JP3058635B1 - 繊維質濾材を使用する濾過処理方法及び濾過処理装置 - Google Patents

繊維質濾材を使用する濾過処理方法及び濾過処理装置

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JP3058635B1
JP3058635B1 JP11194158A JP19415899A JP3058635B1 JP 3058635 B1 JP3058635 B1 JP 3058635B1 JP 11194158 A JP11194158 A JP 11194158A JP 19415899 A JP19415899 A JP 19415899A JP 3058635 B1 JP3058635 B1 JP 3058635B1
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Abstract

【要約】 【課題】 繊維質濾材による濾過処理を効果的且つ効率
よく行うことができる濾過処理方法及び濾過処理装置を
提供する。 【解決手段】 濾過槽2の内部を、上下に配した多孔板
部材5,6により、塊状の繊維質濾材17aを積層させ
てなる濾過層17が形成された濾過処理領域7と、給水
口10が開口する被処理水供給領域8と、取水口11が
開口する処理水取出領域9とに区画する。濾過処理工程
の初期段階において、取水口11を閉じた状態で、濾過
槽2に供給された被処理水14の一部14bを処理水取
出領域9から循環水路21,22,23,24,25,
26を介して被処理水供給領域8へと循環供給させるこ
とにより、繊維質濾材17aで構成される濾過層17が
少なくとも30%圧縮されるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下水処理プラント
の二次処理水、工業廃液、雨水,河川水,有機排水等の
汚濁水又は修景池,養魚池,プール,温泉等の貯溜水等
を、繊維質濾材を使用して濾過処理するための方法及び
装置に関するものである。
【0002】例えば、下水処理プラントの二次処理水や
工業廃液等の被処理水を濾過するための濾材としては、
伝統的に、砂等の粒状固形物が使用されているが、被処
理水が濾材相互間の隙間を通過することにより濾過処理
されるため、捕捉物質により当該隙間が短時間のうちに
閉塞され易く、濾過処理を効率よく行い得ない。しか
も、被処理水中の汚濁物質が砂等を積層してなる濾過層
の表面層部分で捕捉除去されることから、どうしても濾
過槽が大型化するといった欠点があり、濾過機能回復の
ための洗浄(逆洗)に大量の清浄水を必要とするといっ
た問題があった。
【0003】そこで、近時、塊状の繊維質濾材を使用し
て、かかる濾材を積層してなる濾過層を下降通過させる
ことにより、被処理水中の汚濁物質を濾過層全体で捕捉
除去することが行われている。このような繊維質濾材を
使用した場合、上記したような問題を生じず、被処理水
が濾材の繊維群中を通過することにより、微細な汚濁物
質まで捕捉除去することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、繊維質濾材
は砂等に比して軽量且つ軽比重のものであることから、
繊維質濾材を積層することによっては濾材相互が密着せ
ず、濾材間に隙間が生じた状態(濾過層の空隙率が高い
状態)となるため、被処理水が当該隙間を通過すること
により、微細な汚濁物質を除去することができないが、
このような隙間は濾過処理の進行に伴って消失すること
になる。すなわち、被処理水が濾過層を通過する流速
(以下「濾過速度」という)が大きい場合には、被処理
水の通過により濾過層が圧縮されて、濾材相互が密着し
て上記した隙間が消失することになる。一方、濾過速度
が小さい場合(例えば、濾過速度が12.5m/h以下
である場合)には、被処理水の通過により濾過層が圧縮
されることはないが、濾過処理の進行に伴って捕捉物質
が濾材間に蓄積されることにより、濾材相互間の隙間が
消失する。
【0005】したがって、濾過速度が大きい場合、濾過
処理の開始時点(逆洗後の濾過処理の再開時点を含む。
以下において同じ。)から濾過層が上記隙間が消失する
程度に圧縮される時点までの初期段階において、濾過層
による汚濁物質の捕捉除去性能(以下「除濁性能」とい
う)が低く、汚濁物質が濾過されずにリークしてしまう
ことになる。また、濾過速度が大きい程、濾過層が上記
した如く圧縮されるまでの時間は短くなり、汚濁物質の
リーク量も少なくなるが、単に濾過速度を上げることに
こだわると、必然的に濾過面積ないし濾材積層量(濾材
充填量)が減少して、濾過処理の継続時間が短くなり、
頻繁に逆洗を行う必要が生じる。
【0006】また、濾過速度が小さい場合にも、濾過処
理の開始時点から上記隙間が捕捉物質で消失されるまで
の間、除濁性能が低く、汚濁物質のリークが生じる。し
かも、捕捉物質により隙間が消失されるに至るまでの時
間は、上記した濾過層の圧縮に至るまでの時間に比して
長く、汚濁物質のリーク量は濾過速度が大きい場合に比
して極めて大きい。さらに、濾材間の隙間に捕捉される
汚濁物質量が一定以上となり、当該隙間における汚濁物
質の捕捉作用が限界となると、汚濁物質は再度リークし
始め、除濁性能が低下することなる。したがって、濾過
処理の継続時間が短くなり、頻繁に逆洗を行う必要が生
じる。
【0007】従来からも、繊維質濾材を使用した濾過処
理にあって上記した問題の解決が強く要請されている
が、未だ効果的な解決策は提案されていないのが実情で
ある。
【0008】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たもので、繊維質濾材を使用した場合における上記した
問題をすべて解決して、濾過処理を効果的且つ効率よく
行うことができる濾過処理方法を提供すると共に、この
方法を好適に実施することができる濾過処理装置を提供
することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の繊維質濾材を使
用する濾過処理方法は、上記の目的を達成すべく、上下
に開閉自在な給水口及び取水口を設けた濾過槽の内部
を、上下に配した多孔板部材により、両多孔板部材間の
領域であって下位の多孔板部材上に塊状の繊維質濾材を
積層支持させてなる濾過層が形成された濾過処理領域
と、濾過処理領域の上方領域であって給水口が開口する
被処理水供給領域と、濾過処理領域の下方領域であって
取水口が開口する処理水取出領域とに区画しておき、濾
過処理工程の初期段階において、取水口を閉じた状態
で、濾過槽内の水の一部を処理水取出領域から取出して
被処理水供給領域へと循環供給させる(以下、かかる循
環供給を「当該水循環」という。)ようにするものであ
る。なお、濾過処理工程の初期段階とは、具体的には、
濾過槽内に被処理水が被処理水供給領域にまで供給され
た時点(逆洗後に濾過処理を再開する場合においても同
じであり、以下「濾過処理開始時点」という。)から当
該水循環により濾材間から汚濁物質がリークされない程
度にまで濾過層が圧縮された時点(以下「初期圧縮終了
時点」という)までをいい、濾過処理開始時点から初期
圧縮終了時点にまでに要する時間は、初期圧縮終了時点
における濾過層の圧縮が30%以上である場合、一般
に、数分〜数十分である。
【0010】而して、かかる濾過処理方法にあっては、
初期圧縮終了時点で取水口を開いて実質的な濾過処理が
開始されるが、当該水循環は、初期圧縮終了時点の経過
後も引続き行われる。そして、初期圧縮終了時点の経過
後も当該水循環を行う場合にあっては、濾過処理条件
(濾過速度,水質等)に応じて、当該水循環を継続的に
行ってもよいし、一時的に行うようにしてもよい(必要
に応じて断続的に繰り返し行う場合を含む)。また、前
記初期段階における当該水循環により、繊維質濾材で構
成される濾過層が少なくとも30%圧縮されるようにし
ておくことが好ましい。
【0011】また、かかる濾過処理方法を実施するため
の本発明の繊維質濾材を使用する濾過処理装置は、上下
に開閉自在な給水口及び取水口を設けた濾過槽であっ
て、内部を、上下に配した多孔板部材により、両多孔板
部材間の領域であって下位の多孔板部材上に塊状の繊維
質濾材を積層支持させてなる濾過層が形成された濾過処
理領域と、濾過処理領域の上方領域であって給水口が開
口する被処理水供給領域と、濾過処理領域の下方領域で
あって取水口が開口する処理水取出領域とに区画した濾
過槽と、処理水取出領域と被処理水供給領域とを連通接
続する循環水路と循環水路に介設された開閉弁及び循環
ポンプとを具備する水循環機構と、を設けて、開閉弁を
開くと共に循環ポンプを作動させることにより、濾過槽
内の水の一部を処理水取出領域から取出して被処理水供
給領域へと循環供給させうるように構成したものであ
る。
【0012】かかる濾過処理装置にあっては、循環ポン
プを逆洗用ポンプとして兼用すると共に循環水路の一部
を逆洗水路の一部として兼用する逆洗機構が設けられ
る。そして、循環水路を、一端部を処理水取出領域に連
通接続した第1管路と、一端部を第1管路の他端部に接
続した第2管路と、一端部を第2管路の他端部に接続す
ると共に他端部を逆洗用ポンプとして兼用される循環ポ
ンプの吸込部に接続した第3管路と、一端部を循環ポン
プの吐出部に接続した第4管路と、一端部を第4管路の
他端部に接続した第5管路と、一端部を第5管路の他端
部に接続すると共に他端部を被処理水供給領域に連通接
続した第6管路とからなるものとし、逆洗水路を、循環
水路の一部を構成する第1管路、第3管路、第4管路及
び第6管路と、一端部を第1管路の他端部に接続すると
共に他端部を第4及び第5管路の接続端部に合流接続し
た第7管路と、一端部を第3管路の一端部に接続すると
共に他端部を第5及び第6管路の接続端部に合流接続し
た第8管路とからなるものとして、循環水路及び逆洗水
路に、第1管路と第3管路とが第2管路を介して接続さ
れると共に第4管路と第6管路とが第5管路を介して接
続される第1切換位置又は第1管路と第4管路とが第7
管路を介して接続されると共に第3管路と第6管路とが
第8管路を介して接続される第2切換位置に選択的に切
り換える管路切換機構を配設しておく。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて具体的に説明する。
【0014】この実施の形態における本発明に係る濾過
処理装置1は、図1〜図7に示す如く、圧力式の濾過槽
2とこれに付設した水循環機構3及び逆洗機構4とを具
備してなるものである。
【0015】濾過槽2は、図1に示す如く、円筒状の密
閉容器構造をなすものであり、その内部は、上下に配し
た多孔板部材5,6により、両多孔板部材5,6間の領
域である濾過処理領域7と、濾過処理領域7の上方領域
である被処理水供給領域8と、濾過処理領域7の下方領
域である処理水取出領域9とに区画されている。濾過槽
1の周壁上部及び底壁中央部には、図1に示す如く、被
処理水供給領域8に開口する給水口10及び処理水取出
領域9に開口する取水口11が設けられている。給水口
10には開閉弁たる給水弁12を介して被処理水源(図
示せず)から導かれた給水路13が接続されており、給
水弁12を開くことにより、被処理水(例えば、下水処
理プラントの二次処理水)14が給水口10から被処理
水供給領域8に供給されるようになっている。取水口1
1には開閉弁たる取水弁15を介して処理水使用部(図
示せず)へと導かれた送水路16が接続されており、取
水弁15を開くことにより、処理水14aを処理水取出
領域9から濾過槽2外に取出すようになっている。な
お、濾過槽2の上部には、図示していないが、空気抜き
弁が設けられている。
【0016】濾過処理領域7には、多数の塊状をなす繊
維質濾材17a …を積層してなる所定厚さの濾過層17
が形成されている。繊維質濾材17a としては、弾力を
有する比表面積の大きなものであって、球状若しくはこ
れに近似する塊状をなすものを使用することが好まし
い。例えば、適当長さの合成繊維製の捲縮加工糸を束に
して、その中央部分を結束し、球状等の塊状に成形した
ものが使用される。この例では、繊維質濾材17aとし
て、80μm径のポリ塩化ビニリデン繊維(繊維比重:
1.7)製の捲縮加工糸を束にして、その中央部分を結
束し、33mm径の球状に成形してなるものを使用して
いる。この繊維質濾材17aにあっては、一個当りの重
量が3.3gであり、空隙率が90%以上であり、充填
時嵩比重(多孔板6上に積層した無負荷状態における嵩
比重)が0.1である。なお、このような繊維質濾材1
7aは、逆洗処理が複数回(通常、100回程度)繰り
返されることにより、繊維表面が徐々に仏頭の螺髪に類
似する形態に変形するものであり、かかる変形によって
濾材17aの弾性及び復元性が更に強化されることにな
り、長期に亘って良好に使用できるものである。
【0017】濾過層17は、図1に示す如く、下位の多
孔板(以下「濾材支持板」という)6によって支持され
ている。この濾材支持板6は、パンチングメタル,金網
等の多孔材で構成されたもので、濾過槽1の中心部に水
平に位置する円板状の中心部6aと、中心部6aから上
方へ傾斜状に延びる截頭円錐筒状の外周部6bとからな
る。なお、濾材支持板6の構成材(多孔材)としては、
繊維質濾材17aが透過しないことを条件として、開口
率(孔の大きさ)が可及的に大きいものを使用すること
が好ましい。また、外周部6bの傾斜角(濾過槽1の周
壁に対する傾斜角)は30°以上としておくことが好ま
しい。また、上位の多孔板5は、濾材支持板6と同一の
多孔材からなる円板であり、水平に張設されている。
【0018】水循環機構3は、図1〜3に示す如く、処
理水取出領域9と被処理水供給領域8とを連通接続する
循環水路18とその適所に介設された開閉弁19及び循
環ポンプ20とを具備する。循環水路18は、一端部を
処理水取出領域9に連通接続した第1管路21と、一端
部を第1管路21の他端部に第1切換弁31を介して接
続した第2管路22と、一端部を第2切換弁32を介し
て第2管路22の他端部に接続すると共に他端部を循環
ポンプ20の吸込部に接続した第3管路23と、一端部
を循環ポンプ20の吐出部に接続した第4管路24と、
一端部を第4管路24の他端部に接続すると共に前記開
閉弁19を配設した第5管路25と、一端部を第5管路
25の他端部に接続すると共に他端部を被処理水供給領
域8に連通接続した第6管路とからなり、開閉弁19を
開くと共に循環ポンプ20を作動させることにより、濾
過槽2内の水の一部14bを処理水取出領域9から取出
して加圧した上で被処理水供給領域8へと循環供給させ
るように構成されている。また、この例では、循環ポン
プ20として、公知のブースタポンプを使用している。
【0019】逆洗機構4は、図1及び図6に示す如く、
被処理水供給領域8と処理水取出領域9とを連通接続す
る逆洗水路33とその適所に介設された逆洗用ポンプと
空気噴出器34とを具備してなる。この例では、逆洗用
ポンプとして循環ポンプ20を兼用使用すると共に、逆
洗水路33として循環水路18の一部を兼用使用するこ
とによって、逆洗機構4を含む濾過処理装置1の簡素
化,小型化を可及的に図っている。すなわち、逆洗水路
32は、循環水路18の一部を構成する第1管路21、
第3管路23、第4管路24及び第6管路26と、一端
部を第1管路21の他端部に第1切換弁31を介して接
続すると共に他端部を第4及び第5管路24,25の接
続端部に合流接続した第7管路27と、一端部を第3管
路23の一端部に第2切換弁32を介して接続すると共
に他端部を第5及び第6管路25,26の接続端部に合
流接続した第8管路28とからなり、循環ポンプ20で
ある逆洗用ポンプを作動させることにより、濾過槽1内
に充満された逆洗水の一部14cを、被処理水供給領域
8から取出して加圧した上、処理水取出領域9に循環供
給するようになっている。空気噴出器34は、上方に向
けた多数の空気噴出孔を備えたもので、濾材支持板6か
ら垂下させた円筒状の仕切板35の直下に配置されてい
て、仕切板35で囲繞された領域に向けて空気36を噴
出させるように構成されている(図6参照)。なお、仕
切板35は、その上端縁部を濾材支持板6の中心部6a
と外周部6bとの境界部に固着したものであり、その下
端縁部は濾過槽1の底壁より所定量上位に位置されてい
る。また、取水口11には逆洗排水口37が分岐接続さ
れていて、逆洗排水口37に設けた開閉弁たる排水弁3
8を開くことにより、濾過槽1内の逆洗水を一気に排出
させるようになっている。
【0020】循環水路18と逆洗水路33との切り換え
は、これらに設けた開閉弁19並びに第1及び第2切換
弁31,32で構成される管路切換機構によって行わ
れ、管路切換機構19,31,32を、開閉弁19が開
放され且つ各切換弁31,32が後述する第1位置に動
作される第1切換位置に切り換えることにより、第1管
路21と第3管路23とが第2管路22を介して接続さ
れると共に第4管路24と第6管路26とが第5管路2
5を介して接続されて、ブースタポンプ20による第1
管路21から第6管路26への送水が行われる循環水路
18が形成される。また、管路切換機構19,31,3
2を、開閉弁19が閉塞され且つ各切換弁31,32が
後述する第2位置に動作される第2切換位置に切り換え
ることにより、第1管路21と第4管路24とが第7管
路27を介して接続されると共に第3管路23と第6管
路26とが第8管路28を介して接続されて、ブースタ
ポンプ20による第6管路26から第1管路21への送
水が行われる逆洗水路33が形成される。
【0021】すなわち、各切換弁31,32は3ポート
を有する弁体31a,32aの回転位置を選択すること
により、3管路の接続形態を変更できる三方切換弁であ
り、開閉弁19の操作と相俟って、一部を兼用する循環
水路18と逆洗水路33との切り換えを行うものであ
る。すなわち、第1切換弁31によれば、弁体31aを
2ポートが第1及び第2管路21,22に連通する第1
位置に操作させることにより、第1管路21と第2管路
22とを接続させることができ(図2参照)、弁体31
aを2ポートが第1及び第7管路21,27に連通する
第2位置に操作させることにより第1管路21と第7管
路27とを接続させることができる(図6参照)。ま
た、第2切換弁32によれば、弁体32aを2ポートが
第2及び第3管路22,23に連通する第1位置に操作
させることにより、第2管路22と第3管路23とを接
続させることができ(図2参照)、弁体32aを2ポー
トが第2及び第8管路22,28に連通する第2位置に
操作させることにより第2管路22と第8管路28とを
接続させることができる(図6参照)。したがって、両
切換弁31,32の各弁体31a,32aを第1位置に
操作させると共に開閉弁19を開放操作することによ
り、図2に示す如く、処理水取出領域9から第1管路2
1、第1切換弁31、第2管路22、第2切換弁32、
第3管路23、循環ポンプたるブースタポンプ20、第
5管路25及び第6管路26を経て被処理水供給領域8
に至る循環水路18が構成される。また、両切換弁3
1,32の各弁体31a,32aを第2位置に操作させ
ると共に開閉弁19を閉塞操作することにより、図6に
示す如く、被処理水供給領域8から第6管路26、第8
管路28、第2切換弁32、第3管路23、逆洗用ポン
プたるブースタポンプ20、第4管路24、第7管路2
7、第1切換弁31及び第1管路21を経て処理水取出
領域9に至る一連の逆洗水路33が構成される。このよ
うに、開閉弁19及び両切換弁31,32を操作するこ
とにより、循環水路18と逆洗水路33との切り換え及
びブースタポンプ20による水循環方向の切り換えが行
われるように工夫されている。
【0022】而して、この実施の形態における本発明に
係る濾過処理方法は、上記した濾過処理装置1を使用し
て、次のように実施される。
【0023】まず、取水口11及び逆洗排水口38を閉
じた上、給水口10から被処理水(例えば、下水処理プ
ラントの二次処理水)14を濾過槽2に供給する(図
1)。このとき、各切換弁31,32を第1位置に操作
すると共に開閉弁19を開いておく。
【0024】そして、濾過槽2内に被処理水14が被処
理水供給領域8にまで供給され、その水面が少なくとも
第6管路26の開口部を超える位置に達した時点(濾過
処理開始時点)でブースタポンプ20を作動させて、濾
過槽2内の水の一部(以下「循環水」という)14bを
処理水取出領域9から取り出して加圧した上、被処理水
供給領域8へと循環供給させる(図1)。すなわち、循
環水14bは、処理水取出領域9から第1管路21に流
出し、第1管路21から第1切換弁31、第2管路2
2、第2切換弁32、第3管路23、循環ポンプ20、
第4管路24、第5管路25を経て第6管路26に至る
循環水路18を通過して、第6管路26から被処理水供
給領域8に供給された後、濾過層17を下降通過して処
理水取出領域9から循環水路18に流出するといった循
環経路を流動することになる。なお、濾過槽2が満水状
態となった時点で給水口10を閉じて、濾過槽2への給
水を停止しておく。
【0025】このような循環水14bの強制的な循環に
より、繊維質濾材17a…を積層してなる濾過層17が
圧縮されて、その空隙率が減少することになる(図
2)。
【0026】そして、濾過層17が循環水14bの循環
により一定以上圧縮された時点(初期圧縮終了時点)
で、給水口10及び取水口11を開いて実質的な濾過処
理を開始する(図3)。すなわち、被処理水14を給水
口10から被処理水供給領域8に連続供給して、圧縮さ
れた濾過層17を下降通過させ、この間において、被処
理水14に含まれている汚濁物質を濾過層17全体にお
いて捕捉,除去し、濾過層17を通過した処理水14a
を取水口11から濾過槽2外へと流出させるのである。
【0027】ところで、初期圧縮終了時点における濾過
層17の圧縮率は、爾後の実質的な濾過処理を良好に行
いうるに必要且つ充分な除濁性能が確保される程度以上
でなければならないが、後述する実験結果(図8〜図1
1)から理解されるように、一般に、濾過層17が30
%以上圧縮されることによって除濁性能は顕著に向上す
ることから、実質的な濾過処理が開始される前に行われ
る循環水14bの循環供給による濾過層17の圧縮が少
なくとも30%に達した時点を、初期圧縮終了時点に設
定しておくことが好ましい。通常は、ブースタポンプ2
0の作動開始から数分〜数十分経過した時点で、濾過層
17が30%以上圧縮されることになり、濾過処理開始
時点から実質的な濾過処理が開始されるまでに要する時
間が僅かであることから、濾過処理開始時点から初期圧
縮終了時点までの間において実質的な濾過処理が行われ
ないことによっては、処理効率が低下するようなことは
ない。
【0028】このように、実質的な濾過処理が開始され
た時点では、濾過層17が上記した如く圧縮されてい
て、繊維質濾材17a…が相互に圧接して空隙率が極め
て低くなっていることから、被処理水14は、図12に
例示する如く、各繊維質濾材17aの内部である繊維密
集部を下降通過して、微細な汚濁物質をも効果的に捕捉
除去されることになる。その結果、実質的な濾過処理に
おいては、その開始時点から濁度の極めて低い処理水1
4aが得られることになる。すなわち、濾過層17の除
濁性能が、濾過層17を圧縮して繊維質濾材17a…相
互間の隙間を消失させておくことにより、大幅に向上す
ることになり、濾過層17からの汚濁物質リークが極め
て少なくなる。
【0029】ところで、被処理水14の濾過槽2への流
入水量(濾過水量)が当初の設計値に比して極端に少な
く、一定以上の濾過速度を確保できない場合には、後述
する実験結果からも明らかなように、繊維質濾材17a
の性質上、除濁性能が低下することになる。
【0030】しかし、実質的な濾過処理が開始された後
も、図3に示す如く、循環水14bの循環供給を継続す
ることにより、給水口10からの流入水量が少ないとき
にも、充分な濾過速度を確保しておくことができる。す
なわち、濾過槽2内の水の一部を循環水14bとして被
処理水供給領域8に循環供給させることから、給水口1
0からの被処理水14の流入量と取水口11からの処理
水14aの流出量とは等価の関係にあるが、濾過層17
を下降通過する水量は循環水14bの量だけ多くなり、
濾過速度が大きくなる。したがって、上記した如く流入
水量が当初の設計値に比して極端に少ない場合にも、除
濁性能が低下することがなく、良好な濾過処理を行うこ
とができる。
【0031】一方、給水口10からの流入水量が当初の
設計値に比して極端に少なくならず、所定の濾過速度が
確保される場合には、初期圧縮終了時点ないし実質的な
濾過処理が開始される時点で、開閉弁19を閉じると共
にブースタポンプ20を停止して、循環水14bの循環
供給を停止することができる。かかる場合にも、濾過処
理工程の初期段階(濾過処理時点から初期圧縮終了時点
に至る段階)において、循環水14bにより一旦圧縮さ
れた濾過層17は、これを構成する繊維質濾材17aの
性質上、逆洗を行わない限り、当該圧縮状態が維持され
ることから、除濁性能が低下することはない。
【0032】ところで、除濁性能は、後述する実験結果
(図8〜図11)から理解されるように、濾過速度が増
大するに従って向上する。したがって、給水口10から
の流入水量が充分である場合にも循環水14bを継続し
て強制循環させて、濾過速度を増大させておくことによ
り、より効果的な濾過処理を高速で行うことができる。
【0033】また、実質的な濾過処理が開始された後に
おいて、給水口10からの流入水量が変動し、当該流入
量が極端に低下するような場合には、循環水14bの循
環供給を再開して、濾過速度の低下を防止することがで
きる。すなわち、必要に応じて、循環水14bの循環供
給を一時的ないし断続的に行うことにより、濾過速度の
変動に対処することができ或いは濾過速度を制御するこ
とができ、安定した濾過処理を行うことができる。
【0034】なお、実質的な濾過処理が開始された後に
おいても循環水14bの循環供給を継続して或いは一時
的ないし断続的に行う場合には、図5に示す如く、被処
理水14の性状に応じて、循環水路18の適所に適宜の
薬注器40から凝集剤41を注入するようにしてもよ
い。
【0035】ところで、本発明者は、濾過層17の圧縮
率及び濾過速度が除濁性能に与える影響を確認するため
に、次のような実験を行った。すなわち、この実験は、
下水処理プラントの二次処理水である被処理水14を、
濾過層17の圧縮度(%)と濾過速度とを夫々4段階に
亘って変化させつつ、上記した濾過槽2を使用して濾過
処理し、各圧縮度及び濾過速度下での被処理水14及び
処理水14aの濁度(NTU(Nethelonetr
ic Turbidity Unit))を測定したも
のである。その結果は、濾過速度を12.3m/hとし
た場合においては図8に示す通りであり、24.3m/
hとした場合においては図9に示す通りであり、48.
3m/hとした場合においては図10に示す通りであ
り、また73.8m/hとした場合においては図11に
示す通りであった。各図においては、濾過層17を全く
圧縮しない場合(0%圧縮)の濁度は●で、15%圧縮
の場合の濁度は△で、30%圧縮の場合の濁度は○で、
また40%圧縮の場合の濁度は◎で示してある。なお、
1NTU=0.6カオリン濁度≒1/2.3SS(mg
/l)である。
【0036】図8〜図11に示す実験結果から明らかな
ように、濾過層17の圧縮率が30%又は40%である
場合には、濾過速度の大小に拘わらず、濾過層17の圧
縮率が0%及び15%である場合に比して除濁性能が顕
著に向上することが確認された。すなわち、0%圧縮の
場合には、図13に示す如く、繊維質濾材17a…相互
が密着されておらず、被処理水14が濾材17a,17
a間の隙間を通過するために、汚濁物質の補足除去が充
分に行われない。また、15%圧縮の場合には、繊維質
濾材17a…相互がある程度密着されているものの、各
繊維質濾材17aが充分に圧縮されていないため、濾材
内部における繊維密集度が低く、微細な汚濁物質の補足
除去を効果的に行い得ない。これに対して、30%圧縮
又は40%圧縮の場合には、図12に示す如く、繊維質
濾材17a…相互が密着されると共に各繊維質濾材17
aが圧縮されて内部における繊維密集度が高くなってい
るために、被処理水14が各繊維質濾材17aの内部を
通過して、微細な汚濁物質をも効果的に除去される。ま
た、上記実験結果から、濾過層17の圧縮率が同一であ
る場合、濾過速度が大きくなるに従い除濁性能が向上す
ることが理解される。したがって、効果的な濾過処理を
行うためには、繊維質濾材17a…で構成される濾過層
17が30%以上に圧縮されており且つ充分な濾過速度
が確保されていることが好ましいことが理解される。
【0037】また、上記した濾過処理工程は、繊維質濾
材17a…の逆洗処理を行った後においても、同様に行
われるが、この実施の形態においては、逆洗処理が被処
理水14を使用して次のように行われる。
【0038】濾過処理工程において逆洗処理が必要とな
った時点で、まず、給水口10及び取水口11を閉じる
と共に両切換弁31,32を第2位置に操作し、更に開
閉弁19を閉じる。しかる後、空気噴出器34から空気
36を噴出させて、噴出空気36を濾過処理領域7に吹
き込む。さらに、ブースターポンプ20を作動させて、
濾過槽17内に充満する被処理水である洗浄水14cの
一部を被処理水供給領域8から取出して逆洗水路33を
介して処理水取出領域9に循環供給させる。すなわち、
ブースタポンプ20を作動させることにより、洗浄水1
4cの一部が、被処理水供給領域8から第6管路26、
第2切換弁32及び第3管路23を経て、ブースタポン
プ20により加圧された上で、第4管路24、第7管路
27、第1切換弁31及び第1管路21を経て処理水取
出領域9に供給され、更に濾過処理領域7を上昇通過し
て被処理水供給領域8から第6管路26に流入するとい
った循環経路を流動せしめられる。
【0039】したがって、繊維質濾材17a…は、上下
を多孔板5,6で仕切られた濾過処理領域7内におい
て、上記した洗浄水循環及び空気噴出により生じる気液
混合流よってほぐされ且つ攪拌されて、洗浄されること
になる(図6)。そして、繊維質濾材17a…の洗浄が
終了すると、逆洗排水口37を開いて濾過槽2内の洗浄
水14cを繊維質濾材17aから離脱された補足物質と
共に排出する(図7)。
【0040】そして、かかる逆洗処理の終了後、上記し
たと同様にして、濾処理工程を再開する。
【0041】ところで、濾過処理が再開された場合、繊
維質濾材17a…に残存する捕捉物質である浮遊汚濁物
質が処理水14aに混入する虞れがあることから、通
常、濾過処理の再開直後の一定時間(数分程度)が経過
するまでの間、濾過層17の通過水を系外に放出するこ
と(いわゆる捨水処理)が行われるが、かかる捨水処理
による水損失は無視できる程度ではなく、下水処理プラ
ント等における返送水による水量負荷の増大や修景池,
養魚池における水損失等の問題を生じる。
【0042】しかし、本発明によれば、上記した如く、
実質的な濾過処理が開始(再開)される前に、濾過槽2
内の水の一部14bを循環させることから、上記した捨
水処理を行う必要がなく、捨水処理による水損失は全く
ない。すなわち、循環水14bが濾過層17を繰り返し
下降通過することにより、逆洗によりほぐされた濾過層
17が再び圧縮されると共に、浮遊汚濁物質が濾過層1
7に捕捉されて、実質的な濾過処理が開始された場合
に、浮遊汚濁物質が処理水14aに混入するようなこと
がない。
【0043】なお、本発明は上記した実施の形態に限定
されるものではなく、本発明の基本原理を逸脱しない範
囲において適宜に改良,変更することができる。
【0044】例えば、濾過槽2の径が大きい場合には、
濾過槽2及び逆洗機構4を図14〜図17に示す如く構
成しておくことができる。なお、図14〜図17に示す
濾過処理装置1は、以下の点を除いて、図1〜図7に示
すものと同一構成をなす。
【0045】すなわち、図14〜図17に示す濾過処理
装置1にあっては、濾材支持板6を円板形状をなすもの
として濾過槽2の下部に水平に張設し、濾材支持板6の
下面部に、その直径線上に配して矩形状の仕切板39を
垂設して、濾材支持板直下の処理水取出領域部分を第1
及び第2処理水取出領域部分9a,9bに区画すると共
に、第1及び第2処理水取出領域部分9a,9bに第1
及び第2空気噴出器34a,34bを各別に配置してあ
り、逆洗処理が次のように行われる。なお、各空気噴出
器34a,34bは、前記した空気噴出器34と同様
に、上方に向けて空気36を噴出する多数の空気噴出孔
を有するものであり、各処理水取出領域部分9a,9b
からその直上方位の各濾過処理領域部分7a,7bに集
中して空気36を噴出させるものである。
【0046】まず、ブースターポンプ20を作動させ
て、前記した場合と同様に、濾過槽2内の被処理水であ
る洗浄水14cの一部を逆洗水路33により循環させ
る。次いで、図14に示す如く、第1空気噴出器34a
から空気36を噴出させて、その噴出空気36を第1処
理水取出領域部分9aからその直上方位の第1濾過処理
領域部分7aに集中的に吹き込むことにより、第1逆洗
工程を開始する。
【0047】第1逆洗工程においては、図14に示す如
く、第1空気噴出器34aによる局部的且つ集中的な空
気噴出によって一種のエアリフト効果が発揮され、第1
濾過処理領域部分7aに気液混合流体による強力な上昇
流14eが生じる。そして、この上昇流14eは、ブー
スターポンプ20による洗浄水14cの強制循環作用に
より更に強力なものとなり、継続して発生する。したが
って、濾過層17を構成する繊維質濾材17aが圧力式
の高速濾過によって圧密状態にある場合や捕捉汚濁物に
よる密着状態にある場合にも、濾過層17が極めて短時
間でほぐされ、繊維質濾材17aが容易に浮上する。ま
た、濾過処理領域7においては、第1空気噴出器34a
からの空気吹込が行なわれている第1濾過処理領域部分
7aと空気吹込が行なわれていない第2濾過処理領域部
分7bとの間で密度差が生じて、図14に示す如く、第
1濾過処理領域部分7aを上昇して第2濾過処理領域部
分7bを下降する強力な循環流14fが生じることにな
る。その結果、上記した如くほぐされた繊維質濾材17
aが、循環流14fにより濾過処理領域7において均一
に混合,攪拌されることになる。
【0048】そして、第1逆洗工程を一定時間継続した
後、曝気機能を第1空気噴出器34aから第2空気噴出
器34bに切り換えて、第2逆洗工程に移行する。すな
わち、第1空気噴出器34aからの空気噴出を停止する
と同時に、第2空気噴出器34bから空気36を噴出さ
せる。このようにすると、第1逆洗工程における場合と
は逆に、図15に示す如く、第2処理水取出領域部分9
bの直上方領域である第2濾過処理領域部分7bに気液
混合流体による上昇流14gが生じると共に、濾過処理
領域7において第2濾過処理領域部分7bを上昇して第
1濾過処理領域部分7aを下降する循環流14hが生じ
て、繊維質濾材17aが逆方向に循環しつつ混合,攪拌
されることになる。
【0049】したがって、濾過層17を構成する繊維質
濾材17aが、第1逆洗工程開始後、速やかにほぐさ
れ、第1逆洗工程とこれに引き続く第2逆洗工程とで循
環流14e,14gの方向を変換することにより、繊維
質濾材17aの混合,攪拌がより効果的に行われて、繊
維質濾材17aの洗浄が極めて良好に行われることにな
る。
【0050】そして、第2逆洗工程の開始後、一定時間
が経過すると、図16に示す如く、ブースタポンプ20
を停止すると共に開閉弁19を閉じた上で、両空気噴出
器34a,34bから空気36を噴出させた状態で、逆
洗排水口37を開いて濾過槽2内の洗浄水14cを排出
させる。両空気噴出器34a,34bにより濾過処理領
域7を全面的に曝気させることにより、繊維質濾材17
aが均一に分散される。したがって、かかる状態で濾過
槽2内の洗浄水14cを逆洗排水口37から一挙に排出
させると、図17に示す如く、均一厚さの濾過層17が
形成されることになる。すなわち、濾過槽2の径が大き
い場合にも、逆洗後の濾過層厚さを均一化することがで
きる。
【0051】また、循環水路18と逆洗水路33とを切
り換える管路切換機構は、上記した切換弁31,32を
使用せず、開閉弁のみで構成することができる。例え
ば、管路切換機構は、図18に示す如く、第2管路2
2、第5管路25、第7管路27及び第8管路28に配
設した4つの開閉弁19a,19b,19c,19dで
構成することができる。すなわち、管路切換機構19
a,19b,19c,19dを、開閉弁19a,19b
が開放されると共に開閉弁19c,19dが閉塞される
第1切換位置に切り換えると、図18(A)に示す如
く、第1管路21から第2管路22、第3管路23、ブ
ースタポンプ20、第4管路24及び第5管路25を経
て第6管路26へと送水する循環水路18が形成され
る。また、管路切換機構19a,19b,19c,19
dを、開閉弁19a,19bが閉塞されると共に開閉弁
19c,19dが開放される第2切換位置に切り換える
と、図18(B)に示す如く、第6管路26から第8管
路28、第3管路23、ブースタポンプ20、第4管路
24及び第7管路27を経て第1管路21へと送水する
逆洗水路18が形成される。
【0052】
【発明の効果】以上の説明から容易に理解されるよう
に、本発明の濾過処理方法によれば、濾過層を圧縮した
上で、実質的な濾過処理を開始されることから、その開
始時点から繊維質濾材による除濁性能が充分に発揮さ
れ、汚濁物質がリークするようなことがなく、下水処理
プラントの二次処理水等を効率よく効果的に濾過処理す
ることができる。また、本発明の濾過処理装置によれ
ば、装置を徒に複雑化,大型化させることなく、上記方
法を好適に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る濾過処理装置の実施の形態を示し
たもので、濾過処理工程の開始状態を示す縦断正面図で
ある。
【図2】濾過処理工程における初期段階の状態を示す図
1相当の縦断正面図である。
【図3】濾過処理工程における初期段階経過後の状態を
示す図1相当の縦断正面図である。
【図4】濾過処理工程における初期段階経過後の状態で
あって図3と異なる状態を示す図1相当の縦断正面図で
ある。
【図5】濾過処理工程における初期段階経過後の状態で
あって図3及び図4と異なる状態を示す図1相当の縦断
正面図である。
【図6】逆洗工程を示す図1対応の縦断正面図である。
【図7】逆洗工程の終了状態を示す図6相当の縦断正面
図である。
【図8】被処理水濁度と処理水濁度との関係を示す実験
データである。
【図9】図8と異なる濾過速度下における被処理水濁度
と処理水濁度との関係を示す実験データである。
【図10】図8及び図9と異なる濾過速度下における被
処理水濁度と処理水濁度との関係を示す実験データであ
る。
【図11】図8〜図10と異なる濾過速度下における被
処理水濁度と処理水濁度との関係を示す実験データであ
る。
【図12】濾過層を圧縮した場合における濾過状態を示
す説明図である。
【図13】濾過層を圧縮しない場合における濾過状態を
示す説明図である。
【図14】本発明に係る濾過処理装置の変形例を示した
もので、第1逆洗工程を示す縦断正面図である。
【図15】第2逆洗工程を示す図14相当の縦断正面図
である。
【図16】排水工程を示す図14相当の縦断正面図であ
る。
【図17】逆洗処理の終了状態を示す図14相当の縦断
正面図である。
【図18】循環水路と逆洗水路とを切り換える管路切換
機構の変形を示す系統図である。
【符号の説明】
1…濾過処理装置、2…濾過槽、3…水循環機構、4…
逆洗機構、5…上位の多孔板、6…濾材支持板(下位の
多孔板)、7…濾過処理領域、8…被処理水供給領域、
9…処理水取出領域、10…給水口、11…取水口、1
2…給水弁、14…被処理水、14a…処理水、14b
…循環水(濾過槽内の水の一部)、14c…逆洗水、1
5…取水弁、17…濾過層、17a…繊維質濾材、18
…循環水路、19,19a,19b,19c,19d…
開閉弁(管路切換機構)、20…循環ポンプ、21…第
1管路、22…第2管路、23…第3管路、24…第4
管路、25…第5管路、26…第6管路、27…第7管
路、28…第8管路、31,32…切換弁(管路切換機
構)、33…逆洗水路、34,34a,34b…空気噴
出器、35,39…仕切板、36…空気、37…逆洗排
水口、38…排水弁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 24/00 - 24/48 B01D 39/00 - 39/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下に開閉自在な給水口及び取水口を設
    けた濾過槽の内部を、上下に配した多孔板部材により、
    両多孔板部材間の領域であって下位の多孔板部材上に塊
    状の繊維質濾材を積層支持させてなる濾過層が形成され
    た濾過処理領域と、濾過処理領域の上方領域であって給
    水口が開口する被処理水供給領域と、濾過処理領域の下
    方領域であって取水口が開口する処理水取出領域とに区
    画しておき、濾過処理工程の初期段階において、取水口
    を閉じた状態で、濾過槽内の水の一部を処理水取出領域
    から取出して被処理水供給領域へと循環供給させるよう
    にし、この処理水取出領域から被処理水供給領域への水
    循環を、取水口を開いて実質的な濾過処理を開始した後
    も、継続して或いは一時的に行うようにしたことを特徴
    とする繊維質濾材を使用する濾過処理方法。
  2. 【請求項2】 上下に開閉自在な給水口及び取水口を設
    けた濾過槽であって、内部を、上下に配した多孔板部材
    により、両多孔板部材間の領域であって下位の多孔板部
    材上に塊状の繊維質濾材を積層支持させてなる濾過層が
    形成された濾過処理領域と、濾過処理領域の上方領域で
    あって給水口が開口する被処理水供給領域と、濾過処理
    領域の下方領域であって取水口が開口する処理水取出領
    域とに区画した濾過槽と、処理水取出領域と被処理水供
    給領域とを連通接続する循環水路と循環水路に介設され
    た開閉弁及び循環ポンプとを具備する水循環機構と、を
    設けて、開閉弁を開くと共に循環ポンプを作動させるこ
    とにより、濾過槽内の水の一部を処理水取出領域から取
    出して被処理水供給領域へと循環供給させうるように構
    成してあり、循環ポンプを逆洗用ポンプとして兼用する
    と共に循環水路の一部を逆洗水路の一部として兼用する
    逆洗機構が設けられており、循環水路が、一端部を処理
    水取出領域に連通接続した第1管路と、一端部を第1管
    路の他端部に接続した第2管路と、一端部を第2管路の
    他端部に接続すると共に他端部を逆洗用ポンプとして兼
    用される循環ポンプの吸込部に接続した第3管路と、一
    端部を循環ポンプの吐出部に接続した第4管路と、一端
    部を第4管路の他端部に接続した第5管路と、一端部を
    第5管路の他端部に接続すると共に他端部を被処理水供
    給領域に連通接続した第6管路とからなり、逆洗水路
    が、循環水路の一部を構成する第1管路、第3管路、第
    4管路及び第6管路と、一端部を第1管路の他端 部に接
    続すると共に他端部を第4及び第5管路の接続端部に合
    流接続した第7管路と、一端部を第3管路の一端部に接
    続すると共に他端部を第5及び第6管路の接続端部に合
    流接続した第8管路とからなり、循環水路及び逆洗水路
    には、第1管路と第3管路とが第2管路を介して接続さ
    れると共に第4管路と第6管路とが第5管路を介して接
    続される第1切換位置又は第1管路と第4管路とが第7
    管路を介して接続されると共に第3管路と第6管路とが
    第8管路を介して接続される第2切換位置に選択的に切
    り換える管路切換機構が配設されていることを特徴とす
    る繊維質濾材を使用する濾過処理装置。
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