JP3045885U - 多関節移送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】３０°以上の傾斜に対応し、転覆の危険がな
く、簡単な構造で、修理が容易で、運行コストが安い、
移送装置をえること。 【解決手段】 任意形状のベース体と、前記ベース体に
一体に固定される支持棒によって固定設置される上側ブ
ラケットと、ベース体の底部に設けられた歩行動作をす
る足場により構成される運動構造を備えた移送関節体の
連結体であって、前記各移送関節体の上部を連結させる
ために、上側ブラケットに遊動可能にピボット設置され
る連結バー、および各移送関節体の上部を連結し、傾斜
度および方向を調節するために、ベース体に固定設置さ
れた下側ブラケットに回動可能にピボット設置される可
変長の連結バーを備えた多関節移送装置。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は山地や傾斜地や沼地や砂地形などの険路で円滑に移動しつつ所定の貨 物を運ぶ移送装置に係り、特に独立的な移送構造を備える多数の移送関節体を連 結した多関節移送装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、山地や傾斜地や砂漠地域などの険路において貨物を移送するために用い られる移送装置としては、キャタピラを利用する無限軌道方式或いは四輪駆動方 式の車両がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記の特殊な車両は一般的に次のような問題点を有している。第１には、これ らの車両は、通常、傾斜地の登攀能力として３０°以上の傾斜に対しては構造上 、困難なので、使用範囲に制限がでてくる。第２には、これらの車両の構造上、 地上高が制限されており、この地上高以上の障害物がある場合には運行が不可能 になる。第３には、地上高を高く設定すると、車両の重心が高く不安定になり、 転覆の危険が高くなる。第４には、車両の重さが比較的重くなりがちであり、沼 地や砂地形の運行に困難を来す。第５には、複雑な構造のため、車両の価格が高 価になる。第６には、車両の複雑な構造から、修理が難しく、円滑な運行が困難 である。

【０００４】 本考案はかかる従来の不整地移送用車両の構造からもたらされる問題点を解決 する新たな移送装置を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記課題を解決するために、 カムにより歩行動作する足場を備えた独立的な移送構造を備えた移送関節体、 (1)前記各移送関節体の上端を一定の間隔を保つ部材で連結し、 (2)前記各移送関節体の下端を間隔を変更可能な調節部材で連結し、 (3)前記調節部材により下端の間隔を変更することで、前記各移送関節体が連結 された移送装置の方向転換及び垂直傾斜角を調節する作動を行い、全体的に節足 動物のごとく多関節式に動作される多関節移送装置を構成する。

【０００６】 本考案の装置では、進行を案内する先頭部の地上高を大幅に上昇させることが でき、設置面積も大きく、傾斜地登攀能力の向上及び転覆のおそれがない。また 、地面と平行の状態で移動し、繊細で柔軟な動作が可能である。しかも構成が単 純なので故障が少なく、且つ修理が容易だけでなく、安価に製造できる。

【０００７】 本考案による多関節移送装置は、任意形状のベース体と、前記ベース体に一体 に固定される支持棒によって固定設置される上側ブラケットと、前記ベース体の 底部に設けられた歩行動作をする足場により構成される運動構造を備えた移送関 節体の連結体であって、前記各移送関節体の上部を連結させるために、前記上側 ブラケットに遊動可能にピボット設置される連結バー、および前記各移送関節体 の上部を連結し、傾斜度および方向を調節するために、ベース体に固定設置され た下側ブラケットに回動可能にピボット設置される可変長の連結バーを備えた構 造である。

【０００８】 本考案による多関節移送装置のさらに詳細な構造は、 任意形状のベース体と、前記ベース体に一体に固定される支持棒によって固定 設置される上側ブラケットと、 前記ベース体の底部に軸設される回転軸、および前記回転軸に回転力を与える ためのモータ、等角の偏心方向をもつ状態に前記回転軸に一体に固定される所定 個数の円形カム、及び前記円形カムに共回転が可能になるように挿着される足場 により構成される運動構造と、 前記回転軸の両端が支持される状態にベース体の案内長孔に挿着されて昇降可 能に取り付けられる支持体、及び前記支持体とベース体との間に弾設されて支持 体に下向の弾性加圧力を付与するための弾発部材から構成される緩衝構造、 を備えた移送関節体の連結体であって、 前記各移送関節体の上部を連結させるために、前記上側ブラケットに遊動可能 にピボット設置される連結バー、 前記各移送関節体の上部を連結し、傾斜度および方向を調節するために、前記 ベース体に固定設置された下側ブラケットに回動可能にピボット設置される油圧 シリンダ及びピストンロッドから構成される傾斜度・方向調節構造、 を備えた多関節移送装置である。

【０００９】

【考案の実施の形態】

以下、上記のように構成される本考案の実施例の装置を図面を参照して詳細に 説明する。本考案の実施例の装置を図１に示す。ベース体１とベース体に一体に 固定される支持棒１１によって固定設置される上側ブラケット２、ベース体に固 定設置される下側ブラケット７３により移送関節体５の骨格が形成される。

【００１０】 ベース体１の底部にモータ３２が設置され、図示されていない足場を駆動する 。各移送関節体５の上部を連結させるために、上側ブラケット２に遊動可能にピ ボット設置される連結バー６が設けられる。

【００１１】 各移送関節体５の下部を連結し、傾斜度・方向を調節するために、前記ベース 体１の下側ブラケット７３に回動可能にピボット設置される傾斜度・方向調節構 造７を備える。傾斜度・方向調節構造７は油圧シリンダ７１とピストンロッド７ ２で構成されている。

【００１２】 本考案の方向転換動作について説明する。方向転換の場合には、図２に示すよ うに、移動しようとする方向の反対の方にある傾斜度・方向調節構造７のピスト ンロッド７２を突出させて、ベース体１が移動方向側のピストンロッド７２の端 部を中心にして一定角度だけ回動されるようにすることにより、ベース体１の方 向が転換される。この際、モータ３２で駆動される運動構造と傾斜度・方向調節 構造７の全ての動作は移送関節体５を運転する作業者が図示されていないコント ローラにより動作させるか、所定のリモートコントローラを用いて作動させる。

【００１３】 本考案の移送装置の先頭部は各移送関節体５の進行を案内する機能をもつ。障 害物を乗り越えるために先頭からの１，２個程度の移送関節体５を図３のように 垂直方向に傾けてヘッドアップ状態になるようにする。このようにするためには 、傾斜度・方向調節構造７のピストンロッド７２を突出させて、ベース体１が連 結バー６の端部を中心にして上向に回動されるようにすることにより、ベース体 １の前の部分が上げられるようにする。この際、地面から上げられた部分の重さ は地面に接している残りの多い移送関節体５が支えるので、全体的な均衡の保持 には問題がない。

【００１４】 本考案の移送装置の移動動作を説明する。図４は運動構造の説明図である。移 送関節体５のモータ３２を一方向に駆動させると、これに連結されるチェーン１ ０によって回転軸３１に一方向の回転力が付与され、これに固定設置された円形 カム３３，３４が回転し、図６の（ａ）〜（ｈ）に示すように足場３５を上下前 後に交互に移動させながら各移送関節体５を前進させる。

【００１５】 図５に運動構造３の断面図を示す。足場３５を通じて各移送関節体５に伝えら れる地面からの衝撃は回転軸を経て支持体４１に伝達され、よって支持体４１は 案内長孔４２で弾発部材４３を収縮させつつ上下に昇降されることにより、緩衝 構造４を構成しており、運行を柔らかく円滑にすることができる。

【００１６】 足場３５の運動範囲は円形カム３３，３４の中心と回転軸３１の中心との間隔 を調節することにより変更させることのできるもので、間隔が遠ければ遠いほど 大きくなり、狭ければ狭いほど小さくなり、尚足場３５は円形カム３３，３４に 共回転可能に取り付けられるので、自重によって常時水平状態を保持する。モー タ３２を逆に回転させると足場３５を逆に動かすことになり、これによって各移 送関節体５を後退させることができる。

【００１７】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の移送装置は、各移送関節体の移動方向転換及び 先端部のヘッドアップ傾斜角が調節されることにより、進行を案内する先頭部の 地上高を大幅に上昇させて普通の障害物は手軽く通過することができる。

【００１８】 重さの点で中心役割をするベース体が地面との近接しており、多足運動をする ことにより、移送装置の位置安定性が高い。また、スリップが防止され、優れた 傾斜地登攀能力及び転覆防止機能をもつことができる。地面と平行の状態に移動 されるので、繊細で柔軟な進行動作を行うことができる。

【００１９】 さらに、本考案の移送装置は、構成が単純で且つ軽量なので、故障が少なく、 修理と運搬が容易であり、安価に製造できるなどの効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の装置の斜視図である。

【図２】本考案の実施例の装置の方向転換を示す説明図
である。

【図３】本考案の実施例の装置の上下傾斜の調節状態を
示す説明図である。

【図４】本考案の実施例の装置の運動構造を示す説明図
である。

【図５】本考案の実施例の装置の緩衝構造を示す要部断
面図である。

【図６】本考案の実施例の装置の足場の作動状態を示す
説明図である。

【符号の説明】

１ ベース体 ２ 上側ブラケット ３ 運動構造 １０ チェーン １１ 支持棒 ３１ 回転軸 ３２ モータ ３３ 円形カム ３４ 円形カム ３５ 足場 ４ 緩衝構造 ４１ 支持体 ４２ 案内長孔 ４３ 弾発部材 ５ 移送関節体 ６ 連結バー ７ 傾斜度・方向調節構造 ７１ 油圧シリンダ ７２ ピストンロッド ７３ 下側ブラケット

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】任意形状のベース体と、前記ベース体に一
   体に固定される支持棒によって固定設置される上側ブラ
   ケットと、前記ベース体の底部に設けられた歩行動作を
   する足場により構成される運動構造を備えた移送関節体
   の連結体であって、 前記各移送関節体の上部を連結させるために、前記上側
   ブラケットに遊動可能にピボット設置される連結バー、
   および前記各移送関節体の上部を連結し、傾斜度および
   方向を調節するために、前記ベース体に固定設置された
   下側ブラケットに回動可能にピボット設置される可変長
   の連結バーを備えたことを特徴とする多関節移送装置。
2. 【請求項２】任意形状のベース体(1)と、前記ベース体
   に一体に固定される支持棒(11)によって固定設置される
   上側ブラケット(2)と、 前記ベース体(1)の底部に軸設される回転軸(31)、およ
   び前記回転軸(31)に回転力を与えるためのモータ(32)、
   等角の偏心方向をもつ状態に前記回転軸(31)に一体に固
   定される所定個数の円形カム(33,34)、及び前記円形カ
   ム(33,34)に共回転が可能になるように挿着される足場
   (35)により構成される運動構造(3)と、 前記回転軸の両端が支持される状態にベース体(1)の案
   内長孔に挿着されて昇降可能に取り付けられる支持体(4
   1)、及び前記支持体(41)とベース体(1)との間に弾設さ
   れて支持体(41)に下向の弾性加圧力を付与するための弾
   発部材(43)から構成される緩衝構造(4)を備えた移送関
   節体(5)の連結体であって、 前記各移送関節体(5)の上部を連結させるために、前記
   上側ブラケット(2)に遊動可能にピボット設置される連
   結バー(6)、 および、前記各移送関節体(5)の下部を連結し、傾斜度
   ・方向を調節するために、前記ベース体(1)の固定設置
   された下側ブラケット(73)に回動可能にピボット設置さ
   れる油圧シリンダ(71)及びピストンロッド(72)から構成
   される傾斜度・方向調節構造(7)、を備えたことを特徴
   とする多関節移送装置。