JP3057334U - 木造建築の「柱と梁」「梁と梁」の接合金物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】日本の住宅は、価格が高いと国内外より問題視
されている。その構造体である軸組をコストダウンする
ためには 一定の強度を保ちながら より小径の部材を
容易に加工、接合する方法が第一に必要だと考える。そ
こで 一種類の金物で ９０ｍｍ以下の角柱に同じ高さ
で四方の梁が接合できるものの開発が本考案の目的であ
る。 【構成】本考案の木造建築用接合金物は 鋳物製でその
構成は 柱に接合するための二つの円筒と梁に接合する
プレートである。 本金物を上下逆使いする事により柱
内部で交錯することなく柱の四方に接合が可能で かつ
同じ高さで梁を受けることができる。 また 二つの円
筒の位置関係は中心より各々左右にずらすことで荷重の
分散をはかった。本金物により小径の部材が接合でき
る。

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は木造建築などにおける「柱と梁」「梁と梁」を接合する金具に関する ものである。

（従来の技術） 従来の木造建築に使われている接合金物は鉄板を加工、溶接したものでボルト、 ナットで固定していた。よって鉄板の厚さ、ボルト、ナットの突起物を生じ 受 材側に余分な加工が発生した。また、柱に折りがね二方、四方の梁を受けるとき お互いのボルトを避けるための加工、あるいは受け材側の形状を変えることが必 要なため別途注文でつくるため複雑なうえコスト高であった。

（実施例） 本考案を第６，７図に示す実施例に基づいて説明する。まず 本金物は鋳物製で あるため加工、溶接等の行程は発生せず型に溶液を流し込み養生するだけの製造 工程である。また、固定にはボルト、ドリフトピンを使用する。

円筒形仕口の加工：円筒形の径およびボルトの径の２種類のキリで穴あけする。

（第６図中２９，３１は円筒形用の穴、３０，３２派ボルト用の穴） 円筒形仕口の固定：メスネジ加工を内部に施された円筒形を上記の仕口に差込み ボルトをドリルでしめる。この時ボルトの頭は木材にめり込む。

ブレート形仕口加工：プレートの厚さ、幅のスリットを丸ノコまたはチェンソー にて、ドリフトピン穴をキリで穴あけ加工する。

プレート型仕口の施工：プレートにスリット部分を落とし込みピン穴にドリフト ピンを打ち込み接合する。

（考案の効果） この考案は 木造建築でもっとも重要でかつ技術を要する仕口接合部分を本接合 金物を使用することにより （１）木材の仕口加工が大きく高度な機械設備や技術を用いずに一般的な日常工 具と刃物で容易にできる。

（２）従来の複雑で他種類の金具を用いることなくこのひとつで横架材のすべて が接合できるから単純である。

（３）金具の取り付けから梁の接合までが容易である。

上記により木造建築費が加工、施工、管理面においてコストダウンできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の接合金物の立面図 第２図は上下を反転した立面図 第３図は本考案の接合金物の側面図 第４図は上下を反転した側面図 第５図は平面図 １は上部固定側の円筒形メスネジ ２は下部固定側の円
筒形メスネジ ３は作用側のプレート ４，５，６，
７，８は作用側のドリフトピン穴 ９は１内のメスネジ
１０は２内のメスネジ 第６図は本考案の接合金物の実施分解斜視図 第７図は斜視図（一部梁を透視した斜視図） １１，１２，１３，１４は本考案の接合金物 １５，
１６はボルト １７，１８，１９はドリフトピン
２０は柱 ２１，２２，２３，２４は梁 ２５，２
６．２７はトリフトピン穴 ２８はスリット ２
９，３１は円筒形メスネジの仕口穴 ３０，３２はボ
ルト穴 ３３，３４はメスネジ穴

【手続補正書】

【提出日】平成１０年１０月７日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】実用新案登録請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【実用新案登録請求の範囲】

【０００１】 柱に固定する突起は円筒形で 上部と下
部の二つであり 各々が中心より左右にずれて位置し
加わる過重が同一直線上にない。

【０００２】 柱に固定する突起内にはメスネジを施し
柱内部に埋め込んで接合できる。

【０００３】 梁を固定するプレートは 上下対照で
ドリフトピンを受けるピン穴を有する。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 この考案は第１図〜第５図に示すように２本の円筒形
   （第１図〜第５図中の１，２）固定側と１枚のプレート
   形（第１図〜第５図中の３）の作用側から構成される鋳
   物製の木造建築用の接合金物である。 （１）第１図と第２図に示すように 円筒形１，２は上
   下非対称に位置するがプレート形３の形状は上下対称で
   ある。よって柱に折りがね方向に接合するときは 第６
   図、第７図にに示すように本金物を上下反転することに
   より交差して固定できる。かつ作用側は四方を同じ形
   状、同じ高さに接合することができる。 （２）本金物の固定方法はネジ式とする。第６図に示す
   ように本金物１４と柱２０は１５，１６のボルトにより
   本金物１４のメスネジ３３，３４に緊結される。この位
   置は第３図に示すように３を中心として１は左側にずれ
   る位置かつ９は１内において左側にずれ位置する。一方
   ２は右側にずれて位置する。これにより第６．７図のよ
   うに四方接合のとき１１，１２，１３，１４の金具が２
   ０内において より少ない欠損で各々が独立し均一した
   強度を維持できる。 （３）第１図に示す９，１０は１，２内にありメスネジ
   となっている。よって第７図に示すように本金具の固定
   側はに埋め込まれプレート以外は突起物を生じないこと
   により２１，２２，２３，２４の梁はスリット加工と２
   ５，２６，２７のドリフトピン加工のみで緊結できる。 以上 本金物の形状と機能の全体を本考案とする。