JP3041626B2 - セメントモルタル及び/又はコンクリート用配合剤 - Google Patents

セメントモルタル及び/又はコンクリート用配合剤

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JP3041626B2
JP3041626B2 JP2053277A JP5327790A JP3041626B2 JP 3041626 B2 JP3041626 B2 JP 3041626B2 JP 2053277 A JP2053277 A JP 2053277A JP 5327790 A JP5327790 A JP 5327790A JP 3041626 B2 JP3041626 B2 JP 3041626B2
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    • C04B24/24Macromolecular compounds
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の分野〕 本発明は、ポリマーラテックス中のポリマーのモノマ
ー構成成分として、主成分エチレン性不飽和単量体に対
し、エチレン性不飽和スルホン酸及びエチレン性不飽和
カルボン酸又はそれらの塩を特定量共重合して得られる
ポリマーからなるポリマーラテックスを必須成分とす
る、耐久性セメントモルタル及び/又はコンクリート用
配合剤に関する。
〔従来技術〕
従来、セメントモルタル及び/又はコンクリートのひ
び割れ防止、耐水性、耐摩耗性、耐薬品性、中性化防止
など、耐久性の向上のためにポリマーラテックスを添加
剤として用いる方法が知られている(特開昭53−8402
4)。これらの従来方法においては、前記水硬性無機質
組成物の諸物性や外観の向上が一応図れるものの、未だ
これら諸性能を十分に満足させるものではなかった。
即ち、従来のポリマーラテックスを用いたセメントモ
ルタル及び/又はコンクリートでは、高耐久性化の重要
な指標となる混練時の用水量が多(W/Cが大き)く、更
には、硬化体の吸水抑制および中性化抑制の点で効果が
不充分であり、セメント硬化体の弱点である曲げ強度を
向上させる効果も小さい。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、上記従来の添加剤とは異なり、W/Cの低下
が図られ、曲げ強度に優れると共に耐水性、耐薬品性、
中性化の抑制に優れ、耐久性のあるセメントモルタル及
び/又はコンクリートを与える、新規な配合剤を提供す
ることをその課題とする。
〔課題を解決すめための手段〕
本発明によれば、下記(a)成分及び(b)成分をシ
ェル部の構成単量体として含有するエチレン性不飽和単
量体を重合して得られるコア・シェル型異層化ポリマー
ラテックスを必須成分とすることを特徴とするセメント
モルタル及び/又はコンクリート用配合剤が提供され
る。
(a)エチレン性不飽和スルホン酸又はその塩0.05〜9.
95重量% (b)エチレン性不飽和カルボン酸又はその塩0.05〜5
重量% (但し、0.1重量%≦(a)+(b)≦10重量%) 即ち、本発明でいうセメント用配合剤とは、ポリマー
ラテックス中の樹脂分の原料成分として主成分エチレン
性不飽和単量体に(a)エチレン性不飽和スルホン酸又
はその塩(以下、EMSという)と(b)エチレン性不飽
和カルボン酸又はその塩(以下、ECAという)とをシェ
ル部の構成単量体とし、共重合して得られるコア・シェ
ル型異層化ポリマーからなるポリマーラテックスであ
る。
本発明のセメント用配合剤の第1の特徴は、ポリマー
ラテックス中のポリマーのモノマー構成成分として、
(a)EMSを0.05〜9.95重量%、好ましくは0.1〜7重量
%の範囲で使用することである。
全モノマーに対する(a)EMSが0.05重量%未満であ
ると、モルタル及び/又はコンクリートの混練り時に使
用する水量が多(W/Cが大きい)くなり、硬化体の圧縮
強度、曲げ強度、耐摩耗性、耐収縮性、中性化防止等の
性能が低下し、また、9.95重量%を越えると、硬化体の
耐水性(吸水率)が劣るので好ましくない。
本発明のセメント用配合剤の第2の特徴は、ポリマー
ラテックス中のポリマーのモノマー構成成分として、
(b)ECAを0.05〜5重量%、好ましくは、0.2〜3重量
%の範囲で使用されることである。
全モノマーに対する(b)ECAが0.05重量%未満であ
ると、(a)EMSと同様にモルタル及び/又はコンクリ
ートの混練時のW/Cが大きくなり、硬化体の圧縮限度、
曲げ強度、耐摩耗性、耐収縮性、及び中性化防止等の性
能が低下し、また、5重量%を越えると、混練り時のフ
ロー値の調整が困難であったり、水の分離等の問題があ
るので好ましくない。
又、本発明のセメント用配合剤の第3の特徴は、ポリ
マーラテックス中のポリマーのモノマー構成成分とし
て、前記(a)EMSと(b)ECAとを0.1重量%≦(a)
+(b)≦10重量%、好ましくは0.5重量%≦(a)+
(b)≦7重量%の範囲で使用することである。
(a)EMSと(b)ECAの和が0.1重量%未満である
と、モルタル及び/又はコンクリートの混和時のW/Cが
大きく、ポリマーラテックスの凝集物を多量に生成し、
更には硬化体の上記諸性能が低下する。または、ポリマ
ーラテックスの製造時にグリシジルメタクリレート、N
−メチロールアクリル酸アミド等の反応性モノマーを共
重合させる場合、共重合性が低下し、生成するポリマー
ラテックスの固化時の粒子間架橋が劣ることから、セメ
ントモルタル及び/又はコンクリート硬化体の耐薬品性
が悪くなる。10重量%を越えると、ポリマーセメントモ
ルタル及び/又はコンクリートの偽凝結が早くなった
り、硬化体の上記諸性能が低下する。
本発明に係る(a)成分であるEMSとしては、種々の
ものが使用できるが、好ましくは後記の主成分エチレン
性不飽和単量体との乳化共重合性に優れる下記一般式
(I)、(II)及び(III)で示される単量体の少なく
とも1種が使用される。
(式中、R1、R2、R3、M1、M2、M3及びXは次の通りであ
る。
R1、R2;水素又はメチル基で、R1とR2はまた同一で
あっても異ってもよい。
R3 ;置換基を有してもより炭素数1〜4の直鎖
状または分岐状アルキル基 M1、M2、M3;水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、
アンモニア又はアミン X;ハロゲン又は水素 を表わす。) 一般式(I)、(II)及び(III)で示される化合物
の代表例としては、次下に示されるものが挙げられる。
一般式(I)の例 スチレンスルホン酸 α−メチルスチレンスルホン酸 クロルスチレンスルホン酸 及びこれらのナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウ
ム酸、カルシウム酸、アンモニウム塩、モノメチルジエ
タノールアミン塩、トリエタノールアミン塩 一般式(II)の例 2−アクリル酸アミド−2−メチルプロパンスルホン
酸 2−メタクリル酸アミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸 2−アクリル酸アミドブタンスルホン酸 3−アクリル酸アミドブタン−2−スルホン酸 3−アクリル酸アミド−2,3−ジメチルブタン−2−
スルホン酸 2−アクリル酸アミド−2,4,4−トリメチルペンタン
スルホン酸 2−アクリル酸アミドミクロヘキサンスルホン酸 2−アクリル酸アミド−2−フェニルエタンスルホン
酸 2−アクリル酸アミド−2−フェニルプロパンスルホ
ン酸 2−アクリル酸アミド−2−トリルエタンスルホン酸 及び、これらのナトリウム塩、カリウム塩、マグネシ
ウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、モノメチルジ
エタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、一般式
(III)の例 ビニルスルホン酸及びこれらのナトリウム塩、カリウ
ム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アンモニウム
塩、モノメチルジエタノールアミン塩、トリエタノール
アミン塩又、これらの中で好ましく使用されるEMSとし
ては、スチレンスルホン酸と2−アクリル酸アミド−2
−メチルプロパンスルホン酸とこれらの塩が例示され
る。
又、本発明に係る(b)成分であるECAとしては、ア
クリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の一塩基酸及び
これらのナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、
カルシウム塩、アンモニウム塩、モノメチルジエタノー
ルアミン塩、トリエタノールアミン塩。マレイン酸、フ
マル酸、イタコン酸等の二塩基酸、これらの酸無水物、
前記のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン
塩、炭素数1〜6のアルキルハーフエステル及びハーフ
アミドが挙げられる。
本発明のセメント用配合剤のポリマーラテックスは、
前記EMS及びECAと主成分エチレ性不飽和単量体との乳化
重合によって得ることができる。
本発明で使用する主成分エチレン性不飽和単量体とし
ては、エチレン性二重結合をもつアクリル酸エステル
(例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アク
リル酸オクチル)、メタクリル酸エステル(例えばメタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブ
チル、メタクリル酸オクチル)、スチレン、α−メチル
スチレン等のスチレン類、ブタジエン、イソプレン等の
ジエン類、エチレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル
等のビニル類、アクリロニトリル、α−メチルアクリロ
ニトリル等のニトリル類等が挙げられるが、高耐久性及
び高耐候性に優れるセメントモルタル及び/又はコンク
リートを得るためには、(メタ)アクリル酸エステル類
を用いることが望ましい。
又、本発明に係わるポリマーラテックスを緻密な網日
状の三次元構造(架橋構造)体とするためには、エチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレンポリオ
キシエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパンのトリ(メタ)アクリレート、ペン
トエリスリトールのテトラ(メタ)アクリレート、アク
リル酸ジアリル、ジビニルベンゼン、ブタジエン、トリ
アリルイソシアヌレート等の架橋性単量体の他に、ポリ
マーラテックスの粒子内および(もしくは)粒子間の架
橋構造を更に強固にするために反応性官能基を有する不
飽和単量体が好ましく用いられるが、反応性官能基を有
しない不飽和単量体であっても、乳化重合系において、
活性水素を有する化合物に転換し得る不飽和単量体の使
用も可能である。
このような反応性官能基を有する不飽和単量体として
は、例えば、 グリシジルアクリレート グリシジルメタクリレート グリシジルクロトネート グリシジルアリルエーテル ヒドロキシエチルアクリレート ヒドロキシエチルメタクリレート ヒドロキシエチルクロトネート ヒドロキシプロピルアクリレート ヒドロキシプロピルメタクリレート ヒドロキシプロピルクロトネート ヒドロキシブチルアクリレート ヒドロキシブチルメタクリレート ポリオキシエチレンモノアクリレート ポリオキシエチレンモノメタクリレート ポリオキシエチレンモノクロトネート ポリオキシプロピレンモノアクリレート ポリオキシプロピレンモノメタクリレート ポリオキシプロピレンモノクロトネート ポリオキシブチレンモノアクリレート ポリオキシブチレンモノクロトネート ヒドロキシエチルアリルエーテル ヒドロキシプロピルアリルエーテル ヒドロキシブチルアリルエーテル ポリオキシエチレンアリルエーテル ポリオキシプロピレンアリルエーテル ポリオキシブチレンアリルエーテル アリルアミン アクリルアミン メタクリルアミン アミノスチレン α−メチルアミノスチレン アクリルアミド メタアクリルアミド アミノプロピルメタクリルアミド モノメチルアクリルアミド モノエチルアクリルアミド ジエチロールアミノプロピルアクリルアミド メチルアリルチオール メチルメルカプトスチレン N−メチロールアクリル酸アミド N−メチロールメタクリル酸アミド N−メチロールクロトン酸アミド N−(2−ヒドロキシエチル)アクリル酸アミド N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸アミド N−(2−ヒドロキシプロピル)アクリル酸アミド N−(2−ヒドロキシプロピル)アクリル酸アミド 上記反応性官能基を有するエチレン性不飽和単量体の
使用割合は、全モノマーに対して0.1〜40重量%、好ま
しくは0.5〜10重量%である。この使用割合が0.1重量%
より小さいと、生成するポリマーラテックスおよび/も
しくは形成する皮膜の粒子内および粒子間の架橋化度が
小さくなり、40重量%より大きいと乳化共重合体に欠け
多量の凝集物を生じるので好ましくない。
本発明で用いるポリマーラテックスの乳化重合用乳化
剤としては下記のアニオン性及びノニオン性のものが用
いられる。
〔アニオン性乳化剤の代表例〕
(1)ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル
スルホネート・サルフェート塩 (2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテルサルフェ
ート塩 R4−O−(AO)n−SO3M4 (式中、R4、A、n及びM4は前記と同じ) (3)ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルエ
ーテルサルフェート塩 (式中、R4、A、n及びM4は前記と同じ) M4,A,n:前記と同じ R5:水素原子又はメチル基 R6:アルキル基、アルケニル基又はアルキル基もし
くはアルケニル基を有するフェニル基、脂肪酸残基 (式中、M4,A,n,R5及びR6は前記と同じ) (式中、M4,A,n,R5及びR6は前記と同じ) (式中、M4,A,n,R5及びR6は前記と同じ) (式中、M4,A,n,R5及びR6は前記と同じ) m :0,1 R7:−CH2−、−CH2CH2−又はフェニル基 (M4,A,n,m,R5,R6及びR7は前記と同じ) 〔ノニオン性乳化剤の代表例〕 (10)ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル (式中、pは0〜100好ましくは5〜70、R5,Aは前記と
同じ) (11)ポリオキシアルキレンアルキルエーテル R4−O−(AO)pH (式中、R4,A及びpは前記と同じ) これらアニオン性乳化剤およびノニオン性乳化剤はそ
れぞれ単独もしくは2種以上併用することができるが、
分子内にエチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイ
ド基を有する乳化剤を1種以上用いるのが好ましい。更
に好ましくは、アニオン性乳化剤として、前記(1)の
化合物を、ノニオン性乳化剤として、前記(10)又は
(11)の化合物を1種以上用いるのが望ましい。
また、これらの乳化剤はエチレン性不飽和単量体に対
し0.5〜15重量%、好ましくは1〜10重量%の範囲で用
いるのがよい。重合開始剤としては、過酸化水素単独ま
たは過酸化水素と酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸な
どのカルボン酸との組合せや、過酸化水素と、シュウ
酸、スルフィン酸およびこれらの塩類又はオキシアルデ
ヒド類、水溶性鉄塩などとの組合せ、過硫酸塩、過炭酸
塩、過硼酸塩類などの過酸化物及び2,2′−アゾビス
(2−アミノジプロパン)とその塩、2,2′−アゾビス
(N,N′−ジメチレン−イソブチルアミジン)とその
塩、4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)とその塩等
の水溶性アゾ系開始剤が使用可能である。本発明で用い
るポリマーラテックスの調製には上記水溶性アゾ系開始
剤を不飽和単量体混合物の0.1〜3重量%用いる事が好
ましい。
本発明で用いるポリマーラテックスは、上記エチレン
性不飽和単量体、乳化剤、重合開始剤を用い、下記の一
般的な乳化重合法により調製することができ、モノマー
滴下法、モノマーをプレ乳化してエマルジョンを滴下す
るエマルジョン滴下法等のいずれの方法を採用してもよ
いが、好ましい方法は、(a)EMS、(b)ECA、エチレ
ン性不飽和単量体、架橋剤及び反応性官能基を有するエ
チレン性不飽和単量体の乳化共重合性を高めるために、
エマルジョン滴下法による乳化重合法である。
又、本発明に用いるポリマーラテックスの粒子構造と
しては、コア・シェル型の異層化構造を有するものであ
るが、ソフトコア、ハードシェル型異層化ポリマーラテ
ックスであることが、W/Cを低下させることができるの
で望ましい。
特に好ましいコア・シェル型異層化ポリマーラテック
スを調製する方法としては、水相に乳化剤を溶解し、コ
ア部不飽和単量体の一部を可溶化させた後、重合開始剤
を入れ、次いでコア部不飽和単量体、シェル部不飽和単
量体の順にそのまま滴下するモノマー滴下法あるいは乳
化剤、水の一部と、不飽和単量体を予め混合乳化して滴
下するエマルジョン滴下法により乳化重合を行なう方法
のいずれでも調整できるが、乳化重合の欠点である重合
釜あるいは撹拌羽根等への重合物の付着量を低減するに
は、エマルジョン滴下法の使用がより好ましい。特に、
コア・シェル型異層化構造を有するポリマーラテックス
を製造する際の留意点は、コア部の重合とシェル部の重
合がブロック型の結合となる点であり、従って、コア部
の重合終了後、数分から数時間の熟成を行うことが好ま
しい。そして(a)EMS及び(b)ECAはシェル部に共重
合させる。本発明で用いるポリマーラテックスは固形分
40重量%時の粘度が10〜1000cp(ブルックフィールド型
粘度計)であって、作業性が良好であり、また低粘度の
ものでは固形分を50%以上含有させることも可能であ
る。
また、本発明で用いるこれらのポリマーラテックスは
その平均粒子径を2000nm未満、好ましくは500nm以下、
さらに好ましくは200nm以下にしておくことが望まし
い。2000nm以上であると、セメントモルタル及び/又は
コンクリートの強度、耐候性、耐久性、耐水性、中性化
の改善効果が不充分であると共に、小さい粒子のものに
比べ、その使用量が多くなるので好ましくない。
ポリマーラテックスのセメント及び/又はコンクリー
トに対する混和量は、固形分として0.3〜12重量%好ま
しくは0.5〜10重量%である。0.3重量%未満では耐久
性、耐水性、中性化防止の観点から好ましくない。また
12重量%を越えると、セメント硬化体の特徴である圧縮
強度が低下し好ましくない。
本発明においては、更に、微粒子シリカ(シリカヒュ
ーム)、フライアッシュ、高炉スラグ等の躯体材と併用
することにより、耐久性を一層向上させることができる
が、この中でも特にシリカヒュームが優れている。シリ
カヒュームは、粉体で加えても効果があるが、本発明の
ポリマーラテックスと予め混練すると、シリカヒューム
の凝集がなく、両材が均一に分散され、ポリマーセメン
トの耐久性が著しく向上する。シリカヒュームの粒径は
一次粒子径0.1μm以下、一部凝集した二次粒子径は1
〜100μmのものが、またSiO2の純度70%以上のものが
好ましい。
更に本発明において、鉄筋入りセメントモルタル及び
/又はコンクリートの耐久性を一層向上させるには、防
錆剤の併用が有効である。併用可能な防錆剤としては、
亜硝酸塩、クロム酸塩、ケイ酸塩、リン酸塩、有機リン
酸塩、アミン類、アルキルフェノール類、メルカプタン
類、ニトロ化合物などがあるが、本発明のポリマーラテ
ックスと有機リン酸塩系防錆剤更に望ましくは1−ヒド
ロキシエタン−1,1−ジホスホン酸塩等の1−ヒドロキ
シアルカン−1,1−ジホスホン酸塩とを併用することに
より市販品の亜硫酸塩に比べ低濃度で著しい耐久性向上
効果が得られる。
又、本発明を実施するにあたり、必要に応じて、ノニ
オン性、アニオン性、カチオン性の高分子物質、着色顔
料、キレート剤、防腐剤、pH調整剤、可塑剤、早強剤、
遅硬剤、導電(帯電防止)剤、躯体剤(白土類)ならび
に強化剤を補助添加成分として用いてもよい。
〔効 果〕
本発明の配合剤を用いることによって、得られるセメ
ントモルタル及び/又はコンクリートは、曲げ強度が向
上すると共に、耐水性(吸水抑制性)が向上し、更には
用水量も減らせて中性化の抑制を可能とし、また耐久性
が著しく優れることから、その実用的価値が極めて高い
ものである。
従って、本発明のセメントモルタル及び/又はコンク
リート用添加剤を、建築構造物の内壁及び外壁基材、タ
イル張り用接着剤、タイル張り用目地材、床材、ACL鉄
筋防食ライニング材、貯水タンク、プール、サイロ、テ
ニスコート用下地等の防水材、船舶デッキ、歩道橋床、
橋梁デッキ等のデッキカバーリング材、耐酸性ヒューム
管、GRC製品用特殊コンクリート成型品、高速道路、交
叉点、バスターミナル、トンネル内、工場等の半剛性道
路、スチールファイバー、グラスファイバー、カーボン
ファイバー、ポリエステルファイバー、ポリビニルアル
コールファイバー等の無機、有機の繊維等を併用したモ
ルタル及びコンクリート躯体の吹付け保護塗装材、カー
ボンファイバー、メタルパウダー(フレーク)を併用し
た導電塗装材、電磁波シールド材、超高強度成型品、船
舶バラストタンク等の重防食塗材、モルタル浮き補修
材、斜張橋ワイヤー材、化粧瓶、インターロッキング等
の化学成型品を製造する際に使用すると、極めて効果的
な性能を示す。
〔実施例〕 次に、本発明を更に詳細に説明するために、以下に実
施例を示す。
実施例1 (1)ポリマーラテックスの調製 温度計、撹拌機、還流冷却管、窒素導入管および滴下
ロートを備えたガラス製反応容器に、脱イオン水209.82
重量部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
(P=8)の硫酸エステルNa塩0.945重量部とポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル(P=30)2.35重量
部を仕込み室温で均一に溶解し、65℃に昇温した後、十
分に窒素置換を行う。次いで別に、予め脱イオン水71.8
2重量部、ポリオキシエチレンノニルフェニルテーテル
(P=8)の硫酸エステルNa塩1.98重量部、ポリオキシ
エチレンノニルフェニルエーテル(P=30)4.94重量
部、アクリル酸ブチル142.74重量部、メタクリル酸メチ
ル15.84重量部及びトリメチロールプロパントリメタク
リレート0.75重量部とを乳化した不飽和単量体混合物の
エマルジョン238.07重量部のうち5重量%を前記の反応
容器に入れ、5分間かきまぜる。
次いで、脱イオン水6.78重量部と2,2′−アゾビス
(N,N′−ジメチレンイソブチルアミジン)塩酸塩0.732
重量部との水溶液を反応容器に入れた後、直ちに残りの
不飽和単量体混合物のエマルジョン226.17重量部を20分
間に亘り、連続的に65℃の反応容器に滴下して、コア部
を調製した。このあと直ちに、脱イオン水43.97重量
部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(=
8)の硫酸エステルNa塩0.85重量部、ポリオキシエチレ
ンノニルフェニルエーテル(=30)2.11重量部、アク
リル酸ブチル20.28重量部、メタクリル酸メチル47.27重
量部、トリメチロールプロパントリメタクリレート0.15
重量部、表−1に示すエチレン性不飽和スルホン化物
(EMS)2.5重量部、及びエチレン性不飽和カルボン酸
(ECA)2.25重量部からなる不飽和単量体混合物のエマ
ルジョン119.38重量部を10分間に亘り、連続的に滴下し
65℃で重合する。
不飽和単量体混合物のエマルジョンを滴下終了後、65
℃が60分間熟成し、30℃に冷却し次いで固形分濃度が40
重量%、pHが7になるように、夫々脱イオン水とトリエ
タノールアミンで調整しコア・シェル型のポリマーラテ
ックスを得た。
(2)性能評価 以上のように調整したポリマーラテックスの評価及び
このものをポリマーセメント用混和材として用いた評価
を行った。
ポリマーラテックスの評価 平均粒子径及び架橋性は以下の方法で測定した。
平均粒子径:コールターサブミクロン粒子アナライザ
ー(米国、コールター・エレクトロニクス社製、Coulte
r Model N4型)により平均粒子径を測定した。
架橋性:固形分が40重量%になるように調整したポリ
マーラテックス30gを12cm×14cmのガラス板に均一にな
るように流延し、25℃にて風乾した。このようにして得
られた皮膜を2cm×4cmに切断し、20℃のベンゼンを満た
したシャーレの中に48時間浸漬し、皮膜の膨潤度、溶解
性を基準にして下の通り評価した。
○;ベンゼンに浸漬前の皮膜面積(2cm×4cm)と同等
かもしくはわずかに膨潤している程度である。
△;膨潤度が大きく、皮膜形状が損なわれているも
の。
×;皮膜がベンゼンに溶解し均一な液状になったも
の。
ポリマーセメント用混和材評価 i)ポリマーセメントの調整 普通ポルトランドセメント 1kg 山砂(木更津産) 2kg 消泡剤(非イオン系) 1g ポリマーラテックス150g(固形分で60g)および、フ
ロー値(JISR5201)が200±10になるように必要な水を
加え、パドルミキサーで混練し、練り性状の測定に供し
た。更に混練物を型枠(4.0×4.0×16.0cm)に入れ、硬
化後、脱型し、硬化体性能評価に供した。
ii)ポリマーセメント評価 下記の方法に準じ、練り性状と硬化体の性能評価を行
った。
練り性状 ・単位容積重量;JISA1116 ・W/C ;用水量/セメント重量×100 硬化体性能 ・曲げ強度試験;JIS R−5201 ・圧縮強度試験;JIS R 5201 ・付着強度試験;JIS A 6915 ・吸水試験 ;JIS A 1404 ・摩耗性試験 ;JIS A 1451 ・乾燥収縮試験;JIS A 1129 ・中性化試験 ;4×4×16cmの直方体の供試体を、1週
間20℃、80%RHで養生を行い、CO2濃度5%、1kg/cm2
加圧オートクレーブ中にて、3ケ月放置し、供試体を取
り出し、供試体の中間で切断し、1%フェノールフタレ
インアルコール溶液を切断面に噴霧し、赤色の消えた部
分の面積を測定し、全断面積に対する割合で中性化率を
求めた。
以上の方法で測定した練り性状と硬化性性能を表−1
に示す。材料No1〜7は本発明の実施例であり、材料No8
〜11は比較例である。
実施例2 実施例1に準じ、エチレン不飽和スルホン化物として
2−アクリル酸アミド−2−メチルプロパンスルホン酸
(AMPS)及びエチレン性カルホン酸としてメタクリル酸
(MA)とを、生成するポリマーラテックスのポリマーの
モノマー構成成分として表−2の重量%になるように用
い、ポリマーラテックスを調製した。
次いで、以上のようにして調製したポリマーラテック
スを、ポリマーセメント用混和材として用いて評価を行
った。
結果を表−2に示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C04B 111:60 (56)参考文献 特開 昭60−42264(JP,A) 特開 昭63−291910(JP,A) 特開 昭53−84024(JP,A) 特開 平3−205333(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 24/26

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(a)成分及び(b)成分をシェル部
    の構成単量体として含有するエチレン性不飽和単量体を
    重合して得られるコア・シェル型異層化ポリマーラテッ
    クスを必須成分とすることを特徴とするセメントモルタ
    ル及び/又はコンクリート用配合剤。 (a) エチレン性不飽和スルホン酸又はその塩0.05〜
    9.95重量% (b) エチレン性不飽和カルボン酸又はその塩0.05〜
    5重量% (但し、0.1重量%≦(a)+(b)≦10重量%)
  2. 【請求項2】(a)成分であるエチレン性不飽和スルホ
    ン酸又はその塩が、スチレンスルホン酸、2−アクリル
    酸アミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びこれらの
    塩から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする
    請求項(1)記載のセメントモルタル及び/又はコンク
    リート用配合剤。
  3. 【請求項3】ポリマーラテックスの平均粒子径が500nm
    以下で架橋構造を有することを特徴とする請求項(1)
    又は(2)記載のセメントモルタル及び/又はコンクリ
    ート用配合剤。
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