JP3043100B2 - 不織布およびその製造方法 - Google Patents

不織布およびその製造方法

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JP3043100B2 JP12055291A JP12055291A JP3043100B2 JP 3043100 B2 JP3043100 B2 JP 3043100B2 JP 12055291 A JP12055291 A JP 12055291A JP 12055291 A JP12055291 A JP 12055291A JP 3043100 B2 JP3043100 B2 JP 3043100B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、長繊維からなる不織
布、特に熱接着して袋物を製造するに好適な長繊維から
なる不織布およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、熱可塑性重合体の長繊維から
なる不織布に熱接着加工を施し貼り合わせて袋物を製造
することが行なわれている。特に、熱可塑性重合体の長
繊維からなる不織布は、袋物を製造するに際し、接着剤
を使用することなく熱接着加工が可能であり、しかも効
率よく製造することができるため、袋物の素材として広
範囲に使用されている。
【0003】しかしながら、この熱接着加工により袋物
を製造するに際しては、繊維を構成する重合体の融点以
上の高温で加熱・圧着処理を施すため、製袋工程におい
て長期間製袋装置を運転するとヒータに重合体が溶融・
付着して製品品質や歩留りの低下を来すという問題があ
った。
【0004】このため、通常、不織布の繊維を構成する
重合体の融点より低い融点を有する重合体を不織布の片
面にコーティングし、この重合体により不織布を熱接着
することが行なわれている。この低融点の重合体を用い
て不織布を熱接着する方法としては、予め準備した前記
重合体を熱接着加工工程で初めて不織布に重ね熱接着す
る方法、あるいは接着層として予め不織布の片面に不織
布状あるいはフイルム状の前記重合体をコーティングし
ておき熱接着加工工程で熱接着する方法などがあるが、
一般には後者の方法が採用されている。
【0005】しかしながら、不織布状あるいはフイルム
状の前記低融点の重合体からなる接着層を用いて不織布
を熱接着する方法では、通常、接着層を不織布に貼り合
わせる工程が必要となって不織布製造工程が複雑にな
り、しかも加工工程中などに貼り合わせた部分で層間剥
離を起こし易いという問題が生じる。また、接着層とし
てフイルム状の前記重合体を用いる場合には、不織布が
有する通気性が損なわれるという問題も生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来の片面に
接着層を有する不織布の前記問題を解消し、層間の剥離
がなく、熱接着加工を施し貼り合わせて袋物を製造する
に好適な不織布およびその製造方法を提供しようとする
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記問題を解
決すべく鋭意検討の結果、本発明に到達した。すなわち
本発明は、 1)重合体成分a1と重合体成分a1の融点より30℃以
上高い融点を有する重合体成分a2とからなる複合長繊
維Aと、この複合長繊維Aの重合体成分a1の融点より
20℃以上高い融点を有する重合体成分bからなる長繊維
Bとで構成される長繊維不織布であって、層1〜4から
なり、各層1〜4が下記条件を満足し、かつ各層におけ
る単位体積当たりの繊維存在率(重量比)(g/cm3
が各層間において連続して変化していることを特徴とす
る不織布。
【0008】層1 複合長繊維Aのみから構成される。 層2 長繊維Bに対する複合長繊維Aの単位体積当たり
の繊維存在率(重量比)(g/cm3 )がA≧B>0であ
る。 層3 複合長繊維Aに対する長繊維Bの単位体積当たり
の繊維存在率(重量比)(g/cm3 )がB>A>0であ
る。 層4 長繊維Bのみから構成される。
【0009】2)重合体成分a1と重合体成分a1の融
点より30℃以上高い融点を有する重合体成分a2とから
なる複合長繊維Aと、この複合長繊維Aの重合体成分a
1の融点より20℃以上高い融点を有する重合体成分bか
らなる長繊維Bを溶融紡糸装置から溶融紡出し、両紡出
長繊維A,Bを各々前記溶融紡糸装置の下流に配設され
たエアーサッカにより引き取り、前記エアーサッカの下
流にウエブ進行方向に分離して配設された開繊装置によ
り開繊するとともに前記開繊装置下部に配設された噴出
孔から前記長繊維AおよびBを堆積面上において長繊維
AおよびBを一部重ねながら噴出・堆積させて積層ウエ
ブとし、この際、複合長繊維Aのみからなる層1、長繊
維AおよびBを一部重ねることにより複合長繊維Aおよ
び長繊維Bが混在してなる層2,3、さらに長繊維Bの
みからなる層4で4層構造のウエブを形成し、次いで加
熱ロールにより前記4層ウエブを少なくとも部分的に熱
圧接することを特徴とする不織布の製造方法。
【0010】3)重合体成分a1と重合体成分a1の融
点より30℃以上高い融点を有する重合体成分a2とから
なる複合長繊維Aと、この複合長繊維Aの重合体成分a
1の融点より20℃以上高い融点を有する重合体成分bか
らなる長繊維Bをウエブ進行方向に分離して配設された
溶融紡糸装置から溶融紡出し、両紡出長繊維A,Bを各
々前記溶融紡糸装置の下流に配設された引取りロールに
より引き取り、連続して引取りロールと引取りロールの
下流に配設された延伸ロールとの間で延伸し、前記延伸
ロールの下流にウエブ進行方向に分離して配設された開
繊装置により開繊するとともに前記開繊装置下部に配設
された噴出孔から前記長繊維AおよびBを堆積面上にお
いて長繊維AおよびBを一部重ねながら噴出・堆積させ
て積層ウエブとし、この際、複合長繊維Aのみからなる
層1、長繊維AおよびBを一部重ねることにより複合長
繊維Aおよび長繊維Bが混在してなる層2,3、さらに
長繊維Bのみからなる層4で4層構造のウエブを形成
し、次いで加熱ロールにより前記4層ウエブを少なくと
も部分的に熱圧接することを特徴とする不織布の製造方
法。を要旨とするものである。
【0011】次に、本発明を詳細に説明する。まず、本
発明の不織布に関して説明する。本発明の不織布は、重
合体成分a1と重合体成分a1の融点より30℃以上高い
融点を有する重合体成分a2とからなる複合長繊維A
と、この複合長繊維Aの重合体成分a1の融点より20℃
以上高い融点を有する重合体成分bからなる長繊維Bと
で構成されるものである。
【0012】複合長繊維Aを構成する重合体成分a1と
重合体成分a2とは、いずれも繊維形成性を有し、通常
の溶融紡糸装置を使用して溶融紡糸をすることができる
ものである。重合体成分a1と重合体成分a2の組み合
わせとしては、例えば、ポリアミド系とポリエステル
系、ポリオレフィン系とポリエステル系あるいはポリオ
レフィン系とポリアミド系などが挙げられ、ポリアミド
系重合体としては、ナイロン6,ナイロン46,ナイロン
66あるいはナイロン610 などのポリアミドが、ポリエス
テル系重合体としては、ポリエチレンテレフタレート,
ポリブチレンテレフタレートあるいはジオールとテレフ
タル酸/イソフタル酸の共重合体などのポリエステル
が、ポリオレフィン系重合体としては、ポリプロピレ
ン,高密度ポリエチレン,線状低密度ポリエチレンある
いはエチレン/プロピレン共重合体などのポリオレフィ
ンが挙げられる。これら重合体成分a1および/または
重合体成分a2には通常の艶消剤、熱安定剤、顔料ある
いは重合体の結晶化促進剤などの添加剤を添加してもよ
い。
【0013】複合長繊維Aにおいて、重合体成分a2は
重合体成分a1の融点より30℃以上高い融点を有するこ
とが必要である。本発明でいう重合体の融点とは、パー
キンエルマ社製示差熱量計DSC−2型を使用し、同装
置のマニユアルに従い、試料量を約5mg、走査速度を
20℃/分として測定して得られるDSC曲線から求めた
ものである。重合体成分a2と重合体成分a1の融点差
が30℃未満であると、加熱ロールによりウエブの繊維間
に少なくとも部分的に熱圧接を施したときに、高融点側
の重合体成分が熱劣化して不織布の強度が低下し特に複
合繊維にする意味がなくなるため好ましくない。
【0014】長繊維Bを構成する重合体成分bとは、繊
維形成性を有し、通常の溶融紡糸装置を使用して溶融紡
糸をすることができるものであり、例えば、ポリアミド
系、ポリエステル系、ポリオレフィン系などが挙げら
れ、ポリアミド系重合体としては、ナイロン6,ナイロ
ン46,ナイロン66あるいはナイロン610 などのポリアミ
ドが、ポリエステル系重合体としては、ポリエチレンテ
レフタレート,ポリブチレンテレフタレートあるいはジ
オールとテレフタル酸/イソフタル酸の共重合体などの
ポリエステルが、ポリオレフィン系重合体としては、ポ
リプロピレンが挙げられる。これら重合体成分bには通
常の艶消剤、熱安定剤、顔料あるいは重合体の結晶化促
進剤などの添加剤を添加してもよい。
【0015】また、長繊維Bにおいて、重合体成分bは
前記複合長繊維Aの重合体成分a1の融点より20℃以上
高い融点を有することが必要である。重合体成分bと重
合体成分a1の融点差が20℃未満であると、不織布に熱
接着加工を施して袋物を製造するに際し、製袋加工機の
ヒータ側と反ヒータ側すなわち接着面側の繊維を構成す
る重合体の融点差が小さく、高温で加熱・圧着処理を施
したとき重合体がヒータに溶融・付着して製品品質や歩
留りの低下を来すという問題を生じるため好ましくな
い。
【0016】従って、複合長繊維Aは前記種々の重合体
から構成されるが、重合体成分a1として特に好ましい
ものは、高密度ポリエチレン,線状低密度ポリエチレ
ン,ポリプロピレンあるいはエチレン/プロピレン共重
合体などのポリオレフィン系重合体やジオールとテレフ
タル酸/イソフタル酸の共重合体であり、重合体成分a
2として特に好ましいものは、ポリエチレンテレフタレ
ートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル
系重合体あるいはポリアミド系重合体である。また、長
繊維Bも前記種々の重合体から構成されるが、重合体成
分bとして好ましいものは、前記重合体成分a2と同じ
くポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタ
レートなどのポリエステル系重合体あるいはポリアミド
系重合体である。
【0017】前記複合長繊維Aの複合形態は、芯鞘型が
最適であるがサイドバイサイド型のように重合体成分a
1が複合繊維の表面に出ているものであってもよい。な
お、サイドバイサイド型の場合には各重合体成分として
前記重合体の内、互いに相溶性を有するもの同志を選択
するのがよい。またその横断面形状は通常、円形断面形
状とするが、偏平型、多角形型など種々の異形断面形状
あるいは中空断面形状としてもよい。さらに、その複合
比は特に限定されるものではないが、重合体成分a1に
よる繊維間の熱圧接と重合体成分a2およびbによる不
織布強度の保持の点から、極端に偏るものは好ましくな
い。通常、重合体成分a1に対する重合体成分a2の比
(重量比)は、1/4〜2/1程度とするのがよい。
【0018】前記複合長繊維Aおよび長繊維Bの単糸繊
度も特に限定されるものではないが、極端に小さいとき
は独特の風合が発現されるものの生産性が低下するため
好ましくなく、一方、極端に大きいときは不織布とした
とき柔軟性が低下して風合が悪くなるため好ましくな
い。通常、2〜10デニール程度とするのがよい。
【0019】本発明の不織布は、前記複合長繊維Aおよ
び長繊維Bから構成され、複合長繊維Aのみからなる層
1と長繊維Bのみからなる層4が複合長繊維Aおよび長
繊維Bが混在してなる層2,3を介して積層され、かつ
層1と層2,3の間および層4と層2,3の間に明瞭な
境界が存在せず、繊維間が少なくとも部分的に熱圧接さ
れて固定されているものである。
【0020】本発明の不織布は、片面が複合長繊維Aの
みからなる層1で、他面が長繊維Bのみからなる層4で
構成される。すなわち、本発明の不織布では、不織布の
片面すなわち層1が露出している面には、複合長繊維A
の構成成分である最も低い融点を有する重合体成分a1
が存在し、一方、不織布の他面すなわち層4が露出して
いる面には、長繊維Bの構成成分であり、複合長繊維A
の構成成分であるところの前記重合体成分a1の融点よ
り20℃以上高い融点を有する重合体成分bが存在するの
である。従って、加熱ロールによりウエブの繊維間に部
分的に熱圧接を施したとき、高い融点を有する重合体成
分a2は熱劣化することがないため、不織布の強度が低
下しない。また、この不織布に熱接着加工を施して袋物
を製造するに際し、層1の側を接着面として熱接着加工
を施すと、主として最も低い融点を有する重合体成分a
1により低い加工温度でも十分熱接着することができる
ため、重合体がヒータに溶融・付着して製品品質や歩留
りの低下を来すことがない。
【0021】また、本発明の不織布は、複合長繊維Aの
みからなる層1と長繊維Bのみからなる層4が複合長繊
維Aおよび長繊維Bが混在してなる層2,3を介し、か
つ層1と層2,3の間および層4と層2,3の間に明瞭
な境界を存在させることなく積層されている。すなわ
ち、本発明の不織布は、層1と層2,3の間および層4
と層2,3の間が明瞭に区別されることなく連続して構
成されている。従って、この不織布に熱接着加工を施し
て袋物を製造するに際し、加工工程中などに層間で剥離
を生じたりすることがない。
【0022】本発明の不織布において、複合長繊維Aお
よび長繊維Bの横断面形状は前述したように、通常、円
形断面形状、偏平型、多角形型などの異形断面形状ある
いは中空断面形状とすることができるが、特に長繊維B
の横断面形状を偏平型とすると、長繊維Bのみからなる
層4が露出する不織布表面が偏平繊維で覆われることに
なる。従って、この不織布に熱接着加工を施して袋物を
製造したとき、最も低い融点を有する重合体成分が部分
的に溶融しても層4が露出する不織布表面に滲み出すの
を防止することができる。
【0023】次に、本発明の不織布の製造方法に関して
説明する。本発明の製造方法では、まず前記複合長繊維
Aおよび長繊維Bをウエブ進行方向に分離して配設され
た溶融紡糸装置から溶融紡出し、両紡出長繊維A,Bを
各々前記溶融紡糸装置の下流に配設されたエアーサッカ
により引き取った後、あるいは引取りロールにより引き
取り、連続して引取りロールと引取りロールの下流に配
設された延伸ロールとの間で延伸した後、前記エアーサ
ッカの下部あるいは延伸ロールの下流にウエブ進行方向
に分離して配設された開繊装置により開繊し、かつ前記
開繊装置下部に配設された噴出孔から前記長繊維Aおよ
びBを堆積面上において長繊維AおよびBを一部重ねな
がら噴出・堆積させて積層ウエブとする。
【0024】溶融紡糸に際しては、独立した2系統の紡
糸頭をウエブ進行方向に分離して配設し、両紡糸頭から
各々複合長繊維Aおよび長繊維Bを紡出する方法、ある
いは1系統の紡糸頭において紡糸パック内に2系統の紡
糸孔群を設け、両紡糸孔群から各々複合長繊維Aおよび
長繊維Bを紡出する方法を採用することができる。な
お、紡糸口金としては、通常の複数の紡糸孔を設けた円
形の口金以外に矩形の口金を用いることもできる。
【0025】次いで、溶融紡出された両紡出長繊維Aお
よびBを各々前記溶融紡糸装置の下流に配設されたエア
ーサッカにより引き取るか、あるいは必要に応じて引取
りロールにより引き取り、連続して引取りロールと引取
りロールの下流に配設された延伸ロールとの間で延伸す
る。不織布が高強力を必要とする場合には、前記両ロー
ルを用いて延伸を行なえばよい。エアーサッカとして
は、独立した円形断面のもの以外に、不織布の幅方向に
細長い開口を持つスリット状のものを用いることもでき
る。例えば、独立した複数の円形断面のエアーサッカを
採用する場合には、各エアーサッカをウエブ進行方向に
分離して2列に配設し、各エアーサッカ下部に各長繊維
の噴出孔を有する開繊装置を取り付けておけばよい。な
お、独立した複数の円形断面のエアーサッカを採用する
場合、必ずしも各エアーサッカをウエブ進行方向に分離
して配設する必要はなく、各エアーサッカ下部に長繊維
の誘導管を配設し、この誘導管を介してウエブ進行方向
に分離して2列に配設された噴出孔を有する開繊装置に
各長繊維を供給してもよい。また、前記スリット状のエ
アーサッカを採用する場合には、エアーサッカをウエブ
進行方向に分離して複数個配設し、各エアーサッカ下部
に各長繊維の噴出孔を有する開繊装置を取り付けておけ
ばよい。
【0026】エアーサッカにより引き取りあるいはロー
ルによる延伸に引き続き、エアーサッカの下流あるいは
延伸ロールの下流にウエブ進行方向に分離して配設され
た開繊装置により両紡出長繊維AおよびBを開繊する。
開繊装置としては、空気流を利用するものや摩擦あるい
は高電圧を利用し帯電させるものなどを採用することが
できる。
【0027】本発明の製造方法では、前記開繊に引き続
き、開繊装置下部に配設された噴出孔から前記長繊維A
およびBを堆積面上において複合長繊維Aおよび長繊維
Bを一部重ねながら噴出・堆積させて積層ウエブとす
る。本発明の製造方法において、最終的に開繊された各
長繊維AおよびBが噴出する噴出孔は少なくともウエブ
進行方向に分離して配置されている必要があるが、噴出
孔を分離・配設する具体的な方法については特に制限は
ない。
【0028】次に図1〜図4に基づき具体的に説明す
る。まず、図1に示すように、不織布の進行方向に分離
して配置された長繊維噴出孔11,12の距離を適当に調節
し、あるいは図2に示すように長繊維噴出孔11,12の角
度を調節して、不織布進行方向に対して前方の噴出孔11
から噴出した長繊維と後方の噴出孔12から噴出した長繊
維の一部が重なるように堆積すればよい。重ねる領域13
の大きさについては特に制限はないが、各々単独に堆積
した場合の長繊維群のウエブ進行方向の広がりの1/3
〜1/2程度が一般的である。不織布進行方向に分離さ
れた各々の噴出孔11,12より噴出する長繊維群の低融点
成分比率に制限はない。14は堆積後のウエブである。
【0029】図3は本発明の方法によって製造される不
織布の複合長繊維Aと長繊維Bの単位面積当たりの存在
率をグラフで示したもので、層1は複合長繊維Aのみが
存在し、層4は長繊維Bのみが存在し、また層2は層1
側に向って長繊維Bの存在率が減少して層1との境界部
において長繊維Bの存在率が零となり、さらに層3では
層4側に向って複合長繊維Aの存在率が減少して層4と
の境界部において複合長繊維Aの存在率が零となる。
【0030】図4は不織布の断面図を示し、層1と4と
の間に層2,3が存在する。
【0031】
【作用】本発明は低融点成分構成比率の異った2種の長
繊維群をその一部が重なるように堆積することで重なり
部分で2種の長繊維間に絡みが生じ、層1と層2の間で
の剥離が防止されるものである。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。ま
ず、実施例で引用した数値の測定方法をまとめて示す。
【0033】ポリエチレンテレフタレートの固有粘度測
定はフエノールと四塩化エタン等重量混合溶媒を用い、
濃度 0.5g/ 100ml、温度20℃で測定した。不織布の
接着強力は不織布の進行方向に 150mm、幅方向に30mmの
試料を2枚切り出し、接着面同志が接触するように重
ね、端部より50mmの部分を試料片の幅方向に平行に熱接
着したものを試料とした。熱接着はヒーター幅5mmのイ
ンパルスヒーター(富士電機(株)製インパルスシーラ
ーFI−300形)を使用し、最大加熱温度が 135℃に
なるように調節した。このようにして接着した試料を、
接着した方と反対側の端部を引張り試験機の上下固定金
具につかみ間隔50mm、かつ接着部が上下固定金具のほぼ
中央になるようにそれぞれ取り付け、 200mm/minの速
度で定速伸長させ接着面の剥離、場合によっては試料の
切断までの最大強力を接着強力とした。
【0034】実施例1 64個の単一成分紡糸孔からなる紡糸孔群と、64個の芯鞘
型複合紡糸孔からなる紡糸孔群を有する紡糸口金を使用
し、単一成分紡糸孔から固有粘度0.70のポリエチレンテ
レフタレートからなる繊度3デニールの円形断面の長繊
維Bを、また芯鞘型複合紡糸孔から芯成分が単一成分と
同一のポリエチレンテレフタレート、鞘成分は公称メル
トインデクス20の高密度ポリエチレンからなる繊度3デ
ニール、芯鞘重量比1/1の芯鞘型複合長繊維Aを紡出
した。紡出した長繊維群は各々独立した複数のジェット
より引き取られ、不織布進行方向に対して前方に単一成
分長繊維B群が、後方に芯鞘型長繊維A群が噴出するよ
うに配置した複数の噴出孔より噴出させ、かつ単独の噴
出孔より噴出させた場合の長繊維群のウエブ進行方向の
広がりの約1/3が重なるように堆積し、通常の不織ウ
エブ搬送装置により搬送し、1対のフラットロールと彫
刻ロールからなる熱圧接装置により圧接し、目付けが50
g/m2 の不織布を得た。得られた不織布の接着強力を
測定し、表層と裏層間の剥離状況を確認した。その結果
を表1に示した。
【0035】実施例2 紡糸口金が64個の偏平単一成分紡糸孔と 128個の芯鞘型
複合紡糸孔からなる以外は実施例1と同様の装置、方法
で同じく目付け50g/m2の不織布を得た。実施例1と
同様接着強力他の結果を表1に示した。
【0036】比較例1 単一成分長繊維群噴出孔と芯鞘型複合長繊維群噴出孔が
堆積部分で全く重ならないように配置されている以外は
実施例1と全く同様の紡糸、堆積装置を使用し、同様に
目付けが50g/m2 の不織布を得た。実施例1と同様接
着強力他の結果を表1に示した。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明で得られた不織布は表面と裏面で
低融点成分の融点が異っているため、低融点側の面を接
着面として使用することで製袋加工をはじめとする自己
融着を伴う加工に適した不織布が得られるばかりでな
く、従来同様の目的で製造されている不織布のように表
面と裏面の明確な境界が存在しないため、2層間の剥離
のない優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法の一例を模式的に示した説明図で
ある。
【図2】本発明の方法の別の例を模式的に示した説明図
である。
【図3】繊維存在率を示すグラフである。
【図4】不織布の断面図である。
【符号の説明】
1 層 2 層 3 層 4 層 11 長繊維噴出孔 12 長繊維噴出孔 13 領域 14 ウエブ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合体成分a1と重合体成分a1の融点
    より30℃以上高い融点を有する重合体成分a2とからな
    る複合長繊維Aと、この複合長繊維Aの重合体成分a1
    の融点より20℃以上高い融点を有する重合体成分bから
    なる長繊維Bとで構成される長繊維不織布であって、層
    1〜4からなり、各層1〜4が下記条件を満足し、かつ
    各層における単位体積当たりの繊維存在率(重量比)
    (g/cm 3 )が各層間において連続して変化しているこ
    とを特徴とする不織布。 層1 複合長繊維Aのみから構成される。 層2 長繊維Bに対する複合長繊維Aの単位体積当たり
    の繊維存在率(重量比)(g/cm3 )がA≧B>0であ
    る。 層3 複合長繊維Aに対する長繊維Bの単位体積当たり
    の繊維存在率(重量比)(g/cm3 )がB>A>0であ
    る。 層4 長繊維Bのみから構成される。
  2. 【請求項2】 重合体成分a1と重合体成分a1の融点
    より30℃以上高い融点を有する重合体成分a2とからな
    る複合長繊維Aと、この複合長繊維Aの重合体成分a1
    の融点より20℃以上高い融点を有する重合体成分bから
    なる長繊維Bを溶融紡糸装置から溶融紡出し、両紡出長
    繊維A,Bを各々前記溶融紡糸装置の下流に配設された
    エアーサッカにより引き取り、前記エアーサッカの下流
    にウエブ進行方向に分離して配設された開繊装置により
    開繊するとともに前記開繊装置下部に配設された噴出孔
    から前記長繊維AおよびBを堆積面上において長繊維A
    およびBを一部重ねながら噴出・堆積させて積層ウエブ
    とし、この際、複合長繊維Aのみからなる層1、長繊維
    AおよびBを一部重ねることにより複合長繊維Aおよび
    長繊維Bが混在してなる層2,3、さらに長繊維Bのみ
    からなる層4で4層構造のウエブを形成し、次いで加熱
    ロールにより前記4層ウエブを少なくとも部分的に熱圧
    接することを特徴とする不織布の製造方法。
  3. 【請求項3】 重合体成分a1と重合体成分a1の融点
    より30℃以上高い融点を有する重合体成分a2とからな
    る複合長繊維Aと、この複合長繊維Aの重合体成分a1
    の融点より20℃以上高い融点を有する重合体成分bから
    なる長繊維Bをウエブ進行方向に分離して配設された溶
    融紡糸装置から溶融紡出し、両紡出長繊維A,Bを各々
    前記溶融紡糸装置の下流に配設された引取りロールによ
    り引き取り、連続して引取りロールと引取りロールの下
    流に配設された延伸ロールとの間で延伸し、前記延伸ロ
    ールの下流にウエブ進行方向に分離して配設された開繊
    装置により開繊するとともに前記開繊装置下部に配設さ
    れた噴出孔から前記長繊維AおよびBを堆積面上におい
    て長繊維AおよびBを一部重ねながら噴出・堆積させて
    積層ウエブとし、この際、複合長繊維Aのみからなる層
    1、長繊維AおよびBを一部重ねることにより複合長繊
    維Aおよび長繊維Bが混在してなる層2,3、さらに長
    繊維Bのみからなる層4で4層構造のウエブを形成し、
    次いで加熱ロールにより前記4層ウエブを少なくとも部
    分的に熱圧接することを特徴とする不織布の製造方法。
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