JP3056923B2 - 水溶性フィルム - Google Patents

水溶性フィルム

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば農薬、洗剤、工
業用添加剤を包装するための水溶性フィルムに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】水溶性フィルムは、農薬、殺虫剤、殺菌
剤、界面活性剤などの薬剤を包装しておき、この包装の
まま水に投入して溶解させ、薬剤を水に分散乃至溶解さ
せるために使用される。したがって水溶性フィルムは、
薬剤を包装する作業のやりやすさとともに、水に対して
素早い溶解性が要求される。
【0003】水溶性フィルムには、例えばプルランフィ
ルム(発酵天然高分子)、ゼラチン(半合成蛋白質誘導
体)、ヒドロキシプロピルセルロース・ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロース・ヒドロキシエチルセルロース・
メチルセルロースといったセルロース誘導体、及びポリ
ビニルアルコールを基材とするフィルムがあげられる。
【0004】なかでもポリビニルアルコールは工業的に
安く大量に製造できる。ポリビニルアルコールフィルム
は、通常、水蒸気を通し、酸素、窒素、及び炭酸ガスを
通さず、油脂類や有機溶剤に対して不溶である。またこ
のフィルムは熱可塑性であるために100〜200度の
温度で強くプレスする方法、ヒートシールが可能である
という特徴を持っている。他の特徴には、例えば薬剤の
包装、充填が非常に簡易であること、透明で包装内容物
が観察しやすいこと、表面に鮮明な印字・印刷が可能で
あることがあげられる。このフィルムは、強度的にも非
常に優れ、30ミクロンの厚みでも1Kgf/mm2 以上の強
度があり、引張り時の伸度も大きいことから包装用フィ
ルムとしても非常に実用的であり、広く用いられてい
る。
【0005】さらに他のフィルムと比較して、ポリビニ
ルアルコールフィルムが最も優れている点は冷水に対す
る素早い溶解性である。ポリビニルアルコールの水に対
する溶解度や溶解速度は、重合度または製造工程での酢
酸基を水酸基に変える反応、けん化度の調整によって容
易に制御される。このためポリビニルアルコールは水溶
性フィルムの成分として非常に有効である。近年では、
水溶性フィルムの用途が広がるにつれ、フィルムの溶解
時間の短縮が要望されるようになってきた。この溶解時
間は、一般的にはポリビニルアルコールの重合度、得ら
れたフィルムの厚みによって左右され、重合度を小さく
するか、フィルムの厚みを薄くすることで短縮される。
必要以上に重合度を低くしたり、フィルムの厚みを薄く
したりするとフィルム強度が低下してしまうので、重合
度は5〜30、厚みは20ミクロン以上に保たれるのが
通常である。また冷水への溶解性は、ポリビニルアルコ
ールのけん化度によって左右され、けん化度が80〜9
0モル%で最良となる。
【0006】ポリビニルアルコールフィルムを袋状にし
て薬剤を袋の中に包み込み、このまま水中に投入する
と、フィルムが溶解して、薬剤が水中に分散する。この
ポリビニルアルコールフィルムの溶解には、撹拌装置を
利用する場合と撹拌装置を利用しない場合がある。ポリ
ビニルアルコールフィルムを撹拌装置のある容器の水中
に投入すると、水中で湿潤しているフィルムは撹拌装置
による外圧をうけて速やかに破袋する。この破袋によっ
て包装されている薬剤は、水中に素早く分散する。ポリ
ビニルアルコールフィルムを撹拌装置のないタンクやホ
ッパー、プールなどの水中に投入すると、フィルムは撹
拌装置による外圧がないので表面から徐々に溶解し、破
袋するまでが非常に遅い。したがって包装されている薬
剤が水中へ分散するには、非常に長い時間がかかってい
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の課題を
解決するためなされたもので、薬剤等を包み込んでいる
袋状のフィルムを無撹拌で静置された容器の水中へ投入
した場合でも、速やかに破袋し、包装されている薬剤の
分散が素早く、しかも包装性、強度的に優れた水溶性フ
ィルムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めになされた本発明の水溶性フィルムは、水不溶性の低
置換度ヒドロキシアルキルセルロースと水溶性のポリビ
ニルアルコールを主成分に含んでいる。このヒドロキシ
アルキルセルロースとしては、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシブチ
ルセルロースが好適である。
【0009】低置換度ヒドロキシアルキルセルロース
は、水酸化ナトリウムを触媒とし、高純度パルプにアル
キレンオキサイドを置換反応させて得られる。高純度パ
ルプに置換するヒドロキシアルコキシル基は膨潤に適し
た置換率があり、ヒドロキシプロポキシル基を例にすれ
ば、置換率は7〜16%が好ましい。置換率がこの範囲
内のとき、ヒドロキシプロピルセルロースは膨潤しやす
くなる。この膨潤によってフィルムは破られる。置換率
が7%以下では、ヒドロキシプロピルセルロースは膨潤
度が低いためにフィルムを破るには十分な効果を得られ
ないし、置換率が16%以上であるとこれも膨潤度が低
くなり、さらに置換率を上げると最後は水溶性となるの
で、破袋を速やかにするには適さない。
【0010】水溶性のポリビニルアルコールは、ポリ酢
酸ビニルを加水分解することによって得られる。この加
水分解はポリ酢酸ビニルの酢酸基を水酸基に変えるけん
化反応である。ポリビニルアルコールの溶解性は、けん
化度、重合度によって左右される。けん化度80〜90
モル%のときに、ポリビニルアルコールの冷水に対する
溶解性は最も高くなる。けん化度がこの範囲以外のと
き、ポリビニルアルコールの冷水に対する溶解性は低下
してしまう。水溶性のポリビニルアルコールの重合度は
5〜30が好ましい。重合度が5以下では、ポリビニル
アルコールの溶解性は高くなるが、ポリビニルアルコー
ルをフィルム化したときの強度は低下するためフィルム
として扱いにくい。重合度が30以上では、フィルム強
度は高くなるが溶解性は低下するため適当でない。
【0011】低置換度ヒドロキシアルキルセルロースと
ポリビニルアルコールとの重量比は1:99〜80:2
0であることが望ましい。低置換度ヒドロキシアルキル
セルロースの重量比が1/99より低い場合、フィルム
の溶解時間が長くなり、水に対する溶解性という面から
好ましくない。逆に低置換度ヒドロキシアルキルセルロ
ースの重量比が80/20より高い場合、フィルムの強
度及び透明性が低下し、さらにヒートシールの効果が弱
まり、包装性という面から好ましくない。
【0012】本発明の水溶性フィルムは、以下のように
造られる。予め水で希釈したポリビニルアルコールに低
置換度ヒドロキシアルキルセルロースを加えて混合する
か、低置換度ヒドロキシアルキルセルロースとポリビニ
ルアルコールとを同時に水に投入、混合して混合分散水
溶液を調製する。混合分散水溶液のポリビニルアルコー
ルの濃度は、3〜15重量%が好ましい。3重量%以下
では水溶液を撹拌しないと、水不溶性の低置換度ヒドロ
キシアルキルセルロースが水溶液中に沈殿していってし
まう。15重量%以上では、均一なポリビニルアルコー
ル水溶液をつくるのが難しい。この混合分散水溶液を平
面上で流出させ、乾燥させることによって水溶性フィル
ムを得ることができる。
【0013】
【作用】水溶性のポリビニルアルコールと水不溶性の低
置換度ヒドロキシアルキルセルロースを主成分とする水
溶性フィルムを袋状にし、袋の中に薬剤等を包み込み、
このまま水中へ投入したとき、低置換度ヒドロキシアル
キルセルロースは膨張してフィルムを破袋する。破袋に
よってフィルムに包装されていた薬剤が水中へ速やかに
分散する。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0015】実施例1 ポリビニルアルコールとして信越化学工業株式会社製ポ
バールP−18(けん化度88モル%,重合度18)5
0重量%と、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースと
して信越化学工業株式会社製L−HPC LH−31
(ヒドロキシプロポキシル基10.0〜12.9%)5
0重量%とを混合して水中に投入し、混合分散水溶液を
調製した。この混合分散水溶液をポリエチレンテレフタ
レート(PET)フィルム上で流出させ、乾燥させるこ
とによって水溶性フィルムを得た。
【0016】得られた水溶性フィルムの厚み、引張り強
度、フィルム破膜時間を測定した。フィルムの厚みは3
1ミクロン、引張り強度は1.5 Kgf/mm2 であった。フィ
ルム破膜時間は、水が入っている静置したビーカー内
に、20mm角のフィルムを静かに投入して、フィルム
が破れるか、溶解して分散するまでの時間とした。水温
20度でのフィルム破膜時間は5秒であった。
【0017】実施例2 ポバールP−18を90重量%、L−HPC LH−3
1を10重量%にして混合分散水溶液を調製した。これ
以外の条件は実施例1に準ずるものとした。フィルムの
厚みは30ミクロン、引張り強度は1.8 Kgf/mm2 、水温
20度でのフィルム破膜時間は10秒であった。
【0018】実施例3 ポバールP−18を99重量%、L−HPC LH−3
1を1重量%にして混合分散水溶液を調製した。これ以
外の条件は実施例1に準ずるものとした。フィルムの厚
みは32ミクロン、引張り強度は2.0 Kgf/mm2 、水温2
0度でのフィルム破膜時間は30秒であった。
【0019】比較例1 ポバールP−18のみを水に投入し、水溶液を調製し
た。これ以外の条件は実施例1に準ずるものとした。フ
ィルムの厚みは30ミクロン、引張り強度は2.0Kgf/mm2
、水温20度で、フィルムは120秒経過しても破膜
しなかった。
【0020】実施例1〜3、比較例1での、ポバールP
−18とL−HPC LH−31の重量%及びフィルム
の各種物性値を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】以上の結果より、低置換度ヒドロキシプロ
ピルセルロースであるL−HPCLH−31の重量%が
高いフィルムほど、フィルム破膜時間が短くなってお
り、分散性は大きくなるということがわかる。
【0023】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の水
溶性フィルムは、分散性が優れている。このため薬剤を
包み込んでいる袋状のフィルムを、無撹拌、静置された
容器の水中へ投入した場合でも、包装されている薬剤の
分散放出を速やかにおこなうことができる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/26,1/28 C08J 5/18 C08L 29/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水不溶性の低置換度ヒドロキシアルキル
    セルロースと水溶性のポリビニルアルコールを主成分と
    して含むことを特徴とする水溶性フィルム。
  2. 【請求項2】 前記ヒドロキシアルキルセルロースが、
    ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセル
    ロース、ヒドロキシブチルセルロースである請求項1に
    記載の水溶性フィルム。
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