JP3057944B2 - 気筒数制御内燃機関 - Google Patents

気筒数制御内燃機関

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JP3057944B2
JP3057944B2 JP5003801A JP380193A JP3057944B2 JP 3057944 B2 JP3057944 B2 JP 3057944B2 JP 5003801 A JP5003801 A JP 5003801A JP 380193 A JP380193 A JP 380193A JP 3057944 B2 JP3057944 B2 JP 3057944B2
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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は気筒数制御内燃機関に係
り、特に所定の運転領域で運転している場合には、複数
の気筒のうち一部の気筒への燃料供給を停止する気筒数
制御内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、内燃機関の運転状態に応じて
複数の気筒のうち一部の気筒への燃料供給を停止する内
燃機関の気筒数制御装置が知られている(特開昭52−
61636号公報)。
【0003】上記公報記載の装置は、内燃機関の回転数
と負荷状況との関係において、良好な燃料消費効率を確
保するため燃料を供給する気筒数を制御する装置であ
る。すなわち、内燃機関の負荷の大小を内燃機関の吸気
管負圧等で検出すると共に、車速センサ等の出力値より
車速を検出し、内燃機関が所定の負荷水準と比べて低負
荷状態で運転している場合、または、所定の車速水準と
比べて低速で走行している場合に、内燃機関を構成する
複数の気筒のうち一部の気筒への燃料供給を停止する装
置である。
【0004】従って、上記従来の気筒数制御装置を備え
る内燃機関においては、高出力が要求される場合にのみ
全ての気筒に燃料供給が行われ、低負荷または低速時に
おいて高い出力が必要とされない場合には、一部の気筒
が休止した状態となる。このため、低負荷時において内
燃機関に供給される燃料の量が削減され、燃費が向上す
ることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、内燃機
関において一部の気筒を休止状態とする減筒運転は、内
燃機関のバランス上からは好ましい状態ではなく、全気
筒を使用して運転する場合と比べて種々の影響を受けや
すい状態となる。
【0006】ところで、現在市場には、揮発成分の少な
い重質燃料から多量に揮発成分を含んだ軽質燃料まで種
々の性状を有する燃料が出回っており、その性状が内燃
機関の運転特性に与える影響は決して小さくない。例え
ば、重質燃料を使用する状況下においては、内燃機関の
暖機が十分にされていない場合や、急加速時のように急
激に燃料供給量を増加させる必要がある場合には、燃料
が十分に気化されずに混合気の空燃比が不安定になり、
内燃機関の運転状況が悪化することがある。
【0007】このような内燃機関の運転状況の悪化が上
記従来の装置による減筒運転時に重なった場合、内燃機
関は一層不安定な状態となり、加速応答性等のドライバ
ビリティが著しく悪化し、また容易にエンジンストール
を起こす状態となる。
【0008】このように、上記従来の装置においては、
内燃機関に重質燃料が供給される場合には、減筒運転時
に十分な安定性を維持することができないという問題を
有していた。
【0009】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、供給される燃料の性状を検出し、その性状に合
わせて減筒運転を行う運転領域を設定することにより、
燃料性状に因らずに安定した減筒運転が維持できる気筒
数制御内燃機関を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの原理図を図1に示す。
【0011】図1中、符号1は本発明に係る気筒数制御
内燃機関を構成する複数気筒からなる内燃機関を示す。
減筒運転制御手段2は、内燃機関1が所定の運転領域で
運転している場合、内燃機関1を構成する複数の気筒の
うち一部の気筒への燃料の供給を休止する。
【0012】燃料性状検出手段3は、内燃機関1に供給
される燃料の性状を検出する。また、運転領域制限手段
4は、燃料性状検出手段3により検出された燃料性状が
重質になるに従って、減筒運転制御手段2が内燃機関1
の一部の気筒への燃料供給を休止すべき運転領域を縮小
する。
【0013】
【作用】本発明に係る気筒数制御内燃機関において減筒
運転制御手段2は、燃料性状検出手段3により検出され
た燃料性状が重質になるに従って、内燃機関1を減筒運
転させる運転領域を縮小する。つまり、内燃機関1に供
給される燃料の性状が比較的軽質である場合は、より広
い領域で減筒運転が実行されるのに対して、内燃機関1
に供給される燃料の性状が比較的重質である場合は、よ
り狭い領域でのみ減筒運転が実行される。
【0014】ここで、燃料性状が軽質である場合は、燃
料の良好な気化性に起因して内燃機関1の運転状況は安
定し、減筒運転時においても広い領域でその安定性が維
持される。また、燃料の性状が重質である場合は、減筒
運転がその燃料性状に基づいて制限された狭い領域での
み実行され、やはり安定な運転状態が維持される。
【0015】
【実施例】図2は、本発明に係る気筒数制御内燃機関の
一実施例の構成を示す全体図を示す。
【0016】図2中、符号10は本実施例の気筒数制御
内燃機関の本体である内燃機関を示し、また、符号11
は内燃機関10のシリンダヘッドを示している。シリン
ダヘッド11には点火プラグ12が配設され、シリンダ
13には内燃機関を冷却する冷却水の水温を検出する水
温センサ14が設けられている。この水温センサ14は
冷却水温に応じたアナログ信号を出力し、その信号を後
述の電子制御回路32に供給している。
【0017】符号15は内燃機関の排気孔に連通して設
けられた排気マニホールドを示す。この排気マニホール
ド15には、内燃機関から排出される排気ガス中の酸素
濃度から内燃機関に供給された混合気の空燃比を検出す
るO2 センサ17が設けられている。このO2 センサ1
7はヒータを備えており、所定の電流が通電されると強
制的に活性温度領域にまで昇温する。また、排気マニホ
ールド15の下流側には、排気ガス中の未燃成分や窒化
酸化物を浄化する触媒コンバータ18が設けられてい
る。
【0018】符号19は内燃機関の吸気孔に連通する吸
気マニホールドを示す。この吸気マニホールド19に
は、内燃機関に供給される吸入空気の温度を検出する吸
気温センサ20、アクセルペダル(図示せず)と連動し
て吸入空気量を調整するスロットルバルブ21、スロッ
トルバルブ21に連動し、その開度を検出するスロット
ルセンサ22、及び吸入空気の脈動を吸収するサージタ
ンク23が設けられている。ここで、吸気温センサ20
は吸気温に応じた信号を、スロットルセンサ22はスロ
ットルバルブ21の開度に応じた信号をそれぞれ電子制
御回路32に出力している。
【0019】サージタンク23にはサージタンク23内
の圧力を測定するため吸気圧センサ24が連結されてい
る。この吸気圧センサ24は、サージタンク23内の圧
力、すなわち吸気マニホールド19中を流れる空気の圧
力に応じた電圧信号を電子制御回路32に供給する。
【0020】尚、サージタンク23内の圧力は吸入空気
量に対応した値を示す。つまり、スロットルバルブ21
の開度が小さく吸入空気量が少ない場合サージタンク2
3内の圧力は強い負圧となり、スロットルバルブ21が
開いて吸入空気量が増加するにつれてサージタンク24
内の圧力は大気圧に近づく。従って、吸気圧センサ24
から出力される電圧信号は、サージタンク24内の圧力
に応じた値であると共に、吸気マニホールド19内を流
れる空気量に対応した値となる。
【0021】符号27は燃料を各気筒に対応した吸気マ
ニホールド19中に供給するインジェクタを示す。この
インジェクタ27には燃料ポンプ(図示せず)から所定
の圧力で燃料が供給されている。そして、各気筒が吸気
工程を実行する際に電子制御回路32から供給される電
気信号に応じて燃料噴射孔を開閉する。この際、インジ
ェクタ27の燃料噴射孔からは、開孔時間に応じた燃料
が間欠的に噴射される。従って、燃料噴射孔の開閉デュ
ーティ比が変化すれば、それに伴って所定時間毎に噴射
される燃料の量も変化することになる。
【0022】図2において符号28は、点火に必要な高
電圧を出力するイグナイタを示す。このイグナイタ28
は、電子制御回路32から点火信号が供給されると、そ
のタイミングでディストリビュータ29に高電圧を供給
する。ディストリビュータ29は図示されないクランク
シャフトに連動して、イグナイタ28から供給された高
電圧を各気筒の点火プラグ12に分配する。
【0023】また、ディストリビュータ29には、クラ
ンクシャフトが2回転(内燃機関1サイクル)する間に
所定回数のパルス信号を出力し、電子制御回路32に対
してクランクシャフトの回転角データを供給するクラン
ク角センサ30と、クランクシャフトが2回転する間に
1回のパルス信号を出力し、点火すべき気筒データを供
給するクランク角センサ31とが設けられている。
【0024】そして、電子制御回路32はこれらクラン
ク角センサ30,31から供給される信号に基づいて各
気筒の吸気工程実施時期及び点火時期を算出して、イン
ジェクタ27及びイグナイタ28に所定の信号を供給し
ている。
【0025】次に、電子制御回路32の構成を図3に示
す構成図に基づいて説明する。尚、電子制御回路32
は、後述のプログラムを実行することにより前記した減
筒運転制御手段2,燃料性状検出手段3,運転領域制御
手段4を実現する。
【0026】図3において、符号41は固定データ及び
各種プログラムが格納されるリードオンリメモリ(RO
M)、符号42は各種データの読みだし及び書き込みを
行うランダムアクセスメモリ(RAM)、符号43はR
OM41に格納されているプログラムに基づいて各種の
演算処理を行う中央処理装置(CPU)を示す。
【0027】符号44,45は入出力ポート、符号4
6,47は出力ポート、符号48はマルチプレクサ49
により取り込まれたアナログ信号をディジタル化するA
/D変換器を、また、符号50はクランク角センサ3
0,31からのパルス状の信号を整形する整形回路、符
号51,52は出力ポート46,47から出力される信
号を所定のレベルまで増幅する駆動回路を示す。
【0028】符号53〜58はそれぞれ、水温センサ1
4,吸気温センサ20,スロットルセンサ22,吸気圧
センサ24,O2 センサ17の検出出力を増幅するバッ
ファアンプを示す。また符号59はバッファアンプ58
の出力を波形整形するコンパレータを示す。
【0029】上記の入出力ポート44,45及び出力ポ
ート46,47は、共通バス60を介してROM41,
RAM42,CPU43と接続されており、この共通バ
ス60を介してデータ及び命令の転送が行われる。
【0030】水温センサ14,排気温センサ16,吸気
温センサ20,スロットルセンサ22,吸気圧センサ2
4から電子制御回路32に供給されるアナログ信号は、
バファアンプ53〜57で増幅された後マルチプレクサ
49を介してそれぞれA/D変換器に送り込まれる。そ
して、ディジタル信号化されてCPU43の指令に応じ
てRAM42に格納される。
【0031】O2 センサ17からは、排気ガス中の酸素
濃度に応じて高レベルまたは低レベルの電圧信号が出力
される。コンパレータ59はこの電圧信号を基準電圧と
比較することにより2値化し、ディジタル信号として出
力する。尚、この信号は内燃機関に供給されている混合
気の空燃比が燃料リッチであるか、燃料リーンであるか
を表している。
【0032】クランク角センサ30,31からの信号は
整形回路50で矩形波に整形される。従って、クランク
角センサ30,31から発せられる信号は、図示されな
いクランクシャフトの回転速度に応じた周期の矩形信号
として入出力ポート45に送り込まれる。
【0033】各気筒に対応して設けられた出力ポート4
6は、インジェクタ制御回路を内蔵しており、CPU4
3から送り込まれる噴射パルスのデューティ比に関する
2値化データからそのデューティ比を実現するパルス信
号を形成する。そして、各気筒において吸気工程が実行
される時期に合わせて、そのパルス信号を各駆動回路5
1に出力する。
【0034】各駆動回路51は出力ポート46から供給
されたパルス信号を増幅して各気筒に配設されているイ
ンジェクタ27に送り込みこれらを駆動する。これによ
り各インジェクタ27から各吸気マニホールド15内に
燃料噴射信号のパルス幅に応じた燃料が供給され、所望
の空燃比が実現される。
【0035】尚、ROM41内には、メインルーチンの
プログラムや、前記した減筒運転制御手段,燃量性状検
出手段,運転領域制限手段等を実現するプログラム及び
マップ、又は各種内燃機関制御に用いるプログラム等が
格納されている。以下、これらのプログラムについての
説明に合わせて、本実施例装置の動作についての説明を
行う。
【0036】図4は、前記した減筒運転制御手段、及び
運転領域制限手段を実現するために電子制御回路32が
実行するプログラムのフローチャート(図4(A))
と、参照するマップ(図4(B))を示す。
【0037】本実施例装置において図4(A)に示すル
ーチンが起動すると、先ずステップ100において吸気
圧センサ24の検出値を吸気マニホールド19内の絶対
圧力PMとして読み込む。そして、その値を基に内燃機
関10の負荷状態を推定するため、PMが所定の判定値
KPMSTOPより小さいか否かを判別する。
【0038】ここで、吸気マニホールド19内の絶対圧
力PMは、スロットルバルブ21の開度により決まり、
その開度が小さいほど小さい値を示す変数である。ま
た、スロットルバルブ21の開度は、内燃機関の負荷状
態に応じて変動し、例えば高出力が要求されている状況
下ではその開度を大きくする必要がある。
【0039】つまり、吸気マニホールド19内の絶対圧
力PMは、内燃機関10の負荷状態に応じた変動を示す
ことになり、PMが検出できれば、その値は内燃機関1
0の負荷状態を表す代用特性値として用いることができ
ることになる。
【0040】ところで、スロットルバルブ21の開度
は、運転者により操作されるアクセルペダル(図示せ
ず)に連動して動作する。つまり、一般的には、内燃機
関10にかかる負荷は運転者の意思で変動している。従
って、運転者が高出力を要求している場合、すなわちP
Mが比較的大きい領域においては、内燃機関10から高
い出力を取り出せることが好ましい。
【0041】一方、スロットルバルブ21がほぼ全閉状
態にある場合、すなわち運転者が内燃機関10に対して
殆ど出力を要求していない場合は、内燃機関10はでき
るだけ少ない燃料で運転を持続することのできる構成で
あることが望ましい。
【0042】そこで、本実施例装置においては、内燃機
関10が低負荷状態で運転している場合には、各気筒に
配設されたインジェクタ27のうち一部のインジェクタ
27への燃料供給を休止する構成とした。
【0043】すなわち、ステップ100においてPM<
KPMSTOPが成立した場合は、一部の気筒への燃料
供給を休止する減筒運転を行い(ステップ110)、内
燃機関10に高出力が要求される状況下、すなわちPM
≧KPMSTOPが成立する領域においてのみ全気筒に
よる通常運転を行う(ステップ120)こととした。
【0044】かかる構成の気筒数制御内燃機関におい
て、所定の判定値KPMSTOPの値をどのように決定
するかは、内燃機関10の特性に係わる重要事項であ
る。KPMSTOPが大きすぎると、減筒運転がなされ
る領域が広すぎて、高出力が要求されているにもかかわ
らず減筒運転が解除されない場合が生ずることになり、
またKPMSTOPが小さすぎると減筒運転による燃料
消費量の削減効果を十分に確保できなくなるからであ
る。
【0045】従って、KPMSTOPの値は、減筒運転
下で運転者がアクセルペダルを踏み込んだ際に、円滑に
内燃機関10が通常運転に移行できる領域中に、かつ、
その領域中において最も高い値に設定することが望まし
いことになる。
【0046】ところが、内燃機関10が減筒運転から通
常運転に移行する際の応答性は、内燃機関に供給されて
いる燃料の性状に大きな影響を受ける。気化性の良い燃
料であれば急に燃料供給が開始されても当初から所望の
空燃比を確保できるが、燃料の気化性が悪い場合は、所
望の空燃比が確保できるまでにある程度時間が必要だか
らである。
【0047】つまり、このKPMSTOPの値を従来の
装置のように一義的な値として設定する構成では、燃料
の性状が変化すると、減筒運転から通常運転へ移行する
際の応答性に差異が生ずることになる。特に、燃料に揮
発成分の少ない重質燃料が使用された場合は、内燃機関
10にかかる負荷の急増に対して出力が追従できないと
いう現象が生じ、極めてエンジンストールを起こしやす
い状態となる。
【0048】そこで、本実施例装置は、内燃機関10に
供給される燃料の性状を学習し、学習した燃料性状によ
って上記所定の判定値KPMSTOPの値を変動させて
いる。つまり、上記図4(A)に示すプログラムを実行
する前に、後述の方法で予め燃料性状KFUELを求
め、そのKFUELで図4(B)に示すマップを参照す
ることにより、KPMSTOPを求めることとした。
【0049】図4(B)に示すマップは予めROM41
内に格納されており、燃料が重質になるに従ってKPM
STOPの値が小さくなる関係を表している。従って、
本実施例装置によれば、図5に示すように、燃料性状が
重質になるに従って、より低負荷の状態で減筒運転から
通常運転への切替えが行われる。
【0050】このため、本実施例装置において重質の燃
料が使用された場合(図5(A))には、減筒運転から
通常運転への移行が早期に実行され、実際に内燃機関1
0に対して高い出力が要求される領域では、各気筒にお
いて十分安定した空燃比が確保される。
【0051】また、本実施例装置において軽質燃料が使
用された場合(図5(C))は、その良好な気化性に起
因して、標準燃料が使用された場合(図5(B))に比
べて減筒運転が実行される領域が拡大されている。従っ
て、従来の装置と比べて減筒運転による燃料削減効果の
実効を高めることができる。
【0052】このように、本実施例の気筒数制御内燃機
関によれば、燃料性状の変化に合わせて、減筒運転を行
う領域を常に最適な領域に設定することができ、良好な
ドライバビリティの確保と燃費の向上とを両立すること
ができる。
【0053】次に、本実施例装置における燃料性状の学
習機能について説明するが、それに先立って、燃料性状
の学習に用いるO2 センサ17の活性化判定ルーチンに
ついて説明する。図6は、本実施例の電子制御回路32
が実行するO2 センサ17の活性判定ルーチンのフロー
チャートを示す。
【0054】本実施例装置においてイグニッションスイ
ッチ(IGスイッチ)がオンとなると、O2 センサ17
のヒータに通電が開始されると共に、O2 センサ活性化
判定ルーチンが起動する。本ルーチンにおいては、先ず
クランク角センサ31の出力信号を基に、内燃機関10
が停止しているか否かをみる(ステップ200)。
【0055】まだ内燃機関10が始動していない場合
は、ステップ210へ進み、ヒータ通電開始後60秒が
経過しているか否かをみる。本実施例装置に用いたO2
センサ17はヒータに60秒の通電がなされると活性温
度領域に達するからである。そこで、未だヒータ通電後
60秒が経過していない場合には、ステップ220へ進
み、O2 センサ活性判定フラグXOXACTに、O2
ンサ17が活性化されていないことを表す“0”をセッ
トして今回の処理を終了する。
【0056】また、上記ステップ200において、内燃
機関10がすでに始動を開始していると判別された場合
はステップ230へ進み、内燃機関10の始動後30秒
が経過しているか否かを判別する。内燃機関10が始動
している場合、O2 センサ17はヒータに加えて排気ガ
スの熱によっても加熱され、30秒が経過すれば活性化
温度領域に達するからである。
【0057】従って、上記ステップ210において60
秒が経過したと判別された場合、及び上記ステップ23
0において30秒が経過したと判別された場合は、次い
でステップ240へ進み、O2 センサ活性判定フラグ
に、O2 センサ17が活性化されたことを表す“1”を
セットして今回の処理を終了する。
【0058】また、上記したようにO2 センサ17に付
加されたヒータへの通電は、IGスイッチがオンとなる
と同時に行われる。このため、IGスイッチがオンとな
ってしばらく後に内燃機関10が始動されたような場合
は、内燃機関10の始動後30秒が経過する前にO2
ンサ17が活性化温度領域に達する場合がある。
【0059】ところでO2 センサ17は、排気マニホー
ルド15内の酸素量に応じた出力信号を発するセンサで
あり、活性化温度領域に達している場合は、雰囲気の空
燃比が理論空燃比(14.6)に比べて大きい(リー
ン)か小さい(リッチ)かにより大きく出力を変動させ
るセンサである。そして、活性化温度領域に達していな
い場合は、常にリーン信号を発する。
【0060】一方、内燃機関10が始動した直後におい
ては、冷却水の温度が低く内燃機関10の運転状態が不
安定になり易く、一般にそれを補正するため燃料増量補
正が行われる。つまり、内燃機関10の始動後30秒が
経過するまでの間に内燃機関10の各気筒に供給される
混合気の空燃比は必ずリッチ状態である。
【0061】そこで、上記ステップ230で内燃機関1
0の始動後30秒未経過と判別された場合はステップ2
50へ進み、O2 センサ17の出力がリッチであるか否
かを判別し、その出力がリッチである場合にはO2 セン
サ17は活性化されたと判断してステップ240へ進む
こととしている。
【0062】尚、ステップ250においてO2 センサ1
7の出力がリーンであると判別された場合は、そのまま
今回の処理を終了する。そして、以後ステップ230に
おいて内燃機関10の始動後30秒が経過したと判別さ
れるまで、またはステップ250においてO2 センサ1
7の出力がリッチであると判別されるまで、繰り返し上
記の処理を実行する。
【0063】以下、図7に示すフローチャートに沿っ
て、前記した燃料性状検出手段を実現する燃料性状学習
ルーチンについて説明する。
【0064】図7に示す処理が起動するとステップ30
0において、上記O2 センサ活性化判定ルーチンにおい
て設定したXOXACTフラグの値をみる。本実施例装
置においては、O2 センサ17で検出されるリッチ信号
またはリーン信号に基づいて内燃機関10に供給される
燃料の性状を判断するからである。従って、XOXAC
T=“0”であると判別された場合は、何ら燃料性状の
学習を行わずに今回の処理を終了する。
【0065】上記ステップ300においてXOXACT
=“1”と判別された場合は、ステップ310へ進み、
今度は空燃比(A/F)フィードバック制御が行われて
いるか否かを見る。A/Fフィードバック制御とは、内
燃機関10から排出される排気ガスの空燃比を理論空燃
比付近で変動させることにより、触媒コンバータ18の
排気ガス浄化機能を効果的に発揮させるために行う制御
である。
【0066】つまり、触媒コンバータ18は、排気ガス
が理論空燃比に比べて酸素過多である場合に発生する窒
化酸化物等から酸素を奪い、その酸素を、酸素過少時に
生じる一酸化炭素等に供給することにより、排気ガス中
に含まれる酸化物及び未燃成分を有効に浄化する性質を
有している。
【0067】従って、触媒コンバータ18による排気ガ
ス浄化機能が有効に作用するためには、排気ガスの空燃
比が理論空燃比を中心として振動することが望ましく、
A/Fフィードバック制御は、この要求を実現する手段
として一般に行われている制御である。
【0068】ところが本実施例装置においては、後述の
ように内燃機関10に所定空燃比の混合気を供給し、そ
の際にO2 センサ17で検出される空燃比を基に燃料性
状を検出しようとするものである。このため、ステップ
310においてA/Fフィードバック制御が行われてい
ると判別された場合は、燃料性状の学習ができないと判
断してそのまま今回の処理を終了することとしている。
【0069】一方、A/Fフィードバック制御は、上記
したように内燃機関10に供給される空燃比を理論空燃
比付近に制御する構成である。従って、燃料増量補正や
燃料カットが行われている場合は、A/Fフィードバッ
ク制御が行われることはない。
【0070】更に、内燃機関10に供給される燃料の性
状の差が最も顕著に現れるのは、燃料が気化し難い状況
にある場合、すなわち内燃機関10の暖機が終了する前
である。そこで、本実施例装置においては、ステップ3
10においてA/Fフィードバック310がが行われて
いないと判別された場合にのみ燃料性状学習の準備を行
うべくステップ320へ進み、O2 センサ17の出力を
表すフラグXOXが“1”、すなわちリッチであるか否
かを判別することとした。
【0071】ここで、今回の処理が実行される際に内燃
機関10に供給される燃料は、水温センサ14,吸気温
センサ20,スロットルセンサ22,吸気圧センサ24
等の検出値を基に電子制御回路32で演算された量であ
り、始動直後であることからその空燃比は燃料リッチと
なっているはずである。
【0072】従って、O2 センサ17で検出される空燃
比がリッチである場合は、内燃機関10に供給されてい
る燃料が適度な気化性を有していると判断できる。この
ためその状態を放置しても燃料性状が問題とることはな
く、各気筒のインジェクタ27には、所定の空燃比を実
現すべく演算された燃料噴射時間TAUに応じた開弁信
号を、そのまま供給すれば十分である。
【0073】これに対してXOX=“0”(リーン)で
あると判別された場合は、電子制御回路32で演算され
た基準のTAUによっては所望の空燃比が達成できない
程度に燃料が重質であると判断することができる。つま
り、この燃料を用いて理論空燃比を達成するためには燃
料性状に応じた補正をTAUに加える必要が生ずること
になる。
【0074】そこで、ステップ320においてXOX=
“0”と判別された場合はステップ330へ進み、燃料
性状学習値KFUEL1を所定の補正量αだけ増加させ
る。このKFUEL1は、基準となる燃料噴射時間TA
Uを燃料性状に応じて補正するための係数であり、ステ
ップ340で燃料噴射時間TAUと積算される係数であ
る。従って、本ルーチンが次回実行される際のTAU
は、今回のTAUに比べて長時間となり、内燃機関10
に供給される混合気の空燃比は、今回の処理時に比べて
リッチ側に移行することになる。
【0075】以後、本ルーチンが実行されると、ステッ
プ320においてXOX=“1”と判別されるまでステ
ップ330が繰り返し実行され、燃料性状が重質である
ほどKFUEL1は大きな値となる。そして、混合気の
空燃比がリッチとなり、ステップ320においてXOX
=“1”と判別されるに至った場合はステップ350へ
進み、前回処理時におけるO2 センサ17の出力を表す
XOXOフラグが“0”(リーン)であるかを見る。
【0076】ステップ320において今回始めてXOX
=“1”が成立したような場合は、当然に前回のO2
ンサ17の出力はリーンであり、XOXO=“0”が成
立する。従って、ステップ350においてXOXO=
“0”と判別された場合は、その時点のKFUEL1の
値を、燃料性状を補正して理論空燃比を確保し得る燃料
性状学習値として記憶する。
【0077】ところで、内燃機関10の始動直後におい
ては、上記したように燃料リッチな混合気を供給すべく
TAUの値が演算されている。従って、本実施例におい
て学習される燃料性状学習値KFUEL1の値は、基準
となるTAUを補正して燃料リッチな混合気を実現し得
る値である必要がある。
【0078】そこで、理論空燃比を確保し得る燃料補正
係数KFUEL1を記憶したら、続いてステップ360
へ進み、そのKFUEL1に所定の補正係数β(β>
1)を積算し、始動直後における正規の空燃比を実現し
得る新たな燃料性状学習値KFUEL1を算出すること
としている。そして、この新たなKFUEL1を用いて
低温時における燃料増量補正を実現し得るTAUを演算
して(ステップ340)今回の処理を終了する。
【0079】尚、上記ステップ360において空燃比を
リッチとするKFUEL1を演算しているため、次回以
降本ルーチンが起動した際にはステップ320で必ずX
OX=“1”と判別される。従って、以後ステップ35
0においてXOXO=“0”と判別されることはなく、
上記ステップ360において演算された新たなKFUE
L1の値は以後変動することはない。
【0080】このように上記の例によれば、内燃機関1
0に供給される燃料が重質であって標準燃料と比べて気
化性が大幅に劣っている場合、その性状に応じた燃料性
状学習値KFUEL1が確実に演算される。従って、上
記図4(B)に示すマップをKFUEL1で参照すれ
ば、使用されている燃料の性状に応じて、安定した減筒
運転を維持し得る判定値KPMSTOPを求めることが
できる。
【0081】ただし、本ルーチン処理における燃料性状
学習値KFUEL1の補正は、始動直後における混合気
が燃料リッチに制御されるべきことを利用して行われ
る。このため、燃料が過度に良好な気化性を示す場合に
もKFUEL1をリーン側へ向けて補正することができ
ない。
【0082】つまり、KFUEL1の補正は常にリッチ
側に向けて行われ、イニシャル時にクリアする構成とし
ないと、KFUEL1の値がリッチ側に発散してしまう
ことになる。このため、本ルーチン処理が適用される気
筒数制御内燃機関においては、KFUEL1は始動時に
クリアされ、重質燃料が使用される場合は常に、始動直
後において燃料リーンな混合気が供給されることにな
る。
【0083】図8は、本実施例装置において燃料性状検
出手段を実現する他のルーチン処理例のフローチャート
を示す。図8に示す例は、燃料性状の差異が内燃機関1
0の冷間加速時に顕著であることに着目して燃料性状の
学習を行うルーチン処理であり、燃料性状学習値をリッ
チ側のみならずリーン側へも補正可能としたものであ
る。
【0084】この処理が起動すると、先ずステップ40
0,410において上記図7におけるステップ300,
310と同様の処理を実行する。そして、O2 センサ1
7が活性化されており(XOXACT=“1”)、かつ
A/Fフィードバック制御が実行されていないと判別さ
れた場合だけステップ420へ進む。
【0085】ステップ420及びステップ430では、
上記ステップ410(ステップ310)と同様の趣旨に
よりフューエルカット中であるか否か、またはオーバテ
ンプラチャ(OTP)増量中であるか否かが判別され
る。
【0086】ここでフューエルカットとは、例えば内燃
機関10が所定機関回転数以上で運転している際にスロ
ットルバルブ21が全閉となった場合に、燃料消費量削
減を目的として行われる処理である。またOTP増量と
は、内燃機関10の負荷が高い領域において排出される
排気ガス温を低下させて排気系が過熱状態となるのを防
止するために行われる燃料の増量補正である。
【0087】これらの燃料噴射量の補正が実行されてい
ない場合は、燃料性状を学習すべくステップ440へ進
み、後述のカウンタCDPC1≧1が成立しているか否
かをみる。CDPC1はイニシャル時にクリアされてお
り、今回の処理が初回であるとするとCDPC1≧1は
成立せず、ステップ450へ進むことになる。ステップ
450では、内燃機関10が加速状態であるか否かの判
別を行う。尚、本実施例においては、吸気圧センサ24
の検出値が急激に増加した場合に、加速判定が成立する
こととしている。
【0088】ここで、内燃機関10が加速中であるか否
かを判別するのは、燃料性状の差が冷間加速時において
顕著に現れるからである。従って、ステップ450にお
いて加速判定が成立していないと判別された場合は燃料
性状の学習には不敵であると判断して、カウンタCDP
C1及び後述のカウンタCDPC2を“0”にリセット
して(ステップ460)今回の処理を終了する。
【0089】一方、上記ステップ450において加速判
定が成立している場合は、燃料性状の学習が開始され、
ステップ465において先ずカウンタCDPC1をイン
クリメントする。従って、以後図8に示すルーチンが起
動されてステップ440が実行される場合は、必ずCD
PC1≧1が成立すると判別され、ルーチンの起動毎に
CDPC1がインクリメントされることとなる。つま
り、本ルーチンにおけるカウンタCDPC1は、内燃機
関10の加速判定が成立してからの経過時間を計測する
カウンタを構成していることになる。
【0090】ステップ470では、CPDC1が所定時
間γを越えているか否かを判別し、CDPC1がまだ所
定時間γを越えていない場合はそのまま処理を終了す
る。また、CDPC1が所定時間γを越えている場合は
ステップ480へ進み、今度はCDPC1が所定時間τ
より小さいか否かを判別する。
【0091】そして、CDPC1がτより小さいと判別
された場合には、ステップ490へ進んでO2 センサ1
7の出力状態を表すフラグXOXが“1”であるか否か
をみる。つまり本ルーチンにおいては、上記ステップ4
50において加速判定が成立すると判別されてからγ<
CDPC1<τが成立する間は、ルーチンの起動毎にス
テップ490が実行され、XOXの値に基づいてその時
点における混合気がリッチであるかリーンであるかが判
別されることになる。
【0092】そして、混合気がリッチ(XOX=
“1”)であると判別された場合はステップ500に進
んでカウンタCDPC2をデクリメントし、また混合気
がリーン(XOX=“0”)であると判別された場合は
ステップ510へ進んでCDPD2をインクリメントし
て今回の処理を終了する。
【0093】つまり、本ルーチンにおけるカウンタCD
PC2は、加速判定が成立してから後γ<CDPC1<
τが成立する期間中における混合気の空燃比が、全体に
リッチ側に偏っていた場合は負の値を、また全体にリー
ン側に偏っていた場合は正の値を示すことになる。
【0094】ところで、内燃機関10が加速状態となり
過渡的に吸入空気量が増加すると、供給される混合気を
理論空燃比付近に維持すべく単位時間当たりの燃料噴射
量が増量される。しかし、過渡状態にある内燃機関10
に供給される混合気は、吸入空気量と燃料噴射量との関
係で一義的に決まるものではなく、供給される燃料の気
化性によって実際に達成される空燃比には大きな差異が
生ずる。
【0095】良好な気化性を有する燃料であれば過渡状
態においても“噴射量=混合気中の燃料成分”が近似的
に成立する一方、燃料が重質である場合は吸入空気量の
増加に合わせて噴射量を増加しても、気化に時間を要す
る分だけ常に燃料が不足した状態となるからである。
【0096】このため、燃料が予定していた気化性を発
揮しない場合は、内燃機関10が加速状態となると混合
気はリーン側に偏った空燃比を示すことになり、また燃
料が予定以上に良好な気化性を発揮する場合には、リッ
チ側に偏った空燃比を示すことになる。
【0097】従って、上記ステップ500及び510に
おいてデクリメントまたはインクリメントされたカウン
タCDPC2の値が負の値を示していれば、内燃機関1
0に供給されている燃料は、予定以上に軽質であると判
断することができ、またCDPC2が正の値を示してい
る場合は、予定以上に重質の燃料が供給されていると判
断できることになる。
【0098】ただし、本ルーチンにおいては頻繁に燃料
性状学習値が変更されるのを防止するため、後述のよう
にリッチ判定値θ及びリーン判定値υを用いて、θ≦C
DPC2≦υが成立する場合は燃料性状学習値の変更は
行わない構成としている。
【0099】尚、本ルーチンにおいて空燃比の計測時期
をγ<CDPC1<τに限定しているのは、内燃機関1
0が加速状態となった後、その過渡状態の影響が最も顕
著に現れる時期にのみ空燃比の計測を行う趣旨である。
【0100】このため、上記ステップ480においてC
DPC1が所定時間τに達したと判別された場合は、そ
の時点でカウンタCDPC2の値を確定して図9に示す
ステップ520へ進み、CDPC2が所定のリッチ判定
値θより小さいか否かを判別する。
【0101】そして、CDPC2<θが成立した場合
は、内燃機関10に供給されている燃料が予定していた
よりも軽質であると判断してステップ530へ進み、例
えば8ビットで構成される燃料性状学習値KFUEL2
をデクリメントする。以後ステップ540へ進み、次回
の処理に備えてカウンタCDPC1及びCDPC2を
“0”にリセットして今回の処理を終了する。
【0102】また、θ≦CDPC2が成立する場合はス
テップ550へ進みυ<CDPC1が成立しているか否
かの判別を行う。そして、υ<CDPC1が成立してい
る場合は燃料性状が予定していたよりも重質であると判
断してステップ560へ進み、燃料性状学習値KFUE
L2をインクリメントし、またCDPC2≦υである場
合は何らの処理も行わずにステップ540を実行して処
理を終了する。
【0103】このように、本ルーチンによれば、内燃機
関10に供給される燃料の性状に応じて、燃料性状が重
質である場合はKFUEL2が大きく、また燃料性状が
軽質である場合はKFUEL2が小さく変更される。こ
のため、KFUEL2がリッチ側またはリーン側に発散
することがなく、上図7に示すルーチン処理と異なりイ
ニシャル時に燃料性状学習値をクリアする必要がない。
【0104】従って、内燃機関10に供給される燃料の
性状が変化しない限り、内燃機関10の始動直後におい
て燃料性状学習値が、実際の燃料性状に対して大幅にず
れることがない。このため、本実施例の気筒数制御内燃
機関に本ルーチンを適用すれば、始動直後から実情に合
った判定値KPMSTOP(図4参照)を特定できる可
能性が広がり、より安定した減筒運転が可能となる。
【0105】尚、上記図8,9に示すルーチン処理によ
り求めた燃料性状学習値KFUEL2は、最小位ビット
(LSB)の意味する物理量を乗算することにより燃料
噴射時間TAUの補正係数とすることができる。従って
上記図7に示すルーチン処理と同様に、燃料性状学習値
KFUEL2を用いて、燃料性状に応じた最適な燃料噴
射時間TAUを演算することもできる。
【0106】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、内燃機関1
に供給される燃料の性状に応じた燃料性状学習値に基づ
いて減筒運転が行われる領域が変動する。このため、燃
料性状によらず全ての運転領域で内燃機関1の安定性が
確保され、減筒運転から通常運転への移行も常にスムー
ズに行うことが可能となる。
【0107】このため、本実施例によれば、減筒運転に
よる燃費向上効果を確保しつつ、内燃機関1の全運転領
域において常に良好なドライバビリティを確保すること
ができる。また、従来の装置と比べて失火が抑制される
ことに起因して、排気エミッションが向上すると共に内
燃機関1や排気系等の受けるダメージが低減されるとい
う特長を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る気筒数制御内燃機関の原理図であ
る。
【図2】本発明に係る気筒数制御内燃機関の一実施例の
構成を表す全体図である。
【図3】本実施例の電子制御回路の構成を表すブロック
図である。
【図4】本実施例において減筒運転制御手段及び運転領
域制限手段を実現するために行うルーチン処理の一例の
フローチャートと、ルーチン処理に用いるマップの一例
を示す図である。
【図5】本実施例の動作を説明するための図である。
【図6】本実施例においてO2 センサの活性化を判断す
るために行うルーチン処理の一例のフローチャートであ
る。
【図7】本実施例において燃料性状検出手段を実現する
ために行うルーチン処理の一例のフローチャートであ
る。
【図8】本実施例において燃料性状検出手段を実現する
ために行うルーチン処理の他の例のフローチャート(そ
の1)である。
【図9】本実施例において燃料性状検出手段を実現する
ために行うルーチン処理の他の例のフローチャート(そ
の2)である。
【符号の説明】
1,10 内燃機関 2 減筒運転制御手段 3 燃料性状検出手段 4 運転領域制限手段 17 O2 センサ 22 スロットルセンサ 24 吸気圧センサ 27 インジェクタ 32 電子制御回路

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の運転領域で運転している場合に
    は、複数の気筒のうち一部の気筒への燃料供給を休止す
    る気筒数制御内燃機関において、 前記気筒に供給される燃料の性状を検出する燃料性状検
    出手段と、 該燃料性状検出手段で検出された燃料性状が重質になる
    に従って、前記所定の運転領域を縮小する領域縮小手段
    とを有することを特徴とする気筒数制御内燃機関。
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