JP3048867U - 出血対策パンツ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 痔の出血を確実に吸収保持できてパンツ外部
へ漏出することがなく、また、装着感に優れた出血対策
パンツを実現する。 【構成】 パンツ生地12の裏面側における、股部14から
臀部16にかけて吸収シート18を装着してなる出血対策パ
ンツ10であって、吸収シート18は、柔軟素材で構成され
た保護層24、血液を吸収・保持する吸収層26、及び血液
は通過させず湿気のみ通過させる透湿フィルム層28の３
層構造となされており、上記保護層24は人の肌と接する
肌面側に配置されると共に、上記透湿フィルム層28はパ
ンツ生地12側に配置されてなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、パンツの裏面側に血液を吸収するシートを取り付けた出血対策パ ンツに係り、特に、痔に伴う出血を上記シートが素早く吸収してシート内部に保 持し、パンツ内部をドライに保つことができるとともに、血液がパンツの外側へ 漏出することのない出血対策パンツに関する。

【０００２】

【従来の技術】

痔によって出血することが多々あるが、従来、痔の出血対策用のパンツは存在 していなかったため、痔を患う人は、出血の度ごとにパンツを取り替えたり、或 いは、女性の生理用ナプキンを痔の患部近傍に装着し、痔の出血を上記生理用ナ プキンで吸収させる等の対策を施していた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、外出中や仕事中においては、出血の度ごとにパンツを取り替えるのは 困難なことであり、また替えのパンツを常に持ち歩くのも非常に煩わしいことで あることから、結局、出血により汚れたパンツを長時間使用せざるを得ず、その 結果、血液がパンツ外部へ漏出し、ズボンやスカート等の衣服を汚すことがあっ た。

【０００４】 また、女性の生理用ナプキンを痔の患部近傍に装着した場合には、確かに、痔 の出血をある程度吸収することはできるが、本来、女性の生理用に製造されたナ プキンを痔用に転用して使用するため、ナプキンの大きさや形状が痔の出血対策 に適したものとはなっておらず、その結果、出血の全てを吸収することができず 、一部が漏れ出したり、或いは装着感が悪く、痔の悪化をもたらす等の問題があ った。また、男性の場合には、女性の生理用ナプキンを使用することに対して、 抵抗感があった。

【０００５】 本考案は、従来の上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的 とするところは、痔の出血を確実に吸収保持できてパンツ外部へ漏出することが なく、また、装着感に優れた出血対策パンツを実現することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案に係る出血対策パンツは、パンツ生地の裏 面側における、股部から臀部にかけて吸収シートを装着してなり、上記吸収シー トは、柔軟素材で構成された保護層、血液を吸収・保持する吸収層、及び液体は 通過させず湿気のみ通過させる透湿フィルム層の３層構造となされており、上記 保護層は人の肌と接する肌面側に配置されると共に、上記透湿フィルム層はパン ツ生地側に配置されてなることを特徴とする。

【０００７】 上記保護層は、例えば、ポリエステル糸を天竺編みすることにより構成するこ とができる。また、上記吸収層は、例えば、ポリアクリレート２０％、アクリル ４０％、ポリエステル２０％及びレーヨン２０％の混合繊維を素材として形成さ れた不織布で構成することができる。さらに、上記透湿フィルム層は、例えば、 ポリウレタンにより構成することができる。

【０００８】 本考案の出血対策パンツにあっては、柔軟素材で構成された保護層により痔の 患部がやさしく保護され、生理用ナプキンを痔の患部にあてがって使用する場合 のように、痔の悪化をもたらすことがない。 また、痔による出血があると、上記吸収層の働きにより、血液は直ちに保護層 を通過して該吸収層で確実に吸収・保持されるため、パンツ外部に血液が漏出し て衣服を汚すことがない。 さらに、血液の湿気は、透湿フィルム層を通過して、パンツ外部へと逃がされ るため、上記保護層と接する肌面はむれることなく、常にドライな状態を維持す ることができる。 さらにまた、本考案の出血対策パンツは、パンツ生地の裏面側における、股部 から臀部にかけて吸収シートを装着して構成することから、通常の男性用または 女性用のパンツと同様な外観形状となすことができるため、抵抗感なく使用する ことができる。

【０００９】

【考案の実施の態様】

本考案に係る出血対策パンツを図１乃至図５に基づいて説明する。 図１は、本考案に係る男性用の出血対策パンツ10の裏面側を示す正面図、図２ は、同背面図である。本考案の出血対策パンツ10は、綿等の素材で形成されたパ ンツ生地12の裏面側における、股部14から臀部16にかけて吸収シート18が装着さ れている。すなわち、図３に示すように、上記吸収シート18は、パンツ生地12の 股部14（前股部14ａ、中股部14ｂ、後股部14ｃ）及び臀部16を覆うように配置さ れ、その周縁をパンツ生地12に縫着することにより取り付けられている。

【００１０】 また、パンツ生地12における腿回り部20には、血液の横漏れ防止のため、撥水 加工されたナイロン製の撥水テープ22が縫着されている。もっとも、血液は上記 吸収シート18が破損しない限り、該吸収シート18で確実に吸収・保持できること から、上記撥水テープは必ずしも必要なものではなく、吸収シート18の破損に備 えて念のために取り付けられたものである。

【００１１】 上記吸収シート18は、図４に示すように、３層構造となされており、人の肌と 接する肌面側が保護層24、中間が吸収層26、パンツ生地12と接するパンツ生地側 が透湿フィルム層28となっている。

【００１２】 上記保護層24は、痔の患部をやさしく保護することができる柔軟素材で構成さ れており、例えばポリエステル糸を天竺編みすることにより構成することができ る。

【００１３】 上記吸収層26は、ポリアクリレート２０％、アクリル４０％、ポリエステル２ ０％及びレーヨン２０％の混合繊維を素材として形成された不織布であり、血液 を素早く吸収し、且つ、一旦吸収した血液を内部に保持して逃がさない性質を備 えているものである。また、上記吸収層26は、洗濯が行われて水に浸された場合 には、内部に保持した血液を放出する性質をも備えている。尚、当該吸収層26に 、適宜な方法で抗菌、消臭加工を施すのが望ましい。

【００１４】 上記透湿フィルム層28は、ポリウレタンにより構成されており、血液や水は通 過させることがないが、湿気は通過させる性質を備えているものである。

【００１５】 而して、上記構成の出血対策パンツ10を着用すると、柔軟素材で構成された上 記保護層24により痔の患部がやさしく保護されるため、生理用ナプキンを痔の患 部にあてがって使用する場合のように、痔の悪化をもたらすことがない。そして 、痔による出血があると、上記吸収層26の働きにより、血液は直ちに保護層24を 通過して該吸収層26で確実に吸収・保持される。また、血液の湿気は、上記透湿 フィルム層28を通過して、パンツ外部へと逃がされるため、上記保護層24と接す る肌面はむれることなく、常にドライな状態を維持することができる。 尚、上記の通り、本考案の出血対策パンツ10の吸収層26は、水に浸された場合 には、内部に保持した血液を放出する性質を有していることから、洗濯を行うこ とにより繰り返し使用することができ、経済的である。 また、本考案の出血対策パンツ10は、パンツ生地12の裏面側における、股部14 から臀部16にかけて吸収シート18を装着して構成することから、通常の男性用パ ンツと同様な外観形状となすことができ、抵抗感なく使用することができる。 もちろん、使用者が女性の場合にも、図５に示す通り、通常の女性用パンツの 股部14から臀部16にかけて吸収シート18を装着することにより、本考案の出血対 策パンツ10を構成することができる。

【００１６】 上記出血対策パンツ10にあっては、吸収シート18をパンツ生地12に縫着して取 り付けているが、例えば綿ファスナー等を用いることにより、吸収シート18とパ ンツ生地12とを着脱自在に構成することもできる。この場合には、本考案の出血 対策パンツ10を、痔の出血がない時は吸収シート18を取り外して普通のパンツと して使用することができ、痔の出血が始まった時のみ吸収シート18を取り付けて 出血対策を施すようにすればよい。

【００１７】 尚、上記においては、本考案の出血対策パンツ10を痔の出血用に使用する場合 を説明してきたが、これに限定されることなく、女性の生理の出血対策用に使用 することもできる。

【００１８】

【考案の効果】

本考案の出血対策パンツにあっては、柔軟素材で構成された保護層により痔の 患部がやさしく保護されるため、生理用ナプキンを痔の患部にあてがって使用す る場合のように、痔の悪化をもたらすことがない。 また、痔による出血があると、上記吸収層の働きにより、血液は直ちに保護層 を通過して該吸収層で確実に吸収・保持されるため、パンツ外部に血液が漏出し て衣服を汚すことがない。 さらに、血液の湿気は、透湿フィルム層を通過して、パンツ外部へと逃がされ るため、上記保護層と接する肌面はむれることなく、常にドライな状態を維持す ることができ、快適な装着感を備えた出血対策パンツを実現できる。 さらにまた、本考案の出血対策パンツは、パンツ生地の裏面側における、股部 から臀部にかけて吸収シートを装着して構成することから、通常の男性用または 女性用のパンツと同様な外観形状となすことができるため、抵抗感なく使用する ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る男性用の出血対策パンツの裏面側
を示す正面図である。

【図２】本考案に係る男性用の出血対策パンツの裏面側
を示す背面図である。

【図３】本考案に係る出血対策パンツにおける吸収シー
ト装着部の展開図である。

【図４】吸収シートの断面図である。

【図５】本考案に係る女性用の出血対策パンツの裏面側
を示す正面図である。

【符号の説明】

10 出血対策パンツ 12 パンツ生地 14 股部 16 臀部 18 吸収シート 20 腿回り部 22 撥水テープ 24 保護層 26 吸収層 28 透湿フィルム層

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 パンツ生地の裏面側における、股部から
   臀部にかけて吸収シートを装着してなる出血対策パンツ
   であって、上記吸収シートは、柔軟素材で構成された保
   護層、血液を吸収・保持する吸収層、及び血液は通過さ
   せず湿気のみ通過させる透湿フィルム層の３層構造とな
   されており、上記保護層は人の肌と接する肌面側に配置
   されると共に、上記透湿フィルム層はパンツ生地側に配
   置されてなることを特徴とする出血対策パンツ。
2. 【請求項２】 上記保護層は、ポリエステル糸を天竺編
   みすることにより構成されていることを特徴とする請求
   項１に記載の出血対策パンツ。
3. 【請求項３】 上記吸収層は、ポリアクリレート２０
   ％、アクリル４０％、ポリエステル２０％及びレーヨン
   ２０％の混合繊維を素材として形成された不織布で構成
   されていることを特徴とする請求項１または２に記載の
   出血対策パンツ。
4. 【請求項４】 上記透湿フィルム層は、ポリウレタンに
   より構成されていることを特徴とする請求項１乃至３の
   何れかに記載の出血対策パンツ。