JP3051336B2 - 生分解性カ−ド基材 - Google Patents

生分解性カ−ド基材

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JP3051336B2 JP8097439A JP9743996A JP3051336B2 JP 3051336 B2 JP3051336 B2 JP 3051336B2 JP 8097439 A JP8097439 A JP 8097439A JP 9743996 A JP9743996 A JP 9743996A JP 3051336 B2 JP3051336 B2 JP 3051336B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生分解性カード基
材に関する。更に詳しくは、3−ヒドロキシ酪酸と3−
ヒドロキシ吉草酸との共重合体、ポリ乳酸及びポリカプ
ロラクトンを必須成分とする組成物からなり、且つ、自
然環境下で分解性を有し、強度、剛性(ヤング率)が優
れ、機械的強度のバランスがよい生分解性カード基材の
提供に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、日常生活において、例えばク
レジットカード、キャッシュカード、プリペイドカー
ド、定期券、IDカード、診察券等が広く使われてい
る。斯かるカード等は、支持体として、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリ塩化ビニル等のプラスチックからな
るシートまたは樹脂等をコーティングした紙等のシート
から成形されるカード基材が一般的に用いられている。
【0003】この際、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リ塩化ビニル等のプラスチックシート等のカード基材か
ら成形され使用目的が完了したカード、あるいはカード
作成時において、カード基材等をカード状にカッティン
グする際に発生する成形ロス等は、他のゴミと一緒に埋
立処理されたり、焼却処理されている。
【0004】焼却処理される場合、プラスチック等から
なるカード基材は燃焼カロリーが高く焼却炉を傷める傾
向があり問題になっている。埋立処理される場合、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル等のプラスチ
ック類は土中では難分解性であるため分解されず土中に
残留するという問題がある。更に、紙に樹脂類をコーテ
ィングしてなるカード基材は、パルプを回収する際、樹
脂がアルカリ溶液中で分解しないので、紙のみを取出し
分離する必要がある。
【0005】近年、上記の如き問題を解決する一手段と
して、優れた生分解性を有するプラスチック、例えば3
−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシ吉草酸との共重合
体、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸等からなる生分解性
カード基材をカード状に成形することが提案されてい
る。然しながら、3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシ
吉草酸との共重合体から成形されるカード基材は脆く、
耐折り曲げ性が悪く、ポリ乳酸から成形されるカード基
材は耐溶剤性に劣り、またポリカプロラクトンから成形
されるカード基材は、剛性(ヤング率)が弱くカード基
材には適しないという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、自然環境下
で微生物等によって生分解が可能であり、カード基材と
して使用できる、強度、剛性(ヤング率)が強く、耐折
り曲げ性、耐久性などを有し機械的強度のバランスがよ
い生分解性カード基材の提供に係る。
【0007】
【課題を解決する為の手段】本発明の特徴は、3−ヒド
ロキシ酪酸と3−ヒドロキシ吉草酸との共重合体86〜
31重量%、ポリ乳酸9〜46重量%及びポリカプロラ
クトン5〜23重量%を必須成分とする組成物から成形
される生分解性カード基材を提供することにある。
【0008】該生分解性カード基材は、3−ヒドロキシ
酪酸と3−ヒドロキシ吉草酸との共重合体86〜31重
量%、ポリ乳酸9〜46重量%及びポリカプロラクトン
5〜23重量%からなる組成物のみから構成されていて
もよく、該生分解性カード基材の特性を阻害しない範囲
内で他の成分を更に配合してもよい。前記生分解性カー
ド基材中の前記組成物の配合割合は、通常50重量%以
上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重
量%以上である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる3−ヒドロキ
シ酪酸と3−ヒドロキシ吉草酸との共重合体としては、
微生物、例えば水素細菌Alcaligenes eu
trophusによって生合成される、融点が100〜
180℃の脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂を例示で
きる。斯かる3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシ吉草
酸との共重合体としては、加工性を考慮して、3−ヒド
ロキシ吉草酸の含有率が1〜20モル%のものが好まし
い。この際、3−ヒドロキシ吉草酸が1モル%未満にな
ると、結晶性が高いために固く脆く、また融点が高いた
め成形加工時に熱劣化し易い傾向があり、20モル%を
越えると結晶性、融点が低下し軟化する傾向が有るが、
これらの値は特に制限はない。
【0010】本発明に用いられるポリ乳酸としては、例
えばL−乳酸、D−乳酸及びD,L−乳酸のいずれかを
直接脱水重縮合してなる重合体、又はこれら乳酸のいず
れかと他のヒドロキシカルボン酸(例えばグリコール
酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、3−ヒ
ドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキ
シカプロン酸等)から直接脱水重縮合してなる共重合体
や、上記乳酸の環状2量体であるラクチドを開環重合し
てなる重合体または上記ラクチドとヒドロキシカルボン
酸の環状エステル中間体(例えばグリコール酸の2量体
(グルコライド)、6−ヒドロキシカプロン酸の環状エ
ステルであるカプロラクトン等)の共重合可能な単量体
とを適宜に用いて開環重合してなる重合体を例示でき
る。このことからも解るように、ポリ乳酸とは、乳酸系
重合体が全て含まれるもので、この中には勿論共重合体
も含まれる。これらポリ乳酸は一種または二種以上を適
宜に用いることができる。直接重縮合する場合、上記乳
酸または乳酸と他のヒドロキシカルボン酸とを、例えば
有機溶媒、特にフェニールエーテル系溶媒の存在下で共
沸脱水縮合し、共沸により留出した溶媒から水を除き実
質的に無水の状態にした溶媒を反応系に戻す方法によっ
て重合する強度の優れた高分子量のポリ乳酸が得られる
が、特に上記方法に制限されない。この際、本発明に係
るポリ乳酸の数平均分子量Mnは、特に制限されない
が、Mn=5万〜100万程度が好ましい値として例示
できる。数平均分子量Mnが5万未満では強度が弱い傾
向があり、数平均分子量Mnが100万を越えると成形
性が劣る傾向がある。
【0011】本発明に係るポリカプロラクトンは、組成
物を構成する3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシ吉草
酸との共重合体とポリ乳酸を均一に相溶化させ、機械的
強度のバランスのよい生分解性カード基材の提供に寄与
する。このようなポリカプロラクトンとしては、環状単
量体であるε−カプロラクトンを有機金属化合物で開環
重付加してなる−〔O−(CH2)5−CO〕n−の化
学構造式で示される脂肪族系ポリエステルを例示でき
る。斯かるポリカプロラクトンの中では、ビカット軟化
温度(JIS K−7206で測定)が100℃以上が
好ましい。ビカット軟化温度が100℃未満では耐熱性
が劣り成形性が低下する傾向がある。また、数平均分子
量Mnは、Mn=1,000〜120,000が好まし
く、数平均分子量Mnが1,000未満では強度、剛性
が小さくなる傾向があり、数平均分子量Mnが120,
000を越えると成形性が悪くなる傾向がある。しかし
ながら以上に示した各値は特に制限されるものではな
い。この際、ビカット軟化温度を上げるため、上記ポリ
カプロラクトンと、脂肪族ポリエステル(ポリ−ε−カ
プロラクトン以外の脂肪族ポリエステル)との組成物
も、本発明に係るポリカプロラクトンの範疇である。
【0012】本発明に係る3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒ
ドロキシ吉草酸との共重合体、ポリ乳酸及びポリカプロ
ラクトンを必須成分とする組成物における、配合比率
は、3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシ吉草酸との共
重合体86〜31重量%、ポリ乳酸9〜46重量%及び
ポリカプロラクトン5〜23重量%が好ましい。この
際、3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシ吉草酸との共
重合体が31重量%未満では耐溶剤性が劣り印刷性が低
下する傾向があり、86重量%を越えると、強度、剛性
が小さくなる傾向があり、好ましくない。
【0013】また、ポリ乳酸が9重量%未満では強度、
剛性が小さくなり、46重量%を超えると耐溶剤性が劣
り、印刷性が低下する傾向があり、好ましくない。更
に、ポリカプロラクトンもしくはポリカプロラクトンと
脂肪族ポリエステルとの組成物が5重量%未満である
と、生分解性カード基材の縦横の機械的強度がアンバラ
ンスになる傾向があり、このために、前記5重量%未満
の配合構成のものは通常では単層のカード基材としては
利用されにくく、従って、このような配合構成のカード
基材はある種の材料をラミネートして積層構成とするこ
とにより、利用されるケースが考えられる。一方、ポリ
カプロラクトンもしくはポリカプロラクトンと脂肪族ポ
リエステルとの組成物が23重量%を越えると、本発明
に係る生分解性カード基材の強度、剛性等が低下する傾
向があり好ましくない。
【0014】本発明に係る生分解性カード基材を構成す
る組成物の調製方法は、特に制限されるものでなく、従
来のポリオレフィン系樹脂等の組成物の製法で慣用され
ている方法、例えはニーダー、バンバリーミキサー、ロ
ール等の混練機を用いる方法、1軸又は2軸押出機等を
用いて加熱溶融混練しペレット等を造粒するする方法、
リボンミキサー、ヘンセルミキサー、タンブラー等でブ
レンドする方法で行うことができる。
【0015】また、本発明に係る組成物は、所望に応じ
て、本発明に係る生分解性カード基材の特性、例えば生
分解性、強度、剛性(ヤング率)、耐屈曲性、機械的強
度のバランス性等を著しく阻害しない範囲内で、他の合
成樹脂、各種の添加剤、充填材、酸化チタン、炭酸カル
シウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化マグネ
シウム、シリカ、タルク等を添加しても差し支えない。
前記した合成樹脂としては、特に制限はないが、例え
ば、その他の生分解性樹脂を挙げることができ、例えば
ポリ−3−ヒドロキシ酪酸、ポリ−3−ヒドロキシ吉草
酸、3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシプロピオネー
トとの共重合体、3−ヒドロキシ酪酸と4−ヒドロキシ
酪酸との共重合体、ポリ−3−ヒドロキシアルカノエー
ト等を必要に応じて配合することもできる。
【0016】本発明に係る生分解性カード基材の成形方
法は、特に制限されないが、例えばTダイを装着した押
出機のホッパーに、本発明に係る3−ヒドロキシ酪酸と
3−ヒドロキシ吉草酸との共重合体とポリ乳酸及びポリ
カプロラクトンに、必要に応じて、その他の生分解性樹
脂、添加剤、充填材等を配合した組成物を供給する。次
いで、該Tダイを装着した押出機を、例えばシリンダー
温度を150〜190℃、ダイス温度を160〜200
℃に加熱し、上記組成物を溶融混練して押出した後、表
面温度が約40〜70℃の冷却ロール又は水冷、空冷等
で冷却固化して巻き取るTダイ法で成形する方法が例示
できる。本発明に係る生分解性カード基材は、上記以外
の方法で成形してもよい。その他の成形方法としては、
例えば、環状ダイを用いて成形するインフレーション法
やカレンダー法、圧延法等が例示できるが、上記のTダ
イを用いて溶融押出するTダイ法が好適なものとして例
示できる。
【0017】上記のようにして成形される本発明に係る
生分解性カード基材の厚さは、特に制限されるものでな
いが、例えば該生分解性カード基材をカード状に打抜い
て成形されるキャッシュカード、クレジットカード等に
用いる厚手の生分解性カード基材の場合、250〜80
0μmを例示できる。また、例えばテレホンカード、プ
リペイドカード等に用いる薄手の生分解性カード基材の
場合、100〜250μm程度を例示できる。
【0018】上記のようにして成形された生分解性カー
ド基材は、それ自体で各種の用途に使用できるが、好ま
しい用途としては、例えばクレジットカード、キャッシ
ュカード、プリペイドカード、定期券、IDカード、診
察券等の生分解性カード基材として好適に使用できる
が、自然界で分解可能な生分解性が必要な用途、例えば
育苗用ポット、包装容器、土木用資材等にも使用でき、
特に制限はない。
【0019】
【実施例】
【0020】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。但し、本発明は下記実施例により制限されるもので
ない。尚、本発明は下記実施例において、各検査項目の
測定は下記の方法により行った。
【0021】[引張強度(kg/cm2 )]:JIS−
K6732に準じる。 [引張伸度(%)]:JIS−K6732に準じる。 [直角型引裂強度(kg/cm)]:JIS−K673
2に準じる。 [ヤング率(×104 kg/cm2 )]:ASTM D
882に準じる。 [生分解性]:通常広く採用されている、例えば85.
5mm×54mmの大きさに生分解性カード基材をカッ
トし 浄化センタ−(滋賀県下水道公社湖南中部事務所
内)で採取、処理される返送汚泥に、25℃の条件下で
28日間浸漬した後に取り出して重量減少率を測定する
方法で評価する。
【0022】実施例1 生分解性カード基材の原料として、3−ヒドロキシ酪酸
と3−ヒドロキシ吉草酸との共重合体(3−ヒドロキシ
吉草酸含有率8モル%)40重量%、L−乳酸のラクチ
ドを開環重合して得られる重合体である平均分子量Mn
=100,000のポリ乳酸40重量%、ビカット軟化
温度104℃、平均分子量Mn=80,000のポリカ
プロラクトン17重量%及び酸化チタン3重量%とをリ
ボンブレンダーでブレンドしてなる組成物を用いた。次
いで、該組成物をシリンダー温度180℃、ダイス温度
190℃に設定したTダイを装着した押出機に供給し溶
融混練した後、表面温度約60℃のキャストロール上に
押出し冷却固化して巻き取り、厚さ200μmの生分解
性カード基材を得た。該生分解性カード基材の引張強
度、引張伸度、直角型引裂強度、ヤング率を表1に示し
た。また、カード状にカットされ成形されカードとして
使用される上記の生分解性カード基材はカード用基材と
して、十分実用に耐えるものであった。更に、生分解性
の尺度として、該生分解性カード基材からなるカード
を、活性汚泥に25℃の条件下で28日間浸漬した後の
重量減少率を測定した。その結果、カードの重量減少率
は約70重量%であった。
【0023】
【表1】
【0024】実施例2 ポリ乳酸を、L−乳酸とグリコール酸とから直接脱水重
縮合してなる共重合体に変える以外は実施例1と同様に
して厚さ500μmの生分解性カード基材を得た。 該
生分解性カード基材は、引張強度、引張伸度、直角型引
裂強度、ヤング率が表1に示した通りであった。又、カ
ード状に打抜かれて成形されカ−ドとして使用される上
記の生分解性カード基材は、カ−ド用基材として十分実
用に耐える物であった。更に、生分解性の尺度として、
実施例1と同様にして、該生分解性カード基材から成形
されたカ−ドの重量減少率を測定した。その結果、重量
減少率は約10重量%であった。
【0025】実施例3 3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシ吉草酸との共重合
体(3−ヒドロキシ吉草酸含有率8モル%)48重量
%、実施例1と同様のL−乳酸のラクチドを開環重合し
て得られる平均分子量Mn=100,000のポリ乳酸
40重量%と、実施例1と同様の重合体である平均分子
量Mn=80,000のポリカプロラクトン9重量%お
よび酸化チタン3重量%とをリボンブレンダーでブレン
ドしてなる組成物を用いること以外は、実施例1と同様
にして厚さ200μmの生分解性カード基材を得た。該
生分解性カード基材の引張強度、引張伸度、直角型引裂
強度、ヤング率を表1に示した。また、カード状に打抜
かれてカードとして使用される上記の生分解性カード基
材は、カード用基材として十分実用に耐える物であっ
た。更に、生分解性の尺度として、実施例1と同様にし
てカードの重量減少率を測定した。その結果、重量減少
率は約70重量%であった。
【0026】比較例1 生分解性カード基材の原料として、3−ヒドロキシ酪酸
と3−ヒドロキシ吉草酸との共重合体(3−ヒドロキシ
吉草酸含有率8モル%)48重量%、ビカット軟化温度
104℃、平均分子量Mn=80,000のポリカプロ
ラクトン48重量%、酸化チタン4重量%とをタンブラ
ーでブレンドしてなる組成物を使用する以外は実施例1
と同様にして厚さ200μmの生分解性カード基材を得
た。該生分解性カード基材の引張強度、引張伸度、直角
型引裂強度、ヤング率を表1に示した。更に、生分解性
の尺度として、実施例1と同様にしてカードの重量減少
率を測定した。その結果、カードの重量減少率は約70
重量%であり、実施例1とほぼ同等であった。しかしな
がら、上記の生分解性カード基材は、引張強度、直角型
引裂強度、ヤング率が悪く、カード用基材として使用に
耐えない物であった。
【0027】比較例2 3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシ吉草酸との共重合
体(3−ヒドロキシ吉草酸含有率8モル%)97重量
%、酸化チタン3重量%を配合してなる組成物をシリン
ダー温度160℃、ダイス温度165℃に設定したTダ
イを装着した押出機に供給し溶融混練した後、表面温度
約60℃の冷却ロール上に押出し冷却固化して巻き取り
厚さ200μmの生分解性カード基材を得た。該生分解
性カード基材の引張強度、引張伸度、直角型引裂強度、
ヤング率を表1に示した。更に、生分解性の尺度とし
て、実施例1と同様にして、生分解性カードの重量減少
率を測定した。その結果、カードの重量減少率は約70
重量%であり、実施例1とほぼ同等であった。しかしな
がら、該生分解性カード基材は引張強度、直角型引裂強
度、ヤング率は低く、耐折り曲げ性、耐久性等が劣る傾
向があり好ましくないものであり、十分実用に耐えない
物であった。
【0028】表1から明らかなように3−ヒドロキシ酪
酸と3−ヒドロキシ吉草酸との共重合体、ポリ乳酸及び
ポリカプロラクトンを必須成分とする組成物を用いた実
施例1〜3の生分解性カード基材は、引張強度、引張伸
度、直角型引裂強度、ヤング率が極めて優れている。実
施例1〜3から得られる生分解性カード基材は、該生分
解性カード基材を用いてカード状にカットしてなるカー
ドに好適なものである。
【0029】これに対し、比較例1〜2から得られる生
分解性カード基材は、引張強度、直角型引裂強度及びヤ
ング率が弱い傾向がある。従って、比較例1〜2から得
られる生分解性カード基材は、剛性、機械的強度が劣
る。斯かる生分解性カード基材が、例えば生分解性カー
ド等に形成される場合、耐折り曲げ性、耐久性などが悪
くカ−ド用基材としては好ましくない傾向がある。一
方、従来のポリエチレンテレフタレート及びポリ塩化ビ
ニルからなるカ−ド基材は、例えばカード等としては、
優れた特性を有しているが、自然界で分解されない欠点
があった。
【0030】
【発明の効果】本発明に係る生分解性カード基材は、微
生物生産の3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシ吉草酸
との共重合体、ポリ乳酸及びポリカプロラクトンを必須
成分とする組成物からなり、十分な強度、剛性(ヤング
率)、耐折り曲げ性を有し、機械的強度の縦横のバラン
ス、耐久性がよいものである。更に、該生分解性カード
基材は廃棄物として地中に埋設されたとしても、比較的
短時間で水、炭酸ガス等に生分解され、環境汚染の憂い
のない成形物(例えばクレジットカード、キャッシュカ
ード、プリペイドカード等)を提供できる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 67/00 - 67/08

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシ吉
    草酸との共重合体86〜31重量%、ポリ乳酸9〜46
    重量%及びポリカプロラクトン5〜23重量%を必須成
    分とする組成物からなる生分解性カード基材。
  2. 【請求項2】 3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシ吉
    草酸との共重合体の3−ヒドロキシ吉草酸含有率が1〜
    20モル%である請求項1に記載の生分解性カード基
    材。
  3. 【請求項3】 ポリ乳酸が、L−乳酸、D−乳酸及び
    D,L−乳酸のいずれかを直接脱水重縮合してなる重合
    体である請求項1〜2のいずれかに記載の生分解性カー
    ド基材。
  4. 【請求項4】 ポリ乳酸が、L−乳酸、D−乳酸及び
    D,L−乳酸のいずれかとヒドロキシカルボン酸とを直
    接脱水重縮合してなる共重合体である請求項1〜2のい
    ずれかに記載の生分解性カード基材。
  5. 【請求項5】 ポリ乳酸が、L−乳酸、D−乳酸及び
    D,L−乳酸のいずれかから得られるラクチドを開環重
    合してなる重合体である請求項1〜2のいずれかに記載
    の生分解性カード基材。
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JPH09255859A (ja) 1997-09-30

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