JP3054397B2 - 歯科治療椅子 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、歯科治療椅子、よ
り詳細には、コンターシートを前傾させることによって
乗降を容易にし、また、診療待ち状態の姿勢のまま後傾
させて寝状態での診療を可能にした歯科治療椅子に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】図５は、本発明が適用される歯科治療椅
子の一例を説明するたるの要部構成図で、図中、１０は
歯科治療椅子で、該歯科治療椅子１０は、安頭台１１，
バックシート１２，コンターシート１３，レッグレスト
１４，フットレスト１５とから成り、周知のように、歯
科治療に当たり、患者は椅子に座り、頭を安頭台１１に
固定して治療を受ける。治療中、術者は治療椅子を上下
動，起倒，傾斜動等させて、患者を治療しやすい姿勢に
して治療を行う。特に、上顎治療時等、患者を寝状態に
して治療を行う時は、治療椅子にチルト（傾動）動作を
かけ、治療椅子全体を略水平状態にして歯科治療を行う
が、このチルト動作は、バックシート１２を後傾させる
ものであり、この後傾動作と連動してコンターシート１
３，レッグレスト１４，フットレスト１５等が所望の状
態になるようになっているものが多い。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のごとき
従来の歯科治療椅子においては、背中の曲がった老人や
お腹の大きい妊婦等にとって寝状態での姿勢は苦痛であ
り、また、コンターシートが略水平であるため、椅子へ
の乗り降りが大変であった。

【０００４】本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなさ
れたもので、特に、背中の曲がった老人やお腹の大きい
妊婦等に対しても、乗り降りが容易で、しかも、寝状態
での治療が楽に行える歯科治療椅子を提供することを目
的としてなされたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、バックシー
ト，コンターシート，レッグレスト，フットレストを有
し、起倒，上下動，傾斜動可能な歯科用治療椅子であっ
て、前記バックシートの傾動機構とコンターシートの傾
動機構を独立して有し、前記コンターシートは、バック
シートを診療待ち状態にしたままの状態で水平位置より
所定角度前傾可能である歯科治療椅子において、前記コ
ンターシートの下側において歯科治療椅子のシャーシに
回動自在に固定された基台と、該基台上に配設されたモ
ータとを有し、前記モータの回転軸は前記基台の下側に
突出し、その先端にはプーリが一体的に固定され、更
に、前記基台には、ベアリングガイドが取り付けられて
おり、該ベアリングガイドを通して上端が前記コンター
シートに固定されボルト軸が設けられ、該ボルト軸には
下端にプーリを有する回転ナットが螺合されて前記基台
に下側に延長しており、前記回転軸のプーリと前記回転
ナットのプーリがベルトにより連結されており、該モー
タの回転を前記ベルト、回転ナット、及び、ボルト軸を
介して上下動の運動に変換して前記コンターシートを回
動して該コンターシートを傾斜させるようにしたことを
特徴とし、もって、腰の曲がった人やお腹の大きい人で
も、容易に乗降ができるようにしたものである。

【０００６】

【０００７】

【０００８】

【発明の実施の形態】図１は、腰の曲がった人やお腹の
大きい人に、本発明による歯科治療椅子を対応させた場
合の各状態を模式的に示した図で、図１（Ａ）は椅子へ
の乗降時（特に、椅子より降りる時の）状態を示す図、
図１（Ｂ）は診療待ちの状態を示す図、図１（Ｃ）は後
傾時（チルト時）の状態を示す図で、図１（Ａ）に示す
ように、コンターシート１３を前傾（具体的には、θ−
≒５°）させると、椅子に乗降する時の動作に必要な前
傾姿勢がとりやすく、また、図１（Ｂ）に示す診療待ち
状態の姿勢のまま、図１（Ｃ）に示すように、全体を後
傾（具体的には、θ＋≒２５°）させることにより（つ
まり、バックシート１２を寝かせることなくチルティン
グを行うことにより）、上顎治療ポジションにすること
ができ、背中の曲がった人でも楽に治療を受けることが
できる。

【０００９】バックシート１２は、単独で後傾すること
ができ、チルティング動作の前に、多少後傾させ、その
状態で全体をチルトするようにしてもよい。また、通常
の患者の場合は、バックシート１２，コンターシート１
３，レッグレスト１４，フットレスト１５の動作を連動
して行って、従来と同様の治療を行うが、本発明による
と、コンターシート１３の後傾角度が約２５°と大きい
ので、その状態でバックシートを後傾させると、患者が
ずり落ちてしまう恐れがあるで、コンターシート１３の
後傾角度に応じてバックシート１２の後傾角度を制限す
る。

【００１０】図２は、コンターシートの傾動機構の一例
を説明するための要部概略構成図、図３は、分解斜視図
で、図中、２０は歯科治療椅子のシャーシ等の固定部に
取り付けられる基台で、該基台２０の上にはモータ３０
が取り付けられ、該モータ３０の回転軸３１は、該基台
２０の下側に突出し、該回転軸３１にはプーリ３２が一
体的に固定されている。更に、該基台２０には、図４に
詳細に示すように、ベアリングガイド４５が取り付けら
れており、該ベアリングガイド４５を通してボルト軸４
０が設けられている。このベアリングガイド部材４５内
の上下端には、ベアリング４２，４３が設けられ、これ
らベアリング４２，４３のインナーレースは、回転ナッ
ト４４の外径面と嵌合しており、該回転ナット４４をベ
アリングガイド４５内に回転自在に保持している。

【００１１】回転ナット４４の上端部には、雄ネジが切
られており、この雄ネジにナット４１が螺合され、該ナ
ット４１を締めつけることにより、ベアリング４２，４
３，回転ナット４４，ベアリングガイド４５を基台２０
に固定することができる。ボルト軸４０は、回転ナット
４４の内側に設けられた雌ネジと螺合しており、従っ
て、該回転ナット４４を回転することにより、ボルト軸
４０を上下させることができ、該ボルト軸４０の上端部
４０Ａに連結されたシャーシの一端を上下動させて、該
コンターシートを傾動させることができる。なお、４６
はワッシャー、４７はナットで、これらは、ボルト軸４
０が回転ナット４４から抜け落ちるのを防止するもので
ある。

【００１２】回転ナット４４の下部は、プーリに形成さ
れており、該プーリと前記モータ軸３１に取り付けられ
たプーリ３２の間には、シンクロベルト５０が掛け渡さ
れており、モータ３０の回転により回転ナット４４を回
転し、ボルト軸４０を上下動させることができる。ボル
ト軸４０の上端は、コンターシート１３の下部にあるシ
ャーシの裏側に固定されており、該ボルト軸４０を前述
のようにして上下動させることにより、該コンターシー
ト１３が回動して（シャーシは、下部後方で、固定シャ
ーシに対して回動可能に取り付けられている）、該コン
ターシート１３は、前述のように、約５°の角度で前傾
し、約２５°の角度まで後傾することができる。

【００１３】

【発明の効果】本発明は、バックシート，コンターシー
ト，レッグレスト，フットレストを有し、起倒，上下
動，傾斜動可能な歯科用治療椅子であって、前記バック
シートの傾動機構とコンターシートの傾動機構を独立し
て有し、前記コンターシートは、バックシートを診療待
ち状態にしたままの状態で水平位置より所定角度前傾可
能である歯科治療椅子において、前記コンターシートの
下側において歯科治療椅子のシャーシに回動自在に固定
された基台と、該基台上に配設されたモータとを有し、
前記モータの回転軸は前記基台の下側に突出し、その先
端にはプーリが一体的に固定され、更に、前記基台に
は、ベアリングガイドが取り付けられており、該ベアリ
ングガイドを通して上端が前記コンターシートに固定さ
れボルト軸が設けられ、該ボルト軸には下端にプーリを
有する回転ナットが螺合されて前記基台に下側に延長し
ており、前記回転軸のプーリと前記回転ナットのプーリ
がベルトにより連結されており、該モータの回転を前記
ベルト、回転ナット、及び、ボルト軸を介して上下動の
運動に変換して前記コンターシートを回動して該コンタ
ーシートを傾斜させるようにしたことを特徴としたの
で、コンターシートの下側の狭い空間を効果的に利用し
て、つまり、外観上、従来の歯科用治療椅子と何ら変わ
ることなく、コンターシートを所望の角度傾斜すること
ができる。

【００１４】

【００１５】

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明による歯科治療椅子の各状態における
様子を模式的に示す図である。

【図２】 本発明における歯科治療椅子のコンターシー
ト傾動機構の一例を説明するための要部斜視図である。

【図３】 本発明における歯科治療椅子のコンターシー
ト傾動機構の一例を説明するための要部分解斜視図であ
る。

【図４】 コンターシートを上下動（傾動）させた機構
の具体的構成の一例を説明するための組立断面図であ
る。

【図５】 本発明が適用される歯科治療椅子の一例を説
明するための要部概略構成図である。

【符号の説明】

１０…歯科治療椅子、１１…安頭台、１２…バックシー
ト、１３…コンターシート、１４…レッグレスト、１５
…フットレスト、２０…基台、３０…コンターシート傾
動モータ、４０…コンターシート傾動用ボルト軸、５０
…シンクロベルト。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A61G 15/00 - 15/18

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 バックシート，コンターシート，レッグ
   レスト，フットレストを有し、起倒，上下動，傾斜動可
   能な歯科用治療椅子であって、前記バックシートの傾動
   機構とコンターシートの傾動機構を独立して有し、前記
   コンターシートは、バックシートを診療待ち状態にした
   ままの状態で水平位置より所定角度前傾可能である歯科
   治療椅子において、前記コンターシートの下側において
   歯科治療椅子のシャーシに回動自在に固定された基台
   と、該基台上に配設されたモータとを有し、前記モータ
   の回転軸は前記基台の下側に突出し、その先端にはプー
   リが一体的に固定され、更に、前記基台には、ベアリン
   グガイドが取り付けられており、該ベアリングガイドを
   通して上端が前記コンターシートに固定されボルト軸が
   設けられ、該ボルト軸には下端にプーリを有する回転ナ
   ットが螺合されて前記基台に下側に延長しており、前記
   回転軸のプーリと前記回転ナットのプーリがベルトによ
   り連結されており、該モータの回転を前記ベルト、回転
   ナット、及び、ボルト軸を介して上下動の運動に変換し
   て前記コンターシートを回動して該コンターシートを傾
   斜させるようにしたことを特徴とする歯科治療椅子。