JP3040241B2 - エマルション組成物 - Google Patents

エマルション組成物

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JP3040241B2 JP4056475A JP5647592A JP3040241B2 JP 3040241 B2 JP3040241 B2 JP 3040241B2 JP 4056475 A JP4056475 A JP 4056475A JP 5647592 A JP5647592 A JP 5647592A JP 3040241 B2 JP3040241 B2 JP 3040241B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクを用いて記録さ
れる被記録材の表面コート層の形成に好適に使用し得る
エマルション組成物に関するものであり、特にインクの
吸収性、記録画像の鮮明性、耐ブロッキング性、基材と
の密着性に優れた表面コート層を形成するエマルション
組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方法は、騒音が低い
こと、高速印字、カラー化が容易等の理由から、最近急
速に普及している。従来、インクジェット記録用として
使用される被記録材としては、通常の紙や多孔質のイン
ク吸収層を有するものが多く用いられている。
【0003】近年、特にスライドやオーバーヘッドプロ
ジェクターが会議等で使用される例が増加しており、イ
ンクジェット記録用の被記録材に対してもより高度な特
性が要求されてきている。すなわち、インクの吸収性が
良い事、インク乾燥速度が速い事、インクドットの形状
が小さい事、シートの透光性が良好である事、表面硬度
が高く傷がつきにくい事、耐ブロッキング性に優れる
事、基材との密着性が良好である事等である。しかしな
がら、これらの性能を全て満たしている被記録材は未だ
知られていないのが実状である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の事
情に照らして鋭意検討した結果、エチレン性不飽和基を
有するリン酸エステルとアクリル系単量体を乳化重合
し、得られた重合体エマルションに水溶性重合体を混合
したエマルション組成物が、インク吸収性、インク乾燥
性、耐ブロッキング性の良好な被記録材の表面コート層
となり得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】即ち、本発明は、(イ)エチレン性不飽和
基を有するリン酸エステルとアクリル系単量体との共重
合体であって、該エチレン性不飽和基を有するリン酸エ
ステルに基づく単量体単位の共重合体中に占める割合が
2.0〜5.0モル%であり、アクリル系単量体に基づ
く単量体単位の共重合体中に占める割合が95.0〜9
8.0モル%である共重合体を水に分散させた共重合体
エマルション及び(ロ)水溶性重合体よりなり、(イ)
の固形分100重量部に対して(ロ)が100〜150
重量部であることを特徴とするエマルション組成物であ
る。
【0006】本発明における(イ)の共重合体エマルシ
ョンの製造に用いるリン酸エステルは、エチレン性不飽
和基を有する公知の化合物を何等制限なく使用すること
ができる。例えば、モノ(2−ヒドロキシエチルアクリ
レート)アシッドホスフェート、モノ(2−ヒドロキシ
エチルメタクリレート)アシッドホスフェート、モノ
(2−ヒドロキシプロピルアクリレート)アシッドホス
フェート、モノ(2−ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト)アシッドホスフェート、モノ(3−ヒドロキシプロ
ピルアクリレート)アシッドホスフェート、モノ(3−
ヒドロキシプロピルメタクリレート)アシッドホスフェ
ート、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホス
フェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチ
ルホスフェート等のリン酸エステルをあげることができ
る。
【0007】また、上記のエチレン性不飽和基を有する
リン酸エステルと共重合するアクリル系単量体は、公知
の化合物を何等制限なく使用することができる。アクリ
ル系単量体を具体的に例示すると次のとおりである。ア
クリル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸プロピ
ル,アクリル酸n−ブチル,アクリル酸イソブチル,ア
クリル酸ヘキシル,アクリル酸n−オクチル,アクリル
酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸アルキルエステ
ル;メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタク
リル酸ブチル,メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸
アルキルエステル等をあげることができる。これらの単
量体は1種のみでもよく、また2種以上を併用すること
もできる。
【0008】上記したエチレン性不飽和基を有するリン
酸エステルに基づく単量体単位の共重合体中に占める割
合は、2.0〜5.0モル%、好ましくは2.5〜4.
7モル%であり、アクリル系単量体に基づく単量体単位
の共重合体中に占める割合は、98.0〜95.0モル
%、好ましくは97.5〜95.3モル%である。リン
酸エステルに基づく単量体単位の含有量が2.0モル%
以下では、本発明のエマルジョン組成物による塗膜と基
材、例えば、ポリエチレンテレフタレートとの密着性及
びインクの乾燥性に劣り、5.0モル%以上では、ブロ
ッキング性及び保存安定性に劣る。
【0009】上記した共重合体の重合時にさらに上記し
た各単量体と共重合可能な親水性単量体を添加する事も
できる。本発明において、特に好適に使用し得る親水性
単量体を例示すれば次のとおりである。アクリル酸、メ
タクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等の不
飽和カルボン酸またはその塩;2−ヒドロキシエチルア
クリレート,2−ヒドロキシエチルメタクリレート,2
−ヒドロキシプロピルアクリレート,2−ヒドロキシプ
ロピルメタクリレート等の不飽和カルボン酸のヒドロキ
シアルキルエステル;ポリエチレングリコールアクリレ
ート,ポリエチレングリコールメタクリレート,メトキ
シポリエチレングリコールアクリレート,ポリプロピレ
ングリコールアクリレート,ポリプロピレングリコール
メタクリレート等の不飽和カルボン酸のポリアルキレン
グリコールエステルが挙げられる。
【0010】この親水性単量体は2種類以上を併用して
も何ら差支えない。また、この親水性単量体の全単量体
中に占める割合は、得られる塗膜のインク吸収性を勘案
すると15〜25モル%の範囲であることが好ましい。
【0011】また、さらに上記した共重合体の重合時に
架橋性単量体を0.03〜0.3モル%の範囲で添加す
ることは、本発明のエマルション組成物による塗膜の耐
水性及び表面硬度を向上させることができるために好ま
しい態様である。特に好適に使用し得る架橋性単量体を
例示すれば次のとおりである。エチレングリコールジア
クリレート,ジエチレングリコールジアクリレート,ト
リエチレングリコールジアクリレート,テトラエチレン
グリコールジアクリレート等のモノ及びポリエチレング
リコールジアクリレート類;エチレングリコールジメタ
クリレート,ジエチレングリコールジメタクリレート,
トリエチレングリコールジメタクリレート,テトラエチ
レングリコールジメタクリレート等のモノ及びポリエチ
レングリコールジメタクリレート類;ジビニルベンゼ
ン,ジアリルフタレート,ジアリルセバケート,トリア
リルトリアジン等のジまたはトリアリル化合物類;アリ
ルメタクリレート,アリルアクリレート等のアリル化合
物類等が挙げられる。
【0012】上記した各単量体を用いて水媒体中におい
て乳化重合が行われ、本発明のエマルション組成物の
(イ)成分が調製される。乳化重合は公知の方法が何ら
制限なく用いられる。即ち、乳化剤としては、公知のア
ニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び非イオ
ン性界面活性剤を用いることができる。重合開始剤も従
来公知のものが何ら制限されずに用いられる。例えば、
過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;過
酸化ベンゾイル等の有機過酸化物;2,2′−アゾビス
イソブチロニトリル,2,2′−アゾビス(2−アミデ
ィノプロパン)ヒドロクロライド等の有機アゾ化合物;
過硫酸塩とアルカリ金属の亜硫酸塩,重亜硫酸塩等の還
元剤とを組み合わせたレドックス系開始剤が挙げられ
る。
【0013】本発明において、特に好ましい乳化重合方
法は、エチレン性不飽和基を有するリン酸エステルとア
クリル系単量体及び親水性単量体の乳化重合をまず行
い、次いで得られた重合体の存在下にアクリル系単量体
及び架橋性単量体の混合物を添加して乳化重合する方法
である。
【0014】このようにして、本発明のエマルション組
成物の(イ)成分を調製することができる。上記の
(イ)成分は、固形分100重量部に対して、水が30
0〜400重量部のエマルションであることが、被記録
材への塗布性の点から好ましい。
【0015】次に、本発明のエマルション組成物の
(ロ)成分は水溶性重合体である。水溶性重合体として
は、アルブミン,ゼラチン,カゼイン,でんぷん,アラ
ビアゴム,メチルセルロース,ポリビニルアルコール,
ポリアミド樹脂,メラミン樹脂,ポリビニルピロリド
ン,アルギン酸ソーダ,ポリエチレンイミン等があげら
れ、これらの各種重合体の1種以上が使用される。
【0016】このような(ロ)成分と前記した(イ)成
分とは混合されて本発明のエマルション組成物となる。
その混合割合は、(イ)成分の固形分100重量部に対
して、(ロ)成分が100〜150重量部、好ましくは
110〜130重量部の範囲から選ばれる。(ロ)成分
を150重量部を越えて混合したのでは、塗膜の硬度が
低下し、100重量部未満ではインク乾燥性が低下す
る。
【0017】以上の方法により得られたエマルション組
成物は、充分な透光性、インク吸収性、インク乾燥性、
ブロッキング性に優れた塗膜を形成し、被記録材の表面
コート材として好適に用いる事ができる。
【0018】また、本発明においては、前記した(イ)
成分及び(ロ)成分に加えて、一分子中にエチレン性不
飽和基を2個以上有する単量体を水に分散させたエマル
ション(ハ)とラジカル重合開始剤(ニ)とを添加する
事により前記特性に加えてさらにインクドットの周辺が
鮮明、表面硬度が高く傷がつきにくい、基材との密着性
及び耐ブロッキング性が向上する等の特性が発現され
る。
【0019】一分子中にエチレン性不飽和基を2個以上
有する単量体としては、エチレングリコールジアクリレ
ート、ポリエチレングリコールジアクリレート、エチレ
ングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコー
ルジメクリレート、プロピレングリコールジアクリレー
ト、ポリプロピレングリコールジアクリレート、プロピ
レングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリ
コールジメタクリレート、トリメチロールプロパンジア
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメ
チロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリ
トールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
アクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペ
ンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリ
スリトールヘキサアクリレート等の多官能単量体;エポ
キシ(メタ)アクリレート,ウレタン(メタ)アクリレ
ート,ポリエステル(メタ)アクリレート等の比較的分
子量の大きい単量体などが挙げられる。これらは必要に
応じて2種以上を併用してもよいし、単官能単量体を併
用してもよい。
【0020】上記した(ハ)成分を重合させるためにラ
ジカル重合開始剤(ニ)が(ハ)成分と共に加えられ
る。本発明で得られるエマルション組成物を光硬化性に
する場合には、(ニ)成分として、光重合開始剤が使用
される。光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン,
ベンゾインメチルエーテル,ベンゾインエチルエーテ
ル,ベンゾインプロピルエーテル,α−メチルベンゾイ
ン等のベンゾイン類;1−クロロアントラキノン,2−
クロロアントラキノン等のアントラキノン類;ベンゾフ
エノン,P−クロロベンゾフエノン,P−ジメチルアミ
ノベンゾフエノン等のベンゾフエノン類;ジフエニルジ
スルフイド,テトラメチルチウラムジスルフイド等の含
イオウ化合物類等の光重合開始剤をあげることができ
る。また、本発明で得られるエマルション組成物を熱硬
化性にする場合は、ベンゾイルパーオキシド、ジアシル
パーオキシド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニ
トリル,アゾビスジメチルバレロニトリル等のアゾ系化
合物が使用される。
【0021】(ハ)成分は、上記の一分子中にエチレン
性不飽和基を2個以上有する単量体100重量部に対し
て、水150〜300重量部を界面活性剤の存在下に混
合することによって調製することができる。
【0022】上記した(ハ)成分の使用量は、(イ)の
固形分100重量部に対して、(ハ)成分の単量体で2
0〜50重量部の範囲から選択される。20重量部以下
では、基材との密着性及び塗膜硬度の向上が見られず、
50重量部以上ではインク乾燥性、全光線透過率の低下
がおこる。また、上記した(ニ)成分の使用量は、
(ハ)の単量体100重量部に対して、0.05〜20
重量部、好ましくは0.5〜10重量部の範囲から採用
される。
【0023】本発明のエマルション組成物には上記した
各成分に加えて、造膜助剤、可塑剤、消泡剤、漏れ促進
剤、防カビ剤、防腐剤、増粘剤、PH調節剤、有機溶剤
等の添加剤、またはインク吸収性を高めるために、透光
性を妨げない程度に各種充填剤、例えば、シリカ、クレ
ー、タルク、ケイソウ土、炭酸カルシウム、硫酸カルシ
ウム、硫酸バリウム、ケイ酸アルミニウム、合成ゼオラ
イト、アルミナ、酸化亜鉛等の充填剤を分散させること
もできる。
【0024】本発明のエマルション組成物は、次の方法
によって基材上に塗膜を形成させることができる。すな
わち、(イ)成分と(ロ)成分とよりなるエマルション
組成物の場合は、基材表面に、ロールコーティング、バ
ーコーティング、グラビアコーティング、エアナイフコ
ーティング等の公知の方法により塗工し、乾燥させれば
よい。(ハ)成分と(ニ)成分とを含むエマルション組
成物の場合は、上記と同様にして乾燥させた後、熱硬
化、紫外線照射による硬化、電子線照射による硬化等の
方法により良好な硬化塗膜を形成させることができる。
紫外線照射の場合は、120W/cmの高圧水銀灯の照
射で硬化を行うことができる。また、加熱による硬化の
場合は、140℃,10分の加熱により硬化は完了す
る。
【0025】
【効果】本発明のエマルション組成物から得られる塗膜
は、充分な透光性を有しており、インク吸収性、インク
乾燥性、耐ブロッキング性、基材との密着性に優れてお
り、被記録材の表面コート材として好適である。また、
一分子中にエチレン性不飽和基を2個以上有する単量体
のエマルションおよびラジカル重合開始剤を併用するこ
とにより、上記特性に加えてさらに基材との密着性及び
耐ブロッキング性が向上し、また塗膜硬度が高くインク
ドットの形状が小さい等の特性が発現する。したがっ
て、本発明のエマルション組成物は、インクジェット、
プロッターペン等の被記録材の表面コート材として好適
に用いる事ができる。
【0026】
【実施例】以下に、本発明を具体的に説明するために実
施例及び比較例を掲げるが、本発明はこれらの実施例に
限定されるものではない。
【0027】尚、以下の実施例及び比較例で得られた塗
膜の性状は、次の方法によって評価した。
【0028】(1)透明性(全光線透過率) 基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム)に塗膜の
厚みが4.5μmになる様にエマルション組成物をバー
コーターにて塗布し、色差計(日本電色工業(株)製
Σ80)にて全光線透過率を測定した。
【0029】(2)濁度 上記(1)と同様にして基材に塗布し、色差計(日本電
色工業(株)製 Σ80)にてヘイズ値を測定し、基材
単独で測定した値との差で示した。
【0030】(3)インク乾燥性 インクジェット記録を実施後、一定時間ごとに被記録材
上の印字を指触したとき、インクが乾燥して指に付着し
なくなる時間を測定した。
【0031】(4)インクドットの形状 印字ドットを実体顕微鏡で観察し、ドット形状が円形の
ものを◎、ほぼ円形のものを○、円形が多少くずれたも
のを△、不定形のものを×とした。
【0032】(5)塗膜硬度 上記(1)と同様にして基材に塗布し、荷重100gで
のエンピツ硬度を測定した。
【0033】(6)ブロッキング性 上記(1)と同様にして基材に塗布し、塗布面と塗布
面、塗布面と裏面を接触させ、500g/cm2の荷重
をかけ、60℃、50%RHの雰囲気中に45時間放置
後、塗布面と塗布面の剥離性が良好なものを◎,塗布面
と裏面の剥離性が良好なものを○,やや不良のものを
△,不良のものを×で示した。
【0034】(7)密着性 鋭利なカッターナイフで塗膜にクロスカットを入れた
後、市販のセロテープを貼り付け、次いですばやく剥し
た時に1片も剥れず残っている場合を◎,一片でも剥れ
た場合は、別にクロスカットを入れず塗膜上にセロテー
プを貼り付け、次いですばやく剥す操作を行い、剥れず
残っている場合を○、一部剥れた場合を△、全面剥れた
場合を×で示した。
【0035】(8)保存安定性 調製したエマルション組成物をサンプルビンに入れ、遮
光して室温で90日間保存した。保存後に沈殿が生じな
かったものを○、沈殿が生じたものを×で表示した。
【0036】実施例1 撹拌機、温度計及び冷却管を備えた反応容器に水280
部(重量部、以下同様)とラウリル硫酸ナトリウム1.
4部を添加し、容器内を窒素ガスで置換した。
【0037】85℃に昇温後、過硫酸カリウム0.2部
を水33部に溶解した重合開始剤水溶液を添加し、アク
リル酸n−ブチル9.0部、メタクリル酸メチル28.
7部、メタクリル酸16.5部、ジフェニル−2−メタ
クリロイルオキシエチルホスフェート8.3部(共重合
体中に占める割合で2.6モル%)の混合モノマーを6
0分で滴下し、さらに60分間撹拌して第1段目の重合
を行った。さらに続いてアクリル酸n−ブチル22.2
部、メタクリル酸メチル14.9部、テトラエチレング
リコールジメタクリレート0.4部の混合モノマーを3
0分で滴下し、さらに2時間重合を行った。
【0038】得られたエマルション中の固形分100部
に対して、ポリビニルアルコール117部を水1259
部に溶解したポリビニルアルコール水溶液を添加し、充
分撹拌した。
【0039】得られたエマルションを厚さ125μmの
ポリエチレンテレフタレートフィルムに乾燥後の膜厚
4.5μmになるようにバーコーターにて塗布し、60
℃の温風にて乾燥させて被記録材を得た。得られた被記
録材は、インクジェット(キャノン(株)製α−50)
にて印字し、塗膜の性状を評価し、表1にその結果を示
した。
【0040】実施例2〜3 実施例1においてジフェニル−2−メタクリロイルオキ
シエチルホスフェートの添加量を11.1部(共重合体
中に占める割合で3.4モル%、以下同じ)、15.0
部(4.5モル%)に変えた以外はすべて実施例1と同
様にしてエマルション組成物を調製し被記録材を得た。
塗膜の評価を実施例1と同様に行い、表1にその結果を
示した。
【0041】実施例4〜5 実施例1において、リン酸エステルとして表1に示した
ものを使用したこと以外はすべて実施例1と同様にして
エマルション組成物を調製し被記録材を得た。塗膜の評
価を実施例1と同様に行い、表1にその結果を示した。
【0042】比較例1〜3 実施例1においてジフェニル−2−メタクリロイルオキ
シエチルホスフェートの添加量を無添加及び5.6部
(1.7モル%)、17部(5.1モル%)に変えた以
外はすべて実施例1と同様にしてエマルション組成物を
調製し被記録材を得た。塗膜の評価を実施例1と同様に
行い、表1にその結果を示した。
【0043】
【表1】
【0044】尚、表1において、アクリル系単量体の欄
の上段は一段目重合の添加量であり、下段は二段目重合
の添加量である。
【0045】実施例6〜7 実施例1において、アクリル系単量体として表2に示し
たものを使用したこと以外はすべて実施例1と同様にし
てエマルション組成物を調製し被記録材を得た。塗膜の
評価を実施例1と同様に行い、表2にその結果を示し
た。
【0046】実施例8〜9 実施例1において、水溶性重合体の種類と量を表2に示
したように変えたこと以外はすべて実施例1と同様にし
てエマルション組成物を調製し被記録材を得た。塗膜の
評価を実施例1と同様に行い、表2にその結果を示し
た。
【0047】実施例10 ラウリル硫酸ナトリウム0.08部およびポリビニルア
ルコール1.4部を水46.1部に溶解し、この水溶液
を70℃に昇温した後、下記組成物 ウレタンアクリレート 3.8部 (ダイセルUCB(株)製,商品名 EBECRYL1290K) トリメチロールプロパントリアクリレート 19.4部 光重合開始剤 0.9部 (メルクジャパン(株)製,商品名 ダロキュア1173) の混合物を撹拌しながら約10分で滴下した。さらに3
0分間同温度で撹拌を続け、エマルションを得た。
【0048】こうして得られた上記エマルションと、実
施例1で得られた共重合体とポリビニルアルコールを混
合してなるエマルションとを混合し、エマルション組成
物を調製した。得られたエマルション組成物を厚さ12
5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに乾燥後
の膜厚が4.5μmになるようにバーコーターにて塗布
し、60℃の温風にて乾燥させた後、高圧水銀灯(12
0W/cm)で紫外線照射して硬化させた。得られた被
記録材は、実施例1と同様に評価し、表2にその結果を
示した。
【0049】実施例11〜12 実施例10において、一分子中にエチレン性不飽和基を
2個以上有する単量体の種類と量を表2に示したように
変えたこと以外はすべて実施例10と同様にしてエマル
ション組成物を調製し被記録材を得た。塗膜の評価を実
施例1と同様に行い、表2にその結果を示した。
【0050】実施例13 実施例10と同様にして得られたエマルション組成物
に、シリカ(徳山曹達(株)製、商品名 ファインシー
ルX−37)を3.7部混合したこと以外はすべて実施
例10と同様にしてエマルション組成物を調製し被記録
材を得た。塗膜の評価を実施例1と同様に行い、表2に
その結果を示した。
【0051】
【表2】
【0052】尚、表1において、アクリル系単量体の欄
の上段は一段目重合の添加量であり、下段は二段目重合
の添加量である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 33/06 C08F 2/44 C08L 101/14 C09D 133/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)エチレン性不飽和基を有するリン酸
    エステルとアクリル系単量体との共重合体であって、該
    エチレン性不飽和基を有するリン酸エステルに基づく単
    量体単位の共重合体中に占める割合が2.0〜5.0モ
    ル%であり、アクリル系単量体に基づく単量体単位の共
    重合体中に占める割合が95.0〜98.0モル%であ
    る共重合体を水に分散させた共重合体エマルション及び
    (ロ)水溶性重合体よりなり、(イ)の固形分100重
    量部に対して(ロ)が100〜150重量部であること
    を特徴とするエマルション組成物。
  2. 【請求項2】(イ)エチレン性不飽和基を有するリン酸
    エステルとアクリル系単量体との共重合体であって、該
    エチレン性不飽和基を有するリン酸エステルに基づく単
    量体単位の共重合体中に占める割合が2.0〜5.0モ
    ル%であり、アクリル系単量体に基づく単量体単位の共
    重合体中に占める割合が95.0〜98.0モル%であ
    る共重合体を水に分散させた共重合体エマルション (ロ)水溶性重合体 (ハ)一分子中にエチレン性不飽和基を2個以上有する
    単量体を水に分散させたエマルション及び(ニ)ラジカ
    ル重合開始剤 よりなり、(イ)の固形分100重量部に対して(ロ)
    が100〜150重量部、(ハ)の単量体が20〜50
    重量部、(ハ)の単量体100重量部に対して(ニ)が
    0.05〜20重量部であることを特徴とするエマルシ
    ョン組成物。
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