JP3046735B2 - 吸音効果を持たせた省力型軌道構造 - Google Patents

吸音効果を持たせた省力型軌道構造

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JP3046735B2
JP3046735B2 JP6325057A JP32505794A JP3046735B2 JP 3046735 B2 JP3046735 B2 JP 3046735B2 JP 6325057 A JP6325057 A JP 6325057A JP 32505794 A JP32505794 A JP 32505794A JP 3046735 B2 JP3046735 B2 JP 3046735B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鉄道における騒音低減対
策として粒形物を軌道内に敷き詰めて吸音効果を持たせ
るとともに、構造物への振動伝達を小さくするようにし
た保守作業省力型軌道構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、コンクリート床版または路盤コン
クリート上に敷設する軌道には、マクラギ、バラストを
主要材料としたバラスト軌道、レールを支持するための
プレキャストコンクリートスラブと床コンクリートとの
間にセメントアスファルトモルタルを緩衝材として充填
したスラブ軌道、弾性マクラギ直結軌道等が採用されて
いる。
【0003】バラスト軌道は建設コストが低廉で敷設が
容易でさらに吸音効果もあり、軌道狂いの整正が容易で
あるが、列車荷重の繰り返しによって発生する変形を定
常的に修復しなければならず、特に高速鉄道においては
軌道の整備度を高水準に保持する必要があり、繰り返し
荷重による劣化に対しバラスト交換を要し、そのための
経費、労力が多くかかってしまう。
【0004】このため、現在、高架橋上の省力化軌道と
しては、スラブ軌道、弾性マクラギ直結軌道が開発され
ている。これらの省力化軌道では、騒音値や構造物の振
動値が大きかったり、高価であったりしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の省力化軌道にお
いては、騒音値や構造物の振動値が大きかったり、ある
いは騒音値や構造物の振動値はバラスト軌道並である
が、建設コストが高いという問題があり、低コスト、
省力化軌道、低騒音と3つを同時に満足できる軌道
構造はなかった。
【0006】本発明は上記課題を解決するためのもの
で、低コストであるとともに、騒音低減機能、構造物の
振動伝達を小さくする機能を持続することができる吸音
効果を持たせ、保守作業省力型軌道構造を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、コンクリート床版上に直接、或いはコン
クリート床版上に設けられたズレ止め及び高さ調整コン
クリート上に、下面の一部に弾性材を取り付けたマクラ
ギを設置してレールを締結し、マクラギとコンクリート
床版間に直接コンクリートを打設、或いはマクラギとズ
レ止め及び高さ調整コンクリート間に流動性のある固結
材をてん充して軌框を固定し、コンクリート床版上に、
バラスト軌道と同程度の騒音低減効果が得られる各粒径
の粒形物に対する必要厚さをDk (k=1〜n)、全体
の散布厚をD、全体の散布厚Dに対する各粒径の粒形物
の散布厚の割合(成分割合)をak としたとき、 となるように各粒径の粒形物を混合して敷き詰めたこと
を特徴とする。
【0008】
【作用】本発明の省力型軌道構造によれば、コンクリー
ト床版上に薄く、かつ幅広く粒形物の吸音材を敷き詰め
ることにより吸音効果を高めることができる。また、騒
音対策の上で他の方法より施工が容易で耐久性もある。
さらに、マクラギ下面の弾性材により振動の伝達を低減
することができる。また、コンクリート床版上に設けた
ズレ止め及び高さ調整コンクリートとマクラギの間に固
結材をてん充し、或いはマクラギとコンクリート床版間
に直接コンクリートを打設して軌框を固定することによ
り、軌道の変状がなくなり、軌道保守の省力化を図るこ
とができるとともに、ズレ止め及び高さ調整コンクリー
トをレール直下のみの施工とすることにより、コンクリ
ート使用量が少なくてすみ、かつマクラギに生ずる断面
力も小さくなるため、建設コストの低減化も図ることが
できる。
【0009】
【実施例】図1は横型マクラギを用いた保守作業省力型
軌道の一実施例を示す図で、図1(a)は平面図、図1
(b)は図1(a)のAーA断面図である。なお、1は
コンクリート床版、2はズレ止め及び高さ調整コンクリ
ート、3は弾性材、3aは縁切り材、4は固結材、5は
横型マクラギ、6は粒形物吸音材、7はレール締結装
置、8はレールである。本実施例は、横型マクラギを用
いた保守作業省力型軌道であり、コンクリート床版1の
上にマクラギ受台であるズレ止め及び高さ調整コンクリ
ート2を施工する。ズレ止め及び高さ調整コンクリート
2はレール8、8間には施工せず、レールの下側領域に
レールに沿って施工してレール8、8間に広い空間を形
成する。ズレ止め及び高さ調整コンクリート2の横型マ
クラギ5を受ける部分はマクラギの外形形状に合わせて
函型になっており、この函型部分が線路に直交方向に形
成されている。次いで、ズレ止め及び高さ調整コンクリ
ート2に横型マクラギ5を設置するが、このときマクラ
ギ下面に矩形状のウレタン樹脂、合成ゴム等の弾性材3
を取り付けてズレ止め及び高さ調整コンクリート2に対
して所定の高さに保持する。この弾性材3を介在させる
ことにより振動が低減され、防振機能が付与されること
になる。また、ズレ止め及び高さ調整コンクリート2と
マクラギが直接当たらないようにマクラギ周囲に縁切り
材3aを取り付ける。この状態でマクラギ5とズレ止め
及び高さ調整コンクリート2の間にコンクリート、注入
モルタル等の流動性のある固結材4を注入して固定し、
レール締結装置7でレール8をマクラギ5に固定する。
こうしてレール、マクラギ、ズレ止め及び高さ調整コン
クリートを一体化することにより、軌道の変状がなくな
り、軌道保守の省力化を図る省力型軌道を構築する。次
に、ズレ止め及び高さ調整コンクリート施工部分を除
く、コンクリート床版上の広い領域全体に粒形物吸音材
6を敷き詰める。後述するように、粒形物吸音材6は所
定の要件を満たすように敷きつめることにより、顕著な
騒音低減効果が達成される。図2は縦型マクラギを用い
た省力型軌道の他の実施例を示す図で、図1と同一参照
数字は同一内容を示している。なお、図中、9はズレ止
め及び高さ調整コンクリート、10は縦マクラギであ
る。本実施例においては、マクラギを受けるズレ止め及
び高さ調整コンクリート9が線路方向に形成されてい
て、この部分で縦マクラギ10を受けるようにし、レー
ル8、8間に広い空間を形成して省力型軌道を構築する
のは図1の場合と同様である。本実施例においても図1
の場合と同様に、ズレ止め及び高さ調整コンクリート施
工部分を除く、コンクリート床版上の広い領域全体に、
後述する所定の要件を満たす成分ように粒形物6を敷き
つめて騒音低減を図るようにする。
【0010】図3は側モルタル支持方式の省力型軌道の
他の実施例を示す図である。図中、図1と同一番号は同
一内容を示している。なお、20は路盤コンクリート、
21は調整モルタル、22は側モルタル、23は側壁コ
ンクリート、24は注入袋である。
【0011】本実施例においては、路盤コンクリート2
0の上に注入した調整モルタル21の上に、弾性材3を
取付けられた横型マクラギ5を並べてマクラギを固定す
るようにしたものであり、調整モルタルの注入はレール
方向に、所定長さ、例えば2.5m程度(マクラギ3本
分程)の長さの注入袋24をマクラギの両側支点部に設
けて行い、そのため図示するようにマクラギ中央部下側
は空間となる。マクラギ5は支点部が調整モルタル21
で固定されて軌道狂いは生じず、さらにマクラギ5と側
壁コンクリート23の間の側モルタル22によりマクラ
ギ端部を固定して横移動が防止される。
【0012】また、側壁コンクリート23は、図示する
ように型枠によって内面が波形に形成されており、調整
モルタルの場合と同様の注入袋を用いて側モルタル22
を注入すると、側モルタル22の側壁コンクリート側は
波形となり、また、マクラギ側はマクラギの部分は凹、
マクラギ間は凸の面となる。この側壁コンクリート面の
波形、側モルタルの凹凸のために、側モルタルは接着し
ないものの、マクラギのレール方向の動きを拘束する。
次いで、粒形物吸音材6をマクラギ5の下側の空間、マ
クラギ5上面、側モルタル22、調整モルタル21、側
壁コンクリート23の広い領域全体に敷きつめることに
より、騒音を吸収するようにする。粒形物吸音材6の散
布厚、成分は図1、図2の場合と同様である。なお、本
実施例では路盤コンクリート20をレール間にも設ける
ようにしているが、調整モルタル21の厚みの分だけレ
ール間には空間が形成され、この部分に粒形物吸音材6
を敷きつめることにより充分に騒音を吸収できる。
【0013】図4は2ブロックマクラギ方式の省力型軌
道の他の実施例を示す図である。図中、図1と同一番号
は同一内容を示している。なお、30は台座コンクリー
トである。本実施例においては、横型マクラギ5は2つ
のブロックを鋼製のロッド5aで接続した構造になって
いる。台座コンクリート30は線路に直交する方向に形
成された函型部分でマクラギのブロック部分を受けるよ
うになっており、レール8、8間には施工せず、レール
下側領域にのみ施工してレール間に広い空間を形成す
る。台座コンクリートの下面は床版に固定され、また、
マクラギ5は、弾性材3を介在させて注入モルタル等の
流動性のある固結材4を注入して固定し、マクラギ5に
レール締結装置7でレールを固定してレール、マクラ
ギ、函型台座コンクリートを一体化することにより省力
型軌道を構築する。次いで、函型台座コンクリート部分
を除いた広い領域全体に、図1〜図3の場合と同様に粒
形物吸音材6を敷きつめて騒音を吸収するようにする。
【0014】なお、上記説明ではコンクリート床版上に
ズレ止め及び高さ調整コンクリートを設けてマクラギを
設置し、マクラギとズレ止め及び高さ調整コンクリート
間に固結材をてん充して軌框を固定するようにしたが、
本発明はこれに限定されるものではなく、コンクリート
床版上に直接マクラギを設置し、マクラギとコンクリー
ト床版間に直接コンクリートを打設して軌框を固定する
ようにしてもよい。
【0015】次に、本発明において使用する粒形物吸音
材について説明する。図5は各種粒形物吸音材の吸音率
(試料単位面積当たりの値で、完全に音を吸収する場合
を1とする)の測定結果を示す図である。吸音率は残響
室法で求めたものであり、次式により求めた。 α=(55.3V/cS)(1/T1 −1/T2 ) ……(1) ここで、α :残響室法吸音率(/m2 ) T1 :試料を入れた状態における残響時間(s) T2 :試料を入れない状態における残響時間(s) V :残響室容積(=75m3 ) S :試料面積(=6m2 (3m×2m)) c :空気中の音速(=331.5+0.61t) t :空気の温度 図5に記載の散布厚は、粒形物吸音材を敷きつめたとき
の底面からの高さ(単位mm)を示しており、騒音とし
ては列車走行に伴って発生する160〜4000Hzに
ついて実験し、その中の500Hz、1000Hzにつ
いて示した。また、粒形物としては、バラスト(25〜
50mm径)、単粒度砕石7号(2.5〜5mm径)、
単粒度砕石6号(5〜13mm径)、単粒度砕石5号
(13〜20mm径)、単粒度砕石4号(20〜30m
m径)、洗い砂(荒目1〜2mm径)、鉄鋼スラグ(M
Sー25)、再生砕石(0〜40mm径)、溶岩(20
〜40mm径)を対象とした。図5から分かるように、
砂等の粒径の小さいもの程吸音率が高く、例えば、洗い
砂では50mm厚に敷きつめるだけで、バラスト300
mm厚よりも吸音率が高い。図の再生砕石は、ビル、舗
装道路、古いコンクリートマクラギ等を壊した細かい砕
片であり、極めて吸音率が高い。
【0016】ところで、吸音材による吸音率は周波数特
性をもっているため、騒音低減効果は対象となる音のス
ペクトルに依存する。一般にレール近傍での騒音のスペ
クトルは500〜2000Hzになだらかなピークをも
っているので、例えば、0〜4000Hzにおいて、騒
音レベルをLとしたとき、図6に示すような騒音スペク
トルL(fn )を仮定し、このスペクトルをもつ音に対
する吸音率(平均吸音率αm )を求めて騒音低減効果を
評価する。
【0017】平均吸音率αm は次式のように定義され
る。 αm =Σαn n /ΣWn ……(2) ここで、αn :周波数fn の音に対する吸音率 Wn :10A (A=L(fn )/10) 次に、レール近傍を拡散音場とすると、吸音材の騒音低
減効果は、 ΔL=10・log{(αm S+X)/X} ……(3) で表される。但し、Sは吸音材の散布面積(軌道全面に
敷いてある場合を1とする)で、αm Sは試料による吸
音力、Xは吸音材を散布しない状態でのレール近傍場の
吸音力を表しており、αm S+Xは試料を散布したとき
のレール近傍場の吸音力である。Xは、例えばスラブ面
の平均吸音率を0、スラブ面とバラスト軌道の吸音率の
差を5dB(A)となるように定めると、X=0.23
となる。
【0018】図7は、図5に示す各試料を直置きし、図
6に示すような騒音スペクトルに基づいて求めた騒音低
減効果(単位dB(A)値)を示すものである。図7よ
り、バラスト軌道と同等の騒音低減効果5dB(A)が
ほぼ達成できる散布厚は、おおよそ、 単粒度砕石4号:200mm 単粒度砕石5号:200mm 単粒度砕石6号:100mm 単粒度砕石7号:50mm 洗い砂(荒目):50mm以下 鉄鋼スラグ :100mm 溶岩 :100mm 再生砕石 :50mm以下 であることが分かる。また、乾燥した鹿島砂について1
〜4cmで同様に試験したところ2cm以上でほぼ達成
できることが分かった。この結果は、各試料単独で使用
したものについてであるが、これらのものを組み合わせ
ることによっても、同様な騒音低減効果が達成できる。
【0019】図8は3種類の試料を3層(下層、中層、
上層で各層の厚み5cm、総散布厚15cm)にした場合
(試料1〜5)、2種類の試料を2層にした場合(7号
砕石5cm、6号砕石10cm:試料6)、試料5の混合型
(試料5における3種類の試料を混合した場合で総散布
厚15cm:試料7)についての騒音低減効果を示したも
のである。図8から分かるように、異なる試料を組み合
わせて多層にしても、混合させても同じ効果が得られる
ことが分かる。
【0020】図5で説明したように、騒音低減効果は粒
径に応じて異なり、バラスト軌道と同じ程度の騒音低減
効果5dB(A)が得られる粒径毎の必要厚さ(最小の
厚さ)について求めたところ、図9に示すような結果が
得られた。すなわち、 粒径30〜50mm:40cm 粒径25〜30mm:30cm 粒径20〜25mm:25cm 粒径15〜20mm:20cm 粒径10〜15mm:15cm 粒径 5〜10mm:10cm 粒径 2.5〜10mm: 5cm 粒径 1.2〜 2.5mm: 2.5cm 粒径 1.2mm以下 : 2.0cm 前述したように、異なる粒径のものを層状あるいは混合
させても、同一粒径のものを単独使用した場合と同様な
効果が得られる。いま、異なる粒径n種類の試料S
k (k=1〜n)を層状、或いは混合する場合を考え
る。各試料Sk 単独使用により5dB(A)騒音低減効
果が得られる必要厚さをDk 、n種類の試料全体の散布
厚をD、試料Sk の全体の散布厚Dに対する割合をak
とすると、akD/Dk は試料Sk の必要厚さDk に対
する割合を意味し、この値が1以上であれば試料Sk
独で5dB(A)以上の騒音低減効果が得られる。ま
た、ΣakD/Dk が1以上であればn種類の試料全体
で5dB(A)以上の騒音低減効果が得られることが分
かる。
【0021】つまり、 が満たされれば5dB(A)以上の騒音低減効果が得ら
れることになる。なお、(4)式を満たすように吸音材
を敷きつめれば5dB(A)以上の騒音低減効果が得ら
れるが、効果的な騒音低減を図り、かつ吸音材の使用量
を節約するために、吸音材の最大径は50mm以下、総
散布厚は2cm〜40cmであることが望ましい。
【0022】図10は粒度分布・散布厚と吸音効果を説
明する図である。図の横軸は粒径、縦軸は粒度分布と散
布厚を示し、階段状の折れ線Aは各粒径に対する必要厚
さ、曲線Bは粒度分布の一例を示し、この例では、総散
布厚を15cmとしたときの各粒径の成分割合は、 粒径1.2mm以下 7% 粒径1.2〜2.5mm 17% 粒径2.5〜5mm 26% 粒径5〜10mm 20% 粒径10〜15mm 14% 粒径15〜20mm 9% 粒径20〜25mm 5% 粒径25〜30mm 2% である。ある粒径以下の粒形物の散布量の総散布量に対
して占める割合を縦軸の数値として示されており、例え
ば、粒径5mm以下の割合は0.5であることが分か
る。各粒径の粒形物の総散布厚に対する比率と総散布厚
との積が折れ線Cであり、折れ線Cで示される各粒径の
粒形物の各値と、各粒径の粒形物の必要厚さに対する比
率の総和が前述した(4)式であり、この値が1以上で
あれば、5dB(A)以上の騒音低減を図ることができ
る。粒度分布曲線Bは任意にひくことができ、このとき
(4)式を満足するように各成分を散布すればよい。
【0023】なお、前述したように、粒径の小さいもの
程吸音率がよいが、直径や固体重量が小さい粒形物を使
用する場合、そのまま敷き詰めると降雨で流出したり、
列車高速運転時の風圧で飛散してしまう。そこで、粒径
の異なるものを敷きつめる場合、細かい粒径のものは下
層に、粒径の大きいものは上層になるようにすればこれ
を防止することができる。なお、混合して散布すれば、
自然と細かいものは下層にいくので流出や飛散防止を図
ることができる。
【0024】また、粒形物の流出や飛散防止を図るため
に、図11に示すように、透水性と強度のある袋40に
詰めて吸音材として敷き並べたり、図12に示すよう
に、袋40の代わりに透水性と強度のある箱41に詰め
て吸音材として敷き並べるようにすれば、降雨や高速列
車走行に伴う粒形物の流出や飛散を防止することが可能
である。
【0025】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、省力型軌
道において列車が走行することにより発生する騒音低減
対策として、コンクリート床版上に、各粒径の必要厚さ
に対する各粒径の散布厚の比の総和が1以上となるよう
に粒形物を敷きつめることにより、効果的に騒音を吸収
することができる。また、粒形物は、径が小さい程吸音
効果があり、砂や砕石を使用することで、材料単価が安
く、敷き詰め厚さもせいぜい10cm程度、厚くても3
0cm以下ですむため使用量も少なくてすみ、施工も軌
道の表面に吸音材を張る方式に比して容易であり、また
粒形物は耐久性があるため、極めて高い経済的効果が得
られる。また、マクラギとズレ止め及び高さ調整コンク
リートとの間に防振機能を有する弾性材を設置すること
により、列車が走行することにより発生する構造物振動
を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 横型マクラギを用いた省力型軌道の実施例を
示す図である。
【図2】 縦型マクラギを用いた省力型軌道の実施例を
示す図である。
【図3】 側モルタル支持方式の省力型軌道の実施例を
示す図である。
【図4】 2ブロックマクラギ方式省力型軌道の実施例
を示す図である。
【図5】 各種粒形物の吸音率測定結果を示す図であ
る。
【図6】 騒音スペクトルを示す図である。
【図7】 騒音低減効果を説明する図である。
【図8】 異なる粒径のものを敷きつめたときの騒音低
減効果を説明する図である。
【図9】 粒径ごとの必要厚さを示す図である。
【図10】 粒度分布・散布厚と吸音効果を説明する図
である。
【図11】 粒形物を透水性の袋に入れて敷き並べる実
施例を説明する図である。
【図12】 粒形物を透水性の函に入れて敷き並べる実
施例を説明する図である。
【符号の説明】
1…コンクリート床版、2…ズレ止め及び高さ調整コン
クリート、3…弾性材、3a…縁切り材、4…固結材、
5…横型マクラギ、6…粒形物吸音材、7…レール締結
装置、8…レール、9…ズレ止め及び高さ調整コンクリ
ート、10…縦マクラギ、20…路盤コンクリート、2
1…調整モルタル、22…側モルタル、23…側壁コン
クリート、24…注入袋、30…台座コンクリート、3
1…敷きモルタル、40…透水性の袋、41…透水性の
箱。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−280208(JP,A) 特開 平7−109702(JP,A) 特開 平8−68001(JP,A) 特公 平6−57339(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E01B 1/00 E01B 19/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート床版上に直接、或いはコン
    クリート床版上に設けられたズレ止め及び高さ調整コン
    クリート上に、下面の一部に弾性材を取り付けたマクラ
    ギを設置してレールを締結し、マクラギとコンクリート
    床版間に直接コンクリートを打設、或いはマクラギとズ
    レ止め及び高さ調整コンクリート間に流動性のある固結
    材をてん充して軌框を固定し、コンクリート床版上に、
    バラスト軌道と同程度の騒音低減効果が得られる各粒径
    の粒形物に対する必要厚さをDk (k=1〜n)、全体
    の散布厚をD、全体の散布厚Dに対する各粒径の粒形物
    の散布厚の割合(成分割合)をak としたとき、 となるように各粒径の粒形物を混合して敷き詰めたこと
    を特徴とする吸音効果を持たせた省力型軌道構造。
JP6325057A 1994-12-27 1994-12-27 吸音効果を持たせた省力型軌道構造 Expired - Lifetime JP3046735B2 (ja)

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