JP3061783B2 - 乳化状果実スプレット - Google Patents

乳化状果実スプレット

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JP3061783B2 JP10353552A JP35355298A JP3061783B2 JP 3061783 B2 JP3061783 B2 JP 3061783B2 JP 10353552 A JP10353552 A JP 10353552A JP 35355298 A JP35355298 A JP 35355298A JP 3061783 B2 JP3061783 B2 JP 3061783B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スプレットとして
の優れた保形性とスプレット性(食パンなどへの塗りや
すさ)を有することはもちろんのこと、適度な軽さとコ
クを有した食味であり、しかも耐熱性に優れた乳化状果
実スプレットに関し、さらには口溶け感に優れた乳化状
果実スプレットに関する。
【0002】
【従来の技術】果実スプレットの代表的な製品として、
従来よりジャム類(ジャム、マーマレードなど)があ
り、このジャム類はイチゴ、リンゴあるいはオレンジな
どの果実(果肉、果皮、果汁の総称)を用いて、蔗糖な
ど糖類、ペクチンおよびクエン酸などの酸味料などと共
に加熱・濃縮し、その後、冷却して全体をゲル化して製
されている。
【0003】ところが、近年、嗜好の多様化に伴いジャ
ム類のような甘味が強いものでなく、しかも滑らかな食
感を有するものが求められるようになった。このような
嗜好の変化に対応すべく特開平4−51868号公報に
は、マヨネーズ入りジャムが提案されている。
【0004】しかしながら、このマヨネーズ入りジャム
は、マヨネーズをジャムに単に混和しただけのものであ
り、ジャム類に比べ確かに甘すぎず、滑らかな食感を有
するものとなっているが、味が重く、また口溶け感にお
いても十分に満足できるものとは言い難いものであっ
た。
【0005】また、前記マヨネーズ入りジャムをジャム
パンのような焼成パンのフィリングとして用いた場合、
焼成による熱により乳化状態が壊れ油脂分離を招くなど
その形状を保つことが難しいため、成形したパン生地を
一旦焼成した後、中心部に注入する方法を採る必要があ
った。そのため、このようなフィリングを用いたので
は、フィリング入り焼成パンの製造工程が煩雑となるこ
とから、焼成する前に注入できるような耐熱性タイプの
乳化状果実スプレットが要望されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、スプレットとしての優れた保形性とスプレット性を
有することはもちろんのこと、適度な軽さとコクを有し
た食味であり、しかも耐熱性に優れた乳化状果実スプレ
ット、さらには口溶け感に優れた乳化状果実スプレット
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の目
的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成す
るに至った。すなわち、本発明は (1) 蔗糖の甘味に相当する量の甘味料と食用油脂の
合計配合量が乳化状果実スプレットの全重量に対し25
〜50%であり、蔗糖の甘味に相当する量の甘味料と食
用油脂の配合比が2:8〜8:2であって、さらに卵黄
リゾホスホリポ蛋白質が配合されており、乳化状果実ス
プレットの粘度が10万〜50万mPa.s の範囲にある
熱性を有した乳化状果実スプレット、 (2) 蔗糖の甘味に相当する量の甘味料と食用油脂の
合計配合量が乳化状果実スプレットの全重量に対し30
〜45%であり、蔗糖の甘味に相当する量の甘味料と食
用油脂の配合比が3:7〜7:3である(1)の乳化状
果実スプレット、 (3) 卵黄リゾホスホリポ蛋白質の配合量が乳化状果
実スプレット中の食用油脂の配合量に対し0.5〜2.
5%である(1)乃至(2)の乳化状果実スプレット、 (4) 化工澱粉が配合された(1)乃至(3)の乳化
状果実スプレット、 (5) 化工澱粉がアルファー化されたアルファー化化
工澱粉である(4)の乳化状果実スプレット、 (6) 化工澱粉の配合量が乳化状果実スプレットの全
重量に対し0.5〜8%である(4)乃至(5)の乳化
状果実スプレット、を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。な
お、本発明において「%」とは、特に規定している場合
を除き、すべて「重量%」あり、また「配合比」はすべ
て「重量比」である。本発明において乳化状果実スプレ
ットとは、果実スプレットの代表的な製品であるジャム
類、すなわちジャム、マーマレードあるいはフルーツソ
ースなどのような果肉、果皮あるいは果汁を主原料と
し、これに調味料、増粘剤、香辛料、清水などの任意原
料や食用油脂が加えられて乳化状態にあるもの(外観上
油脂分は分離していないもの)をいい、その粘度は10
万〜50万mPa.s 、好ましくは20万〜40万mPa.s の
範囲にある。粘度が10万mPa.s より小さいとスプレッ
トとしての保形性およびスプレット性とも劣り、一方5
0万mPa.s より大きいと保形性は優れているもののスプ
レット性が劣る傾向にあり好ましくない。なお、本発明
の粘度は、200ml容量のトールビーカーに200m
l程度本発明の乳化状果実スプレットを充填後、B型粘
度計[(株)東京計器製]を用い、ローターNo.6、
回転数4rpmで2回転、品温約20℃のときの粘度で
あり、測定を阻害するような固形状の果実がある場合は
それを除いた粘度である。
【0009】上記の果肉、果皮あるいは果汁としては、
ジャム、マーマレードあるいはフルーツソースなどに用
いられるものであれば特に限定するものではないが、例
えば、イチゴ、リンゴ、オレンジ、ブルーベリー、ラズ
ベリー、アンズ、葡萄、イチジク、桃、メロン、スイ
カ、トマト、パイナップルなどが挙げられ、これらの果
肉、果皮あるいは果汁は本発明の乳化状果実スプレット
中に液状、ペースト状、半固形状あるいは固形状として
存在する。
【0010】本発明において食用油脂とは、食品に用い
られる油脂であれば特に限定するものではないが、例え
ば、コーン油、綿実油、サフラワー油、オリーブ油、紅
花油、大豆油、ヤシ油、パーム油、魚油などの動植物油
やMCT(中鎖脂肪酸エステル)などのように化学的処
理を施して得られる油脂などが挙げられる。
【0011】本発明において甘味料とは、一般的に甘味
料として用いられているものであれば特に限定するもの
ではないが、例えば蔗糖(一般的に砂糖と称されてい
る)、グルコース、ガラクトース、ラクトース、ラクチ
トール、トレハロース、フラクトオリゴ糖、水飴、マル
チトール、ソルビトール、ハチミツなどが挙げられる。
また甘味料の蔗糖の甘味に相当する量とは、蔗糖を用い
た場合はそのものの量となるが、甘味料としてソルビト
ールを用いた場合はその甘味度は蔗糖の0.6倍である
ことから、本発明の乳化状果実スプレットに20%配合
したときのその甘味料の蔗糖に相当する量は12%とな
る。なお、本発明においては、甘味料の甘質は問わな
い。
【0012】本発明の乳化状果実スプレットは、蔗糖の
甘味に相当する量の甘味料と食用油脂の合計配合量が乳
化状果実スプレットの全重量に対し25〜50%、好ま
しくは30〜45%であり、蔗糖の甘味に相当する量の
甘味料と食用油脂の配合比が2:8〜8:2、好ましく
は3:7〜7:3である。蔗糖の甘味に相当する量の甘
味料と食用油脂の合計配合量が50%より多くなると重
い食味となり、一方合計配合量が20%より小さくなる
と食味が軽すぎて好ましくない。また蔗糖の甘味に相当
する量の甘味料と食用油脂の配合比が2:8より小さく
なると果実スプレットとして果実の食味が少なすぎる傾
向にあり、一方、8:2より大きくなるとコクが無くな
り好ましくない。
【0013】本発明において卵黄リゾホスホリポ蛋白質
とは、リン脂質、コレステロール、トリグリセリドおよ
び卵黄蛋白質などの複合体である卵黄リポ蛋白質におい
て、リン脂質の1位あるいは2位のいずれかのエステル
結合が分解し、リゾリン脂質と脂肪酸の状態で前記複合
体を形成したものをいい、一般的には卵黄リポ蛋白質を
主成分とする生の卵黄液をリン脂質分解酵素であるホス
ホリパーゼAで酵素分解することにより卵黄リゾホスホ
リポ蛋白質を含有した卵黄液が得られる。なおホスホリ
パーゼA1で酵素分解するとリン脂質の1位が分解され
たものが、またホスホリパーゼA2 では2位が分解され
たものが得られるが、1位が分解したものはリゾリン脂
質の構造的安定性により次第に2位が分解されたものへ
と変換すると言われている。
【0014】また本発明において卵黄リゾホスホリポ蛋
白質の配合量は特に限定するものではないが、乳化状果
実スプレット中の食用油脂の配合量に対し好ましくは
0.5〜2.5%、さらに好ましくは0.7〜2.0%
である。卵黄リゾホスホリポ蛋白質の配合量が0.5%
より少ないと焼成による熱により乳化状態が壊れ油脂分
離を招き易く十分に耐熱性があるものが得られず、一方
2.5%より多いと耐熱性は有るものの苦みを呈し好ま
しくない。
【0015】本発明の乳化状果実スプレットはさらに増
粘剤として化工澱粉を配合させることにより、口溶け感
に優れたものとなる。本発明において化工澱粉とは、リ
ン酸、ヒドロキシプロピル、エピクロロヒドリン、アジ
ピン酸、酢酸などにより置換および/または架橋された
澱粉をいう。これらの化工澱粉は一般的にアルファー化
して使用されるが、作業性の面で冷水でも膨潤するアル
ファー化されたアルファー化化工澱粉を用いると良い。
【0016】また本発明において化工澱粉の配合量は特
に限定するものではないが、乳化状果実スプレットの全
重量に対し好ましくは0.5%以上、さらに好ましくは
2%以上とすると良い。これにより、十分に口溶け感に
優れた好ましい乳化状果実スプレットとなる。なお、本
発明では、化工澱粉の好ましい配合量を0.5〜8%と
しているが、配合量を8%より多くすると得られた乳化
状果実スプレットは、粘度が50万mPa.s より高くな
り、上述のようにスプレット性で劣る傾向となり好まし
くない。
【0017】本発明の乳化状果実スプレットには、上述
の食品原料以外の食品原料を本発明の効果を損なわない
範囲で適宜選択し配合することができる。例えば、食
酢、食塩、グルタミン酸ナトリウムなどの調味料、クエ
ン酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、
リンゴ酸などの有機酸およびこれらの塩類、オレンジ、
リンゴ、イチゴなどの各種フレーバーの他、植物性香
料、ハーブなどの香料、ビタミンC、ビタミンE、ビタ
ミンB1 、ビタミンB2 およびこれらの塩類あるいはエ
ステル類などのビタミン類、ペクチンなどのゲル化剤、
キサンタンガム、ローストビーンガム、ジェランガム、
タマリンド種子ガム、澱粉などの増粘剤、からし粉など
の香辛料などが挙げられる。
【0018】本発明の乳化状果実スプレットは、ジャム
類と同様な使用方法はもちろんのこと、耐熱性を有して
いることから焼成パンの製造の際、焼成する前に注入す
る使用方法も可能である。
【0019】本発明の乳化状果実スプレットは、その粘
度を特定の範囲に規定することにより、スプレットとし
ての優れた保形性とスプレット性を有したものとなる。
また甘味料と食用油脂の配合量および比率を特定の範囲
に規定することにより、適度な軽さとコクを有する食味
となる。また卵黄リゾホスホリポ蛋白質を配合すること
により、耐熱性に優れたものとなる。さらに化工澱粉を
配合することにより、口溶け感に優れた好ましいものと
なる。
【0020】次に、本発明を実施例および試験例に基づ
き、さらに詳細に説明する。なお、本発明はこれらに限
定されるものではない。
【実施例】実施例1(乳化状オレンジスプレット) (1)オレンジマーマレードの調製 まず、原料オレンジの果肉を圧搾して得た果汁3200
gと千切りしブランチングした果皮1800gに、蔗糖
5000gおよび清水800gを二重釜を用いて品温約
80℃に達するまで攪拌しながら加熱し各原料をなじま
せた。次に減圧濃縮機を用いて、全量が10.3kgに
なるまで約55℃で加熱濃縮する。その後低メトキシル
ペクチン40gとクエン酸10gを加え常圧下、約95
℃で加熱後、冷却してオレンジマーマレード10kgを
得た。なお、オレンジマーマレード中の甘味料である蔗
糖の含有量は50%であった。
【0021】(2)乳化物の調製 マヨネーズの常法の調製方法に則り、まずホスホリパー
ゼA2 処理した酵素処理卵黄(卵黄リポ蛋白質の約60
%が卵黄リゾホスホリポ蛋白質になっている)400
g、殺菌卵黄600g、食酢1050g(酸度4%)、
蔗糖200g、食塩150g、グルタミン酸ナトリウム
20g、からし粉50gおよびアルファー化化工澱粉
(Oji-National COMPANY,LTD. 製、商品名「インスタントクリア-
シ゛ェル 」)30gミキサーで均一とした後、コーンサラ
ダ油7500gを徐々に添加して粗乳化し、さらにコロ
イドミルに通して仕上げ乳化を施して10kgの乳化物
を得た。
【0022】(3)乳化状オレンジスプレットの仕上げ
調製 上述の方法で得られたオレンジマーマレードおよび乳化
物を一原料として下記の配合表に基づき乳化状オレンジ
スプレットに仕上げた。つまり、アルファー化化工澱粉
の清水への溶解を短時間で行うため、あらじめアルファ
ー化化工澱粉をコーンサラダ油に分散させたものを準備
し、次にミキサー内に前記分散物、清水、蔗糖、オレン
ジフレーバーを投入しアルファー化化工澱粉および蔗糖
が清水に溶解するまで攪拌した。そして前記混合物を攪
拌させながら乳化物を徐々に添加後、さらに攪拌して十
分均一として乳化状オレンジスプレットに仕上げた。
【0023】<配合表> 乳化物 2.4kg オレンジマーマレード 2.4kg 蔗糖 0.6kg コーンサラダ油 0.4kg アルファー化化工澱粉1) 0.4kg オレンジフレーバー 適量清水 残余 合計重量 10.0kg 註1)アルファー化化工澱粉:Oji-National COMPANY,L
TD. 製、商品名「インスタントクリア-シ゛ェル 」
【0024】得られた乳化状オレンジスプレットは、ス
プレットとしての優れた保形性とスプレット性を有する
ことはもちろんのこと、適度な軽さとコクを有した食味
であり、しかも耐熱性および口溶け感に優れた製品であ
った。なお、甘味料として用いた蔗糖と食用油脂として
用いたコーンサラダ油の合計配合量は乳化状オレンジス
プレットの全重量に対し40%であり、蔗糖とコーンサ
ラダ油の配合比が9:11であり、乳化状オレンジスプ
レットの粘度は27万mPa.s であった。また卵黄リゾホ
スホリポ蛋白質の配合量は乳化状オレンジスプレット中
のコーンサラダ油の配合量に対し約1.1%であり、ア
ルファー化化工澱粉の配合量は乳化状オレンジスプレッ
トの全重量に対し約4%であった。
【0025】実施例2(乳化状リンゴスプレット) (1)リンゴの甘煮の調製 皮むきし、芯取りしたリンゴを1%食塩水につけ水をき
った後、フードスライサーで10mm角のダイス状にし
たもの8kgに、蔗糖2kgおよび清水0.8kgを二
重釜を用いて品温約90℃に達するまで攪拌しながら加
熱し各原料をなじませた。次に減圧濃縮機を用いて約5
5℃で加熱濃縮後、冷却してリンゴスプレット10kg
を得た。なお、リンゴの甘煮中の甘味料である蔗糖の含
有量は20%であった。
【0026】(2)乳化物の調製 実施例1の乳化物と同様な方法で調製した。
【0027】(3)乳化状リンゴスプレットの仕上げ調
製 上述の方法で得られたリンゴの甘煮および乳化物を一原
料として下記の配合表に基づき乳化状リンゴスプレット
に仕上げた。つまり、アルファー化化工澱粉の清水への
溶解を短時間で行うため、あらじめアルファー化化工澱
粉をコーンサラダ油に分散させたものを準備し、次にミ
キサー内に前記分散物、清水、蔗糖、オレンジフレーバ
ーを投入しアルファー化化工澱粉および蔗糖が清水に溶
解するまで攪拌した。そして前記混合物を攪拌させなが
ら乳化物を徐々に添加後、さらに攪拌して十分均一とし
て乳化状オレンジスプレットに仕上げた。
【0028】<配合表> リンゴ甘煮 4.5kg 乳化物 2.0kg 蔗糖 0.4kg コーンサラダ油 0.4kg アルファー化化工澱粉1) 0.4kg リンゴフレーバー 適量 ビタミンC 適量清水 残余 合計重量 10.0kg 註1)アルファー化化工澱粉:Oji-National COMPANY,L
TD. 製、商品名「インスタントクリア-シ゛ェル 」
【0029】得られた乳化状リンゴスプレットは、スプ
レットとしての優れた保形性とスプレット性を有するこ
とはもちろんのこと、適度な軽さとコクを有した食味で
あり、しかも耐熱性および口溶け感に優れた製品であっ
た。なお、甘味料として用いた蔗糖と食用油脂として用
いたコーンサラダ油の合計配合量は乳化状リンゴスプレ
ットの全重量に対し32%であり、蔗糖とコーンサラダ
油の重量比が13:19であり、乳化状リンゴスプレッ
トの粘度は28万mPa.s であった。また卵黄リゾホスホ
リポ蛋白質の配合量は乳化状りんごスプレット中のコー
ンサラダ油の配合量に対し約1.1%であり、アルファ
ー化化工澱粉の配合量は乳化状オレンジスプレットの全
重量に対し約4%であった。
【0030】
【試験例】試験例1 本発明の乳化状果実スプレットの全重量に対する蔗糖の
甘味に相当する量の甘味料と食用油脂の合計配合量によ
る食味(軽さ)への影響について試験した。
【0031】<試験方法> 実施例1の乳化状オレンジスプレットにおいて、甘味料
である蔗糖、食用油脂であるコーンサラダ油および清水
以外の原料の配合量は変えないで、蔗糖とコーンサラダ
油の重量比は9:11となるように蔗糖とコーンサラダ
油の合計配合量を表1に示すような配合量とした。つま
り、乳化状オレンジスプレット中のコーンサラダ油の配
合量が18%以上の場合は、(3)乳化状オレンジスプ
レットの仕上げ調製の配合表記載の原料の内、蔗糖およ
びコーンサラダ油を増加あるいは減少させ、その増加分
あるいは減少分は清水で調整し、実施例1の調製方法に
準じ調製した。
【0032】一方、乳化状オレンジスプレット中のコー
ンサラダ油の配合量が18%未満の場合は、(3)乳化
状オレンジスプレットの仕上げ調製の配合表記載の原料
の内、先ず蔗糖およびコーンサラダ油を減少させ、さら
にオレンジマーマレードおよび乳化物を減少させた。蔗
糖およびコーンサラダ油の減少分は清水で調整し、オレ
ンジマーマレード中の蔗糖以外の原料の減少分、および
乳化物中のコーンサラダ油以外の原料の減少分は、
(3)乳化状オレンジスプレットの仕上げ調製の工程途
中の乳化物を添加する以前の工程で追加して、その他は
実施例1の調製方法に準じ調製した。
【0033】各サンプルについて、試食して食味につい
て評価したところ、表1のような結果が得られた。な
お、いずれのサンプルともスプレットとしての保形性と
スプレット性、また適度なコクを有した食味、耐熱性お
よび口溶け感については遜色のないものであった。
【0034】
【表1】
【0035】註2)表中の記号 ◎ :適度な軽さの食味を有する。 ○−1:やや軽すぎる食味を有するものの問題とならな
い程度。 ○−2:やや重い食味を有するものの問題とならない程
度。 △−1:やや軽すぎる食味を有する。 △−2:やや重い食味を有する。 ×−1:軽すぎる食味を有する。 ×−2:重い食味を有する。
【0036】表1より、発明品は、乳化状果実スプレッ
トとして問題とならない程度の適度な軽い食味を有する
ことが理解される。特に、30〜45%の範囲にあるも
のは好ましい食味を有していた。
【0037】試験例2 本発明の乳化状果実スプレットにおける蔗糖の甘味に相
当する量の甘味料と食用油脂の配合比による食味(コク
と果実の食味)への影響について試験した。
【0038】<試験方法> 実施例1の乳化状オレンジスプレットにおいて、甘味料
である蔗糖、食用油脂であるコーンサラダ油以外の原料
の配合量、および蔗糖とコーンサラダ油の合計配合量4
0%は変えないで蔗糖とコーンサラダ油の配合比を表2
に示すような比とした。つまり、乳化状オレンジスプレ
ット中のコーンサラダ油の配合量が18〜28%の範囲
の場合は、(3)乳化状オレンジスプレットの仕上げ調
製の配合表記載の原料の内、コーンサラダ油を増加ある
いは減少させ、その増加分あるいは減少分は蔗糖で調整
し、実施例1の調製方法に準じ調製した。
【0039】一方、乳化状オレンジスプレット中のコー
ンサラダ油の配合量が28%より多い場合は、(3)乳
化状オレンジスプレットの仕上げ調製の配合表記載の原
料の内、先ずコーンサラダ油を増加させると伴に蔗糖を
減少させ、さらにオレンジマーマレードを減少させた。
オレンジマーマレード中の蔗糖以外の原料の減少分は、
(3)乳化状オレンジスプレットの仕上げ調製の工程途
中の乳化物を添加する以前の工程で追加して、その他は
実施例1の調製方法に準じ調製した。
【0040】また、乳化状オレンジスプレット中のコー
ンサラダ油の配合量が18%より少ない場合は、(3)
乳化状オレンジスプレットの仕上げ調製の配合表記載の
原料の内、先ず蔗糖を増加させると伴にコーンサラダ油
を減少させ、さらに乳化物を減少させた。乳化物中の食
用油脂以外の原料の減少分は、(3)乳化状オレンジス
プレットの仕上げ調製の工程途中の乳化物を添加する以
前の工程で追加して、その他は実施例1の調製方法に準
じ調製した。
【0041】各サンプルについて、試食して食味につい
て評価したところ、表2のような結果が得られた。な
お、いずれのサンプルともスプレットとしての保形性と
スプレット性、また適度な軽さの食味、耐熱性および口
溶け感については遜色のないものであった。
【0042】
【表2】
【0043】註3)表中の記号 ◎ :果実の食味および適度なコクを有する。 ○−1:やや果実の食味が少ないものの問題とならない
程度であり、適度なコクを有する。 ○−2:ややコクが有りすぎるものの問題とならない程
度であり、果実の食味を有する。 △−1:適度なコクを有するが、やや果実の食味が少な
い。 △−2:果実の食味を有するが、ややコクが有りすぎ
る。 ×−1:果実の食味が少なすぎるばかりかコクが有りす
ぎる。 ×−2:果実の食味は有るもののコクが無い
【0044】表2より、発明品は、問題とならない程度
の果実スプレットとして果実の食味および適度なコクを
有することが理解される。特に、3:7〜7:3の範囲
にあるものは好ましい食味を有していた。
【0045】試験例3 本発明の乳化状果実スプレットの粘度によるスプレット
としての保形性およびスプレット性への影響について試
験した。
【0046】<試験方法> 実施例1の乳化状オレンジスプレットにおいて、表3に
示すような粘度となるように、(3)乳化状オレンジス
プレットの仕上げ調製の配合表記載の原料の内、アルフ
ァー化化工澱粉の配合量を増加あるいは減少させ、その
増加分あるいは減少分は清水で調整し、実施例1の調製
方法に準じ調製した。
【0047】各サンプルについて、バターナイフで取っ
たときの外観の形状により保形性を評価し、また食パン
に塗ったときの塗り易さによりスプレット性を評価した
ところ、表3のような結果が得られた。なお、いずれの
サンプルとも適度な軽さとコクを有した食味、耐熱性お
よび口溶け感については遜色のないものであった。
【0048】
【表3】
【0049】註4)表中の記号 ◎ :保形性およびスプレット性とも優れている。 ○−1:ややスプレット性が劣るものの問題とならない
程度であり、優れた保形性を有する。 ○−2:やや保形性が劣るものの問題とならない程度で
あり、優れたスプレット性を有する。 ○−3:保形性およびスプレット性ともやや劣るものの
問題とならない程度 △−1:優れた保形性を有するが、ややスプレット性が
劣る。 △−2:優れたスプレット性を有するが、やや保形性が
劣る。 △−3:保形性およびスプレット性ともやや劣る。 ×−1:優れた保形性を有するが、スプレット性が劣
る。 ×−2:優れたスプレット性を有するが、保形性が劣
る。 ×−3:保形性およびスプレット性とも劣る。
【0050】表3より、発明品は、問題とならない程度
のスプレットとしての保形性およびスプレット性を有す
ることが理解される。特に、20万〜40万mPa.s の範
囲にあるものは優れていた。
【0051】試験例4 本発明の乳化状果実スプレット中の食用油脂の配合量に
対する卵黄リゾホスホリポ蛋白質の配合量による食味
(苦み)および焼成したときの乳化安定性への影響につ
いて試験した。
【0052】<試験方法> 実施例1の乳化状オレンジスプレットにおいて、卵黄リ
ゾホスホリポ蛋白質および卵黄リポ蛋白質以外の原料の
配合量は変えないで食用油脂の配合量に対する卵黄リゾ
ホスホリポ蛋白質の配合量を表4に示すような配合量と
した。つまり、(2)乳化物の調製の配合原料の内、酵
素処理卵黄中の卵黄リゾホスホリポ蛋白質および卵黄リ
ポ蛋白質と殺菌卵黄中の卵黄リポ蛋白質との合計配合量
は一定とし、酵素処理卵黄の配合量を増加あるいは減少
させ、その増加分あるいは減少分は殺菌卵黄で調整し、
実施例1の調製方法に準じ調製した。なお、本試験に用
いた酵素処理卵黄は、卵黄リポ蛋白質の90%が卵黄リ
ゾホスホリポ蛋白質になっているもので行った。
【0053】各サンプルについて、試食して食味(苦
み)を評価した。またバターナイフで食パン(6枚切
り)に5mm程度の厚さになるように塗った後、オーブン
トースターで普通の焼き上がりに設定して焼成し、油脂
分離により乳化安定性を評価した。その結果、表4のよ
うな結果が得られた。なお、本試験を行うにあたりオー
ブントースターは、一度空焼きした状態のもので行っ
た。またいずれのスプレットとも保形性およびスプレッ
ト性、適度な軽さとコクを有した食味、口溶け感につい
ては遜色のないものであった。
【0054】
【表4】
【0055】註5)表中の記号 ◎ :苦みも殆どなく、油脂分離も殆ど観察されな
い。 ○−1:一部に油脂分離が観察されるものの問題となら
ない程度であり、苦みは殆どない。 ○−2:苦みがややするものの問題とならない程度であ
り、油脂分離は殆ど観察されない。 △−1:苦みは殆どないが、一部に油脂分離が観察され
た。 △−2:油脂分離は殆ど観察されなかったが、やや苦み
を呈している。 ×−1:苦みは殆どないが、全体的に油脂分離が観察さ
れた。 ×−2:油脂分離は殆ど観察されなかったが、苦みを呈
している。
【0056】表4より、卵黄リゾホスホリポ蛋白質を配
合することにより、耐熱性が向上することが理解され
る。特に、0.5〜2.5%の範囲にあるものは問題と
ならない程度の食味および焼成したときの乳化安定性を
有することが理解され、さらに0.7〜2.0%の範囲
にあるものは大変優れていた。
【0057】試験例5 本発明の乳化状果実スプレットの増粘剤として化工澱粉
を用いたことによる、およびその配合量による口溶け感
への影響について試験した。
【0058】<試験方法> 実施例1の乳化状オレンジスプレットにおいて、アルフ
ァー化化工澱粉および清水以外の原料の配合量と全体の
粘度は変えないでアルファー化化工澱粉の配合量を表5
に示すような配合量とした。つまり、アルファー化化工
澱粉の配合量を減少させ、その減少分を同粘度となるよ
うにキサンタンガムを加配し、全体量は清水で調整し、
実施例1の調製方法にに準じ調製した。
【0059】各サンプルについて、試食して口溶け感に
ついて評価したところ、表5のような結果が得られた。
なお、いずれのサンプルともスプレットとしての保形性
とスプレット性、また適度な軽さとコクを有した食味、
耐熱性については遜色のないものであった。
【0060】
【表5】
【0061】註6)表中の記号 ◎:口溶け感が良い。 ○:やや口溶け感に劣るものの問題とならない程度であ
る。 △:やや口溶け感に劣る。 ×:口溶け感に劣る。
【0062】表5より、化工澱粉を配合することにより
口溶け感が向上することが理解される。特に、0.5%
以上が好ましく、さらには2%以上が好ましいことが理
解される。なお、本試験例では示していないが、キサン
タンガムに変えてローストビーンガム、ジェランガム、
タマリンド種子ガム、澱粉を用いた試験でも同様な傾向
を示した。
【0063】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の乳化状果実
スプレットは、スプレットとしての優れた保形性とスプ
レット性を有することはもちろんのこと、適度な軽さと
コクを有した食味であり、しかも耐熱性に優れ、さらに
は口溶け感に優れたものであるから、スプレットとして
の用途および需要の拡大が期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/06 A23D 7/00 A23L 1/24

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蔗糖の甘味に相当する量の甘味料と食用
    油脂の合計配合量が乳化状果実スプレットの全重量に対
    し25〜50%であり、蔗糖の甘味に相当する量の甘味
    料と食用油脂の配合比が2:8〜8:2であって、さら
    に卵黄リゾホスホリポ蛋白質が配合されており、乳化状
    果実スプレットの粘度が10万〜50万mPa.sの範囲に
    あることを特徴とする耐熱性を有した乳化状果実スプレ
    ット。
  2. 【請求項2】 蔗糖の甘味に相当する量の甘味料と食用
    油脂の合計配合量が乳化状果実スプレットの全重量に対
    し30〜45%であり、蔗糖の甘味に相当する量の甘味
    料と食用油脂の配合比が3:7〜7:3である請求項1
    記載の乳化状果実スプレット。
  3. 【請求項3】 卵黄リゾホスホリポ蛋白質の配合量が乳
    化状果実スプレット中の食用油脂の配合量に対し0.5
    〜2.5%である請求項1乃至2記載の乳化状果実スプ
    レット。
  4. 【請求項4】 化工澱粉が配合された請求項1乃至3記
    載の乳化状果実スプレット。
  5. 【請求項5】 化工澱粉がアルファー化されたアルファ
    ー化化工澱粉である請求項4記載の乳化状果実スプレッ
    ト。
  6. 【請求項6】 化工澱粉の配合量が乳化状果実スプレッ
    トの全重量に対し0.5〜8%である請求項4乃至5記
    載の乳化状果実スプレット。
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