JP3042856U - 組立家屋に於ける天井構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】天井板の貼り詰め作業を比較的楽な姿勢で能率
的に行え、天井板の取り外しも容易で鉄骨式の組立家屋
に適した天井構造を提供すること 【解決手段】天井板８の一方の側端に凹溝２０を形成す
ると共に他方の側端に凸条２１を形成し、屋内上方に設
けた野縁５と野縁中６の下面に沿わせて複数枚の天井板
同士を凹溝と凸条の嵌合させて配設する形式の天井構造
に於いて、該野縁中を下面が開口１１したハット形断面
のチャンネル材で構成し、野縁中のチャンネル空間２２
内に、下端に該凸条と共に該凹溝内へ進入する舌片２３
を屈曲形成すると共に上端に該舌片と反対方向へ屈曲し
た固定片１５を形成した天井板吊り金具１４を設けた。
野縁中の上面に幅方向に長い長穴１３を形成し、天井板
吊り金具の固定片を長穴を介して野縁中の上面２６へ延
出させて上面に固定した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、主として鉄骨式の組立家屋に適用される天井構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、天井板を敷き詰め状態で配設するため、天井板の一方の側端に凹溝を形 成すると共に他方の側端に凸条を形成しておき、複数枚用意した天井板を互いに 凹溝に凸条を嵌合させて貼り詰めることが行われており、この場合、天井板の一 部の側端を壁面や梁に固定した野縁に支持させ、さらに天井板の中間部を野縁間 に張り渡した野縁中に隠し釘で固定し、天井板が垂れ下がることを防止している 。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

天井板は、通常、薄板の裏面を木枠により補強した構造のものが一般的であり 、これを野縁中に固定するため、作業員は天井板の上方へ身を乗り出し、該木枠 を野縁中に釘やボルトで固定している。この作業は、狭く暗い天井裏の空間で持 ち込んだ工具を操作しなければならないので、作業性、作業体勢が悪く能率的で ない欠点がある。しかも、一旦天井板を貼り詰めると、天井裏での作業の必要が 生じた場合、天井板を解体することが容易でない。しかも鉄骨式の家屋では、資 源保護の観点から野縁中を鉄製等の金属製とすることが好ましいが、この場合に は天井板に特別な金具等を設ける必要があり、天井板構造が複雑になるのみなら ず金属製野縁中へ金具等を固定する作業も煩雑になる。

【０００４】 本考案は、天井板の貼り詰め作業を比較的楽な姿勢で能率的に行え、天井板の 取り外しも容易で鉄骨式の組立家屋に適した天井構造を提供することを目的とす るものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 本考案では、天井板の一方の側端に凹溝を形成すると共に他方の側端に凸条を 形成し、組立家屋の室内上方に設けた野縁と野縁中の下面に沿わせて複数枚の天 井板同士を凹溝と凸条の嵌合させて配設する形式の天井構造に於いて、該野縁中 を下面が開口したハット形断面のチャンネル材で構成し、該野縁中のチャンネル 空間内に、下端に該凸条と共に該凹溝内へ進入する舌片を屈曲形成すると共に上 端に該舌片と反対方向へ屈曲した固定片を形成した天井板吊り金具を設けること により、上記の目的を達成するようにした。該天井板吊り金具は、その固定片を 野縁中の上面に形成した幅方向に長い長穴を介して該野縁中の上面へ延出させ、 該上面に固定することが好ましく、該野縁中の両側面を母屋材から下方へ延びる 軸部材の下端に固定したコ字状断面を有する野縁吊り金具に螺着して支持するこ とが好ましい。

【０００６】

【考案の実施の形態】

本考案の実施の形態を別紙図面に基づき説明すると、図１及び図２に於いて符 号１は鉄骨式組立家屋のＣ形鋼からなる母屋材、符号３は合成木材等の壁材を示 し、壁材３で囲まれて室４が形成され、該室４には天井２が設けられる。該天井 ２は、室４の壁面の同一高さ位置に固定した野縁５、野縁５に両端を固定した野 縁中６、該野縁中６の中間を母屋材１で支えるための野縁吊り金具７、及び天井 板８で構成され、貼り詰められた天井板８の下面周囲を化粧するために廻り縁９ が設けられる。

【０００７】 該野縁５は、図３にも見られるように、断面つ字状のチャンネル材で形成され 、母屋材１にボルト止めした複数本の野縁止め金具１０にビス止めで固定される 。また、野縁中６は通常は複数本設けられ、各野縁中６を、図１及び図３に示し たように、下面が開口１１したハット形の鉄製チャンネル材にて構成し、その室 ４の上方を等間隔で横断するように設けてその両端を野縁５に形成した切欠１２ に嵌合させてビス止めした。該野縁中６の上面には、これの幅方向に長い長穴１ ３を適当な間隔で形成し、この長穴１３に後記する天井板吊り金具１４の固定片 １５が挿通される。該野縁中６を吊る野縁吊り金具７は、上端が母屋材１に止め 付けされる螺子軸１６と、該螺子軸１６の下端に取り付けた下方に開く開口を有 するコ字状断面の嵌着部材１７とで構成され、該螺子軸１６により嵌着部材１７ の高さ位置を調整し、該嵌着部材１７の開口を図１のように野縁中６の上方から 嵌合させ、これらを両側面からビス止めすることにより野縁中６の中間部を支え これを水平に保持する。

【０００８】 天井板８は、薄い化粧板１８の裏面に木枠１９を取り付け、該木枠の一方の側 端に凹溝２０を形成し、他方の側端に凸条２１を形成した目透し天井板で、その 複数枚を凹溝２０に凸条２１を嵌合させ、該野縁中６の下面に沿って貼られる。 貼り詰めた天井板８の中間部は、野縁中６に固定して自重や変形による垂れを防 止する必要があるが、本考案では該野縁中６のチャンネル空間２２内に設けた天 井板吊り金具１４により天井板８を保持して垂れを防止した。尚、貼り始めに用 いられる天井板８の木枠１９の凸条２１側には、図４に示すように、Ｌ形の天井 受け金具２５を設け、この金具２５を野縁５の開口に係止させて一時的にその側 端を吊り下げれるようにした。

【０００９】 該天井板吊り金具１４は、その下端に該天井板８を貼る時に凸条２１と共に凹 溝２０内へ進入する舌片２３が屈曲形成され、その上端に該舌片２３とは反対方 向へ屈曲した固定片１５を屈曲形成したもので、該舌片２３の長さは該凸条と同 程度に形成され、固定片１５は図４に示すように野縁中６のチャンネル空間２２ 内から長穴１３を介してその上面２６へ延び、その上面にビス止めできるように 舌片２３よりも十分に長く形成される。

【００１０】 野縁５を室４の壁面に取り付けると共に、母屋材１から所定の位置に野縁吊り 金具７を吊り下げておき、該野縁５に適当な間隔で複数本の野縁中６の両端を固 定しその中間を該野縁吊り金具７の嵌着部材１７で支持したのち天井板８の貼り 付け作業を開始する。天井板８の貼り始めは、室４の一端側から行ない、まず天 井受け金具２５を取り付けた最初の天井板８を用意し、該受け金具２５を図４の ように野縁５の顎に掛けるとともに凸条２１を壁面に沿わせ、野縁中６の長穴１ ３に固定片１５を挿通させておいた天井板吊り金具１４の舌片２３を凹溝２０に 進入させる。そして該固定片１５を野縁中６の上面２６にビス止めする。これに より最初の天井板８は落下しないように保持され、このあと次の天井板吊り金具 １４の舌片２３を次の天井板８の凹溝２０に進入させ、該次の天井板８の凸条２ １を先の天井板８の凹溝２０に嵌合させることを繰り返して貼り付け作業を行う 。最後の天井板８の凹溝２０にはＬ字形の天井受け金具２５を進入させ、壁面に 該金具２５を螺子止めして該天井板８を保持する。最後に天井板８の水平を修正 しながら廻り縁９を壁面に釘止めする。

【００１１】 天井貼り作業のために貼った天井板８の上方へ身を乗り出す必要はなく、天井 空間で使用する工具はドライバーのみで済み、作業性が良く、天井板８は野縁５ や野縁中６に釘類で結着されていないので必要に応じて簡単に解体・再構築を行 える。

【００１２】

【考案の効果】

以上のように本考案によるときは、天井構造を構成する野縁中を下面が開口し たハット形断面のチャンネル材で構成し、該野縁中のチャンネル空間内に、下端 に天井板の凹溝内へ進入する舌片が屈曲形成され上端に該舌片と反対方向へ屈曲 した固定片を形成した天井板吊り金具を設けたので、天井貼り作業を天井裏に身 を乗り出すことなくドライバーのみを使用して行え、作業性が良好になり、天井 板は野縁や野縁中に直接固定されていないので簡単に解体でき、金属製の野縁、 中を使用するので耐久性も向上して鉄骨式の組立家屋に適する等の効果があり、 野縁中の上面に長穴を介して挿通した天井板吊り金具の固定片を固定するので、 安定且つ確実に天井板を支持することができ、固定作業も容易に行える等の効果 がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の切断側面図

【図２】図１の２−２線部分の断面図

【図３】野縁中の取り付け状態の斜視図

【図４】天井板取り付け状態の斜視図

【符号の説明】

１ 母屋材、５ 野縁、６ 野縁中、７ 野縁吊り金
具、８ 天井板、１０ 野縁止め金具、１１ 開口、１
３ 長穴、１４ 天井吊り金具、１５ 固定片、１７
嵌着部材、２０ 凹溝、２１ 凸条、２２ チャンネル
空間、２３ 舌片、２５ 天井受け金具、２６ 上面、

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】天井板の一方の側端に凹溝を形成すると共
   に他方の側端に凸条を形成し、組立家屋の室内上方に設
   けた野縁と野縁中の下面に沿わせて複数枚の天井板同士
   を凹溝と凸条の嵌合させて配設する形式の天井構造に於
   いて、該野縁中を下面が開口したハット形断面のチャン
   ネル材で構成し、該野縁中のチャンネル空間内に、下端
   に該凸条と共に該凹溝内へ進入する舌片を屈曲形成する
   と共に上端に該舌片と反対方向へ屈曲した固定片を形成
   した天井板吊り金具を設けたことを特徴とする組立家屋
   に於ける天井構造。
2. 【請求項２】上記野縁中の上面に幅方向に長い長穴を形
   成し、上記天井板吊り金具の固定片を該長穴を介して該
   野縁中の上面へ延出させて該上面に固定したことを特徴
   とする請求項１に記載の組立家屋に於ける天井構造。
3. 【請求項３】上記野縁中の両側面を母屋材から下方へ延
   びる軸部材の下端に固定したコ字状断面を有する野縁吊
   り金具に螺着して該野縁中を支持したことを特徴とする
   請求項１に記載の天井構造。