JP3043186B2 - 板クラウンの小さいチタン薄板の冷間圧延方法 - Google Patents

板クラウンの小さいチタン薄板の冷間圧延方法

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JP3043186B2 JP4252870A JP25287092A JP3043186B2 JP 3043186 B2 JP3043186 B2 JP 3043186B2 JP 4252870 A JP4252870 A JP 4252870A JP 25287092 A JP25287092 A JP 25287092A JP 3043186 B2 JP3043186 B2 JP 3043186B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チタン薄板の冷間圧延
において、板クラウンの小さいチタン薄板を得るための
板クラウンの小さいチタン薄板の冷間圧延方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】チタン冷延薄板は、通常、熱間圧延→連
続焼鈍・酸洗処理→冷間圧延→連続焼鈍・酸洗処理の工
程で製造されるが、板厚等によっては、冷間圧延→連続
焼鈍・酸洗処理の工程を1〜2回繰り返すことがある。
【0003】チタンは鋼に比べて活性で、かつヤング率
が小さい材料であるため、冷間圧延時に焼付きや形状不
良による絞り込みが発生しやすく、板クラウン制御以前
の問題として事故なく圧延を終了することに関心が払わ
れていた。
【0004】そのために、鋼の場合と同様、熱間圧延板
(熱延板)とほぼ同じ比率のクラウンになるように圧延
して、なるべく圧延形状を平坦にして圧延することに注
意が払われていた。その結果、冷間圧延製品(冷延製
品)の板クラウンは15〜30μm程度の大きな値となるの
が通常であった。
【0005】ここで、板クラウンとは板幅中央部の板厚
と板幅端部から普通20mmの位置の板厚との差をいう。ま
た、本発明でいう急峻度とは、製品に発生した波を定盤
上で測定し、波の高さを波のピッチで除した値を 100分
率で表したものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これではユー
ザの厳しい板厚公差要求(例えば、±0.020mm 以下)に
対応していくのが困難となるばかりでなく、歩留り面で
も大きな損失となる。特に、チタン薄板は高価な材料で
あり、板クラウンが大きくなると単位面積当たりの重量
が大きくなり、ユーザにとっても大きなコストアップと
なる。
【0007】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、熱延チタン板の冷間圧延において、圧
延後の形状が中延びの形状に圧延することによって、板
クラウンの小さいチタン薄板を得ることができる板クラ
ウンの小さいチタン薄板の冷間圧延方法を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】その発明の要旨は、熱間
圧延チタン板を冷間圧延するに際して、1.0mm 以上の板
厚範囲において、圧延後の形状が急峻度 1%以上、 3%
以下の中延び形状に圧延する板クラウンの小さいチタン
薄板の冷間圧延方法である。
【0009】
【作用】以下に、本発明者らが行った実験結果に基づい
て本発明を詳細に説明する。通常の鋼の圧延においては
熱延板クラウンと冷延板クラウンの関係は、比率クラウ
ン一定の関係と言われ、すなわち、(CrH / H H )≒
(CrC / H C )が成立している。ここで、CrH は熱延板
クラウン、H H は熱延板厚、CrC は冷延板クラウン、H
C は冷延板厚である。
【0010】例えば、CrH = 50μm 、H H =3mm、H C =
0.8mmのときは、CrC ≒13.3μm となり、これだけの冷
延板クラウンが残存することになる。もし、この関係を
無視して小さな冷延板クラウンを得ようとすると、甚だ
しい中延び形状となり、圧延が不能となるか、もしくは
製品としての価値を著しく損なうことになる。チタンに
ついても、従来、同様な考え方で冷延が行われていたた
め、10〜30μm の冷延板クラウンの残存は当然のことと
考えられていた。
【0011】しかし、高価なチタン冷延板に対するユー
ザおよび製造現場からの板クラウンの低減の要求は非常
に強いものがあり、かかる技術的課題に対して本発明者
らは種々の実験と理論的考察を積み重ねた結果、チタン
固有の特性として、鋼に比べて比較的容易に三次元変形
が生じやすく、大きく形状を崩さずに冷間圧延で板クラ
ウンを変え得る事実を新しく見出した。
【0012】図1は冷間圧延時の圧下率と幅広がり率と
の関係を示す図で、チタンと鋼を比較したものである。
図から明らかなように、チタンの方が容易に幅広がりが
生じやすく、三次元変形が大きいことが判る。
【0013】また、図2は板厚歪みの差と伸び歪みの差
の関係を示す図で、チタンと鋼を比較したものである。
図の横軸は板幅中央部と板幅端部から10mmの位置につい
ての冷間圧延時の入側板クラウンと出側板クラウンの変
化率を、縦軸は入側と出側の板幅方向の形状変化率を表
す指標である。
【0014】図2から明らかなように、鋼に比べてチタ
ンの方がはるかに回帰線の勾配が寝ており、大きく板ク
ラウン変化率が変わっても、形状変化率の変わりは小さ
いことが判る。すなわち、冷間圧延によって板クラウン
を大きく減少させても、形状変化として現れ難いことを
示している。
【0015】発明者らは、以上の特性を基に、実用上ど
の程度の板クラウン変更が可能であるかを調査し、下記
に示す適性条件を見出した。
【0016】図3は板厚 4mmから 1.5mmまで冷間圧延し
た際の中延び急峻度と最終製品板クラウンおよび絞り発
生頻度を表したものである。図に示すように、急峻度を
1%未満に保持して圧延した場合には、板クラウン低減
効果は大きく期待できず、本発明の目的に対して効果が
不十分である。一方、急峻度 3%超えでは、板クラウン
低減効果は大きいものの、急激に絞り発生頻度が増し安
定生産の面でデメリットが大きい。したがって、急峻度
は 1〜3 %の範囲で制御しながら圧延することが好まし
い。
【0017】いかにチタンが3次元変形能がよいとはい
え、板厚が薄くなると板クラウン変化がより敏感に形状
変化に現れるのは自然の摂理である。図4は、その限界
を探索した場合の結果であって、圧延板厚と絞り発生頻
度および形状変化係数との関係を示す。ここで、形状変
化係数とは、形状変化率/クラウン変化率とによって算
出される値であり、板クラウン変化による形状変化の生
じやすさを示す指標である。
【0018】図4から明らかなように、板厚 1.0mm未満
では絞り発生頻度が急激に上昇するとともに、形状変化
係数も急激に大きくなる。したがって、実用的には、板
厚1.0mm 以上の範囲で本発明法が有効であることがわか
る。
【0019】
【実施例】以下に、本発明の実施例について説明する。 実施例1 板厚 4.0mm、板幅1250mmのチタン熱延材について、一回
目の冷間圧延(9パス圧延) で板厚 1.5mmに圧延し、その
後、中間連続焼鈍・酸洗処理で中延びを矯正し、仕上冷
間圧延(9パス圧延) で板厚 0.6mmに圧延した例を示す。
【0020】表1に一回目と仕上げの冷間圧延時のパス
スケジュールを示す。冷間圧延時の急峻度については、
図5に示すように、急峻度は、一回目の冷間圧延時は、
1.7%で圧延し、中間連続焼鈍・酸洗処理で中延びを矯
正し、ほぼ平坦な材料にして仕上冷間圧延を行った。
【0021】仕上冷間圧延についても、1.0mm 以上の板
厚では、中延び圧延を実施し、その結果、図6の板クラ
ウンプロフィールに示すように、製品厚では、板クラウ
ンが5μm と非常に小さい値が得られた。また、表2に
示すように、板クラウン/板厚の比率でみると、0.024
の熱延材から0.008 の冷延製品へと1/3 に縮小してい
る。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】実施例2 板厚 4.0mm、板幅1070mmのチタン熱延材について、一回
の仕上冷間圧延(9パス圧延) で板厚1.45mmに圧延した例
を示す。
【0025】表3に冷間圧延時のパススケジュールを示
す。冷間圧延時の急峻度については、図7に示すよう
に、急峻度は 1.9%で圧延し、連続焼鈍・酸洗処理によ
り平坦度は 0.8%の両耳波の製品が得られた。
【0026】板クラウンは、図8の板クラウンプロフィ
ールに示すように、製品厚では、板クラウンが10μm と
かなり小さい値が得られた。また、表4に示すように、
板クラウン/板厚の比率でみると、0.015 の熱延材から
0.007 の冷延製品へと1/2 に縮小している。
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】
【発明の効果】本発明は、熱間圧延チタン板を冷間圧延
するに際して、1.0mm 以上の板厚範囲において、圧延後
の形状が急峻度 1%以上、 3%以下の中延び形状に圧延
する板クラウンの小さいチタン薄板の冷間圧延方法であ
って、本発明法によれば、熱延材に生じていた板クラウ
ンを、冷間圧延時に小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】チタンと鋼の冷間圧延時の圧下率と幅広がり率
との関係を示す図である。
【図2】板厚歪みの差と伸び歪みの差の関係を示す図で
ある。
【図3】板厚 4mmから 1.5mmまで冷間圧延した際の中延
び急峻度と最終製品板クラウンおよび絞り発生頻度を表
した図である。
【図4】圧延板厚と絞り発生頻度および形状変化係数と
の関係を示す図である。
【図5】実施例1の一回目の冷間圧延と仕上冷間圧延時
の急峻度を示す図である。
【図6】実施例1の板クラウンプロフィールを示す図で
ある。
【図7】実施例2の一回の仕上冷間圧延時の急峻度を示
す図である。
【図8】実施例2の板クラウンプロフィールを示す図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 材料とプロセス,1〔5〕(1988) p.1539−1540 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 3/00 B21B 3/28 - 37/44 JICSTファイル(JOIS)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱間圧延チタン板を冷間圧延するに際し
    て、1.0mm 以上の板厚範囲において、圧延後の形状が急
    峻度 1%以上、 3%以下の中延び形状に圧延することを
    特徴とする板クラウンの小さいチタン薄板の冷間圧延方
    法。
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材料とプロセス,1〔5〕(1988)p.1539−1540

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KR101593814B1 (ko) 2014-08-05 2016-02-12 장치식 낚시용 미끼

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