JP3060327B2 - プラスチックレンズ - Google Patents
プラスチックレンズInfo
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Description
含む光学系、特に必要に応じて任意の非点収差を持たせ
ることの出来るプラスチックレンズを含む光学系に関す
る。
が用いられるようになってきたが、一般にプラスチック
レンズは高分子材料の為内部歪を持ち、光学的には複屈
折を有する。複屈折分布は、特に両凸レンズの場合、直
線偏光場で非点収差を発生させるようなパターンを持つ
ことが多い。また、プラスチックレンズは、特に成形品
では、レンズ面形状に非対称性が生じるために、非点収
差を発生することが多い。
ムプリンター用レンズ等のレーザー光学系用レンズには
プラスチック非球面レンズが多く用いられている。この
プラスチックレンズには、素材として主に、PMMAあ
るいはMMAを母体とするアクリル系共重合樹脂が用い
られている。これらのアクリル系の樹脂は複屈折が負の
符号を持ち、複屈折の大きさの絶対値が、他の樹脂、例
えば、ポリカーボネート、ポリスチレン等に比べて1桁
程度小さい。一般に、アクリル系樹脂を使った光ディス
ク用プラスチック非球面レンズは、そのレンズ有効径内
での複屈折による位相差δの絶対値での最大値δmax
が、 0°>δmax>−40° 程度であり、複屈折による非点収差が、光ディスク用レ
ンズとして許容値内であった。しかし、アクリル系樹脂
は、複屈折が小さく光ディスク用レンズとして適してい
るが、吸水性が高く、湿度による性能変化を起こしやす
い。また、耐熱性もあまり高くない。一方、アクリル系
以外の樹脂で一般にレンズ用途に適している樹脂にポリ
カーボネートがある。この樹脂は、耐吸湿性、耐熱性
共、アクリル樹脂より優れているが、複屈折が大きす
ぎ、光ディスク用対物レンズには適していなかった。す
なわち、耐熱性や耐吸湿性には優れるが、複屈折が大き
いプラスチックレンズ用素材を使用して、通常の金型加
工及び成形法により、レンズ面形状に非対称性がないよ
うに製作すると、光ディスク用レンズの場合、図1のよ
うに複屈折によって生ずる非点収差によって、レンズ性
能の規格を越えてしまっていた。
〜図3のように、直線偏光方向と、レンズのゲート(成
形のときの材料の入口)方向に対して依存性をもつが、
従来、これらの関連性を考慮して、レンズを設定するこ
とはなされていなかった。
ンズ系において、任意の非点収差を持たせる技術は確立
していなく、必要な非点収差を生じさせるには、レンズ
を取換えるか、設計を変更するしかなかった。本発明
は、複屈折により生ずる非点収差と、レンズ面形状の非
対称性により生ずる非点収差とを持つプラスチックレン
ズを含む光学系において、入射の偏光方向に対してプラ
スチックレンズを回転させることにより、同一のレンズ
系で任意の非点収差をもたせることが出来るようにしよ
うとするものである。
本発明の光学系においては、複屈折により生じる非点収
差とレンズ面形状の非対称性により生ずる非点収差とを
有するプラスチックレンズの成形時のゲート方向と、入
射光の偏光方向とが略一致するように、前記プラスチッ
クレンズを配置したことを特徴とする。
ンズ面形状の非対称性により生ずる非点収差とを有する
プラスチックレンズであって、レンズ有効径内での複屈
折による位相差δの最大値δmaxが +50゜<δmax<+120゜ であるプラスチックレンズを、前記複屈折により生ずる
非点収差が前記レンズ面形状により生ずる非点収差によ
り補償されるように配置したことを特徴とする。
ズ面形状の非対称性により生ずる非点収差とを有するプ
ラスチックレンズの成形時のゲート方向が、入射光の偏
光方向に対して略90゜回転させた方向となるように、
前記プラスチックレンズを前記偏光方向に対して配置し
たことを特徴とする。
ンズ面形状の非対称性により生ずる非点収差とを有する
プラスチックレンズを、入射光の偏光方向に対して回転
させることにより、任意の非点収差をもたせたことを特
徴とする。 また、複屈折により生じる非点収差とレンズ
面形状の非対称性により生ずる非点収差とを有するプラ
スチックレンズの成形時のゲート方向が、入射光の偏光
方向に対して所定の角度回転させた方向になるように、
前記プラスチックレンズを前記偏光方向に対して配置し
たことを特徴とする。
符号を模式的に表わしたものであり、符号の数は非点収
差の大きさを表している。射出成形されたプラスチック
レンズは、一般に、ゲート方向に対して対称な複屈折を
生じ、この複屈折による非点収差は、入射光の偏光方向
に対してゲート方向を回転すると図2のようにゲート方
向からみて、非点収差の符号が変化するという特徴があ
る。一方、レンズ面形状の非対称性により生ずる非点収
差は、入射光の偏光方向に対してゲート方向を回転させ
たとき、図3のように、ゲート方向からみて、非点収差
の符号が変化しない、という特徴がある。
ように偏光方向と一致するように配置すると、複屈折に
よる非点収差と面形状による非点収差とが増強し合い、
図4Aのように大きい非点収差を発生する。逆に、図
2、3のBのように配置すると、複屈折による非点収差
と面形状による非点収差とが相殺し合い、図4Bのよう
に非点収差を小さくすることが出来る。勿論、複屈折に
よる非点収差と面形状による非点収差とが同じ大きさで
あれば、非点収差を完全に補正できることとなる。ま
た、図5のようにその中間位置に回転させることによ
り、任意の非点収差を得ることが出来る。
ンズの具体的な実施例を示す。プラスチックレンズ用素
材の例としては、正の符号の複屈折を持つポリカーボネ
ートに負の符号の複屈折を持つスチレンを共重合した樹
脂、あるいは正の符号のポリオレフイン系共重合樹脂や
共重合でないポリオレフイン系樹脂等がある。
た樹脂サンプルを用いた。レンズ有効径内での複屈折は
位相差δの最大値がδmax=+80°であった。レンズ
面形状に非対称性のない場合、非点収差をZernik
eの収差係数で表わしたとき、図4Aの配置で0.04
λrms、また、図4Bの配置でも0.04λrmsであっ
た。一方、レンズ面形状に非対称性を持たせることによ
り、図4Aで、0.07λrms、図4Bで0.01λrms
となり、図4Bの配置において、光ディスク用対物レン
ズとして好適な非点収差の少ないレンズを得ることがで
きた。
ズの成形時に自然に生じるものであるが、積極的に非対
称性を持たせる具体的な手段としては、金型加工時に、
非対称性を持たせる方法と、成形時に成形条件により非
対称性を持たせる方法とがある。
より、プラスチックレンズの非点収差を増強させたレン
ズ系を得ることが出来た。
折による非点収差が、Zernikeの収差係数で表し
たとき、0.04λrmsであった。また、レンズ面形状
の非対称性による非点収差は、0.03λrmsであっ
た。このレンズを図5Aのようにゲート方向を偏光方向
に対し30°回転したとき、非点収差は0.06λrms
であり、図5Bのように、ゲート方向を偏光方向に対し
60°回転したとき、非点収差は、0.03λrmsであ
った。
系中のプラスチックレンズの配置の方向を変えるだけ
で、非点収差量を望みのように変えることが出来、他の
個所で発生した非点収差を相殺するためだけでなく、積
極的に非点収差を利用する場合にも、その発生量を自由
に調節できるので、極めて便利である。
示す概念図
収差の説明図
じる非点収差の説明図
化を示す概念図
の変化を示す概念図
Claims (5)
- 【請求項1】 複屈折により生じる非点収差とレンズ面
形状の非対称性により生ずる非点収差とを有するプラス
チックレンズの成形時のゲート方向と、入射光の偏光方
向とが略一致するように、前記プラスチックレンズを配
置したことを特徴とするプラスチックレンズを含む光学
系。 - 【請求項2】 複屈折により生じる非点収差と、レンズ
面形状の非対称性により生ずる非点収差とを有するプラ
スチックレンズであって、レンズ有効径内での複屈折に
よる位相差δの最大値δmaxが +50゜<δmax<+120゜ であるプラスチックレンズを、前記複屈折により生ずる
非点収差が前記レンズ面形状により生ずる非点収差によ
り補償されるように配置したことを特徴とするプラスチ
ックレンズを含む光学系。 - 【請求項3】 複屈折により生じる非点収差とレンズ面
形状の非対称性により生ずる非点収差とを有するプラス
チックレンズの成形時のゲート方向が、入射光の偏光方
向に対して略90゜回転させた方向となるように、前記
プラスチックレンズを前記偏光方向に対して配置したこ
とを特徴とするプラスチックレンズを含む光学系。 - 【請求項4】 複屈折により生じる非点収差と、レンズ
面形状の非対称性により生ずる非点収差とを有するプラ
スチックレンズを、入射光の偏光方向に対して回転させ
ることにより、任意の非点収差をもたせたことを特徴と
するプラスチックレンズを含む光学系。 - 【請求項5】 複屈折により生じる非点収差とレンズ面
形状の非対称性により生ずる非点収差とを有するプラス
チックレンズの成形時のゲート方向が、入射光の偏光方
向に対して所定の角度回転させた方向になるように、前
記プラスチックレンズを前記偏光方向に対して配置した
ことを特徴とするプラスチックレンズを含む光学系。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3126537A JP3060327B2 (ja) | 1991-05-01 | 1991-05-01 | プラスチックレンズ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3126537A JP3060327B2 (ja) | 1991-05-01 | 1991-05-01 | プラスチックレンズ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05107467A JPH05107467A (ja) | 1993-04-30 |
JP3060327B2 true JP3060327B2 (ja) | 2000-07-10 |
Family
ID=14937654
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3126537A Expired - Lifetime JP3060327B2 (ja) | 1991-05-01 | 1991-05-01 | プラスチックレンズ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3060327B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8441512B2 (en) | 2010-03-12 | 2013-05-14 | Ricoh Company, Limited | Optical scanner and image forming apparatus addressing uneven birefringence distribution of a scanning lens |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5759457A (en) * | 1995-02-24 | 1998-06-02 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Method for manufacturing an optical element |
-
1991
- 1991-05-01 JP JP3126537A patent/JP3060327B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8441512B2 (en) | 2010-03-12 | 2013-05-14 | Ricoh Company, Limited | Optical scanner and image forming apparatus addressing uneven birefringence distribution of a scanning lens |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05107467A (ja) | 1993-04-30 |
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