JP3043337U - 気管内挿管用内視式スタイレット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 気管内挿管の際、患者に不自然な姿勢を強要
するために声帯観察が困難であり、この手技は約１分以
内に成功させるため焦り、失敗することがある。よって
この問題を解決し、患者の***を自然の仰臥位で施すこ
とのできる器具で安価で安全かつ、容易に行なえること
を課題とする。 【解決手段】 スタイレット４を金属製の内空管とし、
対物レンズ６をグラスファイバ−５の先端に取り付け、
該金属製内空管スタイレット４に組み込み、該スタイレ
ットは該気管内チュ−ブの先端より１〜２ｃｍ手前にス
タイレットを装着させ、適切な位置を固定するためにス
トッパ−３を使用し、また接眼レンズ１を有する拡大用
光学部２を該スタイレットに接続させる。 【効果】 本考案により気管内挿管が安全かつ容易に施
行でき、医療事故を減少できる。また従来の機能を有
し、かつ気管支ファイバ−スコ−プが行っていた、患者
の***を自然の仰臥位で施すことのできる器具を安価に
提供できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は全身麻酔、救急蘇生時、人工呼吸開始等の際に誤嚥や舌根沈下による 気道閉塞を防止する気管内挿管用内視式スタイレットに関する。

【０００２】

【従来の技術】

臨床医療の現場において確実に気道を確保する目的で全身麻酔、救急蘇生時、 人工呼吸開始等の際、または誤嚥や舌根沈下による気道閉塞を防止するために気 管内挿管が行われている。従来品は主に成人で通常、内径７，８，９ｍｍの３本 を、小児用にはさらに細かいものが使用され生体反応の少ないポリ塩化ビニ−ル からなる気管内チュ−ブと、チュ−ブ自体に湾曲を付け挿管を容易にする棒状の 金属で構成されたスタイレット、およびハンドルとブレ−ドからなる喉頭鏡，気 管内チュ−ブが噛まれて閉塞するのを阻止するバイトブロックから構成され、表 面麻酔剤として４〜８％のキシロカインが使用される。

【０００３】 また近年試験的に、気管支ファイバ−スコ−プを代用し、気管内挿管を試みる 医療機関もある。特に頸椎の損傷のある患者で首を過伸展できない患者に用い、 患者の***を無理な伸展姿勢に保つ必要もなく、理想的な状態で気管内挿管を行 なうことができる。

【０００４】 上記器具、薬品を使用して、患者の喉頭部を局部麻酔した後、仰臥位にて患者 の下顎を挙上する姿勢をとる。次に術者は喉頭鏡で喉頭部を照らすと同時に頸部 を伸展させ、口から声帯を直接観察しがら、スタイレットをいれた気管チュ−ブ を気管内に挿入する。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、患者の歯や舌が邪魔をし、患者の下顎を著しく挙上するという極めて 不自然な姿勢を強要するため喉頭鏡を使用して声帯を直接観察することが困難で ある。さらにこの手技を施される患者は意識のない状態か、呼吸停止した状態か 、意識はあるが極めて強度の呼吸困難な状態か、窒息状態に近いかであり医師の 指示にしたがって、要請通り協力することは期待できない。 しかも約１分以内に気管内挿管を成功させる必要があり、短時間に施行しない と患者が死亡する危険性が常に付きまとうために焦り、門歯の破損、挿管がうま くいかないなど失敗することも珍しくなく、問題の根本的解決には至っていない 。 さらに、この気管内挿管の技術はすべての医師の習得する必須の技術とされ ているが、この作業には熟練を要する。

【０００６】 また本来、気管支ファイバ−スコ−プは気管支内を観察する目的で開発された ものであり光源、ライトガイド装置、ファイバ−スコ−プ本体等から構成され総 額数百万円になる。このように高価な医療器具は一般の医療機関で気管内挿管の ために常備されること先ずない。 よって上記従来の問題点を解決し、気管支ファイバ−スコ−プの行なう理想的 方法である、患者の***を自然の仰臥位で施すことのできる器具で安価で安全か つ、容易に気管内挿管を行なうことを課題とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記課題を解決するためになされたものであって、日々臨床医療の現 場に携わる考案者が過去の事例、経験等をもとに鋭意研究を重ねてきた結果、従 来、挿管用チュ−ブの形を整えるための道具であるスタイレットの構造を改良す ることによって安全かつ容易に、しかも患者に無理な***を強いらせず、安価で 行なえることを新規に知見した。

【０００８】 すなわち、実施例において使用する符号を付して説明すると本考案の気管内挿 管用内視式スタイレット図１において、従来挿管用チュ−ブの形を整えるための 道具であるスタイレット４を金属製の内空管とし、フレキシブルに動かないよう にした。また該スタイレットは気管内チュ−ブの先端より突出していると、体内 の気管壁を傷つける恐れがあるため、該気管内チュ−ブの先端より１〜２ｃｍ手 前にスタイレットを装着させる。この適切な位置を固定するためにストッパ−３ を使用する。 また対物レンズ６をグラスファイバ−５の先端に取り付け、該金属製内空管ス タイレット４に組み込み、接眼レンズ１を有する拡大用光学部２を接続させる。

【０００９】 金属製内空管スタイレット４に対物レンズをグラスファイバ−５の先端に取付 け該グラスファイバ−を介して接眼レンズから観察できる構造のため、先端部か らの情報を得る事ができ、湾曲による観察像の欠けを解決できる。気管支ファイ バ−スコ−プと異なる第一点は、フレキシブルでないこと。第二点は光源がない ことである。幸いなことに口腔内は気管内に比べて著しく広い空間を持っている 。それゆえに、光源として、ペンライトを口腔内に挿入することにより喉頭部を 照らすことは容易である。この器具は気管内まで観察することはできないが、声 帯を観察できるため気管内挿管はこれで十分である。本考案の気管内挿管用内視 式スタイレットを用いることにより従来の機能を有し、気管支ファイバ−スコ− プの長所である患者の***を自然な状態で行なうことができる。

【００１０】 なお、処置孔は省略するのを原則とするが作成することも可能である。このこ とにより多くの医療機関に提供できるよう必要な部分だけを選択したことにより 安価に気管内挿管の提供が可能となる。

【００１１】

【実施例】

以下図面を参照し本考案の気管内挿管用内視式スタイレットについて説明する 。 また対物レンズ６をグラスファイバ−５の先端に連結し、金属製内空管スタ イレット４に組み込まれた該スタイレットは通常外径５ｍｍを標準としておくが 、患者の気管の太さに応じて種々の外径を用意しておく。

【００１２】 対物レンズ６を先端に取り付けられたグラスファイバ−５を組み込まれた金属 製内空管スタイレット４を倍率約５倍とした接眼レンズ１を有する拡大用光学部 ２を接続した本考案である気管内挿管用内視式スタイレットを気管内挿管用チュ −ブに差し込んでおく。

【００１３】 患者に気管内挿管が必要なとき、喉頭を展開したところで表面麻酔剤として４ 〜８％のキシロカインを使用し、挿管前に咽喉頭周辺及び気管内に噴霧する。 喉頭鏡またはペンライトの豆電球で咽喉頭周囲を照らし、本考案である気管内 挿管用内視式スタイレットを差し込んでおいた気管内チュ−ブを右口角より口腔 内に挿入した後、接眼レンズを通じて、声帯を確認しながら気管内へ進める。

【００１４】

【考案の効果】

気道閉塞、無呼吸、心停止、大量出血などのいかなる疾患においても気道の確 保は緊急事態に行われる処置であるだけに、本考案品によって気管内挿管が安全 かつ容易に施行でき、気管内挿管に付随して発生する医療事故を圧倒的に減少さ せる効果がある。また肺内への異物吸引防止、心マッサ−ジに関係なく気道内加 圧呼吸を行える従来の機能を有し、かつ気管支ファイバ−スコ−プが行っていた 理想的方法である、患者の***を自然の仰臥位で施すことのできる器具を安価に 提供することにより、広く一般の医療機関で利用されれば患者の負担を軽減し、 多くの人命が救われるであろう。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案品の説明図

【符号の説明】

１ 接眼レンズ ２ 拡大用光学部 ３ ストッパ− ４ 金属製内空管スタイレット ５ グラスファイバ− ６ 対物レンズ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 対物レンズを先端に取り付けたグラスフ
   ァイバ−を金属製中空管スタイレットに組み込み、倍率
   ５倍からなる接眼レンズを有する拡大用光学部と接続
   し、先端の対物レンズからの情報がグラスファイバ−を
   介して接眼レンズで観察できることを特徴とする気管内
   挿管用内視式スタイレット。