動用として供給される駆動電源V
ddと、定電圧装置AVRを介してパルス出力回路5
6、スイッチング回路57、表示回路59等に動作用電
源として供給される定電圧電源Vccを出力するように
構成されている。
【0024】切換スイッチ53は一方を定電圧電源Vc
cに接続し、他方の2つの切換接点h,iは、図1で示
すように、抵抗とコンデンサとを接続して形成した一対
の積分回路54,55にそれぞれ個別に接続されてお
り、前記切換スイッチ53は、積分回路54,55の存
在によって、例えば、中途半端な切換操作によりチャタ
リング等を起したような場合、スイッチ53が仮に機械
的に切換えられても、積分回路54,55のいずれから
も出力を次回路に送出せず、正常な切換作業が行われた
ときのみ、それに該当する積分回路54又は55の出力
端から、あらかじめ、CR時定数で設定された出力波形
が出力されるようになっている。
【0025】パルス出力回路56は2つの単安定形マル
チバイブレータ(以下、ワンショットマルチという)M
1 ,M2 を並列接続したもので、各ワンショットマルチ
1,M2 は、それぞれ積分回路54,55の出力端
に、極性反転用のノット素子N1 ,N2 を個別に介して
接続されており、前記ノット素子N1 ,N2 のいずれか
一方からパルス信号が出力されたとき、前記パルス信号
を入力したワンショットマルチM1 又はM2 の出力端か
らは、抵抗R1 とコンデンサC1 とによるCR時定数で
設定された時間(ほぼ瞬時に近い時間)だけ所定幅のパ
ルス信号を1パルスだけ出力するように構成されてい
る。
【0026】スイッチング回路57は、ソレノイド21
の電磁コイル23に正方向の電流を通電するトランジス
タTR1 ないしTR3 と、電磁コイル23に逆方向の電
流を流すトランジスタTR4 ないしTR6 とによって構
成されており、スイッチング回路57を構成する各トラ
ンジスタTR1 ないしTR6 の接続関係は、次に示すと
おりである。即ち、パルス出力回路56のワンショット
マルチM1 の出力端には、抵抗R2 ,R3 を介してエミ
ッタ接地のトランジスタTR1 ,TR3 のベースがそれ
ぞれ並列接続されており、トランジスタTR1 のコレク
タは、抵抗R4を介してトランジスタTR1 がオン状態
にある所定時間だけオンすべくバイアス設定されたトラ
ンジスタTR2 のベースに接続され、このトランジスタ
TR2 のコレクタは後述する分圧回路58を介して電磁
コイル23の一方に、又、エミッタは電源回路52の駆
動電源Vddにそれぞれ接続されている。一方、トラン
ジスタTR3 のコレクタを電磁コイル23の他方に接続
して、電磁コイル23に正方向電流を流す通電回路を構
成する。
【0027】又、ワンショットマルチM2 の出力端に
は、抵抗R5 ,R6 を介してエミッタ接地のトランジス
タTR4 ,TR6 のベースがそれぞれ並列接続されてお
り、トランジスタTR4 のコレクタは、抵抗R7 を介し
てトランジスタTR4 のオン状態にある時間だけオンす
べくバイアス設定されたトランジスタTR5 のベースに
接続され、該トランジスタTR5 のコレクタはトランジ
スタTR3 のコレクタに、エミッタは駆動電源Vddに
それぞれ接続されている。一方、トランジスタTR6
コレクタはトランジスタTR2 のコレクタと接続するこ
とにより、電磁コイル23に逆方向電流を流す通電回路
を構成する。
【0028】次に、分圧回路58はダイオードDと抵抗
Rとを並列接続して構成したもので、スイッチング回路
57の正方向電流の出力端と逆方向電流の出力端との間
にソレノイド21を介して直列に挿入接続されている。
【0029】つづいて、表示回路59,60は電磁コイ
ル23に正方向又は逆方向の電流が流れた場合、これを
個別に表示するための第1の表示回路59と、ソレノイ
ド21及び排水栓15が作動したときその作動状態を表
示する第2の表示回路60とからなる。はじめに、第1
の表示回路59は図1で示すように、例えば、RSフリ
ップフロップF1 とF2 とを用いて形成され、一方のフ
リップフロップF1 の入力端は、パルス出力回路56の
ワンショットマルチM1 の出力端と接続し、又、他方の
フリップフロップF2 の入力端は、同じくワンショット
マルチM2 の出力端に接続し、これら各フリップフロッ
プF1 ,F2 の出力端を、それぞれ発光ダイオードL1
(排水栓15の開栓表示),L2 (排水栓15の閉栓表
示)を個別に介挿して定電圧電源Vccと接続すること
により構成されている。
【0030】次に第2の表示回路60の構成を図2によ
り説明する。この表示回路60においては、ソレノイド
21の動作を検出する第1の検出手段Xからの信号と、
排水栓15の動作を検出する第2の検出手段Yからの信
号とが入力されないときのみ出力信号を出力するノア素
子NRと、入力端の一方がノット素子N3 を介してノア
素子NRの出力端に、入力端の他方がノット素子N1
出力端とそれぞれ接続したナンド素子NA1 と、更に、
入力端の一方がノア素子NRの出力端に、入力端の他方
をノット素子N2 の出力端に接続したナンド素子NA2
とにそれぞれ接続し、前記ナンド素子NA1 とNA2
各出力端を発光ダイオートL3 (排水栓15の開栓表
示),L4 (排水栓15の閉栓表示)を個別に挿入接続
して定電圧電源Vccと接続することによって構成され
ている。
【0031】更に、前記ソレノイド21の動作を検出す
る第1の検出手段Xとしては、例えば、図3,8で示す
ように、ソレノイド21の可動鉄心27に嵌着した可動
ロッド29における駆動ロッド49との連結部上部にお
いて、係止杆61を横着し、前記係止杆61の下方に
は、可動鉄心27が固定鉄心24に正常に吸引されたと
き、前記係止杆61と当接して表示回路60のノア素子
NRの入力端に、可動鉄心27が正常に作動したことを
検出し、かつ、その検出信号を出力するリミットスイッ
チ等の第1の検出手段Xが、排水管13の壁面等を利用
して取付けられている。
【0032】又、排水栓15の動作を検出する第2の検
出手段Yとしては、図4,9で示すように、操作レバー
18の梃子杆19と連結杆20との枢支部付近におい
て、前記梃子杆19の下側に取付けた磁性体からなる検
出板62と、前記梃子杆19が図9で示すように、排水
管13と平行状態(この場合は排水栓15が上動したと
きを指す)となったとき、検出板62と相対応する位置
で排水管13の外側に取付けた検出板62の移動位置を
検出する近接スイッチ63とからなり、前記近接スイッ
チ63が検出板62を検出すると、その検出信号を第2
の表示回路60のノア素子NRの入力端に出力するよう
に構成されている。
【0033】次に本発明の動作について説明する。最初
に、浴槽11に張っている残湯を、排水栓15の開放に
よって浴槽11外に排水する場合について説明する。こ
の場合は、図1に示す切換スイッチ53を接点hから接
点i側に切換えることによって行う。即ち、切換スイッ
チ53は通常のb接点のような役割を果たすようになっ
ており、接点h→iへの切換えによって、積分回路54
からノット素子N1 を介してパルス出力回路56のワン
ショットマルチM1 に、ソレノイド21の通電指令に相
当するパルス信号が入力される。この結果、パルス出力
回路56の出力端(ワンショットマルチM1 )からは、
抵抗R1 とコンデンサC1 とによるCR時定数により設
定された時間で所定幅のパルス信号が、1パルスだけス
イッチング回路57に出力され、該回路57をオンす
る。
【0034】即ち、パルス出力回路56から通電指令の
パルスが出力されると、スイッチング回路57のトラン
ジスタTR1 ,TR2 ,TR3 がオンし、電源回路52
からの駆動電源Vddは、トランジスタTR2 →分圧回
路58のダイオードD→ソレノイド21の電磁コイル2
3→トランジスタTR3 →グランドGのルートで流れ
る。従って、ソレノイド21の電磁コイル23には、可
動鉄心27を吸引させるための正方向電流が供給される
こととなる。このため、ヨーク26→補助ヨーク25→
可動鉄心(永久磁石28)27→固定鉄心24よりなる
閉磁路が形成され、この閉磁路内を流れる磁束によって
可動鉄心27に吸引力が作用し、該可動鉄心27は図5
の状態から図6で示すように、固定鉄心24側に復帰ば
ね42の力に抗して吸引され固定鉄心24に吸引する。
そして、可動鉄心27の吸引後電磁コイル23への通電
を断っても、永久磁石28の磁束が前記閉磁路内に透過
され続けるため、可動鉄心27は図6のように、前記永
久磁石28の磁気的吸引力により、その吸引状態が保持
される。即ち、自己保持状態を維持する。
【0035】前記のように、可動鉄心27が吸引される
と、可動ロッド29は図3,6で示すように、下方に移
動し、駆動ロッド49を押し下げ、この駆動ロッド49
と接離する操作レバー18の上端を押圧する。すると、
操作レバー18は排水管13の水平部分において横方向
(図4の右方向)に槓動して、その他方端に枢着した排
水栓15を図3のように押し上げて開栓し、浴槽11内
の残湯を排水口12から排水管13内に排水させる。
【0036】前記のように、ソレノイド21を作動させ
て排水栓15を開栓したとき、パルス出力回路56から
出力されるパルス信号は、前記開栓時に表示回路59の
フリップフロップF1 ,F2 にも入力されるが、フリッ
プフロップF1 に入力されたパルス信号はクリアされて
その出力端Qからは出力されず、フリップフロップF2
のセット側に入力されたパルスにより、その出力端Qか
ら発光ダイオードL1の通電回路を閉路する信号が出力
され、発光ダイオードL1 の通電回路を閉路させて発光
ダイオードL1 を点灯する。即ち、発光ダイオードL1
の点灯により排水栓15が開栓していることを表示す
る。
【0037】又、可動鉄心27の吸引動作により可動ロ
ッド29が下降すると、図8で示すように、係止杆61
が第1の検出手段Xを動作させて可動鉄心27が正常に
作動したことを検出する検出信号を第2の表示回路60
のノア素子NRに出力し、更に、操作レバー18の槓動
により、図9で示すように、検出板62が近接スイッチ
63に近接して検出されることにより、排出栓15が排
出口12から上動して開栓したことを知らせる検出信号
を前記ノア素子NRに出力する。この結果、第2の表示
回路60のナンド素子NA1 の入力端には、ノア素子N
Rからの入力とノット素子N1 からの入力が同時に入力
させることとなるため、その出力端から発光ダイオード
3 の通電回路を閉路させる信号が出力されて前記発光
ダイオードL3 を点灯し、排水栓15が開栓されたこと
を表示する。
【0038】次に、浴槽11内の排水が終ったあと、排
水栓15を閉栓する場合について説明する。この場合は
可動鉄心27の吸引状態を解消すればよく、図1におい
て、切換スイッチ53を接点iからh側に切換える。切
換スイッチ53の切換により、積分回路55→ノット素
子N2 を経てパルス出力回路56のワンショットマルチ
2 にパルス信号が入力され、その出力端からはスイッ
チング回路57をオンさせるパルス信号を1パルス出力
し、スイッチング回路57をオンする。この結果、前記
可動鉄心27の吸引時とは逆に、スイッチング回路57
のトランジスタTR4 ,TR5 ,TR6 がオンし、駆動
電源Vddは、TR5 →ソレノイド21の電磁コイル2
3→分圧回路58の抵抗R→TR6 →グランドGのルー
トで流れる。従って、電磁コイル23には、可動鉄心2
7の吸引時とは逆方向の電流が通電されることとなる。
そして、前記通電電流は永久磁石28の磁束を軽減させ
るだけの電流を電磁コイル23に通電すればよいので、
電磁コイル23には分圧回路58にダイオードDと並列
接続した抵抗Rにて事前に設定した逆方向の電流値、例
えば、正方向の電流値に比べてほぼ半分程度の電流を通
電すればよいことになる。この結果、永久磁石28の磁
束が軽減され、復帰ばね42の付勢力が可動鉄心27の
吸引力より強くなると、該可動鉄心27は図5のよう
に、上方に押し上げられ固定鉄心24から離脱して原位
置に復帰する。
【0039】前記可動鉄心27が原位置に復帰すると、
可動ロッド29も図5に示すように上昇し、駆動ロッド
49を介しての操作レバー18の押圧を解く。この結
果、操作レバー18はその上端と駆動ロッド49との間
に隙間が生じるため、排水栓15の自重降下に伴い図4
で示すように、原位置に戻り、排水栓15を閉栓して排
水口12を閉塞する。
【0040】前記のように、ソレノイド21の可動鉄心
27を原位置に復帰させて排水栓15閉栓すると、パル
ス出力回路56のワンショットマルチM2 から前記閉栓
時に出力されたパルス信号は第1の表示回路59のフリ
ップフロップF1 ,F2 に入力されるものの、フリップ
フロップF2 側を作動させ、発光ダイオードL2 の通電
回路を閉じ、発光ダイオードL2 を点灯し、閉栓状態を
表示する。
【0041】一方、第2の表示回路60においても、可
動ロッド29の上昇により第1の検出手段Xは開放さ
れ、又、操作レバー18も図4で示すように、排水栓1
5の閉栓に伴い原位置に戻って検出板62が近接スイッ
チ63から離れるため、近接スイッチ63はその作動が
停止する。即ち、前記のように、可動鉄心27及び排水
栓15が正常に原位置復帰すれば、第1及び第2の検出
手段X,Yからの検出信号が第2の表示回路60のノア
素子NRに入力されなくなる。この結果、ノア素子NR
の出力端とノット素子N2 の出力端から出力される信号
により、ナンド素子NA2 が動作し、その出力端から発
光ダイオードL4 の通電回路を閉路する信号が出力さ
れ、前記発光ダイオードL4 を点灯して排水栓15が確
実に排水口12を閉塞したことを表示する。
【0042】なお、前記排水栓15の閉栓時において、
例えば、ソレノイド21の故障により可動鉄心27が原
位置に正常に復帰しない場合とか、排水口12に異物が
嵌り込んで排水栓15が正常に閉栓できないときは、前
記第1及び第2の検出手段X,Yがいずれも作動してい
るか、あるいは、いずれか一方のみが作動していること
となるため、このような場合は、ノア素子NR及びナン
ド素子NA1 の機能により発光ダイオードL3 の通電回
路が閉路されて発光ダイオードL3 を点灯しつづけ、排
水栓15が開栓状態にあることを表示している。即ち、
第2の表示回路60においては、前記第1の表示回路5
9で、電磁コイル23に流れる電流の通電方向が変更さ
れる毎に発光ダイオードL1 ,L2 の表示が変るもの
の、前記の如く、ソレノイド21又は排水栓15に異常
事態が発生したとき、それが閉栓時第1の表示回路59
では発光ダイオードL2 が点灯して閉栓を表示している
が、第2の表示回路60では発光ダイオードL3 が点灯
し、開栓を表示しているため、これにより、排水栓15
が閉栓していないことが確認でき、排水栓15が閉栓し
ていると錯覚し、浴槽11に水を注いでこれを垂れ流し
たり、空焚き現象が生じたりする問題を確実に防ぐこと
ができる。
【0043】次に、前記排水栓15の開栓時と閉栓時に
おけるソレノイド21の吸引力と復帰力との関係を説明
する。最初に、浴槽11内の残湯を排水する場合、排水
口12を閉塞する排水栓15には残湯による水圧が荷重
となって加えられているので、排水栓15を開栓するに
は、前記開栓時の水圧を上回る吸引力がソレノイド21
に必要となる。従って、ソレノイド21は次に示す
(1)式で表される吸引力が得られるように設計すれば
よいことになる。
【0044】
【数1】
【0045】ここで、 Fs:ソレノイドの吸引力 K :定数(ソレノイドの吸引時) Φm:永久磁石の磁束 Φi:電磁コイルに電流を流すことによって生ずる磁束 Wo:排水栓開閉時の合成荷重 Ws:復帰ばねの付勢力 を示すものである。
【0046】従って、排水栓15の開栓に際しては、前
記排水栓15に加わる荷重を想定してソレノイド21
が、前記荷重に打勝つ吸引力を得ることができるように
構成することにより、電磁コイル23に瞬時通電を行う
と、排水栓15は直ちに開栓して浴槽11内の水を排水
口12から排水管13内に排水する。前記、排水口12
の開口により排水が開始されると、排水栓15の合成荷
重は、水位の減少に伴い順次軽減されることとなる。
【0047】この結果、ソレノイド21は排水栓15の
開栓時のみ、制御装置51に設けた分圧回路58により
閉栓時に比べて約2倍の電流を電磁コイル23に瞬時通
電し、可動鉄心27を大きな吸引力で固定鉄心24に吸
引させ、吸引後は直ちに通電を断っても、前記のよう
に、開栓後排水栓15に加えられる荷重が順次軽減され
るため、ソレノイド21の可動鉄心27は、固定鉄心2
4に吸引時における吸着力を保持させることなく、電磁
コイル23の通電を断った場合でも、復帰ばね42の力
に打勝って永久磁石28の磁束により吸引状態を維持す
ることができる。従って、排水口12は開口状態を維持
して排水が良好に行えるとともに、ソレノイド21への
通電を断って排水を続行することが可能となるばかり
か、排水作業はソレノイド21を小電力で駆動させるこ
とができ、排水栓15の駆動源における省エネ効果を向
上させることができる。
【0048】そして、前記可動鉄心27を電磁コイル2
3への通電停止後、永久磁石28の吸引力のみによって
固定鉄心24に吸引させる場合は、次の(2)式で求め
ることができる。
【0049】
【数2】
【0050】次にソレノイド21の吸引力を解除するに
は、前述したように可動鉄心27を固定鉄心24に吸引
保持させている永久磁石28の吸引力を軽減させればよ
い。前記永久磁石28の可動鉄心27に対する吸引力を
減少させるには次の(3)式で求めることができる。
【0051】
【数3】
【0052】ここで、 Fr:ソレノイドの保持力 K :定数 Φm:永久磁石の磁束 Φi:電磁コイルに電流を流すことによって生ずる磁束 Ws:復帰ばねの付勢力 Wk:排水栓の重量 Wl:排水栓の排水口閉鎖時における周囲摩擦荷重 を表す。そして、実際に可動鉄心27の保持力を軽減す
るには、前記(3)式において永久磁石の磁束を弱める
ことに他ならない。
【0053】従って、前記に基づき、Fr<Wsとする
ことにより、可動鉄心27は固定鉄心24との吸引が解
かれ、復帰ばね42の付勢力によって原位置に急速復帰
する。これは前述したように、電磁コイル23に、可動
鉄心27の吸引時とは逆方向で弱小の通電電流を瞬時通
電させると、ソレノイド21の閉磁路内に永久磁石28
の磁束を打消す磁束が誘起され、これにより、永久磁石
28による可動鉄心27に対する吸引力が軽減し、復帰
ばね42の付勢力が永久磁石28の吸引力に打勝って可
動鉄心27を急速に原位置に戻すことになる。
【0054】次に、停電時等において、排水栓15を手
動で開閉する場合について説明する。最初に、可動鉄心
27を固定鉄心24に吸引させて排水栓15を開栓する
場合は、開栓に先立ち、エプロンpの開口gを閉鎖して
いる蓋体50を取外したあと、図5において、手動操作
用の投入操作釦40を圧縮ばね44の力に抗して下方に
押動し、該操作釦40の内側中心に設けたボスにて可動
ロッド29の頂部を押動し、可動鉄心27を復帰ばね4
2の力に抗して押し下げ、固定鉄心24に永久磁石28
の吸引力を利用して吸引させる。前記可動鉄心27の吸
引により、前記のように、可動ロッド29を介して駆動
ロッド49が降下して排水栓15を上動させ、排水口1
2を前記同様に開口する。これにより、停電時等におい
ても容易に排水栓15の開栓を行うことが可能となる。
【0055】又、可動鉄心27の吸引を解除して排水栓
15を手動により閉栓する場合は、図6において、手動
操作用の復帰操作釦41を圧縮ばね43の力に抗して押
し下げると、操作釦41の下端縁の一部がレバー体32
の長片側の端部を押し下げることになる。このため、レ
バー体32の短片側の下側がストッパー30の頂部と接
触して部位を支点として、前記長片側は押し下げられ、
逆に、短片側は押し上げられることになるため、可動ロ
ッド29の上端に取付けたバネ受座33は、前記レバー
体32の梃子作用により押し上げられて、可動ロッド
(可動鉄心27)29を圧縮ばね44の力に抗して上動
させ、可動鉄心27を原位置に手動復帰させることがで
きる。
【0056】なお、排水栓15の開閉を機械的に検出す
る第2の検出手段Yとして、検出板62と近接スイッチ
63とを組合せて設けた例について説明したが、これに
限定することなく、例えば、図10で示すように、操作
レバー18の梃子杆19と連結杆20との枢支部付近
に、マイクロスイッチ64の接点65を排水管13の内
側に突出させ、操作レバー18が排水栓15の昇降に伴
って槓動する度に、前記接点65を作動させて、排水栓
15の開・閉状態を検出し、この検出信号を第2の表示
回路60に出力するようにした第2の検出手段Y1 であ
ってもよいことは勿論である。
【0057】
【発明の効果】本発明は以上説明したように、自己保持
型ソレノイドの制御装置内に、駆動電源を電磁コイルに
通電する場合、正方向電流は駆動電源の電流値をそのま
ま通電させて可動鉄心の動作時大きな吸引力が得られる
ようにし、又、逆方向電流を通電する場合は、逆に、正
方向電流のほぼ半分程度の電流の通電により、可動鉄心
の吸引を解除させることが可能な分圧回路が具備されて
いるので、従来のように、電磁コイルを動作用と復帰用
の2コイルにて形成し、これらコイルへの通電に際して
は、2つのスイッチの切換操作にて正方向電流と逆方向
電流とを個別に通電させてソレノイドを駆動させる方式
と全く異なり、電磁コイルへの通電が、分圧回路の採用
により、一つのコイルに2種類の電流を、その電流値を
必要に応じて自動的に変化させて供給することができる
ので、自己保持型ソレノイドの電磁コイルを、1つのコ
イルで、かつ、アンペアターンを増すために線径の太い
コイル導体を特別に用いたりすることなく製作すること
が可能となる。これにより、消費電力を少なくした自己
保持型ソレノイドを部品点数を少なくして小形・軽量
で、しかも、経済的に製作することができる。
【0058】又、本発明の制御装置には、正方向電流と
逆方向電流との検出によって負荷部材の作動を前記電流
の通電方向を検出して表示する手段と、ソレノイド及び
前記負荷部材の動きと直接追随して前記ソレノイド等の
動作を検出して表示する手段とが備えられているので、
負荷部材側に異常状態が生じた場合、前記電流検出によ
る検出手段が正常を表示しても、負荷部材側の検出手段
が異常を検出した場合、負荷部材側に何等かの異常が生
じたことを即座に検出することが可能であるため、即
ち、負荷部材が、例えば、浴槽の排水栓とすれば、浴槽
内の水を抜いたあと、排水栓が異物の介在により排水口
を正常に閉栓しない場合とか、あるいは、ソレノイドが
故障して可動鉄心の正常な原位置復帰が行われていない
場合に、浴槽内に水を入れたりすることにより、水が垂
れ流しとなるような問題を適確に検出することが可能と
なるため、負荷部材の異常動作による不測の事態を確実
に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自己保持型ソレノイドの制御装置に実
施した回路結線図である。
【図2】図1に示す結線図にソレノイド等の作動状況を
表示する他の表示回路を具備して構成した制御装置の回
路結線図である。
【図3】本発明の制御装置を備えた自己保持型ソレノイ
ドを浴槽の排水栓を自動開閉する装置に実施した例を示
す浴槽の要部縦断面図である。
【図4】排水栓の閉鎖状態を検出する手段の取付状況を
示す説明図である。
【図5】本発明の制御装置にて駆動する自己保持型ソレ
ノイドの動作前を示す縦断面図である。
【図6】自己保持型ソレノイドの吸引状態を示す縦断面
図である。
【図7】制御装置の電源を概略的に示す回路図である。
【図8】自己保持型ソレノイドの動作状況を検出する手
段の取付状況を示す要部縦断面図である。
【図9】排水栓の動作状況を検出する手段において、排
水栓の開栓時における状態を示す説明図である。
【図10】同じく、排水栓の閉栓時における状態を示す
説明図である。
【図11】同じく、排水栓の開栓時における他の実施例
を示す説明図である。
【図12】従来の自己保持型ソレノイドの要部を示す縦
断面図である。
【図13】同じく、従来のソレノイドにおける電磁コイ
ルの結線状態の概略を示す結線図である。
【符号の説明】
15 排水栓 21 自己保持型ソレノイド 23 電磁コイル 24 固定鉄心 27 可動鉄心 28 永久磁石 29 可動ロッド 51 制御装置 52 電源回路 53 切換スイッチ 56 パルス出力回路 57 スイッチング回路 58 分圧回路 59 第1の表示回路 60 第2の表示回路 h 接点 i 接点 X 第1の検出手段 Y 第2の検出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安達 隆義 愛知県春日井市愛知町1番地 愛知電機 株式会社 審査官 植松 伸二 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 7/18

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正方向電流で可動鉄心を吸引し、逆方向
    電流で前記可動鉄心を原位置に復帰させるようにした自
    己保持型ソレノイドにおいて、切換スイッチの切換操作
    にて時限設定されたパルス信号を1パルスだけ出力させ
    るパルス出力回路と、前記パルス出力回路からの出力に
    てオンし、駆動電源をソレノイドの電磁コイルに通電さ
    せるスイッチング回路と、スイッチング回路の出力端と
    前記電磁コイルとの間において、電磁コイルに通電され
    る正方向電流と逆方向電流とをそれぞれ電圧比を異にし
    て通電可能とした分圧回路とを備えてソレノイドの制御
    回路を構成したことを特徴とする自己保持型ソレノイド
    の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記分圧回路はダイオードと抵抗とを並
    列接続して構成したことを特徴とする請求項1記載の自
    己保持型ソレノイドの制御装置。
  3. 【請求項3】 前記パルス出力回路の出力端とスイッチ
    ング回路との間に、電磁コイルに通電される正方向電流
    と、逆方向電流とをそれぞれ個別に検出し、かつ、これ
    ら電流の通電状態を表示する手段を内蔵した表示回路を
    接続してソレノイドの制御回路を構成したことを特徴と
    する請求項1記載の自己保持型ソレノイドの制御装置。
  4. 【請求項4】 前記切換スイッチとパルス出力回路との
    間に、ソレノイド、あるいは、排水栓等の負荷部材の作
    動を検出する検出手段からの検出信号により、前記負荷
    部材の作動状態の状況を表示する表示回路を接続してソ
    レノイドの制御回路を構成したことを特徴とする請求項
    1記載の自己保持型ソレノイドの制御装置。
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