JP3045818U - ファスナー用スライダーの操作摘み具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ファスナーのスライダーのスライド操作を容
易にし、堅牢で長期に亙る使用によっても切裂せず、脱
落することがない等の操作性、堅牢性、装飾性、感触性
等に富み、スライダーとの連繋組み立ても容易にする。 【解決手段】 硬質材製の摘み具用芯体２を化粧カバー
３によって被装して成る摘み具本体１と、ファスナーＦ
のスライダーＳに連繋するほぼＤ字状の連繋部１１に、
摘み具本体１に貫挿掛止するよう閉塞する挿入切欠１３
を形成したほぼＣ字状の接続掛止部１２を一体状に形成
した連繋具１０とを備える。摘み具本体１は、後端が前
端に比しやや幅広に形成されるように前端は小径円弧
状、後端は大径円弧状にすると共に後端から前端に至る
に伴ない次第に幅狭になっている長方形状に形成した摘
み具用芯体２と、この摘み具用芯体２の表裏に配装した
２枚合せ状のものとすると共に周縁を縫着して摘み具用
芯体２を内装した状態で一体化する化粧カバー３とから
成り、前部に連繋孔５を開口形成してある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は例えば鞄、小物バッグ、衣服その他における開閉具として使用され るスライドファスナーにおいて操作性、堅牢性、装飾性等に富む組み立て容易な ファスナー用スライダーの操作摘み具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から各種の鞄、バッグ、衣服その他における開閉具として使用されている ファスナーは、そのスライダーのスライドによってテープ部の開放あるいは閉塞 を簡単容易に行なえるから極めて便利であり、多用されているものである。そし てスライダーのスライド操作は、スライダーに付設した摘み具を手指等で摘み、 摘み具に対する押しあるいは引きによって行なっている。

【０００３】 このための従来の摘み具はその装飾性をも加味して、スライダーに取り付けら れるＤ環、丸環と称されるリング金具を介して連繋される例えば皮革材、金属リ ング材、硬質性合成樹脂材等を素材として形成されているのである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

こうした従来の摘み具によると、金属リング材製のものである場合には指を掛 けることでの操作性が容易になる反面、金属による冷たい感触、印象があるため に適用範囲が限られるものである。合成樹脂材製のものである場合に種々な形状 、色彩等のものとできるも、硬質性素材であるために手指に対する良好な感触性 が得られず、使用感に欠けるものである。

【０００５】 また皮革材のものである場合には、図３に示すようにスライダーＳに取り付け られた板状の連繋金具Ｒに、矩形状に裁断形成された皮革材製の摘み具Ｈを連繋 金具Ｒ、摘み具Ｈ両者に貫挿止着される鳩目等の止着部材Ｊによって連繋される ものとなっている。ただこの皮革材製の摘み具Ｈによると、素材自体の柔軟性の ために長期に亙る使用では連繋部分が疲労によって切裂することで脱落すること があり、また肉薄、柔軟であるために摘みにくく、スライダーＳのスライド操作 が面倒、困難となることもあった。

【０００６】 そこでこの考案は叙上のような従来存した諸事情に鑑み案出されたもので、手 指に対する感触性に優れながらも手指によってしっかりと摘むことができ、スラ イダーに対するスライド操作が容易で簡単確実に取り扱うことができ、しかも堅 牢で長期に亙る使用によっても切裂せず、脱落することがない等の操作性、堅牢 性、装飾性等に富むばかりでなく、スライダーとの連繋組み立ても容易なファス ナー用スライダーの操作摘み具を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上述した目的を達成するため、この考案にあっては、硬質材製の摘み具用芯体 ２を化粧カバー３によって被装して成る摘み具本体１と、ファスナーＦのスライ ダーＳに連繋されるループ状の連繋部１１に、摘み具本体１に貫挿掛止されるよ う閉塞される挿入切欠１３が形成されている接続掛止部１２を一体状に連設形成 した連繋具１０とを備えて成るものである。 摘み具本体１は、後端が前端に比しやや幅広に形成されるように前端は小径円 弧状、後端は大径円弧状にすると共に後端から前端に至るに伴ない次第に幅狭に なっているほぼ長方形状に形成された摘み具用芯体２と、この摘み具用芯体２の 表裏に配装される２枚合せ状のものとされると共に相互の周縁が縫着されること で摘み具用芯体２を内装した状態で一体化される化粧カバー３とから成り、前部 に連繋孔５が開口形成されているものとして構成できる。 連繋具１０は、スライダーＳ上の連繋突部Ｓ１における掛止切欠Ｓ２を経て連 繋突部Ｓ１内に強制的に挿入されることで連結突部Ｓ１に掛止するようになって いる連繋部１１と、前部に挿入切欠１３が形成されていてほぼＣ字状を呈してい る接続掛止部１２とを相互にほぼ直交状にして一体形成して構成することができ る。 また連繋部１１は平面から見てほぼＤ字状の閉ループ状に形成され、接続掛止 部１２は側面から見てほぼＣ字状を呈しているものとしてある。

【０００８】 以上のように構成されたこの考案に係るファスナー用スライダーの操作摘み具 にあって、肉厚硬質な摘み具本体１は手指による摘み操作を容易にさせ、スライ ダーＳに対するスライド操作を円滑にさせ、ファスナーＦの開閉を簡単に行なわ せる。 摘み具本体１における摘み具用芯体２を被装する化粧カバー３は、摘み具用芯 体２の硬質感を解消させ、手指によって摘むときのフィット感を増大させる。 連繋具１０における平面でほぼＤ字状の連繋部１１はスライダーＳに対する連 繋を確実にし、しかも自由な揺動を可能にして摘み具本体１の押しあるいは引き 操作時のスライダーＳに対する摘み具本体１の姿勢を任意にし、容易な操作を可 能にさせる。 また連繋具１０における接続掛止部１２の挿入切欠１３は、摘み具本体１の連 繋孔５に貫挿後で押圧閉塞されることで、摘み具本体１と連繋具１０との接続連 繋を確実なものとさせ、摘み具本体１の牽引によってもこの摘み具本体１を連繋 具１０から抜脱させない。

【０００９】

【考案の実施の形態】

以下、図面を参照してこの考案の実施の形態を説明するに、図において示され る符号１は摘み具用芯体２に化粧カバー３を被装して成る摘み具本体であり、こ の摘み具本体１における摘み具用芯体２は例えば手指による摘み操作が容易とな る程度の大きさの例えば前後端が丸くなっているほぼ矩形状の適宜肉厚の金属板 、硬質合成樹脂板等から成っている。図示にあっての摘み具用芯体２は後端が前 端に比しやや幅広に形成されるように前端は小径円弧状、後端は大径円弧状にす ると共に後端から前端に至るに伴ない次第に幅狭になっているほぼ長方形状に形 成されており、また必要があれば表面はやや円弧状に膨出してあるものである。 もとよりこの摘み具用芯体２自体の形状、大きさ等は図示例に限定されるもので はなく、長円形、楕円形、円形、三角形、多角形等とし、また平板形状であると 立体形状であるとを問わず、場合によっては各種の具象物を模したものとするこ とも可能である。

【００１０】 また化粧カバー３は摘み具用芯体２全体を覆うようにして被装されるもので例 えば天然あるいは人工皮革材等によるものとされ、手指に対する良好な感触性が 得られるようにしてある。この化粧カバー３は例えば図示のように摘み具用芯体 ２の表裏に配装される２枚合せ状のものとされると共に相互の周縁が縫着される ことで摘み具用芯体２を内装した状態で一体化されている。もとよりこの化粧カ バー３自体は、他の柔軟性ある素材によって、更には袋状に形成されることもあ り、例えばシート状軟質合成樹脂材等であり、また図示のようにその表面にはロ ゴマーク、キャラクターマーク等の表示部４を形成しておくことで識別性、宣伝 広告性等を得るようにすることもできる。

【００１１】 そしてこの摘み具本体１における前部には、所定のファスナーＦにおけるスラ イダーＳに直接にあるいは間接に、すなわち後述する連繋具１０を介して連繋す るための連繋孔５が開口形成されている。この連繋孔５は摘み具用芯体２、化粧 カバー３両者に共通して開口形成されており、例えば円形状のものとされ、化粧 カバー３の摘み具用芯体２への被装処理に先立ち、摘み具用芯体２に、場合によ っては化粧カバー３にも予め穿設形成されている。

【００１２】 摘み具本体１を所定のファスナーＦにおけるスライダーＳに連繋するための前 記連繋具１０が摘み具本体１とは別に用意されており、この連繋具１０は、スラ イダーＳに連繋されるループ状の連繋部１１と、摘み具本体１における連繋孔５ に貫挿掛止されるよう閉塞される挿入切欠１３が形成されているほぼＣ字状の接 続掛止部１２とから一体状に形成されているものである。連繋部１１は、スライ ダーＳ上に側面から見てほぼ角Ｃ字状に形成されている連繋突部Ｓ１における掛 止切欠Ｓ２を経て連繋突部Ｓ１内に強制的に挿入されることで連結突部Ｓ１に掛 止するようになっており、例えば平面から見てほぼＤ字状の閉ループ状に形成さ れている。また接続掛止部１２は側面から見てほぼＣ字状を呈していて、図示の ように連繋部１１の直線部に対してほぼ直交状にして後部において連結一体化さ れており、前部に形成されている挿入切欠１３における縁部が連繋孔５に貫挿さ れた後の強制的な外部からの押圧力によって挿入切欠１３は閉塞されるものとさ れ、摘み具本体１をしっかりと掛合して支持するものとなっている。

【００１３】 なお挿入切欠１３における切欠幅員は、摘み具本体１における化粧カバー３が 被装されている摘み具用芯体２前部における肉厚幅員に比し小さくはないものと し、連繋部１１が連繋突部Ｓ１に掛止した状態では連繋具１０が、また接続掛止 部１２が摘み具本体１を掛合支持した状態では連繋具１０が夫々自由に揺動され るようにしてある。

【００１４】 次にこれの組立て、使用の一例を説明すると、摘み具本体１の連繋孔５内に連 繋具１０における接続掛止部１２の挿入切欠１３を貫挿した後に接続掛止部１２ の外方から挿入切欠１３を閉塞するように押圧することで摘み具本体１に連繋具 １０を掛止して組立てておく。そして例えば図示を省略してある鞄、バッグ等に おける開閉具としてのファスナーＦのスライダーＳに取り付けるものであり、そ の取り付けに際し、連繋具１０の連繋部１１をスライダーＳにおける連繋突部Ｓ １の掛止切欠Ｓ２を経て強制的に挿入するのであり、必要に応じ連繋突部Ｓ１を 押圧して掛止切欠Ｓ２を閉塞するのである。こうすることでスライダーＳには、 肉厚硬質な摘み具本体１が連繋された状態となり、この摘み具本体１を手指等で 摘み、押しあるいは引くことでスライダーＳ自体のスライド操作を行なうもので ある。

【００１５】

【考案の効果】

【００１６】 この考案は以上のように構成されているため、手指に対する感触性に優れなが らも手指によってしっかりと摘むことができ、スライダーＳに対するスライド操 作が容易で取扱いが簡単になることでファスナーＦの開閉操作を簡単確実に行な え、しかも堅牢で長期に亙る使用によっても切裂せず、スライダーＳから脱落す ることがないばかりでなく、スライダーＳとの連繋組み立ても容易なものとでき るのである。

【００１７】 すなわちこれはこの考案において、硬質材製の摘み具用芯体２を化粧カバー３ によって被装して成る摘み具本体１と、ファスナーＦのスライダーＳに連繋され るループ状の連繋部１１に、摘み具本体１に貫挿掛止されるよう閉塞される挿入 切欠１３が形成されているほぼＣ字状の接続掛止部１２を一体状に形成した連繋 具１０とを備えて成るものとしたからであり、操作性、堅牢性、装飾性、感触性 等に富むものとできるのである。

【００１８】 また摘み具本体１は、前後が円弧状になっていて前部に至るに伴ない次第に幅 狭になっているほぼ長方形状の摘み具用芯体２の表裏に、２枚合せ状に配装され て相互の周縁が縫着されることでの化粧カバー３を一体化し、前部に連繋孔５を 開口形成してあるから、硬質で、堅牢な摘み具用芯体２の硬質な手触り感を化粧 カバー３によって解消したものとでき、しかも手指によって摘み具本体１自体を 摘むときのフィット感を柔軟なものとし、またその装飾性を増大できるものであ る。

【００１９】 連繋具１０は、スライダーＳに強制的に連繋挿入されることで掛止するように なっている平面でほぼＤ字状になっている連繋部１１と、前部に挿入切欠１３が 形成されていて側面ほぼＣ字状を呈している接続掛止部１２とを相互にほぼ直交 状にして一体形成してあるから、スライダーＳに対する連繋を確実にし、しかも スライダーＳに対して摘み具本体１の自由な揺動を可能にして摘み具本体１の押 しあるいは引き操作時のスライダーＳに対する摘み具本体１の姿勢を任意にでき ることで容易な操作を可能にするものである。

【００２０】 また連繋具１０における接続掛止部１２には、摘み具本体１の連繋孔５に貫挿 掛止される挿入切欠１３を形成してあるから、連繋孔５に貫挿後で押圧閉塞され ることで摘み具本体１と連繋具１０とを確実簡単に接続連繋でき、スライダーＳ をスライド操作するときに摘み具本体１を強制的に牽引してもこの摘み具本体１ を連繋具１０から抜脱させることがなく、堅牢である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施の一形態における一部切欠の分
解斜視図である。

【図２】同じく断面図である。

【図３】従来例の斜視図である。

【符号の説明】

Ｆ…ファスナー Ｓ…スライダー Ｓ１…連繋突部 Ｓ２…掛止切欠 Ｊ…止着部材 Ｈ…摘み具 Ｒ…連繋金具 １…摘み具本体 ２…摘み具用芯
体 ３…化粧カバー ４…表示部 ５…連繋孔 １０…連繋具 １１…連繋部 １２…接続掛止部 １３…挿入切欠

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 硬質材製の摘み具用芯体を化粧カバーに
   よって被装して成る摘み具本体と、ファスナーのスライ
   ダーに連繋されるループ状の連繋部に、摘み具本体に貫
   挿掛止されるよう閉塞される挿入切欠が形成されている
   接続掛止部を一体状に連設形成した連繋具とを備えて成
   ることを特徴とするファスナー用スライダーの操作摘み
   具。
2. 【請求項２】 摘み具本体は、後端が前端に比しやや幅
   広に形成されるように前端は小径円弧状、後端は大径円
   弧状にすると共に後端から前端に至るに伴ない次第に幅
   狭になっているほぼ長方形状に形成された摘み具用芯体
   と、この摘み具用芯体の表裏に配装される２枚合せ状の
   ものとされると共に相互の周縁が縫着されることで摘み
   具用芯体を内装した状態で一体化される化粧カバーとか
   ら成り、前部に連繋孔が開口形成されている請求項１記
   載のファスナー用スライダーの操作摘み具。
3. 【請求項３】 連繋具は、スライダー上の連繋突部にお
   ける掛止切欠を経て連繋突部内に強制的に挿入されるこ
   とで連結突部に掛止するようになっている連繋部と、前
   部に挿入切欠が形成されていてほぼＣ字状を呈している
   接続掛止部とを相互にほぼ直交状にして一体形成してあ
   る請求項１または２記載のファスナー用スライダーの操
   作摘み具。
4. 【請求項４】 連繋部は平面から見てほぼＤ字状の閉ル
   ープ状に形成され、接続掛止部は側面から見てほぼＣ字
   状を呈している請求項１乃至３いずれか記載のファスナ
   ー用スライダーの操作摘み具。
5. 【請求項５】 後端が前端に比しやや幅広に形成される
   ように前端は小径円弧状、後端は大径円弧状にすると共
   に後端から前端に至るに伴ない次第に幅狭になっている
   長方形状に形成された摘み具用芯体の表裏に、２枚合せ
   状に配装されると共に相互の周縁が縫着されることで摘
   み具用芯体を内装した状態で化粧カバーを一体化すると
   共に、前部に連繋孔が開口形成されている摘み具本体
   と、スライダー上の連繋突部における掛止切欠を経て連
   繋突部内に強制的に挿入されることで連結突部に掛止す
   るようになっている平面から見てＤ字状の閉ループ状に
   形成されている連繋部に、摘み具本体における連繋孔に
   貫挿後で押圧閉塞される挿入切欠が前部に形成されてい
   て側面から見てほぼＣ字状を呈している接続掛止部を連
   繋部に対してほぼ直交状にして一体形成してある連繋具
   とを備えて成ることを特徴とするファスナー用スライダ
   ーの操作摘み具。