JP3045626B2 - 積層品の劣化診断方法 - Google Patents

積層品の劣化診断方法

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JP3045626B2
JP3045626B2 JP5115563A JP11556393A JP3045626B2 JP 3045626 B2 JP3045626 B2 JP 3045626B2 JP 5115563 A JP5115563 A JP 5115563A JP 11556393 A JP11556393 A JP 11556393A JP 3045626 B2 JP3045626 B2 JP 3045626B2
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英樹 十倉
善明 和田野
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和也 東畑
晃男 宮本
勲 板倉
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Kansai Electric Power Co Inc
Mitsubishi Electric Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、各種機器の構造材料
や絶縁材料として用いられている積層品の劣化診断方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電気機器においては、使用実績が
豊富なこと、生産性が良いことや大形品の製作が可能な
ことから、熱硬化性樹脂を用いた積層品がよく使用され
ている。とりわけ、積層品の中でも、最も汎用性の高い
紙フェノール積層品は、古くから絶縁材料であると共
に、機械的構造材料としてもよく使用されている。一般
的に、電気機器は、室温より高い温度で運転されるた
め、電気機器に使用されている積層品は、長年の運転に
よる経年劣化で機械強度が徐々に低下し、事故を引き起
こす可能性がある。このため、図8に示す引張強度残率
(新品の強度を100とする)と加熱時間(日)の関係
から、例えば、引張強度残率が50%に低下する時間を
寿命とした図9に示す寿命曲線から積層品の耐熱温度を
求め、積層品の耐熱温度以下の温度で電気機器が運転さ
れている。なお、引張強度残率は、機械強度の一例であ
る。
【0003】従来における積層品の劣化診断方法として
は、例えば、電気機器に使用されている紙フェノール積
層品から、図10に示すような形状の機械強度測定用の
試験片を切り出し、引張試験機を用いて該試験片の静的
引張強度を測定し、この測定値から試験片の劣化度合を
診断する方法が一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の積層品の劣化診
断方法は以上のように構成されているので、電気機器に
使用されている積層品を該電気機器から取り外し、該積
層品から所定形状の試験片を切り出さなければならず、
積層品が破壊されるという問題点があった。
【0005】また、電気機器の中でも静的応力を受ける
箇所に使用されている積層品の劣化度合を評価すること
はできるが、繰り返し疲労応力を受ける箇所に使用され
ている積層品の劣化度合を評価することはできないとい
う問題点があった。
【0006】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、電気機器に使用されている積層
品の劣化診断を非破壊またはごくわずかの試料を用いて
行なうことができ、さらに、前記積層品が電気機器の繰
り返し疲労応力を受ける箇所に使用されている場合であ
っても劣化診断を行なうことができる積層品の劣化診断
方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る積
層品の劣化診断方法は、積層品の加熱温度を変えた場合
の機械強度と硬度との関係を、それぞれの加熱温度毎に
求め、被測定積層品の所定の加熱温度における硬度を測
定し、この測定値と、前記機械強度と硬度との関係が解
析できる、アレニウス式および補償効果とに基づいて導
出した式によって、該被測定積層品の機械強度を推定
し、この推定値に基づき被測定積層品の劣化度合を診断
するものである。
【0008】また、請求項2の発明に係る積層品の劣化
診断方法は、積層品の加熱温度を変えた場合の、機械強
度と硬度の関係、及び、機械強度と加熱時間との関係
を、それぞれの加熱温度毎に求め、被測定積層品の所定
の加熱温度における硬度を測定し、この測定値と、前記
機械強度と硬度との関係が解析できる、アレニウス式お
よび補償効果とに基づいて導出した式によって、該被測
定積層品の機械強度を推定し、この推定値と、機械強度
と加熱時間との関係に基づき被測定積層品の劣化度合及
び余寿命を診断するものである。
【0009】また、請求項3の発明に係る積層品の劣化
診断方法は、積層品の加熱温度を変えた場合の、機械強
と線膨張係数との関係をそれぞれの加熱温度毎に求
め、被測定積層品の所定の加熱温度における線膨張係数
を測定し、この測定値と、前記機械強度と線膨張係数と
の関係に基づき、該被測定積層品の機械強度を推定し、
この推定値に基づき被測定積層品の劣化度合を診断する
ものである。
【0010】また、請求項4の発明に係る積層品の劣化
診断方法は、積層品の加熱温度を変えた場合の、機械強
と線膨張係数との関係、及び、機械強度と加熱時間と
の関係をそれぞれの加熱温度毎に求め、被測定積層品の
所定の加熱温度における線膨張係数を測定し、この測定
値と、前記機械強度と線膨張係数との関係に基づき、該
被測定積層品の機械強度を推定し、この推定値と、機械
強度と加熱時間との関係に基づき被測定積層品の劣化度
合及び余寿命を診断するものである。
【0011】また、請求項5の発明に係る積層品の劣化
診断方法は、積層品の加熱温度を変えた場合の機械強度
と熱機械特性曲線の変曲点温度との関係をそれぞれの加
熱温度毎に求め、被測定積層品の所定の加熱温度におけ
る熱機械特性曲線の変曲点温度を測定し、この測定値
と、前記機械強度と熱機械特性曲線の変曲点温度との関
係に基づき、該被測定積層品の機械強度を推定し、この
推定値に基づき、被測定積層品の劣化度合を診断するも
のである。
【0012】また、請求項6の発明に係る積層品の劣化
診断方法は、積層品の加熱温度を変えた場合の、機械強
と熱機械特性曲線の変曲点温度との関係、及び、機械
強度残率と加熱時間との関係をそれぞれの加熱温度毎に
求め、被測定積層品の所定の加熱温度における熱機械特
性曲線の変曲点温度を測定し、この測定値と、前記機械
強度と熱機械特性曲線の変曲点温度との関係に基づき、
該被測定積層品の機械強度を推定し、この推定値と、
械強度と加熱時間との関係に基づき、被測定積層品の劣
化度合及び余寿命を診断するものである。
【0013】また、請求項7の発明に係る積層品の劣化
診断方法は、積層品の加熱温度を変えた場合の、機械強
と破断するまでの繰り返し回数との関係、及び、該繰
り返し回数と加熱時間との関係をそれぞれ求め、これら
の関係から、前記積層品が搭載された電気機器の所定の
運転温度における運転時間と動作回数との関係を求め、
ここで前記電気機器の運転温度を測定し、この測定値
と、前記運転時間と動作回数との関係に基づいて、前記
積層品の余寿命を診断するものである。
【0014】また、請求項8の発明に係る積層品の劣化
診断方法は、積層品の加熱温度を変えた場合の、機械強
と破断するまでの繰り返し回数との関係、及び、該繰
り返し回数と加熱時間との関係をそれぞれ求め、これら
の関係から所定の機械強度における積層品の寿命と耐熱
温度との関係を求め、この関係における電気機器の運転
温度を、前記積層品の静的機械強度から推定し、前記積
層品の破断寿命を前記電気機器の動作回数により診断す
るものである。
【0015】
【作用】請求項1の発明における積層品の劣化診断方法
は、被測定積層品の所定の加熱温度における硬度を測定
することにより、該被測定積層品の劣化度合を非破壊で
診断する。
【0016】また、請求項2の発明における積層品の劣
化診断方法は、被測定積層品の所定の加熱温度における
硬度を測定することにより、該被測定積層品の劣化度合
及び余寿命を非破壊で診断する。
【0017】また、請求項3の発明における積層品の劣
化診断方法は、被測定積層品の所定の加熱温度における
線膨張係数を測定することにより、該被測定積層品の劣
化度合をわずか数十mg程度の試料により診断する。
【0018】また、請求項4の発明における積層品の劣
化診断方法は、被測定積層品の所定の加熱温度における
線膨張係数を測定することにより、該被測定積層品の劣
化度合及び余寿命をわずか数十mg程度の試料により診断
する。
【0019】また、請求項5の発明における積層品の劣
化診断方法は、被測定積層品の所定の加熱温度における
熱機械特性曲線の変曲点温度を測定することにより、該
被測定積層品の劣化度合をわずか数十mg程度の試料によ
り診断する。
【0020】また、請求項6の発明における積層品の劣
化診断方法は、被測定積層品の所定の加熱温度における
熱機械特性曲線の変曲点温度を測定することにより、該
被測定積層品の劣化度合及び余寿命をわずか数十mg程度
の試料により診断する。
【0021】また、請求項7の発明における積層品の劣
化診断方法は、前記電気機器の運転温度を測定すること
により、前記積層品の余寿命を診断する。
【0022】また、請求項8の発明における積層品の劣
化診断方法は、所定の機械強度残率における積層品の寿
命と耐熱温度との関係における電気機器の運転温度を、
前記積層品の静的機械強度から推定することにより、積
層品の破断寿命を前記電気機器の動作回数により診断す
る。
【0023】
【実施例】以下、この発明の各実施例を図について説明
する。 実施例1. 図1は、この発明の一実施例である加熱劣化させた紙フ
ェノール積層品の引張強度残率と硬度の関係を示したも
のである。試験には、紙フェノール積層品から切り出し
た図10に示す形状の試験片を用いた。加熱劣化試験片
は、あらかじめ100℃で3日間真空乾燥した後油浸
し、絶縁油と共に専用の加熱タンクに入れ、油面上空間
に窒素ガスを封入した後、160℃、170℃、180
℃の3種類の加熱温度にて強制加熱劣化させ、加熱後試
験片の引張強度と硬度を測定した。
【0024】図1の試験結果から、引張強度残率と硬度
の間にはよい相関性が見られ、加熱劣化条件に関係な
く、引張強度の低下と共に硬度がほぼ直線的に低下する
傾向を示す。硬度計は、手のひらに入るほど小形のもの
で携帯性に優れている。このため電気機器の定期点検時
等に積層品の硬度を測定すれば、非破壊で積層品の引張
強度残率を推定できる。
【0025】また、図8に示す引張強度残率と加熱時間
との関係から、引張強度残率をパラメータとして求めた
アレニウス曲線の回帰式が下記の(1)式で表わされる
ことが明らかとなった。
【0026】
【数1】
【0027】ただし、aとbは補償効果の定数で a=8.56×106 h, b=−1.43×10-3mol/cal である。したがって、1点温度T1 の寿命時間t1 がわ
かれば他温度T 2 における寿命時間t 2 を求めることが
できる。
【0028】したがって、(1)式を用いることによ
り、次の手順で電気機器の運転温度が推定できる。積
層品の硬度測定の結果から引張強度残率を推定する。
図8の160℃のカーブからその残率をよぎる時間t1
を読み取る。160℃の絶対温度をT1 ,電気機器の
運転時間をt2 ,積層品の運転温度をT2 とした(1)
式を作れば、T2 が求められる。以上の結果から、積層
品の引張強度残率と電気機器の運転時間がわかれば、
(1)式を用いて、電気機器の平均運転温度を推定し、
今後同じ条件で運転された場合、積層品の寿命となる引
張強度残率に低下するまでの時間が求まり、積層品の余
寿命が診断できる。
【0029】以上説明したように、この実施例の積層品
の劣化診断方法によれば、加熱温度及び加熱時間等劣化
条件を変えた試験片の引張強度と硬度との間によい相関
性が見られることにより、積層品の硬度を測定すること
で、非破壊で積層品の劣化度合を診断することができ
る。また引張強度残率のアレニウス曲線から求めた回帰
式から電気機器の運転温度が推定でき、したがって、積
層品の寿命となる引張強度残率に低下するまでの時間を
求めることができ、積層品の余寿命を診断することがで
きる。
【0030】実施例2. 図2はこの発明の他の実施例として加熱劣化させた紙フ
ェノール積層品を熱分析装置で試験した結果を示したも
ので、引張強度残率と線膨張係数の関係を示したもので
ある。図2の試験結果から、線膨張係数は劣化が進み引
張強度が低下するに従い線膨張係数は小さくなる。この
ことから、電気機器の定期点検時等に積層品の端から数
十mg程度のわずかな試料を採取し、線膨張係数を測定す
れば、積層品の引張強度残率が推定できる。さらに
(1)式を用いて電気機器の運転温度を推定すれば、積
層品の余寿命が診断できる。以上により、積層品の線膨
張係数を測定することにより、わずかな試料で積層品の
劣化度合及び余寿命を診断することができる。
【0031】実施例3. 図3はこの発明の他の実施例として加熱劣化させた紙フ
ェノール積層品を熱分析装置で試験した結果を示したも
ので、引張強度残率と熱機械特性曲線(TMA曲線)の
変曲点温度の関係を示したものである。図3の試験結果
から、TMA曲線の変曲点温度は引張強度が低下するに
従い高温側に移行する傾向が見られる。このことから、
電気機器の定期点検時等に積層品の端から数十mg程度の
わずかな試料を採取し、TMA曲線の変曲点温度を測定
すれば、積層品の引張強度残率が推定できる。さらに
(1)式を用いて電気機器の運転温度を推定すれば、積
層品の余寿命が診断できる。以上により、積層品のTM
A曲線の変曲点温度を測定することにより、わずかな試
料で積層品の劣化度合及び余寿命を診断することができ
る。
【0032】実施例4. 図4はこの発明の一実施例として、加熱温度及び加熱時
間を変えて劣化させた紙フェノール積層品のS−N曲線
を示したものである。また図5は図4の測定結果から、
例えば電気機器の運転温度を100℃、積層品の繰り返
し引張疲労強度が新品の50%に低下した時を寿命と仮
定し、作成した寿命評価カーブを示したものである。こ
の寿命評価カーブは、次の手順で作成した。
【0033】図4に示す160℃加熱劣化品のS−N
曲線から引張疲労強度50%をよぎる繰り返し回数
1 ,n2 ,n3 を読み取る。170℃,180℃加熱
劣化品についても同様に読み取る。加熱温度をパラメ
ータに加熱時間と繰り返し回数n1 ,n2 ,n3 の関係
をプロットした結果を図6に示す。図6の160℃の曲
線から繰り返し回数10,103 ,104 ,105 回を
よぎる加熱時間t3 ,t4 ,t5 ,t6 を読み取る。1
70℃,180℃についても同様に読み取る。繰り返
し回数をパラメータに加熱温度(絶対温度の逆数)と加
熱時間t3 ,t4 ,t5 ,t6 の関係をプロットした結
果を図7に示す。図7から運転温度100℃と繰り返し
回数10,103 ,104 ,105 回をよぎる加熱時間
7,t8 ,t9 ,t10を読み取る。繰り返し回数を
電気機器の動作回数、加熱時間を運転時間に読み替えれ
ば、図5に示す運転温度100℃における寿命評価カー
ブが作成できる。図5の寿命評価カーブから、電気機器
の運転温度を測定しておけば、電気機器の動作回数によ
り積層品の余寿命、すなわち限界応力における破断寿命
を推定することができる。
【0034】実施例5. 上記実施例4では、寿命評価カーブ作成に当たっては、
電気機器の運転温度を測定する必要がある。そのため、
本実施例では積層品の引張強度、電気機器実使用年数と
図9の寿命カーブから、電気機器の運転温度を精度よく
推定する。したがって、電気機器に使用されている積層
品の機械強度残率から推定した電気機器の平均運転温度
と、寿命評価カーブから、限界応力における破断寿命を
電気機器の動作回数で診断できる。
【0035】なお、上記実施例では、紙フェノール積層
品の場合について述べたが、その他のフェノール樹脂、
エポキシ樹脂やプラスチック積層品等の劣化診断にも利
用できることは言うまでもない。また、積層品を電気機
器に使用する場合について述べたが、電気機器以外の機
器に使用されている積層品の劣化診断にも利用できるこ
とは言うまでもない。
【0036】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、被測定積層品の硬度を測定し、この測定値と、機械
強度と硬度との関係が解析できる、アレニウス式および
補償効果とに基づいて導出した式によって、被測定積層
品の劣化度合を診断するように構成したので、積層品の
劣化度合を非破壊で診断することができる効果がある。
【0037】また、請求項2の発明によれば、被測定積
層品の硬度を測定し、この測定値と、機械強度と硬度と
の関係、及び、機械強度と加熱時間との関係が解析でき
る、アレニウス式および補償効果とに基づいて導出した
式によって、被測定積層品の劣化度合及び余寿命を診断
するように構成したので、積層品の劣化度合及び余寿命
を非破壊で診断することができる効果がある。
【0038】また、請求項3の発明によれば、被測定積
層品の線膨張係数を測定し、この測定値と、機械強度
線膨張係数との関係に基づき、被測定積層品の劣化度合
を診断するように構成したので、積層品の劣化度合を数
十mg程度のわずかな試料で診断することができる効果が
ある。
【0039】また、請求項4の発明によれば、被測定積
層品の線膨張係数を測定し、この測定値と、機械強度
線膨張係数との関係、及び、機械強度と加熱時間との関
係に基づき、被測定積層品の劣化度合及び余寿命を診断
するように構成したので、積層品の劣化度合及び余寿命
を数十mg程度のわずかな試料で診断することができる効
果がある。
【0040】また、請求項5の発明によれば、被測定積
層品の熱機械特性曲線の変曲点温度を測定し、この測定
値と、機械強度と熱機械特性曲線の変曲点温度との関係
に基づき、被測定積層品の劣化度合を診断するように構
成したので、積層品の劣化度合を数十mg程度のわずかな
試料で診断することができる効果がある。
【0041】また、請求項6の発明によれば、被測定積
層品の熱機械特性曲線の変曲点温度を測定し、この測定
値と、機械強度と熱機械特性曲線の変曲点温度との関
係、及び、機械強度と加熱時間との関係に基づき、被測
定積層品の劣化度合及び余寿命を診断するように構成し
たので、積層品の劣化度合及び余寿命を、数十mg程度の
わずかな試料で診断することができる効果がある。
【0042】また、請求項7の発明によれば、前記電気
機器の運転温度を測定し、この測定値と、前記運転時間
と動作回数との関係に基づき、前記積層品の余寿命を診
断するように構成したので、前記積層品の限界応力にお
ける破断寿命を電気機器の動作回数により診断し管理す
ることができる効果がある。
【0043】また、請求項8の発明によれば、所定の
械強度における寿命と耐熱温度との関係における電気機
器の運転温度を、前記積層品の静的機械強度から推定
し、前記積層品の破断寿命を診断するように構成したの
で、前記積層品の限界応力における破断寿命を電気機器
の動作回数により診断し、管理することができる効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1の紙フェノール積層品の引
張強度残率と硬度の関係を示す図である。
【図2】この発明の実施例2の紙フェノール積層品の引
張強度残率と線膨張係数の関係を示す図である。
【図3】この発明の実施例3の紙フェノール積層品の引
張強度残率とTMA曲線の変曲点温度の関係を示す図で
ある。
【図4】この発明の実施例4の紙フェノール積層品の引
張強度残率と破断するまでの繰り返し回数の関係を示す
図である。
【図5】この発明の実施例4の電気機器の運転時間と動
作回数の関係を示す図である。
【図6】この発明の実施例4の紙フェノール積層品の破
断するまでの繰り返し回数と加熱時間の関係を示す図で
ある。
【図7】この発明の実施例4の紙フェノール積層品の加
熱時間と加熱温度の関係を示す図である。
【図8】従来の積層品の劣化診断方法に用いられている
紙フェノール積層品の引張強度残率と加熱時間の関係を
示す図である。
【図9】従来の紙フェノール積層品の寿命と耐熱温度の
関係を示す図である。
【図10】機械強度測定用の試験片を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和田野 善明 大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西 電力株式会社内 (72)発明者 林 研二 大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西 電力株式会社内 (72)発明者 東畑 和也 赤穂市天和651番地 三菱電機株式会社 赤穂製作所内 (72)発明者 宮本 晃男 赤穂市天和651番地 三菱電機株式会社 赤穂製作所内 (72)発明者 板倉 勲 赤穂市天和651番地 三菱電機株式会社 赤穂製作所内 (56)参考文献 特開 昭57−104837(JP,A) 特開 昭63−134934(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 3/00 - 3/62 G01M 19/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 積層品の加熱温度を変えた場合の機械強
    度と硬度との関係を求め、被測定積層品の所定の加熱温
    度における硬度を測定し、この測定値と、前記機械強度
    と硬度との関係が解析できる、アレニウス式および補償
    効果とに基づいて導出した式によって、前記被測定積層
    品の劣化度合を診断することを特徴とする積層品の劣化
    診断方法。
  2. 【請求項2】 積層品の加熱温度を変えた場合の、機械
    強度と硬度との関係、及び、機械強度と加熱時間との関
    係をそれぞれ求め、被測定積層品の所定の加熱温度にお
    ける硬度を測定し、この測定値と、前記機械強度と硬度
    との関係、及び、機械強度と加熱時間との関係が解析で
    きる、アレニウス式および補償効果とに基づいて導出し
    た式によって、前記被測定積層品の劣化度合及び余寿命
    を診断することを特徴とする積層品の劣化診断方法。
  3. 【請求項3】 積層品の加熱温度を変えた場合の、機械
    強度と線膨張係数との関係を求め、被測定積層品の所定
    の加熱温度における線膨張係数を測定し、この測定値
    と、前記機械強度と線膨張係数との関係に基づき、前記
    被測定積層品の劣化度合を診断することを特徴とする積
    層品の劣化診断方法。
  4. 【請求項4】 積層品の加熱温度を変えた場合の、機械
    強度と線膨張係数との関係、及び、機械強度と加熱時間
    との関係をそれぞれ求め、被測定積層品の所定の加熱温
    度における線膨張係数を測定し、この測定値と、前記
    械強度と線膨張係数との関係、及び、機械強度と加熱時
    間との関係に基づき、前記被測定積層品の劣化度合及び
    余寿命を診断することを特徴とする積層品の劣化診断方
    法。
  5. 【請求項5】 積層品の加熱温度を変えた場合の、機械
    強度と熱機械特性曲線の変曲点温度との関係を求め、被
    測定積層品の所定の加熱温度における熱機械特性曲線の
    変曲点温度を測定し、この測定値と、前記機械強度と熱
    機械特性曲線の変曲点温度との関係に基づき、前記被測
    定積層品の劣化度合を診断することを特徴とする積層品
    の劣化診断方法。
  6. 【請求項6】 積層品の加熱温度を変えた場合の、機械
    強度と熱機械特性曲線の変曲点温度との関係、及び、
    械強度と加熱時間との関係をそれぞれ求め、被測定積層
    品の所定の加熱温度における熱機械特性曲線の変曲点温
    度を測定し、この測定値と、前記機械強度と熱機械特性
    曲線の変曲点温度との関係、及び、機械強度と加熱時間
    との関係に基づき、前記被測定積層品の劣化度合及び余
    寿命を診断することを特徴とする積層品の劣化診断方
    法。
  7. 【請求項7】 積層品の加熱温度を変えた場合の、機械
    強度と破断するまでの繰り返し回数との関係、及び、該
    繰り返し回数と加熱時間との関係をそれぞれ求め、これ
    らの関係から、前記積層品が搭載された電気機器の所定
    の運転温度における運転時間と動作回数との関係を求
    め、前記電気機器の運転温度を測定し、この測定値と、
    前記運転時間と動作回数との関係に基づき、前記積層品
    の余寿命を診断することを特徴とする積層品の劣化診断
    方法。
  8. 【請求項8】 積層品の加熱温度を変えた場合の、機械
    強度と破断するまでの繰り返し回数との関係、及び、該
    繰り返し回数と加熱時間との関係をそれぞれ求め、これ
    らの関係から求められた所定の機械強度における寿命と
    耐熱温度との関係における電気機器の運転温度を、前記
    積層品の静的機械強度から推定し、前記積層品の破断寿
    命を診断することを特徴とする積層品の劣化診断方法。
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