JP3056923B2 - 水溶性フィルム - Google Patents
水溶性フィルムInfo
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Description
業用添加剤を包装するための水溶性フィルムに関するも
のである。
剤、界面活性剤などの薬剤を包装しておき、この包装の
まま水に投入して溶解させ、薬剤を水に分散乃至溶解さ
せるために使用される。したがって水溶性フィルムは、
薬剤を包装する作業のやりやすさとともに、水に対して
素早い溶解性が要求される。
ルム(発酵天然高分子)、ゼラチン(半合成蛋白質誘導
体)、ヒドロキシプロピルセルロース・ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロース・ヒドロキシエチルセルロース・
メチルセルロースといったセルロース誘導体、及びポリ
ビニルアルコールを基材とするフィルムがあげられる。
安く大量に製造できる。ポリビニルアルコールフィルム
は、通常、水蒸気を通し、酸素、窒素、及び炭酸ガスを
通さず、油脂類や有機溶剤に対して不溶である。またこ
のフィルムは熱可塑性であるために100〜200度の
温度で強くプレスする方法、ヒートシールが可能である
という特徴を持っている。他の特徴には、例えば薬剤の
包装、充填が非常に簡易であること、透明で包装内容物
が観察しやすいこと、表面に鮮明な印字・印刷が可能で
あることがあげられる。このフィルムは、強度的にも非
常に優れ、30ミクロンの厚みでも1Kgf/mm2 以上の強
度があり、引張り時の伸度も大きいことから包装用フィ
ルムとしても非常に実用的であり、広く用いられてい
る。
ルアルコールフィルムが最も優れている点は冷水に対す
る素早い溶解性である。ポリビニルアルコールの水に対
する溶解度や溶解速度は、重合度または製造工程での酢
酸基を水酸基に変える反応、けん化度の調整によって容
易に制御される。このためポリビニルアルコールは水溶
性フィルムの成分として非常に有効である。近年では、
水溶性フィルムの用途が広がるにつれ、フィルムの溶解
時間の短縮が要望されるようになってきた。この溶解時
間は、一般的にはポリビニルアルコールの重合度、得ら
れたフィルムの厚みによって左右され、重合度を小さく
するか、フィルムの厚みを薄くすることで短縮される。
必要以上に重合度を低くしたり、フィルムの厚みを薄く
したりするとフィルム強度が低下してしまうので、重合
度は5〜30、厚みは20ミクロン以上に保たれるのが
通常である。また冷水への溶解性は、ポリビニルアルコ
ールのけん化度によって左右され、けん化度が80〜9
0モル%で最良となる。
て薬剤を袋の中に包み込み、このまま水中に投入する
と、フィルムが溶解して、薬剤が水中に分散する。この
ポリビニルアルコールフィルムの溶解には、撹拌装置を
利用する場合と撹拌装置を利用しない場合がある。ポリ
ビニルアルコールフィルムを撹拌装置のある容器の水中
に投入すると、水中で湿潤しているフィルムは撹拌装置
による外圧をうけて速やかに破袋する。この破袋によっ
て包装されている薬剤は、水中に素早く分散する。ポリ
ビニルアルコールフィルムを撹拌装置のないタンクやホ
ッパー、プールなどの水中に投入すると、フィルムは撹
拌装置による外圧がないので表面から徐々に溶解し、破
袋するまでが非常に遅い。したがって包装されている薬
剤が水中へ分散するには、非常に長い時間がかかってい
た。
解決するためなされたもので、薬剤等を包み込んでいる
袋状のフィルムを無撹拌で静置された容器の水中へ投入
した場合でも、速やかに破袋し、包装されている薬剤の
分散が素早く、しかも包装性、強度的に優れた水溶性フ
ィルムを提供することを目的とする。
めになされた本発明の水溶性フィルムは、水不溶性の低
置換度ヒドロキシアルキルセルロースと水溶性のポリビ
ニルアルコールを主成分に含んでいる。このヒドロキシ
アルキルセルロースとしては、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシブチ
ルセルロースが好適である。
は、水酸化ナトリウムを触媒とし、高純度パルプにアル
キレンオキサイドを置換反応させて得られる。高純度パ
ルプに置換するヒドロキシアルコキシル基は膨潤に適し
た置換率があり、ヒドロキシプロポキシル基を例にすれ
ば、置換率は7〜16%が好ましい。置換率がこの範囲
内のとき、ヒドロキシプロピルセルロースは膨潤しやす
くなる。この膨潤によってフィルムは破られる。置換率
が7%以下では、ヒドロキシプロピルセルロースは膨潤
度が低いためにフィルムを破るには十分な効果を得られ
ないし、置換率が16%以上であるとこれも膨潤度が低
くなり、さらに置換率を上げると最後は水溶性となるの
で、破袋を速やかにするには適さない。
酸ビニルを加水分解することによって得られる。この加
水分解はポリ酢酸ビニルの酢酸基を水酸基に変えるけん
化反応である。ポリビニルアルコールの溶解性は、けん
化度、重合度によって左右される。けん化度80〜90
モル%のときに、ポリビニルアルコールの冷水に対する
溶解性は最も高くなる。けん化度がこの範囲以外のと
き、ポリビニルアルコールの冷水に対する溶解性は低下
してしまう。水溶性のポリビニルアルコールの重合度は
5〜30が好ましい。重合度が5以下では、ポリビニル
アルコールの溶解性は高くなるが、ポリビニルアルコー
ルをフィルム化したときの強度は低下するためフィルム
として扱いにくい。重合度が30以上では、フィルム強
度は高くなるが溶解性は低下するため適当でない。
ポリビニルアルコールとの重量比は1:99〜80:2
0であることが望ましい。低置換度ヒドロキシアルキル
セルロースの重量比が1/99より低い場合、フィルム
の溶解時間が長くなり、水に対する溶解性という面から
好ましくない。逆に低置換度ヒドロキシアルキルセルロ
ースの重量比が80/20より高い場合、フィルムの強
度及び透明性が低下し、さらにヒートシールの効果が弱
まり、包装性という面から好ましくない。
造られる。予め水で希釈したポリビニルアルコールに低
置換度ヒドロキシアルキルセルロースを加えて混合する
か、低置換度ヒドロキシアルキルセルロースとポリビニ
ルアルコールとを同時に水に投入、混合して混合分散水
溶液を調製する。混合分散水溶液のポリビニルアルコー
ルの濃度は、3〜15重量%が好ましい。3重量%以下
では水溶液を撹拌しないと、水不溶性の低置換度ヒドロ
キシアルキルセルロースが水溶液中に沈殿していってし
まう。15重量%以上では、均一なポリビニルアルコー
ル水溶液をつくるのが難しい。この混合分散水溶液を平
面上で流出させ、乾燥させることによって水溶性フィル
ムを得ることができる。
置換度ヒドロキシアルキルセルロースを主成分とする水
溶性フィルムを袋状にし、袋の中に薬剤等を包み込み、
このまま水中へ投入したとき、低置換度ヒドロキシアル
キルセルロースは膨張してフィルムを破袋する。破袋に
よってフィルムに包装されていた薬剤が水中へ速やかに
分散する。
バールP−18(けん化度88モル%,重合度18)5
0重量%と、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースと
して信越化学工業株式会社製L−HPC LH−31
(ヒドロキシプロポキシル基10.0〜12.9%)5
0重量%とを混合して水中に投入し、混合分散水溶液を
調製した。この混合分散水溶液をポリエチレンテレフタ
レート(PET)フィルム上で流出させ、乾燥させるこ
とによって水溶性フィルムを得た。
度、フィルム破膜時間を測定した。フィルムの厚みは3
1ミクロン、引張り強度は1.5 Kgf/mm2 であった。フィ
ルム破膜時間は、水が入っている静置したビーカー内
に、20mm角のフィルムを静かに投入して、フィルム
が破れるか、溶解して分散するまでの時間とした。水温
20度でのフィルム破膜時間は5秒であった。
1を10重量%にして混合分散水溶液を調製した。これ
以外の条件は実施例1に準ずるものとした。フィルムの
厚みは30ミクロン、引張り強度は1.8 Kgf/mm2 、水温
20度でのフィルム破膜時間は10秒であった。
1を1重量%にして混合分散水溶液を調製した。これ以
外の条件は実施例1に準ずるものとした。フィルムの厚
みは32ミクロン、引張り強度は2.0 Kgf/mm2 、水温2
0度でのフィルム破膜時間は30秒であった。
た。これ以外の条件は実施例1に準ずるものとした。フ
ィルムの厚みは30ミクロン、引張り強度は2.0Kgf/mm2
、水温20度で、フィルムは120秒経過しても破膜
しなかった。
−18とL−HPC LH−31の重量%及びフィルム
の各種物性値を表1に示す。
ピルセルロースであるL−HPCLH−31の重量%が
高いフィルムほど、フィルム破膜時間が短くなってお
り、分散性は大きくなるということがわかる。
溶性フィルムは、分散性が優れている。このため薬剤を
包み込んでいる袋状のフィルムを、無撹拌、静置された
容器の水中へ投入した場合でも、包装されている薬剤の
分散放出を速やかにおこなうことができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 水不溶性の低置換度ヒドロキシアルキル
セルロースと水溶性のポリビニルアルコールを主成分と
して含むことを特徴とする水溶性フィルム。 - 【請求項2】 前記ヒドロキシアルキルセルロースが、
ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセル
ロース、ヒドロキシブチルセルロースである請求項1に
記載の水溶性フィルム。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP5260937A JP3056923B2 (ja) | 1993-10-19 | 1993-10-19 | 水溶性フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP5260937A JP3056923B2 (ja) | 1993-10-19 | 1993-10-19 | 水溶性フィルム |
Publications (2)
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JPH07113023A JPH07113023A (ja) | 1995-05-02 |
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Family
ID=17354850
Family Applications (1)
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JP5260937A Expired - Fee Related JP3056923B2 (ja) | 1993-10-19 | 1993-10-19 | 水溶性フィルム |
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Families Citing this family (2)
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---|---|---|---|---|
JP3920075B2 (ja) * | 2001-11-05 | 2007-05-30 | レンゴー株式会社 | 熱可塑性セルロースシート、セルロース容器、及び熱可塑性セルロースシートの製造方法 |
US20080260836A1 (en) * | 2007-04-18 | 2008-10-23 | Thomas James Boyd | Films Comprising a Plurality of Polymers |
-
1993
- 1993-10-19 JP JP5260937A patent/JP3056923B2/ja not_active Expired - Fee Related
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