JP3042059B2 - ディスクカートリッジ用リボルバ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、記録媒体であるディス
クの検査やクリーニング時にディスクカートリッジのシ
ャッタを開放保持するためのディスクカートリッジ用リ
ボルバに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】光ディスクは、ディスクカートリッジの
下ハーフと上ハーフにそれぞれ開口部が設けられてい
る。そして、上記光ディスクは、この開口部を保護する
ためシャッタで覆われている。このシャッタは、上記光
ディスクの開口部を閉塞する方向に捩じりコイルバネ等
によって常時移動付勢するように付勢力を作用させてい
る。また、例えば５．２５インチの光磁気ディスクの表
面をクリーニングしたり、表面の検査を行う際に、アク
セサリを用いてシャッタの開放保持及び光ディスクの回
転が行われている。このアクセサリは、光磁気ディスク
に対してシャッタを保持する部材と回転する部材の２つ
に分かれている。それぞれ２つのアクセサリを用いてデ
ィスクの検査やクリーニング時にカートリッジのシャッ
タを開放保持を行っている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記したデ
ィスクカートリッジのシャッタを開放保持するアクセサ
リは、３．５インチの光磁気ディスクに対して未だな
い。従って、上記光ディスクの開口部を保護するためユ
ーザーは、この開口部を閉塞させようとしているカート
リッジのシャッタを例えば片方の手で開放固定するよう
に保持しながら、もう一方の手でディスクを回動させて
カートリッジ内の光磁気ディスクの表面の検査やクリー
ニングを行っていた。このように３．５インチの光磁気
ディスクの検査やクリーニングは、非常に煩雑で非能率
的な操作によって行われている。

【０００４】そこで、本発明は上述の実情に鑑み、３．
５インチのディスクに対して一つの部材でシャッタの開
放保持及びディスクを回動することのできるディスクカ
ートリッジ用リボルバの提供を目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明に係るディスクカ
ートリッジ用リボルバは、シャッタの開放時にディスク
のセンターコア部が露出するディスクカートリッジにお
けるディスククリーニング時にディスクを回転させるた
めのディスクカートリッジ用リボルバにおいて、手動に
よる回転操作用のつまみ部と、該つまみ部に接着固定さ
れ上記ディスクのセンターコア部を磁気的に吸着するた
めのマグネットと、シャッタの閉方向への移動を防止し
てシャッタを保持し、上記つまみ部に対して回転自在に
結合されるガイドリングとを備えてなることにより、上
述した課題を解決する。

【０００６】

【作用】本発明に係るディスクカートリッジ用リボルバ
は、ディスクカートリッジのシャッタをガイドリングで
開放固定するように保持し、上記ガイドリングに対して
自在に回転する上記つまみ部がディスクのセンターコア
部と上記マグネットの磁気的な吸着により一体的にな
り、ディスクを自在に回転させる。

【０００７】

【実施例】本発明に係るディスクカートリッジ用リボル
バにおける一実施例について図面を参照しながら説明す
る。

【０００８】本発明に係るディスクカートリッジ用リボ
ルバの具体的な構成を説明するに先立って、記録媒体と
してのディスクカートリッジを説明する。図３及び図４
は、例えば３．５インチのクリーニングカートリッジに
おける下方側の主面と上方側の主面の図をそれぞれ示し
ている。ディスクカートリッジ２０は、円盤状の光ディ
スク２１と、この光ディスクを回転可能に収納するカー
トリッジ２２とを有して構成している。

【０００９】上記光ディスク２１は、少なくとも一方の
面に記録層を有してなり、光学的或いは光磁気的な手段
によってこの記録層に情報信号の書き込み、または読み
出し或いは書き込みと読み出しの両方が行われるように
なされたものである。そして、この光ディスク２１の中
央部には、上記情報信号を記録及び／又は再生を行う記
録及び／又は再生装置によりこの光ディスク２１をチャ
ッキングするためのセンターコア部２１ａが設けられて
いる。

【００１０】上記ディスクカートリッジ２０は、ディス
クを内部に収納し得る程度の大きさとなされた方形状を
なす上下一対の上ハーフ２３と下ハーフ２４とからな
り、これら上ハーフ２３と下ハーフ２４とが突合わされ
結合されて構成されている。そして、上記ディスクカー
トリッジ２０内に、上記光ディスク２１が回転自在に収
納されるようになっている。上記ディスクカートリッジ
２０を構成する下ハーフ２４には、上記光ディスク２１
の中央部に設けられたセンターコア部２１ａと、このカ
ートリッジ２０内に収納される光ディスク２１の信号記
録面の一部を内外周に亘って外方に臨ませるための第１
の開口部２５が開設されている。また、上ハーフ２３に
は、上記下ハーフ２４に設けられた第１の開口部２５と
相対抗した位置に、図４に示す第２の開口部２６が開設
されている。この第１の開口部及び第２の開口部は、共
にディスクカートリッジ２０の一側面２７側と他側面２
８側の左右方向の中央部に位置している。上記第１の開
口部２５は、上記ディスクカートリッジ２０の前面２９
側より中央部に亘る長穴として形成されている。この第
１の開口部２９には、上記ディスクカートリッジ２０が
記録及び／又は再生装置に装着されたときに上記光ディ
スク２１を回転操作するディスク回転駆動装置のディス
クテーブルと、光ディスク２１の信号記録面にレーザビ
ームを照射する光学ピックアップ装置とが臨むようにな
っている。第２の開口部２６は、上記ディスクカートリ
ッジ２０の前面２９側に寄った位置に長方形状に形成さ
れている。この第２の開口部２６の側から光ディスクの
信号記録面と対抗する磁気ヘッドが臨むようになってい
る。

【００１１】また、上記ディスクカートリッジ２０に
は、上記第１の開口部２５及び第２の開口部２６を閉塞
するシャッタ部材３０がスライド可能に取り付けられて
いる。このシャッタ部材３０は、下ハーフ２４の第１の
開口部２５を閉塞する第１のシャッタ部３１と、上ハー
フ２３の第２の開口部２６を閉塞する第２のシャッタ部
３２と、これら第１及び第２のシャッタ部３１、３２を
連結する連結片３３とからなる。

【００１２】上記第１のシャッタ部３１は、図３に示す
ように、上記下ハーフ２４の第１の開口部２５を閉塞す
るに足る幅狭で長尺な方形状をなすように形成されてい
る。また、上記第２のシャッタ部３２は、少なくとも上
記第２の開口部２６を閉塞するに足る大きさの幅広の方
形状として形成されている。そして、この第２のシャッ
タ部３２には、上記シャッタ部材３０が上記第１及び第
２の開口部２５、２６を開放する方向に移動操作された
とき、上記第２の開口部２６を開放する方形状の切欠３
４が設けられている。

【００１３】これら第１及び第２のシャッタ部３１、３
２を連結する連結片３３は、上記ディスクカートリッジ
２０の前面２９側の厚みと略々等しい幅を持って形成さ
れている。この連結片３３を上記ディスクカートリッジ
２０の前面２９に沿って摺接することにより、上記シャ
ッタ部材３０は安定した摺接操作を行うことができる。
この摺接操作に伴って、上記ディスクカートリッジ２０
に設けられた第１及び第２の開口部２５、２６に対応す
る部分には、磁気ヘッド及び光学ピックアップ装置が光
ディスク２１の信号記録面に近接対向して進入し得るよ
うになすための切欠凹部２５ａ、２６ａがそれぞれ設け
られている。これにより、上記ディスクカートリッジ２
０の前面２９側の厚みが、上記開口部２５、２６に対向
する部分で肉薄となされている。

【００１４】さらに、上記連結片３３には、ディスクカ
ートリッジ２０内に配設され、このディスクカートリッ
ジ２０に取り付けられるシャッタ部材３０上記第１及び
第２の開口部２５、２６を閉塞する方向に常に移動付勢
する捩じりコイルバネ等（図示せず）の一端を係止する
バネ係止片３５が設けられている。このバネ係止片３５
は、上記第１及び第２のシャッタ部３１、３２と略々平
行となるように内方向に向かって折曲され、この先端部
に捩じりコイルバネを係止するようになっている。な
お、上記捩じりコイルバネの他端は、ディスクカートリ
ッジ２０の前面２９側コーナ部に係止される。従って、
このような構成されたシャッタ部材３０は、上記第１及
び第２の開口部２５、２６を閉塞した位置と、これら開
口部２５、２６を開放した位置とに亘り図３中の矢印Ｃ
方向に移動操作される。

【００１５】なお、図３に示す第１のシャッタ部３１の
先端側には、上記下ハーフ２４の外側面に取り付けられ
るシャッタ押え板４１によって押圧支持され、上記第１
のシャッタ部３１のディスクカートリッジ２２からの浮
き上がりを防止するヒンジ部押圧部（図示せず）が折曲
形成されている。

【００１６】そして、上記ディスクカートリッジ２０の
前面２９には、上記捩じりコイルバネの付勢力に抗して
上記シャッタ部材３０を上記ディスクカートリッジ２０
に設けられた開口部２５、２６を開口する方向に移動操
作する記録及び／又は再生装置側に配設されるシャッタ
開放レバーのシャッタ開閉ピンが挿入係合するシャッタ
開放部材進入用凹部３６が形成されている。このシャッ
タ開放部材進入用凹部３６は、上記シャッタ部材３０が
上記開口部２５、２６を閉塞しているときに、上記ディ
スクカートリッジ２０の一側側のコーナ部と上記連結片
３３の一側部に対応して設けられている。

【００１７】さらに、上記ディスクカートリッジ２０の
前面２９には、上記シャッタ開放レバーのシャッタ開閉
ピンにより上記シャッタ部材３０が移動せしめられ、上
記開口部２５、２６が開口された状態を保持するための
シャッタ開放部材嵌入部３７が形成されている。このシ
ャッタ開放部材嵌入部３７は、上記開口部２５、２６が
開口された状態での上記シャッタ部材３０の連結片３３
の一側縁が位置する部分に切欠溝として形成されてい
る。

【００１８】また、上記ディスクカートリッジ２０を構
成する下ハーフ２４には、このディスクカートリッジ２
０を記録及び／又は再生装置に装着したときに、上記デ
ィスクカートリッジ２０の水平方向の装着位置を位置決
めする位置決めピンが係合する一対の位置決めピン係合
孔３８、３９が設けられている。さらに、この下ハーフ
２４には、上記一方の位置決めピン３９に近接した位置
に上記光ディスク２１への上方信号の書き込みの可否を
選択する誤記録防止部材４０が取り付けられている。上
記ディスクカートリッジ２０の一側面２７側の前面２９
寄りには、このディスクカートリッジ２０を記録及び／
又は再生装置のローディング機構に設けられたディシク
カートリッジ引き込みピンが嵌入するカートリッジ引き
込みピン嵌入用孔４２が形成されている。このようにデ
ィスクカートリッジは構成されている。

【００１９】本発明に係るディスクカートリッジ用リボ
ルバにおいて例えば、図１に示す３．５インチの光ディ
スクを収納するディスクカートリッジに装着した際の外
観斜視図を参照しながら説明する。シャッタの開放時に
ディスクのセンターコア部２１ａ（図２参照）が露出す
るディスクカートリッジ２０におけるディスククリーニ
ング時にディスク２１を回転させるためのディスクカー
トリッジ用リボルバ１０は、手動による回転操作用のつ
まみ部１１と、該つまみ部１１に接着固定され上記ディ
スクのセンターコア部２１ａを磁気的に吸着するための
マグネット１２（図２参照）と、シャッタ部材３０の閉
方向（矢印Ｂ）への移動を防止してシャッタ部材３０を
保持し、上記つまみ部１１に対して回転自在に結合され
るガイドリング１３とを備えて構成している。上記ディ
スクのセンターコア部２１ａを上記マグネット１２によ
り磁気的に吸着するようになっている。

【００２０】上記ガイドリング１３は、上記つまみ部１
１に対して相対的に回転自在に結合されており、例えば
円筒部１３ａの内周面に中心方向に向かって突出された
突起部１３ｂを有する構造となっている。また、上記ガ
イドリング１３の突起部１３ｂの先端は、上記マグネッ
ト１２の上面１２ａと上記つまみ部１１の段部１１ａで
形成されるガイド溝により、上記ガイドリング１３の脱
落防止及びその抜け止めを行っている。

【００２１】上述したセンターコア部２１ａのあるディ
スクでシャッタ部材３０の開放時にセンターコア部２１
ａが露出するディスク２１において、ディスクカートリ
ッジ用リボルバ１０は、図２に示すようにディスクカー
トリッジ２０に配設され、閉塞方向に内蔵する捩じりコ
イルバネ等による付勢により押圧する上記シャッタ部材
３０と、開口部２５の壁とで上記ガイドリング１３が、
挟み付けられることにより、ガイドリング１３が固定支
持され、また、上記シャッタ部材３０は上記ガイドリン
グ１３により開放保持させられることになる。

【００２２】上記つまみ部１１は、上記マグネッ１２の
上面１２ａの一部及びマグネット１２の内周面１２ｂ側
を接着剤等を用いて一体的に接合している。この接合に
より、上述したように上記マグネット１２の上面１２ａ
と上記つまみ部１１の段部１１ａで形成されるガイド溝
が形成される。このガイドリング１３は、シャッタ部材
３０が開放時の開口部２５内に挟み付けても潰れないよ
うにできているから、上記つまみ部１１が、シャッタか
ら受ける押圧の影響でガイド溝が圧迫されることもな
く、固定支持された上記ガイドリング１３に対して自在
に回転することができる。

【００２３】この開口部２５にディスクカートリッジ用
リボルバ１０を挟み付けると、ガイドリング１３は、こ
の挟み付ける付勢力によって記録媒体であるディスク２
１の表面の間の上下方向に対して微小の隙間が形成され
る。上記つまみ部１１と磁気的に吸着したディスク２１
は、この微小の隙間により、相対的に自在に回転して開
口部２５からディスの表面を検査してクリーニングする
ことができる。このように構成されたディスクカートリ
ッジ用リボルバを光ディスクに装着することにより、容
易に光ディスクの表面の検査やクリーニング時にシャッ
タの開放保持及びディスクの回転を行うことができるよ
うになる。

【００２４】

【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明のディスクカートリッジ用リボルバによれば、手動に
よる回転操作用のつまみ部と、該つまみ部に接着固定さ
れ上記ディスクのセンターコア部を磁気的に吸着するた
めのマグネットと、シャッタの閉方向への移動を防止し
てシャッタを保持し、上記つまみ部に対して回転自在に
結合されるガイドリングとを備えてなることにより、こ
のディスクカートリッジ用リボルバ一つで容易にディス
クカートリッジのシャッタの開放保持が行え、また、手
指を用いて内蔵するディスクを回転してクリーニングを
行うことができる。このディスクカートリッジ用リボル
バの使用により、サービス性の向上も図ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るディスクカートリッジ用リボルバ
をディスクカートリッジに装着した際の外観斜視図であ
る。

【図２】図１に示したディスクカートリッジ用リボルバ
及びディスクカートリッジの一部断面図である。

【図３】ディスクカートリッジの下ハーフ面の側から見
た外観斜視図である。

【図４】ディスクカートリッジの上ハーフ面の側から見
た外観斜視図である。

【符号の説明】

１０・・・・・・・・・・・・ディスクカートリッジ用
リボルバ １１・・・・・・・・・・・・つまみ部 １２・・・・・・・・・・・・マグネット １３・・・・・・・・・・・・ガイドリング

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シャッタの開放時にディスクのセンター
   コア部が露出するディスクカートリッジにおけるディス
   ククリーニング時にディスクを回転させるためのディス
   クカートリッジ用リボルバにおいて、 手動による回転操作用のつまみ部と、 該つまみ部に接着固定され上記ディスクのセンターコア
   部を磁気的に吸着するためのマグネットと、 シャッタの閉方向への移動を防止してシャッタを保持
   し、上記つまみ部に対して回転自在に結合されるガイド
   リングとを備えてなることを特徴とするディスクカート
   リッジ用リボルバ。