JP3055866U - トランクス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 トランクス形のパンツは、綿１００％にする
等、その全体が布帛製であった。そのため、通気性には
優れているが、伸縮性がなく、ゴワツキ感があって動き
に対してやや難があった。これを解消する。 【解決手段】 前身２は布帛製として通気性を確保して
おきながら、後身３については、フィット性に優れた伸
縮性生地により形成するものとした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、トランクスに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

男性用下着のパンツ等として多く見られるトランクスは、素材を綿１００％等 とする布帛（織物地）製として造られている。そして、ウエスト部を除き、体型 に対してダブダブに造られている。 なお、これの比較例として男性用下着にはブリーフがあるが、このブリーフは 、伸縮性の豊富なニット生地等を用いて、体型にピッタリと合うように造られて いる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

トランクスの場合、通気性に優れており、ブリーフ等とは異なりムレないとい う利点がある。しかし、その反面、伸縮性が殆ど無いので、ブリーフ等と比べて フィット性がなく、ゴワツキ感等を払拭できないという難点がある。 これによってトランクスには、個人差により、履き心地がネックとなってハッ キリとした好き嫌いが現れるということがあった。

【０００４】 本考案は、上記事情に鑑みてなされたものであって、通気性とフィット性との 両面で好適となるトランクスを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案では、上記目的を達成するために、次の技術的手段を講じた。 即ち、本考案に係る左右の脚部と胴部を有するトランクスでは、前身を布帛に よって形成し、後身を伸縮性のある生地によって形成してある。 そのため、前身に関しては、従来同様、良好な通気性が得られ、ムレないとい う利点がある。そして、そのうえで後身に関しては、伸縮性に基づいたフィット 性が得られ、良好な着用感や動き易さ等が得られるものとなっている。また、着 用した状態での見栄えも良好となる。

【０００６】 更に、フィット性は、冬季等においては保温性を出すことにも繋がるため、高 齢者等にとっては、冷えが生じ易い腰回りを温かくできる点で、尚更、好都合な ものとなっている。 後身に対し、着用したとき臀部に対応する部位を膨出部として立体形を付与し ておくと、より一層、フィット性を高めることができる。また、この立体形を付 与させておくことで、臀部に対する過剰な圧迫感を防止する効果もある。

【０００７】 また、上記のような立体形を付与させるための手段としては、プレス成形また は成型編み機による編み構造によって付与させることができる。 なお、前身用の布帛には、綿の織物地を用いることができ、後身用の伸縮性生 地には、熱可塑性合成繊維で構成することができ、これによって臀部に対応して 膨出部を熱プレスで形成するのに有利となる。

【０００８】 また、後身用の伸縮性生地はポリウレタンと交編したポリエステル系糸で編込 んだニット生地を用いることにより伸縮性が確保でき、特に前記ポリエステル系 糸としては中空糸を用いることにより、吸汗・発散に富み有利となる。 更に、左右の脚部間の股部が前身と一体の又は別体の布帛によって形成するこ とにより、陰のうのムレを防止できて有利となる。

【０００９】

【考案の実施の形態】

以下、図面に基づいて本考案の実施の形態を説明する。 本考案に係るトランクス１では、図１に示すように、左右の脚部１Ａの前側お よび胴部前側を含む前身２が布帛製とされ、左右の脚部１Ａの後側および胴部後 側を含む後身３は、伸縮性生地によって形成されているとともに左右の脚部１Ａ 間の股部７が前身２と一体の布帛製とされている。なお、図示したトランクス１ は、男性用下着としてのパンツ（トランクス）に適用した例であって、前身２及 び後身３の上部を通じて、エンドレスにウエストゴム部４が設けられている。

【００１０】 前身２および股部７の素材とする布帛としては、具体的には、綿、レーヨン、 再生繊維等の織物地が好適とされている。 図２に示すように、この前身２は、左半部生地２Ａと右半部生地２Ｂとを前側 中央で継ぎ合わせたもので、この継ぎ合わせ部分で前立て６（小便用開口）を形 成させてあり、股部７は前身２と一体の布帛で構成され前立て６から臀部におけ る臀線部分まで延伸されていて陰のう等のムレを防止している。

【００１１】 一方、後身３の素材とする伸縮性生地としては、熱可塑性合成繊維で構成され 、具体的には、ポリウレタンと交編したポリエステル系の糸、望ましくは中空糸 や天竺（テトロン１００％）等を用いたニット生地が好適とされている。 図３に示すように、この後身３は、一枚ものの生地より形成してある。そして 、左右の臀部に対応する部分（卵形領域）Ｘには、着用時において臀裂Ｘ１を境 にして臀部の膨らみに合わせたような立体形な膨出部が形成させてある。

【００１２】 このような立体形な膨出部を付与させることで、着用時において臀部へのフィ ット性に優れたものとなり、そのうえで、臀部に対して過剰な圧迫感（締め付け 感）を及ぼさないものとなる。 この立体形な膨出部を生じさせる手段としては、伸縮性生地に対してプレス成 形望ましくは熱プレス成形を施す手段と、伸縮性生地を編成する当初より成型編 み機による編み構造として付与させておく手段とがある。

【００１３】 更に、この後身３は、着用時の伸び量を見越して、体型よりもやや小振りに仕 立ててあるが望ましい。 前身２と後身３との継ぎ合わせ位置Ｙ（図１参照）は、原則としては、腰骨位 置を基準に決定するようにする（図１では、継ぎ合わせ位置Ｙをかなり後寄りに してあるように見えるが、これは上記したように後身３が着用前の収縮状態にあ るためである）。

【００１４】 しかし、これは限定されるものではなく、例えば、この継ぎ合わせ位置Ｙを前 寄りにすると、その分、前身２が小さく後身３が大きくなるのであるから、当然 に身体にフィットする面積が広がって動き易くなり、これに伴って通気性がやや 減少するおそれがある。 反対に、継ぎ合わせ位置Ｙを後寄りにすると、その分、後身３が小さく前身２ が大きくなるのであるから、当然に通気性が良好となってムレを起こす可能性が 少なくなり、これに伴ってフィット性がやや落ちるおそれがある。

【００１５】 このようなことから、前身２と後身３との継ぎ合わせ位置Ｙは、通気性とフィ ット性とのバランスを重視しつつ、トランクス１の用途、体型、好み等に合わせ て適宜変更すればよいものであり、場合によっては継ぎ合わせ位置Ｙを異ならせ た複数種のものを予め製品化しておくようにしてもよい。 ところで、本考案は、上記実施形態に限定されるものではない。

【００１６】 例えば、トランクス１の用途や細部形状、構造等は限定されるものではない。 従って、下着としてだけでなく、スポーツやレジャー用等のアウター着や、水着 として実施することも可能である。また子供用や女性用等としての実施も当然に 可能である。 これに伴い、前身２に設ける前立て６をチャック式又はホック式としたり、前 立て６を設けないものとしたり、ウエストゴム部４をベルト式や紐式に代えたり することも可能となる。

【００１７】 また、股部７については前身２と一体でも、前身２とは別体とした布帛よりな る当布であってもよい。 後身３において、立体形を施す部分Ｘの領域、領域形状、立体形状等は、適宜 変更可能である。また、この立体形は、臀部を吊り上げる方向へ収縮力が作用す るように設けて、整体的作用を持たせるようにすることもできる。

【００１８】

【考案の効果】

以上の説明から明らかなように、本考案に係るトランクスでは、前身について は良好な通気性が得られるように布帛によって形成し、また後身についてはフィ ット性が得られる伸縮性生地によって形成してあるので、ムレることがなく、し かも良好な着用感、動き易さ、外観性等が得られるものである。

【００１９】 後身に対し、臀部に対応した立体形を付与することで、フィット性を更に良好 にするとと共に、臀部への過剰な圧迫感を防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図２に対応する側面図である。

【図２】本考案にトランクスの正面図である。

【図３】図２に対応する背面図である。

【図４】トランクスの底面図である。

【符号の説明】

１ トランクス １Ａ 脚部 ２ 前身 ３ 後身 Ｘ 後身の臀部対応部分（膨出部）

Claims (7)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 左右の脚部（１Ａ）と胴部を有するトラ
   ンクスにおいて、前身（２）が布帛によって形成され、
   後身（３）が伸縮性生地によって形成されていることを
   特徴とするトランクス。
2. 【請求項２】 後身（３）には、着用したときの臀部に
   対応する部位がプレス成形又は成型編み機による編み構
   造によって立体形な膨出部とされていることを特徴とす
   る請求項１記載のトランクス。
3. 【請求項３】 前身（２）に用いられる布帛が綿の織物
   地とされていることを特徴とする請求項１又は請求項２
   記載のトランクス。
4. 【請求項４】 後身（３）に用いられる伸縮性生地は熱
   可塑性合成繊維で構成されていることを特徴とする請求
   項１〜３のいずれかに記載のトランクス。
5. 【請求項５】 後身（３）に用いられる伸縮性生地がポ
   リウレタンと交編したポリエステル系の糸を用いたニッ
   ト生地とされていることを特徴とする請求項１又は２お
   よび４のいずれかに記載のトランクス。
6. 【請求項６】 請求項５に記載のポリエステル系の糸は
   中空糸であることを特徴とするトランクス。
7. 【請求項７】 左右の脚部１Ａ間の股部（７）が前身
   （２）と一体の又は別体の布帛によって形成してあるこ
   とを特徴とする請求項１〜５のいずれかに記載のトラン
   クス。