JP3049251U - 多翼ファン式送風機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 羽根を通過した気流は吐出口から出るまでの
間で乱流とならないようにした多翼ファン式送風機を得
る。 【解決手段】 ほぼ円筒形の筒部１の両端面を端板２
ａ，２ｂで塞いだ構造のファンケース３内に環状の多翼
ファン４を片側に偏心させた状態で回転自在に配置す
る。ファンケース３の片側の端板２ｂには、多翼ファン
４の中央に対応させて吸込口７を設ける。ファンケース
３の筒部１には、多翼ファン４が偏心している側に隣接
し且つ多翼ファン４の回転方向の下流側に対応させて吐
出口８を設ける。ファンケース３内に多翼ファン４の羽
根６を通過して吐出口８から出るまでの間の気流を整流
する整流板９を、複数枚、相互に平行する向きで設け
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、ファンケース内に多翼ファンが片側に偏心させた状態で回転自在に 配置され、ファンケースの筒部には多翼ファンが偏心している側で且つ該多翼フ ァンの回転方向の下流側に対応させて吐出口が設けられている多翼ファン式送風 機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図２（Ａ）（Ｂ）は、従来のこの種の多翼ファン式送風機を示したもので、図 ２（Ａ）は側面図、図２（Ｂ）は正面図である。

【０００３】 この多翼ファン式送風機は、ほぼ円筒形の筒部１の両端面が端板２ａ，２ｂで 塞がれているファンケース３を備えている。このファンケース３内には、環状の 多翼ファン４が片側に偏心させた状態で回転自在に配置されている。多翼ファン ４は、環状の羽根支持板５と、該支持板５の片側の板面に該多翼ファン４の軸心 方向の片側から吸込みが行えるように向きを定めて周方向に所定間隔でそれぞれ 突設された多数の送風羽根６とを備えた構造になっている。ファンケース３の片 側の端板２ｂには、多翼ファン４の中央に対応させて吸込口７が設けられている 。ファンケース３の筒部１には、多翼ファン４が偏心している側に隣接し且つ該 多翼ファン４の回転方向の下流側に対応させて吐出口８が設けられている。この ような多翼ファン式送風機は、多翼ファン４を図示しない電動機で回転させるこ とにより吸込口７から吸込んだ空気を、ファンケース３内で加圧して吐出口８か ら吐出させるようになっている。電動機は、多翼ファン４の中央に対応した位置 でファンケース３内に組み込まれている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

このような多翼ファン式送風機は、騒音を発生する問題点がある。この騒音に は、多翼ファン４が作り出す気流の乱流と多翼ファン４の羽根６との衝撃音と、 電動機の機械音や磁気音等があり、特に乱流と多翼ファン４の羽根６との衝撃音 が大きい。

【０００５】 衝撃音を小さくするには、極力気流の乱流化を押さえた層流した空気の流れを 作ることが重要である。

【０００６】 このため従来は、多翼ファン４の羽根６の隣接相互間隔を狭くし、羽根６の表 面での気流の乱れ（剥離）を防ぐことで、静音化を図っていた。

【０００７】 しかしながら、このような構造にしても、羽根６を通過した気流は吐出口８か ら出るまでの間で乱流が発生すると、そこで騒音が発生する問題点がある。

【０００８】 本考案の目的は、羽根を通過した気流は吐出口から出るまでの間で乱流となら ないようにした多翼ファン式送風機を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

本考案で改良しようとする多翼ファン式送風機は、ほぼ円筒形の筒部の両端面 が端板で塞がれているファンケース内に環状の多翼ファンが片側に偏心させた状 態で回転自在に配置されている。ファンケースの片側の端板には、多翼ファンの 中央に対応させて吸込口が設けられている。ファンケースの筒部には、多翼ファ ンが偏心している側に隣接し且つ該多翼ファンの回転方向の下流側に対応させて 吐出口８が設けられている。このような多翼ファンを電動機で回転させることに より、吸込口から吸込んだ空気をファンケース内で加圧して吐出口から吐出させ るようになっている。

【００１０】 本考案の多翼ファン式送風機では、ファンケース内に多翼ファンの羽根を通過 して吐出口から出るまでの間の気流を整流する整流板が複数枚、相互に平行する 向きで設けられている。

【００１１】 このように整流板を複数枚相互に平行する向きでファンケース内の吐出口側に 設けると、多翼ファンの羽根を通過した気流はこれら羽根で仕切られた通路に分 散して流れ、層流化されて、従来のこの種のものよりも静音化することができる 。また、吐出口内での層流化により乱流を抑制できると、吐出口での気流の吐出 効率を向上させることができる。特に、整流板をファンケースの両端板の板面に 直交する向きで複数枚、吐出口から多翼ファンの外周までの長さに応じて長さを 変えて設けられていると、多翼ファンがファンケース内に偏心して配置されてい ても、層流化を効果的に行わせることができる。

【００１２】

【考案の実施の形態】

図１（Ａ）（Ｂ）は本考案に係る多翼ファン式送風機における実施の形態の一 例を示したもので、図１（Ａ）は側面図、図１（Ｂ）は正面図である。なお、前 述した図２（Ａ）（Ｂ）と対応する部分には、同一符号を付けて示している。

【００１３】 この多翼ファン式送風機では、ファンケース３内に、多翼ファン４の羽根６を 通過して吐出口８から出るまでの間の気流を整流する整流板９が設けられている 。整流板９は、ファンケース３の両端板２ａ，２ｂの板面に直交する向きで複数 枚、吐出口８から多翼ファン４の外周までの長さに応じて長さを図示のように変 えて、相互に平行する向きで設けられている。多翼ファン４の各羽根６は、隣接 相互間隔を狭くして配置されている。

【００１４】 このように整流板９を複数枚相互に平行する向きでファンケース３内の吐出口 ８側に設けると、多翼ファン４の羽根６を通過した気流はこれら羽根６で仕切ら れた通路１０に分散して流れ、層流化されて、従来のこの種のものよりも静音化 することができる。また、吐出口８内での層流化により乱流を抑制できると、吐 出口８での気流の吐出効率を向上させることができる。特に、整流板９をファン ケース３の両端板２ａ，２ｂの板面に直交する向きで複数枚、吐出口８から多翼 ファン４の外周までの長さに応じて長さを変えて設けられていると、多翼ファン ４がファンケース３内に偏心して配置されていても、層流化を効果的に行わせる ことができる。

【００１５】

【考案の効果】

本考案の多翼ファン式送風機では、ファンケース内に多翼ファンの羽根を通過 して吐出口から出るまでの間の気流を整流する整流板が複数枚、相互に平行する 向きで設けているので、多翼ファンの羽根を通過した気流はこれら羽根で仕切ら れた通路に分散して流れ、層流化されて、従来のこの種のものよりも静音化する ことができる。また、吐出口内での層流化により乱流を抑制できると、吐出口で の気流の吐出効率を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る多翼ファン式送風機における実施
の形態の一例を示したもので、（Ａ）は側面図、（Ｂ）
は正面図である。

【図２】従来の多翼ファン式送風機を示したもので、
（Ａ）は側面図、（Ｂ）は正面図である。

【符号の説明】

１ 筒部 ２ａ，２ｂ 端板 ３ ファンケース ４ 多翼ファン ５ 羽根支持板 ６ 送風羽根 ７ 吸込口 ８ 吐出口 ９ 整流板 １０ 通路

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ほぼ円筒形の筒部の両端面が端板で塞が
   れているファンケース内に環状の多翼ファンが片側に偏
   心させた状態で回転自在に配置され、前記ファンケース
   の片側の前記端板には前記多翼ファンの中央に対応させ
   て吸込口が設けられ、前記ファンケースの筒部には前記
   多翼ファンが偏心している側に隣接し且つ前記多翼ファ
   ンの回転方向の下流側に対応させて吐出口が設けられ、
   前記多翼ファンを電動機で回転させることにより前記吸
   込口から吸込んだ空気を前記ファンケース内で加圧して
   前記吐出口から吐出させる多翼ファン式送風機におい
   て、 前記ファンケース内に前記多翼ファンの羽根を通過して
   前記吐出口から出るまでの間の気流を整流する整流板が
   複数枚、相互に平行する向きで設けられていることを特
   徴とする多翼ファン式送風機。
2. 【請求項２】 前記整流板は前記ファンケースの前記両
   端板の板面に直交する向きで複数枚、前記吐出口から前
   記多翼ファンの外周までの長さに応じて長さを変えて相
   互に平行する向きで設けられていることを特徴とする請
   求項１に記載の多翼ファン式送風機。