JP3053368B2 - 化粧料及びその製造方法 - Google Patents

化粧料及びその製造方法

Info

Publication number
JP3053368B2
JP3053368B2 JP8168324A JP16832496A JP3053368B2 JP 3053368 B2 JP3053368 B2 JP 3053368B2 JP 8168324 A JP8168324 A JP 8168324A JP 16832496 A JP16832496 A JP 16832496A JP 3053368 B2 JP3053368 B2 JP 3053368B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yucca
saponin
extract
resveratrol
ethanol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP8168324A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09328410A (ja
Inventor
勉 芦田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yushiro Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Yushiro Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yushiro Chemical Industry Co Ltd filed Critical Yushiro Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP8168324A priority Critical patent/JP3053368B2/ja
Publication of JPH09328410A publication Critical patent/JPH09328410A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3053368B2 publication Critical patent/JP3053368B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化粧料及びその製
造方法に関し、更に詳しくは、抗菌性及び紫外線吸収性
等に優れ、肌荒れや艶消しを防ぎ、美しい肌を保つ化粧
料及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の化粧料には、種々の薬効の目的で
薬剤が配合されているが、その薬効を発揮する最低量を
添加しても副作用を伴うものが多い。その対策として
は、天然の動植物、特に植物の抽出物が配合されている
(例えば、特公平5−17206号公報に開示されたビ
ワ抽出物等)が、抗菌性及び紫外線吸収性等に優れるも
のはまだ見出されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を解決するものであり、抗菌性及び紫外線吸
収性等に優れ、肌荒れや艶消しを防ぎ、美しい肌を保つ
化粧料及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するため、植物抽出物の成分の特性について鋭意検
討した結果、ユッカ(Yucca)抽出物に含まれてい
るサポニンが抗菌性に優れ、特に酵母に対する抗菌性を
も有すること、上記ユッカ抽出物に含まれているポリフ
ェノ−ル、特にレスベラトロ−ル(3、4’、5 −ト
リヒドロキシスチルベン)が酵素に対し生活性を阻害す
ること、また、上記ユッカ抽出物に含まれているサポニ
ン、フラボン及びレスベラトロ−ルがいずれも紫外線吸
収性に優れることを活かし、サポニン、フラボン及びレ
スベラトロ−ルを化粧料に配合し、肌荒れや艶消しを防
ぎ、美しい肌を保つ化粧料が得られることを見出して本
発明を完成するに至ったのである。
【0005】本発明は、本発明者が、ユッカ抽出液を含
有する化粧料が肌荒れ防止、老化防止に優れているこ
と、及びこの抽出液中にサポニン、フラボン及びレスベ
ラトロ−ルが含有されることを見出して、完成されたも
のである。
【0006】即ち、本第1発明の化粧料は、ユッカ(Y
ucca)抽出物を含有することを特徴とする。上記
「ユッカ」としては、ユッカシディゲラ(Yucca
schidigera)、アツバキミガヨラン(Yuc
ca gloriosa Linn)、キミガヨラン
(Yucca recurvifolia Salis
b)、イトラン(Yucca smalliana F
ernald)、センジュラン(Yucca aloi
folia Linn)等を使用できる。また、これら
の1種を用いてもよいし、これらの2種以上を用いても
よい。上記「ユッカ抽出物」は、原料ユッカから所定の
抽出溶媒にて抽出させて得た抽出液そのものでもよい
し、この抽出液を濃縮して得られる濃縮液でもよいし、
これらを乾燥して得られる固形物(粉末、果粒品等の形
状は問わない。)でもよい。
【0007】上記ユッカ抽出物にはサポニン、フラボン
及びレスベラトロ−ルが含有されているものとすること
ができる。そして、上記サポニン、上記フラボン又は上
記レスベラトロ−ルとしては、この成分を含有するユッ
カ抽出液としてもよいし、この抽出液から分画されたも
のでもよい。また、これらを混合してもよいし、複数成
分の含有物を混合してもよい。
【0008】上記サポニン、フラボン及びレスベラトロ
−ルの含有量は、第3発明に示すように、化粧料を10
0重量%とした場合に、0.001〜5重量%、(好ま
しくは0.01〜1重量%)とすることができる。上記
物質の含有量が0.001重量%未満ではその物質の効
果が十分発揮されず、含有量が5重量%を越えると
色したり、微臭などの欠点が現れるからである。また、
上記サポニン、フラボン及びレスベラトロ−ルの3成分
を含む場合には、このサポニンを10重量部とする場
合、フラボンは3〜5重量部、レスベラトロ−ルは0.
5〜2重量部とするのが好ましい。
【0009】本第4発明の化粧料の製造方法は、ユッカ
(Yucca)の根及び茎の中の少なくとも一方をチッ
プにし乾燥した後、若しくは乾燥しチップにした後、粉
砕して粉末を製造し、その後、該粉末をエタノ−ルと水
の混合溶媒に浸漬し抽出してユッカ抽出物を得、次い
で、該ユッカ抽出物を配合することを特徴とする。上記
「ユッカ」は前記と同様の意味に用いられる。そして、
このユッカ原料としては、通常は、根又は茎を用いるこ
ともできるが、通常、その両方を用いる。上記エタノ−
ルと水の上記混合溶媒は、第5発明に示すようにその混
合比率がエタノ−ル75〜95重量%とすることができ
る。エタノ−ルが75重量%未満では、抽出成分が糖を
多量に含みサポニン成分の比率が低くなり、また、ユッ
カの抽出に時間が掛かり過ぎて不能率であり、エタノ−
ルが95重量%を越えると、サポニン成分の含有量が低
下するからである。また、上記「ユッカ抽出物」の形態
としては、前記に示すように、抽出液でも、濃縮液で
も、固形物でもよい。
【0010】本発明の化粧料及び本発明の製造方法で製
造された化粧料の形態は、特に限定されず、例えば、液
状体(化粧水、乳液等)、クリ−ム若しくは軟膏状体等
とすることができる。また、必要に応じて、化粧品に一
般に用いられ各種添加剤、例えば、低級アルコ−ル、多
価アルコ−ル等の水性成分、酸化チタン、ホウ砂等の粉
末成分、油分、更には界面活性剤、増粘剤、酸化防止
剤、香料、包剤、薬剤等を配合することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、実施例及び比較
例により更に詳細に説明する。ユッカ抽出物の調製、化
粧料の調製及びその性能評価は以下の方法で行った。 (1)ユッカ抽出物の調製 (その1)ユッカシディゲラ(Yucca schid
igera)の根及び茎をチップにし、天日乾燥した
後、粉砕して原末を得た。この原末500gを5倍量の
90%エタノ−ルに浸漬し、24時間常温放置した後、
濾過して90%エタノ−ル抽出液を得た。この90%エ
タノ−ル抽出液を常圧で加熱し、エタノ−ルを留去して
有効成分30〜40重量%の濃縮液を得た。これらの濃
縮液に5倍量の蒸留水を加え12時間放置した。その
後、上層の水溶液と下層の水不溶物を、デカンテ−ショ
ンで分け、残量が少なくなった後に濾過した。この水溶
液を減圧下で加熱して水分を留去して濃縮し、水分が5
0%程度になったところで蒸留を止め、真空、凍結或い
は噴霧乾燥によって褐色の粉末(「ユッカ抽出物1」と
いう。)35gを得た。この粉末の主成分は、サポニン
(乾燥粉末中60〜70重量%)と糖(乾燥粉末中30
〜40重量%)である。尚、このサポニンと糖の重量比
は、約2:1である。その後、水不溶物を濾別した後、
真空乾燥して褐色粉末(「ユッカ抽出物1A」とい
う。)15gを得た。この粉末の主成分は、フラボン
(乾燥粉末中75〜85重量%)とレスベラトロ−ル
(乾燥粉末中15〜25重量%)である。尚、このフラ
ボンとレスベラトロ−ルとの重量比は約4:1である。
【0012】(その2)その1で得られた有効成分30
〜40%の濃縮液200gを、イオン交換樹脂(三菱化
学社製、商品名「ダイヤイオンHP20」)を充填した
カラムを用いて、水、30%エタノ−ル、80%エタノ
−ルで順次展開し分画した。水及び30%エタノ−ル抽
出物は、主として糖成分が、80%エタノ−ル抽出物
は、主としてサポニン、フラボン及びレスベラトロ−ル
が含有される。この80%エタノ−ル抽出液を初期段階
は常圧で、後半は減圧でそれぞれエタノ−ルを留去し、
有効成分が40〜50%の濃縮液を得た。更に、この濃
縮液を真空乾燥して褐色粉末(「ユッカ抽出物2」とい
う。)35gを得た。この粉末の主成分は、サポニン
(乾燥粉末中87〜90重量%)、フラボン(乾燥粉末
中10〜8重量%)及びレスベラトロ−ル(乾燥粉末中
3〜2重量%)である。尚、このサポニンとフラボンと
レスベラトロ−ルとの重量比は、10:4:1である。
【0013】(その3)その1で得られた有効成分30
〜40%の濃縮液100gに2〜3倍量の蒸留水を加
え、一夜常温で放置した後、水溶液部分をデカンテ−シ
ョンで分別した。この水溶液を上記と同様のカラムを用
いて、初期水洗い後、アセトン60%水混和液で抽出し
分画した。アセトン溶液を減圧蒸留にかけ、濃縮し放冷
した後、凍結、乾燥して粉末(「ユッカ抽出物3」とい
う。)27gを得た。この粉末の主成分は、サポニン
(乾燥粉末中90〜100重量%)である。
【0014】(2)化粧料の調製 実施例1の化粧料(化粧水) (組成)配合量は重量部(部という。以下も同じ。)で
表す。 1)グリセリン 1.0部 2)1,3−ブチレングリコ−ル 3.0部 3)ポリオキシエチレン(15モル付加)オレイル 0.3部 アルコ−ルエ−テル 4)ユッカ抽出物1;(サポニン:糖=2:1) 0.02部 5)クエン酸ナトリウム 0.1部 6)エタノ−ル 8.0部 7)香料 0.03部 8)精製水 87.55部 合計 100.0部
【0015】(調製)グリセリン、1,3−ブチレング
リコ−ル及びクエン酸ナトリウムを精製水に加え、撹拌
して溶解する。別に、エタノ−ルにユッカ抽出物1、ポ
リオキシエチレンオレイルエ−テル及び香料を溶解し、
これを前記の精製水水溶液に加えて、均一に混合した
後、濾過して化粧水を得た。
【0016】比較例1の化粧料(化粧水) ユッカ抽出物1を配合しないこと以外は実施例1と同様
の組成及び調製で化粧水を得た。
【0017】 実施例2の化粧料(乳液) (組成) 1)精製ホホバ油 2.0部 2)ステアリン酸 1.5部 3)セチルアルコ−ル 0.3部 4)ポリオキシエチレン(8モル付加)モノオレイン酸 1.0部 エステル 5)ソルビタンモノステアレ−ト 6.5部 6)ユッカ抽出物2; 0.05部 (サポニン:フラボン:レスベラトロ−ル=10:4:1) 7)プロピレングリコ−ル 3.0部 8)エタノ−ル 3.0部 9)香料 0.01部 10)精製水 82.64部 合計 100.0部
【0018】(調製)エタノ−ルにユッカ抽出物2と香
料を溶解し、エタノ−ル溶液を得る。精製水にプロピレ
ングリコ−ルを加えて得られる精製水溶液を70〜80
℃に保つ。他の成分同士を混合して加熱溶解し、得られ
る溶液を70〜80℃に保ち、撹拌しながら上記精製水
溶液の中へ加えて乳化し、均一になった後、ホモミキサ
−で更に撹拌し、上記エタノ−ル溶液を加えて仕上げ
る。更に、この液を熱交換機(混合練り機能付きオンレ
−タ−)により30℃に冷却し乳液を得た。
【0019】 実施例3の化粧料(クリ−ム) (組成) 1)精製ホホバ油 10.0部 2)スクワラン 35.0部 3)ステアリルアルコ−ル 3.0部 4)ポリオキシエチレン(15モル付加)パルミチン酸 3.0部 エステル 5)ソルビタンモノステアレ−ト 1.0部 6)ユッカ抽出物1;(サポニン:糖=2:1) 0.1部 7)プロピレングリコ−ル 8.0部 8)香料 0.01部 9)精製水 39.89部 合計 100.0部
【0020】(調製)1)〜5)の原料を70〜80℃
に加熱し溶解したものを、75℃に加熱した原料6)、
7)及び9の水溶液に撹拌しながら加え、予備乳化す
る。次いで、原料8)を加えてホモミキサ−で撹拌し乳
化粒子を細かくして均一にした後、急冷して30℃に
し、クリ−ムを得た。
【0021】 実施例4の化粧料(軟膏) (組成) 1)ユッカ抽出物3 0.5部 2)ステアリルアルコ−ル 15.0部 3)密ロウ 20.0部 4)ポリオキシエチレン(5モル付加)ソルビタンモノ 0.3部 ステアレ−ト 5)ポリオキシエチレン(15モル付加)モノオレイン酸 0.2部 エステル 6)ワセリン 35.0部 7)グリセリン 5.0部 8)精製水 24.0部 合計 100.0部
【0022】(調製)原料1)〜7)を75℃で加熱溶
解し70℃に保った精製水の中に加え、ホモミキサ−で
乳化した後、冷却して軟膏を得た。
【0023】(3)肌荒れ改善性能評価 上記の化粧料の性能を明らかにするため、以下の性能試
験を行った。実施例1で得た化粧水と比較例1で得た化
粧水を用いて人体パネルで肌荒れの改善効果試験を行っ
た。即ち、ミリスン樹脂によるレプリカ法を用いて、女
性健常人の顔面の皮膚表面形態のレプリカを取り、顕微
鏡(17倍)にて観察した。皮紋の状態及び角膜の剥離
状態から表1に示す基準に従って肌荒れ評価1,2と判
断された者(肌荒れパネル)25名を用い、顔面左右半
々に、上記各化粧水を1日1回づつ2週間塗布した。2
週間後、再び上記のレプリカ法によって顔面の皮膚表面
形態を観察し、表1の判定基準に従って評価した。結果
を表2に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】表2から次のことが分かる。即ち、ユッカ
抽出物1を配合した化粧水(実施例1)を使用した顔面
の場合は、「皮溝、皮丘の消失、広範囲の角層のめく
れ」が0名、「皮溝、皮丘が不鮮明、角層のめくれ」が
0名、「皮溝、皮丘が鮮明」が11名、「皮溝、皮丘が
鮮明で整っている」が12名であったのに対して、ユッ
カ抽出物1を配合しない化粧水(比較例1)を使用した
顔面の場合は、「皮溝、皮丘の消失、広範囲の角層のめ
くれ」が10名、「皮溝、皮丘が不鮮明、角層のめく
れ」が8名、「皮溝、皮丘が鮮明」が0名、「皮溝、皮
丘が鮮明で整っている」が0名であった。従って、ユッ
カ抽出物1を配合した化粧水は、ユッカ抽出物1を配合
しない化粧水と比較し、肌荒れや艶消しを防ぎ、美しい
肌を保つ効果が顕著である。
【0027】(4)紫外線吸収性能評価 サポニン、フラボン及びレスベラトロ−ルの紫外線吸収
性能を、図1(サポニン)、図2(フラボン及びレスベ
ラトロ−ル)及び図3(レスベラトロ−ル)に示す。こ
れらの結果から、いずれの物質も優れた紫外線吸収性能
を示すことが分かる。特に、サポニンは260〜340
nmにて、フラボンは260〜320nm程度にて、レ
スベラトロ−ルは280〜340nmにて優れた紫外線
吸収性能を示している。従って、サポニン及び/又はフ
ラボンとレスベラトロ−ルとを含むものとすれば、広い
範囲にて紫外線吸収性能を示すことが分かる。尚、この
試験に用いたレスベラトロ−ルは、有機合成品(純度9
8重量%)を用いた。
【0028】(5)レスベラトロ−ルの美白作用評価 レスベラトロ−ルの美白作用効果を見るため、メラニン
産生能を有するB16メラノ−マ細胞に対するレスベラ
トロ−ルの影響を調べた。尚、この試験に用いたレスベ
ラトロ−ルは、有機合成品(純度98重量%)を用い
た。 (試験方法) 1)細胞培養 B16メラノ−マ細胞溶液を培養フラスコ25cm2
移し、培養液(FBSを10%含むDMEM)4ml加
え、37℃、5%−CO2 /95%−airの条件下で
培養した。細胞がセミコンフルエントな状態になった
ら、トリプシン処理にて細胞を集め、5×104 個/1
00μlになるように96wellマルチプレ−トに播
種し、再び37℃、5%−CO2 /95%−airの条
件下で24時間培養した。
【0029】2)チロシナ−ゼ生合成抑制作用の測定 96wellマルチプレ−トで24時間培養後、培養液
を除去し、新しい培養液195μlと各濃度の試料溶液
5μlを添加し、37℃、5%−CO2 /95%−ai
rの条件下で24時間培養した。24時間後、試料を含
む培養液を除去、PBSで洗浄し、1%−トリトンX−
100/PBS溶液50μlを加え、30分間撹拌し、
10mM−DOPA/PBS溶液100μlを加え、3
7℃、5%−CO2 /95%−airの条件下で3時間
インキュベ−トし、波長475nmで吸光度を測定し
た。 チロシナ−ゼ生合成抑制率(%)=〔(A−B)/A〕
×100 A;試料無添加の吸光度 B;試料を添加したときの吸光度
【0030】3)細胞生存率の測定 96wellマルチプレ−トで24時間培養後、培養液
を除去し、新しい培養液195μlと各濃度の試料溶液
5μlを添加し、37℃、5%−CO2 /95%−ai
rの条件下で24時間培養した。24時間後、試料を含
む培養液を除去、PBSで洗浄し、MTT含有培地10
0μlを加え、4時間インキュベ−トした。4時間後、
培養液を除去、イソプロピルアルコ−ル200μlを加
え、30分放置後、波長570nmと655nmで吸光
度を測定した。 細胞生存率=〔Y/X〕×100 X;試料無添加の吸光度(570nm−655nm)の
値 Y;試料を添加したときの吸光度(570nm−655
nm)の値 試料溶液は、50%エタノ−ル水溶液を用いた。
【0031】(試験結果)これらの試験結果を表3に示
す。表3から次のことが分かる。即ち、レスベラトロ−
ルの濃度が10ppmでは、51.4%のチロシナ−ゼ
生合成抑制率が認められるとともに、細胞生存率が10
0.3%で細胞毒性が全く認められなかった。それが5
ppmにおいても、細胞毒性が全く認められないととも
に、22.1%と比較的優れたその抑制率を示した。一
方、それが50ppm以上においては、その優れた抑制
率を示すとともに、細胞生存率が32.3%である程度
の細胞毒性を示した。また、それが100ppm以上で
は、細胞生存率が8.4%と低く、そのため細胞毒性が
強く認められ、更に、それが1ppm以下ではその抑制
率が1.2%以下と低く、そのため優れた美白作用効果
を示さなかった。以上より、その濃度が5〜50ppm
においては、細胞毒性がある程度以上抑えられるととも
に、ある程度以上の優れた美白作用効果を示した。この
うち、特に、5〜10ppmにおいては、細胞毒性が全
く認められないとともに、ある程度の優れた美白作用効
果を示した。更に、以上の結果から、その濃度が3〜4
0ppmによれば、チロシナ−ゼ生合成抑制効果及び細
胞毒性低減性のバランスに優れたもとすることができ
る。
【0032】
【表3】
【0033】(6)総合評価 ユッカ抽出物に含まれているサポニン、フラボン及びレ
スベラトロ−ルを化粧料に配合した場合の効果を総合す
る。上記サポニンが殆ど単独で含有される化粧料は、肌
荒れ改善効果があり、紫外線吸収効果も見られる。即
ち、サポニンは化粧料に使用の効果がある。上記レスベ
ラトロ−ルが単独では低濃度で顕著な美白作用効果があ
るが、この濃度調製が大変困難であるため、レスベラト
ロ−ルは単体で用いるよりも、サポニン、フラボンと併
用して用いた方が化粧料としての使用の効果がある。フ
ラボンは、紫外線吸収効果が見られる。従って、フラボ
ンも化粧料に使用の効果があると考えられる。
【0034】(7)抽出条件 ユッカから得た原末を80%エタノ−ルで抽出すると、
サポニンが80%エタノ−ルに溶解するので、サポニン
の高濃度抽出液が得られる。従って、サポニンを主力成
分として含む場合には、これが適用できる。この結果か
ら見ると100%エタノ−ルでも同様の結果が得られ
る。上記原末を90%エタノ−ルに浸漬すると、サポニ
ン、フラボン及びレスベラトロ−ルの3成分を含む抽出
液が得られる。従って、上記3成分を含む化粧料を調製
したい場合には、これが適用できる。水単独、30%エ
タノ−ルでは、上記3成分が抽出されないので、40%
以上のエタノ−ルが必要と考えられる。従って、上記3
成分を含む抽出液を得るためには、40〜90%エタノ
−ル、好ましくは50〜90%エタノ−ル、更に好まし
くは70〜90%エタノ−ルが適用できる。
【0035】本発明においては、前記具体的実施例に示
すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内
で種々変更した実施例とすることができる。即ち、抽出
原料としては、根及び茎のうちの一方を用いてもよい。
また上記実施例においては、そのチップから得た粉砕物
を用いて抽出しているが、これに限らず、チップをその
まま用いて抽出してもよいし、根及び/又は茎を直接粉
砕物としてこの粉砕粉末を用いてもよいし、更に、この
粉砕粉末の大きさも特に限定されない。抽出条件、特
に、抽出溶媒の種類及び抽出時間、その温度等も種々変
更できる。また、ユッカ抽出物から分画(分取)して得
られたサポニン、フラボン及びレスベラトロ−ルの配合
割合は適宜、目的に応じて変更してもよい。更に、この
ユッカ抽出物から分画(分取)して得られたサポニン、
フラボン及びレスベラトロ−ルのうちの1種又は2種を
適宜量配合してもよいし、分画せずに抽出条件により、
これらの1種又は2種を抽出して含有される抽出物(液
状、乾燥固体を問わない。)を用いることもできる。
【0036】
【発明の効果】本発明の化粧料及びその製造方法で得ら
れる化粧料は、サポニン、フラボン及びレスベラトロ−
ルを含有しているので、抗菌性及び紫外線吸収性等に優
れ、肌荒れや艶消しを防ぎ、美しい肌を保つ効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例にて得たユッカ抽出物3の紫外線吸収性
能を示すグラフである。
【図2】実施例にて得たユッカ抽出物1Aの紫外線吸収
性能を示すグラフである。
【図3】レスベラトロ−ルの紫外線吸収性能を示すグラ
フである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61K 35/78 A61K 35/78 C09K 3/00 104 C09K 3/00 104Z // A61P 17/00 A61P 17/00 31/04 31/04 43/00 111 43/00 111 C12N 9/99 C12N 9/99 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/00 A61K 7/42 A61K 7/48 A61K 35/78 C09K 3/00 104

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ユッカ(Yucca)抽出物を含有する
    ことを特徴とする化粧料。
  2. 【請求項2】 上記ユッカ抽出物にはサポニン、フラボ
    ン及びレスベラトロ−ルが含有されている請求項1記載
    の化粧料。
  3. 【請求項3】 上記化粧料を100重量%とした場合
    に、上記サポニン、フラボン及びレスベラトロ−ルの含
    有量は、0.001〜5重量%である請求項2記載の化
    粧料。
  4. 【請求項4】 ユッカ(Yucca)の根及び茎の中の
    少なくとも一方をチップにし乾燥した後、若しくは乾燥
    しチップにした後、粉砕して粉末を製造し、その後、該
    粉末をエタノ−ルと水の混合溶媒に浸漬し抽出してユッ
    カ抽出物を得、次いで、該ユッカ抽出物を配合すること
    を特徴とする化粧料の製造方法。
  5. 【請求項5】 エタノ−ルと水の上記混合溶媒は、その
    混合比率がエタノ−ル75〜95重量%である請求項4
    記載の化粧料の製造方法。
JP8168324A 1996-06-06 1996-06-06 化粧料及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3053368B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8168324A JP3053368B2 (ja) 1996-06-06 1996-06-06 化粧料及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8168324A JP3053368B2 (ja) 1996-06-06 1996-06-06 化粧料及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09328410A JPH09328410A (ja) 1997-12-22
JP3053368B2 true JP3053368B2 (ja) 2000-06-19

Family

ID=15865936

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8168324A Expired - Fee Related JP3053368B2 (ja) 1996-06-06 1996-06-06 化粧料及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3053368B2 (ja)

Families Citing this family (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6270780B1 (en) 1997-07-25 2001-08-07 Chesebrough-Pond's Usa Co., Division Of Conopco Cosmetic compositions containing resveratrol
FR2777186B1 (fr) * 1998-04-10 2001-03-09 Oreal Utilisation d'au moins un hydroxystilbene dans une composition raffermissante
FR2777184B1 (fr) * 1998-04-10 2001-08-24 Oreal Utilisation d'au moins un hydroxystilbene en tant qu'agent diminuant l'adhesion des micro-organismes
FR2777183B1 (fr) * 1998-04-10 2001-03-02 Oreal Utilisation d'au moins un hydroxystilbene dans une composition destinee a favoriser la desquamation de la peau et composition le comprenant
FR2778337B1 (fr) * 1998-05-05 2001-08-31 Inst Nat Sante Rech Med Antagonistes des ligands du recepteur des arylhydrocarbures
EP1119248B1 (de) * 1998-10-09 2005-02-02 Ciba SC Holding AG Hydroxystilbenverbindungen als mikrobizide wirksubstanzen
FR2796278B1 (fr) * 1999-07-16 2002-05-03 Oreal Utilisation d'au moins un hydroxystilbene comme agent anti-glycation
WO2001021165A1 (en) 1999-09-21 2001-03-29 Rutgers, The State University Resveratrol analogs for prevention of disease
IT1318425B1 (it) * 2000-03-24 2003-08-25 D B P Dev Biotechnological Pro Impiego del resveratrolo per il trattamento di eczema desquamativo,acne e psoriasi.
ITNA20000037A1 (it) * 2000-06-02 2001-12-02 Dev Biotechnological Proces Se Filtro solare multifunzione innovativo.
FR2811568B1 (fr) * 2000-07-13 2003-01-17 Oreal Composition, notamment cosmetique, comprenant la dhea et/ou un precurseur ou derive de celle-ci, en association avec au moins un agent anti-glycation
FR2817747B1 (fr) * 2000-12-11 2004-12-03 Oreal Utilisation d'au moins une sapogenine, ou d'un extrait naturel en contenant, pour prevenir les signes du vieillissement cutane
JP4934254B2 (ja) * 2001-09-25 2012-05-16 株式会社バスクリン 弱酸性洗浄剤組成物
US7154018B2 (en) 2001-12-20 2006-12-26 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Absorbent article
US6891079B2 (en) 2001-12-20 2005-05-10 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Wipe
US7485110B2 (en) 2001-12-20 2009-02-03 Kimberly Clark Worldwide, Inc. Wipe comprising a pathogen selective antimicrobial
FR2871061B1 (fr) * 2004-06-04 2007-08-10 Coletica Sa Principe actif capable d'induire la transformation du tgbf- latent inactif en tgfb actif
KR100718345B1 (ko) * 2005-04-27 2007-05-14 계명대학교 산학협력단 항진균 활성을 갖는 레스베라트롤을 유효성분으로 함유한항진균용 조성물
JP2009227619A (ja) * 2008-03-24 2009-10-08 Maruzen Pharmaceut Co Ltd エンドセリン−1mRNA発現上昇抑制剤、幹細胞増殖因子mRNA発現上昇抑制剤、塩基性線維芽細胞増殖因子mRNA発現上昇抑制剤及びプロオピオメラノコルチンmRNA発現上昇抑制剤
JP5918168B2 (ja) * 2012-04-27 2016-05-18 富士フイルム株式会社 β−グルコセレブロシダーゼ活性増強剤
KR102466456B1 (ko) * 2020-11-30 2022-11-15 주식회사 미그림 선인장꿀 발효물을 포함하는 조성물 및 그의 피부 상태 개선 용도

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09328410A (ja) 1997-12-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3053368B2 (ja) 化粧料及びその製造方法
KR101964809B1 (ko) No 활성 억제제, 이를 포함하는 항염증 제제, 이를 포함하는 화장품 및 이의 제조방법
KR100892888B1 (ko) 표피세포에 있어서의 라미닌 5 생산능을 증강시킬 수 있는물질 및 이들의 사용
KR102471043B1 (ko) 호호바씨 오일을 함유하는 기능성 화장료 조성물 및 이를 이용한 앰플형 액상 화장품
JPH11263720A (ja) 抗老化剤
JP4109564B2 (ja) 皮膚障害抑制剤、皮膚障害改善剤並びにそれらを含有する皮膚外用剤
JP2002370922A (ja) 梅抽出物を含む化粧品
KR102300581B1 (ko) 식물추출물 또는 이의 분획물을 유효성분으로 함유하는 피부 상태 개선용 조성물
JP5557414B2 (ja) 保湿剤、細胞賦活剤、及び美白剤
KR101884297B1 (ko) 허브추출물을 포함한 클렌징 화장료의 혼합 조성물 및 제조방법
JP2003104865A (ja) 皮膚外用剤
KR101299024B1 (ko) 피부 미백 및 항산화용 화장료 조성물 및 그 제조방법
KR102445830B1 (ko) 밀싹추출물을 유효성분으로 포함하는 피부 보습용 화장료 조성물
JP5014343B2 (ja) ネマガリダケ含有組成物、保湿剤、細胞賦活剤、美白剤及び抗酸化剤
JPH0532556A (ja) 皮膚外用剤
CN115192501A (zh) 包含稻、芦苇、玉米须、欧锦葵及芦荟提取物的皮肤保护用化妆品组合物
KR100966836B1 (ko) 두피 보호 및 피부 진정 효과를 가지는 화장료 조성물
JP2002154919A (ja) メラノサイトのデンドライトの伸長抑制剤及びそれを含有する化粧料
JPH0672838A (ja) 化粧料
DE102005033009A1 (de) Zubereitung, insbesondere pharmazeutische, dermatologische oder kosmetische Zubereitung sowie ihre Herstellung und Verwendung
KR101154501B1 (ko) 천산설연을 포함하는 각질 박리 촉진 효능을 갖는 조성물
JP3754025B2 (ja) 細胞賦活剤、抗酸化剤、及び皮膚外用剤
JP4748962B2 (ja) 保湿剤、細胞賦活剤、美白剤、及び抗酸化剤
KR102656826B1 (ko) 프리클리페어열매, 서양측백나무잎 및 마돈나백합비늘줄기의 혼합 추출물을 함유하는 피부 보습용 화장료 조성물
KR102337422B1 (ko) 호호바오일을 포함하는 피부진정 및 트러블 개선용 화장료 조성물 및 이의 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees